JP3994384B2 - 撹拌式精穀機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、米穀類の表面から糠を除去し、精穀された米穀類と糠を分離回収する撹拌式精穀機(精米機、研米機等)において、精穀ホッパーの内部で回転して米穀類を撹拌する撹拌部材を設置した撹拌式精穀機に関する。
【0002】
【従来の技術】
撹拌式精穀機の精穀ホッパー内で回転する撹拌部材として、特開2001−149802、特開2001−259445及び特開2002−224577には、円盤状の回転座と該回転座の上に設置された撹拌部からなる撹拌部材が記載されている。この撹拌部材において、回転座は精穀ホッパーの底壁を被う外径を有し、該底壁の上方に該底壁から所定の隙間を開けて配置され、精穀ホッパー内に投入された米穀類は底壁上でなく全て回転座上に留まるようになっている。また、撹拌部は、回転座上に放射状に形成された突状、回転座の上に所定の隙間を開けて配置されたブラシ状の筒状体など、種々の形態のものがある。
【0003】
上記撹拌部材の回転座は、精穀ホッパーの内部にその側壁内面と接触しないように僅かな隙間を介して配置されている。従って、米穀類は精穀後のものも含めてこの隙間に侵入して噛み込んだり、この隙間から精穀ホッパーの底壁上に落下することはないが、糠粉や米穀類の小破片の一部又は微小な砂粒などの夾雑物がこの隙間を通って落下し、精穀ホッパーの底壁上に蓄積する。
この糠粉等が溜ったまま使用を続けていると虫やカビが発生して不衛生であり、また、撹拌部材を外して清掃するのは面倒であるため、特開2001−259444では、精穀ホッパーの底壁に糠排出用の穴(夾雑物排出口)を形成し、この穴を糠吸引装置に連通させ、底壁上に落下する糠粉や小石などを、この穴から吸引・排出する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、糠粉は粘着性を有し、凝集して精穀ホッパーの底壁に付着しやすいため、吸引力が作用しても実際には前記糠排出用の穴から簡単には排出されず、精穀ホッパーの底壁には糠粉等が溜ったままになってしまう。
本発明は、従来の精穀機の上記問題点に鑑みてなされたもので、精穀ホッパーの底壁に落下する糠粉等が、該底壁に形成した糠排出用の穴から排出され該底壁上に溜らないようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底壁及び側壁に糠排出用の穴を有する精穀ホッパーと、該精穀ホッパーの内部で回転して米穀類を撹拌し、その表面から糠を除去する撹拌部材を備え、精穀された米穀類と糠を分離回収するようにした撹拌式精穀機において、前記撹拌部材は、前記底壁から所定の隙間を置いて配置された円盤状の回転座と、該回転座上に設置された撹拌部と、前記回転座の下面に設置された掃き出し部からなることを特徴とする。掃き出し部は精穀ホッパーの底壁上に落下した糠粉等を該底壁に形成された糠排出用の穴へ掃き出す作用をするもので、その下端が精穀ホッパーの底壁に達する可撓性の材質の部材、特にブラシ状の部材である。
上記攪拌式精穀機は、望ましくは、除去された糠を前記糠排出用の穴を通して吸引・排出する糠吸引装置を備える。また、前記撹拌部材は、例えば前記精穀ホッパーの底壁を被う外径を有する。
なお、本発明は、玄米を精米する精米機、精米をさらに研米する研米機あるいは無洗米機等のほか、穀類の撹拌式精穀機一般に適用し得る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を参照して、本発明に係る撹拌式精穀機及び撹拌部材について説明する。
図1は撹拌式研米機の例であり、精穀ホッパーに相当する研米ホッパー1と、その中で回転して米を撹拌し糠を除去(研米)する撹拌部材2と、研米ホッパー1の周囲を一部隙間を置いて取り囲み、減圧室4及び糠吸引装置5に連通する吸引開口3aを有し、米容器6に通じる排出開口3bを有する糠ケース3と、糠ケース3の上部を覆う蓋7と、攪拌部材2を回転させるモータ8等からなる。減圧室4には糠収集袋9が設置される。
【0008】
研米ホッパー1は、図2に示すように、円筒状の側壁に多数の糠排出用穴1aが形成された除糠部1b及び米取出口1cを有し、水平な底壁の外周近傍に糠排出用穴1dを有する。研米ホッパー1を糠ケース3内にセットしたとき、米取出口1cが糠ケース3の排出開口3bと重なり、該排出開口3bには排出扉3cが取り付けられている。また、除糠部1bと糠排出用穴1dの周囲には、前記吸引開口3aに連通する隙間3dが形成されている。
【0009】
撹拌部材2は、図3に示すように、研米ホッパー1の底壁を被う外径を有する円盤状の回転座11と、回転座11上に所定の隙間を開けて設置された円筒状の撹拌部12と、回転座11の水平な下面に設置されたブラシ状の掃き出し部13からなる。回転座11は、研米ホッパー1の底壁の上方に該底壁から所定の隙間を開けて配置され、かつ研米ホッパー1の側壁内面と接触しないように研米ホッパー1の側壁の内壁よりやや小さい外径に設定され、研米ホッパー11の内部に僅かな隙間を介して配置されている。撹拌部12は、連結部12bを介して回転座11上に設置され、外周がブラシ状とされている。掃き出し部13は可撓性の素材で形成されたブラシ状の部材からなり、これが回転座11の下に放射状に取り付けられて該回転座11の外周に達し、ブラシの先端が研米ホッパー1の底壁に接触している。
【0010】
この撹拌式研米機では、研米ホッパー1に所要量の精米を入れ(精米は回転座11上に乗る)、撹拌部材2を高速で回転させて撹拌し、同時に糠吸引装置5を作動させると、図4に示すように、研米ホッパー1内で円筒状の撹拌部12の内側と外側を巡る循環(矢印で示す)をしながら撹拌研米される。米から剥離された糠粉aなどは糠吸引装置5による吸引作用で、研米ホッパー1の側壁に形成された糠排出用穴1aを通り抜け、さらに糠ケース3の吸引開口3aを通って糠収集袋9に回収される。また、研米ホッパー1の側壁と回転座11の隙間を通って研米ホッパー1の底壁上に落下した糠粉bなどは、回転する掃き出し部13の掃き出し作用で糠排出用穴1dに達し、さらに糠吸引装置5による吸引作用が加わって糠排出用穴1dから掃き出され、吸引開口3aを通って糠収集袋9に回収される。
一方、研米された米は、排出扉3cが開いたとき、撹拌部材2により与えられる遠心力により、研米ホッパー1の米取出口1c及び糠ケース3の排出開口3bを通って米容器6に排出される。
【0011】
図5は、本発明に係る別の撹拌部材を示すものである(ただし、掃き出し部は図示されていない)。図5の撹拌部材14は、回転座15が前記撹拌部材2と同じく平板状の円盤からなり、撹拌部16が回転座15上に形成された螺旋放射状の突状からなる。攪拌部材14は、掃き出し部を除けば、公知の形態を有している。
【0012】
図6及び図7は本発明に係る別の攪拌式研米器の要部を示す。この攪拌式研米器は、研米ホッパー21と、その中で回転する撹拌部材22と、研米ホッパー21の周囲を隙間を置いて取り囲み、図示しない減圧室及び糠吸引装置に連通する吸引開口23aを有する糠ケース23と、研米ホッパー21の下方に設置した米容器24と、糠ケース23の上部を覆う蓋25等を備える。
研米ホッパー21は、円筒状の側壁に多数の糠排出口21aが形成され、底壁の中央部21bが水平でやや低く、外周部21cが中央部21bに向けて下向きに傾斜し、外周部21cは昇降可能とされている。底壁の中央部21bには糠排出口21dが形成され、これが前記減圧室及び糠吸引装置に連通し、その中心を軸受26を介してモータ軸27が貫通し、該モータ軸27の先端に前記攪拌部材22が装着されている。
【0013】
攪拌部材22は、詳しくは図8にも示すように、円錐状の回転座31と、回転座31上に設置された攪拌部(攪拌羽根)32と、回転座31の水平な下面に設置されたブラシ状の掃き出し部33(図8には図示されていない)からなる。回転座31は、研米ホッパー21の側壁の径より小さく、底壁の中央部21bの径とほぼ同程度の径とされ、かつ該底壁から所定の隙間を開けてその上方に配置されている。この隙間は研米された精米の径より十分に小さく、糠粉等は入り込むが精米は入り込めないようになっている。掃き出し部33は可撓性の素材で形成されたブラシ状の部材からなり、これが回転座31の下に放射状に取り付けられて該回転座31の外周に達し、ブラシの先端が研米ホッパー21の底壁の中央部21bに接触している。
【0014】
この撹拌式研米機では、ホッパー21に所要量の精米を入れ、撹拌部材22を高速で回転させて撹拌し、同時に図示しない糠吸引装置を作動させると、精米は研米ホッパー21内で撹拌研米され、一方、米から剥離された糠粉などは前記糠吸引装置による吸引作用で、研米ホッパー21の側壁に形成された糠排出用穴21aを通り抜け、さらに糠ケース23の吸引開口23aを通って図示しない糠収集袋に回収される。また、研米ホッパー21の底壁上に落下した糠粉などは、底壁の外周部21c上から中央部21b側に集まり、回転座31の下に入り込み、回転する掃き出し部33の掃き出し作用で糠排出用穴21dに達し、さらに前記糠吸引装置による吸引作用が加わって糠排出用穴21dから掃き出され、前記糠収集袋に回収される。
一方、研米された米は、攪拌部材22の回転が停止した後、底壁の外周部21cが下降することにより、下方の米容器に落下し、回収される。
【0015】
なお、上記の例では、撹拌部材2,22の掃き出し部13、33はブラシ状の部材で、その先端が研米ホッパー1、21の底壁にちょうど接触する長さであったが、もう少し長く、回転時に引きずる程度にしてもよい。設置する個数も任意でよい。
また、上記の例では、本発明の撹拌部材を糠吸引装置を備える撹拌式研米機に適用したが、例えば特開2001−149802の図面に記載されたように、糠吸引装置がなく、糠排出用穴から排出された糠が糠容器内に落下するタイプの撹拌式研米機にも適用することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る撹拌式精穀機によれば、精穀ホッパーの底壁に落下する糠粉等が、該底壁に形成した糠排出用の穴から排出され、該底壁上に溜らないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る撹拌式研米機の断面模式図である。
【図2】 その撹拌式研米機に用いられた研米ホッパーの斜視図である。
【図3】 その撹拌式研米機に用いられた撹拌部材の上面側斜視図(a)及び下面側斜視図(b)である。
【図4】 その撹拌式研米機における米の循環と糠の排出を説明する模式図である。
【図5】 本発明に係る他の撹拌部材の上面側斜視図である。
【図6】 本発明に係る他の攪拌式研米器の要部断面模式図である。
【図7】 その底壁加工時の様子を示す断面模式図である。
【図8】 本発明に係る他の撹拌部材の上面側斜視図である。
【符号の説明】
1、21 研米ホッパー
1a、1d、21a、21d 糠排出用穴
2、14、22 撹拌部材
3、23 糠ケース
4 減圧室
5 糠吸引装置
9 糠収集袋
11、15、31 回転座
12、16、32 撹拌部
13、33 掃き出し部

Claims (4)

  1. 底壁及び側壁に糠排出用の穴を有する精穀ホッパーと、該精穀ホッパーの内部で回転して米穀類を撹拌し、その表面から糠を除去する撹拌部材を備え、精穀された米穀類と糠を分離回収するようにした撹拌式精穀機において、前記撹拌部材は、前記精穀ホッパーの底壁から所定の隙間を開けて配置された円盤状の回転座と、該回転座上に設置された撹拌部と、前記回転座の下面側に設置された掃き出し部からなり、前記掃き出し部は可撓性の材質からなるブラシ状の部材でありその先端が精穀ホッパーの底壁に接触していることを特徴とする撹拌式精穀機。
  2. 前記掃き出し部が前記回転座の下面側に放射状に設置されかつ前記回転座の外周に達することを特徴とする請求項1に記載された攪拌式精穀機。
  3. 除去された糠を前記糠排出用の穴を通して吸引・排出する糠吸引装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載された撹拌式精穀機。
  4. 前記攪拌部材の回転座は前記精穀ホッパーの底壁を被う外径を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された攪拌式精穀機。
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