JP4474573B2 - フライヤー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作パネルの操作によって各種制御を行うフライヤーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
フライヤー等の調理器には、各種の運転制御プログラムを記憶させたコントローラと、その運転制御の実行指示を行うための操作パネルが設けられている。この操作パネルには、メニュー名や時間等を表示させる表示部と、運転スイッチや調理開始スイッチ等の各種スイッチが備えられ、調理器の通常の動作モード（以下「通常モード」という）では、運転スイッチをＯＮ操作すると、コントローラは加熱手段を動作させ、所定のメニューを表示部に表示させて調理開始スイッチをＯＮ操作すると、コントローラは当該メニュー毎に設定されている設定時間に従って調理タイマーを動作させるといった運転制御を実行する。一方、操作パネルでは、各メニュー毎のパラメータの設定や変更、メニュー以外の各種設定や変更等が、特殊な動作モード（以下「特殊モード」という）として複数用意されているが、これらの設定変更等が簡単にできないように、操作パネル上の複数のスイッチの組み合わせ操作を行うことで、特殊モードのうちの任意の動作モードへの移行を可能としている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このように特殊モードへの移行が、動作モード毎に決定された別個のスイッチの組み合わせとなると、動作モード数が多い場合、スイッチの組み合わせの種類が多くなり、操作が面倒となると共に、操作ミスの可能性も増加して使い勝手が悪い。
【０００４】
そこで、請求項１に記載の発明は、このような動作モードの選択を簡単且つ確実に行うことができるフライヤーを提供することを目的としたものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、記憶部は、動作モード名を、第１特殊モード、第２特殊モード、及び第３特殊モードの３つの異なるグループに分類して記憶しており、コントローラは、それらの特殊モードを表示部に表示するにあたり、一の特殊モード毎に異なる一の選択スイッチに対応させた位置に表示させるとともに、動作モード名の一つであり、調理メニューにおける調理時間を調整するためのクッキングタイム調整モードが、第１〜第３特殊モードの何れかに含まれており、当該クッキングタイム調整モードは、運転スイッチがＯＮ状態にある場合にのみ選択可能となっている一方、動作モード名の一つであり、油槽を煮沸させるボイルアウトモードが、第１〜第３特殊モードの何れかで、且つ、クッキングタイム調整モードが含まれている特殊モードとは異なる特殊モードに含まれており、当該ボイルアウトモードは、運転スイッチがＯＦＦ状態にある場合にのみ選択可能となっていることを特徴とするものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１は、調理器の一例としての業務用フライヤー（以下「フライヤー」という）１の全体説明図で、フライヤー１は、ケーシング２内に、食材を揚げるための調理用油（以下「油」という）が満たされる左右一対の油槽３，３と、各油槽３内に設けられて油を加熱するパルス燃焼器４と、主にパルス燃焼器４の燃焼を制御するコントローラ５と、油槽３，３の油を濾過するために油を一時的に貯留する油タンク６とを備える。
パルス燃焼器４は、油槽３内に形成された燃焼室７と、油槽３の外部で燃焼室７に繋がる混合室８を有し、混合室８には、上流側から元電磁弁９と主電磁弁１０、ガスガバナ１１を備えて燃料ガスが供給されるガス管１２が導かれる。又、混合室８には、ファンを備えた給気管１３により燃焼用空気を供給可能となっている。
更に燃焼室７には、油槽３内でテールパイプ１４が接続され、テールパイプ１４は、油槽３の外部でデカプラ２４を介して外部に開口する排気管１５に接続されている。
【０００７】
コントローラ５は、ケーシング２の前面に操作パネル１６を備える。図２は操作パネル１６を正面から示すもので、操作パネル１６には、左右の油槽３毎に対応して、運転スイッチ１７，１７と、各メニュー名や時間等の表示を行う表示部１８，１８と、各表示部１８の下部に一対ずつ配置される調理開始スイッチ▲１▼〜▲４▼（以下単に「スイッチ▲１▼」等と表記する。）と、表示部１８の表示を切り替える左右の送りスイッチ１９，１９とが夫々設けられ、表示部１８，１８の間には、両油槽３，３共通の温度計スイッチ２０が設けられている。２１，２１は燃焼ランプ、２２，２２はサーモランプである。又、コントローラ５には、フライヤー１の運転を制御するＣＰＵ（中央処理装置）の他、制御プログラムを格納したＲＯＭ、各種制御データを格納するＲＡＭ及びデータ授受用のインターフェースが内蔵されている。このＣＰＵは、ＲＯＭから読み出したプログラムに従って、装置各部に制御指令を送出すると共に、装置各部から出力されるデータに応じた処理を行う。ＣＰＵの入力側には、油槽３に設けられた温度センサ２３、操作パネル１６に設けられた各種スイッチ等が接続されており、出力側には、各電磁弁、ファンモータ、各種ランプ等が接続されている。
【０００８】
よって、通常モードでは、操作パネル１６において各スイッチの操作を行うことで、メニュー選択や調理、油温表示の通常の運転制御が可能となる。例えば、左側の運転スイッチ１７を押すと、パルス燃焼器４が動作して、温度センサ２３からの信号に基づき、主電磁弁１０を開閉して燃焼と燃焼停止とを切り換えるＯＮ／ＯＦＦ制御を行い、油槽３内の油温を所定範囲に維持する。ここで、表示部１８にはメニュー表示（例えば「ポテト」等）が点灯するため、送りスイッチ１９を押して目的のメニューを表示させ、食材を油槽３に投入してスイッチ▲１▼を押せば、選択したメニューで予め設定された調理時間のカウントが開始される。そして、調理時間が終了するとスイッチ▲１▼が点滅し、アラームが鳴って調理終了を報知するものとなる。
【０００９】
そして、操作パネル１６では、このような通常モードでの使用の他、通常モードで使用するタイマーや温度の設定、各種名称の変更等が可能な特殊モードでの使用が可能となっている。具体的には、各メニュー毎の調理に用いるパラメータを設定するプログラムモード、メニュー以外の言語設定、音量調整、温度カリブレーション等の各種設定を行うセットアップモード、通常モードでメンテナンスの時期が報知されたとき、どのようなメンテナンスを行うかの確認と完了のチェックを行うメンテナンス報知モード、メンテナンスの報知時期を設定するメンテナンス時期設定モード、調理時間の計測、調整を自動で行うクッキングタイム調整モード、油槽３の煮沸を行うボイルアウトモード等である。
【００１０】
これらの特殊モードへの移行は、図３のフローチャートに示す如く、まずＳ１で左右の送りスイッチ１９，１９を同時に３秒間押せば、Ｓ２で特殊モード選択画面１が表示される。これは、図４（Ａ）のように、スイッチ▲１▼▲２▼▲４▼に対応する位置で表示される「プログラムＬ」「セットアップ」「プログラムＲ」の表示で、「プログラムＬ」は、左の油槽３側でのプログラムモードを、「セットアップ」は、セットアップモードを、「プログラムＲ」は、右の油槽３側でのプログラムモードを夫々示している。よって、次のＳ３で送りスイッチ１９を押さずに、各表示の下で対応するスイッチ▲１▼▲２▼▲４▼の何れかを押すことで、各モードの選択がなされる。即ち、スイッチ▲１▼を押せば（Ｓ４）、Ｓ５で左側のプログラムモードＬでの設定変更が可能となり、スイッチ▲２▼を押せば（Ｓ６）、Ｓ７でセットアップモードでの設定変更が可能となり、スイッチ▲４▼を押せば（Ｓ８）、Ｓ９で右側のプログラムモードＲでの設定変更が可能となるのである。
【００１１】
一方、図３におけるＳ２で特殊モード選択画面１を表示させた後、Ｓ３で送りスイッチ１９を押すと、特殊モード選択画面２へ切り替わる。但しここでは、Ｓ１０の判別で特殊モードへの切り替えが運転スイッチ１７のＯＮ状態で行われたか否かによって、図４（Ｂ）の如く、メンテナンス報知モードとメンテナンス時期設定モードと、クッキングタイム調整モードとの特殊モード選択画面２−１（Ｓ１１）と、図４（Ｃ）の如く、メンテナンス報知モードとメンテナンス時期設定モードと、ボイルアウトモードとの特殊モード選択画面２−２（Ｓ１２）とに選択される。これは、クッキングタイム調整モードは、実際の運転を行いながら調理時間の調整を行うため、運転スイッチ１７のＯＮ状態であることが必要であり、ボイルアウトモードは、油槽３に水を入れて煮沸するものであるため、油槽３に油がある状態で実行されないように、運転スイッチ１７のＯＦＦ状態であることが必要だからである。
【００１２】
よって、特殊モード選択画面２−１では、スイッチ▲１▼を押せば（Ｓ１４）、Ｓ１５でメンテナンス報知モードの選択が可能となり、スイッチ▲２▼を押せば（Ｓ１６）、Ｓ１７でメンテナンス時期設定モードでの設定変更が可能となり、スイッチ▲４▼を押せば（Ｓ１８）、Ｓ１９でクッキングタイム調整モードでの設定変更が可能となる。又、特殊モード選択画面２−２では、スイッチ▲１▼を押せば（Ｓ２１）、Ｓ２２でメンテナンス報知モードの選択が可能となり、スイッチ▲２▼を押せば（Ｓ２３）、Ｓ２４でメンテナンス時期設定モードでの設定変更が可能となり、スイッチ▲３▼を押せば（Ｓ２５）、Ｓ２６でボイルアウトモードでの設定変更が可能となる。
尚、特殊モード選択画面２−１或いは２−２の表示状態において、送りスイッチ１９を押すと（Ｓ１３，Ｓ２０）、前の特殊モード選択画面１へ戻るようになっている。又、これらの特殊モードの状態では、温度計スイッチ２０が特殊モードの終了／保存スイッチとなるので、特殊モードでの設定変更が終了すると、温度計スイッチ２０を押すことで通常モードへ復帰できる。
【００１３】
このように、上記形態のフライヤー１によれば、表示部１８，１８に、送りスイッチ１９，１９の簡単な操作によって特殊モードにおける複数の動作モード名を表示可能とすると共に、その動作モード名の表示位置と夫々対応する位置にスイッチ▲１▼〜▲４▼を配置して、スイッチ▲１▼〜▲４▼をＯＮ操作することで、対応する動作モードを選択可能としたことで、目的の動作モードを簡単且つ確実に選択することができる。
又、表示部１８，１８に表示される特殊モードでの動作モード名を送りスイッチ１９の操作によって切り替え可能としているから、特殊モードの選択肢をより増やすことができる。
更に、フライヤー１の運転状態に応じて表示部１８，１８に表示される特殊モードの動作モード名を変更しているから、運転状態で実行できる動作モードとできない動作モードとの使い分けが確実に行え、誤操作のおそれをなくすことができる。
【００１４】
尚、特殊モードにおけるモードの種類や数は上記形態に限らず、適宜変更して差し支えないし、特殊モードへ移行する際のスイッチの操作も左右の送りスイッチ以外のスイッチを利用したりできる。又、表示部と対応するスイッチとの関係も上記形態に限らず、動作モードの表示とスイッチとの対応関係が明確であれば、任意に設計変更可能である。
又、上記形態では、２つの油槽ごとに運転されるフライヤーに本発明を適用した例で説明しているが、１つの油槽を備えたものであっても同様に本発明は適用可能である。
【００１５】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明によれば、表示部に、スイッチの所定の操作によって複数の動作モード名を表示可能とすると共に、その動作モード名の表示位置と夫々対応する位置にスイッチを配置して、スイッチをＯＮ操作することで、対応する動作モードを選択可能としたことで、目的の動作モードを簡単且つ確実に選択することができる。
特に、調理メニューにおける調理時間を調整するためのクッキングタイム調整モードを、第１〜第３特殊モードの何れかに含み、当該クッキングタイム調整モードは、運転スイッチがＯＮ状態にある場合にのみ選択可能とする一方、油槽を煮沸させるボイルアウトモードを、第１〜第３特殊モードの何れかで、且つ、クッキングタイム調整モードが含まれている特殊モードとは異なる特殊モードに含み、当該ボイルアウトモードは、運転スイッチがＯＦＦ状態にある場合にのみ選択可能しているため、運転状態で実行できるクッキングタイム調整モードとできないボイルアウトモードとの使い分けを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】フライヤーの全体図である。
【図２】操作パネルの説明図である。
【図３】モード選択制御のフローチャートである。
【図４】（Ａ）特殊モード選択画面１の表示状態を示す説明図である。
（Ｂ）特殊モード選択画面２−１の表示状態を示す説明図である。
（Ｃ）特殊モード選択画面２−２の表示状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１・・フライヤー、３・・油槽、４・・パルス燃焼器、５・・コントローラ、１６・・操作パネル、１７・・運転スイッチ、１８・・表示部、１９・・送りスイッチ。

Claims (1)

1. 食材を調理するための調理用油を入れるための油槽と、前記油槽内の調理用油を加熱するための加熱手段と、前記加熱手段の動作を制御するコントローラとを備えているとともに、前記コントローラに操作パネル及び記憶部を設け、当該操作パネルに、前記加熱手段の動作制御を開始させる運転スイッチと、所定の調理メニューや動作モード名を表示する表示部と、前記表示部に表示される調理メニューや動作モード名から１つの調理メニュー又は動作モード名を選択する複数の選択スイッチとを備える一方、前記記憶部に、複数の調理メニュー及び動作モード名を記憶させたフライヤーであって、
   前記記憶部は、前記動作モード名を、第１特殊モード、第２特殊モード、及び第３特殊モードの３つの異なるグループに分類して記憶しており、前記コントローラは、それらの特殊モードを前記表示部に表示するにあたり、一の前記特殊モード毎に異なる一の前記選択スイッチに対応させた位置に表示させるとともに、
   前記動作モード名の一つであり、前記調理メニューにおける調理時間を調整するためのクッキングタイム調整モードが、前記第１〜第３特殊モードの何れかに含まれており、当該クッキングタイム調整モードは、前記運転スイッチがＯＮ状態にある場合にのみ選択可能となっている一方、
   前記動作モード名の一つであり、前記油槽を煮沸させるボイルアウトモードが、前記第１〜第３特殊モードの何れかで、且つ、前記クッキングタイム調整モードが含まれている特殊モードとは異なる特殊モードに含まれており、当該ボイルアウトモードは、前記運転スイッチがＯＦＦ状態にある場合にのみ選択可能となっていることを特徴とするフライヤー。

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