JP4473252B2 - 旋光計 - Google Patents

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Description

この発明は、旋光計に関し、より詳細には、サンプルセルと該セルに収容されている液体との温度を制御するために熱電冷却器(TEC)が用いられるサンプルセルホルダ及びサンプルセルに関する。
旋光計は、無機及び有機化合物を含む光学活性物質によって示される光学活性を測定する装置である。特に、直線偏光ビームの偏光面は、光学活性物質を通過するときに回転し、この回転は、特定の物質と物質の濃度とサンプルセルに収容される物質を介した光の光路長とによって決定され、これにより特定の物質の濃度は、測定された回転によって計算され得る。旋光度はまた、サンプルセルに収容される物質の温度によっても影響を受け、かくして、支配的な調整に要求される多くの場合において、サンプル物質の温度が正確な測定のために所定の点にあるよう制御される、ということが望まれる。
図1A及び図1Bに示すように、サンプルセル11は通常、「死空間」と称される、ライトパス内ではなくセル内にあるサンプル物質の量を最小化するように円柱チューブである。一対のフランジ15が、サンプルセル11の対向する端部に設けられており、それぞれは、(矢印17で示される)偏光ビームが通過できるようにビームアパーチャー18を有する。フランジは通常、一対のフランジが一対の平行レール16によって構成されるセルホルダに位置するとき、ライトパスにサンプルセル11を正確に位置させるために標準的なサイズを有する。フランジは、セルの洗浄を容易にするためにサンプルセル11から取り外しが利くようにしてもよい。サンプル物質の温度制御は、サンプル物質12を収容するサンプルセル11の外部表面の周囲の水ジャケット14に水を循環させることによって実現される。水ジャケット14は、所定の温度の水源に接続されている水管19に通じている外部チューブ13によって形成されている。しかしながら、そのような水の温度制御システムは、水ジャケットおよび冷却チューブを含み、構造の点で複雑である。その上、セルを洗浄するとき及びサンプルを取り替えるときに管を接続及び分離することは不便である。温度設定点を変更するにもまた時間がかかる。
最近、熱電冷却器(thermo electric cooler:TEC)のような熱電温度制御技術が、旋光計の温度制御のために紹介された。通常、形状が平らなプレートであるTEC装置の一側面の温度は、電流によって制御可能である。図2に示すように、ヒートシンクを有するTEC要素63は、矩形サンプルセル61を収容できる矩形セルホルダ62と熱伝導性を有するよう設けられている。(矢印67で示される)偏光ビームは、セルホルダ12に設けられたアパーチャー68を介してサンプルセル11を通過する。固体TEC要素63は、従来の円柱セルサンプルに要求される水管の複雑さと不便さとを排除する。その上、セルホルダ62及びしたがってサンプルセル61の温度は、所定の点に容易にかつ素早く制御することができる。しかしながら、矩形サンプルセル61は、高死空間を想定しており、より大きなサンプル体積が満たされることを要求する。これは、測定された物質が非常に高価である場合に多大の費用を要する。そのような矩形構造設計に伴う他の問題は、セルホルダ62が、産業で一般に用いられる従来の標準的な円柱サンプルセルと協働し得ないことである。加えて、この設計は、適切な支配調整(governing regulation)によって要求される限界内に温度を制御することができない。なお、本出願人の知る限りにおいては、本出願に関連性を有する先行技術文献は存在しない。
本発明の目的は、TEC要素によって制御可能な温度を有する、実質的に円柱の内部体積を有するサンプルセルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、セルホルダによって、温度制御モードにある発明的なサンプルセルと制御された温度ではない一般的な標準セルとの両方を保持することのできるセルホルダを提供することである。これらの一般的なセルは、水ジャケット温度制御型か又は非ジャケット非温度制御型かのどちらかとすることができる。
本発明のさらなる目的は、TEC要素によって制御可能な温度で円柱サンプルセルを保持するセルホルダを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、現在共通して使用されている一般的な標準サンプルセルと協働することのできるTEC温度制御ユニットを有するセルホルダを提供することにある。
上述の目的を達成するために、この発明のサンプルセルは、サンプルセルを所定の温度に保持するよう温度制御されたベースプレートを補足的に接触させるために露出された一面を残す絶縁外部カバーを有する実質的に円柱の内部体積を囲む熱導電物体と、測定光ビームがサンプルセルを長手方向に通過するよう所定の位置にサンプルセルを位置させる手段と、を備える。
このように、死空間が少ないサンプルセルの温度は、温度制御手段によって制御される。従来の円柱サンプルセルに要求される水ジャケットシステムは排除される。
好ましくは、位置決めの目的で光ビームのライトパスと関連して固定して位置決めされるベースプレートは、TEC要素と熱伝導することによって温度制御される。
好ましい実施例では、熱伝達要素は、円柱サンプルセルが置かれるセルマウントである。セルマウントは、所定の位置のベースプレートに置かれる。
好ましくは、ベースプレートは、セルマウントが置かれる傾斜上部表面を備え、セルホルダはさらに、水平レールを備える。レールは、一方で、ベースプレート上の所定の位置でセルマウントを停止し、他方で、レールとベースプレートの傾斜上部表面とに直接置かれるフランジを支持することによって、一般的な標準円柱サンプルセルを支持することができる発明的なセルホルダを可能にする。
他の好ましい実施例では、熱伝達要素は、一対の平行レールに置かれる円柱サンプルセルに置かれるカバーである。好ましくは、熱伝達要素は、ベースプレートが異なるサイズの円柱サンプルセルに対する異なる熱伝達要素と協働することができるように、ベースプレートに分離可能に接続されている。
この発明の上述の及び他の利点及び特徴は、添付の図面を参照してこの発明の好ましい実施例の次の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明は、同一の参照番号が同様の構成要素を示す図3A〜図9に示された好ましい実施例を参照して、以下詳細に述べられる。
この発明の第1実施例に係るセルホルダが図3A及び図3Bに示されている。セルホルダは、円柱サンプルセル11を補足的に収容するために凹形円柱表面を有するセルマウント22を備える。セルマウント22は、下に熱導体(thermal electric conductor:TEC)要素23が取り付けられるベースプレート21に置かれる。セルマウント22及びベースプレート22の両方は、セルマウント22、したがってセルマウントの凹形円柱表面の温度がTEC要素23によって制御されるように、熱伝導性材料から作られている。熱伝達表面のようなセルマウント22の凹形円柱表面を用いて、サンプルセル11はTEC要素23と熱伝導し、これによりサンプルセルの温度は、電流によって所定の点に制御されるTEC要素23と同じ温度に保持される。TEC要素23には、複数の冷却ひれを有するヒートシンク24が設けられている。
ベースプレート21は、セルマウント22によって支持されるサンプルセル11の位置決めの目的で、(矢印17で示される)測定偏光ビームのライトパス(light path)に関連する位置に確実に固定される。図3A及び図3Bに示すように、ベースプレート21は、その上部表面が傾斜するように傾いた姿勢を呈する。単一の水平レール16は、以下に詳細に述べられるサンプルセル11の位置決めのためでもあるが、ベースプレート21の傾斜上部表面と平行に設けられている。
サンプルセル11には、一対の円形フランジ15が設けられており、フランジのそれぞれは、光ビーム17がサンプルセル11に収容されるサンプル物質12を通過するように中央アパーチャー18を有する。フランジ15はレール16の付近にあり、これにより、セルマウント22は、ベースプレート21の傾斜上部表面に沿ったさらなる動きから所定の位置で停止される。フランジ15は、ベースプレート21の傾斜上部表面に触れないように、15aで部分的に取り除かれている、ということに留意されたい。このように、サンプルセル11の位置決めは、フランジ15とレール16との間の接触によって、及びセルマウント22とベースプレート21の傾斜上部表面との間の接触によって、実現される。
囲み部材25が、セルマウント22の凹形円柱表面と共に、サンプルセル11に対する長手方向の完全な包囲を形成するために設けられている。囲み部材25は、例えばヒンジ接続26によって、セルマウント22へ取り付けることができる。囲み部材25は、サンプルセル11が周囲環境にさらされるのを防ぐために、熱絶縁材料から形成されている。
あるいは、囲み部材25は、セルマウント22とサンプルセル11との間の熱伝導を高めるために、熱伝導性材料から形成することができる。好ましくは、凹形表面は、サンプルセル11上の優先的な覆いに対して囲み部材25の内部表面に形成することができる。
図3A及び図3Bにおけるセルホルダの一つの重要な利点は、セルホルダが、水温度制御システムを有するか又は有せずに一般的な標準円柱サンプルセルと協働することもできることである。図4A及び図4Bに示すように、一般的な標準円柱サンプルセル11の一対のフランジ15は、単一のレール16とベースプレート21の傾斜上部表面とに直接置くことができる。サンプルセル11の位置決めは、フランジ15とレール16との間の接触によって、及びフランジ15とベースプレート21の傾斜上部表面との間の接触によって、実現される。
このように、図3A及び図3Bに示されるセルホルダは、産業で現在広く使われている水ジャケット温度制御システムを有する一般的な標準円柱サンプルセルと、図3Aおよび図3Bに示されるように部分的に除去されたフランジを有する新奇な円柱サンプルセル11と、の両方と協働することができる。
セルホルダの他の実施例が図5A及び図5Bに示されており、図においてレール16は、ベースプレート21の傾斜上部表面上の所定の位置でセルホルダを停止するために、セルマウント22の側面に直接隣接している。この実施例における円柱サンプルセル11は、フランジを必要とせず、かくして実質的に製造のコストを減少させる。サンプルセル11の位置決めはまた、図3A及び図3Bに示された場合のように、フランジからサンプルセルに加わる力がないように改善される。
この実施例において、凹形円柱表面が設けられているセルマウント22の上部表面は一般に、サンプルセル11を安定して支持するよう水平である。光ビームアパーチャー18を有する一対のキャップ20は、サンプルセルの洗浄を容易にするために対向する端部(opposite ends)に設けられている。この実施例のセルホルダはまた、図4A及び図4Bに示すような一般的な標準円柱サンプルセルと協働することができる。
温度センサは、サンプルセルを挿入することによって、及び/又は公知の技術に従ってベースプレートのそのようなセンサを永久的に埋め込むことによって、用いることができる。そのような技術、及び他のものは、当技術で知られており、ここでは詳細に述べない。
図6A及び図6Bは、この発明の第3実施例に係るセルホルダを示し、図において、ベースプレート21は、水平に位置決めされており、かくして図3〜図5におけるレール16の必要性が排除される。凹形円柱熱伝達表面で円柱サンプルセル11を支持するセルマウント22は、ベースプレート21の水平上部表面に置かれている。図3〜図5の実施例と同様に、ベースプレート21は、セルマウント22の、したがってサンプルセル11の位置決めの目的で、ライトパスと関連する位置に確実に固定される。セルマウント22の横方向の動きを防止するために、側壁の形態とすることができるストッパ27が、セルマウント22を停止するためにベースプレート21の上部表面に設けられる。付勢スプリング力(bias spring force)がまた、セルマウント21がストッパ27に対抗して隣接することを確実にするために設けられ得る(図6B参照)。
図7A及び図7Bは、この発明の第4実施例に係るセルホルダを示し、この図は図6A及び図6Bに示されたものと同様であり、したがって異なる特徴のみをここで述べる。この実施例では、ベースプレート21におけるセルマウント22の位置決めは、ストッパ27の代わりに、複数の位置決めピンホール接続28(これら位置決めピンホール接続のうち2つが図7Bに示されている)によって実現される。この実施例ではベースプレート21の側壁に取り付けられるようにTEC要素23が示されていることにも留意されたい。
この発明の第5実施例に係るセルホルダは、図8A及び図8Bに示されている。図3〜図7に示された以前の実施例とは異なり、この実施例のTEC温度制御ユニットは、円柱サンプルセル11上を覆う熱伝達要素として実施される。特に、この実施例のベースプレート21は、以前の実施例のようにビームライトパス(beam light path)と関連して固定されておらず、かくして位置決め機能を有さない。
この実施例のTEC温度制御ユニットは、円柱サンプルセル11の外部表面で優先的に覆うための凹形円柱熱伝達表面が設けられた熱伝達要素22を備える。熱伝達要素22は、ベースプレート21が異なるサイズのサンプルセル11に対して異なる熱伝達要素22と接続され得るように、例えばあり継ぎ接続29によってベースプレート21と分離可能に接続されている。TEC要素23は、ベースプレート21及び熱伝達要素22を通じてサンプルセル11に対して温度制御を与えるために、ベースプレート21に取り付けられている。TEC要素23の温度は、当技術でよく知られているように、電流によって所定の点に制御可能である。TEC要素23にはまた、複数の冷却ひれを備えるヒートシンク24が設けられている。
この実施例においては、TEC温度制御ユニットは、サンプルセル11の位置決めを妨げないので、旋光計とは物理的に独立した個別の装置として与えられ得る。
この実施例における円柱サンプルセル11の位置決めは、ちょうど図1A及び図1Bに示された従来の方法のように、一対のフランジ15が置かれる一対の平行レールによって単独で実現される。したがって、この実施例のセルホルダはまた、一般的な標準円柱サンプルセルと良く協働する。図3A及び図3Bに示された実施例とは異なり、ここでのフランジ15は、形が完全な円形であり、部分的に除去される必要はない。
図9は、円柱穴901が材料902によって囲まれているこの発明の付加的な実施例を示す。図9の実施例は、周囲の材料902がセルに接続されるようになる個別の部分でない点で、他の実施例とはいくぶん異なる。その代わりに、材料902及び穴901は、単一の構成部分から形成されている。特に、ここで用いられるような、セルと接触する凹形円柱熱伝達表面は、図9のような実施例の場合における材料902と穴901との間の結合部を覆うよう意図されており、ここで2つは単一の部分から形成される。
上では、この発明の好ましい典型的な実施例を述べた。しかしながら、この発明の要点を逸脱することなく当業者に多くの変形、修正、及び変更が可能であることを理解されたい。例えば、図5A及び図5Bの実施例では、レール16の代わりとして、所定の位置でセルマウント22を停止する目的で、ベースプレート21の傾斜上部表面にブロックが設けられ得る。図8A及び図8Bの実施例では、それぞれのサイズの円柱サンプルセル11に対して一体の装置を形成するために、熱伝達要素22がTEC要素23に直接接続されている場合には、ベースプレート21は除去することができる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってもっぱら規定されるべきである。
従来技術の一般的な標準円柱サンプルセルとサンプルセルを支持する位置決めレールとを示す透視図である。 従来技術の一般的な標準円柱サンプルセルとサンプルセルを支持する位置決めレールとを示す断面図である。 温度制御のためのTEC要素を有する矩形サンプルセルを保持するための従来技術の矩形セルホルダを示す透視図である。 この発明に係るセルホルダの第1実施例を示す透視図である。 この発明に係るセルホルダの第1実施例を示す断面図である。 一般的な標準円柱サンプルセルと共に用いられる場合の図3Aにおける第1実施例を示す透視図である。 一般的な標準円柱サンプルセルと共に用いられる場合の図3Bにおける第1実施例を示す断面図である。 この発明に係るセルホルダの第2実施例を示す透視図である。 この発明に係るセルホルダの第2実施例を示す断面図である。 この発明に係るセルホルダの第3実施例を示す透視図である。 この発明に係るセルホルダの第3実施例を示す断面図である。 この発明に係るセルホルダの第4実施例を示す透視図である。 この発明に係るセルホルダの第4実施例を示す断面図である。 この発明に係るセルホルダの第5実施例を示す透視図である。 この発明に係るセルホルダの第5実施例を示す断面図である。 サンプルを保持するセルと周辺材料との位置が互いに一体となった本発明の代替実施例を示す図である。
符号の説明
11 サンプルセル
12 セルホルダ
14 水ジャケット
15 フランジ
16 水平レール
21 ベースプレート
22 セルマウント

Claims (3)

  1. 旋光計内の円柱形状のサンプルセルの温度を制御する温度制御装置であって、
    前記旋光計は、光が前記サンプルセルを長手方向に伝播するよう配置された光生成手段を有し、前記温度制御装置は、前記サンプルセルを支持するセルホルダを備え、
    前記セルホルダが、前記サンプルセルの円筒形外表面を緊密な態様で被覆する円筒形熱伝達凹所を有したセルマウントを備え
    前記円筒形熱伝達凹所と共に、周囲温度と離れて前記サンプルセルを保持するために、前記サンプルセルの周囲に長手方向完全エンクロージャを形成するための、囲み部材をさらに備えることを特徴とする温度制御装置。
  2. 請求項記載の温度制御装置において、
    前記囲み部材は、熱絶縁材料から形成されていることを特徴とする温度制御装置。
  3. 請求項記載の温度制御装置において、
    前記囲み部材は、熱伝導性材料から形成されていることを特徴とする温度制御装置。
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