JP4477414B2 - 映像式遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、旧来からの機械式の遊技機(実遊技機)と同様の発射操作部を備え、入賞口、アウト口、遊技釘等の盤面構成部材が実遊技機の遊技盤面形態を模して配置された遊技盤面、及びこの遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれ流下する遊技球等を画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式遊技機に関するものである。
この種の遊技機においては、実遊技機とは異なり、遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれた実体のある遊技球が重力によって落下して行くわけではない。したがって、入賞口、遊技釘等の盤面構成部材や遊技盤面の前面を覆う透明のガラス板に遊技球が実際に衝突することはなく、勿論、その際の衝突音等が聴けることはない。つまり、無音状態で遊技球が遊技盤面上を移動して行くことになる。
これでは余りに実遊技機と異なり、面白みを欠くことから、従来、「球の映像の障害物の映像との衝突時…に…電子音を発生」させて興味を増すようにした遊技機が提案された(特許文献1の特許請求の範囲参照)。
特開昭56−34378号公報
しかしながら上記特許文献1では、遊技球の障害物との当接(衝突)時における電子音の発生は、CPUがROM、RAMの情報を解釈して判断することにより行っている旨、記載されているだけであり(特許文献1中の明細書9頁11〜16行参照)、具体的に実現できるものではなかった。
また、遊技球の障害物との衝突音も、球発射音、入賞音、アウト球口への落入音等と異なればよいという程度の電子音では(同上明細書3頁12〜17行、同9頁9〜10行参照)、興味を増すことはできても、映像式遊技機による遊技を実遊技機による遊技に近づけるという点からは満足できなかった。
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたもので、遊技球が、その障害物となる盤面構成部材や遊技盤面の前面を覆うように想定された透明板体への衝突音を具体的に実現可能で、しかも効果音の観点からより一層実遊技機による遊技に近づけられる映像式遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、遊技釘を含む複数種類の盤面構成部材が定位置に配置された遊技盤面と、発射操作部の操作により発射され、前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段と、前記主制御手段の制御に基づき音声出力装置から音声を発生させる音声制御手段とを備え、前記画像表示制御手段は、前記発射操作部の操作により発射される遊技球毎に、予め定められた条件に基づいて各々取得された球ルートに対応するポイントテーブルを参照し、このポイントテーブルに表された経過時間対応の遊技球の位置座標に従って各遊技球を移動表示させる遊技球移動表示手段を備え、前記遊技盤面の前面を覆うように想定された透明板体の、前記遊技盤面からの位置が設定されており、前記ポイントテーブルには衝突情報欄が付加され、この衝突情報欄には、前記経過時間対応の遊技球の位置座標に応じて、前記透明板体又は前記盤面構成部材への遊技球の衝突の有無情報と、衝突有の場合におけるその衝突位置座標に位置する前記透明板体又は前記盤面構成部材に応じた衝突音選択情報とを含む衝突情報が表され、前記音声制御手段は、前記遊技球移動表示手段により移動表示されている遊技球が、前記衝突情報欄に衝突有と表された位置座標に到達した時に、その衝突情報欄に表された衝突音選択情報に応じた種類の実衝突模倣音を前記音声出力装置から発生させることを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、遊技球移動表示手段は、発射される遊技球毎に取得された球ルート対応のポイントテーブルを参照し、このテーブルに表された経過時間対応の遊技球の位置座標に従って各遊技球を移動表示させる。
遊技盤面の前面を覆うように想定された透明板体の、遊技盤面からの位置が設定されている。
ポイントテーブルには衝突情報欄には、経過時間対応の遊技球の位置座標に応じて、透明板体又は盤面構成部材への遊技球の衝突の有無情報と、衝突有の場合におけるその衝突位置座標に位置する透明板体又は盤面構成部材に応じた衝突音選択情報とを含む衝突情報が表した。
音声制御手段は、移動表示されている遊技球が、ポイントテーブルの衝突情報欄に衝突有と表された位置座標に到達した時に、その衝突情報欄の衝突音選択情報に応じた種類の実衝突模倣音を音声出力装置から発生させる。実衝突模倣音は、実遊技機における盤面構成部材への遊技球の衝突音を模した音声出力装置からの発生音である。
これによれば、遊技球(画像)が、その障害物となる盤面構成部材(画像)への衝突音を具体的に実現可能で、しかも効果音の観点から一層実遊技機による遊技に近づけることが可能である。特に、盤面構成部材のみならず遊技盤面前面を覆うように想定(設定)された透明板体(実遊技機において遊技球の落下を阻止するために備えられている前面ガラス板等に相当する透明板体)への衝突音についても具体的に実現可能となり、効果音の観点からより一層実遊技機による遊技に近づけることが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部を示す構成図である。
この図において、映像式パチンコ機の遊技機枠1は、パチンコ遊技場内のいわゆる島と呼ばれる遊技機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。可動枠3の内側には、画像表示器5が、画面を前側に向けて取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等からなり、電気的に表示形態を変えられる画像を表示できる。可動枠3の裏面側には主制御装置6、画像表示制御装置7、音声制御装置8及びカード制御装置9が取り付けられる。
上記主制御装置6、画像表示制御装置7、音声制御装置8及びカード制御装置9は、図2に取り出して示すように接続構成されている。
このうち主制御装置6は、画像表示制御装置7の制御を経て画像表示器5に遊技盤面の画像(以下、盤面画像と略記する。)を表示させ、かつこの表示させた盤面画像における遊技状態の制御及び賞球制御等、パチンコ機全般の制御を司る装置である。
ここで上記盤面画像は、実遊技機の遊技盤面の形態を模した画像である。すなわち、図3に例示するように、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センタ飾り42、図柄表示部43、一般入賞口44〜47、始動入賞口48、始動入賞口48の可動片48a、大入賞口49、大入賞口49の前面の開閉体50、ランプ風車51、ゲート52、風車53、サイドランプ54、アウト口55及び多数の遊技釘56…等の盤面構成部材等を表す画像からなる。
上記主制御装置6は、図4に示すように、例えばCPU6a、RAM6b、ROM6c及び入出力インタフェース6dを備えて構成されている。また、ROM6cには、制御プログラム6c1及びデータ群6c2が格納されている。
主制御装置6は、CPU6aがRAM6bを作業域として用い、ROM6c中のデータ群6c2を適宜読み出して制御プログラム6c1を実行し、上述した制御を行う。
また主制御装置6は、後述発射操作部の操作により発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定する球属性決定手段6eを備える。更に主制御装置6は、この球属性決定手段6eにより決定された球属性を含む遊技球発射コマンド(信号)S1を、後述発射操作部の操作により発射される遊技球毎に作成して送信するコマンド送信手段6fも備える。上記球属性は、所定の条件に基づいて決定されるが、その決定方法は後述する。
上記画像表示制御装置7は、主制御装置6の制御に基づき、つまり主制御装置6からの遊技球発射コマンドS1、その他、各種のコマンドを受信し、これらのコマンドS1等により画像表示器5に上記盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う装置である。
「表示させた盤面画像における表示制御を行う」とは、具体的には、画像表示器5を制御して、上記盤面画像自体の制御表示、例えば後述する複数の図柄の変動表示や図3に示す大入賞口49の開閉体50の動画像表示等をさせ、あるいは遊技球を上記盤面画像上に移動表示させることをいう。
画像表示制御装置7の制御によるこれらの表示は、主制御装置6の制御に基づいている。特に、画像表示制御装置7による盤面画像自体の制御表示は、主制御装置6による上記盤面画像における遊技状態の制御に基づいている。
この画像表示制御装置7は、図5に示すように、例えばCPU7a、RAM7b、ROM7c、画像処理専用の演算処理ユニット(GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)7d、ビデオRAM7e、入力インタフェース7f及び出力インタフェース7gを備えて構成されている。
上記ROM7cには、制御プログラム7c1と、遊技釘56の位置、形状(大きさを含む)を表す遊技釘データ7c2と、球属性別、ここでは遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3と、ポイントテーブル7c4と、その他のデータ群7c5とが格納されている。
データ群7c5には、遊技釘データ7c2と共に盤面画像を表示するためのガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、可動片48a、開閉体50、各種風車51,53、ゲート52、サイドランプ54及びアウト口55等の盤面構成部材の表示用データや、盤面背景データ等が含まれる。盤面構成部材の表示用データは、具体的にはそれら盤面構成部材の位置、形状(大きさを含む)を表すデータである。
これらガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、可動片48a、開閉体50、各種風車51,53、ゲート52、サイドランプ54、アウト口55及び遊技釘56等の盤面構成部材は、ROM7cに記憶、設定された定位置に、定形状(大きさを含む)で盤面画像上に表示される。ここで、可動片48a、開閉体50あるいは風車53のように動きのある盤面構成部材については、上記定形状には上記動きの範囲内における変化形状も含む。
本実施形態においては、実遊技機の場合と同様に、遊技盤面の前面を所定の間隔を置いて覆うように透明板体が設定(想定)されているが、上記間隔(遊技盤面からの前後方向の距離)、つまり透明板体の位置もまたデータ群7c5中に設定されている。なお上記透明板体は、実遊技機において遊技球の落下を阻止するために備えられている透明板体、通常は前面ガラス板に相当する板体で、透明であるために、盤面画像上に目に見える形態で表示されている訳ではなく、位置のみがデータ群7c5中に設定されている。
したがって、盤面画像上に表示された遊技球が、例えばセンタ飾り42、風車51,53、サイドランプ54、遊技釘56等の盤面構成部材、あるいは上記透明板体と衝突するか否か(衝突の有無)は、後述する球ルートが特定されることにより事前に把握できる。
なお衝突は、移動する遊技球(画像)の占める位置が、上記センタ飾り42、風車51,53、サイドランプ54、遊技釘56等の盤面構成部材(画像)の占める位置あるいは上記透明板体(位置)に重なる瞬間に生じるものであると設定されている。
画像表示制御装置7は、CPU7aがRAM7bを作業域として用い、ROM7c中の遊技釘データ7c2及びデータ群7c5を適宜読み出して制御プログラム7c1を実行する。そして画像表示制御装置7は、GPU7dを制御してビデオRAM7eに描画データを書き込ませ、上述したように画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う。
また画像表示制御装置7は、遊技球移動表示手段7hを備える。この遊技球移動表示手段7hは、後述発射操作部の操作により発射される遊技球毎に、予め定められた条件に基づいて各々取得された球ルートに対応するポイントテーブル7c4を参照し、このポイントテーブル7c4に表された経過時間対応の(経過時間に対応づけて設定された)遊技球の位置座標に従って各遊技球を移動表示させる手段である。ここで予め定められた条件とは、本実施形態では球属性を決定するための諸要件であり、基本的には遊技球の発射強度であるが、詳細は後述する。
球ルートの取得は、本実施形態では、図4に示す主制御装置6のコマンド送信手段6fからの遊技球発射コマンドS1中の球属性に応じた複数種類の球ルート中からの選択によりなされる。
球ルートは、各遊技球が上記遊技盤面上の遊技領域41に打ち込まれた後における入賞口44〜49又はアウト口55(図3参照)に入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなり、上記ポイントテーブル7c4に設定されている。
なお、球ルートは遊技球中心位置のルートを指す。また入球とは、遊技球が入賞口44〜49やアウト口55に入ることを指すが、映像式遊技機においては、遊技球、入賞口44〜49及びアウト口55は画像で表示されているので、具体的には、入賞口44〜49やアウト口55の位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が盤面画像上から消滅することを指す。
以下、図6に図1、図4及び図5を併用して、上記遊技球の発射強度、球属性(遊技球の消滅位置、生存時間)、遊技球発射コマンドS1、及び球属性別の球ルートテーブル7c3の関係について説明する。
まず球属性のうち、遊技球の消滅位置は、主制御装置6の球属性決定手段6eにより遊技球の発射強度に基づいて決定される。ここでは、遊技球の消滅位置が、0から9999までの数値をエンドレスで繰り返しカウントする消滅位置決定用カウンタ(図示せず)を用い、このカウンタの上記発射ON信号生成時のカウント値と上記遊技球の発射強度に基づいて決定される。
球属性のうち、遊技球の生存時間は、図7にも示すように一定の幅をもつが、その幅内の特定の生存時間が上記遊技球の消滅位置に応じて決定される。図6に示すように、同一消滅位置の中にも更に異なる値の生存時間を複数種類設定してもよく、この場合は、その複数種類の中の1種類の消滅位置を順次又はランダムに決定する。
このように決定された球属性は、遊技球発射コマンドS1に含められて主制御装置6のコマンド送信手段6fから送信される。図6に示す例において、頭文字「CM」が付された4桁の数字は各々球属性を含む遊技球発射コマンドS1を表す。
球属性別の球ルートテーブル7c3は、画像表示制御装置7のROM7cに格納されている。この球ルートテーブル7c3は、主制御装置6のコマンド送信手段6fから送信されてくる遊技球発射コマンドS1、換言すれば球属性と、画像表示制御装置7が盤面画像上に移動表示する遊技球のルート、つまり球ルートとの対照表である。
球ルートは、図6に示す例においては頭文字「RT」が付された4桁の数字で表されているが、具体的には遊技球が遊技領域41に打ち込まれてから消滅するまでの経過時間対応の、ここでは単位時間毎、例えば16msec(約1/60秒)毎の位置座標データの集合(位置座標データ群)からなる。
各球ルートの位置座標データ群は、上述したようにポイントテーブル7c4に設定されており、上記「RT」が付された4桁の数字で表された球ルートが画像表示制御装置7において特定されると、遊技球移動表示手段7hはその球ルートに対応するポイントテーブル7c4を参照する。そして遊技球移動表示手段7hは、参照されたポイントテーブル7c4に表された位置座標データ群を読み込み、単位時間経過毎の遊技球の位置座標に従い各遊技球を移動表示させる。
なお、図6に例示する球属性はその一部を示し、また球属性別の球ルートテーブル7c3も一部を例示している。
上記位置座標データは、例えば遊技盤面を含む画像表示器5の画像表示面をX,Y平面とし、図3中の左右方向にX軸、上下方向にY軸をとり、同画像表示面の図3中の左下隅部を基準位置、つまりX=0,Y=0として表す。
本実施形態では、遊技盤面に直交する、遊技盤面の前面側(遊技者側)の方向にZ軸をとり、位置座標データをX,Y,Zの三次元座標で表しているので、上記基準位置の位置座標(X,Y,Z)は(0,0,0)で表される(後掲図8参照)。
遊技者が、図1に示す発射操作部33を時計方向にある操作量、例えば角度35°〜45°までの間の角度θxに回動操作した場合、図4に示す主制御装置6は角度θxに応じた値を発射操作量として取得し、同装置6内の球属性決定手段6eはその発射操作量に応じて遊技球の発射強度Fxを求める。
そして、この球属性決定手段6eは、発射強度Fxに対応する遊技球消滅位置Pxを、上記消滅位置決定用カウンタを用いて抽選により求め、続いて、この消滅位置Px(詳しくは発射強度Fx及び消滅位置Px)から、各消滅位置までの遊技球生存時間Txを求める。
主制御装置6のコマンド送信手段6fは、球属性決定手段6eで決定された遊技球消滅位置Px及び生存時間Txからなる球属性を含む遊技球発射コマンドS1を画像表示制御装置7に送信する。
遊技球発射コマンドS1は発射される遊技球毎に図5に示す画像表示制御装置7に送信されるが、画像表示制御装置7はこの遊技球発射コマンドS1を受信する毎に、各遊技球発射コマンドS1中の球属性に応じた球ルートを遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3から読み出す(取得する)。
画像表示制御装置7の遊技球移動表示手段7hは、読み出した球ルートに対応するポイントテーブル7c4を参照し、そのポイントテーブル7c4に表された位置座標データ群を読み込んで各遊技球を移動表示させる。
ここで、本実施形態における位置座標データ及びポイントテーブル7c4について説明する。
図8は、上記遊技盤面上の位置座標(X,Y)が(0,0)〜(500,500)の範囲で表され、かつX,Y平面(Z=0)からの上記透明板体の位置Zの値が19に設定された三次元空間と、盤面構成部材39,42〜56、遊技球57との関係を示す図である。X,Y,Zの各数値の単位はmmである。
この図に示す三次元空間内において、盤面構成部材39,42〜56や遊技球57の位置が特定される。
すなわち、本実施形態において遊技球57の位置は、図8に示す三次元空間内における遊技盤面上の位置座標(X,Y,Z)で表される。なお、遊技球57の直径は、ここでは11mmに設定されている。
図9は、ある球ルートの位置座標データ群が設定されたポイントテーブル7c4の具体例を示す図で、図示するようにポイントテーブル7c4には、単位時間経過毎の遊技球の位置座標P(X,Y,Z)が表されている。
なお単位時間は、この例では16msecに設定されているので、発射からの経過時間Tは16の倍数になっている。一例として、遊技球の位置座標P0,P12,P24,P36,P48,P60,P72,P84…が、各々図8中に示されている。うち、P0,P12,P60,P72,P84については、図9中にその位置座標P(X,Y,Z)の詳細が表されている。
ここで本実施形態においては、図9から分かるように、ポイントテーブル7c4には衝突情報欄91が付加されている。
この衝突情報欄91には、単位時間経過毎の遊技球の位置座標Pに応じて、上記盤面構成部材39,42〜56(図3、図8参照)又は透明板体への遊技球57(図9参照)の衝突の有無情報と、衝突有の場合におけるその衝突位置座標に位置する上記盤面構成部材39,42〜56又は透明板体に応じた衝突音選択情報S11とを含む衝突情報が表される。
図9に示す例では、上記衝突の有無情報は衝突フラグのON(=1)/OFF(=0)で表している。衝突フラグON(=1)で衝突有、衝突フラグOFF(=0)で衝突無を表す。衝突音選択情報S11は実衝突模倣音の種類を表す情報であり、この例では、1は遊技釘56、2はセンタ飾り42、3は上記透明板体との、各実衝突模倣音を表す。なお、衝突音選択情報S11において、0は無音(音選択なし)を表す。
ここで実衝突模倣音とは、実遊技機における盤面構成部材や透明板体へ実際の遊技球が衝突して発生する実遊技球衝突音を模した衝突音であり、実遊技機において衝突する盤面構成部材や透明板体の材質の種類、具体的には金属材か、合成樹脂材か、あるいはガラス材か等によって異なる音となる。
この衝突音選択情報S11は、図1、図2に示すように、画像表示制御装置7から音声制御装置8に与えられる。
音声制御装置8は、遊技中に種々の効果音や合成音声を後述するスピーカ等の音声出力装置から発生させる装置で、図10に示すように、例えば音声合成処理装置8a、RAM8b、ROM8c、入力インタフェース8d、D/A変換器8e及びアンプ8fを備えて構成される。この場合、ROM8cには制御プログラム、音声合成用データ群及びその他のデータ群が格納されている。
音声制御装置8は、音声合成処理装置8a中のCPU(図示せず)がRAM8bを作業域として用い、ROM8c中のデータ群を適宜読み出して同ROM8c中の制御プログラムを実行し、上述した効果音や合成音声の発生制御を行う。
本実施形態では、音声制御装置8は、上記画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)により移動表示されている遊技球が、上記ポイントテーブル7c4中の衝突情報欄91に衝突有(衝突フラグ=1)と表された位置座標に到達した時、つまり衝突時に、その衝突情報欄91中の衝突音選択情報S11に応じた種類の実衝突模倣音を後述スピーカから発生させる。
説明を図1に戻すと、可動枠3には、その前面に前面飾り枠11がヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備え、この丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられた無色透明のガラス又は合成樹脂からなる画像表示器保護用のパネル13で塞がれる。
丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、精算操作機構17、発射操作機構18、持ち球数表示器19、放音口部20等を備える。
カード挿入口14は遊技者がプリベイドカード等の遊技媒体(以下、カードという。)22を挿入するスリット状の口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23、カード搬送機構24、情報読取器25及び情報書替器26が、前面飾り枠11の裏部等に取り付けられた状態で位置する。貸出操作機構15は、遊技者により操作される貸出操作部27と、この貸出操作部27によりON/OFF動作する貸出スイッチ28とを備える。
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、この返却操作部29によりON/OFF動作する返却スイッチ30とを備える。精算操作機構17は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される精算操作部31と、この精算操作部31によりON/OFF動作する精算スイッチ32とを備える。
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から回動操作される発射操作部(発射レバー)33と、この発射操作部33の操作により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、この発射停止操作部35によりON/OFF動作する発射停止スイッチ36とを備える。また発射操作機構18は、遊技者が発射操作部33に触れているか否かを検出するタッチセンサ(図示せず)を備える。
上記持ち球数表示器19は、数値表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11又は可動枠3に取り付けられる。また、放音口部20の裏部にはスピーカ37が取り付けられる。
以下、上述実施形態の一般的な動作について、主に図1、図3〜図5を参照しつつ説明する。
まず、主制御装置6、画像表示制御装置7、音声制御装置8及びカード制御装置9が、遊技機枠1に設けられた電源装置(図示せず)から直流電源が供給され起動されると、主制御装置6の制御に基づき画像表示制御装置7が画像表示器5を制御して、この画像表示器5に盤面画像を表示させる。
この盤面画像は、上述したように各種の盤面構成部材39、42〜56等を表す画像からなる(図3参照)。
いま、遊技者が金額情報の書き込まれたカード22をカード挿入口14に挿入すると、カード検出器23がカード検出信号をカード制御装置9に出力し、カード搬送機構24を引込制御する。これにより、カード22が搬送され、情報読取器25がカード22の金額情報を読み取ってカード制御装置9に出力する。
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、入力された投資金額に相当する投資金額情報が貸出信号として貸出スイッチ28からカード制御装置9に出力される。カード制御装置9は、貸出スイッチ28からの貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、カード22から読み取って記憶しておいた金額情報(カード読取金額情報)が上記投資金額情報以上であるか否かを判定する。
次にカード制御装置9は、上記カード読取金額情報が投資金額情報以上である場合には投資金額情報をそのまま、投資金額情報未満である場合には上記カード読取金額情報を投資金額情報として、主制御装置6に出力する。主制御装置6は、カード制御装置9から出力された投資金額情報に応じた球数情報を持ち球数表示器19に出力し、この持ち球数表示器19が球数情報に相当する球数を数値表示する。
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、カード22には500円の整数倍の金額情報が書き込まれている。そして、カード挿入口14に挿入されたカード22に、例えば1000円の金額情報が書き込まれている場合であって、遊技者が、貸出操作部27を1回操作した場合には500円に、2回操作した場合には1000円に、相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。カード22に、500円の金額情報が書き込まれていて、遊技者が、貸出操作部27を2回操作した場合には、2回の操作に拘わらず500円に相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。
なお、カード読取金額情報を度数情報としてカード制御装置9に接続された度数表示器(図示せず)に表示するようにしてもよい。
持ち球数表示器19による球数表示と並行して、カード制御装置9は、上記カード読取金額情報から貸出としての球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、カード22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。
残額情報が「0」の場合、カード制御装置9はカード搬送機構24を戻し制御する。遊技者が返却操作部29を操作すると、カード制御装置9は、返却スイッチ30から返却信号を受けてカード搬送機構24を戻し制御する。
これらの戻し制御によって、カード搬送機構24はカード22を搬送してその一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を遊技機枠1から取り出し可能とする。
持ち球数表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、図示しないタッチセンサがONすると共に、可変抵抗器34が発射操作部33の操作量に応じた可変抵抗値を主制御装置6に出力する。なお、発射停止操作部35は操作されてなく、発射停止スイッチ36はOFFしているものとする。
主制御装置6は、発射操作部33の操作量がいわゆる遊びの範囲を超えているか否か、具体的には可変抵抗器34の可変抵抗値が一定値以上か否かによる発射可否の判定を行う。主制御装置6は、判定結果が発射可である場合には、1分間当たり例えば100個の割合で発射ON信号を生成すると共に、この発射ON信号毎に、その信号生成時の上記可変抵抗値、換言すれば発射操作部33の操作量を取得する。
また主制御装置6は、画像表示器5に画像として描かれる遊技球が発射表示されてから遊技領域41をどのようなルートで流下、移動させるかについての基本的な情報となる球属性を上記発射ON信号毎、つまり発射操作部33の操作により発射される遊技球毎に決定する。
上記球属性は、主制御装置6に備わる球属性決定手段6eにより決定される。
すなわち球属性決定手段6eは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度を求め、この発射強度に基づき、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置を求め、これを球属性として決定する。球属性決定手段6eは、遊技球の生存時間も発射強度に基づいて求め、これも球属性として決定する。
図7に、発射強度に基づいて求められる生存時間の一例を示す。ここでは、発射強度に基づいて求められる生存時間が一定の幅をもつ例が示されている。
遊技球の生存時間を、遊技球の発射強度に基づくものではあるが、直接的には上記消滅位置に応じて求めたものであってもよい。
上記発射強度は、遊技球の発射の強さを表す情報であり、上述したように遊技球の消滅位置及び生存時間を求める基本的な情報として用いられる。
遊技球の消滅位置は、入賞口44〜49に入賞(入球)するか、入賞するときはどの入賞口に入賞するか、又は入賞せずにアウト口55に入球するかを表す入球位置に係る球属性である。遊技球(遊技球画像)は入賞口44〜49への入賞、又はアウト口55への入球時にその表示が終了し、盤面画像上から消滅する。
遊技球の生存時間は、発射操作部33が操作され、遊技球が発射されてから消滅するまで、つまり盤面画像上に表示が開始されてから終了するまでの時間に係る球属性である。
上記球属性決定手段6eにより決定された各球属性を含む遊技球発射コマンドS1はコマンド送信手段6fから画像表示制御装置7に送信される。
画像表示制御装置7は、コマンド送信手段6fからの遊技球発射コマンドS1を受信して同コマンドS1中の上記2つの球属性に基づき各遊技球のルート、つまり球ルートを選択し、その球ルートで各遊技球を画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示させる。
球ルートは、遊技球が発射されガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に打ち込まれた後、落下移動しながらセンタ飾り42、風車51,53、サイドランプ54、多数の遊技釘56…等に当たり、あるいはゲート51を通過して、入賞口44〜49の何れかに入賞し、又は非入賞となってアウト口55に入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなる情報で、ポイントテーブル7c4に設定されている。
入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を落下移動する遊技球が一般入賞口44〜48(図示例では開閉体50が閉じているので大入賞口49は含まない。)の何れかに入球することを表す情報である。
非入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を落下移動する遊技球が入賞口44〜49の何れにも入賞しないでアウト口55に入球することを表す情報である。
なお、始動入賞口48への入球時、つまり入賞として始動入賞情報が決定された場合だけ、当たり/外れ情報が決定される。
当たり/外れ情報は、主制御装置6において、入賞として始動入賞情報が決定されたタイミングで図示しない大当たり抽選用カウンタからカウント値を取得し、このカウント値を、同カウンタの全カウント値と大当たり/外れ値とを対応付けた抽選テーブルに照合(大当たり抽選)して決定される。
決定された当たり/外れ情報(抽選結果)はRAM6bに記憶される。これによりRAM6bに記憶される抽選結果は、大当たり又は外れの何れか1つである。
主制御装置6は、上記発射ON信号毎に球数情報を減算し、この減算した球数情報を持ち球数表示器19に出力すると共に、上述したように各球属性を含む遊技球発射コマンドS1を上記発射ON信号毎に作成して画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7で画像表示器5を制御させる。
この制御によって、画像表示器5は遊技球動画像(球ルートに沿って移動する遊技球画像)を表示する。
この遊技球動画像は、遊技球が1分間当たり100発の割合で盤面画像中の発射通路40から遊技領域41に打ち込まれ、この遊技領域41を流下、移動する動画像である。
持ち球数表示器19は、主制御装置6からの減算した球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値となる。
そして、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が一般入賞口44〜47に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。
これにより、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、図柄変動開始コマンド及び上記大当たり抽選で決定された当たり情報又は外れ情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する(盤面画像における表示制御を行う)。
この制御によって、画像表示器5は、図柄表示部43に複数の図柄の変動表示を開始し、所定時間後、主制御装置6から画像表示制御装置7に送信された上記大当たり抽選で決定された当たり情報又は外れ情報を反映するように、図柄表示部43における複数の図柄の変動表示を終了し、図柄を停止させる。
この図柄停止によって、図柄表示部43に表示される図柄は、上記大当たり抽選で決定された情報が当たり情報である場合には例えば「333」、「777」のように同一の数値が一列に並んだ表示形態となり、上記大当たり抽選で決定された情報が外れ情報である場合には例えば「133」、「767」のように異なる数値が一列に並んだ表示形態となる。
図柄表示部43における図柄の停止した表示形態が当たりの形態、つまり停止図柄が大当たり図柄である場合には、主制御装置6が開閉体50を開けるための開情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、これを受けた画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の動作画像を表示する。
この大入賞口49の動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として垂直に閉じた状態から斜め前方に開く動画像である。このようにして開閉体50が開放すると、大入賞口49には、より多くの、つまり他の一般入賞口44〜47に比べて多くの遊技球の入賞が可能となる。
開閉体50の開放中に、遊技領域41から遊技球が大入賞口49に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像から消滅すると、主制御装置6は、大入賞口49に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、大入賞口49への入賞時点の数値と大入賞口49に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
遊技領域41から大入賞口49に入賞した遊技球は、大入賞口49の内部に設定された普通領域又はVゾーンと称される特定領域(共に図示せず)に入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開放開始からの経過時間をカウントアップすると共に、大入賞口49に入賞した遊技球が大入賞口49の普通領域に入賞した場合に、その普通領域に入賞した数値をカウントアップする。
上記カウントアップした経過時間が設定開放時間に到達するか、又はカウントアップした普通領域への入賞個数が例えば10個のような設定入賞個数に到達するかの何れか一方の条件が充足すると、主制御装置6は開閉体50を閉じるための閉情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の動作画像を表示する。この大入賞口49の動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方から図3に示す垂直状態に閉じる動画像である。
この開閉体50が開いてから閉じるまでの間において、大入賞口49に入賞した遊技球が大入賞口49の特定領域に入賞した場合、主制御装置6は上記開閉体50の1回の開閉を再び行う大当たり継続情報をコマンドとして画像表示制御装置7に送信すると共に、特定領域に入賞した数値をカウントアップする。
この大当たり継続情報を画像表示制御装置7が受け取った場合、画像表示制御装置7は上記開閉体50の1回の開閉が終了した後に画像表示器5を再び制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方に開く形態の動画像を表示する。
この開閉体50が再び開閉する大当たりの継続は、カウントアップした特定入賞個数が例えば16回のような設定継続回数に到達するまで行われる可能性がある。開閉体50の1回の開閉中において特定領域への入賞がなければ、その回で大当たりの継続が終了することから、開閉体50の開閉が継続する回数は可能性にとどまる。
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者が精算操作部31を操作する。これによって、精算スイッチ32が精算信号をカード制御装置9に出力し、カード制御装置9が精算信号を主制御装置6に出力する。
これにより主制御装置6は、持ち球数表示器19に表示されている球数に相当する球数情報をカード制御装置9に出力すると共に、持ち球数表示器19の数値を「0」となるように持ち球数表示器19を制御する。
カード制御装置9は、遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報に主制御装置6から入力された球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。
その後、カード制御装置9がカード搬送機構24を戻し制御し、金額情報の書き替えられたカード22がカード挿入口14から前側に吐き出される。
次に、本実施形態において、図1に示す発射操作部33が操作されてから遊技球が盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅、つまり表示が終了するまでの一連の処理動作を図11〜図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、図11に図1及び図4を併用して主制御装置6における遊技球の発射処理(1発毎の発射処理)について説明すると、ステップ501では、発射操作機構18が遊技球を発射できる状態になっているか否かを判定する。
すなわち、発射操作部33のタッチセンサ(図示せず)がON、発射停止スイッチがOFF、更に発射操作部33の操作量が遊びの範囲を超えているか否かを判定する。遊技者が実際に遊技球を発射するために発射操作部33を操作しているか否かを判定するためである。ステップ501の判定結果がNo(否定)であれば発射処理を終了し、Yes(肯定)であれば次ステップ502に進む。
ステップ502では前回の発射から一定時間経過しているか否かを判定する。これは1分間に例えば100発を超えて発射されないようにするためで、一定時間とはここでは0.6秒である。ステップ502で一定時間経過していないと判定されれば発射処理を終了する。つまり、主制御装置6は、遊技球の発射に関しては何の処理もしない。一定時間経過していると判定されれば処理をステップ503に移す。
ステップ503では、持ち球数があるか(持ち球数表示器19が表示する球数が1以上か)否かを判定する。判定結果がNoであれば、空打ち音を発生させるためのコマンドを音声制御装置8に送信し(ステップ504)、スピーカ37から空打ち音を発生させて発射処理を終了する。判定結果がYesであれば球属性決定手段6eにより球属性を決定する(ステップ505)。
ここでは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度が求められ、この発射強度に基づいて遊技球の消滅位置が求められ、これら発射強度及び消滅位置に基づいて遊技球の生存時間が求められる。そして、これら遊技球の消滅位置及び生存時間が球属性とされる。
球属性が決定されると、ステップ506に移行し、決定された球属性を含んだ遊技球発射コマンドS1をコマンド送信手段6fから画像表示制御装置7に送信し、発射処理を終了する。
以上の処理は、発射操作部33の操作により発射される遊技球毎に行われる。
図12は、図1に示す画像表示制御装置7による表示処理を説明するためのフローチャートである。以下、この図12に図1及び図5を併用して画像表示制御装置7による表示処理を説明する。
まず、ステップ601において、画像表示制御装置7は、主制御装置6からの各種のコマンドを受信する。このコマンドには、図11中のステップ506で送信された、球属性を含む遊技球発射コマンドS1の他、図柄変動開始コマンド、当たり情報又は外れ情報や開閉体50を開け又は閉じるための情報を内容とするコマンド等の演出表示制御用コマンドがある。
遊技球発射コマンドS1は、発射球毎に画像表示制御装置7で受信され、その他の演出表示制御コマンドは、主制御装置6が制御する遊技状態に応じて送信された際に受信される。
ステップ602では、受信した遊技球発射コマンドS1中の球属性に基づいた球ルートを生成し、ここでは球ルートテーブル7c3(図6参照)から球ルートRTを読み出し、その球ルートRTに応じた位置座標で遊技球を画像表示器5に表示させる。
具体的には、図5に示すCPU7aが上記球ルートテーブル7c3から読み出した球ルートRTに基づき、次のフレーム更新時に移動する遊技球の位置座標をGPU7dが読み出し、あるいは位置座標を補間法により求める等、必要に応じて演算を行い、ビデオRAM7eに書き込む。
ステップ603では、ステップ602における処理が終了したか否かを判定する。未終了の場合はステップ603の処理を繰り返し、終了していればステップ604を実行する。
盤面画像に複数個の遊技球が表示される場合には、上述した表示処理は同時並行して行われる。このような場合、ステップ603における判定は、上記複数個の遊技球の全ての位置についてステップ602における処理が終了したか否かの判定となり、終了していればステップ604を実行する。
ステップ604では、盤面画像における大入賞口(役物)49の開閉体50の開閉動や図柄変動等、特別遊技状態あるいは特別遊技状態を招来させ得る遊技状態への演出表示制御を行う。
ステップ605では、ステップ604で行った表示制御以外の、例えば盤面画像におけるサイドランプ54や、図示しないが前面飾り枠11の前面部に取り付けられた電飾等の点消灯制御(一般演出制御処理)を行う。
ステップ606では、ステップ602、604、605の処理(制御)結果を合成して画像表示器5に描画、つまり表示させる。
ステップ601〜606は、一定周期で繰り返されるので、画像表示器5には、大入賞口49の開閉体50の開閉動、図柄変動、サイドランプ54点滅等の様々な演出表示がされる盤面画像上に遊技球(画像)が重ねて移動表示される。
画像表示制御装置7によるステップ604,605の処理時、音声制御装置8は、同ステップ604,605の処理と並行して、かつ同処理に合わせて、つまり特別遊技状態等にかかる演出制御処理か一般演出制御処理かに合わせて、種々の効果音、合成音声をスピーカ37から発生させる。
本実施形態では、音声制御装置8は、画像表示制御装置7により移動表示されている遊技球が、図9に示すポイントテーブル7c4中の衝突情報欄91に衝突有(衝突フラグ=1)と表された位置座標に到達した時、つまり衝突時に、実衝突模倣音をスピーカ37から発生させる。発生させる実衝突模倣音としては、上記衝突情報欄91中の衝突音選択情報S11に応じた種類の実衝突模倣音が選択される。
以下、この実衝突模倣音発生動作の詳細を図1及び図8〜図10を参照して説明する。
いま、予め定められた条件に基づき、本実施形態では主制御装置6において決定された球属性に基づき、画像表示制御装置7で特定の球ルートRTx001が取得されたものとし、図9はこの球ルートRTx001のポイントテーブル7c4の内容を表すものとする。
この球ルートRTx001は、図8においてはP0→P12→P24→P36→P48→P60→P72→P84…を経てアウト口55に至る曲線で表されている。
図8中の位置座標P0(15,250,5.5)は、発射後0msec、つまり発射時の遊技球(画像)57の位置である。遊技球57は、その後、P12(38,347,5.5)→P24→P36→P48→P60(223,412,7.5)→P72(220,370,14.0)→P84(196,343,7.5)…と位置座標を変えて行く。つまり、流下、移動して行く。
なお、実際の球ルートは、図8中の球ルートRTx001に示すような滑らかな曲線でないのが一般的である。遊技球57の移動途中においては衝突が起こるが、衝突が起こる毎にその直後において遊技球57の移動方向に細かな曲折が生じるのが一般的である。したがって、そのような衝突位置近傍においては実際には細かな曲折が設定されているが、図示球ルートRTx001は、このような細かな曲折が省略されて描かれている。
ここで、各位置座標P(X,Y,Z)における衝突音選択情報S11は画像表示制御装置7から音声制御装置8に与えられている。図9に示す例によれば、位置座標P0,P12,P60,P72,P84について、順に0、0、1、3、2を内容とする衝突音選択情報S11が音声制御装置8に与えられている。
位置座標P0,P12について、衝突音選択情報S11が0、0であるのは、図8から分かるように、衝突が発生しないか、実衝突模倣音を発生させる程の衝突状態にないからである。位置座標P60,P84について、衝突音選択情報S11が1、2であるのは、図8から分かるように、各々衝突が起こるからである。位置座標P72について、衝突音選択情報S11が3であるのは、図9中のZ座標(=14.0)から分かるように、衝突が起こるからである。図9中の衝突フラグ=1はこれを表している。
すなわち遊技球57は、位置座標P60においては遊技釘56に衝突し、位置座標P84においてはセンタ飾り42に衝突する。
位置座標P72においては、遊技球57はZ座標=19に設定された透明板体(実遊技機の前面ガラス板に相当する透明板体)に衝突する。この位置座標P72のZ座標は図9から14.0であり、Z軸方向においてZ座標=5.5(遊技盤面に遊技球57が接触している状態)にある遊技球57と上記透明板体との間において遊技球57が移動できる最大範囲(19−11=8)を超えた値になっているからである。なお、遊技球57の位置座標は遊技球中心位置を基準としている。
本実施形態においては、衝突対象が遊技釘56(金属材)の場合には1が、センタ飾り42(合成樹脂)の場合には2が、透明板体(ガラス材)の場合には3が、各々衝突音選択情報S11の内容をなすように設定されている。衝突音選択情報S11が0の場合には実衝突模倣音を発生しないように設定されている。
以上により音声制御装置8は、位置座標P0,P12については実衝突模倣音を音声合成処理装置8aで生成せず、スピーカ37から発生させない。
また音声制御装置8は、位置座標P60については遊技釘56への実衝突模倣音を、位置座標P72については透明板体(前面ガラス板)への実衝突模倣音を、更に、位置座標P84についてはセンタ飾り42への実衝突模倣音を、各々音声合成処理装置8aにおいて生成し、スピーカ37から発生させる。
これによれば、遊技球57の衝突対象(障害物)に応じて、その衝突対象への実遊技球衝突音を模した実衝突模倣音の発生を具体的に実現可能で、しかも、単に実現可能であるばかりでなく、効果音の観点から、より一層実遊技機による遊技に近づけることができる。
なお、画像表示器5に表示される盤面画像は、図3に示す態様に限定されない。図3に示す態様は第1種パチンコ機を模したものであるが、本発明はこれ以外のパチンコ機、その他の弾球遊技機にも適用可能である。
また図1においては、主制御装置6は、その制御対象として画像表示制御装置7及び音声制御装置8を備えた場合について示したが、実際には、これらの装置7,8の他、前面飾り枠11に取り付けられた電飾(図示せず)等を制御するランプ制御装置も備える。つまり主制御装置6は、盤面画像の表示や、表示された盤面画像における遊技状態の制御、音声による演出制御の他、電飾による演出制御も可能である。
図1に示す主制御装置6が制御する遊技状態には、例えば図3に示す大入賞口49の開閉体50が開いて、より多くの賞球が獲得可能となる特別遊技状態や図柄表示部43による図柄の変動表示状態、その他、上記特別遊技状態を招来させ得る遊技状態等がある。
主制御装置6は、このような遊技状態を、画像表示制御装置7による盤面画像における演出表示制御によって現出させ、同時に上記音声や電飾による演出制御も加えて遊技者を楽しませている。遊技状態の制御には、その状態の開始、継続、終了の各制御を含む。
上述実施形態では、図1、図2に示すように、音声制御装置8を画像表示制御装置7から独立して設けたが、この画像表示制御装置7中に組み込んで一体化してもよく、これによればCPU、ROM及びRAM等は一組で済む。
また上述実施形態では、図9に示すように、衝突の有無情報(衝突フラグ)と衝突音選択情報とを別個に表したが、どの位置座標において、どの種類の実衝突模倣音を選択するかが表されていれば、衝突情報欄に表される衝突情報についての形式はどのようなものであってもよい。
例えば、衝突情報欄には、各位置座標毎に単に実衝突模倣音の種類だけを表し、独立して衝突有無を表す情報を省略してもよい。この場合は、実衝突模倣音の種類を表していること自体が衝突有をも表すことであると、音声制御装置8側において検知できるようにすればよい。
本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部構成図である。 図1中の主制御装置、画像表示制御装置及びカード制御装置部分を取り出して示すブロック図である。 図1中の画像表示器に表示される盤面画像の一例を示す図である。 図2中の主制御装置の構成例を示すブロック図である。 同じく画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。 図1に示すパチンコ機において球ルートを決定するための遊技球の発射強度、球属性、遊技球発射コマンド及び球属性別の球ルートテーブルの関係の一例を説明するための図である。 同上パチンコ機において球属性決定手段で球属性として決定される遊技球の生存時間と発射強度との関係を示す図である。 同上パチンコ機において盤面構成部材や遊技球の位置を特定するための遊技盤面上の三次元空間の説明図である。 図5に示す画像表示制御装置に備えられたポイントテーブルの具体例を示す図である。 図2中の音声制御装置の構成例を示すブロック図である。 図4に示す主制御装置における遊技球の発射処理を説明するためのフローチャートである。 図5に示す画像表示制御装置における遊技球の表示処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1:遊技機枠、5:画像表示器、6:主制御装置(主制御手段)、6e:球属性決定手段、6f:コマンド送信手段(信号送信手段)、7:画像表示制御装置(画像表示制御手段)、7c3:球ルートテーブル、7c4:ポイントテーブル、7h:遊技球移動表示手段、8:音声制御装置(音声制御手段)、37:スピーカ(音声出力装置)、33:発射操作部、39,42〜55:盤面構成部材、56:遊技釘(盤面構成部材)、57:遊技球、91:衝突情報欄、S1:遊技球発射コマンド(信号)、S11:衝突音選択情報。

Claims (1)

  1. 遊技釘を含む複数種類の盤面構成部材が定位置に配置された遊技盤面と、発射操作部の操作により発射され、前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、
    前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、
    この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段と、
    前記主制御手段の制御に基づき音声出力装置から音声を発生させる音声制御手段とを備え、
    前記画像表示制御手段は、前記発射操作部の操作により発射される遊技球毎に、予め定められた条件に基づいて各々取得された球ルートに対応するポイントテーブルを参照し、このポイントテーブルに表された経過時間対応の遊技球の位置座標に従って各遊技球を移動表示させる遊技球移動表示手段を備え、
    前記遊技盤面の前面を覆うように想定された透明板体の、前記遊技盤面からの位置が設定されており、
    前記ポイントテーブルには衝突情報欄が付加され、この衝突情報欄には、前記経過時間対応の遊技球の位置座標に応じて、前記透明板体又は前記盤面構成部材への遊技球の衝突の有無情報と、衝突有の場合におけるその衝突位置座標に位置する前記透明板体又は前記盤面構成部材に応じた衝突音選択情報とを含む衝突情報が表され、
    前記音声制御手段は、前記遊技球移動表示手段により移動表示されている遊技球が、前記衝突情報欄に衝突有と表された位置座標に到達した時に、その衝突情報欄に表された衝突音選択情報に応じた種類の実衝突模倣音を前記音声出力装置から発生させることを特徴とする映像式遊技機。
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