JP4481659B2 - 1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法及びそれに用いられる塩 - Google Patents

1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法及びそれに用いられる塩 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、医薬品、農薬等の精密化学品の合成中間体として有用な、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法に関する。また、光学純度向上に用いられる1−ベンジル−3−アミノピロリジンの新規な塩にも関する。
背景技術
1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法としては、ラセミ体の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを、光学活性なカルボン酸誘導体を用いて光学分割する方法(特開平02−218664号公報)、光学活性なアミノ酸誘導体又は光学活性な酒石酸誘導体で光学分割する方法(特開平09−124595号公報、特開平09−176115号公報)、光学活性なカンファースルフォン酸等にて光学分割する方法(特開平09−216866号公報)等が知られているが、何れも入手困難かつ高価な光学活性の光学分割剤を使用するものであり、工業的な方法としては問題があった。
一方、光学活性な原料を使用し、それを誘導化することにより、光学活性な1−ベンジル−3−アミノピロリジンを取得する試みがなされているが、往々にして誘導化の途中段階でのラセミ化が避けられないことが多く、高光学純度を有する1−ベンジル−3−アミノピロリジンを得ることは難しい(特開2000−53642号公報、特表平07−506110号公報等)。これらの方法で得られる低光学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度を向上させる方法の開発が望まれていた。
1−ベンジル−3−アミノピロリジンの塩としては、上記のような光学活性な酸との塩以外には、ラセミの1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1塩酸塩(テトラヘドロン レターズ 42(2001)5645)、光学活性な1−ベンジル−3−アミノピロリジンの2塩酸塩(特開平02−218664号公報)、及び、ラセミの1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1フマル酸塩が知られているが、これらの塩を形成させることによって光学純度が向上したとの報告は一切ない。
以上のように、低光学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを、安価な試剤を使用し、簡便な操作で光学純度を向上させる方法は知られていなかった。発明の要約
本発明は、上記に鑑み、低光学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを、安価な試剤を使用し、簡便な操作で光学純度を向上させる方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを非光学活性な酸との1モル対1モルの塩とし、その塩を結晶として取得することにより、安価かつ簡便に光学純度の向上した1−ベンジル−3−アミノピロリジンを得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを、非光学活性な酸との1モル対1モルの塩とし、その塩を結晶として取得することを特徴とする1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法に関する。
また、本発明は、下記一般式(1)
Figure 0004481659
(式中、HXは、臭化水素酸、メタンスルフォン酸、又は、酢酸を表す)で表される1−ベンジル−3−アミノピロリジンの塩に関する。
発明の詳細な開示
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン、特にその光学活性体を、非光学活性な酸との1モル対1モルの塩とし、その塩を結晶として取得するものである。
本発明に供することのできる低光学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンは、例えば、特開2000−53642号公報に記載のように、1,2,4−三置換ブタン誘導体を第一級アミンの存在下でピロリジン誘導体に変換した後、さらに圧力下でアミンの存在下で反応させる方法や、特表平07−506110号公報に記載のように、アミノ基が保護されたL−アスパラギン酸を還元し、これにチオニルハライド等を反応させ、さらにアミンと反応させてピロリジン誘導体とした後、脱保護する方法等により、製造することができる。
本発明で使用する非光学活性な酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、燐酸、硫酸等の鉱酸;メタンスルフォン酸等の有機スルフォン酸;酢酸等のカルボン酸等を挙げることができる。これらの酸は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの酸の内、1−ベンジル−3−アミノピロリジンとの1モル対1モルの塩を形成し易いことから、塩酸、臭化水素酸、メタンスルフォン酸、酢酸等の1価の酸が好ましく、また、結晶の吸湿性が低いこと、濾過性がよいこと等の結晶物性の観点から、臭化水素酸、メタンスルフォン酸がより好ましい。
上記非光学活性な酸の使用量は、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと1モル対1モルの塩を形成させ、結晶として析出させることができる量を使用すれば良く、特に限定されないが、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと1モル対2モルの塩を形成させることなく、優れた光学純度向上効果を得るという点から、1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して、好ましくは0.1〜1モル当量、より好ましくは0.5〜0.9モル当量である。また、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの多い方の光学異性体に対して1モル当量以下の量を使用することにより、光学純度の向上効果を最大とすることができる。
本発明の光学純度向上方法は、溶媒中で好ましく実施される。本発明で使用することのできる溶媒としては、例えば、イソプロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;トルエン、ヘキサン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル等のエーテル類;グライム等のポリエーテル類;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルフォルムアミド等のアミド類;ジメチルスルフォキシド等のスルフォキシド類;及び水等を挙げることができる。好ましくは、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、イソプロパノール、エタノール等のアルコール類、及び水を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
これら溶媒の種類、使用量、混合比は、取得する塩の溶解度に合わせて選択すれば良い。
次に、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との1モル対1モルの塩の結晶化方法としては、以下のような方法が挙げられる。
1)1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸の水溶液を混合した後、濃縮して水分を留去することにより結晶化させる方法。この場合、水と共沸しうる溶媒(例えば、酢酸エチル、トルエン等)を使用し、共沸効果により水分を留去することもできる。
2)1−ベンジル−3−アミノピロリジンを溶媒中で、非光学活性な酸と混合することにより結晶化させる方法。
3)1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸を溶媒中で混合するか、又は、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を溶媒に溶解させた後、冷却して結晶化させる方法。
4)1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸を溶媒中で混合するか、又は、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を溶媒に溶解させた後、貧溶媒を添加又は貧溶媒に置換することにより結晶化させる方法。
上記の方法は、塩の種類と溶媒の組み合わせにより、適切に選択すれば良い。例えば、塩酸、臭化水素酸等の水溶液として使用し易い酸を用いる場合は、1)の方法を、また、メタンスルフォン酸、酢酸等の通常非含水物として使用し易い酸を用いる場合は、2)の方法を選択するのが好ましい。さらに、1)又は2)の方法で得られた塩のスラリー溶液を、3)の方法にて、再溶解した後、冷却して結晶化させる等、1)、2)、3)、4)の方法を適宜組み合わせて結晶化させることもできる。
上記2)〜4)で用いる溶媒としては、前述の溶媒と同じものが挙げられる。
また、4)で用いる貧溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン等が挙げられる。
上記3)〜4)における1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩としては、例えば、本発明に記載した方法(上記1)、2)の方法や、上記3)、4)のうち1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸を溶媒中で混合する方法)により一旦取得した1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を再度使用してもよいし、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを合成する際に、非光学活性な酸を共存させることにより、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を生成させたものを使用してもよい。
また、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を溶媒に溶解させる際に、例えば加熱等を行うこともできる。その場合の加熱温度は、特に限定されないが、使用する溶媒種又は混合溶媒種に、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸が溶解する温度以上で適切に設定すればよい。
上記1)〜4)の結晶化方法における結晶化温度は、塩の種類と使用する溶媒の種類により適宜選択すれば良く、特に限定されないが、好ましくは、使用する溶媒種又は混合溶媒種に、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸が溶解する温度未満で、目標とする析出量に合わせて適切に設定すればよい。
上記の結晶化方法により析出した1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との1モル対1モルの塩の結晶は、濾過操作等により分離、取得することができる。
上記方法によって結晶化した、光学純度が向上した1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との1モル対1モルの塩は、光学純度と共に、化学純度も向上しているので、そのまま医薬品、農薬等の精密化学品の原料として用いることもできるが、さらに、水酸化アルカリ金属等の塩基で処理することにより1−ベンジル−3−アミノピロリジンを遊離させ、抽出、濃縮、蒸留等の操作を行うことにより、光学純度の向上した1−ベンジル−3−アミノピロリジンのオイルとして取得することもできる。
なお、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との1モル対1モルの塩のなかでも、下記式(1)
Figure 0004481659
(式中、HXは、臭化水素酸、メタンスルフォン酸、又は、酢酸を表す)で表される、臭化水素酸、メタンスルフォン酸、又は、酢酸との塩、特にその光学活性体は、本発明者らによって1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法における有用性が見出された新規化合物である。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
尚、以下の実施例における光学純度は、下記方法により決定した。0.18%1−ベンジル−3−アミノピロリジンのアセトニトリル溶液0.1mL(1−ベンジル−3−アミノピロリジンの非光学活性な酸との塩を分析する場合には、その塩を水に溶解し、水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性とし、トルエン抽出、濃縮して、1−ベンジル−3−アミノピロリジンのオイルとしたものを使用する)に、0.4%GITC(GITC:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルチオシアナート)のアセトニトリル溶液0.2mLを添加して室温で10分間反応させた後、0.2%エタノールアミンのアセトニトリル溶液0.1mLを加えて3分間放置し、次いで0.05%リン酸水溶液1.0mLで希釈して試料溶液とした。5μLをHPLCに注入してその面積比で光学純度を測定した。分析に使用したカラムはCAPCELL PAK C18 SG120(SISEIDO)4.6mmφ×250mm、移動相はpH4水溶液(0.03%アンモニア水溶液に5%酢酸水溶液を添加してpH4に調整した水溶液)/メタノール=62/38(容量比)を用いた。流速は1.0mL/分で、カラム温度30℃、検出はUV254nmで行った。(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンのGITC誘導化体は25.5分、(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンのGITC誘導化体は28.5分に検出した。
(実施例1)
化学純度89.9wt%、光学純度88.8%ee(R体過剰)の1−ベンジル−3−アミノピロリジン1.50gを酢酸エチル10gに溶解した。濃塩酸0.75g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して1.0モル当量)を加えた。この溶液を減圧下濃縮し、水分を留去した。濃縮物に酢酸エチル20mLを加え、再度濃縮した。得られた濃縮物に酢酸エチル20mLを加え、結晶化させた。結晶を濾過、乾燥し、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1塩酸塩、1.48gを得た。光学純度は93.6%ee(R体過剰)まで向上していた。
(実施例2)
濃塩酸の代わりに48%臭化水素酸1.21g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して1.0モル当量)を用いる以外は実施例1と同様にして、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1臭化水素酸塩、1.68gを得た。光学純度は96.0%ee(R体過剰)まで向上していた。
1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1臭化水素酸塩
融点:103〜107℃
IR(KBr)cm−1:2149、1613、1526、1467、1408、1379
(実施例3)
化学純度89.9wt%、光学純度88.8%ee(R体過剰)の1−ベンジル−3−アミノピロリジン1.51gを酢酸エチル10gに溶解した。酢酸0.41g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.94モル当量)を加えた。この溶液にヘキサン30mLを加えて結晶化させた。結晶を濾過、乾燥し、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1酢酸塩、1.48gを得た。光学純度は93.4%ee(R体過剰)まで向上していた。
1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1酢酸塩
融点:90〜95℃
IR(KBr)cm−1:2224,1647、1541、1474、1352、1154
(実施例4)
化学純度89.9wt%、光学純度88.8%ee(R体過剰)の1−ベンジル−3−アミノピロリジン1.42gを酢酸エチル5gに溶解した。メタンスルフォン酸0.49g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.75モル当量)を酢酸エチル5gに溶解した溶液を加えた。添加とともに結晶が析出した。結晶を濾過、乾燥し、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1メタンスルフォン酸塩、1.40gを得た。光学純度は95.4%ee(R体過剰)まで向上していた。
1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1メタンスルフォン酸塩
融点:97〜102℃
IR(KBr)cm−1:2149、1615、1549、1453、1240、1148
(実施例5)
化学純度100wt%、光学純度90.5%ee(R体過剰)の1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.38gをイソプロパノール15gに溶解した。48%臭化水素酸3.05g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.99モル当量)を加えた。減圧下に約5g分を濃縮留去することにより脱水し、室温で撹拌することにより結晶化した。結晶を濾過、乾燥し、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1臭化水素酸塩、0.95gを得た。光学純度は99.6%ee(R体過剰)まで向上していた。
(実施例6)
化学純度90.3wt%、光学純度89.8%ee(R体過剰)の1−ベンジル−3−アミノピロリジン10.17gをエタノール30gに溶解した。48%臭化水素酸7.84g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.94モル当量)を加えた。減圧下に濃縮し脱水させた後、酢酸エチル59gを加えることで、結晶化させた。得られたスラリーを約70℃まで加温し、結晶を完全に溶解させた。得られた溶液を、ゆっくり冷却することにより、結晶化させた。結晶を濾過、乾燥し、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1臭化水素酸塩、6.15gを得た。光学純度は100%ee(R体過剰)まで向上していた。
(実施例7)
化学純度90.3wt%、光学純度89.8%ee(R体過剰)の1−ベンジル−3−アミノピロリジン10.17gをエタノール30gに溶解した。メタンスルフォン酸4.47g((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.94モル当量)を加えた。減圧下にエタノールを留去した後、酢酸エチル54gを加えることで、結晶化させた。得られたスラリーを約79℃まで加温し、結晶を完全に溶解させた。得られた溶液を、ゆっくり冷却することにより、結晶化させた。結晶を濾過、乾燥し、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1メタンスルフォン酸塩、12.12gを得た。光学純度は96.1%ee(R体過剰)まで向上していた。
得られた1−ベンジル−3−アミノピロリジンの1メタンスルフォン酸塩、2gを水5mLに溶解し、30%水酸化ナトリウムを加えて、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを遊離させた。この溶液をトルエン20mLで抽出し、濃縮することにより、1−ベンジル−3−アミノピロリジン、1.10gをオイルとして得た。
産業上の利用可能性
本発明によれば、上述の如く、低光学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを、安価な試剤を用いて、簡便な操作にて、光学純度を向上させることができる。

Claims (7)

  1. 1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学活性体を、塩酸、臭化水素酸、メタンスルフォン酸、及び酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の非光学活性な酸との1モル対1モルの塩とし、その塩を結晶化させることを特徴とする光学活性1−ベンジル−3−アミノピロリジンの光学純度向上方法。
  2. 非光学活性な酸の使用量が、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの多い方の光学異性体に対して1モル当量以下である請求の範囲第項記載の方法。
  3. 非光学活性な酸を水溶液として使用し、濃縮脱水することにより結晶化させる請求の範囲第1〜項のいずれかに記載の方法。
  4. 1−ベンジル−3−アミノピロリジンを溶媒中で、非光学活性な酸と混合することにより結晶化させる請求の範囲第1〜項のいずれかに記載の方法。
  5. 1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸を溶媒中で混合するか、又は、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を溶媒に溶解させた後、冷却して結晶化させる請求の範囲第1〜項のいずれかに記載の方法。
  6. 1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸を溶媒中で混合するか、又は、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと非光学活性な酸との塩を溶媒に溶解させた後、貧溶媒を添加又は貧溶媒に置換することにより結晶化させる請求の範囲第1〜項のいずれかに記載の方法。
  7. 非光学活性な酸が、臭化水素酸又はメタンスルフォン酸である請求の範囲第項記載の方法。
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