しかしながら、特許文献1の給紙装置にあっては、収容できる記録紙の容量を増加させることは可能であるが、収容される記録紙のサイズは予め定まっているため、例えば、利用者が他のサイズの記録紙を大量に使用する場合には、所望のサイズの記録紙を大量に収容した別の給紙装置を準備しなければならないという問題があった。
また、特許文献2の給紙装置にあっては、所望のサイズの記録紙を収容することができるものの、収容可能な記録紙の最大収容量は予め定められているため、記録紙の最大収容量を所要の容量に設定することはできない。このため、例えば、記録紙のサイズにより使用頻度が異なる場合には、利用者は、その都度、印刷処理を中断させて記録紙を補給する必要があるという問題があった。特に、大量に印刷を行う場合、この問題は顕著になっていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、シートを積層して収容する収容部を上下に区分けし、該収容部内を昇降可能であって、シートを載置する複数の載置台と、該載置台の昇降を制御する制御手段と、最下段の載置台以外の載置台の最下位置を設定する操作指示を受け付ける操作部と、シートの補給を受け付ける受付手段とを備え、前記制御手段は、前記受付手段でシートの補給を受け付けた場合、最下段の載置台を下降させたときに、該載置台以外の載置台を前記操作部で受け付けた最下位置まで下降させることにより、別の給紙装置を設けることなく、異なるサイズのシートの最大収容量を好みの値に容易に設定することができ、シートの使用頻度に応じて自由に最大収容量を変更することができ、シートの補給による印刷処理の中断を抑制することができるシート供給装置及び該シート供給装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、前記収容部にアクセスするための開閉扉の施解錠を行う開閉扉錠を備え、該開閉扉錠は、最下段の載置台以外の載置台を前記操作部で受け付けた最下位置まで下降させた場合、前記開閉扉の錠を解錠することにより、利用者は、開閉扉を開けて、予め設定した最大容量のシートを補給することができるシート供給装置及び該シート供給装置を備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、最下段の載置台以外の載置台の下部に設けられ、該載置台の下側に収容されたシートを分離搬送する搬送ローラと、所定枚数のシートを給紙可能に保持し、シートの搬送方向に対してシートの所定枚数に相当する高さ寸法の傾斜部を有するストッパーとを備え、前記制御手段は、前記ストッパーで保持された所定枚数のシートが前記搬送ローラで搬送される都度、最上段の載置台を上昇させた場合、該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させることにより、各サイズのシートを常に供給可能状態にすることができるシート供給装置及び該シート供給装置を備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シートの補給完了を検出した場合、最上段の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させた場合、該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させることにより、シートを補給した場合、最大収容量のシートを供給可能な状態にすることができるシート供給装置及び該シート供給装置を備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、積層されたシートを揃えるための案内部材を前記載置台の昇降に伴って、シートの積層方向の寸法が調節可能にすることにより、シートを搬送する場合に、シートの斜行を防止することができるシート供給装置及び該シート供給装置を備える画像形成装置を提供することにある。
本発明に係るシート供給装置は、シートを積層して収容する収容部と、該収容部に収容されたシートを画像形成のために供給するシート供給装置において、前記収容部を上下に区分けし、該収容部内を昇降可能であって、シートを載置する複数の載置台と、該載置台の昇降を制御する制御手段と、最下段の載置台以外の載置台の最下位置を設定する操作指示を受け付ける操作部と、シートの補給を受け付ける受付手段とを備え、前記制御手段は、前記受付手段でシートの補給を受け付けた場合、最下段の載置台を下降させたときに、該載置台以外の載置台を前記操作部で受け付けた最下位置まで下降させることを特徴とする。
本発明に係るシート供給装置は、前記収容部にアクセスするための開閉扉の施解錠を行う開閉扉錠を備え、該開閉扉錠は、最下段の載置台以外の載置台を前記操作部で受け付けた最下位置まで下降させた場合、前記開閉扉の錠を解錠するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係るシート供給装置は、最下段の載置台以外の載置台の下部に設けられ、該載置台の下側に収容されたシートを分離搬送する搬送ローラと、所定枚数のシートを給紙可能に保持し、シートの搬送方向に対してシートの所定枚数に相当する高さ寸法の傾斜部を有するストッパーとを備え、前記制御手段は、前記ストッパーで保持された所定枚数のシートが前記搬送ローラで搬送される都度、最上段の載置台を上昇させた場合、該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させることを特徴とする。
本発明に係るシート供給装置は、シートの補給完了を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、該検出手段でシートの補給完了を検出した場合、最上段の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させたときに、該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させることを特徴とする。
本発明に係るシート供給装置は、積層されたシートを揃えるための案内部材を備え、該案内部材は、載置台の昇降に伴って、シートの積層方向の寸法が調節可能であることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、シート供給装置を備え、該シート供給装置から供給されたシートに画像を形成する画像形成装置において、前記シート供給装置は、本発明のいずれかに係るシート供給装置であることを特徴とする。
本発明にあっては、シートを積層して収容する収容部を上下に区分けし、収容部内を昇降可能であって、シートを載置する複数の載置台と、載置台の昇降を制御する制御手段とを備える。例えば、2つの載置台により収容部を2つに仕分けた場合、上段の載置台には、B5サイズのシートを積層して載置し、下段の載置台には、A4サイズのシートを載置することにより、異なるサイズのシートを収容する。そして、最下段の載置台以外の載置台の最下位置を設定する操作指示を受け付ける操作部と、シートの補給を受け付ける受付手段とを備え、制御手段は、受付手段でシートの補給を受け付けた場合、最下段の載置台を下降させたときに、当該載置台以外の載置台を操作部で受け付けた最下位置まで下降させる。
本発明にあっては、収容部にアクセスするための開閉扉の施解錠を行う開閉扉錠を備え、開閉扉錠は、最下段の載置台以外の載置台を操作部で受け付けた最下位置まで下降させた場合、開閉扉の錠を解錠する。
本発明にあっては、最下段の載置台以外の載置台の下部に設けられ、載置台の下側に収容されたシートを分離搬送する搬送ローラと、所定枚数のシートを給紙可能に保持し、シートの搬送方向に対してシートの所定枚数に相当する高さ寸法の傾斜部を有するストッパーとを備え、制御手段は、ストッパーで保持された所定枚数のシートが搬送ローラで搬送される都度、最上段の載置台を上昇させた場合、当該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させる。これにより、最上段の載置台に載置されたシートが分離搬送された場合であっても、下段の載置台に載置されたシートを常に搬送可能状態(供給可能状態)にする。
本発明にあっては、検出手段でシートの補給完了を検出した場合、制御手段は、最上段の載置台をシートの分離搬送可能位置(給紙可能位置)まで上昇させた後に該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置(給紙可能位置)まで上昇させる。
本発明にあっては、収容部に積層されたシートを揃えるための案内部材を、載置台の昇降に伴って、シートの積層方向の寸法が調節可能とする。前記載置台を昇降させて収容部の最大収容量を変更することにより、シートの積載量が変化した場合であっても、シートの積載量に応じて、案内部材はシートを揃える。
本発明によれば、シートを積層して収容する収容部を上下に区分けし、該収容部内を昇降可能であって、シートを載置する複数の載置台と、該載置台の昇降を制御する制御手段と、最下段の載置台以外の載置台の最下位置を設定する操作指示を受け付ける操作部と、シートの補給を受け付ける受付手段とを備え、前記制御手段は、前記受付手段でシートの補給を受け付けた場合、最下段の載置台を下降させたときに、該載置台以外の載置台を前記操作部で受け付けた最下位置まで下降させることにより、別の給紙装置を設けることなく、異なるサイズのシートの最大収容量を好みの値に容易に設定することができ、シートの使用頻度に応じて自由に最大収容量を変更することができ、シートの補給による印刷処理の中断を抑制することができる。特に大量の印刷を行う場合、シートの補給回数を低減することができる。
本発明によれば、前記収容部にアクセスするための開閉扉の施解錠を行う開閉扉錠を備え、該開閉扉錠は、最下段の載置台以外の載置台を前記操作部で受け付けた最下位置まで下降させた場合、前記開閉扉の錠を解錠することにより、利用者は、開閉扉を開けて、予め設定した最大容量のシートを補給することができる。
本発明によれば、最下段の載置台以外の載置台の下部に設けられ、該載置台の下側に収容されたシートを分離搬送する搬送ローラと、所定枚数のシートを給紙可能に保持し、シートの搬送方向に対してシートの所定枚数に相当する高さ寸法の傾斜部を有するストッパーとを備え、前記制御手段は、前記ストッパーで保持された所定枚数のシートが前記搬送ローラで搬送される都度、最上段の載置台を上昇させた場合、該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させることにより、各サイズのシートを常に供給可能状態(給紙可能状態)にすることができる。
本発明にあっては、シートの補給完了を検出した場合、最上段の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させた場合、該載置台以外の載置台をシートの分離搬送可能位置まで上昇させることにより、シートを補給した場合、最大収容量のシートを分離搬送可能な状態にすることができる。
本発明にあっては、積層されたシートを揃えるための案内部材を載置台の昇降に伴って、シートの積層方向の寸法が調節可能にすることにより、シートの積載量に拘わらず、シートを供給する際のシートの斜行を防止することができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るシート供給装置50を備える画像形成装置100の正面側模式図である。図において、1はガラス製であって原稿を載置する載置板である。載置板1の上側には、画像読取部(不図示)、原稿載置トレイなどを有する自動原稿搬送部2を装着してある。
載置板1の下側には、画像読取部3を配置している。画像読取部3は、載置板1の下面に沿って平行に往復移動する走査ユニット、結像レンズ、及び光電変換素子であるCCDラインセンサ(いずれも不図示)などを有する。走査ユニットは、載置板1に載置された原稿又は搬送経路に沿って搬送される原稿にレーザ光を照射するための光源、原稿で反射されたレーザ光を所定の光路に導くためのミラーなどを備えている。結像レンズは、走査ユニットから導かれたレーザ光をCCDラインセンサ上の所定の位置に結像させる。CCDラインセンサは、結像された光像を光電変換して電気信号を出力する。画像読取部3は、原稿から読み取ったカラー画像に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したデータを制御部9へ出力する。制御部9へ出力されたデータは、所定の画像データ処理が施される。
画像読取部3の下側には、光書込みユニット4を配置している。光書込みユニット4は、画像読取部3で読み取られた画像データ、又は外部のパーソナルコンピュータなどから取得した画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子、該半導体レーザ素子から発せられるレーザ光を主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー、該ポリゴンミラーにより偏向されたレーザ光を感光体ドラム5の表面に結像させるためのレンズ及びミラー(いずれも不図示)などを備えている。
画像形成装置100の略中央部には、表面に光導電性材料をコーティングした感光体ドラム5を回転自在に配置している。感光体ドラム5の表面と当接して回転する現像ローラを有する現像装置6を配置している。また、感光体ドラム5の周囲には、感光体ドラム5の表面に単一極性の電荷を均一に帯電させる帯電器、感光体ドラム5と当接して回転するクリーニングローラを有するクリーニング装置などを配置してある。
帯電器と現像装置6との間の感光体ドラム5の表面には、光書込みユニット4からのレーザ光の照射による光導電作用によって静電潜像が形成される。現像装置6は、静電潜像を形成した感光体ドラム5の表面にトナーを供給し、静電潜像を現像剤画像に顕像化する。感光体ドラム5に記録紙Pが当接する当接位置近傍には、現像剤画像を記録紙Pに転写させるための転写バイアスを印加する転写器7を配置してある。
感光体ドラム5との当接位置において、転写器7のコロナ放電により現像剤画像(トナー像)が転写された記録紙Pは、定着ローラを有する定着装置8へ搬送される。定着装置8は、搬送された用紙Pを定着ローラで高温押圧してトナーを記録紙Pに定着する。
定着装置8の下流側には、印刷された記録紙Pを排出トレイ18へ排出するための搬送路17、記録紙の両面に印刷する場合に、記録紙Pを反転して再度感光体ドラム5へ搬送するための反転搬送路16などを配置している。
反転搬送路16の下側には、水平方向に給紙カセット10、11を配置してあり、その下側には、給紙カセット12、13を上下方向に配置している。給紙カセット10、11、12、13に収容された記録紙Pは、略上下方向に配置された搬送路15を介して、感光体ドラム5へ搬送される。
画像形成装置100の本体19の一側面には、異なるサイズの記録紙Pを収容できる大容量給紙カセット(シート供給装置)50を設けている。大容量給紙カセット50は、例えば、5000枚、10000枚などの最大収容枚数(量)を有し、大容量給紙カセット50に収容された記録紙Pは、記録紙Pの供給口30から搬送路14を経由して感光体ドラム5へ搬送される。
図2は大容量給紙カセット50の正面側模式図である。図2に示すように、大容量給紙カセット50は、水平方向に配置された上段の載置台51a及び下段の載置台51bにより、上段の収容部50aと下段の収容部50bとに二分されている。収容部50a、50bの横断面は矩形状をなし、載置台51a、51bの横断面形状は、収容部50a、50bの横断面形状と略同寸法を有する。
載置台51aは、モータ22により駆動されるワイヤ、吊下げプーリ、巻取りプーリなど(いずれも不図示)により上下方向に昇降自在に設けてある。また、載置台51bは、モータ23により駆動されるワイヤ、吊下げプーリ、巻取りプーリなど(いずれも不図示)により上下方向に昇降自在に設けてある。載置台51aは、大容量給紙カセット50上部の最上位置と予めユーザにより設定された所定の最下位置との間を昇降する。また、載置台51bは、大容量給紙カセット50底部の最下位置と載置台51aの昇降位置により定まる位置との間を昇降する。
載置台51aには、載置された記録紙の有無を検出するためのセンサ53aを設けている。載置台51bには、載置された記録紙の有無を検出するためのセンサ53bを設けている。また、大容量給紙カセット50底部には、載置台51bが最下位置に達したか否かを検出するセンサ54を設けている。
上段の収容部50aの上部には、天板55を配置してある。天板55の略中央部には、載置台51aに載置された記録紙の最上部が給紙可能(分離搬送可能)な位置にあるか否かを検出するためのセンサ52aを設けている。天板55の記録紙Pの搬送方向側端部近傍には、ピックアップローラ56a、フィードローラ56b、リバースローラ56cを備えている。
ピックアップローラ56a、フィードローラ56b、リバースローラ56cの近傍には、記録紙Pを所定の位置で停止させるためのストッパー56dを設けてあり、ストッパー56dは、所定の枚数(例えば、10、20枚など)の記録紙Pを給紙可能に保持するため、記録紙Pの搬送方向に対して傾斜面を有する傾斜部を有する。フィードローラ56b及びリバースローラ56cに対向して搬送方向下流側であって装置側面には、供給口30の位置に合わせて搬送ローラ58を設けている。
載置台51aの下面略中央部には、載置台51aの下側の載置台51bに載置されたシートの最上部が給紙可能(分離搬送可能)な位置にあるか否かを検出するためのセンサ52bを設けている。載置台51aの記録紙Pの搬送方向側端部近傍には、ピックアップローラ57a、フィードローラ57b、リバースローラ57cを備えている。フィードローラ57b及びリバースローラ57cの搬送方向下流側には、上下方向に搬送路60を設けてあり、搬送路60の中途部には、搬送ローラ59を設けている。載置台51aの下部にピックアップローラ57a、フィードローラ57b、及びリバースローラ57cを設けることにより、載置台51aの昇降に応じて、ピックアップローラ57a、フィードローラ57b、及びリバースローラ57cも上下に移動するため、載置台51aの下側の収容部50bを有効に利用して記録紙の収容量を増加させることができる。
ピックアップローラ56aは、フィードローラ56bの回転軸を中心軸として、上下方向に所定範囲内において揺動自在に設けてある。ピックアップローラ56aは、給紙位置にある最上部の記録紙Pをフィードローラ56b及びリバースローラ56cの間に導く。ピックアップローラ56aが同時に複数枚の記録紙Pをフィードローラ56b及びリバースローラ56cの間に導いた場合、最上部の1枚の記録紙Pのみがフィードローラ56bに当接して搬送ローラ58へ導かれる。最上部の1枚以外の記録紙Pは、リバースローラ56cによって載置台51a側に戻される。なお、ピックアップローラ57a、フィードローラ57b、リバースローラ57c、ストッパー57dも同様であるので説明は省略する。
なお、収容部50a、50bに設けられ、記録紙の斜行を防止する案内棒、案内板については後述する。
図3は本発明に係るシート供給装置50を備える画像形成装置100の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、各種の演算処理を行うCPUからなる制御部9を備える。制御部9には、内部バスを介してセンサ52a、52b、53a、53b、54、開閉扉錠20、モータ駆動回路21、操作部24、記憶部25などが接続されており、制御部9は、これらのハードウエア各部の動作を制御する。
センサ52a、52b夫々は、載置台51a、51bに載置された記録紙の最上部が給紙可能な位置にあるか否かを検出し、検出信号を制御部9へ出力する。
センサ53a、53b夫々は、載置台51a、51bに記録紙があるか否かを検出し、検出信号を制御部9へ出力する。
センサ54は、載置台51bが、最下位置に達したか否かを検出し、検出信号を制御部9へ出力する。
開閉扉錠20は、大容量給紙カセット50内部にアクセスするための開閉扉の施解錠を行う。開閉扉錠20は、制御部9から出力された信号により解錠されるとともに、開閉扉を閉めることにより施錠されたことを示す信号を制御部9へ出力する。
操作部24は、タッチパネル方式の操作パネルであり、利用者の操作指示を受け付ける各種キー及びスイッチと、利用者に対して報知する情報を表示する液晶ディスプレイとを備えている。例えば、利用者は、操作部24を介して、載置台51aの最下位置を設定することができ、これによりサイズの異なる記録紙を収容する収容部50a、50bの記録紙の最大収容量を所望の容量に設定することができる。また、利用者は、記録紙を補給する場合、操作パネル上の補給操作ボタンなどを操作することにより、記録紙の補給を行うことができる。操作部24から入力された情報は、制御部9へ出力されるとともに、記憶部25に記憶される。
図4は大容量給紙カセット50の最大収容量を設定する場合の画面の一例を示す模式図である。図に示すように、大容量給紙カセット50(例えば、A4、B5サイズの記録紙を収容)に収容する記録紙の最大収容量を設定する場合、上方向の矢印を操作することにより、載置台51aの最下位置を上昇させて、B5サイズの記録紙Pの最大収容量を少なく設定し、A4サイズの記録紙Pの最大収容量を多く設定することができる。また、下方向の矢印を操作することにより、載置台51aの最下位置を下降させて、B5サイズの記録紙Pの最大収容量を多く設定し、A4サイズの記録紙Pの最大収容量を少なく設定することができる。
モータ駆動回路23は、制御部9からの出力信号に基づいて、大容量給紙カセット50内に設けられ、載置台51a、51b夫々を昇降させるためのモータ22、23へ駆動信号を出力する。
制御部9は、操作部24から入力された情報に基づいて、大容量給紙カセット50の載置台51aを設定された位置に調整すべく出力信号をモータ駆動回路21へ出力する。これにより、モータ駆動回路21は、所要の駆動信号をモータ22へ出力し、載置台51aは設定された位置まで昇降される。また、制御部9は、センサ52a、52bからの検出信号に基づいて、載置台51a、51bに積層して載置された記録紙Pの最上部が所定の給紙可能位置(分離搬送可能位置)に到達するように出力信号をモータ駆動回路21へ出力する。これにより、モータ駆動回路21は、所要の駆動信号をモータ22、23へ出力し、載置台51a、51bに載置された記録紙Pの最上部は常に所定の給紙可能位置に設定される。また、制御部9は、センサ53a、53bからの検出信号に基づいて、載置台51a、51bの記録紙Pが無くなったことを検出し、操作部24で記録紙Pの補給報知を行う。
図5は記録紙の給紙状態を示す説明図である。図5(a)は、記録紙Pの最上部が給紙可能な位置に達するように載置台51aを上昇させた場合を示す。この場合、ピックアップローラ56aは、ストッパー56dの傾斜部の高さ寸法と略同寸法に相当する枚数(例えば、M枚)の記録紙Pを前記傾斜部に沿ってフィードローラ56b及びリバースローラ56cの上流側に導く。
図5(b)は、図5(a)の状態から記録紙Pが所定のM枚数だけ給紙(搬送)された場合を示す。画像形成のため、ピックアップローラ56aは、給紙位置にある最上部の記録紙Pを1枚ずつフィードローラ56b及びリバースローラ56cの間に導く。
図5(c)は、図5(b)の状態から載置台51aを記録紙Pの給紙可能位置まで所定の高さだけ上昇させた場合を示す。これにより、ピックアップローラ56aは、ストッパー56dの傾斜部の高さ寸法と略同寸法に相当する枚数(例えば、M枚)の記録紙Pを前記傾斜部に沿ってフィードローラ56b及びリバースローラ56cの上流側に導く。このように、載置台51aは、所定枚数の記録紙Pが給紙(搬送)される都度、記録紙Pが給紙可能位置になるように所定の高さだけ上昇させる。など、載置台51bも同様であるので、説明は省略する。
次に本発明に係るシート供給装置50及びシート供給装置50を備える画像形成装置100の動作について説明する。図6及び図7は記録紙を補給する場合の処理手順を示すフローチャートである。制御部9は、操作部24から入力される情報に基づき、記録紙の補給指示があるか否かを判定する(S11)。補給指示がない場合(S11でNO)、制御部9は、ステップS11の処理を続け、補給指示があるまで待機する。
補給指示があった場合(S11でYES)、制御部9は、下段の載置台51bを降下させ(S12)、載置台51bが最下段の位置に到達したか否かを判定する(S13)。最下段の位置に到達していない場合(S13でNO)、制御部9は、ステップS12以降の処理を続け、載置台51bを降下させる。
載置台51bが最下段の位置に到達した場合(S13でYES)、制御部9は、上段の載置台51aを降下させ(S14)、載置台51aが利用者により設定された所定の最下位置に到達したか否かを判定する(S15)。所定の最下位置に到達していない場合(S15でNO)、制御部9は、ステップS14以降の処理を続け、載置台51aを降下させる。
所定の最下位置に到達した場合(S15でYES)、制御部9は、シート供給装置50の開閉扉の錠を解錠する(S16)。これにより、利用者は、開閉扉を開けて、予め設定した最大容量の記録紙Pを載置台51a、51b夫々に補給することができる。
制御部9は、利用者が開閉扉を閉めた否かに基づいて、開閉扉の錠が施錠されたか否かを判定する(S17)。開閉扉が施錠されていない場合(S17でNO)、制御部9は、ステップS17の処理を続け、開閉扉が施錠されるまで待機する。
開閉扉が施錠された場合(S17でYES)、制御部9は、上段の載置台51aを上昇させ(S18)、載置台51aが記録紙の給紙可能位置に到達したか否かを判定する(S19)。載置台51aが給紙可能位置に到達していない場合(S19でNO)、制御部9は、ステップS18以降の処理を続け、載置台51aを上昇させる。
載置台51aが給紙可能位置に到達した場合(S19でYES)、制御部9は、所定の給紙枚数を示す変数Mを0にする(S20)。制御部9は、下段の載置台51bを上昇させ(S21)、載置台51bが記録紙の給紙可能位置に到達したか否かを判定する(S22)。載置台51bが給紙可能位置に到達していない場合(S22でNO)、制御部9は、ステップS21以降の処理を続け、載置台51bを上昇させる。
載置台51bが給紙可能位置に到達した場合(S22でYES)、制御部9は、所定の給紙枚数を示す変数Nを0にし(S23)、補給が終了し、印刷可能になったことを報知する印刷可能メッセージを表示し(S24)、処理を終了する。
これにより、例えば、上段の載置台にB5サイズの記録紙を載置し、下段の載置台にA4サイズの記録紙を載置し、夫々のサイズの予め設定した最大収容量の記録紙を容易に補給することができるとともに、記録紙を補給する場合、最大収容量の記録紙を給紙可能な状態にすることができる。
図8は下段の載置台から記録紙を給紙する場合の処理手順を示すフローチャートである。制御部9は、操作部24から入力される情報に基づき、印刷指示(例えば、A4サイズの用紙指定をした印刷指示)があるか否かを判定する(S31)。印刷指示がない場合(S31でNO)、制御部9は、ステップS31の処理を続け、印刷指示があるまで待機する。
印刷指示があった場合(S31でYES)、制御部9は、記録紙を1枚搬送し(S32)、給紙枚数を示す変数Nに「1」を加算する(S33)。制御部9は、搬送エラーの有無を判定し(S34)、搬送エラーがあった場合(S34でYES)、装置の動作を停止し(S35)、搬送エラーを報知し(S36)、処理を終了する。
搬送エラーがない場合(S34でNO)、制御部9は、記録紙が載置台に残存しているか否かを判定する(S37)。記録紙がない場合(S37でNO)、制御部9は、記録紙がないことを報知し(S38)、処理を終了する。
記録紙がある場合(S37でYES)、制御部9は、変数Nが所定値であるか否かを判定する(S39)。変数Nが所定値である場合(S39でYES)、制御部9は、記録紙の最上部の所定枚数が給紙(搬送)されたと判定し、下段の載置台51bを上昇させ(S40)、載置台51bが記録紙の給紙可能位置に到達したか否かを判定する(S41)。載置台51bが給紙可能位置に到達していない場合(S41でNO)、制御部9は、ステップS40以降の処理を続け、載置台51bを上昇させる。
載置台51bが給紙可能位置に到達した場合(S41でYES)、制御部9は、変数Nを0にし(S42)、印刷が残っているか否かを判定する(S43)。印刷が残っている場合(S43でYES)、制御部9は、ステップS32以降の処理を続ける。一方、変数Nが所定値でない場合(S39でNO)、制御部9は、ステップS43以降の処理を続ける。印刷が残っていない場合(S43でNO)、制御部9は、処理を終了する。
図9及び図10は上段の載置台から記録紙を給紙する場合の処理手順を示すフローチャートである。制御部9は、操作部24から入力される情報に基づき、印刷指示(例えば、B5サイズの用紙指定をした印刷指示)があるか否かを判定する(S51)。印刷指示がない場合(S51でNO)、制御部9は、ステップS51の処理を続け、印刷指示があるまで待機する。
印刷指示があった場合(S51でYES)、制御部9は、記録紙を1枚搬送し(S52)、給紙枚数を示す変数Mに「1」を加算する(S53)。制御部9は、搬送エラーの有無を判定し(S54)、搬送エラーがあった場合(S54でYES)、装置の動作を停止し(S55)、搬送エラーを報知し(S56)、処理を終了する。
搬送エラーがない場合(S54でNO)、制御部9は、記録紙が載置台に残存しているか否かを判定する(S57)。記録紙がない場合(S57でNO)、制御部9は、記録紙がないことを報知し(S58)、処理を終了する。
記録紙がある場合(S57でYES)、制御部9は、変数Mが所定値であるか否かを判定する(S59)。変数Mが所定値である場合(S59でYES)、制御部9は、記録紙の最上部の所定枚数が給紙(搬送)されたと判定し、上段の載置台51aを上昇させ(S60)、載置台51aが記録紙の給紙可能位置に到達したか否かを判定する(S61)。載置台51aが給紙可能位置に到達していない場合(S61でNO)、制御部9は、ステップS60以降の処理を続け、載置台51aを上昇させる。
載置台51aが給紙可能位置に到達した場合(S61でYES)、制御部9は、変数Mを0にし(S62)、下段の載置台51bを上昇させ(S63)、載置台51bが記録紙の給紙可能位置に到達したか否かを判定する(S64)。載置台51bが給紙可能位置に到達していない場合(S64でNO)、制御部9は、ステップS63以降の処理を続け、載置台51bを上昇させる。
載置台51bが給紙可能位置に到達した場合(S64でYES)、制御部9は、変数Nを0にし(S65)、印刷が残っているか否かを判定する(S66)。印刷が残っている場合(S66でYES)、制御部9は、ステップS52以降の処理を続ける。一方、変数Mが所定値でない場合(S59でNO)、制御部9は、ステップS66以降の処理を続ける。印刷が残っていない場合(S66でNO)、制御部9は、処理を終了する。
図11は記録紙Pの最大収容量を略等分した場合の大容量給紙カセット50の正面模式図であり、図12は一方の記録紙Pの最大収容量を多くした場合の大容量給紙カセット50の正面模式図である。
収容部50bには、記録紙Pの搬送方向に直行する方向に沿って、記録紙Pを間にして案内板61、61を対向して配置している。案内板61、61は、前記直交する方向に沿って対向する距離を調節自在に設けてあり、一方の案内板61を一方向に移動させた場合、他方の案内板61は前記一方向と逆方向に移動するようにしてある。収容部50bに積層された記録紙Pの両縁部に案内板61、61を当接させることにより、記録紙Pを揃え、搬送方向に対する記録紙Pの斜行を防止することができる。
収容部50aには、一端を載置台51aに、他端を収容部50aの天板55に記録紙Pの搬送方向に直行する方向に沿って摺動自在に設けられた案内棒62、62、…を適宜の間隔で記録紙Pを間にして対向して配置している。案内棒62、62、…は、前記直交する方向に沿って対向する距離を調節自在に設けてあり、一方の案内棒62を一方向に移動させた場合、記録紙Pを間にして対向する他方の案内棒62は前記一方向と逆方向に移動するようにしてある。また、案内棒62、62、…は、筒体を同軸状に複数重ね合わせた構造をなし、載置台51aの昇降に応じて伸縮するようにしてある。収容部50aに積層された記録紙Pの両縁部に案内棒62、62、…を当接させることにより、記録紙Pを揃え、搬送方向に対する記録紙Pの斜行を防止することができる。
以上説明したように、本発明にあっては、載置台51aの最下位置を予め設定することにより、サイズの異なる記録紙の最大収容量を好みの値に容易に設定することができ、記録紙の使用頻度に応じて自由に最大収容量を変更することができ、大量印刷する場合であっても、別の給紙装置を設けることなく、記録紙の補給による印刷処理の中断を抑制することができる。また、載置台51aの下面に載置台51bに載置された記録紙を給紙するピックアップローラ57a、フィードローラ57b、及びリバースローラ57cを設けることにより、収容部50bのスペースを有効に活用することができ、装置全体としての記録紙の最大収容量を増加させることができる。
また、本発明にあっては、記録紙が搬送されて所定枚数給紙された場合に、上段の載置台を上昇させたときは、下段の載置台を記録紙の給紙可能位置まで上昇させることにより、画像形成のために記録紙が給紙された場合であっても、各サイズの記録紙を常に給紙可能状態にすることができる。また、最大収容量の記録紙を容易に補給することができるとともに、記録紙を補給した場合、最大収容量の記録紙を給紙可能な状態にすることができる。
上述の実施の形態においては、載置台を2つ設ける場合について説明したが、載置台の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上設ける構成であってもよい。また、記録紙のサイズは、A4、B5に限定されるものではなく、B4、A3など他のサイズを用いることもできる。また、記録紙は紙媒体に限定されるものではなく、OHPフィルム等他の媒体であってもよい。
上述の実施の形態においては、大容量給紙カセット50を画像形成装置100の本体外部側面に設ける構成であったが、これに限定されるものではなく、画像形成装置100の本体内部に設ける構成であってもよい。
上述の実施の形態においては、記録紙の斜行を防止するため、伸縮自在の案内棒を設ける構成であったが、これに限定されるものではなく、載置板の位置に拘わらず記録紙を揃えることができるものであれば、他の構成のものでもよい。