JP4474105B2 - 撥水性部材、及び、インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

撥水性部材、及び、インクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等の基材表面が前記撥水性を有する膜にて被覆された撥水性部材の製造方法、更には、インクジェットヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、撥水性、耐候性や防汚性等の特性を付与するために各種の撥水剤、撥水方法が開発され、産業機器、電子機器等の各種製品に用いられている。
【0003】
このような表面特性を持たせるために、従来では、以下の三つの方法が用いられてきた。
【0004】
第一の方法は、ガラス、プラスチック、金属等の基材表面をブラストやエッチング等により粗面化しさらにプライマー等で処理した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の含フッ素樹脂粒子を含有した塗料を塗装し、乾燥後350〜400℃で焼成処理を行い、基材表面に含フッ素樹脂を塗装する方法である。
【0005】
第二の方法は、ガラス、プラスチック、金属等の基材上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂を真空蒸着法、スパッタリング法などにより、基材上に形成する方法である。
【0006】
第三の方法は、例えば、特許文献1に開示されているように、分子量8000〜10000程度のポリテトラフルオロエチレンオリゴマーをメッキ液中に分散して、オリゴマーをメッキ膜に共析させて撥水性の金属複合体を形成する方法である。
【0007】
これらは基材上に撥水性の高い物質を成膜し、撥水性等の表面特性を付与する方法であるが、撥水性は形成材質の撥水持性のみならず表面状態によっても大きく影響することが知られている。
【0008】
そこで、より高い撥水性を求めて撥水面表面に存在する微小突起によって実際の表面積を見かけの表面積より大きくして水との見かけの接触角を大きくする試みがなされている。
【0009】
例えば、特許文献2には、微粒子及びシリケートグラスが混合された凹凸を有する層とフロロカーボン基及びシロキサン基を含むポリマー膜層をシロキサン結合によって化学結合させて、表面が凹凸の撥水性の膜を形成する方法が開示されている。
【0010】
しかし、フッ素系樹脂の被膜は撥水性に優れるが、耐擦傷性が不十分であり、ハードコート被膜として利用することはできない。
【0011】
そこで、耐擦傷性を備えた撥水性被膜として、例えば特許文献3には、プラスチック基材上に金属酸化物を下地層とし、該金属酸化物上に金属酸化物およびフッ素樹脂の混合層が形成された被膜が開示されている。
【0012】
この公報によると、プラスチック基材上に下地層として金属酸化物層を真空蒸着法によって形成し、該下地層の上に、金属酸化物およびフッ素系樹脂からなるターゲットを用いて、スパッタリング法によって、金属酸化物およびフッ素系樹脂の混合層からなる被膜を形成している。
【0013】
【特許文献1】
特開平4−283268号公報
【特許文献2】
特開平4−239633号公報
【特許文献3】
特開平3−153859号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0015】
従来の第一の方法は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の含フッ素樹脂粒子を含有した塗料を合成しなければならず、さらに塗装、乾燥、焼成処理を行わなければならず、工程が複雑となっていた。
【0016】
第三の方法は分子量8000〜10000程度のポリテトラフルオロエチレンオリゴマーをメッキ液中に分散して、オリゴマーをメッキ膜に共析させて撥水性の金属複合体を形成する方法は、ポリテトラフルオロエチレンをメッキ液中に分散させなければならず、材料が限定されていた。
【0017】
また、従来の第一、第二、第三の方法では、被膜はフッ素系樹脂の単一層で覆われるため、撥水性に優れるが、耐擦傷性が不十分であった。
【0018】
そこで、耐擦傷性に優れた被膜を得るために、基材上に金属酸化物層を下地層とし、該金属酸化物上に金属酸化物およびフッ素樹脂の混合層を形成する方法があるが、下地層の上に、金属酸化物およびフッ素系樹脂からなるターゲットを用いて、スパッタリング法によって、金属酸化物およびフッ素系樹脂の混合層からなる被膜を形成する際、同じ投入電力でフッ素系樹脂と金属酸化物をスパッタリングするため、一般に金属酸化物に比較して大きな成膜速度を有するフッ素系樹脂のスパッタリングが選択的に行われるので、混合膜の組成の制御(被膜中の金属酸化物およびフッ素樹脂の含有量)が難しく、一定水準の撥水性と耐擦傷性を得ることは困難であった。
【0019】
そこで、一定水準の撥水性と耐擦傷性のある被膜を容易に成膜する方法が求められていた。
【0020】
本発明の目的は、材料の限定がなく、必要な表面のみにマスキング等の工程を経ず簡単な工程で撥水特性かつ耐久性に優れた、撥水性を有する膜で被覆された撥水性部材の製造方法を提供することにある。
【0021】
更に本発明の目的は、撥インク性能の向上したオリフィスプレートを備えるインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、前記撥水性を有する物質の粒子は、少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなることを特徴とする撥水性部材の製造方法である。
【0023】
また、本発明は、基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、前記撥水性を有する物質の粒子は、少なくともケイ素原子を含む樹脂からなることを特徴とする撥水性部材の製造方法である。
【0024】
また、本発明は、基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、前記基材へ吹き付けられる粒子は、複数種類の粒子から構成され、前記複数種類の粒子は、少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含むことを特徴とする撥水性部材の製造方法である。
【0025】
また、本発明は、基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、前記基材へ吹き付けられる粒子は、複数種類の粒子から構成され、前記複数種類の粒子は、少なくともケイ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含むことを特徴とする撥水性部材の製造方法である。
【0038】
また、前記金属は、ニッケル、チタン、金、銀、銅のいずれかであること。
【0039】
また、前記金属酸化物の金属は、アルミニウム、チタン、シリコンのいずれかであること。
【0041】
以上のことをより好ましい態様として含むものである。
【0042】
また本発明は、表面が撥インク性を有するオリフィスプレートを備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、前記オリフィスプレート形成する工程が、ガスデポジション法により、撥インク性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥インク性を有する微粒子膜を形成する
工程を有し、
前記基材へ吹き付けられる粒子は、
(a)少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなる粒子、
(b)少なくともケイ素原子を含む樹脂からなる粒子、
(c)少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含む複数種類の粒子、
(d)少なくともケイ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含む複数種類の粒子
の(a)から(d)のうちのいずれかであることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
【0043】
ここで、以上の本発明の好ましい態様に用いられるガスデポジション法について簡単に説明する。
【0044】
ガスデポジション法には、エアロゾルの形成方法の違いにより、材料を蒸発させて粒子を生成した後エアロゾルを形成する蒸発方法と、材料が粒子である場合にその粒子からエアロゾルを形成するエアロゾル法がある。
【0045】
図1にエアロゾル形成方法として蒸発法を適用した膜形成装置の模式図を示す。
【0046】
図に示すように、蒸発法では粒子生成室(真空チャンバー)4内で材料を蒸発させ、この蒸発原子を粒子生成室4内に導入させた不活性ガスと衝突、急冷させ、蒸発原子同士を結合させ、粒子化するものである。この粒子生成室4内の蒸発源で生成される材料蒸気はアーク加熱電極6等の加熱機構により加熱されることにより生成される。なお、加熱するための機構(加熱方式)としては、アーク溶解、高周波誘導加熱、抵抗加熱、電子ビーム、通電加熱、プラズマジェット、レーザービーム加熱などが適用できる。また、11は余分な粒子を排気する余分粒子排気機構である。
【0047】
こうして形成された粒子のサイズは導入したガス量や種類によって変わるが、一般に数nm〜数μmの平均粒子直径を持つが、0.5μm以下が好ましい。
【0048】
さらに、このように粒子生成室4内で生成された粒子を粒子搬送管7を介してガスと共に粒子膜形成室3に導入し、粒子膜形成室3内で粒子搬送管7の先端に取り付けられたノズル2から粒子をガスと共に高速で噴射し、膜形成対象物である基板1に膜を形成するものである。膜形成時、基板1を加熱しておくと膜の密着性が向上する。また、成膜中または成膜後に膜を加熱し溶融させることによっても、膜の密着性を向上させることができる。
【0049】
エアロゾル法では、粒子を入れた容器を加振してエアロゾル化し、このエアロゾルをヘリウムや窒素ガス等をキャリアガスとして搬送し、膜形成室に導き、搬送管の端部に接続されたノズルから高速に噴射させることにより描画し膜を形成する。
【0050】
以上の方法で撥水性膜を形成した場合、撥水材等からなる微粒子は粒径を0.5μm以下としているため、微粒子が焼結、結合し撥水性部材膜の表面を微粒子で覆うことができる。
【0051】
以上のように、ガスデポジション法を用いることにより、金属、酸化物、フッ素系樹脂などの撥水材料を粒子化またはエアロゾル化、搬送、噴射、成膜という工程により、撥水材料を直接被膜化でき、一定水準以上の撥水性と耐擦傷性のある被膜を容易に形成することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態および実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、その相対配置などは、特に特定な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本発明の実施の形態に係る超微粒子膜形成装置全体の基本的な構成は、上述の課題を解決する手段の項の中で説明した図1に示したものと同様であるので、その詳細な説明は省略し、本実施の形態あるいは実施例において特徴的な構成等のみについて詳しく説明する。
【0053】
本発明の実施の形態に係る撥水性部材にあっては、撥水性部材表面は粒径が0.5μm以下である微粒子で形成されていることを特徴とする。
【0054】
また本発明の実施の形態に係る撥水性部材の製造方法にあっては、微粒子をエアロゾル化し搬送気体と共に基板に吹き付けることにより薄膜を形成するガスデポジション法において、エアロゾル化させる材料に、少なくとも、C(炭素原子)及びF(フッ素原子)、またはSi(ケイ素原子)、を含む樹脂からなる微粒子を用いる、または微粒子に、少なくとも、C及びF、またはSi、を含む樹脂からなる微粒子、及び金属酸化物からなる微粒子を用いるものである。
【0055】
以下に、撥水性部材について述べる。
【0056】
ガスデポジション法を用いて撥水性部材を形成する際、微粒子生成室またはエアロゾル形成室で形成された微粒子の粒径が0.5μm以下であると膜形成室で基材上に撥水性膜を形成時、ノズルから噴射された粒子の基材への密着性がより良好なものとなる。
【0057】
本実施の形態においては、微粒子の粒径は0.5μm以下としており、撥水性部材表面を形成している微粒子の粒径が0.5μm以下となる。
【0058】
次に、撥水性部材の製造方法について以下に述べる。
【0059】
エアロゾル化させる材料がC及びFまたはSiを含む材料であって単一材料の場合、材料を微粒子化しエアロゾル化させる際、不活性ガスが充填された微粒子生成室において該材料を微粒子化させ、エアロゾル化させる、または予め微粒子の場合、エアロゾル形成室で微粒子を入れた容器を加振して微粒子をエアロゾル化させる。
【0060】
ここで、微粒子生成室においてC及びFまたはSiを含む材料を微粒子化させる方法として、不活性ガス雰囲気中で抵抗加熱、高周波誘導加熱、レーザー加熱等が挙げられるがいずれを用いても良い。
【0061】
また、エアロゾル形成室で微粒子をエアロゾル化させる際、微粒子を入れた容器を加振、超音波を利用する等様々な方法が挙げられるがいずれを用いても良い。
【0062】
以上の微粒子生成室またはエアロゾル形成室でエアロゾル化されたC及びFまたはSiを含むエアロゾルをガス搬送し、搬送管を通じて膜形成室に導きノズルから高速噴射させ基材上を描画し、基材表面を撥水性膜で被覆することにより撥水性部材を形成するものである。
【0063】
次に、撥水性部材の基材上に形成される撥水性膜を形成する材料が二種以上の物質で形成される場合について説明する。
【0064】
撥水性膜を形成するC及びFまたはSiを含む材料(以下、第一材料と称す)をエアロゾル化させる際、微粒子化する場合は不活性ガスが充填された微粒子生成室において該材料を微粒子化させ、エアロゾル化させる。または第一材料が予め微粒子の場合、エアロゾル形成室で充填された微粒子をエアロゾル化させる。
【0065】
撥水性膜を形成するC及びFまたはSiを含む材料、または金属酸化物(以下、第二材料と称す)をエアロゾル化させる際、微粒子化する場合は不活性ガスが充填された微粒子生成室において該材料を微粒子化させ、エアロゾル化させる、または第二材料が予め微粒子の場合、エアロゾル形成室で充填された微粒子をエアロゾル化させる。
【0066】
これら第一材料と第二材料を含むエアロゾルをガス搬送する途中で、合流させ、第一材料と第二材料の混合エアロゾルを形成し、搬送管を通じて膜形成室に導きノズルから高速噴射させ、基材上を描画し、基材表面に撥水性膜を形成するものである。
【0067】
これは第一材料、第二材料を別々の微粒子生成室またはエアロゾル形成室でエアロゾルを形成し搬送管途中で合流させ混層流を形成させるものである。
【0068】
搬送管途中で第一材料、第二材料のエアロゾルを合流させる際、それぞれの流体の流量を調整するだけで任意の混合比の撥水性膜を形成できる。
【0069】
さらに、膜厚方向に対し任意の混合比の分布を持った撥水性膜もこの流量を調整するのみで膜形成できる。
【0070】
これを利用することにより基材との密着性をより上げることも可能となる。
【0071】
撥水性膜を形成する材料が3種以上の場合も同様に別々の微粒子生成室またはエアロゾル形成室でエアロゾルを形成し、搬送管途中で合流させ混合気体を形成させればよい。
【0072】
これらは搬送管途中で別々のエアロゾルを合流させ混合気体を形成する方法である。
【0073】
他の方法として撥水性膜を形成する材料が二種以上の場合、同じ微粒子生成室で別々の材料を加熱等の手段により各々の微粒子を生成させ、微粒子生成室内で微粒子が分散した混合気体を形成、エアロゾル化する、または材料が予め微粒子である場合、エアロゾル形成室内で微粒子を混合させ、エアロゾル化し、これらのエアロゾルをガス搬送し、搬送管を通じて膜形成室に導きノズルから高速噴射させ、基材上を描画し、基材表面に撥水性膜を形成する方法も挙げられる。
【0074】
さらに他の方法として撥水性膜を形成する材料が二種以上の場合、撥水性膜を形成するC及びFまたはSiを含む材料(第一材料)をエアロゾル化させる際、微粒子化する場合は不活性ガスが充填された微粒子生成室において該材料を微粒子化させ、エアロゾル化させる、または予め微粒子の場合、エアロゾル形成室で充填された微粒子をエアロゾル状にする。
【0075】
撥水性膜を形成するC及びFまたはSiを含む材料、または金属酸化物(第二材料)をエアロゾル化させる際、微粒子化する場合は不活性ガスが充填された微粒子生成室において該材料を微粒子化させ、エアロゾル化させる、または予め微粒子の場合、エアロゾル形成室で充填された微粒子をエアロゾル化させる。
【0076】
以上の微粒子生成室またはエアロゾル形成室でエアロゾル化された二種類のエアロゾルを別々の搬送管でガス搬送し、膜形成室に導き別々のノズルから高速噴射させ膜を形成する直前に材料を混合させ、撥水性膜を形成するものである。
【0077】
また、以上述べた撥水性部材の製造方法を利用したより具体的な例として、インクジェットヘッドの製造方法について述べる。
【0078】
まず、インクジェット記録装置は、インクジェットヘッドにインク等の液体を供給し、インクジェットヘッドに設けられたピエゾ素子や電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生素子を記録情報や画像情報に対応した駆動信号に基づいて駆動することによって液滴を吐出させることにより印字記録や画像形成等を行うものであり、低騒音、高速記録等の点で優れた記録装置として知られている。
【0079】
ここで、上記インクジェットヘッドは、図8に例示するように、インク吐出手段(吐出エネルギー発生素子)が形成された素子基板102、素子基板102上に液流路106を区画形成するための液流路壁104、および液流路106に液体を供給する液室が形成され液流路106の上面を形成する天板105からなり、素子基板102と天板105を液流路壁104を介して接合して構成されるヘッド基板101と、液流路106に対応するインク吐出口111が形成されたオリフィスプレート110とを備え、オリフィスプレート110をヘッド基板101の液流路開口面が露出した面108に接着剤を介して接着して構成されている。また、オリフィスプレート110の表面は撥インク性を有しており、これにより、インク吐出時にインク吐出口110周辺にインク滴が溜まることが防止でき、吐出安定性が向上する。
【0080】
ここで述べる上述の撥水性部材の製造方法を利用したインクジェットヘッドの製造方法とは、以上述べてきた撥水性部材の製造方法と同様の方法にて上記オリフィスプレートを製造することを特徴とするものである。
【0081】
但し、上述の撥水性部材の製造方法における撥水性膜は、インクジェットヘッドの製造方法においては、撥インク性膜であることが必要であり、よって、用いられる粒子もまた、撥インク性を有する物質の粒子である。また、撥インク性を有する物質の粒子の場合、平均粒子直径は、より好ましくは1μm以下、上述の金属あるいは金属酸化物の粒子ではより好ましくは0.1μm以下である。
【0082】
以上の点以外はインクジェットヘッドの製造方法においても、上述の撥水性部材の製造方法で述べた同様の態様が全て好ましく適用される。
【0083】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0084】
(第1の実施例)
図2を参照して、第1の実施例に係る微粒子膜形成方法及び微粒子膜形成装置について説明する。図2は本発明の第1の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【0085】
本実施例では、撥水性膜を形成する材料が単一材料であって材料が微粒子化されていない場合について説明する。
【0086】
はじめに、微粒子生成室4内のルツボ12に材料5としてテトラフロロエチレン樹脂を満たし、誘導加熱電源8により20kWの高周波で加熱して、テトラフロロエチレン樹脂を溶解させルツボ12内を満たした。
【0087】
そして、さらに加熱を行い続け、テトラフロロエチレン樹脂を気化させ、粒径が3nm〜500nmのテトラフロロエチレンの超微粒子を生成させた。
【0088】
この気化したテトラフロロエチレン樹脂の蒸気をHeのキャリアガスにのせてエアロゾル状にし、差圧で微粒子膜形成室3に運びテトラフロロエチレン樹脂からなる超微粒子膜を形成した。
【0089】
微粒子搬送管7は固定されているので、基板1をスキャンすることでライン状の撥水性膜を形成した。なお、基板1の移動速度は0.1mm/sである。
【0090】
こうして形成した膜の膜厚を接触式の膜厚計で測定したところ、50μm程度であった。
【0091】
なお、成膜条件は、ノズル径:φ1mm、基板:ガラス基板、基板加熱:なし、超微粒子生成室圧力:500torr(66500Pa)、Heガス流量:10L/min、膜形成室圧力:0.1torr(13.3Pa)である。さらに、基板1上の超微粒子膜を300℃で10分間加熱することにより、超微粒子膜の密着性を向上させた。
【0092】
(第2の実施例)
図3を参照して、第2の実施例に係る微粒子膜形成方法及び微粒子膜形成装置について説明する。図3は本発明の第2の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【0093】
本実施例では、撥水性膜を形成する材料が単一材料であって材料が微粒子化されている場合について説明する。
【0094】
はじめに、エアロゾル形成室9内の容器に、材料5として粒径が0.2μmのテトラフロロエチレンからなる微粒子を満たし、この容器内にガス搬送管10によりHeガスを導入し、微粒子をエアロゾル化させた。
【0095】
このエアロゾル化させた微粒子をHeのキャリアガスにのせ、微粒子搬送管7により差圧で微粒子膜形成室3に搬送し、微粒子搬送管7先端に取り付けられているノズル2から高速噴射させることでテトラフロロエチレン樹脂からなる超微粒子膜を基板1上に形成した。
【0096】
形成した膜をAFM(原子間力顕微鏡)観察した結果を図4に示す。
【0097】
図4より膜の表面は約0.2μmの粒子が結合している様子が見られる。他は第1の実施例と同様である。
【0098】
(第3の実施例)
図5を参照して、第3の実施例に係る微粒子膜形成方法及び微粒子膜形成装置について説明する。図5は本発明の第3の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【0099】
本実施例では、撥水性膜を形成する材料が2種類であって材料が2種類とも微粒子化されており、さらに各微粒子を同一のエアロゾル形成室でエアロゾル化する場合について説明する。
【0100】
はじめに、エアロゾル形成室9内の容器にテトラフロロエチレンからなる微粒子(材料5a)及びAlからなる微粒子(材料5b)を満たし、この容器内にガス搬送管10によりHeガスを導入し、テトラフロロエチレンの微粒子及びAlの微粒子をエアロゾル化させ、混合させた。
【0101】
これらのエアロゾル化させた微粒子をHeのキャリアガスにのせ、微粒子搬送管7により差圧で微粒子膜形成室3に搬送し、微粒子搬送管7先端に取り付けられているノズル2から高速噴射させ、テトラフロロエチレンとAlからなる超微粒子膜を基板1上に形成した。他は第1の実施例と同様である。
【0102】
(第4の実施例)
図6を参照して、第4の実施例に係る微粒子膜形成方法及び微粒子膜形成装置について説明する。図6は本発明の第4の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【0103】
本実施例では、撥水性膜を形成する材料が2種類であってその内1種類の材料が微粒子化されており、別のチャンバーでエアロゾル化し、別々のノズルから基板上の同一個所に噴射する場合について説明する。
【0104】
はじめに、エアロゾル形成室9内の容器にテトラフロロエチレンからなる微粒子(材料5a)を満たし、この容器内にガス搬送管10によりHeガスを導入し、テトラフロロエチレンの微粒子をエアロゾル化させた。
【0105】
また、微粒子生成室4内のルツボ12にNi(材料5b)を満たし、誘導加熱電源8により25kWの高周波で加熱して、Niを溶解させルツボ12内を満たした。
【0106】
そして、さらに加熱を行い続け、Niを気化させた。このNiの蒸気をHeのキャリアガスにのせてエアロゾル状にした。
【0107】
これら二種類(テトラフロロエチレン、Ni)のエアロゾルを別々の微粒子搬送管7でガス搬送し微粒子膜形成室3に導き別々のノズル2から高速噴射させ、テトラフルオロエチレンとNiからなる超微粒子膜を基板上に形成した。他は第1の実施例と同様である。
【0108】
(第5の実施例)
図7を参照して、第5の実施例に係る微粒子膜形成方法及び微粒子膜形成装置について説明する。図7は本発明の第5の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【0109】
本実施例では、撥水性膜を形成する材料が2種類であって材料が微粒子化されており、別のチャンバーでエアロゾル化し、搬送管途中で合流させ、ノズルから基板に噴射する場合について説明する。
【0110】
はじめに、エアロゾル形成室9a内の容器にSi樹脂からなる微粒子(材料5a)を満たし、この容器内にガス搬送管10aによりHeガスを導入し、Si樹脂の微粒子をエアロゾル化させた。
【0111】
また、別のエアロゾル形成室9b内の容器にAlからなる微粒子(材料5b)を満たし、この容器内にガス搬送管10bによりHeガスを導入し、Alの微粒子をエアロゾル化させた。
【0112】
これら二種類のエアロゾルを別々の搬送管7a,7bでガス搬送するが、搬送管の途中で合流させ混層流を形成した。
【0113】
この混相流を微粒子膜形成室3に導きノズル2から高速噴射させ、Si樹脂とAlからなる超微粒子膜を基板1上に形成した。他は第1の実施例と同様である。
【0114】
(第6の実施例)
厚さ75μmのニッケルプレートに直径30μmのノズル孔を開け、ノズル孔ピッチを100μmとしたものをオリフィスプレートの基材として用いた。
【0115】
オリフィスプレートの基材としては、金属材料以外に、ガラスや樹脂を用いても良い。
【0116】
このニッケルプレートをアセトンに浸漬して、5分間超音波洗浄を行った。
【0117】
洗浄・乾燥後のニッケルプレート基板21を図9に示すガスデポジション装置の膜形成室23の描画ステージ上に設置した。
【0118】
撥インク材料の微粒子として、ダイキン工業社製PTFE(商品名:ルブロンL5−F)を用い、走査型電子顕微鏡(SEM)により粒径を観察したところ、約0.2μmであった。これを容器(エアロゾル形成室28)に入れ加振してエアロゾル化した。
【0119】
表1に示す条件において、超微粒子を搬送し、搬送管27先端に取り付けられた直径1mmのノズル22からPTFE微粒子を噴射してニッケルプレート21上に成膜した。
【0120】
【表1】
Figure 0004474105
【0121】
成膜後、基板を350℃で1時間、雰囲気炉により熱処理を行った。
【0122】
このようにして作製したオリフィスプレートの外表面の水に対する接触角を測定したところ、119°であった。耐久性を評価するためにこすり試験を行った。こすり試験はオリフィスプレート上にプリンター用インク又は水を滴下し、旭化成社製、ベンコットを用い、こすり回数を3000回とした。試験後、接触角を測定したところ、110°であった。なお、符号29は、容器(エアロゾル形成室28)内にHeガスを導入するガス搬送管である。
【0123】
(第7の実施例)
実施例6と同様にニッケルのオリフィスプレート基材を用いた。
【0124】
このニッケルプレートをアセトンに浸漬して、5分間超音波洗浄を行った。
【0125】
洗浄・乾燥後のニッケルプレートを図9に示すガスデポジション装置の描画ステージ上に設置した。超微粒子の発生室としては、金属用のものと撥インク材料用の2室を設けた。金属微粒子の発生室24としては、ニッケル材料25をアーク加熱手段26を用いアーク放電により加熱し、ニッケルの超微粒子を作製した。この時作製されたニッケルの超微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、粒径が約50nmであった。また、このニッケルの微粒子をヘリウムガスでエアロゾル化した。ニッケルの超微粒子作製においては、高周波誘導加熱、抵抗加熱を用いてもよい。金属微粒子としては、他にチタン、金、銀、銅を用いても良い。
【0126】
撥インク材料としては、ダイキン工業社製PTFE(商品名:ルブロンL5−F)を用い、これを容器(エアロゾル形成室28)に入れ、加振してエアロゾル化した。
【0127】
表2に示す条件において、超微粒子を搬送し、搬送管27先端に取り付けられた直径1mmのノズル22からニッケル超微粒子とPTFE微粒子の混合したものをニッケルプレート21上に成膜した。
【0128】
【表2】
Figure 0004474105
【0129】
成膜後、基板を330℃で1時間、雰囲気炉により熱処理を行った。
【0130】
このようにして作製したオリフィスプレートの外表面の水に対する接触角を測定したところ、115°であった。耐久性を評価するために実施例6と同様のこすり試験を行った。試験後、接触角を測定したところ、108°であった。
【0131】
なお、符号30は余分な粒子を排気する余分粒子排気機構である。
【0132】
(第8の実施例)
第6の実施例と同様にニッケルのオリフィスプレート基材を用いた。
【0133】
このニッケルプレートをアセトンに浸漬して、5分間超音波洗浄を行った。
【0134】
洗浄・乾燥後のニッケルプレートを図9に示すガスデポジション装置の描画ステージ上に設置した。超微粒子の発生室としては、金属酸化物用のものと撥インク材料用の2室を設けた。
【0135】
金属酸化物微粒子として、アルミナを用いて、これを容器(エアロゾル形成室28)に入れ加振してエアロゾル化した。金属酸化物微粒子としては、金属として他にチタンやシリコンの酸化物を用いても良い。
【0136】
撥インク材料としては、ダイキン工業社製PTFE(商品名:ルブロンL5−F)を用い、これを容器(エアロゾル形成室(不図示だが28と同様))に入れ、加振してエアロゾル化した。
【0137】
これらの超微粒子をヘリウムをキャリアガスとして搬送し、搬送管27先端に取り付けられた直径1mmのノズル22からアルミナ超微粒子とPTFE微粒子の混合したものをニッケルプレート21上に成膜した。
【0138】
成膜後、基板を330℃で1時間、雰囲気炉により熱処理を行った。
【0139】
このようにして作製したオリフィスプレートの外表面の水に対する接触角を測定したところ、118°であった。耐久性を評価するために実施例6と同様のこすり試験を行った。試験後、接触角を測定したところ、111°であった。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、産業機器、電子機器等の各種製品に用いられる、撥水性、耐候性や防汚性等の特性が付与された撥水性部材において、ガスデポジション法により基材上に撥水性膜を形成することで、材料の限定がなく、必要な表面のみにマスキング等の工程を経ず簡単な工程で撥水特性かつ耐久性にすぐれた撥水膜を均一に形成することができる。
【0141】
また、以上説明したように本発明によれば、インクジェットヘッドのオリフィスプレートにおいて、ガスデポジション法により撥インク層を形成することで、高い撥インク性能と高耐久性が得られ、高精度かつ安定した吐出が可能となる。
【0142】
ガスデポジション法により作製したインクジェットヘッドのオリフィスプレートにおいては、今後要求される印字速度の高速化や吐出安定化、高耐久化に関して、十分な性能を発揮するものであり、写真や画像の高速印字や産業用途への展開が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスデポジション法による微粒子膜形成装置の模式図である。
【図2】第1の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【図3】第2の実施例に係る微粒子膜形成装置の模式図である。
【図4】第2の実施例における撥水性膜表面のAFM観察結果を示す図である。
【図5】第3の実施例の微粒子膜形成装置の模式図である。
【図6】第4の実施例の微粒子膜形成装置の模式図である。
【図7】第5の実施例の微粒子膜形成装置の模式図である。
【図8】インクジェットヘッドの構成を説明する概略図である。
【図9】第6〜8の実施例の微粒子膜形成装置の模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ノズル
3 微粒子膜形成室
4 微粒子生成室
5,5a,5b 材料
6 アーク加熱電源
7,7a,7b 微粒子搬送管
8 誘導加熱電源
9,9a,9b エアロゾル形成室
10,10a,10b ガス搬送管
11 余分粒子排気機構
12 ルツボ
21 ニッケルプレート
22 ノズル
23 膜形成室
24 金属微粒子の発生室
25 材料
26 アーク加熱手段
27 搬送管
28 エアロゾル形成室
29 ガス搬送管
30 余分粒子排気機構
101 ヘッド基板
102 素子基板
104 液流路壁
105 天板
106 液流路
108 面
110 オリフィスプレート
111 インク吐出口

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、
    ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、
    前記撥水性を有する物質の粒子は、少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなることを特徴とする撥水性部材の製造方法。
  2. 基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、
    ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、
    前記撥水性を有する物質の粒子は、少なくともケイ素原子を含む樹脂からなることを特徴とする撥水性部材の製造方法。
  3. 基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、
    ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、
    前記基材へ吹き付けられる粒子は、複数種類の粒子から構成され、
    前記複数種類の粒子は、少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含むことを特徴とする撥水性部材の製造方法。
  4. 基材と、前記基材表面を被覆する撥水性膜とを有する撥水性部材の製造方法であって、
    ガスデポジション法により、撥水性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥水性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、
    前記基材へ吹き付けられる粒子は、複数種類の粒子から構成され、
    前記複数種類の粒子は、少なくともケイ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含むことを特徴とする撥水性部材の製造方法。
  5. 表面が撥インク性を有するオリフィスプレートを備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記オリフィスプレート形成する工程が、ガスデポジション法により、撥インク性を有する物質の粒子を気体により搬送し、搬送された前記粒子をノズルより噴射して基材に吹き付け、基材表面に撥インク性を有する微粒子膜を形成する工程を有し、
    前記基材へ吹き付けられる粒子は、
    (a)少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなる粒子、
    (b)少なくともケイ素原子を含む樹脂からなる粒子、
    (c)少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含む複数種類の粒子、
    (d)少なくともケイ素原子を含む樹脂からなる粒子と、金属または金属酸化物からなる粒子とを含む複数種類の粒子
    の(a)から(d)のうちのいずれかであることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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