JP4473220B2

JP4473220B2 - 粉粒状洗剤の自動供給装置

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Publication number: JP4473220B2
Application number: JP2005515871A
Authority: JP
Inventors: 宏司古里; 徳彦城市
Original assignee: Niitaka Co Ltd
Current assignee: Niitaka Co Ltd
Priority date: 2003-12-03
Filing date: 2004-06-25
Publication date: 2010-06-02
Anticipated expiration: 2024-06-25
Also published as: JPWO2005053501A1; WO2005053501A1

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は、自動食器洗浄装置等の洗浄槽への粉粒状洗剤の自動供給装置に関するものである。
【０００２】
【背景技術】
自動食器洗浄装置等の洗浄槽への粉粒状洗剤の自動供給装置としては、カートリッジ容器の蓋面に給水散布して、その収容する粉粒状洗剤を供給する方式の装置に代え、ホッパー内から粉粒状洗剤を自由落下させて混合器に供給する方式の装置が提案されている。
【０００３】
このようなホッパーを備えた粉粒状洗剤の自動供給装置としては、特開２００２−３２０５８４号公報に開示されたものがある。この装置は、ホッパー下部のケーシング内にらせん状の翼部を有する供給スクリューが設けられており、この供給スクリューにより、ホッパー内から自由落下する粉粒状洗剤を回転させながら、ケーシングの供給口に順次送り出して混合器内に供給するものである。
【０００４】
この供給された粉粒状洗剤と、下方位置に設けられた混合器内に別途供給された供給水とを混合することにより得られた洗剤水溶液が自動食器洗浄装置等における洗浄槽に供給される。
【０００５】
しかしながら、上記した従来のホッパーを備える粉粒状洗剤の自動供給装置では、次のような欠点がある。以下、従来装置の説明図である図１１乃至図２０を参照しながら説明する。
【０００６】
第１に、従来装置におけるホッパー２では、その収容する粉粒状洗剤１Ａの荷重がその下部のケーシング３内に設けられている供給スクリュー４に集中する。このため、図１１及び図１２に示すように、粉粒状洗剤１Ａが、供給スクリュー４の回転軸４ａにらせん状に設けられている翼部４ｂの間に、状態１Ａａ（二点鎖線で囲まれた部分）のように密に充填してしまう。このとき、供給スクリュー４の回転軸４ａに過大な負荷が加わり、その駆動モータの劣化を速める原因となる。また、粉粒状洗剤１Ａが翼部４ｂの間に粉粒状洗剤が密に充填された状態で供給スクリューが回転すると、ホッパー２とケーシング３の境界面である排出口２ａで粉粒状洗剤１Ａが供給スクリュー４にかみ込んで、供給スクリュー４の回転が停止することがある。
【０００７】
また、ケーシング３に加わる振動により、供給口３ａ付近の粉粒状洗剤１Ａが自然落下すると、発生した空隙へ粉粒状洗剤１Ａの移動が連鎖的に起こり、その移動がケーシング３で止まらずにホッパー２にまで達することになる。このように粉粒状洗剤１Ａが雪崩的に崩落すると、混合器内で大量に粉粒状洗剤１Ａが堆積することになり、混合器あるいは途中の配管での詰まりを起こすことになる。
【０００８】
粉粒状洗剤１Ａが雪崩的に崩落するのを防止するには、たとえ供給口３ａ付近で自然落下が発生しても、ケーシング３内の空隙への連鎖的な粉粒状洗剤の移動をホッパー２に達することのないようにすることが必要である。このためには、ホッパー２の排出口２ａとケーシング３の供給口３ａとの間隔を広げることが必要となる。この場合、供給装置における横幅寸法がより大きくなり、供給装置のコンパクト化を妨げる結果となる。
【０００９】
第２に、従来の装置では、図１３及び図１４に示すように、水蒸気が及んで、供給スクリュー４を収納しているケーシング３の供給口３ａの部分に滞留する粉粒状洗剤１Ａが供給口３ａに固着してしまう。この固着洗剤１Ｂがさらに堆積して供給口３ａに固着すると、その後に供給される粉粒状洗剤１Ａの流動がせき止められた状態となり、供給位置が供給口３ａの上方に変位し、粉粒状洗剤１Ａの供給範囲が不必要に拡大してしまう。
【００１０】
第３に、従来の供給装置では、ケーシング３に供給された粉粒状洗剤１Ａが供給スクリュー４にかみ込むことにより、供給スクリュー４の軸回転が停止してしまう弊害を解消するため、供給スクリュー４の翼部４ｂ端とそのケーシング３の内壁間には、１〜３ｍｍ程度の隙間３ｂが設けられている。しかし、図１５及び図１６に示すように、ケーシング３の供給口３ａの付近では、隙間３ｂに残留する粉状洗剤１Ａに湿気が及んで、固着洗剤１Ｂのように供給口３ａやケーシング３の内壁に固着し、張り付いた状態となる。この固着洗剤１Ｂを除去する操作は困難である。一般的には、供給スクリュー４をケーシング３内から収り外して、張り付いた固着洗剤１Ｂを除去することが必要である。
【００１１】
第４に、図１７及び図１８に示すように、供給スクリュー４の翼部４ｂは、回転軸４ａに対し９０°に近い角度で傾斜していることが、供給スクリュー４の回転トルクも少なくでき有利である。しかし、翼部４ｂの全体が９０°に近い角度の傾斜であると、粉粒状洗剤１Ａの送り出し過程で供給スクリュー４の先端部４ｃでは、翼部４ｂの間に存在する粉粒状洗剤１Ａがより高い位置から落下し、その飛散範囲が拡大してしまう。
【００１２】
第５に、図１９及び図２０に示すように、従来装置では、混合器５がケーシング３の下方位置であって、供給口３ａが流出口５ａの直上位置に設けられている。この混合器５は、その流出口５ａに洗剤水溶液を流出するための接続管６が連結されている。粉粒状洗剤１Ａが供給される際に着水の反動で起こる水跳ねを防ぐために、粉粒状洗剤と供給水との混合は、粉粒状洗剤１Ａが落下する流出口５ａの内部で行われる。しかし、接続管６はＬ字状管で構成されているから、そのＬ字状管内の屈曲部に粉粒状洗剤１Ａが自然落下などにより堆積すると、水流の流通路が狭くなったり、接続管内を閉塞してしまう。
【００１３】
第６に、従来装置では、混合器５内に粉粒状洗剤１Ａ供給水とが供給されることにより、好適な洗剤水溶液が得られる。この洗剤水溶液が供給される洗浄機の貯留糟では、６０℃前後の温度に加温されているため水蒸気が生じる。この水蒸気が前記した粉粒状洗剤１Ａの供給流路に及んで、その流路に滞留している粉粒状洗剤１Ａを固着させることになる。
【００１４】
そこで、本発明は、上記した点を鑑み、ホッパーから供給される粉粒状洗剤が、供給スクリューの翼部間に密に充填することにより、供給スクリューに対し過剰な負荷が加わることがなく、また粉粒状洗剤が供給口付近で滞留して固着することにより、後に供給される粉粒状洗剤をせき止めて広範囲に飛散したり崩落するのを防止し、さらにまた粉粒状洗剤が堆積して混合器に接続された接続管内で詰まって閉塞することがなく、粉粒状洗剤の供給経路に水蒸気が及ぶことなく、しかも得られる洗剤水溶液の濃度を常に一定に維持できるコンパクトな装置構成の粉粒状洗剤の自動供給装置を提供することを目的とする。
【００１５】
【発明の開示】
上記の目的を達成するため、本発明の粉粒状洗剤の自動供給装置は、粉粒状洗剤を収容するホッパーと、このホッパー下部に位置し、側端に供給口を有するケーシング内に水平方向に設けられた供給スクリューと、この供給スクリューの下方に設けられ、軸回転する供給スクリューにより前記ケーシングの供給口から順次送り出されてきた粉粒状洗剤を受けるとともに、この粉粒状洗剤とは別途に供給されてきた供給水とを混合する混合器と、この混合による洗剤水溶液を送り込むための前記混合器に接続された接続管とからなる供給装置において、前記供給スクリューにおける翼部の一部を含む回転軸の端部が、前記ケーシングの供給口から突出して設けられ、前記ケーシングの供給口は、ケーシングの管体端部に柔軟質材からなる口形部が嵌設されて形成されていることを特徴とする。
【００１６】
この構成により、供給口の端部にまで供給される粉粒状洗剤が移動状態に維持されるので、粉粒状洗剤が残留、固着して堆積することがなく、その供給口付近の供給スクリューの翼部端とケーシングの内壁との間隙に滞留する粉粒状洗剤に水蒸気が及んで固着しても、前記口形部における柔軟質材の柔軟性に基づいて、その固着した洗剤部分を容易に剥離操作することが可能となる。
【００１７】
上記構成において、前記ケーシングの端部の供給口における前記供給スクリュー端の翼部部分が、スクリュー軸に対して１０°〜６０°の範囲の傾斜角度であることが好ましい。
【００１８】
この構成とした場合、供給スクリューの翼部間のピッチが拡がるから、その部分で翼部ピッチの容積が増えることにより、その部分に残留する粉粒状洗剤については確実に供給口下部から落下させることができる。
【００１９】
また、上記構成において、コーンバッフルが、前記供給スクリューの上面部分をカバーするように、その回転軸に沿って前記ホッパー内に設けられてなり、このコーンバッフルは、中央部分が山形形状で、両端がホッパーの内壁に当接する突出端となっており、ホッパーの内壁の側縁部とは間隙を有する状態に配設され、ホッパーの排出口の縁部では、前記ホッパーからの粉粒状洗剤がコーンバッフルの側縁部で均等に分散した状態で前記供給スクリューに供給される構成としてもよい。
【００２０】
この構成とした場合、供給される粉粒状洗剤の荷重が供給スクリューに集中して密に充填されるのを解消することができる。したがって、粉粒状洗剤が供給スクリューの間に密に充填することが原因で、前記ケーシング内でのかみ込み、崩落が生じることによる粉粒状洗剤の前記した欠点の発生が防止される。
【００２１】
さらに、上記構成において、前記ホッパーに振動モータが設けられてなり、この振動モータが駆動することにより、前記ホッパー及びケーシング内で粉粒状洗剤が滞留して堆積するのを解消する構成としてもよい。
【００２２】
この構成では、その下部のケーシングを含むホッパーに振動モータの振動作用が伝播させることにより、ホッパー等において粉粒状洗剤がその供給経路において滞留することがない。
【００２３】
また、上記構成において、前記混合器に接続されている接続管が、Ｌ字状に曲がっておりかつ下部が水平面に対し傾斜している構成であってもよい。
【００２４】
この構成とした場合、接続管の下部は傾斜しているので、粉粒状洗剤が接続管内の屈曲部に集中して堆積しない。また供給水による水流がない状態で崩落等により粉粒状洗剤が雪崩状供給されて接続管内に粉粒状洗剤が堆積することがあっても、接続管における傾斜に沿って供給水の流路が確保されるので、接続管内が粉粒状洗剤により完全に閉塞してしまうことはない。
【００２５】
さらにまた、上記構成において、前記混合器に設けられた水蒸気抜き兼ドレン管に異形チーズが接続されてなり、この異形チーズにより混合器内における供給水のオーバーフロー及び洗浄機又は途中の粉粒状洗剤の供給経路で生じる水蒸気が粉粒状洗剤の供給経路へ逆流するのを防止する構成としてもよい。
【００２６】
この構成とした場合、混合器内における供給水のオーバーフロー、及び混合器に及ぶ水蒸気が粉粒状洗剤の供給経路に及ぶのを防ぐことができる。したがって、混合器内で供給水がオーバーフローしたり、堆積した粉粒状洗剤が水蒸気により固着するのが防止される。
【００２７】
また、上記構成において、前記混合器に、当該混合器内での供給水の流水状態を検知する水流センサーが設けられてなり、流水状態が異常である場合に、前記水流センサーからその異常の旨の検知信号を受けて供給スクリューの軸回転を停止する構成であってもよい。
【００２８】
さらに、上記構成において、前記混合器に、当該混合器内での供給水の水位状態を検知する水位センサーが設けられてなり、水位状態が異常である場合に、前記水位センサーからその異常である旨の検知信号を受けて当該供給装置における全ての動作を停止する構成としてもよい。
【００２９】
このような構成では、混合器に設けられた水流センサー及び水位センサーにより、混合器内の供給水及び洗剤水溶液の電気伝導度が検知され、この検知信号に応じて供給スクリューの駆動による粉粒状洗剤の供給を停止あるいは当該供給装置における全ての動作を停止させることが可能となる。
【００３０】
【図面の簡単な説明】
図１は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の縦断正面図である。
図２は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の横断部分平面図である。
図３は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置のコーンバッフルの取付状態を説明する部分縦断面図である。
図４は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置のケーシングに対する供給スクリューの端部の突出状態を説明する部分縦断面正面図である。
図５は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置のケーシングの端部の機能を説明する部分縦断正面図である。
図６は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の混合器の機能を説明する部分平面図である。
図７は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の接続管の機能を説明する部分断面正面図である。
図８は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の水蒸気抜き兼ドレン管の機能を説明する断面部分正面図である。
図９は、本発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の混合器に対する異形チーズの装着状形態を説明する底面図である。
図１０は、発明に係る最良の実施の形態における粉粒状洗剤の供給装置の混合器の形態を説明する縦断面正面図である。
図１１は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるホッパー内での粉粒状洗剤の供給状態を説明するための部分縦断正面図である。
図１２は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるホッパー内での粉粒状洗剤の供給状態を説明するための横断部分平面図である。
図１３は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口からの粉粒状洗剤の供給状態を説明するための縦断部分正面図である。
図１４は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口からの粉粒状洗剤の供給状態を説明するための部分側面図である。
図１５は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口からの粉粒状洗剤の供給状態を説明するための部分縦断正面図である。
図１６は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口からの粉粒状洗剤の供給状態を説明するための部分側面図である。
図１７は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口からの粉粒状洗剤の供給状態を説明するための縦断部分正面図である。
図１８は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口からの粉粒状洗剤の供給状態を説明するための部分側面図である。
図１９は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口から混合器内へ供給される粉粒状洗剤の供給状態を説明するための部分平面図である。
図２０は、従来の粉粒状洗剤の供給装置におけるケーシングの供給口から混合器内へ供給される粉粒状洗剤の供給状態を説明するための縦断部分正面図である。
【００３０】
発明を実施するたの最良の形態
本発明に係る粉粒状洗剤の自動供給装置を実施する最良の形態を図に基づいて説明する。
【００３１】
図１は、粉粒状洗剤の自動供給装置１０の縦断正面図である。粉粒状洗剤の自動供給装置１０は、ホッパー１１と、ホッパー１１の下部に設けられたケーシング１２と、ケーシング１２に収納されている供給スクリュー１３と、ケーシング１２の下方位置に設けられており、ケーシング１２の左側端の供給口１２ａから供給される粉粒状洗剤を受ける混合器１６と、混合器１６に接続された接続管１９及び連結チーズ２１とからなる。ホッパー１１等の各部は外装ケースに収納されており、この外装ケースは支持棚１０ａに支持されている。
【００３２】
ホッパー１１の内部には所定量の粉粒状洗剤が収容されている。この粉粒状洗剤の荷重に基づいて、粉粒状洗剤がホッパー１１下部の排出口１１ａから順次落下流出し、ケーシング１２の内部に一定量の粉粒状洗剤が順次供給される。
【００３３】
ホッパー１１の側壁部には電気的に作動する振動モータ１１ｂが付設されている。振動モータ１１ｂの振動作用がホッパー１１及びケーシング１２に伝達して、ケーシング１２などで供給される粉粒状洗剤が残留してブリッジ状に滞留することが防止される。
【００３４】
ホッパー１１の内部には、図２及び図３に示すように、コーンバッフル１４が供給スクリュー１３の上面部分をカバーするように設けられている。コーンバッフル１４は、中央部分１４ａが山形形状で、両端がホッパー１１の内壁に当接する突出端１４ｂとなっており、ホッパー１１の内壁の側縁部とは間隔を有する状態で配設されている。したがって、ホッパー１１の排出口１１ａでは、その口縁部に粉粒状洗剤がコーンバッフル１４の側縁部で均等に分散される状態で供給されることになる。従って、粉粒状洗剤がその収容荷重により、供給スクリュー１３の特定の翼部１３ｂの間に粉粒状洗剤が密に充填することがない。この結果、粉粒状洗剤が翼部１３の間に密に充填することによって供給スクリュー１３が粉粒状洗剤にかみ込んだり、また大量の粉粒状洗剤の崩落により雪崩状に供給されることはない。
【００３５】
ホッパー１１の内部にコーンバッフル１４を設けたことにより、ケーシング１２の幅を狭めることが可能となるから、供給装置１０の全体寸法をコンパクトに構成することができる。
【００３６】
供給スクリュー１３は、回転軸１３ａと、回転軸１３ａに沿ってらせん状に設けられた翼部１３ｂとにより形成されている。また、回転軸１３ａの軸端には駆動モータ１５が連結されており、供給スクリューｌ３を軸回転させる。
【００３７】
供給スクリュー１３は、ケーシング１２の内部に水平に収納されている。したがって、回転軸１３ａが回転駆動することにより、翼部１３ｂによりホッパー１１から一定量の粉粒状洗剤１Ａが供給口１２ａへ順次移送される。
【００３８】
図４に示すように、供給スクリュー１３は、翼部１３ｂの一部を含む回転軸１３ａの左端部１３ｃが供給口１１ａから突出する状態で設けられている。この構造により、翼部１３ｂに従って粉粒状洗剤１Ａがケーシング１２の供給口１２ａにまで移送されることになり、供給口１２ａで粉粒状洗剤１Ａが滞留するのが解消される。
【００３９】
さらに、図４に示すように、ケーシング１２の供給口１２ａは、その管体端部１２ｃに嵌設された柔軟質材からなる口形部１２ｂにより形成されている。この構造により、滞留する粉粒状洗剤１Ａが水蒸気により口形部１２ｂに固着することがあっても、口形部１２ｂを変形させることによって容易に除去できる。
【００４０】
翼部１３ｂの回転軸１３ａに対する傾斜角度は６０°以上である。これに対し、図５に示すように、その端部部分１３ｄが、回転軸１３ａの軸線に対し１０°〜６０°の傾斜角αとした構成とすることもできる。
【００４１】
端部部分１３ｄがより大きな１０°〜６０°の傾斜角αの角度で形成されていると、端部部分１３ｄにおける翼部１３ｂ間のピッチが急に広くなる。この結果、供給スクリュー１３が回転動作することにより、粉粒状洗剤１Ａが供給口１２ａの下方から確実に落下し、供給口１２ａから混合器１６内に供給される。この際、粉粒状洗剤１Ａは混合器１６における流水口１６ａの内部に供給される。粉粒状洗剤１Ａが流水口１６ａに供給されるのは、供給水との混合時に、その混合水溶液が混合器１６の周囲に飛び散るのを防止するためである。
【００４２】
図６に示すように、粉粒状洗剤１Ａの供給に合わせて、混合器１６ではその側壁部の導水管１７から供給水が混合器１６内に供給される。また、図１に示すように、導水管１７には導水管１７用の電磁弁１８が設けられている。
【００４３】
導水管１７から供給された供給水は、混合器１６における傾斜する皿面１６ｂに沿って下位の流出口１６ａに向けて流動することになる。この供給水の皿面１６ｂ上での流動により、流出口１６ａの内部で粉粒状洗剤と供給水とが混合される。この洗剤水溶液は流出口１６ａから接続管１９を経て洗浄機の貯留糟に流入されることになる。
【００４４】
図７に示すように、接続管１９は、そのＬ字管の下部部分１９ａが水平面に対し傾斜しているので、供給水の供給がない場合、ホッパー１１等の振動や自然落下により粉粒状洗剤１Ａが混合器１６内に供給されたときには、下部部分１９ａに粉粒状洗剤１Ａが堆積する。しかし、粉粒状洗剤１Ａの落下量が３０ｇ未満であれば、接続管１９内の上部に隙間１９ｂが生じて供給水の流水路が形成されるので、接続管１９の内部が閉塞されることがない。また粉粒状洗剤１Ａが崩落等により雪崩的に供給される場合には、図８に示すように、流出口１９ａが一部閉塞し混合器１６内の水位は上昇するが、水蒸気抜き兼ドレン管２０を介する流水路が機能するので、混合器１６に滞留する供給水の水圧による押し出し効果により、接続管１９内で粉粒状洗剤１Ａの詰まってしまうことはない。
【００４５】
混合器１６には、図７に示すように、上口端が開放する水蒸気抜き兼ドレン管２０が設けられている。水蒸気抜き兼ドレン管２０の上口端は、供給水が混合器１６内でオーバーフローするときに備えて、皿面１６ｂの周壁より低い位置に設けられている。
【００４６】
図７及び図９に示すように、水蒸気抜き兼ドレン管２０には異形チーズ２１が連結されている。さらに、異形チーズ２１を介して供給水溶液を洗浄機の洗浄糟に供給するために、異形チーズ２１は接続管と接続されている。貯留糟内の洗剤水溶液は６０℃前後の温度に維持されているため、洗剤水溶液から水蒸気が生じて、異形チーズ２１より前方の粉粒粒状洗剤の供給経路に溜まった状態になる。水蒸気抜き兼ドレン管２０では、連結された異形チーズ２１を介して、この水蒸気が外部へ放出される。
【００４７】
図１０に示すように、混合器１６には、その皿面１６ｂの２本の流水センサー２２と、周壁に水位センサー２３がそれぞれ設けられている。何らかの原因で供給水の流水が停止している場合、２本の水流センサー２２の間の電気伝導度はほぼ０となり、供給水が流れていないことが検知される。さらに接続管１９等で粉粒状洗剤１Ａが詰まるなどの原因で供給水が滞留し、混合器１６内の水位が上昇している場合、水流センサー２２と水位センサー２３との間の電気伝導度についても測定され、水位状態が検知される。
【００４８】
混合器１６内での供給水の流水状態及び水位状態の有無の検知信号は、当該自動供給装置１０に設けられた電気回路により、次のプログラ厶に従い、供給装置１０が稼動あるいは停止される。
【００４９】
すなわち、洗浄機の洗浄槽における洗浄剤濃度を電気伝導度で測定し、その設定濃度と実測濃度との差が大きいとき、供給スクリュー１３を連続もしくは殆ど連続に近い状態で間欠的に駆動させる。またその差が中程度であるとき、供給スクリュー１３の駆動を間欠的に駆動させ、またその差が小さいときには、供給スクリュー１３の駆動状態を停止に近い間欠状態で駆動させることで、粉粒状洗剤の供給が自動的に行われる。この際、混合器１６における供給水の流水が確保されているか否か、また混合器１６における水位が異常に上昇しているか否かに応じ、正常であれば、粉粒状洗剤の供給をそのまま継続し、また異常であれば、アラーム表示を行うと共に、供給動作を一部又は全部中断し、異常が解除される自動復旧システムである。
【００５０】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【００５１】
なお、本出願は、日本で出願された特願２００３−４０４９５７号に基づく出願であり、その内容はこれに言及することにより、本出願に組み込まれる。また、本明細書に引用された文献は、これに言及することにより、その全部が具体的に組み込まれるものである。
【００５２】
【産業上の利用可能性】
本発明は、自動食器洗浄装置等の洗浄槽へ粉粒状洗剤を自動的に供給する装置及びこうした機能をもたせた装置に適用可能である。

Claims

粉粒状洗剤を収容するホッパーと、このホッパー下部に位置し、側端に供給口を有するケーシング内に水平方向に沿って設けられた供給スクリューと、この供給スクリューの下方に設けられ、軸回転する供給スクリューにより前記ケーシングの供給口から順次送り出されてきた粉粒状洗剤を受けるとともに、この粉粒状洗剤とは別途に供給されてきた供給水とを混合する混合器と、この混合による洗剤水溶液を送り込むための前記混合器に接続された接続管とからなる供給装置において、
前記供給スクリューにおける翼部の一部を含む回転軸の端部が、前記ケーシングの供給口から突出して設けられ、前記ケーシングの供給口は、ケーシングの管体端部に柔軟質材からなる口形部が嵌設されて形成されていることを特徴とする粉粒状洗剤の自動供給装置。
供給スクリューの回転軸に対する翼部の傾斜角度が６０°以上であるのに対して、前記ケーシングの端部の供給口における前記供給スクリュー端の翼部部分が、回転軸に対して１０°〜６０°の範囲の傾斜角度である請求項１に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。
前記供給スクリューの上面部分をカバーするように、その回転軸に沿ってコーンバッフルが前記ホッパー内に設けられてなり、このコーンバッフルは、中央部分が山形形状で、両端がホッパーの内壁に当接する突出端となっており、ホッパーの内壁の側縁部とは間隙を有する状態に配設され、ホッパーの排出口の縁部では、前記ホッパーからの粉粒状洗剤がコーンバッフルの側縁部で均等に分散した状態で前記供給スクリューに供給されることを特徴とする請求項１または２に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。
前記ホッパーには、電気的に作動する振動モータが設けられてなり、この振動モータが駆動して、前記ホッパー及びケーシング内で粉粒状洗剤が滞留して堆積するのを解消することができる請求項１乃至３のいずれか一に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。
前記混合器に接続されている接続管が、Ｌ字状に曲がっておりかつ下部が水平面に対し傾斜していることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。
前記混合器に設けられた水蒸気抜き兼ドレン管に異形チーズが接続されてなり、この異形チーズにより混合器内における供給水のオーバーフロー及び洗浄機又は途中の粉粒状洗剤の供給経路で生じる水蒸気が粉粒状洗剤の供給経路へ逆流するのを防止することを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。
前記混合器に、当該混合器内での供給水の流水状態を検知する水流センサーが設けられてなり、流水状態が異常である場合に、前記水流センサーからその異常の旨の検知信号を受けて供給スクリューの軸回転を停止することを特徴とする請求項１乃至６のいずれか一に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。
前記混合器に、当該混合器内での供給水の水位状態を検知する水位センサーが設けられてなり、水位状態が異常である場合に、前記水位センサーからその異常である旨の検知信号を受けて当該供給装置における全ての動作を停止することを特徴とする請求項１乃至７のいずれか一に記載された粉粒状洗剤の自動供給装置。