JP4485666B2 - 米貯蔵タンクの回転式計量升切り機構 - Google Patents

米貯蔵タンクの回転式計量升切り機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、米貯蔵タンクの底部に配置される回転式計量升切り機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
米貯蔵タンクから所定量の米を升切り流出させる回転式計量升切り機構は、底部に流出口を有する米貯蔵タンクと、その下に配置され上下に開口した無底の計量升を有する回転計量部と、計量部の底を構成し計量された米を下方に流出させるための開口を有する計量受けからなる。この回転式計量升切り機構では、回転計量部を回転させることにより、前記流出口を通して米が米貯蔵タンクから計量升に流入し、計量升に満たされた米が米貯蔵タンクの底部で升切りされ、続いて前記開口を通して下方に流出するようになっている。
【0003】
図5〜8は出願人が先に出願した特願2000−69559に開示した回転式計量升切り機構を示すもので、撹拌式無洗米機(要部のみ示す)の上に設置されている。
この回転式計量升切り機構は、米貯蔵タンク1、回転計量部2及び計量受け3からなり、米貯蔵タンク1は米を収容する上部構造4と計量升切り機構の一部をなす底部構造5からなる。
【0004】
底部構造5は、図6に示すように、すり鉢状に傾斜した流下壁6と、その中心に上向きに突出して形成された軸受け7を備え、軸受け7の両側位置には流下壁6に流出口8が開口している。流下壁6の下面には筒状壁9が下方に向けて形成され、前記流出口8はこの筒状壁9の一部と軸受け7から筒状壁9まで放射方向に形成された所定厚みの両側壁10、11及び軸受け7を構成する壁部の一部で周囲を画定されて筒状をなし、その下端は1つの水平面上にある。
【0005】
回転計量部2は、図7に示すように、流出口8の下端面に当接する水平な天板12、天板12の周囲に形成された上部筒状部13、天板12の下部に形成された下部筒状部14、及び上部筒状部13の外周全体に形成された歯車15を備え、天板12には中心に軸穴16が形成され、かつ軸穴16の周囲に計量升17の穴が4つ円陣状に開口している。この計量升17は、天板12に形成された穴を上部開口17aとし、下部筒状部14の一部と軸穴16から下部筒状部14まで放射方向に形成された両側壁18、19及び軸穴16を構成する壁部の一部で周囲を画定されて筒状をなし、その下端は水平面内にある。歯車15は図示しないモータに設置された歯車と噛み合い、該モータの駆動で回転する。
【0006】
計量受け3は、図8に示すように、計量升17の下端が当接する水平な受け板21と、その中心に立設する中心軸22、及び筒状部23からなり、受け板21には中心軸22の両側位置かつ筒状部23の内側に開口24が形成されている。
中心軸22は回転計量部2の軸穴16に遊嵌し、かつ底部構造5の軸受け7にはまり込み、回転計量部2は中心軸22を中心として回転自在であり、底部構造5は中心軸22に対し中心位置を位置決めされ、中心軸22の上部突起22aと軸受け7の溝7aの嵌合により両者の間に相対的な回転はない。
【0007】
撹拌式無洗米機は、糠容器25、その内側に設置された精米ホッパー26、その内部に設置された撹拌部材27等からなり、前記計量受け3がこの撹拌式無洗米機の上蓋として配置されている。
精米ホッパー26の側壁及び底壁のほぼ全面が多数の小孔が形成された除糠部とされ、この小孔を通して精米から剥離された糊粉層などが糠容器25内に落下する。精米ホッパー26の精米排出開口28は、図示しないソレノイド等により進退する弁体29により通常は閉じられている。糠容器25の前記精米排出開口28に対応する箇所には、精米の排出通路となる精米開口31が形成され、別の箇所に糠の排出通路となる糠開口32が形成され、これは図示しない吸引装置につながっている。
【0008】
また、撹拌部材27は、円板状の座33とその中心に上向きに形成された回転軸受け34、及び回転軸受け34に放射方向の連結部35を介して連結された筒状撹拌翼36からなり、回転軸受け34には図示しないモータの回転軸が嵌合している。座33の外径は精米ホッパー26の内径よりやや小さく設定され(米が噛み込まない程度の微小隙間がある)、米は常に座33の上で撹拌され、その上面は精米排出開口28と同じ高さかやや高めに設定される。
【0009】
この装置において、米貯蔵タンク1に精米を入れた状態で回転計量部2を所定角度回転させると(回転方向を図6に矢印で示す)、底部構造5の流出口8が開いて精米が計量升17内に流下し、計量升17内を満たした精米は回転計量部2の回転に伴い上部開口17aに沿って底部構造5の升切り部(流出口8を構成する両側壁のうち、回転計量部2の回転方向前方側の側壁10の下端)により升切りされる。このとき、計量升17の下端開口は計量受け3の受け板21で閉塞されている。さらに回転計量部2が回転し計量升17が計量受け3の開口24上に移動してくると、計量升17内の精米は開口24を通して下方の撹拌式無洗米機の精米ホッパー24内に流下する。
【0010】
ここで撹拌部材27のモータを作動させ、同時に吸引装置を作動させると、精米は精米ホッパー26内で撹拌研米され、精米から剥離された糊粉層などは吸引装置により精米ホッパー26の小孔を通って糠容器25内に入り、糠開口32から吸引排出される。予定の研米レベルに達すると弁体29が後退し、精米ホッパー26内で撹拌されている精米は遠心力で精米排出開口28及び精米開口31を通り排出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記回転式計量升切り機構において、升切りは、計量升17の上部開口17aに沿って底部構造5の升切り部(流出口8を構成する側壁10の下端)により行われるが、計量升17と底部構造5の双方とも剛体であるため、計量升17を満たした米が升切りされる際に、計量升17の上部開口17aの回転後方側のエッジと側壁10の下端の間に挟まれた米粒Rは、回転計量部2の回転力によりせん断されるか(図9(a)→(b)参照)、流出口8側又は計量升17側に逃げるしかない。
【0012】
米粒Rの噛み込みによる回転計量部2の停止を避けるためには、米粒Rをせん断するだけの相当の回転力をもつ駆動装置を必要とし、また米粒が割れることで砕米が増えるという問題がある。一方、米粒の割れを防止するには逃がしが必要であり、この逃がしを作るために流出口8の下端開口と計量升17の上部開口17aに隙間を設けると、この隙間に逃げた米粒は計量誤差分となり、かつ撹拌式無洗米機の振動等によりこの隙間から漏れ出た米粒が精米ホッパー26内に流入するという問題がある。
本発明は、従来の回転式計量升切り機構の上記問題点に鑑み、計量誤差が少なく、升切りの際に米粒が噛み込まれて割れたりすることがなく、同時に回転計量部の駆動装置として回転力が小さく安価なものを用いることができる回転式計量升切り機構を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、底部に流出口を有する米貯蔵タンクと、その下に配置され上下に開口した無底の計量升を有する回転計量部と、計量部の底を構成し計量された米を下方に流出させるための開口を有する計量受けからなり、回転計量部を回転させることにより、前記流出口を通して米が米貯蔵タンクから計量升に流入し、計量升に満たされた米が米貯蔵タンクの底部で升切りされ、続いて前記開口を通して下方に流出するようになっている米貯蔵タンクの回転式計量升切り機構において、前記米貯蔵タンクの底部の流出口が壁部で周囲を画定されて筒状をなし、前記筒状の流出口の升切り部可撓性を有する弾性部材で構成され、前記流出口の下端面が前記弾性部材を含めて1つの水平面上にあり、前記回転計量部は前記流出口の下端面に当接する水平な天板を有し、前記計量升は前記天板に形成された穴を上部開口とすることを特徴とする。この弾性部材として、例えばブラシを利用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る回転式計量升切り機構を撹拌式無洗米機の上に設置したものであり、図5に示す装置と異なる点は、底部構造35の流出口38の下端の構造のみである(図5と同じ箇所には同じ番号を付している)。より具体的には、底部構造35の升切り部のみである。
図1〜4に示すように、底部構造35では、従来の底部構造5における側壁10に相当する側壁40の下端に、取付穴42を有する板体43に植えられた升切りブラシ44がボルト45を介して下向きに固定されている。側壁40の下端が従来の底部構造5における側壁10の下端よりやや上位置とされ、その下を前記升切りブラシ44(及び板体43)が埋め、流出口38は、この側壁40及び升切りブラシ44と、側壁41、筒状壁39の一部及び軸受37の一部で画定され筒状をなし、従来の底部構造5と同じく、これらの下端は1つの水平面上にある。この升切りブラシ44が本機構において升切り部を構成する。
【0015】
この升切りブラシ44は力が加わると弾性的に撓み変形し得る弾性体からなり、従って、図4(a)に示すように、升切りの際に、米粒Rが計量升17の上部開口17aの回転後方側のエッジと升切りブラシ44の間に挟まれても、図4(b)に示すように升切り部(升切りブラシ44)の方が撓み変形して逃げ、ここで米粒Rを噛み込むようなことはない。従って、米粒Rが割れることがなく砕米が減る。計量升17が升切り部(升切りブラシ44)を通過すると、挟まれていた米粒Rは計量升17内に入り、升切りブラシ44は元の形状(下向き)に復帰する。この機構では、升切りブラシ44の下端と計量升17の上部開口17aに隙間を設ける必要がないから、振動等によりそこから米粒Rが漏れ出るようなことはなく、計量誤差は生じない。
なお、升切りブラシ44の代わりに、他の撓み変形し得る弾性体、例えばゴム板、スポンジ等を用いることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の回転計量升切り機構によれば、升切りの際に米粒が噛み込むことがないから、砕米が減り、回転計量部を回転駆動するモータも回転力の小さい安価なものを用いることができる。また、ブラシの下端と計量升の間に隙間を設ける必要がなく、計量誤差が生じにくい利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 撹拌式無洗米機に適用した本発明に係る回転式計量升切り機構の断面図である。
【図2】 その米貯蔵タンクの底部構造の平面図(a)及び底面図(b)である。
【図3】 升切りブラシの斜視図である。
【図4】 升切り部に設置したブラシの作用を説明する概念図である。
【図5】 撹拌式無洗米機に適用した従来の回転式計量升切り機構の断面図である。
【図6】 その米貯蔵タンクの底部構造の平面図(a)及び底面図(b)である。
【図7】 回転計量部の斜視図である。
【図8】 計量受けの斜視図である。
【図9】 従来の升切り部の作用を説明する概念図である。
【符号の説明】
1 米貯蔵タンク
2 回転計量部
3 計量受け
4 米貯蔵タンクの上部構造
8 流出口
12 天板
15 歯車
17 計量升
17a 計量升の上部開口
21 受け板
24 開口
25 糠容器
26 精米ホッパー
27 撹拌部材
28 精米排出開口
29 弁体
32 糠開口
35 米貯蔵タンクの底部構造
38 流出口
40、41 側壁
43 板体
44 升切りブラシ

Claims (2)

  1. 底部に流出口を有する米貯蔵タンクと、その下に配置され上下に開口した無底の計量升を有する回転計量部と、回転計量部の底を構成し計量された米を下方に流出させるための開口を有する計量受けからなり、回転計量部を回転させることにより、前記流出口を通して米が米貯蔵タンクから計量升に流入し、計量升に満たされた米が米貯蔵タンクの底部で升切りされ、続いて前記開口を通して下方に流出するようになっている米貯蔵タンクの回転式計量升切り機構において、前記米貯蔵タンクの底部の流出口が壁部で周囲を画定されて筒状をなし、前記筒状の流出口の升切り部可撓性を有する弾性部材で構成され、前記流出口の下端面が前記弾性部材を含めて1つの水平面上にあり、前記回転計量部は前記流出口の下端面に当接する水平な天板を有し、前記計量升は前記天板に形成された穴を上部開口とすることを特徴とする米貯蔵タンクの回転式計量升切り機構。
  2. 前記弾性部材がブラシであることを特徴とする請求項1に記載された米貯蔵タンクの回転式計量升切り機構。
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