JP4475184B2 - ジョイントコネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、ジョイントコネクタに関する。
ジョイントコネクタとして、特許文献1に記載されているものがある。これは、ハウジング内に複数の端子金具を取り付けるとともに、複数の接触部を有するジョイントターミナルをホルダに取り付け、ホルダをハウジングに組み付けて、各接触部を対応する端子金具に接触させると、複数の端子金具がジョイントターミナルを介して短絡されるようになっているものである。
特開2004−179032公報
この種のジョイントコネクタにおいて部品点数を削減する手段としては、ジョイントターミナルをハウジングに取り付けておくことで、ホルダを不要にすることが考えられる。ところが、このような構造では、ハウジングに端子金具を挿入するときに、ジョイントターミナルと端子金具との間に嵌合抵抗が生じ、この嵌合抵抗が挿入に抗する反力となる。そのため、端子金具に接続した電線を摘んでハウジングに挿入しようとした場合には、上記嵌合抵抗のために電線が座屈し、端子金具に挿入が不能になることが懸念される。
このような問題を解決するために、例えば、端子金具の挿入時には、ジョイントターミナルを端子金具との嵌合しないか、あるいは嵌合量の小さい退避位置に退避させておき、端子金具を挿入した後にこのジョイントターミナルを正規位置まで押し込むようにすることが考えられる。
しかし、このとき、ジョイントコネクタが正規位置に正しく挿入されないまま留め置かれると、端子金具との接続が不安定となり、端子金具同士の短絡が確保されない可能性がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ジョイントターミナルの正規位置への差し込みを確実に検知可能なジョイントコネクタを提供することにある。
請求項1の発明は、ハウジングと、前記ハウジングに設けられて端子金具を挿入可能なキャビティと、互いに導通可能な複数のターミナル片を備えるとともに前記ハウジングに装着されて前記端子金具とこれに対応する前記ターミナル片とを接続させたときに前記端子金具同士を短絡させるようにしたジョイントターミナルと、を備えるジョイントコネクタであって、前記ジョイントターミナルには検知片が設けられるとともに、前記ハウジングには、前記ジョイントターミナルが正規位置に至ったときに前記検知片を外部から視認し得るように開口された検知用窓孔が形成され、前記ハウジングには、前記端子金具の前記キャビティへの挿入を許容する仮係止位置と前記キャビティ内に挿入された前記端子金具に係止してその端子金具を抜止めする本係止位置との間で変位可能とされたリテーナが設けられるとともに、前記リテーナには、このリテーナが仮係止位置にあるときには前記検知用窓孔から退避してこの検知用窓孔を開放し、前記リテーナが本係止位置にあるときには前記検知用窓孔を塞ぐ閉鎖部が設けられていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1記載のジョイントコネクタであって、前記検知片は、前記ジョイントターミナルの前記ハウジングへの差し込み方向に延出するとともに、この検知片の先端部が前記ターミナル片の先端部よりも前記差込方向に突出されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ジョイントターミナルには検知片が設けられるとともに、ハウジングには、ジョイントターミナルが正規位置に至ったときに検知片を外部から視認し得るように開口された検知用窓孔が形成されている。このような構成によれば、検知用窓孔から目視される検知片を確認することで、ジョイントターミナルが正規位置に挿入されていることを確実かつ容易に検知することができる。
また、請求項の発明によれば、ハウジングに取り付けられるリテーナには、このリテーナが仮係止位置にあるときには検知用窓孔から退避してこの検知用窓孔を開放し、リテーナが本係止位置にあるときには検知用窓孔を塞ぐ閉鎖部が設けられている。このような構成によれば、ジョイントコネクタは検知用窓孔が閉鎖された状態で使用に供されるから、使用中に検知用窓孔から塵や異物が侵入することがない。
請求項の発明によれば、検知片の先端部がターミナル片の先端部よりも差込方向に突出されている。このような構成によれば、ジョイントターミナルのハウジングへの取り付けに際して、まず検知片の先端部がハウジングに進入し、ジョイントターミナルの挿入を案内するガイド機能を果たす。このように検知片がガイドの役割を兼ねる構成とすることにより、ジョイントターミナルの構成を複雑化させることなく挿入作業を円滑に行わせることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について、図1〜図15を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態のジョイントコネクタ1は、複数の端子金具10とジョイントターミナル20とを収容可能なハウジング30を備えている。
まず、ハウジング30に収容される端子金具10およびジョイントターミナル20について説明する。
ハウジング30に収容される端子金具10は、雌側端子金具であって、導電性金属板材を所定形状に打ち抜いてから曲げ加工を施して形成されたものである(図10参照)。この端子金具10の前端側には後述のジョイントターミナル20のターミナル片22を内部に収容可能な筒状の角筒部11が、後端側には電線Wの端末をかしめつけて保持可能なバレル部12が設けられて、両者が連結部13を介して連結されている。角筒部11の内部には、ターミナル片22と接続される弾性接触片14が設けられている。この弾性接触片14は、角筒部11の前端上縁が前方へ突出してから内向き、かつ山形状に折り返されることにより形成されたものである。弾性接触片14における山の頂上部(接触部14A)は、角筒部11の下壁部15に対してターミナル片22の板厚よりも小さい距離まで接近して対峙しており、この弾性接触片14と下壁部15の隙間にターミナル片22を挿入可能とされている。
角筒部11の下壁部15は、部分的に2枚重ねになっており、そのうち下側の壁板15Aの前後方向におけるほぼ中央部分を切除するとともに、上側の壁板15Bにおいてこの切除部分に対応する領域を上側に凹ませることによって、ランス進入凹部16が形成されている。このランス進入凹部16には、後述のランス32が進入可能とされている。そして、このランス進入凹部16の前側部分には、下側の壁板15Aの幅方向中央部を打ち出し加工することにより、ランス係止用突起17が下方へ突出するように形成されている。
また、連結部13の側壁の下側半分は除肉されており、後述のリテーナ50に設けられた係止用突起53がこの連結部13の下側に進入して角筒部11の後端縁に係合することができるようにされている。
ジョイントターミナル20は、平板状の金属板材を所定形状に打ち抜いたものであって、左右方向に長い略長方形をなす本体部21を備えている(図7参照)。この本体部21の後縁からは、左右方向中央位置およびその両側に、後方へ片持ち状に延出する3片の細長いターミナル片22が均等な間隔で並列されている。さらに、この本体部21の後縁において左右両端位置からは、同じく後方へ片持ち状に延出するとともにターミナル片22よりも幅広かつ長尺に形成された一対の検知片23が設けられている。
また、本体部21の前縁部には、左右方向中央位置に、前方に向かって上り勾配となるように切り起こされた形態の係止片24が形成されている。また、本体部21の左右両側縁部には、前縁両端の角部をそれぞれ切り欠くことによって、左右一対の仮係止凹部25が形成されている。
次に、ハウジング30について説明する。
ハウジング30は、合成樹脂によりブロック状に形成されており、このハウジング30内において前端よりやや後方位置から後端位置にかけての領域には、前後方向に細長いキャビティ31が上下2段、幅方向に3室ずつ整列して形成されている(図1〜図4参照)。各キャビティ31の後端はハウジング30の後端面に端子挿入口31Aとして開口されている。
キャビティ31の底面には、ランス32が形成されている。このランス32は、キャビティ31内に突出するように斜め前方に片持ち状に延出した形態とされ、上下方向に弾性撓みすることが可能となっている。ランス32の下方には、このランス32の下方への弾性撓みを許容するための撓み空間33が設けられている。キャビティ31内に端子金具10が挿入される際には、このランス32の先端が端子金具10の下面に設けられたランス進入凹部16内に進入し、このランス進入凹部16の前端縁に係合することで端子金具10を抜け止め状態に一次係止する。
撓み空間33の前方には、ハウジング30の前面に開口するとともにこの撓み空間33に連通する解除孔34が設けられている。端子金具10をハウジング30から取り外す際には、この解除孔34から解除用治具(図示せず)を挿入してランス32を撓み変形させ、端子金具10に対する係止を解除することができる。
ハウジング30においてキャビティ31の形成位置よりも前方には、ジョイントターミナル20を収容可能なターミナル装着孔35が形成されている。このターミナル装着孔35は、ハウジング30の前端面に開口した横長スリット状をなし、各段のキャビティ31の上端よりやや下がった位置に、ハウジング30の両端部を残してほぼ全幅にわたって形成されている。このターミナル装着孔35の上下方向の開口幅は、ジョイントターミナル20の厚みとほぼ等しくされ、左右方向の開口長さは本体部21の横幅とほぼ等しくされている。
このターミナル装着孔35の後端位置にあって後方のキャビティ31との間を区画する隔壁36には、各キャビティ31に対応する位置に、前後方向に貫通してターミナル装着孔35とキャビティ31とを連通する3つの挿入孔37が並列して形成されており、ここには、ジョイントターミナル20のターミナル片22が進入可能となっている。挿入孔37の両側方、すなわち、左側に位置するキャビティ31の左側、および右側に位置するキャビティ31の右側の壁部内には、前後方向に延びるガイド孔38が形成されており、ここにはジョイントターミナル20の検知片23が進入可能となっている。このガイド孔38の後端は後述するリテーナ取付孔39の前壁面39Aに開口している。
ターミナル装着孔35の上面における前端部(ハウジング30の前面への開口縁部)には、前方に向かって上り勾配となった仮係止傾斜面35Aが形成されている。また、ターミナル装着孔35の上面においてこの仮係止傾斜面35Aよりも後方の位置には、係合凹部35Bが設けられている。さらに、ターミナル装着孔35の左右両内側面において前端部よりもやや後方位置には、内側へ向かって突出する仮係止突起35Cが形成されている。
ジョイントターミナル20は、本体部21がターミナル装着孔35内における前端側(開口端側)に位置する仮係止位置と、後端側(隔壁36側)に位置する本係止位置との間で変位可能とされている(図8を併せて参照)。ジョイントターミナル20が仮係止位置にあるときには、仮係止傾斜面35Aに係止片24が突き当たることでジョイントターミナル20の本係止位置への移動が規制され、仮係止突起35Cに仮係止凹部25が突き当たることで前方への抜けが規制されている。また、ジョイントターミナル20が本係止位置にあるときには、本体部21の後端縁が隔壁36の前端面に当接することで後方への移動が規制されるとともに、係止片24の前端面が係合凹部35Bに係止することで仮係止位置への戻りが規制される。
ハウジング30においてランス32の形成位置よりやや後方には、下方及び左右両側方の計三方へ開口するリテーナ取付孔39が各キャビティ31を横切って設けられている。このリテーナ取付孔39は、ハウジング30の底面から上段のキャビティ31における側壁(左右のキャビティ31同士を仕切る壁)の略下半分までを切り欠くような深さに形成され、全てのキャビティ31を外部に開放するようになっている。なお、ハウジング30の側面においては、両側壁は下段のキャビティ31の上端位置と整合する位置までが切り欠かれることなく残され、下段のキャビティ31の側方のみが開放されている。
ハウジング30の側面においてリテーナ取付孔39の側面開口部の上方及び後方にかけての領域、およびハウジング30の底面においてリテーナ取付孔39の底面開口部の後方の領域は、その他の領域よりも一段凹んだ第1段差部40とされている。側面の第1段差部40には、リテーナ50を係止するための本係止突部41および仮係止突部42が設けられている。本係止突部41は、第1段差部40の上端よりもやや下方位置に、リテーナ取付孔39の前端に対応する位置からハウジング30の後端位置付近にかけて延びるリブ状に形成されている。一方、仮係止突部42は、本係止突部41の下方であってリテーナ取付孔39の後方に配されている。これら本係止突部41および仮係止突部42は、それぞれ上端面が水平な係止面41A、42Aとされ、下端面が外側へ向かって上るテーパ面41B、42Bとされている。
また、リテーナ取付孔39の側面開口部の前端からそれよりもやや前方位置にかけての領域には、第1段差部40よりもやや浅く凹んだ第2段差部43が設けられている。この第2段差部43の上端位置には、ガイド孔38に連通する検知用窓孔44が開口している。この検知用窓孔44は、ガイド孔38の後端部の側方に位置しており、このガイド孔38内に進入してくるジョイントターミナル20の検知片23の先端部を側方から視認可能となっている。
リテーナ取付孔39には、下方からリテーナ50を差し込んで装着できるようになっている。リテーナ50は、合成樹脂により略ブロック状に形成されてリテーナ取付孔39に嵌合可能なリテーナ本体部51を備えている(図5、図6参照)。このリテーナ本体部51には、ハウジング30における下段のキャビティ31と整合する位置に、前後方向に貫通する連通孔52が幅方向に並列して設けられている。リテーナ50がリテーナ取付孔39に装着された状態では、この連通孔52が下段のキャビティ31と連通するとともに、連通孔52の上壁部が上段のキャビティ31の下壁部をなす。各連通孔52の下壁部および上壁部における前端位置には、係止用突起53が上方へ向かって突設されている。この係止用突起53は、リテーナ50が仮係止位置にあるときはキャビティ31から退避して配されることで端子金具10の挿抜を許容するが、リテーナ50が本係止位置にあるときにはキャビティ31内に進出して端子金具10に係合する。
このリテーナ本体部51の両側縁には、片持ち状の撓み壁54が上方に向かって立ち上げられている。また、このリテーナ本体部51の後面側には、その側面および底面に沿って後方に延出された側板部55および底板部56が設けられている。撓み壁54、側板部55および底板部56は、第1段差部40の深さとほぼ同じ厚みをもって形成され、リテーナ50をハウジング30に取り付けた状態で第1段差部40に嵌まるようになっている。
撓み壁54および側板部55において、上縁部よりやや下方には逃がし凹部57が凹み形成されており、リテーナ50がハウジング30に装着された際にハウジング30の本係止突部41および仮係止突部42を逃がすことができるようになっている。また、撓み壁54および側板部55の上縁部において凹み形成されずに残された部分は被保持突部58とされている。そして、この被保持突部58がハウジング30の仮係止突部42および本係止突部41に係止されることで、リテーナ50が仮係止位置または本係止位置に保持されるようになっている。この被保持突部58の上面は内側に向かって下るテーパ面58Aとされている。
また、このリテーナ本体部51の前面側には、その側面に沿って前方に延出された蓋板部59(本発明の閉鎖部に該当する)が設けられている。この蓋板部59は、第2段差部43の深さとほぼ同じ厚みをもって形成され、リテーナ50をハウジング30に取り付けた状態で第2段差部43に嵌まるようになっている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
ハウジング30に端子金具10を取り付ける際には、まず、前方からハウジング30にジョイントターミナル20を取り付けて仮係止位置に保持しておく(図8A、図9、図10参照)。取付けに際しては、ジョイントターミナル20を前方からターミナル装着孔35内に浅く差し込み、仮係止傾斜面35Aに係止片24が突き当たる仮係止位置まで押し込む。このとき、本体部21の両端に設けられてターミナル片22よりも長尺に形成されている検知片23の先端部が、まずターミナル装着孔35に進入し、それぞれ外側の側面をターミナル装着孔35の内壁に摺接させながら進む。これによりジョイントターミナル20のがたつきが抑えられ、移動動作が円滑に案内されるようになっている。
ジョイントターミナル20が仮係止位置にある状態では、各ターミナル片22の後端部が挿入孔37内を貫通してキャビティ31内に僅かに突出している。また、検知片23の先端部は検知用窓孔44よりも前方に退避しており、検知用窓孔44からは視認出来ない状態となっている。
次に、リテーナ50をハウジング30に設けられたリテーナ取付孔39に下方から差し込む(図11参照)。すると、リテーナ50の被保持突部58が弾性変形しつつハウジング30の仮係止突部42を乗り越えてその上面(係止面42A)に係止するとともに、被保持突部58の上面(テーパ面58A)が本係止突部41の下面(テーパ面41B)に当接する(図13を併せて参照)。これにより、リテーナ50は、仮係止位置に保持される。このとき、リテーナ50の係止用突起53は、その上面がキャビティ31の底面と面一となる位置まで退避しており、キャビティ31内への端子金具10の挿抜が可能となっている。また、リテーナ50が仮係止位置、すなわち本係止位置よりも下方に退避した位置にあるから、蓋板部59の上端と第2段差部43の上端との間には隙間が開いており、検知用窓孔44が蓋板部59で覆われることなく開放された状態となっている。
この状態で、端子金具10を後方からキャビティ31に挿入する。このとき、端子金具10における角筒部11の下壁部15がランス32に摺接してこのランス32を下方へ弾性撓みさせながらキャビティ31内を進む。ここで、ジョイントターミナル20は仮係止位置に退避させてあるから、ターミナル片22の先端が弾性接触片14に対して殆ど弾性撓みを生じさせない程度に軽く接触するのみである。このようにジョイントターミナル20と端子金具10との接触に起因する挿入抵抗がほとんど発生しないようにされているから、端子金具10の挿入操作が円滑に行われる。
端子金具10を正規位置まで挿入した状態では、ランス32が自由状態に復帰してその先端部が角筒部11のランス進入凹部16に進入し、ランス係止用突起17に引っ掛けられる。これにより、端子金具10が抜け止め状態に一次係止される。
全ての端子金具10を挿入したら、ターミナル装着孔35に治具(図示せず)等を差し込んでジョイントターミナル20を本係止位置まで押し込む(図8B、図12参照)。すると、ターミナル片22は仮係止位置の状態よりも大きくキャビティ31内に進出し、弾性接触片14の弾性復元力によって接触部14Aがターミナル片22に弾接されることで弾性接触片14とターミナル片22とが導通可能に接続する。これにより、各列の端子金具10はジョイントターミナル20を介して短絡された状態となる。このとき、検知片23の先端がガイド孔38の後端位置に達し、検知用窓孔44から視認されることをもって、ジョイントターミナル20が正規の本係止位置に至っていることを確認することができる(図13参照)。
ジョイントターミナル20の本係止位置への移動が終了したら、リテーナ50を本係止位置に押し込む(図14、図15参照)。すると、リテーナ50の被保持突部58が弾性変形しつつハウジング30の本係止突部41を乗り越えてその上面(係止面41A)に係止される。これにより、リテーナ50が本係止位置に保持される。このとき、リテーナ50の係止用突起53がキャビティ31内に進入して、端子金具10における角筒部11の後端縁に係合することで、端子金具10が抜け止め状態に二重係止される。また、リテーナ50の上端が第2段差部43の上端に達し、蓋板部59によって検知用窓孔44が覆われることで検知用窓孔44が閉鎖される。このように、ジョイントコネクタ1は検知用窓孔44が閉鎖された状態で使用に供されるから、使用中に検知用窓孔44から塵や異物が侵入することがない。
以上のように本実施形態によれば、ジョイントターミナル20には検知片23が設けられるとともに、ハウジング30には、ジョイントターミナル20が正規位置に至ったときに検知片23を外部から視認し得るように開口された検知用窓孔44が形成されている。このような構成によれば、検知用窓孔44から目視される検知片23を確認することで、ジョイントターミナル20が正規の本係止位置に挿入されていることを確実かつ容易に検知することができる。
また、ハウジング30に取り付けられるリテーナ50には、このリテーナ50が仮係止位置にあるときには検知用窓孔44から退避してこの検知用窓孔44を開放し、リテーナ50が本係止位置にあるときには検知用窓孔44を塞ぐ蓋板部59が設けられている。このような構成によれば、ジョイントコネクタ1は検知用窓孔44が閉鎖された状態で使用に供されるから、使用中に検知用窓孔44から塵や異物が侵入することがない。
さらに、検知片23はターミナル片22よりも長尺に形成され、この検知片23の先端部がターミナル片22の先端部よりも差込方向に突出されている。このような構成によれば、ジョイントターミナル20のハウジング30への取り付けに際して、まず検知片23の先端部がハウジング30に進入し、ジョイントターミナル20の挿入を案内するガイド機能を果たす。このように検知片23がガイドの役割を兼ねる構成とすることにより、ジョイントターミナル20の構造を複雑化させることなく挿入作業を円滑に行わせることができる。
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)本実施形態では、ジョイントターミナル20は、本体部21が隔壁36に突き当たることにより正規位置よりも後方に移動しないようになっているが、ジョイントターミナルおよびターミナル装着孔の構成によってはジョイントターミナルが正規位置を越えて差し込まれてしまうことがある。このような場合でも、検知片23を挿入するガイド孔38の挿入方向前端部をリテーナ取付孔39に連通させ、何らかの事情でジョイントターミナルが正規位置を越えて差し込まれたときに検知片23の先端がリテーナ取付孔39内に飛び出すようにしておけばよい。このようにすれば、リテーナ50が飛び出した検知片23に突き当たって差込できないことをもって、ジョイントターミナルの装着異常を検知できる。
(2)上記実施形態では、キャビティ31が上下2段、左右に3個並列されていたが、キャビティの配列は上記実施形態の限りではなく、コネクタの使用形態等に応じて配設されていれば良い。
(3)上記実施形態では、検知片23はジョイントターミナル20における本体部21の幅方向両端にもうけられていたが、検知片の形成位置および数は上記実施形態の限りではなく、例えば本体部の一方の端部のみに設けられていても良い。また、検知片の長さは必ずしもターミナル片より長くされていなくても良く、ターミナル片と同等あるいはそれよりも短くされていても良い。
本実施形態のジョイントコネクタにおけるハウジングの側面図 ハウジングの正面図 ハウジングの側断面図 ハウジングの底面図 リテーナの側断面図 リテーナの上面図 (A)ジョイントターミナルの上面図 (B)ジョイントターミナルの側面図 (A)ハウジングにジョイントターミナルを仮係止した様子を示す部分拡大側断面図 (B)ハウジングにジョイントターミナルを本係止した様子を示す部分拡大側断面図 ハウジングにジョイントターミナルを仮係止した様子を示す部分拡大断面図 ハウジングにジョイントターミナルを仮係止した様子を示す側断面図 ハウジングにリテーナを仮係止して端子金具を取り付ける様子を示す側断面図 ハウジングにジョイントターミナルを本係止した様子を示す部分拡大断面図 ジョイントターミナルが正規位置に至っていることを検知用窓孔から視認する様子を示す側面図 リテーナを本係止した様子を示す側面図 リテーナを本係止した様子を示す側断面図
符号の説明
30…ハウジング
10…端子金具
31…キャビティ
22…ターミナル片
20…ジョイントターミナル
1…ジョイントコネクタ
23…検知片
44…検知用窓孔
50…リテーナ
59…蓋板部(閉鎖部)

Claims (2)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに設けられて端子金具を挿入可能なキャビティと、
    互いに導通可能な複数のターミナル片を備えるとともに前記ハウジングに装着されて前記端子金具とこれに対応する前記ターミナル片とを接続させたときに前記端子金具同士を短絡させるようにしたジョイントターミナルと、を備えるジョイントコネクタであって、
    前記ジョイントターミナルには検知片が設けられるとともに、前記ハウジングには、前記ジョイントターミナルが正規位置に至ったときに前記検知片を外部から視認し得るように開口された検知用窓孔が形成され、
    前記ハウジングには、前記端子金具の前記キャビティへの挿入を許容する仮係止位置と前記キャビティ内に挿入された前記端子金具に係止してその端子金具を抜止めする本係止位置との間で変位可能とされたリテーナが設けられるとともに、
    前記リテーナには、このリテーナが仮係止位置にあるときには前記検知用窓孔から退避してこの検知用窓孔を開放し、前記リテーナが本係止位置にあるときには前記検知用窓孔を塞ぐ閉鎖部が設けられていることを特徴とするジョイントコネクタ。
  2. 前記検知片は、前記ジョイントターミナルの前記ハウジングへの差し込み方向に延出するとともに、この検知片の先端部が前記ターミナル片の先端部よりも前記差込方向に突出されていることを特徴とする請求項1に記載のジョイントコネクタ。
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