JP4476284B2 - エアバッグ - Google Patents

Description

本発明は、エアバッグに関し、特に、膨張可能なカーテンの形態であるようなエアバッグに関する。

膨張可能なカーテンの形態であるようなエアバッグを提供することは、既に提案されており、かかるエアバッグは、自動車のドアの上方にある、ルーフラインに沿って取り付けられるべく構成されている。エアバッグは、万一、事故が発生した場合にエアバッグを膨張させるべく、ガス発生器に関連付けられている。膨張したエアバッグは、運転者ないし同乗者と、隣接するドアとの間に延在するように意図されている。

多くのデザインによる膨張可能なカーテンが、既に提案されているが、添付図面の図１を参照して、代表的なデザインについて説明する。
まず図１を参照すると、エアバッグ１は、膨張可能なカーテンの形態であって、略矩形の形状であるメイン領域２を有し、メイン領域において、第１の膨張可能領域３は、縫い目５によって複数のセル４に分割され、第２の膨張可能領域６は、縫い目８によってセル７に分割されている。２つの膨張可能領域３及び６は、実質的に膨張不能である領域９によって隔てられている。

膨張可能なカーテンにおける下縁の片端には、ストラップに結合されるべく、第１の突起部１０が設けられ、下縁の他端には、別のストラップに結合されるべく、別の突起部１１が設けられている。

ガス流入ダクト１２は、エアバッグの上縁に沿って設けられて、第１の領域３における膨張可能なセルと、第２の領域６における膨張可能なセルとに対して連通している。ガスダクト１２の端部１３は、ガス発生器に結合されるように構成されている。エアバッグの上端縁１４には、均等に間隔を隔ててなる複数の取付タブ１５が設けられていて、これらはそれぞれ開口１６を備えている。

上述したエアバッグは、現在使用されている、様々に異なるデザインによる膨張可能カーテン型のエアバッグのうちの、ひとつの例である。

上述した構成において、取付タブ１５は、単一層の織物から形成されている。しかしながら、取付タブ１５は、エアバッグの展開時に取付タブに作用する力に耐えられるほど充分には、強固ではないことが見い出された。ここで、エアバッグは、側面衝突や転覆事故を検出したセンサからの信号に応答して、極めて短時間内に展開することを理解すべきである。エアバッグを膨張させるガスは、非常に攻撃的なやり方で、ガス流入ダクト１２に注入され、その結果、取付タブ１５が破損することは珍しいことではない。

取付タブを改良して、補強材を縫い付けたり、あるいは、タブのあるべき箇所の織物片を当初オーバーサイズにしておいて、織物を折り返して縫い合わせることで、取付タブの強度を高めることが提案されている。しかしながら、そうした技術は、労働集約的で、コストが高騰するので好ましくない。

本発明は、改良されたエアバッグを提供することを目的としている。

従って、本発明はエアバッグを提供するもので、かかるエアバッグは、少なくともひとつの膨張可能領域を備え、エアバッグは、複数の取付タブを備えてなる上縁を有し、それぞれの取付タブは軸線を形成し、それぞれの取付タブの軸線が、エアバッグの中心上方の領域へ向けて内向きに傾斜している。

望ましくは、エアバッグは、膨張可能なカーテンの形態である。
それぞれのタブは、３０゜〜８０゜の角度にて傾斜していることが、有利である。
エアバッグの両端部の近くに配置されるタブは、エアバッグの中心の近くに配置されるタブに比べて、より鋭角に傾斜していることが、好都合である。

望ましくは、それぞれのタブは織物から形成されていて、織物は直交するたて糸とよこ糸とを有し、それぞれのタブにおける軸線は、たて糸及びよこ糸をなす直交する母材（orthogonal matrix）に対して鋭角をなしている。

本発明についてさらに理解できるように、また更なる特徴を理解できるように、以下、本発明について添付図面を参照して例示的に説明する。

理解できるだろうが、図２のエアバッグの大部分の特徴は、図１のエアバッグにおける対応する特徴と同一になっているので、再び詳述することはしない。
図２のエアバッグと図１のエアバッグとの間における主要な相違点は、取付タブの特徴にある。図２に示したエアバッグ２の上縁１４には、４つの取付タブ２０，２１，２２，２３が、互いに間隔を隔て、上縁１４に沿ったそれぞれの位置に設けられている。それぞれの取付タブは、織物の単一厚みの層になっていて、各タブにはそれぞれ、ボルト孔２４，２５，２６，２７が設けられている。

タブ２０，２１，２２，２３は、上縁１４から垂直に延びているのではなく、各タブ２０，２１，２２，２３は傾斜して、エアバッグの上縁１４に対して鋭角を形成していることが分かるだろう。
最も左側のタブ２０は、上縁１４に対して角度αだけ傾斜しており、この角度は３０゜〜８０゜の間であるが、本実施形態においては、約４５゜になっている。従って、タブ２０は、膨張可能なカーテンの最上縁１４に対し、極めて急峻に傾斜している。

エアバッグの中央へ向かって、次に隣接しているタブ２１は、角度βだけ傾斜しており、角度βも３０゜〜８０゜の間であるが、本実施形態においては、６３゜になっている。従って、タブ２１は、最初に述べたタブ２０ほどには、急峻に傾斜していない。タブ２０及びタブ２１はいずれも、エアバッグの中心上方の地点へ向けて傾斜している。

次に隣接しているタブ２２は、エアバッグの中心部分に対して反対側に位置していて、上縁１４に対して角度βだけ傾斜しており、この角度は本実施形態では６３゜であるが、タブ２１とは反対の方向に傾斜することによって、再び上述したエアバッグの中心上方の地点へ向けて傾斜している。

最後に、タブ２３は、再び４５゜である角度αだけ傾斜していて、再びエアバッグの中心上方の中心地点へ向けて傾斜している。図示の構成においては、エアバッグの中心領域を垂直に通る対称線を中心として、タブの角度について実質的に対称的な構成になっている。しかしながら、別の実施形態（図示せず）においては、タブの角度を非対称的に構成することも可能である。

上述したタイプの従来のエアバッグにあっては、たて糸とよこ糸とは、符号２８にて模式的に示すように、エアバッグの上縁１４に対して整列され、垂直になっている。従って、タブ２０，２１，２２，２３は、エアバッグの織物から形成されているので、各タブは、たて糸とよこ糸とによって形成される直交軸線に対して、角度α又は角度βだけ傾斜していることになる。

たて糸又はよこ糸の方向に対して傾斜しているタブは、織物のたて糸又はよこ糸の軸線に整列されているタブに比べて、与えられた荷重に対し、より大きく延伸可能であることが見い出された。従って、上述したようなタブを備えたエアバッグは、実質的に加わる力に耐えることができ、そうした力の荷重をタブが吸収して、タブが破損することがないと考えられる。
タブは、従来のホップサックの織り方を用いて織っても良い。

本明細書、“備える”とは“含む、又は、構成される”の意味であり、“備えている”とは“含んでいる、又は、構成されている”の意味である。

図１は、従来技術によるエアバッグを示した模式図である。 図２は、本発明によるエアバッグを示した模式図である。

Claims (5)

1. エアバッグであって、このエアバッグが、少なくともひとつの膨張可能領域を備え、エアバッグは、複数の取付タブを備えてなる直線状の上縁を有し、それぞれの取付タブは軸線を形成し、それぞれの取付タブの軸線が、エアバッグの中心上方の領域へ向けて内向きに、且つ上記直線状の上縁に対して鋭角に傾斜していることを特徴とするエアバッグ。
2. エアバッグは、膨張可能なカーテンの形態であることを特徴とする請求項１に記載のエアバッグ。
3. それぞれのタブは、上記直線状の上縁に対して３０゜〜８０゜の角度にて傾斜していることを特徴とする請求項１又は２に記載のエアバッグ。
4. エアバッグの両端部の近くに配置されるタブは、エアバッグの中心の近くに配置されるタブに比べて、より鋭角に傾斜していることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載のエアバッグ。
5. それぞれのタブは織物から形成されていて、織物は直交するたて糸とよこ糸とを有し、それぞれのタブにおける軸線は、たて糸とよこ糸とによって形成される直行軸線に対して鋭角をなしていることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載のエアバッグ。

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