JP6341505B2 - コールドスプレー用粉末、高分子被膜の製造方法および高分子被膜 - Google Patents

コールドスプレー用粉末、高分子被膜の製造方法および高分子被膜 Download PDF

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Description

本発明は、コールドスプレー用粉末、高分子被膜の製造方法および高分子被膜に関する。
従来、基材の表面に被膜を形成する方法として、コールドスプレー法や溶射法が知られている。コールドスプレー法は、粉末状の粒子を溶融温度以下で固相のまま基材へ衝突させることにより、酸化の無い被膜を形成するものであり、溶射法と比べて成膜速度が速く、粒子の熱変質を抑えることができるという特徴を有している。
コールドスプレー法を用いて高分子のポリマー材料を基材に成膜し、高分子被膜を製造する方法として、ポリカーボネート粒子を基材に成膜する方法(例えば、非特許文献1参照)や、プレセラミックポリマーを基材に成膜する方法(例えば、特許文献1参照)がある。また、コールドスプレー法を用いて、ポリマー材料を含む微細粒金属材料をポリマー基材に成膜する方法(例えば、特許文献2参照)も開発されている。
なお、コールドスプレー法よりも高い温度で成膜を行うウォームスプレー法により、超高分子量ポリエチレンを基材に成膜する技術も開発されている(例えば、非特許文献2参照)。
小川和洋、「コールドスプレー法によるポリマー皮膜の開発」、溶接学会誌、2013年、第82巻、第8号、p.5-8 黒田聖治、「ウォームスプレー法の基礎と応用」、SOKEIZAI、2010年、Vol.51、No.6、p.14-19
特表2008−544092号公報 特表2008−524010号公報
しかしながら、非特許文献1に記載の高分子被膜の製造方法では、形成される被膜の厚さが数十μm〜数百μm程度であり、非常に薄いという課題があった。特許文献1に記載の高分子被膜の製造方法では、実際に成膜した結果が開示されておらず、有効性が全く判断できない。また、特許文献2に記載の被膜の製造方法では、被膜が主に微細粒金属材料から成っており、高分子被膜を形成するものではないという課題があった。なお、非特許文献2に記載のウォームスプレー法による高分子被膜の製造方法では、形成される被膜の厚さが数十μm程度であり、非常に薄い。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、コールドスプレー法により比較的厚い高分子被膜を形成することができるコールドスプレー用粉末、高分子被膜の製造方法および高分子被膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るコールドスプレー用粉末は、高分子被膜を形成するためのコールドスプレー用粉末であって、前記高分子被膜を構成する高分子の粉末と、前記高分子の粒子同士を固着可能なセラミックスのナノ粒子とを混合して成ることを特徴とする。
本発明に係るコールドスプレー用粉末は、コールドスプレー法により基材に吹き付けられることにより、基材の表面に被膜を形成することができる。高分子の粉末にセラミックスのナノ粒子を混合することにより、形成される被膜の厚さが1mm以上になり、比較的厚い被膜を形成することができる。これは、ナノ粒子が、高分子の粉末中の粒子の界面同士をつなぐためであると考えられる。また、本発明に係るコールドスプレー用粉末では、コールドスプレー法を利用することにより、溶射法と比べて速い成膜速度で、酸化の無い被膜を形成することができる。また、高分子の粒子の熱変質を抑えることもできる。
本発明に係るコールドスプレー用粉末は、高分子の粒子の表面にまんべんなく付着するよう、ナノ粒子を混合していることが好ましく、特にナノ粒子を1質量%乃至10質量%含むことが好ましい。この場合、形成される被膜を厚くすることができる。
本発明に係るコールドスプレー用粉末で、前記高分子は有機高分子であることが好ましく、合成樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂であることが好ましい。好ましい有機高分子としては、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS樹脂)、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)など)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの汎用プラスチックや、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GFRP)、ポリエチレンテレフタレートガラス樹脂(PET−G)、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、環状ポリオレフィン(COP)などのエンジニアリングプラスチック、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフロロエチレン、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などのスーパーエンジニアリングプラスチック等である。また、特に超高分子量ポリエチレンであることが好ましい。これらの場合、耐食性、耐薬品性、衝撃吸収特性を有する被膜を形成することができる。高分子が超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である場合には、特に耐衝撃性や耐摩耗性に優れた被膜を形成することができる。超高分子量ポリエチレンは、溶解時の流動性が低いため射出成形が困難であったが、コールドスプレー法を利用することにより、容易に被膜を形成することができる。
本発明に係るコールドスプレー用粉末で、前記セラミックスは、高分子の粒子同士を固着できるものであれば、いかなるものであってもよいが、特に酸化アルミニウムであることが好ましい。酸化アルミニウムから成る場合、特に高分子の粒子間の固着強度を高めることができ、強度が高く、厚い被膜を形成することができる。
本発明に係る高分子被膜の製造方法は、コールドスプレー法を用いて、基材に本発明に係るコールドスプレー用粉末を吹き付けることにより、前記基材の表面に被膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る高分子被膜の製造方法は、本発明に係るコールドスプレー用粉末を用いることにより、1mm以上の比較的厚い被膜を形成することができる。コールドスプレー法を用いるため、溶射法と比べて速い成膜速度で、酸化の無い被膜を形成することができる。また、高分子の粒子の熱変質を抑えることもできる。
本発明に係る高分子被膜は、本発明に係る高分子被膜の製造方法により得られ、前記セラミックスのナノ粒子が、前記高分子の粒子の界面に分布していることを特徴とする。
本発明に係る高分子被膜は、厚みを1mm以上に、比較的厚くすることができる。本発明に係る高分子被膜は、コールドスプレー法を用いることにより、溶射法と比べて速い成膜速度で形成される。また、酸化が無く、高分子の粒子の熱変質が抑えられている。
本発明に係る高分子成形品の製造方法は、コールドスプレー法を用いて、基材または型に本発明に係るコールドスプレー用粉末を吹き付けた後、前記基材または前記型から取り外して成形品を得ることを特徴とする。
本発明に係る高分子成形品の製造方法によれば、酸化が無く、熱変性が抑えられた高分子成形品を容易に得ることができる。
本発明によれば、コールドスプレー法により比較的厚い高分子被膜を形成することができるコールドスプレー用粉末、高分子被膜の製造方法および高分子被膜を提供することができる。
本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末に含まれる(a)アルミナ粒子、(b)超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の粉末、および(c)本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末を示す顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末を基材に吹き付けるためのコールドスプレー装置を示す側面図である。 図2に示すコールドスプレー装置により、本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末を(a)ポリプロピレン基材、(b)純アルミ基材、(c)アルミナ基材に吹き付けて形成された高分子被膜を示す斜視図である。 図3(b)に示す純アルミ基材上の高分子被膜の(a)SEM(走査型電子顕微鏡)平面画像、(b)SEM断面画像である。 図3(a)に示すポリプロピレン基材上の高分子被膜のSEM断面画像である。 図3(b)に示す純アルミ基材上の高分子被膜のSEM平面画像および、O,Al,CのEDX(エネルギー分散型X線分光法)分析画像である。 図3(b)に示すポリプロピレン基材上の高分子被膜のSEM平面画像および、O,Al,CのEDX分析画像である。 図5に示すポリプロピレン基材上の高分子被膜のSEM断面画像の範囲でのAlのEDX分析画像である。 径が10〜60μmのUHMWPE粉末のみを噴射した比較実験の、ポリプロピレン基材上の高分子被膜の断面を示す顕微鏡写真である。
以下、本発明に係るコールドスプレー用粉末を用いて成膜実験を行った。その実験結果に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
[実験方法]
本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末として、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の粉末と、アルミナ(酸化アルミニウム)粒子から成るセラミックスナノ粒子とを混合したものを使用した。UHMWPE粉末は、分子質量が3900kg/mol、融点が130〜140℃、密度が0.940g/cmであり、図1(b)に示すように、実験には、径が10〜60μmのものを用いた。また、図1(a)に示すように、アルミナ粒子は、径が40〜90nmのものを用いた。図1(c)に示すように、コールドスプレー用粉末は、UHMWPE粉末に対して、アルミナ粒子を3.8質量%添加したものを用いた。
実験では、図2に示す低圧型のコールドスプレー装置10を使用して、基材1の表面にコールドスプレー用粉末を吹き付けた。図2に示すように、コールドスプレー装置10は、ガス供給口11とヒーター(Heater)12と粉末供給部(Powder feeder)13とノズル(Nozzle)14とを有している。コールドスプレー装置10では、ガス供給口11から供給される加圧されたキャリアガス(Carrier Gass)をヒーター12で加熱し、粉末供給部13から供給されるコールドスプレー用粉末と共に、ノズル14の先端から噴射するようになっている。実験では、ヒーター12で加熱するキャリアガスの温度を、100〜250℃の範囲で変化させ、キャリアガスの圧力を0.2〜0.8MPaで変化させた。また、ノズル14の長さは、200mmとした。また、基材1として、ポリプロピレン基材(ポリマー基材)、純アルミ基材(金属基材)、アルミナ基材(セラミック機材)を用いた。
なお、比較のため、本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末の他に、径が10〜60μmのUHMWPE粉末のみを噴射した場合、および、ノズルの長さを100mmとし、径が10〜60μmのUHMWPE粉末のみを噴射した場合についても、同様の条件で実験を行った。
[実験結果]
本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末を、コールドスプレー法により各基板に吹き付けたときの成膜状態を、図3に示す。図3に示すように、ポリプロピレン基材では約1mm、純アルミ基材では約4mm、アルミナ基材では3〜4mmの厚さの高分子被膜が形成されたのが確認された。なお、ポリプロピレン基材に吹き付けたときのキャリアガスの温度は150℃、圧力は0.3MPaであり、純アルミ基材およびアルミナ基材に吹き付けたときのキャリアガスの温度は250℃、圧力は0.4MPaである。
純アルミ基材上に形成された高分子被膜の、走査型電子顕微鏡(SEM)による平面画像および断面画像を図4に、ポリプロピレン基材上に形成された高分子被膜の、SEM断面画像を図5に示す。また、純アルミ基材上に形成された高分子被膜の、SEM平面画像およびその画像範囲でのエネルギー分散型X線分光法(EDX)によるO,Al,Cの分析画像を図6に、ポリプロピレン基材上に形成された高分子被膜の、SEM平面画像およびその画像範囲でのO,Al,CのEDX分析画像を図7に示す。また、図5に示すポリプロピレン基材上のSEM断面画像の範囲でのAlのEDX分析画像を図8に示す。なお、O,Al,CのEDX分析画像では、それぞれの元素の量が多い部分が明るく表示されている。
図4(a)に示すように、基材の表面に、UHMWPE粒子が溶融することなくそのままの状態で堆積して成膜していることが確認できる。また、図4(b)および図5に示すように、基材の表面からUHMWPE粒子がしっかりと堆積していることが確認できる。図6および図7に示すように、形成された被膜の表面には酸素(O)がほとんど観測されておらず、被膜が酸化されていないことが確認できる。また、粒子の表面に炭素(c)が観測されており、この粒子がUHMWPE粒子であることが確認できる。また、図6乃至図8に示すように、アルミニウム(Al)が各UHMWPE粒子の界面に分布しているのが観測された。このことから、アルミナ粒子が各UHMWPE粒子の界面同士をつないでおり、各粒子間の強度を高めているものと考えられる。
なお、図9に示すように、径が10〜60μmのUHMWPE粉末のみを噴射した比較実験では、ポリプロピレン基材の場合に、厚さ45μmで1層のみ成膜されたのが確認された。純アルミ基材およびアルミナ基材では、吹き付けた粉末が基材の表面で跳ね返り、ほとんど膜が形成されなかった。なお、これらの実験では、キャリアガスの温度を100〜150℃、圧力を0.2〜0.8MPaとした。
また、ノズルの長さを半分の100mmにし、径が10〜60μmのUHMWPE粉末のみを噴射した比較実験では、いずれの基材にも、全く成膜することができなかった。これは、ノズル内での高温ガスへのUHMWPE粒子の暴露時間が短くなったためであると考えられる。
以上の実験結果から、以下の事項が確認された。すなわち、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の粉末にセラミックスのアルミナのナノ粒子を混合した、本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末をコールドスプレー法により基材に吹き付けることにより、基材の表面に、厚さ1mm以上の比較的厚い被膜を形成することができる。これは、ナノ粒子が、高分子の粉末中の粒子の界面同士をつなぐためであると考えられる。
また、本発明の実施の形態のコールドスプレー用粉末をコールドスプレー法により基材に吹き付けることにより、溶射法と比べて速い成膜速度で、酸化の無い被膜を形成することができる。また、高分子の粒子の熱変質を抑えることもできる。使用した超高分子量ポリエチレンは、溶解時の流動性が低いため射出成形が困難であったが、コールドスプレー法を利用することにより、容易に被膜を形成することができる。また、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を使用することにより、耐食性や耐薬品性だけでなく、特に耐衝撃性や耐摩耗性に優れた被膜を形成することができる。
1 基材
10 コールドスプレー装置
11 ガス供給口
12 ヒーター
13 粉末供給部
14 ノズル

Claims (9)

  1. 高分子被膜を形成するためのコールドスプレー用粉末であって、
    前記高分子被膜を構成する高分子の粉末と、前記高分子の粒子同士を固着可能なセラミックスのナノ粒子とを混合して成ることを特徴とするコールドスプレー用粉末。
  2. 前記ナノ粒子を1質量%乃至10質量%含むことを特徴とする請求項1記載のコールドスプレー用粉末。
  3. 前記高分子は有機高分子であることを特徴とする請求項1または2記載のコールドスプレー用粉末。
  4. 前記高分子は熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコールドスプレー用粉末。
  5. 前記高分子は超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコールドスプレー用粉末。
  6. 前記セラミックスは酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコールドスプレー用粉末。
  7. コールドスプレー法を用いて、基材に請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコールドスプレー用粉末を吹き付けることにより、前記基材の表面に被膜を形成することを特徴とする高分子被膜の製造方法。
  8. 請求項7記載の高分子被膜の製造方法により得られ、前記セラミックスのナノ粒子が、前記高分子の粒子の界面に分布していることを特徴とする高分子被膜。
  9. コールドスプレー法を用いて、基材または型に請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコールドスプレー用粉末を吹き付けた後、前記基材または前記型から取り外して成形品を得ることを特徴とする高分子成形品の製造方法。
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