JP4473106B2 - 入賞装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入賞装置及び弾球遊技機に関する。
一般に、パチンコ遊技機等の弾球遊技機には、ハンドル操作によって遊技球を発射する発射装置が設けられ、この発射装置によって発射された遊技球が特定入賞口(始動入賞口)を通過するのに応じて、表示装置に表示される特別図柄の変動(電子的な当否抽選)が開始される。そして、当否抽選の結果当選した場合には、表示装置に所定の特別図柄の組み合わせが表示され、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、特別入賞口(大入賞口)が開閉して遊技球を受け入れるので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
特開平5―84342号公報
上記従来の弾球遊技機では、遊技球は、遊技盤とガラス板との間に区画された遊技領域を落下し、特別入賞口の開口は、その下端部が遊技盤に対して回転自在に支持された扉部材によって開閉される。扉部材は、特別入賞口を閉止する閉位置で遊技盤と略平行となり、この閉止位置から遊技盤の前方(ガラス板側)へ回転することにより、特別入賞口を開放する開位置へ移動する。この開位置では、扉部材の上面によって遊技球が捕集され特別入賞口へ案内される。また、落下する遊技球を良好に捕集して特別入賞口へ案内するように、開位置の扉部材は、前上方へ傾斜し、且つその先端がガラス板に近接する。また、遊技盤とガラス板との距離は、遊技球が容易に落下移動するように遊技球の直径よりも大きく設定されている。このため、開位置において前上方へ傾斜する扉部材の先端をガラス板に近接させるためには、扉部材の上下方向(縦方向)の高さを遊技球の直径に比してかなり大きく設定する必要が生じる。
また、特別入賞口の開口の高さ(上下幅)を遊技球の進入を許容する最小限の大きさに設定したまま、扉部材の高さのみを大きく設定すると、扉部材によって案内される遊技球が開口の周縁部分で滞留したり、扉部材の閉移動時に開口の周縁部分と扉部材との間で挟まり易くなり、遊技球が特別入賞口へ良好に案内されない可能性が生じる。このため、開口の上下幅も、扉部材の高さに合わせて大きく設定する必要がある。
しかし、開口の上下幅の増大化は、遊技領域における特別入賞口の占有面積の増大を招き、遊技領域を構成する他の部品、例えば、遊技者の興趣を高めるCRTやLCD等の表示装置の配置に制約が生じてしまう。
また、上記扉部材では、落下する遊技球が開位置の扉部材の上面に勢いよく当接すると、その反動により扉部材が瞬間的に閉方向へ回転移動して半閉じ状態となり、遊技球の入賞の機会を不当に低減させてしまう可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、開口の上下幅を小さく抑えつつ遊技球を開口へ円滑且つ確実に案内すると共に、開口の開放状態を確実に維持することが可能な入賞装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る入賞装置は、遊技盤の盤面と該盤面の前方を覆うカバー部材との間に区画された遊技領域に遊技球を発射して遊技する弾球遊技機の遊技盤に固定される入賞装置であって、入賞領域と、可動扉部材と、駆動手段とを備える。入賞領域は、遊技領域に対して開放された開口を有する。可動扉部材は、遊技盤の盤面と交叉する前後方向に沿って入賞領域の開口から出没移動自在に設けられ、入賞領域側となる後方の閉位置では、開口から入賞領域への遊技球の移動を阻止し、閉位置よりも遊技領域側となる前方の開位置では、開口から入賞領域への遊技球の移動を許容する。駆動手段は、可動扉部材を、閉位置と開位置との間で往復移動させる。
上記構成では、可動扉部材は、入賞領域の開口から出没移動することによって開口を開閉する。このため、開位置においてその先端縁がカバー部材と近接するように可動扉部材の移動量を設定することにより、可動扉部材の上面によって遊技球を良好に捕集することができる。すなわち、可動扉部材の高さ方向の大きさを、遊技盤の盤面とカバー部材との距離に応じて設定する必要がない。従って、開口の上下方向の大きさ(上下幅)を、遊技球の進入を許容する最小限の大きさに設定しつつ、遊技球を開口から遊技領域へ良好に案内することができる。この結果、遊技領域における入賞装置の占有面積の増大を抑えることができ、遊技領域を構成する他の部品、例えば、表示装置を構成するCRTやLCD等のレイアウト上の制約を緩和することができる。
また、可動扉部材は、遊技球の落下方向と交叉する前後方向に移動することによって開口を開閉する。このため、落下する遊技球が開位置の可動扉部材の上面に当接した際の反力は、可動扉部材の閉移動方向とは全く相違する方向へ作用し、遊技球の当接によって開位置の可動扉部材が予定外に閉移動してしまうことがない。従って、可動扉部材が開位置に確実に保持され、遊技球の入賞の機会が不当に低減されることがない。
また、可動扉部材の上面を、入賞領域側から遊技領域側に向かって上方へ傾斜させてもよい。
上記構成では、可動扉部材の上面は、遊技領域側から入賞領域側に向かって下方へ傾斜する傾斜面を有しているので、開位置の可動扉部材の上面によって、落下する遊技球を円滑且つ確実に開口へ案内することができる。
また、可動扉部材の移動方向を、入賞領域側から前記遊技領域側に向かって上方へ傾斜させてもよい。
上記構成では、可動扉部材が開位置から閉位置へ移動する際に、可動扉部材の上面が斜め下方に移動する。このため、閉移動中の可動扉部材の上面に当接する遊技球を、その落下方向を大きく変更させることなく、円滑且つ確実に開口へ案内することができる。
また、可動扉部材が開位置にあるとき、可動扉部材の前方の先端縁をカバー部材に近接させてもよく、可動扉部材の先端縁の上部を、曲面形状としてもよい。
上記構成では、可動扉部材がカバー部材に向かって前方に移動する際に、カバー部材と可動扉部材の先端縁との間に落下中の遊技球が存在する場合であっても、可動扉部材の先端縁及び遊技球の双方の曲面形状によって、遊技球は可動扉部材の上方又は下方へ良好に逃げる。従って、可動扉部材が開位置へ移動する際に、可動扉部材とカバー部材との間に遊技球が挟まることを確実に防止することができる。
また、入賞装置は、入賞領域を有し、駆動手段が固定され、且つ遊技盤に対して固定される本体と、駆動手段と可動扉部材とを連結する連結機構と、を備えてもよく、可動扉部材は、本体に対して移動自在に設けられ、連結機構は、前記可動扉部材に対して回転自在に支持される一端を有する第1リンク部材と、本体に対して回転自在に支持される一端と第1リンク部材の他端に回転自在に連結される他端とを有する第2リンク部材と、を有し、第2リンク部材の一端は、可動扉部材が閉位置にあるとき第1リンク部材の一端よりも後方で且つ該第1リンク部材の一端と近接する位置に配置され、駆動手段は、第1リンク部材の他端と第2リンク部材の他端との連結部を移動させ、第2リンク部材の一端に対する第1リンク部材の一端の位置を変更することにより、可動扉部材を往復移動させてもよい。
上記構成では、駆動手段の駆動力は、第1リンク部材の他端と第2リンク部材の他端との連結部を介して第1リンク部材及び第2リンク部材に回転運動を生じさせる。そして、この回転運動は、第1リンク部材の一端により前後方向の直線的な運動に変換され可動扉部材に伝達される。これにより、駆動手段による連結部の移動量は、第1リンク部材及び第2リンク部材の回転運動から第1リンク部材の一端の直線運動に変換される。このような連結機構を設けることによって、駆動手段による連結部の移動量よりも可動扉部材の移動量を増大させることができる。すなわち、大きな移動量を確保するために、駆動手段による移動量を増大させる必要がないので、入賞装置本体を小型化することができる。従って、駆動手段と可動扉部材との間に連結機構を介在させるという簡単な構成によって、遊技盤の後面側(盤面と反対となる裏面側)における入賞装置の小型化を図ることができる。
また、予め定められた所定の契機により電子的な抽選を実行し、該抽選の結果に応じて駆動手段を制御する制御手段を備えた弾球遊技機に、上記入賞装置を適用してもよい。
本発明によれば、入賞装置の開口の上下幅を小さく抑えつつ遊技球を開口へ円滑且つ確実に案内すると共に、開口の開放状態を確実に維持することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る弾球遊技機の構成及び動作について説明する。この弾球遊技機は、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技者は、遊技球の供給に基づいて遊技を行う。
なお、本実施形態では、図1に示すような、現金等の対価を支払って遊技機設置営業店から遊技者が購入したプリペイドカードをプリペイドカードユニット(以下、CRユニットと称す)1に読み込ませることにより、遊技に使用する遊技球を借り受ける形態下で遊技者が遊技する遊技機の構成及び動作について説明する。より具体的には、この遊技機は、図3に示すように、借り受けた遊技球が予め定められた特定入賞口(スタートチャッカー、始動入賞口)2に受け入れられ入賞状態になった時に電子的な当否抽選を行い、抽選の結果が当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態となるように、大入賞口である特別入賞口(開口)3を遊技球が入賞し易い状態にする弾球遊技機(以下、遊技機と称す)である。但し、本発明は、本実施形態の遊技機に拘らず、例えば、風俗営業の適正化等の規制及び業務の適性化等に関する法律(風営適正化法)及び同法施行規則において、パチンコ遊技機又は回胴式遊技機として区分されているものについても適用可能である。
[遊技機の構造概略]
本実施形態の遊技機は、外部的構造として、外枠(木枠)4、本体部材(本体)5、開口枠扉6、遊技盤7、球受皿付き扉8、球受皿9、回動式操作ハンドル(球発射ハンドル)10、球貸し関係操作部11、及び球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12等をその前面側に備えている。また、この遊技機は、内部的構造として、主制御装置13(制御手段)、副制御装置14、遊技球払出装置15、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、回収通路部材18、貯留タンク19、遊技球を払い出すときに用いる通路部材(賞球口)20、及びその他、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23等をその後面側に備えている。
以下、図1〜図7を参照して、本実施形態の遊技機の構成を、外部的構造、内部的構造、遊技領域の構成、及び電気的構成の順に詳しく説明する。
〔外部的構造〕
始めに、本実施形態の遊技機の外部的構造について説明する。
前記外枠4は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
前記本体部材5は、外枠4の内部に備えられ、ヒンジ部26を介して外枠4に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体部材5は、枠状に形成され、内側に空間部を有している。
前記開口枠扉6は、ロック機能25付きで且つ開閉自在となるように遊技機の前面側となる本体部材5の前面に対しヒンジ部26を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部27とした扉部材である。なお、この開口枠扉6には、開口部27に対向してガラス製又は樹脂製の透明板部材(カバー部材)28が設けられ、さらに、開口部27近傍には、枠扉関係の電飾29やスピーカ30が取り付けられている。
前記遊技盤7は、その盤面に遊技領域31を有し、本体部材5の空間部に臨むように、所定の固定部材を用いて本体部材5に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域31は、遊技盤7を本体部材5に装着した後、開口部27から観察することができる。
前記球受皿付き扉8は、遊技機前面において本体部材5の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。なお、本実施形態では、球受皿付き扉8には以下の部材が取り付けられている。
(1)複数の遊技球が貯留可能で且つ、発射駆動装置23へと遊技球を案内させる通路が設けられた球受皿9。
(2)発射駆動装置23へと案内された遊技球を遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出す操作を行う、遊技球の発射停止ボタン10aを備えた回動式操作ハンドル10。
(3)プリペイドカード読み込み処理関係、及び遊技者が借り受ける遊技球(以下、貸球と称す)の貸し出し処理関係の指示を行うボタンを備えた球貸し関係操作部11。
(4)球受皿9に貯留させた遊技球を遊技者が遊技球収集容器80(俗称、ドル箱)へと排出させるための球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12。
〔内部的構造〕
次に、本実施形態の遊技機の内部的構造について説明する。
前記主制御装置13は、本発明に係る制御手段として機能し、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられている。この主制御装置13は、電気的な遊技制御の処理を行い、主要な処理情報を生成する。
前記副制御装置14は、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられ、主制御装置13が生成した処理情報に従って、所定の出力態様処理を実行させる制御を行う装置である。なお、詳しくは後述するが、副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dを有する。
前記遊技球払出装置15は、予め定められた入賞条件が成立するのに応じて遊技利益として所定数の遊技球を払出す(以下、賞球と称す)駆動源を備えた装置である。
前記球貸信号制御装置16は、プリペイドカード読み込み処理関係、及び貸球の貸し出し処理関係の制御を行う装置である。
前記可動物制御装置17は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技領域31内に配設された複数の可動物(例えば、可動片44、可動扉部材64、入賞領域振分物、演出用移動物等)を作動状態にするための装置であり、複数の可動物に対応して個別に設けられている。なお、本実施形態の可動物制御装置17は、可動片駆動装置、可動扉駆動装置(駆動手段)62、入賞領域振分駆動装置、及び演出用移動物駆動装置を有する。
前記回収通路部材18は、回動式操作ハンドル10によって遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出された遊技球を遊技盤7の裏側へと回収する通路(俗称、集合樋)となる部材である。
前記遊技球を払い出す時に用いる通路部材20は、球受皿9に賞球又は貸球を案内する通路となる部材である。
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて遊技機内の各制御装置に対して電力を供給する装置である。
前記発射制御装置22は、回動式操作ハンドル10を介して遊技球を遊技領域31へと打ち出す操作が行われた時に、発射作動間隔(例えば、1分間に遊技球を100球発射させるようにする等)の制御と、回動式操作ハンドル10の回動量に応じた遊技球の発射強度の調整を行う装置である。
前記発射駆動装置23は、発射制御装置22による打ち出し制御に応じて、遊技球の打ち出し駆動部を作動させ、遊技球を遊技領域31へと打ち出す装置である。
〔遊技領域の構成〕
次に、本実施形態の遊技機の遊技領域31の構成について説明する。
前記遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成され、回動式操作ハンドル10によって打ち出された遊技球の移動範囲を規制する領域である。なお、遊技球規制レール33は前記ガイドレール32に連続的に接続するように構成され、ガイドレール32と遊技球規制レール33は全体として螺旋をなして遊技盤7の盤面に配設されている。
また、遊技領域31内には、可変表示装置(特別図柄表示装置)34、LED(Light
Emitting Diode)表示装置35、ステージ36、所定入賞口(一般入賞口)37、所定通過口(スルーチャッカー)38,46、アウト口39、遊技釘96、風車40、特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42、盤面関係の電飾43等が設けられている。
前記可変表示装置34は、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた入賞口への遊技球の入賞等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別表示情報(例えば、図柄、キャラクタ、背景画像等)を可変表示させた後に停止表示する表示制御装置である。なお、この可変表示装置34には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、ドラム式表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグ表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置等の表示装置を適用することができる。
前記LED表示装置35は、遊技者への様々な情報をLEDにより表示する装置であり、例えば、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた通過口への遊技球の通過等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別点灯情報をLEDにより可変表示させた後に停止表示する。
前記ステージ36は、可変表示装置34の下方において遊技球を一時的に滞在状態とし、その後、遊技球の落下を許容する踊り場部を備えた構造物である。
前記所定入賞口37は、遊技領域31内における適宜な位置に複数設けられ、落下してくる遊技球を受け入れる開口部を備えた構造物である。なお、特定入賞口2及び特別入賞口3もこの所定入賞口37に含まれる。
ここで、前記特定入賞口2とは、複数の入賞口の何れかであって、入賞口の開口範囲の拡縮を行わせる電動式の可動片44を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、可変表示装置34に識別表示情報を可変表示させると共に、遊技者に賞球を獲得させる入賞口である。また、前記特別入賞口3とは、複数の入賞口の何れかであって、入賞口を露出させる開口状態と入賞口を閉鎖する閉口状態を生成する電動式の可動扉部材64を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、他の入賞口と比較して多くの賞球を遊技者に獲得させる入賞口である。なお、以下では、特定入賞口2及び特別入賞口3以外の複数の所定入賞口37をその他入賞口37と称する。
次に、図8〜図19を参照して、特別入賞口3を構成する特別入賞装置(入賞装置)60について詳しく説明する。
図8〜図17に示すように特別入賞装置60は、特別入賞装置本体(本体)60aと、特別入賞口3と、可動扉駆動装置62と、連結機構63と、可動扉部材64とを備えている。
特別入賞装置本体60aは、遊技盤7の遊技領域31の所定位置に配置され、取付基盤70と、ケース体71とを備え、これらは一体的に形成されている。取付基盤70は、遊技盤7の遊技領域31の所定位置に形成された開口(図示省略)より僅かに大きい略矩形状からなり、遊技盤7の表面に対しビス等により固定されている。ケース体71は、入賞領域77と、入賞検知領域78と、可動扉駆動装置取付部79とを有する。また、ケース体71は、遊技盤7の裏面から突出し、その外面底部71dは後方下側に向けて傾斜する。
入賞領域77は、特別入賞口3の後方で、ケース体71の内側の上面77aと底面77bと両側壁面77c,77cと奥壁面77dとによって区画されている。入賞領域77の奥壁面77dの遊技者から視て左側の部分には、遊技球97が通過可能な遊技球通過孔95が形成されている。また、入賞領域77の底面77bは、ケース体71の外面底部71dと略平行の傾斜面を有し、特別入賞口3から入賞領域77に進入した遊技球97が底面77b上を遊技球通過孔95に向かって転動する。入賞検知領域78は、遊技球通過孔95の後方に形成され、この入賞検知領域78には、特別入賞装置60に入賞した(特別入賞口3から入賞領域77に進入した)遊技球97の個数を検知する特別入賞球検知センサ47bが設けられている。また、特別入賞球検知センサ47bにより検知された遊技球97は、遊技領域31に打ち出された遊技球97を回収する遊技球回収部(図示省略)に送出される。可動扉駆動装置取付部79は、入賞領域77の後方に設けられ、この可動扉駆動装置取付部79には後述する可動扉駆動装置62がビス等により固定されている。
なお、ケース体71には、遊技球通過孔95の他に、このケース体71の奥壁面77dの遊技者から視て右側の部分に遊技球97が通過可能な第2の遊技球通過孔を形成し、この第2の遊技球通過孔の後方を特別入賞球検知センサ47bが設けられた入賞特定領域とし、入賞領域77に進入した遊技球97を入賞検知領域78と入賞特定領域とに振分ける入賞領域振分物を2つの遊技球通過孔の間の入賞領域77に設けてもよい。また、この場合、遊技球97が入賞特定領域を通過して、特別入賞球検知センサ47bにて検知されたことを条件として可動扉部材64を連続的に開口状態にしてもよい。
ケース体71には、両側壁部71aに前後方向で且つ入賞領域77の底面77bに対して略平行に形成された長孔72と、底面77bに前後方向に沿って形成された溝部73と、平面部71cで前後方向に沿って形成された長孔74とが形成されており、これらは後述する可動扉部材64のシャッター75のガイド部75eと、可動扉部材64のシャッターレバー76の底棒部76aと、第1リンク部材85のガイド軸85cとにそれぞれ係合する。
なお、本実施形態では、特別入賞装置本体60a自体を後方下側に向けて傾斜させ、ケース体71の内面床部を傾斜させたが、特別入賞装置本体60aを水平に配置し、入賞領域77の底面77bを後方下側に向けて傾斜させてもよい。
特別入賞口3は、遊技球97が通過可能な略矩形状の開口であり、特別入賞装置本体60aの取付基盤70の前方に形成されている。
可動扉駆動装置62は、特別入賞装置本体60aのケース体71の内側で駆動方向が左右方向の向きでビス等により固定され、可動部であるプランジャ80と、ソレノイド等の駆動部81と、コイルスプリング(図示省略)とを備えている。プランジャ80は、駆動部81から突出する略円柱形状の軸部80aと、該軸部80aの径より大きな略円盤形状の掛かり部としての先端部80bとを有し、一体的に形成されている。コイルスプリングは、プランジャ80の軸部80aの周囲に圧縮された状態で取付けられている。
駆動部81が励磁された状態では、プランジャ80が駆動部81の内側に引き込まれて保持される。また、非励磁状態では、コイルスプリングの付勢力によりプランジャ80が突出して保持される。また、可動扉駆動装置62は、後述する主制御装置13が生成した処理情報に従って作動する。
連結機構63は、スライド部材87と、第1リンク部材85と、第2リンク部材86と、連結部材(連結部)88とを備えている。
スライド部材87は、ベース部87aと、底棒部87bと、可動扉駆動装置62のプランジャ80の先端部80bに係合する取付部87cとを有し、これらは一体的に形成されている。ベース部87aは、可動扉駆動装置62側の側面が開口(図示省略)した中空の略箱形状を有し、その内側には略板形状のガイド板91が設けられている。ガイド板91は、可動扉駆動装置62の駆動方向に直交し且つ遊技盤7の前後方向に沿って形成される長孔90を有する。底棒部87bは、ベース部87aの底面から可動扉駆動装置62側に向けて突出して延びる略柱形状を有する。取付部87cは、断面略コ字形状で底棒部87bの端部から上方に突出し、可動扉駆動装置62のプランジャ80の先端部80bと係合する。
第1リンク部材85は、細長状の略板形状からなり、一端85aと、他端85bとを有する。一端85aには、上面と下面とから突出する略円柱形状のガイド軸85cと軸85dとがそれぞれ形成されている。他端85bには、軸挿通用孔(図示省略)が形成されている。ガイド軸85cは、ケース体71の平面部71cに前後方向に形成された長孔74に挿通され、軸85dは、後述する可動扉部材64のシャッターレバー76の把持部76cに係合されている。このため、可動扉部材64及び第1リンク部材85は、ガイド軸80cが長孔74に収まる範囲で長孔74の長径方向に沿って回転自在に移動する。
第2リンク部材86は、細長状の略板形状からなり、一端86aと、他端86bとを有する。一端86aには、軸挿通用孔(図示省略)が形成されている。この一端86aの軸挿通用孔にはピン等が挿通され、特別入賞装置本体60aに対して回転自在に支持されている。
連結部材88は、断面略L字形状からなり、平面に形成される軸挿通用孔(図示省略)と、平面の端部から下方に曲折して延びる曲折部88aとを有する。連結部材88は、第1リンク部材85の他端85bと第2リンク部材86の他端86bとに挟み込まれた状態で、第2リンク部材86に形成される軸86cを連結部材88と第1リンク部材85とのそれぞれに形成される軸挿通用孔に下方から挿通して回転自在に支持されている。
連結部材88の曲折部88aは、スライド部材87のベース部87aに形成される長孔90に係合し、可動扉駆動装置62の駆動に伴い長孔90の開口の範囲で長径方向(前後方向)に沿って移動自在に支持されている。
図14〜図16に示すように、可動扉部材64は、特別入賞口3から出没移動するシャッター75と、シャッターレバー76とを備えている。
シャッター75は、特別入賞口3の左右方向の幅より僅かに小さい幅を有し、入賞領域77の底面77b上を前後方向にスライド移動する下端部75aと、下端部75aの前方の端部から所定の角度で上方へ曲折して延びる曲折部75bと、下端部75aの後方に形成され後述するシャッターレバー76の突出部76dと係合するシャッターレバー取付用孔75cと、曲折部75bの上端で曲面形状に形成される先端縁75dと、下端部75aの左右両側から相対向して突出形成されるガイド部75eとを有する。
ガイド部75e,75eは、ケース体71に形成された長孔72,72にそれぞれ挿入されて係合している。このため、シャッター75は、ガイド部75eが長孔72に収まる範囲で、特別入賞口3から長孔72の長径方向、即ち遊技盤7に対し上方に傾斜して前後方向に移動自在に支持されている。
図9に示すように、特別入賞装置3を正面から見た場合、シャッター75が閉位置(図9(a))から開位置(図9(b))に移行すると、遊技者にとってケース体71内の視認可能な範囲は拡大する。
図10に示すように、シャッター75の曲折部75bが特別入賞口3から前方に向かって突出した開位置では、シャッター75の先端縁75dの上部は透明板部材28と近接する。そして、シャッター75の上面75fは、傾斜面を有しているので、この傾斜面によって、落下する遊技球を円滑且つ確実に開口へ案内することができる。また、シャッター75の曲折部75bがケース体71に収容された閉位置では、シャッター75の先端縁75dと特別入賞口の上端縁3aとの離間距離は遊技球の直径よりも短く設定されており、遊技球が特別入賞口3へ進入できないように構成されている。
シャッターレバー76は、略柱形状からなる底棒部76aと、底棒部76aの後方の端部から上方に曲折して延びる略柱形状の側棒部76bと、側棒部76bの上端から後方に曲折しその端部に形成される略コ字形状の把持部76cと、側棒部76bの前方の端部から上方に突出しシャッターレバー取付用孔75cに下方から挿通され係合する突出部76dとを有する。
シャッターレバー76の底棒部76aは、ケース体71の溝部73と係合し、可動扉部材64の移動をシャッター75のガイド部75eと共に前後方向に規制する。また、シャッターレバー76の底棒部76aがケース体71の溝部73と係合した状態では、シャッターレバー76の側棒部76bの上面は、入賞領域77の底面77bの上面との間で連続面を形成する。
なお、図17に示すように、シャッター75とシャッターレバー76とを一体的に形成してもよい。
次に、図18及び図19を参照して、連結機構63を介して出没する可動扉部材64について説明する。図18は可動扉部材64が開位置から閉位置に移行する状態を示す底面図であり、(a)は開位置にある可動扉部材64を示し、(b)は開位置から閉位置に移行する途中の可動扉部材64を示し、(c)は閉位置にある可動扉部材64を示す図、図19は連結機構63による動作を模式化した図である。また、図19中支点Aは、第2リンク部材86の一端86aを、力点Bは、第2リンク部材86の他端86bと第1リンク部材85の他端85bとの連結点を、作用点Cは第1リンク部材85の他端85bの位置をそれぞれ示し、矢印100から102の方向は、可動扉部材64が閉位置から開位置へ変位するときの可動扉駆動装置62の駆動方向(100)、力点Bの動作方向(101)及び作用点Cの動作方向(102)をそれぞれ示している。なお、図18は、特別入賞装置本体60aの底壁を省略して図示している。
可動扉駆動装置62が非励磁状態から励磁状態に移行すると、プランジャ80がコイルスプリングを圧縮する方向(図19中矢印100の方向)へ移動し、これに伴いスライド部材87と、該スライド部材87のベース部87aに係合する連結部材88と、該連結部材88に対して回転自在に支持される第1リンク部材85の他端85b及び第2リンク部材86の他端86b(力点B)とが、コイルスプリングが圧縮する方向へ移動する。また、第2リンク部材86の一端86a(支点A)は、ケース体71に対し回転自在に支持されているので、回転運動のみ行われ変位せず、連結部材88に連結された第1リンク部材85の他端85bと第2リンク部材86の他端86bとが前方へ回転移動する(図19中矢印101の方向)。そして、第1リンク部材85の一端85a(作用点C)は、該第1リンク部材85の一端85aに形成されたガイド軸85cがケース体71の平面部71cに形成された長孔74によって前後方向に規制されているので、回転移動せず長孔74に沿って前方に向かって直線移動する。(図19中矢印102の方向)。これにより、可動扉部材64のシャッター75は、特別入賞口3から前方に向かって突出する。
一方、可動扉駆動装置62が励磁状態から非励磁状態に移行すると、プランジャ80がコイルスプリングに付勢され、これに伴いスライド部材87と、該スライド部材87のベース部87aに係合する連結部材88と、該連結部材88に対して回転自在に支持される第1リンク部材85の他端85b及び第2リンク部材86の他端86b(力点B)とが、コイルスプリングが付勢される方向(図19中矢印100の方向と逆方向)へ移動する。また、第2リンク部材86の一端86a(支点A)は、ケース体71に対し回転自在に支持されているので、回転運動のみ行われ変位せず、連結部材88に連結された第1リンク部材85の他端85bと第2リンク部材86の他端86bとが支点A側へ向かって回転移動する(図19中矢印101の方向と逆方向)。そして、第1リンク部材85の一端85aは、その一端85aに形成されたガイド軸85c(作用点C)がケース体71の平面部71cに形成された長孔74に挿通され前後方向の移動に規制されているので、回転移動せず長孔74に沿って支点A側へ向かって直線移動する(図19中矢印102の方向と逆方向)。これにより、第1リンク部材85の一端85aに係合する可動扉部材64は、第1リンク部材85の一端85aの支点A側への移動に伴い、支点A側へ向かってスライド移動し、可動扉部材64のシャッター75は、ケース体71内に収容される。
このように、可動扉駆動装置62による連結部材88の移動量は、第1リンク部材85及び第2リンク部材86の回転運動から第1リンク部材85の一端85aの直線運動に変換される。従って、可動扉駆動装置62と可動扉部材64との間に連結機構63を介在させることによって可動扉駆動装置62のプランジャ80の少ない移動量を可動扉部材64の大きな移動量に変換することができる。
また、可動扉部材64が閉位置にある初期状態において、図19中実線で示すように、第2リンク部材86の一端86a(支点A)と、第1リンク部材85の一端85a(作用点C)と、第2リンク部材86の他端86bと第1リンク部材85の他端85bとの連結点(力点B)との位置関係は、力点Bが支点Aよりも前方で且つ作用点Cよりも後方に設定されている。支点Aと力点Bと作用点Cとをこのような位置関係に設定しているのは、力点Bの位置が、支点Aと前後方向で略同位置又は支点Aよりも後方に設定されていたり、作用点Cと前後方向で略同位置又は作用点Cよりも前方に設定されていると、力点Bに可動扉駆動装置62の駆動力(図19中矢印100で示す方向に作用する)が作用した際に、力点Bが円滑に移動せず、作用点Cも移動しない可能性が高いためである。
また、初期状態の作用点Cは、支点Aと近接した位置に配置されている。これは、力点Bの移動量に対する作用点Cの移動量の増加率に着目した場合、初期状態において作用点Cと支点Aとが近い方が、作用点Cの移動量の増加率が高くなるためである。
従って、支点Aと力点Bと作用点Cとを上記位置関係に設定することにより、力点B及び作用点Cを円滑に移動させると共に、力点Bの移動量を高い増加率で作用点Cの移動量に変換することができる。
なお、可動扉部材64の移動量は、第1リンク部材85の一端85aと他端85bとの離間距離、及び第2リンク部材86の一端86aと他端86bとの離間距離の増減に伴って増減する。従って、これらの離間距離を変更することにより、可動扉部材64の移動量を所望の量に設定することができる。
前記所定通過口38,46は、遊技領域31内における適宜な位置に所定数設けられ、落下してくる遊技球を通過させるゲートを備えた構造物である。
前記アウト口39は、所定入賞口37の何れにも入ることがなかった遊技球を集束する位置に設けられた遊技球の回収開口部である。
前記遊技釘は、遊技球と接触させることにより遊技球の移動方向を不規則にする、若しくは遊技球の移動方向を規制するために、遊技盤7の盤面の適宜な位置に打ち込まれる複数の棒状部材である。
前記風車40は、遊技球の接触によって自転可能な回転部材である。
前記特定保留数表示ランプ41は、前記特定入賞口2への入賞後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
前記通過保留数表示ランプ42は、前記所定通過口38への通過達成後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
前記演出用表示ランプ43は、電源投入後の遊技状態の変化に応じて多彩な点灯態様とする発光装置である。
〔電気的構成〕
次に、本実施形態の遊技機の電気的構成について説明する。
本実施形態となる遊技機は、電気的構成として、CRユニット1、主制御装置13、副制御装置14、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23、検知センサ47、集中管理装置48等を備える。なお、CRユニット1、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、及び発射駆動装置23の構成は上述の通りであるので、以下ではその説明を省略する。
前記主制御装置13は、CPU(Central Processing Unit:中央命令処理部)13a、予め定められた制御プログラム(コンピュータプログラム)を格納するROM(Read Only Memory:書換不可記憶部)13b、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory:書換可能記憶部)13c、周期的な信号を発生させる周波数発生回路部13d等により構成され、遊技機内における主要な情報処理を行うと共に、副制御装置14に入力する処理情報を生成する装置である。
前記副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dにより構成され、主制御装置13が生成した処理情報に従って所定の出力態様処理を行う。なお、副制御装置14は、出力態様処理毎の装置として構成しても、各出力態様処理を複数組み合わせて構成してもよい。また、副制御装置14を構成する各制御装置は、処理情報に従って独立して処理を実行可能なように、内部にCPU,ROM,RAMを備える。
ここで、前記図柄制御装置14aは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ(VDP)50を介して可変表示装置34、又はLED表示装置35を制御することにより、識別点灯情報又は識別表示情報を変動表示させた後に停止表示する制御を行う装置である。
前記ランプ制御装置14bは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、開口枠扉6の電飾29(演出報知ランプ、払出ランプ、トラブルランプを含む)や遊技領域31内に設けられた盤面関係の電飾43、又は特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42等を点灯制御する装置である。なお、特定保留数表示ランプ41又は通過保留数表示ランプ42が表す情報は可変表示装置34による識別表示情報として報知してもよい。
前記音声制御装置14cは、主制御装置13が生成した処理情報に従ってスピーカ30やサウンドプロセッサ等の音声発生装置51を制御して音声を発生させる装置である。
前記払出制御装置14dは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技球払出装置15により所定数の賞球を払出す制御を行う装置である。また、前記払出制御装置14dは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、球貸信号制御装置16を介して、CRユニット1に読み込ませたプリペイドカードに格納したデータ情報を参照して、所定数の貸球を払出す制御を行うと共に、貸球の払出し個数を計数して管理をする装置である。
前記検知センサ47は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより構成される。そして、各検知センサはそれぞれ、特定入賞口2、特別入賞口3、入賞特定領域(例えば、特別入賞口3の略中央部より右側領域)、所定通過口38、その他入賞口37、賞球口20、及び球詰まりが発生し易い球通路部材49の球通路49a近傍に設けられ、各場所における遊技球の通過の有無を検知する。
前記集中管理装置48は、主制御装置13が生成した処理情報を遊技機の外部において管理する装置である。
[遊技機の動作]
次に、本実施形態の遊技機の動作を主制御装置13、副制御装置14、及び可動物制御装置17の動作に分けて説明する。
〔主制御装置の動作〕
始めに、主たる遊技制御を行う主制御装置13の動作について説明する。
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて、遊技機の電気的な制御装置に対し電力を供給する。そして、主制御装置13のCPU13aは、電源が供給されると、初期設定として下記必要確認事項のチェックを行い、遊技機が適正な起動状態となっているか否かをチェックする。
具体的には、始めに、主制御装置13のCPU13aは、「RAM13cに記憶されている処理情報をクリアするスイッチ(図示せず)はオン状態であるか否か」を判断する。そして、スイッチがオン状態である場合、主制御装置13のCPU13aは、不要残存データとなる賞球情報や遊技履歴情報等、RAM13cに記憶されている処理情報を削除し、所定の処理情報をRAM13c内に正常に記憶し得るか否かをチェックする。チェックの結果、正常に記憶し得るとのチェック結果となった場合、主制御装置13のCPU13aは、メインルーチン処理への移行を許可し、副制御装置14に対して通知する主制御起動開始の処理情報等を生成する。
一方、スイッチがオン状態でない場合には、主制御装置13のCPU13aは、「バックアップフラグを設定しているか否か」の判断を行い、バックアップフラグが設定されている場合、前述と同様のチェック及びメインルーチン処理への移行許可等を行う。逆に、バックアップフラグが設定されていない場合、主制御装置13のCPU13aは、「RAM13cに記憶されている処理情報(記憶領域の内容)が壊れていないか否か」を判断し、RAM13cに記憶されている処理情報が「壊れていない」と判断した場合、前述と同様のチェック及びメインルーチンへの移行許可等を行う。
一方、RAM13cに記憶されている処理情報が「壊れている」と判断した場合には、主制御装置13のCPU13aは、電源投入時前に不本意な停電、故障、処理ミス等のエラーが生じていたものと判断し、エラー解除の復帰処理が行われた後に、エラーが発生した電源断時点からの処理を始める制御を行う。
ここで、本実施形態におけるメインルーチン処理は、主制御装置13に備えられたROM13bに予め格納された制御プログラム(コンピュータプログラム)により実行される。そして、主制御装置13のCPU13aは、メインルーチン処理として、乱数更新処理、入力検知受信処理、入力管理処理、異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、準備球払出処理、外部情報管理処理、及び出力管理処理を行う。
なお、このメインルーチン処理とは、周波数発生回路部13dが生成する周期的な信号に基づく分周設定により定期的なタイミングパルス(例えば4ミリ秒)を生成し、生成されたタイミングパルスに合わせて、CPU13aが、前記各処理の読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。
以下、前記メインルーチン処理の各処理について詳しく説明する。
『乱数更新処理』
前記乱数更新処理は、抽選遊技処理と複数の所定数値群のグループから成る乱数生成範囲とを対応するように個別の種類毎に設定し、この設定に基づいて乱数を生成する処理である。なお、本実施形態における乱数とは、抽選遊技処理毎に応じた乱数生成範囲を設定した乱数生成プログラム(例えば、当否判定用の乱数生成範囲は0〜699、変動パターン決定用の乱数生成範囲は0〜39、表示図柄決定用の乱数生成範囲は0〜11等)に従って、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて前記乱数生成範囲内において数値を+1ずつ更新した時の数値を意味する。また、この乱数更新処理は、主制御装置13のROM13bに格納される制御プログラムによるソフトウェア的な処理に限られず、外部に設けられた物理的装置となる乱数発生手段に基づいて乱数の更新処理を行わせ、この乱数を主制御装置13のCPU13aに取り込んで乱数抽出の制御処理をさせるようにしてもよい。
『入力検知受信処理』
前記入力検知受信処理は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより生成された入力情報があるか否かをタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視、及びセンサからの入力情報を受信する処理である。
『入力管理処理』
前記入力管理処理は、入力検知受信処理により受信した入力情報を解析し、どの検知センサからの入力信号であるか等の解析結果に応じて、例えば、複数の入賞口毎に入賞させた各々の遊技球個数の計数管理や、入賞検知に係る受信時から該入賞に基づく制御処理が開始されるまでの時間管理等の処理を行い、後述する異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び賞球払出処理を行う上で、適宜に該処理結果を使用できるようにする処理である。
『異常監視処理』
前記異常監視処理は、球受皿9に遊技球を貯留させた場合における容量オーバーのエラー、遊技球流動時における球詰まりエラー、制御処理実行時の不良エラー等、前記入力管理処理にてエラー処理情報が生成されていないか否かを、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に従って監視し、エラー処理情報が生成されている場合には、そのエラー処理情報に対応した出力態様の報知処理情報を生成する処理である。また、この異常監視処理では、主制御装置13のCPU13aは、前記入力管理処理によってエラー状態の解除の処理情報が受信した場合、エラー解除の出力態様の報知処理情報も生成する。
そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した報知処理情報を副制御装置14側へ送信し、異常監視処理におけるエラー報知の出力態様として実行するべく、報知処理情報を記憶手段(例えば、RAM13c)に記憶する。なお、前記副制御装置14側へ送信するために記憶される報知処理情報とは、例えば通常遊技状態時の異常監視処理を意味する「先行コマンド番号」と、実行させる報知のエラー出力態様を意味する「後続コマンド番号」との組み合わせから成る。以下、メインルーチン処理にて生成する処理情報は、どのような遊技状態の何々処理を意味する「先行コマンド番号」と、実行させる所定の出力態様を意味する「後続コマンド番号」の組み合わせ(以下、単に番号又はコマンド番号と称す)により構成されるものとする。
『特別図柄制御処理』
前記特別図柄制御処理は、特定入賞口2の近傍に設けられた特定入賞球検知センサ47aから入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)となるように特別入賞口3に遊技球が入賞し易くする処理である。また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、可変表示装置34で識別表示情報(以下、特別図柄と称す)を表示制御することに関係する処理も行う。
ここで、特別図柄とは、前記特定入賞口2への遊技球の入賞に基づく前記当否抽選の結果を可変表示する複数の識別情報(例えば、左・中・右の3つの図柄)である。抽選結果が当選の場合には、複数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄が全て同じ図柄で揃った状態)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して短時間に多くの賞球が獲得可能な状態が連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、複数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄のうち少なくとも一つが他と異なっている状態)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。
また、前記特別図柄における可変表示とは、予め設定された、互いに異なる複数種類の特別図柄(例えば、12種類)を、所定速度で周期的に順次表示させる態様を、複数の表示領域(例えば、左・中・右等の3つ)にて行う表示方法である。以下、可変表示及びこれに付随する背景変動(キャラクタ表示を含む)における演出を報知演出と称する。
この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、特定入賞口2への遊技球の入賞を契機として、乱数抽出による予め定められた数値の比較に応じた当否抽選、及び該抽選結果に係る表示制御を行うために、当否判定(抽選)用となる有利な遊技状態に移行させるか否かの当否用の乱数と、可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた可変表示となる報知演出をするための変動パターン決定用の乱数と、同じく可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた停止表示の態様とするための特別図柄決定用の乱数とを乱数更新処理にて生成する。そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した乱数を個別に読み出し、取得乱数として記憶手段に記憶する。
また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、乱数の取得時点で既に特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件として記憶させた当否用の取得乱数と、数値振分けデータ群としてテーブルに予め設定されている当否用比較数値とを照合して比較することで当否判定を行い、その結果である当否情報を記憶手段に記憶する。
次に、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用の変動パターン比較用数値と、該記憶された変動パターン決定用の取得乱数とを、記憶手段に記憶した当否情報に応じて照合して比較することにより、変動パターン決定判定を行い、その結果である当たり又は外れ用とする変動パターン情報(パターン番号)を記憶手段に記憶する。
さらに、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用から成る停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)の特別図柄比較用数値と、該記憶された特別図柄決定用の取得乱数とを、前記記憶した当否情報と当たり又は外れ用とする変動パターン情報に応じて照合して比較することにより、特別図柄決定判定を行い、その結果から得られる複数の特別図柄のそれぞれを個別に停止表示させる、当たり又は外れ用となる特別図柄情報(左・中・右の特別図柄番号)を記憶手段に記憶する。
ここで、変動パターン比較用数値、或いは特別図柄比較用数値を有するテーブルとこれに対応させた取得乱数とに応じて照合して比較することは、当たりの場合は当たり用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断し、外れの場合は外れ用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断することにより、合致するものを探し出す処理である。そして、前記合致に応じた当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号が記憶手段に記憶される。
なお、前記乱数発生手段による乱数の取得時点において、「特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件に当否判定を行う」としたが、該契機条件は任意に設計変更可能なものとする。
これまで説明した特別図柄制御処理により、特定入賞口2における入賞後に得られる処理情報として、以下の情報が生成される。
(1)当たり又は外れ用の変動パターン番号。
(2)所定の可変表示領域に対し一時的に停止表示(微動表示を含む)をさせる、当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号。
(3)該一時的に停止表示をさせる複数の特別図柄に対して停止表示の態様とさせるための確定停止指示番号。
(4)前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号。
そして、後述する出力管理処理を介して副制御装置14側へ前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号を送信する時に、決定された変動パターンに対応する制御処理実行時間を主制御装置13のCPU13aにて設定し、カウント演算処理を行わせるタイマを更新する。なお、このタイマによる制御処理実行時間の経過に応じたタイミングで確定停止指示番号と前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号が出力管理処理を介して送信される。
従って、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるか否かは、例えば、当否判定用の抽選遊技処理と、0〜697個の「外れ用数値」に通常用当たりと対応付けられた「特別用数値」、及び該通常用当たりよりも有益な当たりとして対応付けられた「特集用数値」を含めた計700個から成る「乱数生成範囲」とを対応するように前記乱数更新処理において設定し、前述した特定入賞口2への遊技球の入賞時に応じたタイミングで更新された数値が乱数として読み出し取得され、該取得乱数が「特別用数値」又は「特殊用数値」となるかの当否判定の結果によって決定する。すなわち、該入賞を契機とした1/350の抽選確率で当たり判定となる場合に前記移行させる条件が満たされることとなる。
また、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるための前記特別図柄の組み合わせ(例えば、左・中・右の特別図柄が同種の並び態様)を当たり停止表示の態様とした時、その一歩手前の未確定表示を所謂リーチ演出と称するが、そのようなリーチ演出等を含む、その他の様々な報知演出の内容は、(a)前記当否判定された当たり又は外れの結果と、(b)前述した特定入賞口2に対する遊技球の入賞タイミングによって読み出される変動パターン決定用及び特別図柄決定用の取得乱数とに基づいて決定する。すなわち、前記図柄制御装置14aを介した可変表示装置34にてランダムに可変表示し得るようになる。
なお、前記乱数発生手段により乱数の取得時点において、特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていた場合には、主制御装置13のCPU13aは、該制御処理が終了するまで、読み出し結果である特別図柄制御に係る取得乱数又は前記表示態様の実行のための処理情報を記憶手段に記憶し、記憶したことを報知するために、乱数等の格納毎に特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯すべく、副制御装置14(ランプ制御装置14b)側へ送信する点灯命令情報を生成する。
そして、可変表示している変動パターンの変動表示時間の推移を管理すべく設定しているカウント演算による更新をしているタイマに基づいて、主制御装置13のCPU13aが、停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて、記憶手段に記憶された不必要な取得乱数又は処理情報の削除を行うと共に、確定停止指示番号を送信した時に、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯させる。すなわち、副制御装置14(ランプ制御装置14b)は、特定保留数表示ランプ41の点灯処理が行われている場合には、該確定停止指示番号を消灯命令処理情報として用いるようになる。
なお、本実施形態では、前記取得乱数又は処理情報を記憶手段に記憶させる時に、記憶すべき該取得乱数又は処理情報の上限個数(例えば、5個)を予め定めておき、先行制御処理に係る取得乱数又は処理情報の記憶を含めた合計記憶個数が上限の場合、主制御装置13のCPU13aは、該取得乱数又は処理情報を生成する条件が満たされていても無効条件成立として、記憶する制御は行わず、特別図柄制御の当否判定も行わない。
また、この特別図柄制御処理では、前記有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの当否判定の結果が当たりとなり、この当たり結果を報知するため、前記特別図柄の組み合わせによる予め定められた停止表示の態様を実行する場合において、主制御装置13のCPU13aは、以下のような処理をする。すなわち、主制御装置13のCPU13aは、当たりに対応して、前記有利な遊技状態に移行させるために、(a)前記特別入賞口3に対して閉口するように備えさせていた可動扉部材64を開口状態とし、(b)該開口状態が所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかの何れかの条件を満たすことを条件に、可動扉部材64を閉口制御し、さらに、(c)該開口状態中に入賞した遊技球の何れかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、可動扉部材64を連続的に開口状態とし、(d)前述と同様の条件成立の推移にて可動扉部材64を開閉することを、所定上限回数(例えば、16回)が達成されるまで繰り返すよう指示する処理情報を生成する。
さらに、前記当否用の取得乱数と当否用比較数値のテーブルとの照合による当否判定時に、該取得乱数が「予め定められている特殊用数値(例えば、当たり確率上昇変動状態への移行と対応させた数値)」による当たりである、と判定された場合には、主制御装置13のCPU13aは、前記有利な遊技状態の終了後において用いるテーブルを、例えば、当選確率が1/350から1/75となるような当たり発生確率が高いテーブルへと参照テーブルを変更し、その後、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数(例えば、10000回)となるまでか、又は特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すように指示するための処理情報を生成する。このような処理情報で制御される遊技状態を特典遊技状態ということとする。
また、前記特典遊技状態における別の実施形態として、1つの変動パターンに係る変動表示時間が通常遊技状態時と比較して短い変動パターンを設定したテーブルを設け、特殊乱数による当たりと判定された場合、主制御装置13のCPU13aは、該テーブルへと参照テーブルを変更し、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数(例えば、10000回)となるまでか、又は、特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すよう指示する処理情報を生成するようにしてもよい。すなわち、本発明においては、前記特典遊技状態の形態には拘らない。
『普通図柄制御処理』
前記普通図柄制御処理は、遊技者にとって有利な遊技状態とする処理であり、所定通過口38近傍に設けられた通過球検知センサ47dからの入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合に前記特定入賞口2の入口両側に設けた可動片44を拡大して、その開口範囲を拡大させ、打ち出した遊技球を該特定入賞口2に入り易くする処理である。また、この普通図柄制御処理では、LED表示装置35で普通図柄と称される識別情報を表示制御する処理も行う。
ここで、普通図柄とは、前記通過球検知センサ47dからの入力情報に応じた当否抽選の結果を可変表示又は点滅表示する所定数の識別情報(例:「○・−」→当選図柄、「−・×」→外れ図柄)である。抽選結果が当選の場合には、所定数の識別情報が予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例:「○・−」)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、小当たり)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して、打ち出した遊技球が入賞し易い状態が単発的又は連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、所定数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例:「−・×」)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。なお、本発明においては、識別情報を表示制御するLED表示装置35の代わりに、前記可変表示装置34又はドラム式やドットマトリクス式の表示装置等でもよく、表示方法には拘らない。
この普通図柄制御処理では、遊技球が前記所定通過口38を通過することを契機として、主制御装置13のCPU13aが、特定入賞口2を拡大する可動片44を作動させるか否かを決定するための当否用乱数を前記乱数更新処理にて生成する。そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した乱数を読み出して記憶手段に取得乱数として記憶する。
また、この普通図柄制御処理では、乱数の取得時点で既に普通図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件に、主制御装置13のCPU13aが、該記憶させた当否用の取得乱数と、数値振分けデータ分としてテーブルに予め設定されている当否用比較数値とを比較することで当否判定を行い、その判定結果を当否情報として記憶手段に記憶する。
次に、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用の変動パターン比較用数値と、該記憶させた当否用の取得乱数とを比較することで、変動パターン決定判定を行い、その結果に従って当たり又は外れ用の点滅表示のための変動パターン情報を記憶手段に記憶する。
さらに、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用の普通図柄比較用数値と、該記憶させた当否用の取得乱数とを比較することで、普通図柄決定判定を行い、その結果に従って当たり又は外れ用の停止表示のための普通図柄情報を記憶手段に記憶する。
上記において、変動パターン比較用数値又は普通図柄比較用数値を有するテーブルと取得乱数との比較とは、当たり用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致判断が当たりの場合であり、外れ用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致判断が外れの場合であり、何れも合致するものを探し出す処理である。そして、前記合致に応じた当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは当たり又は外れ用の複数の普通図柄番号が記憶手段に記憶される。
なお、当たり外れの当否につき、前記乱数発生手段によって発生した乱数を普通図柄制御処理で取得した時点において、「普通図柄制御による報知演出処理等の先行制御が行われていないことを条件に当否判定を行う」としていたが、該契機条件は任意に設計変更可能なものとする。
これまで説明した普通図柄制御処理により、所定通過口38における通過状態達成後に得られる処理情報として、以下の情報が生成される。
(1)当たり又は外れ用の変動パターン番号。
(2)当たり又は外れ用の普通図柄番号。
(3)可変表示又は点滅表示させた普通図柄に対して停止表示の態様とされるための確定停止指示番号。
(4)前記当否判定における当たりの場合の小当たり移行指示番号。
そして、後述する出力管理処理を介して副制御装置14側へと前記変動パターン番号と普通図柄番号を送信する時に、決定された変動パターンに対応して、その変動パターンの変動制御処理実行時間を主制御装置13のCPU13aにて設定し、カウント演算処理を行わせるタイマを更新する。なお、このタイマによる制御処理実行時間の経過に応じたタイミングで、確定停止指示番号と前記当否判定における当たりの場合の小当たり移行指示番号が、出力管理処理を介して送信される。
従って、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるか否かは、例えば、当否判定用の抽選遊技処理と、0〜48個の「外れ用数値」及び小当たりと対応付けられた「特定用数値」の計50個から成る乱数生成範囲とを対応付けするように、前記乱数更新処理において設定し、前述した遊技球の通過口通過に応じたタイミングで更新された数値が乱数として取得され、該取得乱数が「特定用数値」と成るかの当否判定の結果によって決定する。すなわち、遊技球の通過口通過を契機として、1/50の抽選確率で当たり判定となる普通図柄処理に移行する。
前記乱数発生手段による乱数を普通図柄制御処理において取得した時点において、普通図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていた場合には、該制御処理が終了するまで、読み出し結果である普通図柄制御に係る取得乱数又は前記表示態様の実行のための処理情報を記憶手段に記憶し、記憶したことを報知するために、乱数等の格納毎に通過保留数表示ランプ42を1つずつ点灯すべく、副制御装置14(ランプ制御装置14b)側へ送信する点灯命令処理情報を生成する処理を主制御装置13のCPU13aにて行う。
そして、主制御装置13のCPU13aは、可変表示している変動パターンの変動表示時間の推移を管理すべく設定しているカウント演算による更新をしているタイマに基づいて、停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて、記憶手段に記憶された不必要な取得乱数又は処理情報の削除を行うと共に、確定停止指示番号を送信した時に、通過保留数表示ランプ42を1つずつ消灯させる。すなわち、副制御装置14(ランプ制御装置14b)は、通過保留数表示ランプ42の点灯処理が行われている場合には該確定停止指示番号を消灯命令処理情報として用いる。
なお、本実施形態では、前記取得乱数又は処理情報を記憶手段に記憶させる時に、記憶すべき該取得乱数又は処理情報の上限個数(例えば、5個)を予め定めておき、先行制御処理に係る取得乱数又は処理情報の記憶を含めた合計記憶個数が上限の場合には、該取得乱数又は処理情報を生成する条件が満たされていても無効条件成立として、記憶をする制御処理は行わず、普通図柄制御の当否判定も行わない。
また、該普通図柄制御処理では、前記遊技者にとって有利な遊技状態とするか否かの当否判定にて当たりとなった場合、この当たり結果を報知する。その報知方法は、普通図柄の点滅表示による予め定められた停止表示の態様を実行することで行われるが、その場合、併せて以下のような処理をする。
すなわち、当たりに対応して、前記有利な遊技状態とするために、
(a)前記特定入賞口2に対して開口範囲を縮小するようにさせていた一対の可動片44を作動させて該開口範囲を所定時間(例えば、0.2秒)拡大する(特定入賞口2を開放する)処理をし、
(b)その後に元の状態に戻す、
という処理を所定回数(例えば、1回)行わせる指示をする処理情報を生成する。
なお、該一対の可動片44を拡大させた時の維持時間は、例えば、前記特別図柄制御処理における特殊用数値を乱数として取得した場合の当たり判定によって、前記特典遊技状態へと移行させた時に、0.2秒から1.7秒とし、一対の可動片44の拡縮時間は1回から2回へと変更する制御処理をするとよい。
また、前記特典遊技状態中における別の実施形態として、前記当否用の取得乱数と当否用比較数値のテーブルとの照合により当否判定時の当選確率が、1/50から1/10となるような、当選確率の高いテーブルへと参照テーブルを変更するようにしてもよい。
また、1つの変動パターンに係る点滅表示時間を通常時は29秒としていたのを5.1秒に短縮化する短い変動パターンを設定したテーブルを設けて該テーブルへと参照テーブルを変更し、その後、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数となるまでか、又は特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すように指示するための処理情報を生成するようにしてもよい。
すなわち、本発明においては、前記特典遊技状態の形態に拘らない。なお、可変表示又は点滅表示させる開始時間から終了時間までの期間は、通常時29秒としているが、これを5.1秒に短縮化してもよい。
また、短い変動パターンを設定したテーブルを設け、大当たり遊技状態終了後に参照テーブルを該テーブルへと変更することにより、時短遊技状態へ移行させてもよい。時短遊技状態は、特別図柄が所定回数変動表示する(大当たり遊技状態を生起させるための抽選が所定回数実行される)まで、又は特別図柄制御に係る当たりと判定される(大当たり遊技状態が生起される)まで継続し、参照テーブルを変更前のテーブルに戻すように指示するための処理情報が生成されることにより終了する。この時短遊技状態では、1つの変動パターンに係る点滅表示時間が短縮され、単位時間当たりの当否判定の機会が増加するので、単位時間当たりの特定入賞口2の開放回数(時間)が増加する。これにより、特定入賞口2への遊技球の入賞率が高まるので、遊技者は遊技球を減らすことなく遊技を行うことができる。なお、時短遊技状態を、全ての大当たり遊技状態の終了後ではなく、前記特典遊技状態直後の大当たり遊技状態の終了後に限って生起させてもよい。
『ランプ管理処理』
前記ランプ管理処理は、前記入力管理処理にて生成する入賞処理情報等のランプ点灯に係る処理情報があるか否かを、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視し、該ランプ点灯に係る処理情報がある場合に、その処理情報に対応した出力態様となる発光処理情報を生成する処理である。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した発光処理情報を副制御装置14側へ送信し、ランプ管理処理における点灯報知の出力態様とし実行するべく、該発光処理情報を記憶手段に記憶する。
『準備球払出処理』
前記準備球払出処理は、前記入力管理処理にて生成する入賞処理情報等の賞球払出に係る処理情報があるか、又は前記球貸信号制御装置16から球貸払出に係る処理情報が生成されていないか否かを所定時間毎に監視し、該賞球払出又は球貸払出に係る処理情報がある場合に、その払出処理情報に対応した出力態様となる払出操作情報を生成する処理である。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した払出動作情報を副制御装置14側へ送信し、準備球払出処理における払出動作の出力態様として実行すべく、該払出動作情報を記憶手段に記憶する。また、この処理では、前記払出動作情報を生成するのに伴って、遊技球払出制御に係る動作時間、及び1つの遊技球を払い出す動作毎の回数を所定の計数手段にて計数する時の合計値を主制御装置13のCPU13aにて設定し、払出動作の実行管理を行う。なお、前記準備球とは、賞球払出又は球貸払出用として予め備えておく遊技球のことである。
『外部情報管理処理』
前記外部情報管理処理は、副制御装置14側へと送信するために生成した記憶手段に記憶した記憶情報を、遊技機外部において管理を行う時に必要な記憶情報であるか否かを判断し、該判断結果に応じて管理すべき記憶情報を集中管理装置48側へ送信する処理である。
『出力管理処理』
前記出力管理処理とは、異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び準備球払出処理により生成された処理情報を、副制御装置14側へ送信するために、出力データを編集し、該処理情報の出力タイミングを通知するためのストローブ(STB)信号を伴わせて、該出力編集した記憶情報を送信する処理である。
〔副制御装置の動作〕
次に、副制御装置14の動作について説明する。
前記副制御装置14は、電源投入による起動開始時、初期設定を行い、必要確認事項のチェック処理を行う。そして、チェック処理結果が正常であれば、該副制御装置14におけるメインルーチン処理への移行を許可し、主制御装置13のCPU13aから送信された記憶情報である主制御起動開始情報等を受信する。
なお、前記副制御装置14のメインルーチン処理とは、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dのそれぞれに備えられたROMに予め格納された主要な制御プログラムを、周波数派生回路部13dで生成した定期的なタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に合わせて、読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。以下、前記副制御装置14のメインルーチン処理における基本的な処理の一例について説明する。
始めに、副制御装置14は、前記出力管理処理にて送信した処理情報を受信したか否かをタイミングパルスに応じて監視し、受信が行われている場合に記憶手段(例えば、RAM)に記憶する。次に、副制御装置14は、該受信した処理情報の解析処理を行い、どのような遊技状態における異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び球払出処理の何れかの処理情報(先行コマンド)で且つ、どのような出力態様を実行させる処理情報(後続コマンド番号)かの判別を行う。
そして、副制御装置14は、該解析処理の結果に応じたフラグの設定、及び出力態様に係る制御処理実行時間に基づきカウント演算するタイマを設定し、予め定められた制御プログラムを格納する記憶手段(例えば、ROM)から、該解析処理の結果に応じた出力態様用の制御プログラムを読み出して実行する制御処理を行う。
以下、処理情報を受信した場合の、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dの動作について順に説明する。
『図柄制御装置の動作』
処理情報が特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、所定の可変表示領域に対し一時的な停止表示(微動表示を含む)をさせる当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号(例えば、左・中・右の3つ)であった場合、図柄制御装置14aは、特別図柄制御用の通常遊技状態における当否に基づいて予め分類して記憶してある報知演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで当たり又は外れ用の報知演出分類テーブルを決定する。
そして、図柄制御装置14aは、前記決定した報知演出分類テーブルに基づいて、該図柄制御装置14aに設けられた演出選択用乱数を更新する乱数発生手段から、前記変動パターン番号の受信に応じ読み出して記憶手段に記憶させた取得乱数との照合による比較により、当たり用の報知演出データ又は外れ用の報知演出データを設定する。
また、図柄制御装置14aは、所定の可変表示領域に対し停止表示を行う複数種類の特別図柄がプログラムされている通常遊技状態用の特別図柄分類テーブルと、該複数の特別図柄番号との個別の照合による比較により、前記可変表示装置34にて停止表示を行う当たり又は外れ用の複数の特別図柄データのそれぞれを設定する。なお、特別図柄分類テーブルに格納された停止表示用の特別図柄は、一時的な停止を含むようにしてもよい。その後、図柄制御装置14aは、VDP50を介する可変表示装置34にて、該設定した報知演出データと複数の特別図柄データに応じた、可変表示及び停止表示の表示制御を行う。
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う前記主制御装置13又は副制御装置14のタイマによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、可変表示の表示制御が行われた複数の特別図柄に対して停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)とする処理を行う。
また、前記確定停止指示番号の受信時において、大当たり移行指示番号を受信していた場合、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技状態の報知演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に大当たり用の表示制御を行う。なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における情報であった場合には、図柄制御装置14aは、特別図柄制御に係る前記報知演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルに参照テーブルを変更し、該有利な遊技状態又は特典遊技状態の時に行う可変表示及び停止表示とする当たり又は外れ用の報知演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
また、該受信情報が、普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、当たり又は外れ用の普通図柄番号であった場合には、図柄制御装置14aは、普通図柄制御用の通常遊技状態における遊技状態に応じて予め分類して記憶してある点滅演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで、当たり又は外れ用の変動表示データを設定する。
また、図柄制御装置14aは、所定の点滅表示領域に対し停止表示させる普通図柄がプログラムされている通常遊技状態用の普通図柄分類テーブルと、該普通図柄番号との照合による比較により、前記LED表示装置35にて停止表示させる当たり又は外れ用の普通図柄データを設定する。
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と普通図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う主制御装置13又は副制御装置14のタイマによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、点滅表示の表示制御が行われた普通図柄に対して停止表示の態様(例えば、「○・−」、又は「−・×」の点灯態様)とする処理を行う。
また、前記確定停止指示番号の受信時において、小当たり移行指示番号を受信した場合は、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技となる状態の点滅演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に小当たり用の表示制御を行う。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における記憶情報であった場合には、図柄制御装置14aは、普通図柄制御に係る前記点滅演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルが参照するテーブルの変更を行い、該有利な遊技となる状態又は特典遊技状態の時に行う点滅表示する当たり又は外れ用の点滅演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
『ランプ制御装置の動作』
受信情報が、特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは大当たり移行指示番号であった場合には、ランプ制御装置14bは、特別図柄制御用の通常遊技状態における発光データテーブルに基づいて、該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた発光データを設定し、盤面関係の電飾43及び/又は枠扉関係の電飾29にて該設定した発光データに応じた発光態様となるようにランプ点灯処理を行う。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における記憶情報(発光処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、該有利な遊技状態又は特典遊技状態における発光データテーブルを参照して、通常遊技状態用とは異なる発光態様となる発光データを設定する。
また、該受信情報が、特定保留数表示ランプ41を点灯させるための、特別図柄制御用の通常遊技状態又は前記有利な遊技状態又は特典遊技状態における記憶情報(点灯命令処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯させ、前記主制御装置13のタイマに基づく停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて送信された確定停止指示番号から成る情報の受信に応じて、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯する。
該受信情報が、普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは小当たり移行指示番号であった場合には、ランプ制御装置14bは、普通図柄制御用の通常遊技状態における発光データテーブルから該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた発光データを読み出して設定し、盤面関係の電飾43及び/又は枠扉関係の電飾29にて該設定した発光データに応じた発光態様となるようにランプ点灯処理を行う。
なお、該受信情報が、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における記憶情報(発光処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、該有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における発光データテーブルを参照して、通常遊技状態用とは異なる発光態様となる発光データを設定する。
また、該受信情報が、通過保留数表示ランプ42を点灯させるための、普通図柄制御用の通常遊技状態又は前記有利な遊技となる状態用又は特典遊技状態における記憶情報(点灯命令処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、通過保留数表示ランプ42を1つずつ点灯させ、前記主制御装置13のタイマに基づく停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて送信された確定停止指示番号から成る情報の受信に応じて、通過保留数表示ランプ42を1つずつ消灯する。
さらに、該受信情報が、所定遊技状態におけるエラーに係る処理情報又は準備球払出に係る処理情報等、その他の記憶情報であった場合は、ランプ制御装置14bは、参照する発光データテーブルに該記憶情報に応じた発光態様となる発光データを設定する。
『音声制御装置の動作』
該受信情報が特別図柄制御の通常遊技状態における当たり又は外れの変動パターン番号、或いは大当たり移行指示番号であった場合には、音声制御装置14cは、特別図柄制御用の通常遊技状態における音声データテーブルから、該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた音声データを設定し、盤面関係及び/又は枠扉関係等の部材に設けられたスピーカ30から、該設定した音声データに応じた音声態様となるように音声発生装置51を介して音声を発生させる。
また、該受信情報が遊技者にとって有利な遊技状態用又は特典遊技状態用の特別図柄制御における記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、該有利な遊技状態又は特典遊技状態における音声データテーブルを参照して、通常遊技状態とは異なる音声態様となる音声データを設定する。
また、該受信情報が普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは小当たり移行指示番号の記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、普通図柄制御用の通常遊技状態における音声データテーブルから、該変動パターン番号又は小当たり移行指示番号に応じた音声データを設定し、盤面関係及び/又は枠扉関係等の部材に設けられたスピーカから、該設定した音声データに応じた音声態様となるように音声発生装置51を介して音声を発生させる。
また、該受信情報が遊技者にとって有利な遊技とする状態又は特典遊技状態用の普通図柄制御における記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、参照する音声データテーブルに該記憶情報に応じた音声態様となる音声データを設定する。
さらに、該受信情報が所定遊技状態におけるエラーに係る処理情報又は準備球払出に係る処理情報等、その他の記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、参照する音声データテーブルに該記憶情報に応じた音声態様となる音声データを設定する。
『払出制御装置の動作』
該受信情報が、特別図柄制御用の通常遊技状態における特定入賞球検知センサ47aからの賞球処理情報、又は、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における特別入賞球検知センサ47bからの賞球処理情報等の記憶情報であった場合には、払出制御装置14dは、遊技球払出装置15を作動させて該記憶情報に応じた賞球個数とするための払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた賞球となるように所定数の遊技球を遊技者に対して払い出す。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における特定入賞球検知センサ47aからの賞球処理情報となる記憶情報であった場合には、払出制御装置14dは、遊技球払出装置15を作動させて通常遊技状態時と比較して増加又は減少の何れかとなる賞球個数とする払出データテーブルへと変更し、該変更された払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた増加又は減少とする賞球となるように所定数の遊技球を遊技者に対して払い出す。
さらに、球貸信号制御装置16を介したボタン操作により、CRユニット1で読んだプリペイドカードのデータ情報を参照して、所定数の貸球を払い出す制御を行わせる場合には、払出制御装置14dは、該参照したデータ情報を受信して該データ情報に応じた貸球個数とするための払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた賞球となるように所定数の遊技球を遊技者に対して払い出す。
〔可動物制御装置の動作〕
次に、可動物制御装置17の動作を、可動片駆動装置、可動扉部材駆動装置62、入賞領域振分駆動装置の動作に分けて説明する。
『可動片駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の通常遊技状態における小当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2の開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を所定時間(例えば、0.2秒)拡大し、その後再び縮小するように、前記可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加する拡大実行処理を所定回数(例えば、1回)行うよう指示するためのコマンドを生成する。
また、主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における小当たり移行指示番号を生成した場合には、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2に対して開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を0.2秒から1.7秒へと長くして拡大して再び縮小するように、可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送電し、また、拡大実行処理を例えば1回から2回へと多くして行う指示をするコマンドを生成する。
さらに、主制御装置13による処理において、ランプ管理制御又は賞球払出制御等からなる処理情報を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置が、前記演出用移動物駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、適宜な変動状態となる演出動作を所定時間行うコマンドを生成する。
『可動扉駆動装置62の動作』
主制御装置13による処理において、特別図柄制御用の通常遊技状態又は特典遊技状態における大当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動扉駆動装置62は、前記可動扉駆動装置62に設けられたソレノイド等の駆動部81に対して所定電圧を送信する。そして、前記可動扉駆動装置62は、前記特別入賞装置60に対して閉口させていた可動扉部材64を作動させて開口状態とし、開口となってから所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞装置60に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかの何れかの条件を満たしたら、再び閉口状態とする実行処理を行う指示をするコマンドを生成する。
さらに、前記開口状態中に入賞させた遊技球の何れかが特別入賞装置60内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、前記可動扉駆動装置62は、可動扉部材64を再び閉口状態となるようにし、前記と同様の条件成立時に可動扉部材64を開閉することを所定上限回数が達成されるまで繰り返すように、ソレノイド等の駆動部81に対して所定電圧を印加指示するコマンドを生成する。
なお、前記可動扉駆動装置62における開閉処理の実行中に、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における大当たり移行指示番号が生成された場合には、該開閉処理が終了するまで、大当たり移行指示番号の生成に基づく制御処理は行われずに保留状態とする。
『入賞領域振分駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、前記特別入賞装置60を開口状態とするコマンドを生成するのに応じて、入賞領域振分駆動装置は、前記特別入賞装置60内にある入賞領域振分物に設けられたソレノイド等の駆動物に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、特定入賞領域振分のシーソー運動となるように該開口状態中において可動させるコマンドを生成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、可動扉部材64は、特別入賞口3から出没移動することによって特別入賞口3を開閉する。また、開位置において可動扉部材64のシャッターの先端縁75dが透明板部材28と近接するように可動扉部材64の移動量が設定されている。このため、可動扉部材64の上面75fによって遊技球を良好に捕集することができる。すなわち、可動扉部材64の高さ方向の大きさを、遊技盤7の盤面と透明板部材28との距離に応じて設定する必要がない。従って、特別入賞口3の上下方向の大きさ(上下幅)を、遊技球の進入を許容する最小限の大きさに設定しつつ、遊技球を特別入賞口3から遊技領域31へ良好に案内することができる。この結果、遊技領域31における特別入賞装置60の占有面積の増大を抑えることができ、遊技領域31を構成する他の部品、例えば、可変表示装置34を構成するCRTやLCD等のレイアウト上の制約を緩和することができる。
また、可動扉部材64は、遊技球97の落下方向と交叉する前後方向に移動することによって特別入賞口3を開閉する。このため、落下する遊技球97が開位置の可動扉部材64の上面75fに当接した際の反力は、可動扉部材64の閉移動方向とは全く相違する方向へ作用し、遊技球の当接によって開位置の可動扉部材64が予定外に閉移動してしまうことがない。従って、可動扉部材64が開位置に確実に保持され、遊技球の入賞の機会が不当に低減されることがない。
可動扉部材64の上面75fは、遊技領域31側から入賞領域側に向かって下方へ傾斜する傾斜面を有しているので、開位置の可動扉部材64の上面75fによって、落下する遊技球を円滑且つ確実に特別入賞口3へ案内することができる。また、閉位置では、可動扉部材64は入賞領域31内に収容され、且つ可動扉部材64の前方の先端縁75dと特別入賞口の上端縁3aとの離間距離は遊技球の直径よりも短く設定されているので、特別入賞口3からの遊技球の進入を確実に防止することができる。
可動扉部材64が開位置から閉位置へ移動する際に、可動扉部材64の上面75fが斜め下方に移動する。このため、閉移動中の可動扉部材64の上面75fに当接する遊技球を、その落下方向を大きく変更させることなく、円滑且つ確実に特別入賞口3へ案内することができる。
可動扉部材64が透明板部材28に向かって前方に移動する際に、透明板部材28と可動扉部材64の先端縁75dとの間に落下中の遊技球が存在する場合であっても、可動扉部材64の先端縁75d及び遊技球の双方の曲面形状によって、遊技球は可動扉部材64の上方又は下方へ良好に逃げる。従って、可動扉部材64が開位置へ移動する際に、可動扉部材64と透明板部材28との間に遊技球が挟まることを確実に防止することができる。
可動扉駆動装置62の駆動力は、第1リンク部材85の他端85bと第2リンク部材86の他端86bとが連結される連結部材88を介して第1リンク部材85及び第2リンク部材86に回転運動を生じさせる。そして、この回転運動は、第1リンク部材85の一端85aにより前後方向の直線的な運動に変換され可動扉部材64に伝達される。これにより、可動扉駆動装置62による連結部材88の移動量は、第1リンク部材85及び第2リンク部材86の回転運動から第1リンク部材85の一端85aの直線運動に変換される。このような連結機構63を設けることによって、可動扉駆動装置62による連結部材88の移動量よりも可動扉部材64の移動量を増大させることができる。すなわち、大きな移動量を確保するために、可動扉駆動装置62によるプランジャ80の移動量を増大させる必要がないので、特別入賞装置本体60aを小型化することができる。従って、可動扉駆動装置62と可動扉部材64との間に連結機構63を介在させるという簡単な構成によって、遊技盤7の後面側(盤面と反対となる裏面側)における特別入賞装置本体60aの小型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、特別入賞口3の開閉に連結機構63及び可動扉部材64を用いたが、本発明はこれに限られず、他の入賞口(例えば、特定入賞口2)にも適用が可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施形態となる遊技機の外観斜視図である。 図1に示す遊技機の背面斜視図である。 図1に示す遊技機の前面斜視図ある。 図1に示す遊技機の背面図である。 図1に示す遊技機の分解斜視図である。 図1に示す遊技機の分解斜視図である。 図1に示す遊技機の電気的構成を示すブロック図である。 特別入賞装置の斜視図であり、(a)は閉位置にある可動扉部材を示し、(b)は開位置にある可動扉部材を示したものである。 特別入賞装置の正面図であり、(a)は閉位置にある可動扉部材を示し、(b)は開位置にある可動扉部材を示したものである。 特別入賞装置の側面図であり、(a)は閉位置にある可動扉部材を示し、(b)は開位置にある可動扉部材を示したものである。 可動扉部材が開位置から閉位置に移行する途中の状態を示す底面図である。 図11の平面図である。 特別入賞装置本体を模式的に示す断面図である。 可動扉部材のシャッターレバーと特別入賞装置の内面底部に形成された溝部とを表す斜視図であり、(a)は閉位置にあるシャッターレバーを示し、(b)は開位置にあるシャッターレバーを示したものである。 可動扉部材のシャッターと特別入賞装置の内面底部とを表す斜視図である。 シャッターとシャッターレバーとが別体に形成された状態を示す斜視図である。 シャッターとシャッターレバーとが一体的に形成された状態を示す斜視図である。 可動扉部材が開位置から閉位置に移行する状態を示す底面図であり、(a)は開位置にある可動扉部材を示し、(b)は開位置から閉位置に移行する途中の可動扉部材を示し、(c)は閉位置にある可動扉部材を示したものである。 連結機構による動作を模式化した図である。
符号の説明
3…特別入賞口(開口)、7…遊技盤、17…可動物制御装置(制御手段)、28…透明板部材(カバー部材)、31…遊技領域、47b…特別入賞球検知センサ、60…特別入賞装置(入賞装置)、60a…特別入賞装置本体(本体)、62…可動扉駆動装置(駆動手段)、63…連結機構、64…可動扉部材、70…取付基盤、71…ケース体、75…シャッター、75d…先端縁、75f…上面、76…シャッターレバー、77…入賞領域、80…プランジャ、81…駆動部、85…第1リンク部材、85a…一端、85b…他端、86…第2リンク部材、86a…一端、86b…他端、87…スライド部材、88…連結部材(連結部)

Claims (3)

  1. 遊技盤の盤面と該盤面の前方を覆うカバー部材との間に区画された遊技領域に遊技球を発射して遊技する弾球遊技機の前記遊技盤に固定される入賞装置であって、
    前記遊技領域に対して開放された開口を有する入賞領域と、
    前記遊技盤の盤面と交叉する所定方向に沿って前記入賞領域の開口から出没移動自在に設けられ、前記入賞領域側となる後方の閉位置では、前記開口から前記入賞領域への遊技球の移動を阻止し、前記閉位置よりも前記遊技領域側となる前方の開位置では、前記開口から前記入賞領域への遊技球の移動を許容する可動扉部材と、
    前記可動扉部材を、前記閉位置と前記開位置との間で往復移動させる駆動手段と、
    を備え、
    前記可動扉部材の上面は、前記入賞領域側から前記遊技領域側に向かって上方へ傾斜し、
    前記所定方向は、前記可動扉部材が前記閉位置から前記開位置へ向かうときは斜め前上方へ移動し、前記開位置から前記閉位置へ向かうときは斜め後下方へ移動するように設定されている
    ことを特徴とする入賞装置。
  2. 請求項1に記載の入賞装置であって、
    前記可動扉部材が前記開位置にあるとき、前記可動扉部材の前方の先端縁は前記カバー部材と近接し、
    前記可動扉部材の先端縁の上部は、曲面形状を有する
    ことを特徴とする入賞装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の入賞装置であって、
    前記入賞領域を有し、前記駆動手段が固定され、且つ前記遊技盤に対して固定される本体と、
    前記駆動手段と前記可動扉部材とを連結する連結機構と、を備え、
    前記可動扉部材は、前記本体に対して移動自在に設けられ、
    前記連結機構は、前記可動扉部材に対して回転自在に支持される一端を有する第1リンク部材と、前記本体に対して回転自在に支持される一端と前記第1リンク部材の他端に回転自在に連結される他端とを有する第2リンク部材と、を有し、
    前記第2リンク部材の一端は、前記可動扉部材が前記閉位置にあるとき前記第1リンク部材の一端よりも後方で且つ該第1リンク部材の一端と近接する位置に配置され、
    前記駆動手段は、前記第1リンク部材の他端と前記第2リンク部材の他端との連結部を移動させ、前記第2リンク部材の一端に対する前記第1リンク部材の一端の位置を変更することにより、前記可動扉部材を往復移動させる
    ことを特徴とする入賞装置。
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