JP4479998B2 - 高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法 - Google Patents

高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法 Download PDF

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この発明は、モータ、アクチュエータ、磁気センサなどの製造に使用される高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材、特に高強度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法に関するものである。
一般に、モータ、アクチュエータ、磁気センサなどの磁心には鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末(以下、これらを軟磁性金属粉末と総称する)を燒結して得られた軟磁性焼結材料が用いられることは知られている。
前記軟磁性金属粉末などを燒結して得られた軟磁性焼結材料は、磁束密度が高いが、高周波特性が悪い。これを改良するために、前記軟磁性金属粉末の粒子間に高固有抵抗物質がかいざいするように燒結して得られた複合磁性材料が提案されている。そしてこの高固有抵抗物質としては、シリコン、鉄、アルミニウム、ホウ素、マンガン、亜鉛、ニッケル、クロム、リン、チタンの各酸化物の内少なくとも1つ含むものであることが知られている(特許文献1参照)。
さらに、高固有抵抗物質としては、シリカゾル又はアルミナゾルに、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化アルミニウムの1種以上を添加してもよいこと、これらの粉末を添加することにより得られた複合磁性材料は付着層の緻密性、耐環境性などを向上させることができること、この高固有抵抗物質の厚みは十分に小さいことが好ましく、5μm以下であることが好ましく、粉体の量は最終的に鉄心としたときに軟磁性金属粉末に対して、0.01〜20質量%とすることが好ましいとされている(特許文献2参照)。
さらに、軟磁性金属粉末の表面をP、Mg、Si、Bを含むガラス絶縁層を被覆した酸化物膜被覆軟磁性金属粉末を圧粉、成形し、焼結して圧粉磁心を製造する方法も知られている(特許文献3参照)。
さらに、軟磁性金属粉末の表面に形成する高固有抵抗物質として、Al−O、Si−O、Al−Nなどに、焼結時に液相として働き得る同じ機能を有するB、Biなどを加えることが知られている(特許文献4参照)。
さらに、AlとSiを僅かに含むアトマイズ磁性合金球状粉末を熱処理して粉体表面に数nm〜数十nmの一様な厚さの絶縁層を形成した粉末に、ホットプレス温度より低温の化合物、試薬特級のB,V,Sb,PbO,Biの微量(0.2〜0.8vol%)を添加して混合し、混合粉末を高温高圧下でホットプレス焼結を行うことにより相対密度99%以上の高密度焼結体を得ることができること、前記B,V,Sb,PbO,BiのうちでもBを添加して得られた高密度焼結体はρ:10Ω・mの高抵抗が得られるが、B以外の酸化物は添加物を加えない場合の試料の電気抵抗とほとんど変わらないか、もしくは低下する高密度焼結体が得られることが知られている(非特許文献1参照)。
特開平5−258934号公報 特開昭61−222207号公報 特開平8−250317号公報 特開平5−36514号公報 日本セラミックス協会学術論文誌 99[1](1991)73−77頁
しかし、従来の高固有抵抗物質を軟磁性金属粉末に添加し焼結して得られた複合軟磁性焼結材は、密度、抗折強度、比抵抗および磁束密度の内でも特に抗折強度が十分でなく、特に自動車用電子部品などの振動を受け易い電子部品として使用するには強度的に信頼性が不足していた。
そこで、本発明者らは、密度、抗折強度、比抵抗および磁束密度の内でも特に高抗折強度を有する複合軟磁性焼結材を得るべく研究を行った。その結果、
(イ)酸化ケイ素溶液、酸化マグネシウム溶液および酸化アルミニウム溶液の内の1種または2種以上をA酸化物溶液とし、
酸化硼素のゾル溶液または粉末、酸化バナジウムのゾル溶液または粉末、酸化ビスマスのゾル溶液または粉末、酸化アンチモンのゾル溶液または粉末および酸化モリブデンのゾル溶液または粉末の内の1種または2種以上をB酸化物溶液またはB酸化物粉末とすると、
A酸化物溶液をSiO、Al、MgO換算で0.05〜1質量%、
B酸化物ゾル溶液またはB酸化物粉末をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%、残部が軟磁性金属粉末からなる組成となるように配合し、混合し、乾燥して前記軟磁性金属粉末をA酸化物乾燥ゲルおよびB酸化物乾燥ゲルまたは粉末からなる混合酸化物で被覆してなる混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製し、得られた混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を圧粉し、成形したのち、温度:500〜1000℃で燒結すると高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材が得られる、
(ロ)前記軟磁性金属粉末は、鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末またはFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末であっても良い、
(ハ)前記(イ)または(ロ)記載の方法で得られた高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材は、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムの内の1種または2種以上をA酸化物とし、
酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上をB酸化物とすると、
A酸化物:0.05〜1質量%、B酸化物:0.05〜1質量%、残部が軟磁性金属粉末からなる成分組成を有する、という研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)酸化ケイ素溶液、酸化マグネシウム溶液および酸化アルミニウム溶液の内の1種または2種以上をA酸化物溶液とし、
酸化硼素のゾル溶液または粉末、酸化バナジウムのゾル溶液または粉末、酸化ビスマスのゾル溶液または粉末、酸化アンチモンのゾル溶液または粉末および酸化モリブデンのゾル溶液または粉末の内の1種または2種以上をB酸化物溶液またはB酸化物粉末とすると、
A酸化物溶液をSiO、Al、MgO換算で0.05〜1質量%、
B酸化物ゾル溶液またはB酸化物粉末をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%、残部が軟磁性金属粉末からなる配合組成となるように配合し、混合し、乾燥して前記軟磁性金属粉末をA酸化物乾燥ゲルおよびB酸化物乾燥ゲルまたはB酸化物粉末からなる混合酸化物で被覆してなる混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製し、得られた混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を圧粉し、成形したのち、温度:500〜1000℃で燒結する高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法、に特徴を有するものである。
前記A酸化物溶液の軟磁性金属粉末に対するコーティング量をSiO、Al、MgO換算で0.05〜1質量%に定めたのは、A酸化物溶液が軟磁性金属粉末の表面にSiO、Al、MgO換算で0.05質量%未満被覆していても、その量が少なすぎて焼結後の複合軟磁性焼結材の十分な比抵抗および抗折強度が得られないからであり、一方、A酸化物溶液のコーティング量がSiO、Al、MgO換算で1質量%を越えると、被膜の厚さが厚くなり過ぎて成形して得られた複合軟磁性焼結材の密度が十分に上がらず、さらに磁束密度が低下するので好ましくないからである。
また、B酸化物ゾル溶液またはB酸化物粉末の軟磁性金属粉末に対するコーティング量をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%に定めたのは、B酸化物ゾル溶液または粉末が軟磁性金属粉末の表面にB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05質量%未満被覆していても、その量が少なすぎて焼結後の複合軟磁性焼結材の十分な比抵抗および抗折強度が得られないからであり、一方、B酸化物ゾル溶液または粉末のコーティング量がB、V、Bi、Sb、MoO換算で1質量%を越えると、被膜の厚さが厚くなり過ぎて成形して得られた複合軟磁性焼結材の密度が十分に上がらず、さらに磁束密度が低下するので好ましくないからである。
前記軟磁性金属粉末は、従来から一般に知られている鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末である。一層具体的には、
鉄粉末は純鉄粉末であり、
Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末はAl:0.1〜20を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−15%Alからなる組成を有するアルパーム粉末)であり、
Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末はNi:35〜85%を含有し、必要に応じてMo:5%以下、Cu:5%以下、Cr:2%以下、Mn:0.5%以下の内の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−49%Ni粉末)であり、
Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末はCr:1〜20%を含有し、必要に応じてAl:5%以下、Ni:5%以下の内の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末であり、
Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末は、Si:0.1〜10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末であり、
Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末は、Si:0.1〜10%、Al:0.1〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末でり、
Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末は、Co:0.1〜52%、V:0.1〜3%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末(以上、%は質量%を示す)であることが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
そして、これら軟磁性金属粉末は平均粒径:5〜500μmの範囲内にある軟磁性金属粉末を使用することが好ましい。その理由は、平均粒径が5μmより小さすぎると、粉末の圧縮性が低下し、軟磁性金属粉末の体積割合が低くなるために磁束密度の値が低下するので好ましくなく、一方、平均粒径が500μmより大きすぎると、軟磁性金属粉末内部の渦電流が増大して高周波における透磁率が低下するので好ましくないことによるものである。そしてこの軟磁性金属粉末に被覆される酸化物層の厚さは特に限定されるものではないが0.005〜5μmが好ましい。
この発明の高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法において使用するための混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を製造するには、珪酸エチル、珪酸プロピル、珪酸ブチルの加水分解反応および縮合反応により合成された縮合体溶液である二酸化ケイ素溶液、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシドの加水分解反応および縮合反応により合成された縮合体溶液であるアルミナ溶液、マグネシウムエトキシド、マグネシウムプロポキシドの加水分解反応および縮合反応により合成された縮合体溶液である酸化マグネシウム溶液を用意し、さらにB,V,Sb,MoOのゾル溶液またはB,V,Bi,Sb,MoOの粉末を用意し、前記二酸化ケイ素溶液、アルミナ溶液および酸化マグネシウム溶液の内の1種又は2種以上:酸化物換算で0.05〜1質量%、B,V,Sb,MnOのゾル溶液またはB,V,Bi,Sb,MoOの粉末の内の1種又は2種以上:酸化物換算で0.05〜1質量%、残部が前記軟磁性金属粉末となるように添加し混合したのち、乾燥することにより製造することができる。前記B,V,Bi,Sb,MoOの粉末の平均粒径は0.05〜2μmの範囲内にあることが好ましい。
この発明の複合軟磁性焼結材の製造方法によると、高密度に圧粉した場合、粉末表面の被覆成分の密着性が密着性がよいことから、粉末の変形に追従して被覆成分の剥離や分断が防止され、かつ焼結過程においてもB酸化物により被膜の剥離や分断が防止されるとともに被膜同士の結合も促進され、密度、抗折強度、比抵抗および磁束密度が共に優れており、特に抗折強度が優れている複合軟磁性焼結材を製造することができ、この複合軟磁性焼結材を使用して高強度を必要とする電気および電子部品、特に自動車用電子部品などの製造に優れた効果をもたらすものである。
原料粉末として、いずれも平均粒径:70μmを有する、
純鉄粉末、
Al:10質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、
Ni:49質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、
Cr:10質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、
Si:3質量%、残部:FeからなるアトマイズFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末、
Si:3質量%、Al:3質量を含有し、残部:FeからなるアトマイズFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、
Co:30%、V:2%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末、を用意した。
本発明法1〜7、比較法1〜7および従来法1〜7
珪酸エチルの加水分解反応および縮合反応により合成されたSiO溶液およびBゾル溶液を秤量し、これら溶液を加えてSiOおよびBの含有量が異なるSiO−B混合溶液を作製した。
このSiO−B混合溶液に対して先に用意した原料粉末を加え、原料粉末全体が浸潤するように混合した。次に、混合粉末を温風乾燥したのち、大気中、温度:150℃で仕上げ乾燥することにより表1〜2に示される量の酸化物を被覆した酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製した。
さらに、先に用意したSiO溶液に先に用意した原料粉末を加え、原料粉末全体が浸潤するように混合したのち、混合粉末を温風乾燥し、さらに大気中、温度:150℃で仕上げ乾燥することにより表1〜2に示される量の酸化物を被覆した酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製した。
得られた酸化物被覆軟磁性金属粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:500℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、本発明法1〜7、比較法1〜7および従来法1〜7を実施した。この本発明法1〜7、比較法1〜7および従来法1〜7で得られた板状焼結体からなる複合軟磁性焼結材の相対密度、比抵抗および抗折力を測定してその結果を表1に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材に巻き線を施し、BHトレーサで磁束密度を測定し、それらの結果を表1〜2に示した。
Figure 0004479998
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表1〜2に示される結果から、本発明法1で作製した複合軟磁性焼結材は従来法1で作製した複合軟磁性焼結材と比べて、抗折強度、磁束密度および比抵抗が共に優れていることが分かる。しかし、比較法1で作製した複合軟磁性焼結材は相対密度、磁束密度の特性が劣るので好ましくないことが分かる。
同様にして、本発明法2で作製した複合軟磁性焼結材と従来法2で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法3で作製した複合軟磁性焼結材と従来法3で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法4で作製した複合軟磁性焼結材と従来法4で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法5で作製した複合軟磁性焼結材と従来法5で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法6で作製した複合軟磁性焼結材と従来法6で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法7で作製した複合軟磁性焼結材と従来法7で作製した複合軟磁性焼結材、
をそれぞれ比較すると、本発明法2〜7で作製した複合軟磁性焼結材は従来法2〜7で作製した複合軟磁性焼結材と比較して、それぞれ抗折強度、磁束密度および比抵抗が優れていることが分かる。しかし、比較法2〜7で作製した複合軟磁性焼結材は相対密度、磁束密度の特性が劣るので好ましくないことが分かる。
本発明法8〜14、比較法8〜14および従来法8〜14
アルミニウムエトキシドの加水分解反応および縮合反応により合成されたAl溶液およびBゾル溶液を秤量し、これら溶液を加えてAlおよびBの含有量が異なるAl−B混合溶液を作製した。
このAl−B混合溶液に対して先に用意した原料粉末を加え、原料粉末全体が浸潤するように混合した。次に、混合粉末を温風乾燥したのち、大気中、温度:150℃で仕上げ乾燥することにより表3〜4に示される量の酸化物を被覆した酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製した。
さらに、先に用意したAl溶液に先に用意した原料粉末を加え、原料粉末全体が浸潤するように混合したのち、混合粉末を温風乾燥し、さらに大気中、温度:150℃で仕上げ乾燥することにより表3〜4に示される量の酸化物を被覆した酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製した。
得られ酸化物被覆軟磁性金属粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:800℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、本発明法8〜14、比較法8〜14および従来法8〜14を実施した。この本発明法8〜14、比較法8〜14および従来法8〜14で得られた板状焼結体からなる複合軟磁性焼結材の相対密度、比抵抗および抗折強度を測定してその結果を表3〜4に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材に巻き線を施し、BHトレーサで磁束密度を測定し、それらの結果を表3〜4に示した。
Figure 0004479998
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表3〜4に示される結果から、本発明法8で作製した複合軟磁性焼結材は従来法8で作製した複合軟磁性焼結材と比べて、抗折強度、磁束密度および比抵抗が優れていることが分かる。しかし、比較法8で作製した複合軟磁性焼結材は相対密度、磁束密度の特性が劣るので好ましくないことが分かる。
同様にして、本発明法9で作製した複合軟磁性焼結材と従来法9で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法10で作製した複合軟磁性焼結材と従来法10で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法11で作製した複合軟磁性焼結材と従来法11で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法12で作製した複合軟磁性焼結材と従来法12で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法13で作製した複合軟磁性焼結材と従来法13で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法14で作製した複合軟磁性焼結材と従来法14で作製した複合軟磁性焼結材、
をそれぞれ比較すると、本発明法9〜14で作製した複合軟磁性焼結材は従来法9〜14で作製した複合軟磁性焼結材に比べて、抗折強度、磁束密度および比抵抗が共に優れていることが分かる。しかし、比較法9〜14で作製した複合軟磁性焼結材は相対密度、磁束密度の特性が劣るので好ましくないことが分かる。
本発明法15〜21、比較法15〜21および従来法15〜21
マグネシウムエトキシドの加水分解反応および縮合反応により合成されたMgO溶液および表5〜7に示されるB酸化物粉末を秤量し、これらを加えてMgOおよびB酸化物を含むMgO−B酸化物混合溶液を作製した。
このMgO−B酸化物混合溶液に対して先に用意した原料粉末を加え、原料粉末全体が浸潤するように混合した。次に、混合粉末を温風乾燥したのち、大気中、温度:150℃で仕上げ乾燥することにより表5〜7に示される量の酸化物を被覆した酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製した。
さらに、先に用意したMgO溶液に先に用意した原料粉末を加え、原料粉末全体が浸潤するように混合したのち、混合粉末を温風乾燥し、さらに大気中、温度:150℃で仕上げ乾燥することにより表5〜7に示される量の酸化物を被覆した酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製した。
得られ酸化物被覆軟磁性金属粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:55mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有する板状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:1000℃、30分保持の条件で焼結することにより板状およびリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材を作製し、本発明法15〜21、比較法15〜21および従来法15〜21を実施した。この本発明法15〜21、比較法15〜21および従来法15〜21で得られた板状焼結体からなる複合軟磁性焼結材の相対密度、比抵抗および抗折力を測定してその結果を表5〜7に示し、さらにリング状焼結体からなる複合軟磁性焼結材に巻き線を施し、BHトレーサで磁束密度を測定し、それらの結果を表5〜7に示した。
Figure 0004479998
Figure 0004479998
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表5〜7に示される結果から、本発明法15で作製した複合軟磁性焼結材は従来法15で作製した複合軟磁性焼結材と比べて、抗折強度、磁束密度および比抵抗が優れていることが分かる。しかし、比較法15で作製した複合軟磁性焼結材は相対密度、磁束密度の特性が劣るので好ましくないことが分かる。
同様にして、本発明法16で作製した複合軟磁性焼結材と従来法16で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法17で作製した複合軟磁性焼結材と従来法17で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法18で作製した複合軟磁性焼結材と従来法18で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法19で作製した複合軟磁性焼結材と従来法19で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法20で作製した複合軟磁性焼結材と従来法20で作製した複合軟磁性焼結材、
本発明法21で作製した複合軟磁性焼結材と従来法21で作製した複合軟磁性焼結材、
をそれぞれ比較すると、本発明法16〜21で作製した複合軟磁性焼結材は従来法16〜21で作製した複合軟磁性焼結材と比べて、抗折強度、磁束密度および比抵抗が共に優れていることが分かる。しかし、比較法16〜21で作製した複合軟磁性焼結材は相対密度、磁束密度の特性が劣るので好ましくないことが分かる。

Claims (3)

  1. 酸化ケイ素溶液、酸化マグネシウム溶液および酸化アルミニウム溶液の内の1種または2種以上をA酸化物溶液とし、
    酸化硼素のゾル溶液または粉末、酸化バナジウムのゾル溶液または粉末、酸化ビスマスのゾル溶液または粉末、酸化アンチモンのゾル溶液または粉末および酸化モリブデンのゾル溶液または粉末の内の1種または2種以上をB酸化物溶液またはB酸化物粉末とすると、
    A酸化物溶液をSiO、Al、MgO換算で0.05〜1質量%、
    B酸化物ゾル溶液またはB酸化物粉末をB、V、Bi、Sb、MoO換算で0.05〜1質量%、残部が軟磁性金属粉末からなる配合組成となるように配合し、混合し、乾燥して前記軟磁性金属粉末をA酸化物乾燥ゲルおよびB酸化物乾燥ゲルまたはB酸化物粉末からなる混合酸化物で被覆してなる混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を作製し、得られた混合酸化物被覆軟磁性金属粉末を圧粉し、成形したのち、温度:500〜1000℃で燒結することを特徴とする高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法。
  2. 前記軟磁性金属粉末は、鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末またはFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末であることを特徴とする請求項1記載の高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材の製造方法。
  3. 酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムの内の1種または2種以上をA酸化物とし、
    酸化硼素、酸化バナジウム、酸化ビスマス、酸化アンチモンおよび酸化モリブデンの内の1種または2種以上をB酸化物とすると、
    A酸化物:0.05〜1質量%、B酸化物:0.05〜1質量%、残部が軟磁性金属粉末からなる成分組成を有する請求項1または2記載の方法で製造した高密度、高強度、高比抵抗および高磁束密度を有する複合軟磁性焼結材。
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