JP4481378B2 - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレン系樹脂組成物に関し、詳しくは、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含み、特定のシリコーンオイルからなるスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(以下、単に「シンジオタクチックポリスチレン」,「シンジオタクチックスチレン系重合体」、又は「SPS」と呼ぶことがある)は優れた耐薬品性、耐熱性、電気特性、吸水寸法安定性を有しており、エンジニアリングプラスチックとして種々な工業部品に用いられている。
【0003】
ところで、プラスチック工業部品を射出成形法、プレス成形法、真空・圧空成形等で生産する場合、生産コスト削減・大量生産の為に、成形サイクルの短時間化を要求される場合がある。
ところがシンジオタクチックポリスチレンの成形においては、過度に成形サイクルを短時間化すると、金型からの製品取出し時に、突き出しピン等による変形を生じる場合があり、この成形サイクル短時間化への困難性のため、更なるSPSのプラスチック工業分野への適用範囲の拡大が制限されてきた。
【0004】
一般に短時間の成形サイクルにおける製品の突き出し変形を抑制する為には、樹脂組成物中に無機フィラーを添加することによる製品の剛性を向上させる方法や、離型剤を添加して離型時の製品と金型との滑性を向上させる方法などが知られている。
ところで、離型剤を用いる場合、ベースとなる樹脂と離型剤との間の親和性について微妙なコントロールが要求される。即ち、親和性が過度に良いと、離型剤が樹脂中に取り込まれてしまって製品表面には局在化せず、そのため離型効果は望めない。逆に親和性が悪いと、樹脂中には取り込まれず、離型効果は発揮されるものの金型へのブリードアウトを起こし、製品の外観不良を引き起こす原因となる。
【0005】
従来、アタクチックポリスチレン(一般にはGPPS、HIPS)の成形においては、ジメチルシリコーンオイルを離型剤又は摺動剤として添加することは広く知られている。しかしながら、シンジオタクチックポリスチレンにおいては、その混練温度、成形温度及び射出成形における金型温度がアタクチックポリスチレンに比べ高温であるため、ジメチルシリコーンオイルの分解・劣化に起因すると考えられる製品外観不良や金型へのブリードアウト等の不良が発生することから、該ジメチルシリコーンオイルの使用は望ましくなかった。
【0006】
そのため、シンジオタクチックポリスチレンの成形に好ましく適用しうる高性能な離型剤が強く望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形時に高い離型性能を有し、かつ金型へのブリードアウトや製品外観への影響の少ないシンジオタクチックスチレン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述のように、望ましい性質を有するシンジオタクチックポリスチレンを含むスチレン系樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、(1)従来、SPSとは相溶性が悪く離型剤としては適さないと考えられていたジメチルシリコーンオイルであっても、特定の粘度を有し、かつ低分子成分が特定量以下であるものを特定量(少量)添加すること、または(2)従来、スチレン系重合体とは相溶性が悪いと考えられていたアルキル変性シリコーンオイルを特定量添加することにより、その目的を達成しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下のスチレン系樹脂組成物を提供するものである。
1.(A)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体98〜10重量%、(B)ポリエチレン、ポリプロピレン、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、ASポリフェニレンエーテル、フマル酸変性ポリフェニレンエーテル及びマレイン酸変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び/又は、SBR、SEB、SBS、SEBS、SIR、SEP、SIS、SEPS、EPM、EPDM、エチレン・ オクテン共重合体系エラストマー及びマレイン酸変性SEBSから選ばれる少なくとも1種のゴム状弾性体2〜90重量%、及び(C)シリコン原子数で10以下のオリゴマー成分が10ppm未満であり、かつ25℃における粘度が90〜50,000cStであるジメチルシリコーンオイルを、上記(A)+(B)の合計100重量部に対し、0.01〜0.5重量部含有してなるスチレン系樹脂組成物。
2.(A)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体95〜15重量%、(B)ポリエチレン、ポリプロピレン、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、ASポリフェニレンエーテル、フマル酸変性ポリフェニレンエーテル及びマレイン酸変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び/又は、SEBS、SEPS、エチレン・ オクテン共重合体系エラストマー及びマレイン酸変性SEBSから選ばれる少なくとも1種のゴム状弾性体5〜85重量%、及び(C)シリコン原子数で10以下のオリゴマー成分が10ppm未満であり、かつ25℃における粘度が100〜30,000cStであるジメチルシリコーンオイルを、上記(A)+(B)の合計100重量部に対し、0.05〜0.4重量部含有してなる請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、これに限定されるものではない。
1.スチレン系樹脂組成物の各成分の内容
本発明にかかるスチレン系樹脂組成物は、その必須成分として、シンジオタクチックスチレン系重合体,シンジオタクチックスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂及び/又はゴム状弾性体、特定のジメチルシリコーンオイル又はアルキル変性シリコーンオイルを有するものであるが、これらの成分以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の成分を添加してもよい。
(1)シンジオタクチックスチレン系重合体
シンジオタクチックスチレン系重合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法) により定量される。13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明に言うシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ( ハロゲン化スチレン) 、ポリ( ハロゲン化アルキルスチレン) 、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、またポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メチキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。
【0011】
なお、これらのうち特に好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリープチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
【0012】
このようなシンジオタクチックスチレン系重合体は、例えば、不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体( 上記スチレン系重合体に対応する単量体) を重合することにより製造することができる( 特開昭62―187708号公報) 。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については特開平1−46912号公報、これらの水素化重合体は特開平1−178505号公報記載の方法などにより得ることができる。
【0013】
なお、これらの主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)シンジオタクチックスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂
シンジオタクチックスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂としては、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチルペンテン、環状ポリオレフィンをはじめとするポリオレフィン系樹脂、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、ASをはじめとするポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、PPSまたはこれらを変性したもの等公知のものから任意に選択して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂の中でポリエチレン、ポリプロピレン、及びアタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、ASをはじめとするポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、フマル酸変性ポリフェニレンエーテル、マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルが特に好ましく用いられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
なお、アタクティックな立体構造を有するスチレン系重合体( 以下、「アタクティックポリスチレン」と呼ぶことがある) は、溶液重合, 塊状重合, 懸濁重合, 塊状- 懸濁重合等の重合方法によって得られる、下記一般式(1)で表される1種以上の芳香族ビニル化合物からなる重合体、あるいは1種類以上の芳香族ビニル化合物と共重合可能な1種類以上の他のビニル単量体の共重合体、これらの重合体の水素化重合体、及びこれらの混合物である。( 式中、Rは水素原子,ハロゲン原子または炭素原子, 酸素原子, 窒素原子, 硫黄原子,リン原子,セレン原子,ケイ素原子及びスズ原子のいずれか1 種類以上を含む置換基を示し、mは1〜3の整数を示す。但し、mが複数の時は、各Rは同一でも異なるものであっても良い。)
【0015】
【化1】
Figure 0004481378
【0016】
ここで使用される好ましい芳香族ビニル化合物としては、スチレン,α−メチルスチレン,メチルスチレン,エチルスチレン,イソプロピルスチレン,ターシャリーブチルスチレン,フェニルスチレン,ビニルスチレン,クロロスチレン,ブロモスチレン,フルオロスチレン,クロロメチルスチレン,メトキシスチレン,エトキシスチレン等があり、これらは1 種または2 種以上で使用される。これらのうち特に好ましい芳香族ビニル化合物としては、スチレン,p−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−ターシャリーブチルスチレン,p−クロロスチレン,m−クロロスチレン,p−フルオロスチレンである。共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリロニトリル,メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物,メチルアクリレート,エチルアクリレート,プロピルアクリレート,ブチルアクリレート,アミルカクリレート,ヘキシルアクリレート,オクチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,シクロヘキシルアクリレート,ドデシルアクリレート,オクタデシルアクリレート,フェニルアクリレート,ベンジルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ブチルメタクリレート,アミルメタクリレート,ヘキシルメタクリレート,オクチルメタクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート,シクロヘキシルメタクリレート,ドデシルメタクリレート,オクタデシルメタクリレート,フェニルメタクリレート,ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、マレイミド,N−メチルマレイミド,N−エチルマレイミド,N−ブチルマレイミド,N−ラウリルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミド,N−フェニルマレイミド,N−(p−ブロモフェニル)マレイミド等のマレイミド系化合物等がある。また、共重合可能なゴム状重合体としては、ポリブタジエン,スチレン−ブタジエン共重合体,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体,ポリイソプレン等のジエン系ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体,エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体,ポリアクリル酸エステル等の非ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体,水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体,エチレン−プロピレンエラストマー,スチレン−グラフト−エチレン−プロピレンエラストマー,エチレン系アイオノマー樹脂,水素化スチレン−イソプレン共重合体等が挙げられる。
【0017】
このアタクティックポリスチレンは、その分子量については特に制限はないが、一般に、重量平均分子量が10,000以上、好ましくは50,000以上である。ここで重量平均分子量が10,000未満のものでは、得られる成形品の熱的性質, 機械的性質が低下し好ましくない。さらに、分子量分布についても広狭の制限はなく、様々のものを充当することができる。
【0018】
また、ポリフェニレンエーテルは、公知の化合物であり、この目的に使用するため、米国特許3,306,874号、同3,306,875号、同3,257,357 号及び同3,257,358号各明細書を参照することができる。
ポリフェニレンエ−テルは、通常、銅アミン錯体、一種またはそれ以上の二箇所もしくは三箇所置換フェノ−ルの存在下で、ホモポリマ−またはコポリマ−を生成する酸化カップリング反応によって調製される。ここで、銅アミン錯体は第一、第二及びまたは第三アミンから誘導される銅アミン錯体を使用できる。適切なポリフェニレンエ−テルの例としては、ポリ(2,3−ジメチル−6−エチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−6−クロロメチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2、3 、6−トリメチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−(4’−メチルフェニル)−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−ブロモ−6−フェニル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−クロロ−6−エチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモ−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−クロロ−6−メチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエ−テル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ−テル)等が挙げられる。例えば前記ホモポリマ−の調製に使用されるようなフェノ−ル化合物の二種またはそれ以上から誘導される共重合体などの共重合体も適切である。更に例えばポリスチレン等のビニル芳香族化合物と前述のポリフェニレンエ−テルとのグラフト共重合体及びブロック共重合体が挙げられる。これらのうち特に好ましくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ−テル)が用いられる。
(3)ゴム状弾性体
ゴム状弾性体の具体例としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレン・ オクテン共重合体系エラストマー等のオレフィン系ゴム、あるいはブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シロキサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを変性したゴム等が挙げられる。このうち特に、SBR、SEB、SBS、SEBS、SIR、SEP、SIS、SEPS、コアシェルゴム、EPM、EPDM、エチレン・ オクテン共重合体系エラストマーまたはこれらを変性したゴムが好ましく用いられる。なお、これらのゴム状弾性体は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
(4)ジメチルシリコーンオイル
本発明におけるジメチルシリコーンオイルとは、主として〔(CH3 2 SiO〕nの繰り返し単位を有するものである。
【0019】
一般に、ジメチルシリコーンオイルには、様々な粘度のものが知られているが、本発明におけるジメチルシリコーンオイルは、25℃における粘度が90〜50,000cStのものであることが必要で、100〜30,000cStのものが好ましい。90cSt未満のような低粘度のものを用いると、少量の添加でも離型性能は向上するものの、シルバー等の製品外観不良が発生するおそれがある。また50,000cStを超える高粘度のものを用いると、外観不良の発生はないが、離型性能の向上効果が低下し、更にプラスチックへの溶融混練生産時のハンドリング性が著しく低下し、量産には適さない。ここで、粘度は、JIS C 2101−78Rにて測定した値である。
【0020】
さらに、ジメチルシリコーンオイルはシロキサン構造のポリマーであるため、その重合度は分布を有しており、低分子量成分(オリゴマー)を有するものもある。本発明におけるジメチルシリコーンオイルは、シリコン原子数で10以下のオリゴマー成分が10ppm未満であることが必要であり、シリコン原子数で13以下のオリゴマー成分が10ppm未満が好ましい。オリゴマー成分が多いジメチルシリコーンオイルを用いると、金型へのブリードアウトについては、特に問題はないものの、射出成形の成形条件によってはシルバー等の成形不良を生じる場合がある。ここで、オリゴマー成分の量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)にて測定して得た値である。
【0021】
なお、これらのジメチルシリコーンオイルは一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
(5)アルキル変性シリコーンオイル
本発明におけるアルキル変性シリコーンオイルとは、ジメチルシリコーンオイルにおける側鎖メチル基の一部又は全部がアルキル基で置換された構造を有するものである。即ち、ジメチルシリコーンオイルでの〔(CH3 2 SiO〕nの繰り返し単位におけるCH3 −の部分がアルキル基で置換されたものなら何でもよく、すべての繰り返し単位におけるすべてのCH3 −の部分がアルキル基で置換されたもの(即ち、変性率100モル%のもの)や、CH3 −の部分がアルキル基で置換された繰り返し単位とCH3 −の部分がアルキル基で置換されていない繰り返し単位とがランダムに連鎖しているいわゆるランダム体や、それら両者がまとまって連鎖しているいわゆるブロック体も含まれる。
【0022】
CH3 −の部分のうち、アルキル基に置換されているものの存在割合を変性率(単位%)と呼ぶものとすると、変性率が20モル%以上のものが好ましい。20モル%未満であると、ブリードアウトしやすくなるおそれがある。
アルキル基については、その種類は特に問わず、例えば、直鎖アルキル基、分岐型アルキル基等の各種のものが挙げられる。具体的には、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキル基など、具体的にはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換差が導入されていてもよい。
【0023】
なお、これらのアルキル変性シリコーンオイルは一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
(6)その他の添加成分
本発明にかかる樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない限り、無機充填材、酸化防止剤、核剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、帯電防止剤等の添加剤を配合することができる。
【0024】
▲1▼無機充填材
無機充填材としては繊維状のものと、粒状、粉状のものがある。繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ウイスカー、マイカ等が挙げられる。形状としてはクロス状、マット状、集束切断状、短繊維、フィラメント状、ウィスカー等があるが、集束切断状の場合、長さが0.05mm〜50mm、繊維径が5〜20μmのものが好ましい。一方、粒状、粉状充填材としては、例えばタルク、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、シリカ、マイカ、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、オキシサルフェーと、酸化スズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ等が挙げられる。
【0025】
上記のような各種充填材の中でも、炭素繊維、マイカ、炭酸カルシウム、及びガラス充填材、例えばガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスフィラメント、ガラスファイバー、ガラスロビング、ガラスマットが好ましく、これらの中でも特にガラス充填材が好ましく、ガラスファイバーが更に好ましい。
【0026】
また、上述の充填材としては表面処理したものが好ましい。表面処理に用いられるカップリング剤は、充填材と樹脂との接着性を良好にするために用いられるものであり、いわゆるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等、従来公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。中でもγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシラン、エポキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミドエチル,アミノエチル)チタネートが好ましい。
【0027】
また、上記のカップリング剤とともにガラス用フィルム形成性物質を併用することができる。このフィルム形成性物質には、特に制限はなく、例えばポリエステル系、ポリエーテル系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、酢酸ビニル系等の重合体が挙げられる。
なお、これらの無機充填材は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
▲2▼酸化防止剤
酸化防止剤としてはリン系、フェノール系、イオウ系等公知のものから任意に選択して用いることができる。なお、これらの酸化防止剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
▲3▼核剤
核剤としてはアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に選択して用いることができる。具体的な商品名としては、旭デンカ社製 NA11、NA21、大日本インキ社製 PTBBA−AL等が挙げられる。なお、これらの核剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる
▲4▼可塑剤
可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して用いることができる。なお、これらの可塑剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
▲5▼難燃剤、難燃助剤
難燃剤としては、臭素化ポリスチレン、臭素化シンジオタクチックポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルをはじめとする臭素化ポリマー、臭素含有ジフェニルアルカン、臭素含有ジフェニルエーテルをはじめとする臭素化芳香族化合物等公知のものから任意に選択して用いることができる。また、難燃助剤としては三酸化アンチモンをはじめとしたアンチモン化合物、その他公知のものから任意に選択して用いることができる。なお、これらの難燃剤および難燃助剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
2.上記構成成分の配合割合
(1)(A)SPS100〜5重量%(100を含む)、好ましくは98〜10重量%、さらに好ましくは95〜15重量%であり、(B)SPS以外の熱可塑性樹脂および/又はゴム状弾性体0〜95重量%(0を含む)、好ましくは2〜90重量%、さらに好ましくは5〜85重量%である。SPSが5重量%未満の場合、SPSの性質が発揮されないおそれがある。(B)において、SPS以外の熱可塑性樹脂とゴム状弾性体を併用する場合、両者の配合割合は特に問わない。目的に応じて適宜配合比を選択すればよい。(C)ジメチルシリコーンオイルの添加量は、(A)SPS及び(B)SPS以外の熱可塑性樹脂及び/又はゴム状弾性体の合計量100重量部に対し0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.4重量部である。0.01重量部未満の添加では、離型性の改良効果は望めず、0.5重量部を超える場合、離型性の改良効果は望めるものの、シルバー等の製品外観不良、および金型へのブリードアウト発生による連続生産性の低下等の問題が発生するおそれがある。
(2)また、(D)アルキル変性シリコーンオイルの添加量は、(A)SPS及び(B)SPS以外の熱可塑性樹脂及び/又はゴム状弾性体の合計量100重量部に対し0.1〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部である。0.1重量部未満の添加では、離型性の改良効果は望めず、2.0重量部より多い添加では、離型性の改良効果は望めるものの、シルバー等の製品外観不良、および金型へのブリードアウト発生による連続生産性の低下等の問題が発生するおそれがある。
3.本発明にかかるスチレン系樹脂組成物の調製方法
本発明にかかるスチレン系樹脂組成物の調製方法については特に制限はなく公知の方法により調製することができる。例えば、上記成分を常温で混合、あるいは溶融混練など様々な方法でブレンドすればよく、その方法は特に制限はされない。これらの混合・ 混練方法の中でも二軸押出機を用いた溶融混練が好ましく用いられる。二軸押出機を用いた溶融混練においては、用いるSPSの融点以上、350℃未満での混練が好ましい。混練温度が用いるSPSの融点より低いと樹脂の粘度が高すぎるため、生産性が低くなる可能性があり好ましくなく、350℃を超えると樹脂が熱分解する可能性があるため好ましくない。
4.本発明にかかるスチレン系樹脂組成物を用いた成形方法
成形方法についても特に制限はなく、射出成形,押出成形等公知の方法により成形することができる。射出成形では、成形温度が用いるSPSの融点以上、350℃未満が好ましい。成形温度が用いるSPSの融点より低いと、流動性が低下する可能性があるため好ましくなく、350℃を超えると樹脂が熱分解する可能性があるため好ましくない。また金型温度としては、40℃〜200℃が好ましく、50℃〜180℃が更に好ましい。金型温度が40℃未満だとSPSが十分結晶化せず、SPSの特徴が十分発揮されないおそれがあるため好ましくない。また200℃を超えると、離型時の剛性が低下し、エジェクター割れ、変形が発生するおそれがある。
5.本発明にかかるスチレン系樹脂組成物の用途
本発明にかかるスチレン系樹脂組成物は様々な用途に供することが可能で、特に制限されないが、電気・ 電子分野においては、各種コネクタ(SLOT,PGA,D−SUB,AGP,PCI,USB,オーディオジャック等),プリント基板,LED部品,端子台,リレーボックス,F端子,モーターインシュレーター,パワーモジュール,ファンモータ部品(フレーム,ファン),レンズ周り部品(CDピックアップレンズホルダー,DVDピックアップレンズホルダー)等が挙げられ、自動車分野においては、車両搭載用コネクタ−,制御ユニットボックス,ヒューズボックス,ジャンクションボックス,リフレクター,エクステンション,キャニスター,各種バルブ,ラジエターグリル,グリル,マーク,バックパネル,ドアミラー,ホイ−ルキャップ,エアスポイラー,二輪車用カウル,シリンダーヘッドカバー,インスツルメントパネル,メーターフード,ピラー,グローブボックス,コンソールボックス,スピーカーボックス,リッド等が挙げられ、電気器具分野においては、ハウジング,シャーシ,カセットケース,CDマガジン,リモコンケース,コネクター,ファン,冷蔵庫部品(内張り,トレイ,アーム,ドアキャップ,把手,ファン等),電気掃除機部品(ハウジング,把手,パイプ,吸入口,ファンガイド等),エアコン部品(ハウジング,ファン,リモコンケース等),ポット,扇風機,換気扇,洗濯機,照明器具用部品,食器乾燥機用部品,電子レンジ用部品(チョークカバー,ローラーリング),バッテリーケース等が挙げられる。
【0030】
その他一般機器としては、プリンター(ハウジング,シャーシ,リボンカセット,トレイ,インク周辺部品等),複写機(パソコン(ハウジング,フロッピーディスクシェル,キ−ボード等),プロジェクター部品,電話機,通信機器(ハウジング,受話器等)が挙げられ、メカシャーシ,ミシン,レジスター,タイプライター,計算機,光学機器,楽器等の雑貨、玩具,レジャー,スポーツ用品,リモコンカー,ブロック,パチンコ台部品,サーフボード,ヘルメット,便座,便蓋,タンク,シャワー部品,ポンプ用部品,給排水口,弁当箱,各種容器,ポット,建材住宅部品,コンテナ,家具,文房具(ボールペン,マジック,筆記具トレー等),スタンプ台等をはじめとする各種部品、パイプ、シ−ト、トレイ、フィルム等の産業用資材が挙げられる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)用いた原料
Figure 0004481378
(C)ジメチルシリコーンオイル
・SH200 100cSt :
25℃における粘度=100cSt、
シリコン原子数10以下のオリゴマー成分=130ppm
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
・SH200CV 100cSt :
25℃における粘度=100cSt、
シリコン原子数10以下のオリゴマー成分=0ppm
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
・SH200 10000cSt :
25℃における粘度=10000cSt、
シリコン原子数10以下のオリゴマー成分=250ppm、
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
・SH200CV 10000cSt :
25℃における粘度=10000cSt、
シリコン原子数10以下のオリゴマー成分=0ppm、
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
・SH200 10cSt :
25℃における粘度=10cSt、
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
・SH200 100,000cSt :
25℃における粘度=100,000cSt
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
Figure 0004481378
(2)評価方法
▲1▼離型性
射出成形機(住友重機械工業社製 SH100A)を用い、下記成形条件にて、図1に示すような、97mm(縦)×60mm(横)×30mm(深さ)、厚さ1mmの箱状成形体を成形し、製品離型時のエジェクターピン突出による製品の変形を観察した。エジェクターピンは、箱状成形体の底板部の四隅に当たるように配設されている。エジェクターピンの突出により、目視上明らかな大変形が生じるか、又はエジェクターピンにより箱状成形体の底板部が突き破られる状態になるまで、冷却時間(成形サイクル)を短くし、その最短冷却時間を比較した。即ち、最短冷却時間が短いほど、離型性が高い(良い)ということを示している。成形条件はつぎのとおりである。
・シリンダー温度 : 260℃もしくは290℃
・金型温度 : 80℃もしくは140℃
・充填時間 : 1.0秒
・保持圧力時間 : 2.0秒
・保持圧力 : 1,900kgf/cm2
・エジェクター突出速度 : 35%
▲2▼製品外観不良
上記離型性評価時に作製した箱状成形体を目視観察し、シルバー、ガス焼け等の外観不良の有無を観察した。
【0032】
▲3▼ブリードアウト
射出成形機(住友重機械工業社製 SH100A)を用い、下記成形条件にて、図2に示す80×80×3mmtの平板を半分まで充填するように500ショットについて成形を行い、金型の流動末端付近の付着物を観察した。何も観察されない場合を○、油滴が観察された場合を×とした。
【0033】
成形条件は次のとおりである。
・シリンダー温度 : 260℃もしくは290℃
・金型温度 : 80℃もしくは140℃
〔製造例1〕フマル酸変性ポリフェニレンエーテルの製造
ポリフェニレンエーテル(固有粘度0.45dL/g、クロロホルム中、25℃) 1kg、フマル酸30g、ラジカル発生剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン( 日本油脂、ノフマーBC) 20gをドライブレンドし、30mm二軸押出機を用いてスクリュー回転数200rpm、設定温度300℃で溶融混練を行った。この時樹脂温度は約331℃であった。ストランドを冷却後ペレット化しフマル酸変性ポリフェニレンエーテルを得た。変性率測定のため、得られた変性ポリフェニレンエーテル 1gをエチルベンゼンに溶解後、メタノールに再沈し、回収したポリマーをメタノールでソックスレー抽出し、乾燥後IRスペクトルのカルボニル吸収の強度および滴定により変性率を求めた。この時、変性率は1.45重量%であった。
〔実施例1〕
SPS1を88重量部、SH200CV 100cSt 0.05重量部、FAPPOを2重量部、ENGAGE 8150を6重量部、Septon 2104を2重量部、G1651を2重量部、NA21を0.6重量部、Irganox 1010を0.3重量部、PEP36を0.3重量部をドライブレンドした後、二軸押出機を用いシリンダー温度290℃で49重量部のガラスファイバー(FT164G)をサイドフィードしながら溶融混練を行い、得られたストランドを水槽を通し冷却した後、ペレット化した。
得られたペレットについて、離型性、製品外観、ブリードアウトの評価を、シリンダー温度290℃、金型温度140℃にて実施した。表1に結果を示す。
〔実施例2〜4 及び 比較例1〕
表1の様に配合した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〜7〕
表2の様に配合した以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
〔実施例5〜8 及び 比較例8〕
表3の様に配合した以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
〔比較例9〜14〕
表4の様に配合した以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
〔実施例9〜12 及び 比較例15〕
表5の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
〔比較例16〜21〕
表6の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。
〔実施例13〜16 及び 比較例22〕
表7の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表7に示す。
〔比較例23〜28〕
表8の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表8に示す。
〔実施例17〕
SPS1を76重量部、SH200CV 100cSt 0.05重量部、PPO1を4重量部、G1651を16重量部、M1962を4重量部、NA21を0.6重量部、Irganox 1010を0.3重量部、PEP36を0.3重量部をドライブレンドした後、二軸押出機を用いシリンダー温度290℃で溶融混練を行い、得られたストランドを水槽を通し冷却した後、ペレット化した。
【0034】
得られたペレットについて、離型性、製品外観、ブリードアウトの評価を、金型温度8 0℃にて実施した。表9に結果を示す。
〔実施例18〜20 及び 比較例29〕
表9の様に配合した以外は実施例17と同様に行った。結果を表9に示す。
〔比較例30〜35〕
表10の様に配合した以外は実施例17と同様に行った。結果を表10に示す。
参考例1〜3、比較例36〜38〕
表11の様に配合した以外は実施例1と同様に行った。結果を表11に示す。
参考例4〜6、比較例39〜41〕
表12の様に配合した以外は実施例1と同様に行った。結果を表12に示す。
参考例7〜9、比較例42〜44〕
表13の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表13に示す。
参考例10〜12、比較例45〜47〕
表14の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表14に示す。
参考例13〜15、比較例48〜50〕
表15の様に配合した以外は実施例17と同様に行った。結果を表17に示す。
実施例21〜24、比較例51〕
表16の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表16に示す。
〔比較例52〜57〕
表17の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表17に示す。
参考例16〜18、比較例58〜60〕
表18の様に配合し、成形時のシリンダー温度を260℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1と同様に行った。結果を表18に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004481378
【0036】
【表2】
Figure 0004481378
【0037】
【表3】
Figure 0004481378
【0038】
【表4】
Figure 0004481378
【0039】
【表5】
Figure 0004481378
【0040】
【表6】
Figure 0004481378
【0041】
【表7】
Figure 0004481378
【0042】
【表8】
Figure 0004481378
【0043】
【表9】
Figure 0004481378
【0044】
【表10】
Figure 0004481378
【0045】
【表11】
Figure 0004481378
【0046】
【表12】
Figure 0004481378
【0047】
【表13】
Figure 0004481378
【0048】
【表14】
Figure 0004481378
【0049】
【表15】
Figure 0004481378
【0050】
【表16】
Figure 0004481378
【0051】
【表17】
Figure 0004481378
【0052】
【表18】
Figure 0004481378
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、成形時に高い離型性能を有し、かつ金型へのブリードアウトや製品外観への影響の少ないシンジオタクチックスチレン系樹脂組成物を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 離型性試験用箱状成形体の概略見取図
【図2】 エジェクターピンの突出による離型時の概念図
【図3】 ブリードアウト評価用平板の射出成形概念図
【符号の説明】
1: 箱状成形体の縦長さ 97mm
2: 箱状成形体の横長さ 60mm
3: 箱状成形体の深さ 30mm
4: 箱状成形体の厚さ 1mm
5: エジェクターピン跡
6: ゲート方向
7: エジェクターピン
8: 箱状成形体
9: 金型
10: ブリードアウト評価用平板の縦長さ 80mm
11: ブリードアウト評価用平板の横長さ 80mm
12: 流動停止末端
13: ゲート方向

Claims (2)

  1. (A)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体98〜10重量%、(B)ポリエチレン、ポリプロピレン、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、ASポリフェニレンエーテル、フマル酸変性ポリフェニレンエーテル及びマレイン酸変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び/又は、SBR、SEB、SBS、SEBS、SIR、SEP、SIS、SEPS、EPM、EPDM、エチレン・ オクテン共重合体系エラストマー及びマレイン酸変性SEBSから選ばれる少なくとも1種のゴム状弾性体2〜90重量%、及び(C)シリコン原子数で10以下のオリゴマー成分が10ppm未満であり、かつ25℃における粘度が90〜50,000cStであるジメチルシリコーンオイルを、上記(A)+(B)の合計100重量部に対し、0.01〜0.5重量部含有してなるスチレン系樹脂組成物。
  2. (A)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体95〜15重量%、(B)ポリエチレン、ポリプロピレン、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、ASポリフェニレンエーテル、フマル酸変性ポリフェニレンエーテル及びマレイン酸変性ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び/又は、SEBS、SEPS、エチレン・ オクテン共重合体系エラストマー及びマレイン酸変性SEBSから選ばれる少なくとも1種のゴム状弾性体5〜85重量%、及び(C)シリコン原子数で10以下のオリゴマー成分が10ppm未満であり、かつ25℃における粘度が100〜30,000cStであるジメチルシリコーンオイルを、上記(A)+(B)の合計100重量部に対し、0.05〜0.4重量部含有してなる請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
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