JP2009102712A - 繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で成膜でき、膜形成材料と繊維材料の反応を抑制することができる繊維強化複合材料膜の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に繊維材料が固定された基板33を成膜チャンバー30に配置し、一方、不活性ガス雰囲気で、膜形成材料の蒸発源15の加熱により膜形成材料粒子を生成し、次に、膜形成材料粒子を移送し、超音速フリージェットJの気流に乗せて真空チャンバー(30)中に噴出して、繊維材料が固定された基板33上に物理蒸着させて、膜形成材料からなる膜中に繊維材料が内包された繊維強化複合材料膜を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維で強化された金属膜などの複合材料の製造方法に関する。
近年、コーティング技術の重要性が急速に高まってきており、種々のコーティング法が開発されている。
しかし、数10〜数100μm程度の膜厚の高密度なコーティング膜を低温で施工することが可能なコーティング法は知られていなかった。
非特許文献1および非特許文献2は、超音速フリージェット(Supersonic Free Jet:SFJ)物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)装置について開示している。
このSFJ−PVD装置は、蒸発チャンバーと成膜チャンバーを備える。
蒸発チャンバー内には、水冷されたハース上に設置した蒸発源材料と、高融点金属(具体的にはタングステン)製の電極が備えられており、一度蒸発チャンバー内を所定の圧力に減圧した後、所定のガス雰囲気に置換して、蒸発源をアノード(陽極)とし、アノードと一定間隔離れた位置にある高電導性金属製電極をカソード(陰極)とし、それぞれ負電圧と正電圧を印加して両極間にアーク放電を生起させる移行式アークプラズマによって、蒸発源材料が加熱されて蒸発する。所定のガス雰囲気とした蒸発チャンバー内では、蒸発源の加熱により蒸発した原子は互いに凝集しナノメートルオーダーの直径の微粒子(以下ナノ粒子と称する)が得られる。
得られたナノ粒子は蒸発チャンバーと成膜チャンバー間の差圧(真空度差)により生起するガス流に乗って移送管を通して成膜チャンバーへと移送される。成膜チャンバー内には、成膜対象基板が設置されている。
差圧によるガス流は、蒸発チャンバーから成膜チャンバーへと接続する移送管の先端に取り付けられた特別に設計された超音速ノズル(ラバールノズル)によりマッハ数3.6程度の超音速にまで加速され、ナノ粒子は超音速フリージェットの気流に乗って高速に加速されて成膜チャンバー中に噴出し、成膜対象基板上に堆積する。
上記のSFJ−PVD装置を用いることにより、従来難しかった、数10〜数100μm程度の膜厚の高密度なコーティング膜を低温で施工することが可能となっている。
また、例えば特許文献1には、2つの蒸発チャンバーにおいて第1微粒子と第2微粒子を生成し、これらを非特許文献3に記載の同軸対向衝突噴流の発振現象を利用して混合し、超音速ガス流に乗せて基板上に物理蒸着させる物理蒸着装置が開示されている。
上記の物理蒸着装置などを用いて、例えば、特許文献2に開示されるように、アルミニウムマトリクス中にシリコン微粒子が分散されてなる膜を成膜することが可能となった。
ところで、金属などの薄膜中に炭化ケイ素などの繊維を配して膜の強度を向上した繊維強化複合材料膜が開発されている。
上記の繊維強化複合材料膜の製造方法としては、内包させる繊維材料を基板上に並べておき、その上方から溶融した状態の金属などの膜形成材料を流し込む溶融法や、溶融した金属材料を吹き付ける溶射法により形成する方法が知られている。
しかしながら、上記の従来の繊維強化複合材料膜の製造方法は、溶融した状態の膜形成材料を高温状態のままで繊維材料と接触させるため、膜形成材料と繊維材料が化学的または物理的に反応してしまい、繊維により膜強度の強化が不十分となることや、膜の組成自体が意図するものでなくなることがあり、膜形成材料と繊維材料の反応を抑制することが困難である。
特開2006−111921号公報 特開2006−45616号公報 A. Yumoto, F. Hiroki, I. Shiota, N. Niwa, Surface and Coatings Technology, 169-170, 2003, 499-503 湯本敦史、廣木富士男、塩田一路、丹羽直毅:超音速フリージェットPVDによるTiおよびAl膜の形成、日本金属学会誌、第65巻、第7号(2001)pp635−643 山本圭治郎、野本明、川島忠雄、中土宣明:同軸対向衝突噴流の発振現象、油圧と空気圧(1975)pp68−77
解決しようとする課題は、膜形成材料中に繊維材料を内包させた繊維強化複合材料膜の製造方法において、膜形成材料と繊維材料の反応を抑制することが困難であることである。
本発明の繊維強化複合材料膜の製造方法は、表面に繊維材料が固定された基板を真空チャンバーに配置する工程と、不活性ガス雰囲気で、膜形成材料の蒸発源の加熱により膜形成材料粒子を生成する工程と、前記膜形成材料粒子を移送し、超音速フリージェットの気流に乗せて前記真空チャンバー中に噴出して、前記繊維材料が固定された前記基板上に物理蒸着させて、前記膜形成材料からなる膜中に前記繊維材料が内包された繊維強化複合材料膜を形成する工程とを有する。
上記の本発明の繊維強化複合材料膜の製造方法は、表面に繊維材料が固定された基板を真空チャンバーに配置する。一方、不活性ガス雰囲気で、膜形成材料の蒸発源の加熱により膜形成材料粒子を生成する。次に、膜形成材料粒子を移送し、超音速フリージェットの気流に乗せて真空チャンバー中に噴出して、繊維材料が固定された基板上に物理蒸着させて、膜形成材料からなる膜中に繊維材料が内包された繊維強化複合材料膜を形成する。
本発明の繊維強化複合材料膜の製造方法は、好適には、前記膜形成材料が金属である。
あるいは好適には、前記膜形成材料がセラミックスである。
また、好適には、前記繊維強化複合材料膜を形成する工程において、成膜温度を600℃以下として前記繊維強化複合材料膜を形成する。
また、好適には、前記繊維強化複合材料膜を形成する工程において、10μm以上の膜厚の繊維強化複合材料膜を形成する。
本発明の繊維強化複合材料膜の製造方法は、膜形成材料中に繊維材料を内包させた繊維強化複合材料膜を低温で成膜できるので、膜形成材料と繊維材料の反応を抑制することができる。
以下に、本発明に係る繊維強化複合材料膜の製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は本実施形態に係る繊維強化複合材料膜の模式的な斜視図であり、図1(b)は図1(a)中のX−X’における断面図、図1(c)は図1(a)中のY−Y’における断面図である。
例えば、チタンあるいはチタン合金などの金属、セラミックス、あるいは高分子などからなる基板33上に、チタン、タングステン、アルミニウム、ニオブあるいはシリコンなどの金属、酸化チタン、酸化タングステン、酸化アルミニウム、酸化ニオブあるいは酸化シリコンなどの金属酸化物、あるいはその他のセラミックスなどからなる皮膜1が形成されている。
皮膜1の内部には、例えば、炭化シリコン(SiC)ファイバ、炭化タングステン(WC)ファイバ、カーボンファイバなどの繊維材料(2a,2b)が配されている。
上記のようにして、本実施形態に係る繊維強化複合材料膜が形成されている。被膜の内部に繊維材料が埋め込まれた構成とすることで、機械的な強度が高められた複合材料膜となっている。
皮膜1の膜厚は、例えば、数μm〜1000μm程度であり、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは30μm以上である。
皮膜1は、膜全体で組成が均一であってもよく、例えば厚み方向に組成が変化するようなプロファイルを持っていてもよい。
また、繊維材料(2a,2b)は、例えば、一定間隔で並べられた第1層の繊維材料2aの上層に、第1層に接して、第2層の繊維材料2bが一定間隔で並べられた構成となっている。
繊維材料(2a,2b)は、例えば、直径が数μm〜数100μm程度となっている。
上記のように繊維材料が上記のように複数の層を有する構成の場合、上記のように、第1層の繊維材料2aが第1の方向に沿って並べられ、第2層の繊維材料2bが第1の方向と直行する第2の方向に沿って並べられた構成とすることができる。あるいは、第1の方向と第2の方向が同じ方向、またはその他の異なる方向としてもよい。
上記の繊維材料(2a,2n)の各層は、上記のように互いに接していてもよく、接さないように設けられてもよい。
あるいは、1層のみの構成で設けられていてもよい。
また、上記の繊維材料としては、複数の方向に沿って並べられた繊維材料が編みこまれた状態で、皮膜1内に配置されている構成としてもよい。
上記の皮膜1は、不活性ガス雰囲気で金属や金属酸化物などの蒸発源の加熱により膜形成材料粒子を生成し、得られた膜形成材料粒子を移送し、超音速フリージェットの気流に乗せて真空チャンバー中に噴出して、真空チャンバー中に配置された基板上に物理蒸着させて形成した膜である。
成膜の前に基板33の表面に繊維材料を固定しておくことで、繊維材料が膜中に埋め込まれるように形成された膜となっている。
本実施形態においては、上記のような皮膜を形成する方法として、基板上へのナノ粒子の高速での堆積により皮膜を形成する、超音速フリージェット(SFJ:Supersonic Free Jet)−物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)法を用いる。SFJ−PVD法は、ほとんど全ての蒸発源材料をナノ粒子として堆積し、厚い皮膜を形成することができる。
以下に、上記のSFJ−PVD法により金属酸化膜を形成するためのSFJ−PVD装置について説明する。
図2は、上記の本実施形態に係るSFJ−PVD装置の模式構成図である。
本実施形態のSFJ−PVD装置は、蒸発チャンバー10及び成膜用の真空チャンバーである成膜チャンバー30を備え、両者は移送管17により接続されている。
蒸発チャンバー10には真空ポンプVP1に接続した排気管11が設けられており、真空ポンプVP1の作動により蒸発チャンバー10内が排気され、例えば10−10Torr程度の超高真空雰囲気とされる。さらに、蒸発チャンバー10の雰囲気ガスとして、マスフローコントローラ12を介して設けられたガス供給源13から、He、ArあるいはNなどの不活性ガスが所定の流量で供給され、蒸発チャンバー10内が所定の圧力雰囲気とされる。あるいは、大気雰囲気としてもよい。
蒸発チャンバー10内には、水冷された銅製のるつぼ14が設けられ、この中に、チタン、タングステン、アルミニウム、ニオブあるいはシリコンなどの金属、あるいは、酸化チタン、酸化タングステン、酸化アルミニウム、酸化ニオブあるいは酸化シリコンなどの金属酸化物、あるいはその他のセラミックスなどからなる蒸発源15が入れられている。
蒸発源15の近傍にアークトーチあるいはプラズマトーチなどの加熱部16が設けられており、加熱部16により蒸発源15が加熱されて蒸発し、蒸発源15から蒸発した原子からナノメートルオーダーの直径の膜形成材料粒子が形成される。
一方、成膜チャンバー30には真空ポンプVP3に接続した排気管31が設けられており、真空ポンプVP3の作動により成膜チャンバー30内が排気され、例えば10−10Torr程度の超高真空雰囲気とされる。
成膜チャンバー30内には、X−Y方向に駆動するステージが設けられ、このステージに電気抵抗加熱システムを有する基板ホルダー32が接続され、成膜用の基板33が固定される。基板33の温度は、基板33の成膜領域に近接した点において不図示の熱電対により測定され、電気抵抗加熱システムにフィードバックされて温度制御される。
成膜対象の基板としては、特に限定はないが、例えば、純チタン板(JISグレード1)、A1050アルミニウム合金板、SUS304ステンレススチール板などを用いることができる。基板は、成膜チャンバー30にセットする前にアセトン中で超音波洗浄してから用いることが好ましい。
また、基板の成膜領域は、例えば7mm角とする。
上記の基板33の表面には、少なくとも上記の成膜領域において、成膜前に予め炭化シリコンファイバ、炭化タングステンファイバ、カーボンファイバなどの繊維材料が固定される。繊維材料の固定は、例えば接着テープあるいは接着剤で固定する方法、あるいは、物理的に押さえるクリップ材などで固定する方法がある。また、基板33の成膜面が鉛直上方を向いている場合には、おもりなどを置いて繊維材料の押さえとすることも可能である。
蒸発チャンバー10に接続されている移送管17の他方の端部が成膜チャンバー30内に導かれており、移送管17の先端に超音速ノズル(ラバールノズル)35が設けられている。
上記の蒸発チャンバー10と成膜チャンバー30の間において、両チャンバー間の圧力差によりガスの流れが生じ、蒸発チャンバー10で生成された膜形成材料粒子は雰囲気ガスとともに移送管を通して成膜チャンバー30へと移送される。
膜形成材料粒子と雰囲気ガスを含む流体は、超音速ノズル35から超音速ガス流(超音速フリージェットの気流)として成膜チャンバー30中において基板33に向けて噴出する。
超音速ノズル35は、1次元もしくは2次元の圧縮性流体力学理論を基にガスの種類と組成および成膜チャンバー30の排気能力に応じて設計されており、移送管の先端に接続され、あるいは移送管の先端部分と一体に形成されている。具体的には、ノズル内部径が変化している縮小−拡大管であり、蒸発チャンバー10と成膜チャンバー30間の差圧により生起するガス流を、例えばマッハ数1.2以上、例えばマッハ数3.6の超音速まで高めることができる。
膜形成材料粒子は上記のように加速され、超音速ガス流に乗って成膜チャンバー30中に噴出し、成膜対象である基板33上に堆積(物理蒸着)して皮膜1が形成される。
上記の成膜において、基板33上には予め繊維材料が固定されていることから、上記のようにして膜形成材料からなる皮膜が形成されるときに、膜中に繊維材料が内包された繊維強化複合材料膜が形成される。
上記のSFJ−PVD装置を用いた、本実施形態に係る繊維強化複合材料膜の形成方法について説明する。
まず、表面に繊維材料が固定された基板33を成膜チャンバー30に配置する。
図3(a)は本実施形態に係る繊維強化複合材料膜の製造工程における上記の工程を示す模式的な斜視図であり、図3(b)は図3(a)中のX−X’における断面図、図3(c)は図3(a)中のY−Y’における断面図である。
例えば、チタンなどからなる基板33上に、炭化シリコンファイバなどからなる繊維材料を配置する。ここでは、例えば、基板33に接するように、一定間隔で第1層の繊維材料2aを並べ、その上層に、第1層に接して、第2層の繊維材料2bを一定間隔で並べる。
本実施形態においては、上記の第1層の繊維材料2aが並べられる第1の方向と、第2層の繊維材料2bが並べられる第2の方向とが直行する関係とする。
また、上記の繊維材料(2a,2b)を基板33に固定するには、例えば、接着テープ3を用いる。
上記の繊維材料(2a,2n)の各層は、上記のように互いに接していてもよく、接さないように設けられてもよい。
一方、蒸発チャンバー10内を排気して所定の超高真空雰囲気とした後、He、ArあるいはNなどの不活性ガスを所定の流量で供給して所定の圧力雰囲気とする。
次に、蒸発チャンバー10内のるつぼ14に入れられたチタンなどの金属、あるいは金属酸化物またはその他のセラミックスなどからなる蒸発源15を、アークトーチあるいはプラズマトーチなどの加熱部16により加熱して蒸発させ、蒸発源15から蒸発した原子からナノメートルオーダーの直径の膜形成材料粒子を形成する。
また、成膜チャンバー30内を排気して所定の超高真空雰囲気とする。
蒸発チャンバー10と成膜チャンバー30の間の圧力差によりガスの流れを生じさせ、蒸発チャンバー10で生成された膜形成材料粒子を雰囲気ガスとともに移送管を通して成膜チャンバー30へと移送し、本実施形態に係る繊維強化複合材料膜の製造工程における工程を示す模式的な斜視図である図4に示すように、超音速ノズル35から、膜形成材料粒子を超音速フリージェットJの気流に乗せて成膜チャンバー30中に噴出して、成膜チャンバー30中に配置された基板33上に堆積(物理蒸着)させる。
以上のようにして、図1に示すような、基板33上において、膜形成材料粒子からなる膜中に繊維材料が内包されて機械的強度が強化された繊維強化複合材料膜である皮膜1を形成する。
上記の本実施形態の繊維強化複合材料膜の形成方法は、好適には、繊維強化複合材料膜を形成する工程において、成膜温度を600℃以下として形成する。さらに好適には、成膜温度を室温程度とする。
従来方法でのCVD法や溶射法と比較して低温処理で成膜可能であり、形成される繊維強化複合材料膜は応力によって破壊されにくい膜となる。
上記の本実施形態の繊維強化複合材料膜の形成方法は、繊維強化複合材料膜を形成する工程において、10μm以上の膜厚の繊維強化複合材料膜を形成する。
物理蒸着であるので、スパッタリング法に比べて速い成膜速度を実現でき、例えば、数μm〜1000μm程度、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは30μm以上の厚い繊維強化複合材料膜を容易に形成することができる。
上記のように、本実施形態の繊維強化複合材料膜の形成方法により、低温処理である物理蒸着によって膜形成材料粒子を堆積させることが可能となり、繊維材料を内包することで機械的強度が高められ、さらに、応力によって破壊されにくい膜形成材料粒子を、速い成膜速度で成膜することができる。
SFJ−PVD法によって繊維強化複合材料膜を形成することにより、以下のような効果を享受することができる。
(1)膜形成材料中に繊維材料を内包させた繊維強化複合材料膜を低温で成膜できるので、膜形成材料と繊維材料の反応を抑制することができる。
(2)内包させる繊維材料の種類や強度を変更することで、種々の強度な膜厚などに対応した繊維強化複合材料膜に対応できる。
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、繊維強化複合材料膜の種類は特に限定されず、種々の組成の皮膜を形成することができる。皮膜を構成する膜形成材料としては、金属及び金属酸化物のほか、金属酸化物以外のセラミックス材料を用いることができる。繊維材料としては、例示したものの他、皮膜の機械的強度を向上できる種々の繊維材料を用いることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本発明の繊維強化複合材料膜の形成方法は、種々の物品を被覆する皮膜を形成する方法として適用できる。
図1(a)は本発明の実施形態に係る繊維強化複合材料膜の模式的な斜視図であり、図1(b)は図1(a)中のX−X’における断面図、図1(c)は図1(a)中のY−Y’における断面図である。 図2は本発明の実施形態に係るSFJ−PVD装置の模式構成図である。 図3(a)は本発明の実施形態に係る繊維強化複合材料膜の製造工程における工程を示す模式的な斜視図であり、図3(b)は図3(a)中のX−X’における断面図、図3(c)は図3(a)中のY−Y’における断面図である。 図4は本発明の実施形態に係る繊維強化複合材料膜の製造工程における工程を示す模式的な斜視図である。
符号の説明
1…皮膜
2a,2b…繊維材料
3…接着テープ
10…蒸発チャンバー
11…排気管
12…マスフローコントロール
13…ガス供給源
14…るつぼ
15…蒸発源
16…加熱部
17…移送管
30…成膜チャンバー
31…排気管
32…ステージ
33…基板
35…超音速ノズル
J…超音速フリージェット

Claims (5)

  1. 表面に繊維材料が固定された基板を真空チャンバーに配置する工程と、
    不活性ガス雰囲気で、膜形成材料の蒸発源の加熱により膜形成材料粒子を生成する工程と、
    前記膜形成材料粒子を移送し、超音速フリージェットの気流に乗せて前記真空チャンバー中に噴出して、前記繊維材料が固定された前記基板上に物理蒸着させて、前記膜形成材料からなる膜中に前記繊維材料が内包された繊維強化複合材料膜を形成する工程と
    を有する繊維強化複合材料膜の製造方法。
  2. 前記膜形成材料が金属である
    請求項1に記載の繊維強化複合材料膜の製造方法。
  3. 前記膜形成材料がセラミックスである
    請求項1に記載の繊維強化複合材料膜の製造方法。
  4. 前記繊維強化複合材料膜を形成する工程において、成膜温度を600℃以下として前記繊維強化複合材料膜を形成する
    請求項1に記載の繊維強化複合材料膜の製造方法。
  5. 前記繊維強化複合材料膜を形成する工程において、10μm以上の膜厚の繊維強化複合材料膜を形成する
    請求項1に記載の繊維強化複合材料膜の製造方法。
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