以下、図面を参照して、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技球の供給に基づいて遊技者に遊技を行わせる第1実施形態の弾球遊技機の構成及び動作について説明する。
なお、本実施形態では、図1に示すような、現金等の対価を支払って遊技機設置営業店から遊技者が購入したプリペイドカードをプリペイドカードユニット(以下、CRユニットと称す)1に読み込ませることにより、遊技に使用する遊技球を借り受ける形態下で遊技者が遊技する弾球遊技機の構成及び動作について説明する。より具体的には、この遊技機は、図3に示すように、借り受けた遊技球が予め定められた特定入賞口(スタートチャッカー、始動入賞口)2に受け入れられ入賞状態になった時に電子的な当否抽選を行い、抽選の結果が当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態となるように、特別入賞口(大入賞口)3を遊技球が入賞し易い状態にする弾球遊技機(以下、遊技機と称す)である。
[遊技機の構造概略]
本実施形態の遊技機は、外部的構造として、外枠(木枠)4、本体部材(本体)5、開口枠扉6、遊技盤7、球受皿付き扉8、球受皿9、回動式操作ハンドル(球発射ハンドル)10、球貸し関係操作部11、及び球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12等をその前面側に備えている。また、この遊技機は、内部的構造として、主制御装置13、副制御装置14、払出制御装置52、遊技球払出装置15、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、回収通路部材18、貯留タンク19、遊技球を払い出すときに用いる通路部材(賞球口)20、及びその他、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23等をその後面側に備えている。
以下、図1〜図7を参照して、本実施形態の遊技機の構成を、外部的構造、内部的構造、遊技領域の構成、及び電気的構成の順に詳しく説明する。
〔外部的構造〕
始めに、本実施形態の遊技機の外部的構造について説明する。
前記外枠4は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
前記本体部材5は、外枠4の内部に備えられ、ヒンジ部26を介して外枠4に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体部材5は、枠状に形成され、内側に空間部を有している。
前記開口枠扉6は、ロック機能25付きで且つ開閉自在となるように遊技機の前面側となる本体部材5の前面に対しヒンジ部26を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部27とした扉部材である。なお、この開口枠扉6には、開口部27に対向してガラス製又は樹脂製の透明板部材28が設けられ、さらに、開口部27近傍には、電飾29やスピーカ30が取り付けられている。
前記遊技盤7は、その盤面に遊技領域31を有し、本体部材5の空間部に臨むように、所定の固定部材を用いて本体部材5に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域31は、遊技盤7を本体部材5に装着した後、開口部27から観察することができる。
前記球受皿付き扉8は、遊技機前面において本体部材5の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。なお、本実施形態では、球受皿付き扉8には以下の部材が取り付けられている。
(1)複数の遊技球が貯留可能で且つ、発射駆動装置23へと遊技球を案内させる通路が設けられた球受皿9。
(2)発射駆動装置23へと案内された遊技球を遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出す操作を行う、遊技球の発射停止ボタン10aを備えた回動式操作ハンドル10。
(3)プリペイドカード読み込み処理関係、及び遊技者が借り受ける遊技球(以下、貸球と称す)の貸し出し処理関係の指示を行うボタンを備えた球貸し関係操作部11。
(4)球受皿9に貯留させた遊技球を遊技者が遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させるための球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12。
〔内部的構造〕
次に、本実施形態の遊技機の内部的構造について説明する。
前記主制御装置13は、本発明の大当たり遊技状態生起手段、賞球計数手段、演算手段及び払出手段として機能し、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられている。この主制御装置13は、電気的な遊技制御の処理を行い、主要な処理情報を生成する。
前記副制御装置14及び払出制御装置52は、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられ、主制御装置13が生成した処理情報に従って、所定の出力態様処理を実行させる制御を行う装置である。なお、詳しくは後述するが、副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14cを有する。図柄制御装置14aは、後述するVDP50及び可変表示装置34とともに本発明の表示手段を構成する。
前記遊技球払出装置15は、予め定められた入賞条件が成立するのに応じて遊技利益として所定数の遊技球を払い出す(以下、賞球と称す)駆動源を備えた装置である。この遊技球払出装置15は、前記主制御装置13及び払出制御装置52とともに本発明の払出手段を構成する。
前記球貸信号制御装置16は、プリペイドカード読み込み処理関係、及び貸球の貸し出し処理関係の制御を行う装置である。
前記可動物制御装置17は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技領域31内に配設された複数の可動物(例えば、可動片44、可動扉45、入賞領域振分物、演出用移動物等)を作動状態にするための装置であり、複数の可動物に対応して個別に設けられている。なお、本実施形態の可動物制御装置17は、可動片44を駆動する可動片駆動装置、可動扉45を開閉駆動する可動扉駆動装置、入賞領域振分駆動装置、及び演出用移動物駆動装置を有する。
前記回収通路部材18は、回動式操作ハンドル10によって遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出された遊技球を遊技盤7の裏側へと回収する通路(俗称、集合樋)となる部材である。
前記遊技球を払い出す時に用いる通路部材20は、球受皿9に賞球又は貸球を案内する通路となる部材である。
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて遊技機内の各制御装置に対して主電源(AC24V)からの電力を供給する装置である。電源供給装置21は、補助電源53と電源監視部(電力供給制御手段)54とを含み、補助電源53には主電源からの電力が蓄電される。電源監視部54は、主電源からの電力供給状態を常時監視し、主電源からの電力供給が遮断された電断状態となったとき(例えば、停電時など)、図柄制御装置14aと後述するVDP50及び可変表示装置34とに対して補助電源53からの電力を供給する。
前記発射制御装置22は、回動式操作ハンドル10を介して遊技球を遊技領域31へと打ち出す操作が行われた時に、発射作動間隔(例えば、1分間に遊技球を100球発射させるようにする等)の制御と、回動式操作ハンドル10の回動量に応じた遊技球の発射強度の調整を行う装置である。
前記発射駆動装置23は、発射制御装置22による打ち出し制御に応じて、遊技球の打ち出し駆動部を作動させ、遊技球を遊技領域31へと打ち出す装置である。
〔遊技領域の構成〕
次に、本実施形態の遊技機の遊技領域31の構成について説明する。
前記遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成され、回動式操作ハンドル10によって打ち出された遊技球の移動範囲を規制する領域である。なお、遊技球規制レール33は前記ガイドレール32に連続的に接続するように構成され、ガイドレール32と遊技球規制レール33は全体として螺旋をなして遊技盤7の盤面に配設されている。
また、遊技領域31内には、可変表示装置(特別図柄表示装置)34、LED(Light Emitting Diode)表示装置35、ステージ36、所定入賞口(一般入賞口)37、所定通過口(スルーチャッカー)38,46、アウト口39、遊技釘(図示せず)、風車40、特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42、演出用表示ランプ43等が設けられている。
前記可変表示装置34は、バックライト55を有する液晶表示装置(Liquid Crystal Display)であり、本発明の液晶表示部を構成する。可変表示装置34は、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた入賞口への遊技球の入賞等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別表示情報(例えば、図柄、キャラクタ、背景画像等)を可変表示させた後に停止表示する表示制御装置である。
前記LED表示装置35は、遊技者への様々な情報をLEDにより表示する装置であり、例えば、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた通過口への遊技球の通過等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別点灯情報をLEDにより可変表示させた後に停止表示する。
前記ステージ36は、可変表示装置34の下方において遊技球を一時的に滞在状態とし、その後、遊技球の落下を許容する踊り場部を備えた構造物である。
前記所定入賞口37は、遊技領域31内における適宜な位置に複数設けられ、落下してくる遊技球を受け入れる開口部を備えた構造物である。なお、特定入賞口2及び特別入賞口3もこの所定入賞口37に含まれる。
ここで、前記特定入賞口2とは、複数の入賞口の何れかであって、入賞口の開口範囲の拡縮を行わせる電動式の可動片44を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、可変表示装置34に識別表示情報を可変表示させると共に、遊技者に賞球を獲得させる入賞口である。また、前記特別入賞口3とは、複数の入賞口の何れかであって、入賞口を露出させる開口状態と入賞口を閉鎖する閉口状態を生成する電動式の可動扉45を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、他の入賞口と比較して多くの賞球を遊技者に獲得させる入賞口である。なお、以下では、特定入賞口2及び特別入賞口3以外の複数の所定入賞口37をその他入賞口37と称する。
前記所定通過口38,46は、遊技領域31内における適宜な位置に所定数設けられ、落下してくる遊技球を通過させるゲートを備えた構造物である。
前記アウト口39は、所定入賞口37の何れにも入ることがなかった遊技球を集束する位置に設けられた遊技球の回収開口部である。
前記遊技釘は、遊技球と接触させることにより遊技球の移動方向を不規則にする、若しくは遊技球の移動方向を規制するために、遊技盤7の盤面の適宜な位置に打ち込まれる複数の棒状部材である。
前記風車40は、遊技球の接触によって自転可能な回転部材である。
前記特定保留数表示ランプ41は、前記特定入賞口2への入賞後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
前記通過保留数表示ランプ42は、前記所定通過口38への通過達成後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
前記演出用表示ランプ43は、電源投入後の遊技状態の変化に応じて多彩な点灯態様とする発光装置である。
〔電気的構成〕
次に、本実施形態の遊技機の電気的構成について説明する。
本実施形態となる遊技機は、電気的構成として、CRユニット1、主制御装置13、副制御装置14、払出制御装置52、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23、検知センサ47、集中管理装置48等を備える。なお、CRユニット1、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、及び発射駆動装置23の構成は上述の通りであるので、以下ではその説明を省略する。
前記主制御装置13は、CPU(Central Processing Unit:中央命令処理部)13a、予め定められた制御プログラム(コンピュータプログラム)を格納するROM(Read Only Memory:書換不可記憶部)13b、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory:書換可能記憶部)13c、周期的な信号を発生させる周波数発生回路部13d等により構成され、遊技機内における主要な情報処理を行うと共に、副制御装置14に入力する処理情報を生成する装置である。
前記副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、及び音声制御装置14cにより構成され、主制御装置13が生成した処理情報に従って所定の出力態様処理を行う。なお、副制御装置14は、出力態様処理毎の装置として構成しても、各出力態様処理を複数組み合わせて構成してもよい。また、副制御装置14を構成する各制御装置は、処理情報に従って独立して処理を実行可能なように、内部にCPU、ROM、RAMを備える。
ここで、前記図柄制御装置14aは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ(VDP)50を介して可変表示装置34、又はLED表示装置35を制御することにより、識別点灯情報又は識別表示情報を変動表示させた後に停止表示する制御を行う装置である。すなわち、図柄制御装置14a及びVDP50は、本発明の表示制御部を構成する。
前記ランプ制御装置14bは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、開口枠扉6の電飾29(演出報知ランプ、払出ランプ、トラブルランプを含む)や遊技領域31内に設けられた演出用表示ランプ(電飾)43、又は特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42等を点灯制御する装置である。なお、特定保留数表示ランプ41又は通過保留数表示ランプ42が表す情報は可変表示装置34による識別表示情報として報知してもよい。
前記音声制御装置14cは、主制御装置13が生成した処理情報に従ってスピーカ30やサウンドプロセッサ等の音声発生装置51を制御して音声を発生させる装置である。
前記払出制御装置52は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技球払出装置15により所定数の賞球を払い出す制御を行う装置である。また、前記払出制御装置52は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、球貸信号制御装置16を介して、CRユニット1に読み込ませたプリペイドカードに格納したデータ情報を参照して、所定数の貸球を払い出す制御を行うと共に、貸球の払い出し個数を計数して管理をする装置である。なお、払出制御装置52は、処理情報に従って独立して処理を実行可能なように、内部にCPU、ROM、RAMを備える。
前記検知センサ47は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより構成される。そして、各検知センサ47はそれぞれ、特定入賞口2、特別入賞口3、入賞特定領域(例えば、特別入賞口3の略中央部より右側領域)、所定通過口38,46、その他入賞口37、賞球口20、及び球詰まりが発生し易い球通路部材49の球通路49a近傍に設けられ、各場所における遊技球の通過の有無を検知する。
前記集中管理装置48は、主制御装置13が生成した処理情報を遊技機の外部において管理する装置である。
[遊技機の動作]
次に、本実施形態の遊技機の動作を主制御装置13、副制御装置14、及び可動物制御装置17の動作に分けて説明する。
〔主制御装置の動作〕
始めに、主たる遊技制御を行う主制御装置13の動作について説明する。
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて、遊技機の電気的な制御装置に対し主電源から電力を供給する。そして、主制御装置13のCPU13aは、電源が供給されると、初期設定として下記必要確認事項のチェックを行い、遊技機が適正な起動状態となっているか否かをチェックする。
具体的には、始めに、主制御装置13のCPU13aは、「RAM13cに記憶されている処理情報をクリアするリセットスイッチ(図示せず)はオン状態であるか否か」を判断する。そして、リセットスイッチがオン状態である場合、主制御装置13のCPU13aは、不要残存データとなる賞球情報や遊技履歴情報等、RAM13cに記憶されている処理情報を削除し、所定の処理情報をRAM13c内に正常に記憶し得るか否かをチェックする。チェックの結果、正常に記憶し得るとのチェック結果となった場合、主制御装置13のCPU13aは、メインルーチン処理への移行を許可し、副制御装置14に対して通知する主制御起動開始の処理情報等を生成する。
一方、リセットスイッチがオン状態でない場合には、主制御装置13のCPU13aは、「バックアップフラグを設定しているか否か」の判断を行い、バックアップフラグが設定されている場合、前述と同様のチェック及びメインルーチン処理への移行許可等を行う。逆に、バックアップフラグが設定されていない場合、主制御装置13のCPU13aは、「RAM13cに記憶されている処理情報(記憶領域の内容)が壊れていないか否か」を判断し、RAM13cに記憶されている処理情報が「壊れていない」と判断した場合、前述と同様のチェック及びメインルーチン処理への移行許可等を行う。
一方、RAM13cに記憶されている処理情報が「壊れている」と判断した場合には、主制御装置13のCPU13aは、電源投入時前に不本意な停電、故障、処理ミス等のエラーが生じていたものと判断し、エラー解除の復帰処理が行われた後に、エラーが発生した電源断時点からの処理を始める制御を行い、この制御の終了後にリセットスイッチがオン状態とされることを条件として、前述と同様のRAM13cに記憶されている処理情報の削除、チェック及びメインルーチン処理への移行許可等を行う。なお、以下の説明において、停電復旧時のエラー解除の復帰処理を特に停電回復処理と称する。
ここで、本実施形態におけるメインルーチン処理は、主制御装置13に備えられたROM13bに予め格納された制御プログラム(コンピュータプログラム)により実行される。そして、主制御装置13のCPU13aは、メインルーチン処理として、乱数更新処理、入力検知受信処理、入力管理処理、異常監視処理、特別図柄制御処理、払出残数算出処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、準備球払出処理、外部情報管理処理、及び出力管理処理を行う。
なお、このメインルーチン処理とは、周波数発生回路部13dが生成する周期的な信号に基づく分周設定により定期的なタイミングパルス(例えば4ミリ秒)を生成し、生成されたタイミングパルスに合わせて、CPU13aが、前記各処理の読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。
以下、前記メインルーチン処理の各処理について詳しく説明する。
『乱数更新処理』
前記乱数更新処理は、抽選遊技処理と複数の所定数値群のグループから成る乱数生成範囲とを対応するように個別の種類毎に設定し、この設定に基づいて乱数を生成する処理である。なお、本実施形態における乱数とは、抽選遊技処理毎に応じた乱数生成範囲を設定した乱数生成プログラム(例えば、当否判定用の乱数生成範囲は0〜699、変動パターン決定用の乱数生成範囲は0〜39、表示図柄決定用の乱数生成範囲は0〜11等)に従って、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて前記乱数生成範囲内において数値を+1ずつ更新した時の数値を意味する。また、この乱数更新処理は、主制御装置13のROM13bに格納される制御プログラムによるソフトウェア的な処理に限られず、外部に設けられた物理的装置となる乱数発生手段に基づいて乱数の更新処理を行わせ、この乱数を主制御装置13のCPU13aに取り込んで乱数抽出の制御処理をさせるようにしてもよい。
『入力検知受信処理』
前記入力検知受信処理は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより生成された入力情報があるか否かをタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視、及び各検知センサ47からの入力情報を受信する処理である。
『入力管理処理』
前記入力管理処理は、入力検知受信処理により受信した入力情報を解析し、どの検知センサからの入力信号であるか等の解析結果に応じて、例えば、複数の入賞口毎に入賞させた各々の遊技球個数の計数管理や、入賞検知に係る受信時から該入賞に基づく制御処理が開始されるまでの時間管理等の処理を行い、後述する異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び賞球払出処理を行う上で、適宜に該処理結果を使用できるようにする処理である。
『異常監視処理』
前記異常監視処理は、球受皿9に遊技球を貯留させた場合における容量オーバーのエラー、遊技球流動時における球詰まりエラー、制御処理実行時の不良エラー等、前記入力管理処理にてエラー処理情報が生成されていないか否かを、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に従って監視し、エラー処理情報が生成されている場合には、そのエラー処理情報に対応した出力態様の報知処理情報を生成する処理である。また、この異常監視処理では、主制御装置13のCPU13aは、前記入力管理処理によってエラー状態の解除の処理情報が受信した場合、エラー解除の出力態様の報知処理情報も生成する。
そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した報知処理情報を副制御装置14側へ送信し、異常監視処理におけるエラー報知の出力態様として実行するべく、報知処理情報を記憶手段(例えば、RAM13c)に記憶する。なお、前記副制御装置14側へ送信するために記憶される報知処理情報とは、例えば通常遊技状態時の異常監視処理を意味する「先行コマンド番号」と、実行させる報知のエラー出力態様を意味する「後続コマンド番号」との組み合わせから成る。以下、メインルーチン処理にて生成する処理情報は、どのような遊技状態の何々処理を意味する「先行コマンド番号」と、実行させる所定の出力態様を意味する「後続コマンド番号」の組み合わせ(以下、単に番号又はコマンド番号と称す)により構成されるものとする。
『特別図柄制御処理』
前記特別図柄制御処理は、特定入賞口2の近傍に設けられた特定入賞球検知センサ47aから入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)となるように特別入賞口3に遊技球が入賞し易くする処理である。また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、可変表示装置34で識別表示情報(以下、特別図柄と称す)を表示制御することに関係する処理も行う。
ここで、特別図柄とは、前記特定入賞口2への遊技球の入賞に基づく前記当否抽選の結果を可変表示する複数の識別情報(例えば、左・中・右の3つの図柄)である。抽選結果が当選の場合には、複数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄が全て同じ図柄で揃った状態)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して短時間に多くの賞球が獲得可能な状態が連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、複数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄のうち少なくとも一つが他と異なっている状態)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。
また、前記特別図柄における可変表示とは、予め設定された、互いに異なる複数種類の特別図柄(例えば、12種類)を、所定速度で周期的に順次表示させる態様を、複数の表示領域(例えば、左・中・右等の3つ)にて行う表示方法である。以下、可変表示及びこれに付随する背景変動(キャラクタ表示を含む)における演出を報知演出と称する。
この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、特定入賞口2への遊技球の入賞を契機として、乱数抽出による予め定められた数値の比較に応じた当否抽選、及び該抽選結果に係る表示制御を行うために、当否判定(抽選)用となる有利な遊技状態に移行させるか否かの当否用の乱数と、可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた可変表示となる報知演出をするための変動パターン決定用の乱数と、同じく可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた停止表示の態様とするための特別図柄決定用の乱数とを乱数更新処理にて生成する。そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した乱数を個別に読み出し、取得乱数として記憶手段に記憶する。
また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、乱数の取得時点で既に特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件として記憶させた当否用の取得乱数と、数値振分けデータ群としてテーブルに予め設定されている当否用比較数値とを照合して比較することで当否判定を行い、その結果である当否情報を記憶手段に記憶する。
次に、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用の変動パターン比較用数値と、該記憶された変動パターン決定用の取得乱数とを、記憶手段に記憶した当否情報に応じて照合して比較することにより、変動パターン決定判定を行い、その結果である当たり又は外れ用とする変動パターン情報(パターン番号)を記憶手段に記憶する。
さらに、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用から成る停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)の特別図柄比較用数値と、該記憶された特別図柄決定用の取得乱数とを、前記記憶した当否情報と当たり又は外れ用とする変動パターン情報に応じて照合して比較することにより、特別図柄決定判定を行い、その結果から得られる複数の特別図柄のそれぞれを個別に停止表示させる、当たり又は外れ用となる特別図柄情報(左・中・右の特別図柄番号)を記憶手段に記憶する。
ここで、変動パターン比較用数値、或いは特別図柄比較用数値を有するテーブルとこれに対応させた取得乱数とに応じて照合して比較することは、当たりの場合は当たり用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断し、外れの場合は外れ用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断することにより、合致するものを探し出す処理である。そして、前記合致に応じた当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号が記憶手段に記憶される。
なお、前記乱数発生手段による乱数の取得時点において、「特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件に当否判定を行う」としたが、該契機条件は任意に設計変更可能なものとする。
これまで説明した特別図柄制御処理により、特定入賞口2における入賞後に得られる処理情報として、以下の情報が生成される。
(1)当たり又は外れ用の変動パターン番号。
(2)所定の可変表示領域に対し一時的に停止表示(微動表示を含む)をさせる、当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号。
(3)該一時的に停止表示をさせる複数の特別図柄に対して停止表示の態様とさせるための確定停止指示番号。
(4)前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号。
そして、後述する出力管理処理を介して副制御装置14側へ前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号を送信する時に、決定された変動パターンに対応する制御処理実行時間を主制御装置13のCPU13aにて設定し、カウント演算処理を行わせるタイマーを更新する。
なお、前記乱数発生手段により乱数の取得時点において、特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていた場合には、主制御装置13のCPU13aは、該制御処理が終了するまで、読み出し結果である特別図柄制御に係る取得乱数又は前記表示態様の実行のための処理情報を記憶手段に記憶し、記憶したことを報知するために、乱数等の格納毎に特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯すべく、副制御装置14(ランプ制御装置14b)側へ送信する点灯命令情報を生成する。
そして、可変表示している変動パターンの変動表示時間の推移を管理すべく設定しているカウント演算による更新をしているタイマーに基づいて、主制御装置13のCPU13aが、停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて、記憶手段に記憶された不必要な取得乱数又は処理情報の削除を行うと共に、確定停止指示番号を送信した時に、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯させる。すなわち、副制御装置14(ランプ制御装置14b)は、特定保留数表示ランプ41の点灯処理が行われている場合には、該確定停止指示番号を消灯命令処理情報として用いるようになる。
なお、本実施形態では、前記取得乱数又は処理情報を記憶手段に記憶させる時に、記憶すべき該取得乱数又は処理情報の上限個数(例えば、5個)を予め定めておき、先行制御処理に係る取得乱数又は処理情報の記憶を含めた合計記憶個数が上限の場合、主制御装置13のCPU13aは、該取得乱数又は処理情報を生成する条件が満たされていても無効条件成立として、記憶する制御は行わず、特別図柄制御の当否判定も行わない。
また、この特別図柄制御処理では、前記有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの当否判定の結果が当たりとなり、この当たり結果を報知するため、前記特別図柄の組み合わせによる予め定められた停止表示の態様を実行する場合において、主制御装置13のCPU13aは、以下のような処理をする。すなわち、主制御装置13のCPU13aは、当たりに対応して、前記有利な遊技状態に移行させるために、(a)前記特別入賞口3に対して閉口するように備えさせていた可動扉45を開口状態とし、(b)該開口状態が所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数n個(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかの何れかの条件を満たすことを条件に、可動扉45を閉口制御し、さらに、(c)該開口状態中に入賞した遊技球の何れかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、可動扉45を連続的に開口状態とし、(d)前述と同様の条件成立の推移にて可動扉45を開閉することを、所定上限回数m回(例えば、16回)が達成されるまで繰り返すよう指示する処理情報を生成する。
ここで、上記(a)及び(b)による可動扉45の1回の開放を1ラウンドと称する。すなわち、1ラウンドにおける特別入賞口3への最大入賞球数は、複数の遊技球が同時に入賞するような例外的な場合を除き基本的にn個であり、1回の大当たり遊技状態において最大m回のラウンドが継続して実行される。従って、1回の大当たり遊技状態において上記例外を除き特別入賞口3には最大でn×m個の遊技球が入賞可能である。また、大当たり遊技状態において、特別入賞口3への1個の遊技球の入賞に対して払い出される賞球数p個は予め設定されている。これにより、1回の大当たり遊技状態が生起されたときに遊技者に対して払い出しが可能となる賞球の総数(払出予定数)は、n×m×p個(定数)となり、この払出予定数はROM13bに予め記憶されている。なお、払出予定数は、前記n×m×p個に限定されるものではなく、他の方法によって算出又は決定された値(いわゆる標準出球数など)でもよい。
『払出残数算出処理』
前記払出残数算出処理は、前記特別図柄制御処理において前記大当たり遊技状態が生起されているときに、特別入賞口3への遊技球の入賞に起因して遊技者に対して払い出された賞球を完了払出数として積算してRAM13cに一時的に記憶する処理と、前記予定払出数から前記完了払出数を減算することによって賞球の払出残数を算出する処理とを含む。ここで、特別入賞口3以外の他の入賞口(例えば、特定入賞口2)へ入賞する頻度は、特別入賞口3への入賞の頻度に比較して極めて少ないため、本実施形態では、大当たり遊技状態において遊技球払出検知センサ47fが検出する遊技球数の積算値を完了払出数と擬制してRAM13cに記憶する。また、払出残数を算出する処理では、ROM13bから予定払出数を、ROM13b又はRAM13cから完了払出数をそれぞれ読み出し、予定払出数から完了払出数を減算して払出残数を算出するとともに、算出した払出残数を表す払出残数情報を生成し、RAM13cに記憶する。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した払出残数情報を図柄制御装置14aへ送信する。図柄制御装置14aは、後述する停電発生時の払出残数表示処理の実行に備え、該払出残数情報を記憶手段(RAM)に記憶する。なお、CPU13aは、大当たり遊技状態が終了して通常の遊技状態に移行する際に、RAM13cに記憶した払出残数情報をクリアし(「ゼロ」に設定し)、その払出残数情報を図柄制御装置14aへ送信する。また、完了払出数が予定払出数を超えた場合は、払出残数を「ゼロ」として払出残数情報を生成する。
また、停電などの電断状態が発生して遊技機が停止した後、電断状態が解除されて(停電が復旧して)前記停電復旧処理が実行されると、停電時にRAM13cに記憶されていた完了払出数に対して払い出した賞球の積算を再開し、払出残数を算出して払出残数情報を生成する。
さらに、RAM13cには、実行中の遊技状態を示す情報が記憶される。例えば、前記大当たり遊技状態の生起されると、大当たり遊技状態を示す情報が記憶され、大当たり遊技状態が終了して通常の遊技状態へ移行すると通常の遊技状態を示す情報が記憶される。CPU13aは、RAM13cから前記遊技状態を示す情報を読み出し、大当たり遊技状態を示す情報を読み出した場合は、上記完了払出数の積算や賞球の払出残数の算出や払出残数情報の生成などの処理を実行する。一方、大当たり遊技状態以外の遊技状態を示す情報を読み出した場合は、上記完了払出数の積算や賞球の払出残数の算出や払出残数情報の生成などの処理を実行しない。すなわち、停電等の電断状態が発生した後の停電回復処理時において、大当たり遊技状態を示す情報を読み出した場合は、大当たり遊技状態の実行中に電断状態が発生したために払出残数の賞球の払い出しが必要であると判定し、上記完了払出数の積算や賞球の払出残数の算出や払出残数情報の生成などの処理を実行する。これに対し、大当たり遊技状態以外の遊技状態を示す情報を読み出した場合は、大当たり遊技状態以外の遊技状態(例えば、通常遊技状態)の実行中に電断状態が発生したため払出残数の賞球の払い出しが不要であると判定し、上記完了払出数の積算や賞球の払出残数の算出や払出残数情報の生成などの処理を実行しない。なお、RAM13cに記憶された遊技状態を示す情報は、停電回復処理開始時には停電前の状態のまま残存し、停電回復処理終了後にリセットスイッチがオン状態とされることによってクリアされる。
『普通図柄制御処理』
前記普通図柄制御処理は、遊技者にとって有利な遊技状態とする処理であり、所定通過口38近傍に設けられた通過球検知センサ47dからの入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合に前記特定入賞口2の入口両側に設けた可動片44を拡大して、その開口範囲を拡大させ、打ち出した遊技球を該特定入賞口2に入り易くする処理である。また、この普通図柄制御処理では、LED表示装置35で普通図柄と称される識別情報を表示制御する処理も行う。
ここで、普通図柄とは、前記通過球検知センサ47dからの入力情報に応じた当否抽選の結果を可変表示又は点滅表示する所定数の識別情報(例:「○・−」→当選図柄、「−・×」→外れ図柄)である。抽選結果が当選の場合には、所定数の識別情報が予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例:「○・−」)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、小当たり)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して、打ち出した遊技球が入賞し易い状態が単発的又は連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、所定数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例:「−・×」)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。なお、本発明においては、識別情報を表示制御するLED表示装置35の代わりに、前記可変表示装置34又はドラム式やドットマトリクス式の表示装置等でもよく、表示方法には拘らない。
また、該普通図柄制御処理では、前記有利な遊技状態とするために、
(a)前記特定入賞口2に対して開口範囲を縮小するようにさせていた一対の可動片44を作動させて該開口範囲を所定時間(例えば、0.2秒)拡大する(特定入賞口2を開放する)処理をし、
(b)その後に元の状態に戻す、
という処理を所定回数(例えば、1回)行わせる指示をする処理情報を生成する。
『ランプ管理処理』
前記ランプ管理処理は、前記入力管理処理にて生成する入賞処理情報等のランプ点灯に係る処理情報があるか否かを、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視し、該ランプ点灯に係る処理情報がある場合に、その処理情報に対応した出力態様となる発光処理情報を生成する処理である。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した発光処理情報を副制御装置14側へ送信し、ランプ管理処理における点灯報知の出力態様とし実行するべく、該発光処理情報を記憶手段に記憶する。なお、前記停電復旧処理の実行中は、停電復旧処理の実行中である旨を報知する出力態様となる発光処理情報を生成する。
『準備球払出処理』
前記準備球払出処理は、前記入力管理処理にて生成する入賞処理情報等の賞球払出に係る処理情報があるか、又は前記球貸信号制御装置16から球貸払出に係る処理情報が生成されていないか否かを所定時間毎に監視し、該賞球払出又は球貸払出に係る処理情報がある場合に、その払出処理情報に対応した出力態様となる払出操作情報を生成する処理である。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した払出動作情報を払出制御装置52へ送信し、準備球払出処理における払出動作の出力態様として実行すべく、該払出動作情報を記憶手段に記憶する。また、この処理では、前記払出動作情報を生成するのに伴って、遊技球払出制御に係る動作時間、及び1つの遊技球を払い出す動作毎の回数を所定の計数手段にて計数する時の合計値を主制御装置13のCPU13aにて設定し、払出動作の実行管理を行う。なお、前記準備球とは、賞球払出又は球貸払出用として予め備えておく遊技球のことである。
また、前記停電復旧処理において、RAM13cに払出残数情報が記憶されている場合、停電発生時の払出残数情報を読み出して、払出操作情報として払出制御装置52へ送信する。払出制御装置52は、準備球払出処理における払出動作の出力態様として実行すべく、該払出動作情報(払出残数情報)を記憶手段(RAM)に記憶する。
『外部情報管理処理』
前記外部情報管理処理は、副制御装置14及び払出制御装置52側へと送信するために生成し記憶手段に記憶した記憶情報を、遊技機外部において管理を行う時に必要な記憶情報であるか否かを判断し、該判断結果に応じて管理すべき記憶情報を集中管理装置48側へ送信する処理である。
『出力管理処理』
前記出力管理処理とは、異常監視処理、特別図柄制御処理、払出残数算出処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び準備球払出処理により生成された処理情報を、副制御装置14及び払出制御装置52側へ送信するために、出力データを編集し、該処理情報の出力タイミングを通知するためのストローブ(STB)信号を伴わせて、該出力編集した記憶情報を送信する処理である。払出残数算出処理において生成された払出残数情報は図柄制御装置14aへ送信され、準備球払出処理において払出動作情報として読み出された払出残数情報は払出制御装置52へ送信される。
〔副制御装置の動作〕
次に、副制御装置14の動作について説明する。
前記副制御装置14は、電源投入による起動開始時、初期設定を行い、必要確認事項のチェック処理を行う。そして、チェック処理結果が正常であれば、該副制御装置14におけるメインルーチン処理への移行を許可し、主制御装置13のCPU13aから送信された記憶情報である主制御起動開始情報等を受信する。
なお、前記副制御装置14のメインルーチン処理とは、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、及び音声制御装置14cのそれぞれに備えられたROMに予め格納された主要な制御プログラムを、周波数派生回路部13dで生成した定期的なタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に合わせて、読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。以下、前記副制御装置14のメインルーチン処理における基本的な処理の一例について説明する。
始めに、副制御装置14は、前記出力管理処理にて送信した処理情報を受信したか否かをタイミングパルスに応じて監視し、受信が行われている場合に記憶手段(例えば、RAM)に記憶する。次に、副制御装置14は、該受信した処理情報の解析処理を行い、どのような遊技状態における異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び球払出処理の何れかの処理情報(先行コマンド)で且つ、どのような出力態様を実行させる処理情報(後続コマンド番号)かの判別を行う。
そして、副制御装置14は、該解析処理の結果に応じたフラグの設定、及び出力態様に係る制御処理実行時間に基づきカウント演算するタイマーを設定し、予め定められた制御プログラムを格納する記憶手段(例えば、ROM)から、該解析処理の結果に応じた出力態様用の制御プログラムを読み出して実行する制御処理を行う。
以下、処理情報を受信した場合の、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、及び音声制御装置14cの動作について順に説明する。
『図柄制御装置の動作』
処理情報が特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、所定の可変表示領域に対し一時的な停止表示(微動表示を含む)をさせる当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号(例えば、左・中・右の3つ)であった場合、図柄制御装置14aは、特別図柄制御用の通常遊技状態における当否に基づいて予め分類して記憶してある報知演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで当たり又は外れ用の報知演出分類テーブルを決定する。
そして、図柄制御装置14aは、前記決定した報知演出分類テーブルに基づいて、該図柄制御装置14aに設けられた演出選択用乱数を更新する乱数発生手段から、前記変動パターン番号の受信に応じ読み出して記憶手段に記憶させた取得乱数との照合による比較により、当たり用の報知演出データ又は外れ用の報知演出データを設定する。
また、図柄制御装置14aは、所定の可変表示領域に対し停止表示を行う複数種類の特別図柄がプログラムされている通常遊技状態用の特別図柄分類テーブルと、該複数の特別図柄番号との個別の照合による比較により、前記可変表示装置34にて停止表示を行う当たり又は外れ用の複数の特別図柄データのそれぞれを設定する。なお、特別図柄分類テーブルに格納された停止表示用の特別図柄は、一時的な停止を含むようにしてもよい。その後、図柄制御装置14aは、VDP50を介する可変表示装置34にて、該設定した報知演出データと複数の特別図柄データに応じた、可変表示及び停止表示の表示制御を行う。
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う前記主制御装置13又は副制御装置14のタイマーによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、可変表示の表示制御が行われた複数の特別図柄に対して停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)とする処理を行う。
また、前記確定停止指示番号の受信時において、大当たり移行指示番号を受信していた場合、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技状態の報知演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に大当たり用の表示制御を行う。なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における情報であった場合には、図柄制御装置14aは、特別図柄制御に係る前記報知演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルに参照テーブルを変更し、該有利な遊技状態の時に行う可変表示及び停止表示とする当たり又は外れ用の報知演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
また、該受信情報が、普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、当たり又は外れ用の普通図柄番号であった場合には、図柄制御装置14aは、普通図柄制御用の通常遊技状態における遊技状態に応じて予め分類して記憶してある点滅演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで、当たり又は外れ用の変動表示データを設定する。
また、図柄制御装置14aは、所定の点滅表示領域に対し停止表示させる普通図柄がプログラムされている通常遊技状態用の普通図柄分類テーブルと、該普通図柄番号との照合による比較により、前記LED表示装置35にて停止表示させる当たり又は外れ用の普通図柄データを設定する。
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と普通図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う主制御装置13又は副制御装置14のタイマーによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、点滅表示の表示制御が行われた普通図柄に対して停止表示の態様(例えば、「○・−」、又は「−・×」の点灯態様)とする処理を行う。
また、前記確定停止指示番号の受信時において、小当たり移行指示番号を受信した場合は、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技となる状態の点滅演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に小当たり用の表示制御を行う。
また、図柄制御装置14aは、主制御装置13から払出残数情報を受信する度に、受信した払出残数情報をRAMに更新して記憶する。また、RAMには、各払出残数情報に対応して払出残数表示データが設定された払出残数表示用テーブルが予め記憶されている。
図柄制御装置14aは、電源供給装置21からの電力供給が主電源から行われているか補助電源53から行われているかを検知し、主電源から電力が供給されている通常状態では上記各制御に加えて以下の払出残数表示制御処理を実行する。これに対し、補助電源53から電力が供給されている電断状態では、上記各制御を実行せず、以下の払出残数表示制御処理のみを実行する。
払出残数表示制御処理では、図柄制御装置14aのCPUは、払出残数表示用テーブルをRAMから読み出して設定し、この払出残数用テーブルとRAMから読み出した払出残数情報とを照合して比較することにより、払出残数表示データを設定する。図柄制御装置14aのCPUは、VDP50を介する可変表示装置34にて、図8に示すように、設定した払出残数表示データに応じた払出残数の表示制御を行う。図8には、「停電中のため、しばらくお待ち下さい。」の文字と「払出残数○○○○個」の文字とを含む静止画像の例を示している。図柄制御装置14aのCPUは、払出残数表示制御処理を、停電復旧処理中も継続して実行し、「ゼロ」を示す払出残数情報を主制御装置13から受信することによって終了する。そして、払出残数表示制御処理の終了後は、上記通常状態の各制御に移行する。なお、RAMから読み出した払出残数情報が「ゼロ」を示す情報の場合、図柄制御装置14aのCPUは、払出残数表示制御処理を直ぐに終了する。なお、この場合、停電復旧処理に移行するまでの停電中において、払出残数が「ゼロ」である旨の表示制御を実行してもよい。
また、本実施形態では、通常状態においても払出残数表示制御処理を実行するため、通常状態では、図柄制御装置14aは、図9に示すように通常の表示制御のための画像の一部に払出残数を表示させる画像データを生成して可変表示装置34へ出力する。なお、通常状態において払出残数制御を実行せず、電断状態の発生時のみに払出残数表示制御処理を実行してもよい。
また、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)から通常の遊技状態へ移行すると、図柄制御装置14aは主制御装置13から「ゼロ」の払出残数情報を受信するので、可変表示装置34から払出残数の表示が消える。
『ランプ制御装置の動作』
受信情報が、特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは大当たり移行指示番号であった場合には、ランプ制御装置14bは、特別図柄制御用の通常遊技状態における発光データテーブルに基づいて、該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた発光データを設定し、盤面関係の電飾43及び/又は枠扉関係の電飾29にて該設定した発光データに応じた発光態様となるようにランプ点灯処理を行う。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における記憶情報(発光処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、該有利な遊技状態における発光データテーブルを参照して、通常遊技状態用とは異なる発光態様となる発光データを設定する。
また、該受信情報が、特定保留数表示ランプ41を点灯させるための、特別図柄制御用の通常遊技状態又は前記有利な遊技状態における記憶情報(点灯命令処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯させ、前記主制御装置13のタイマーに基づく停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて送信された確定停止指示番号から成る情報の受信に応じて、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯する。
該受信情報が、普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは小当たり移行指示番号であった場合には、ランプ制御装置14bは、普通図柄制御用の通常遊技状態における発光データテーブルから該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた発光データを読み出して設定し、盤面関係の電飾43及び/又は枠扉関係の電飾29にて該設定した発光データに応じた発光態様となるようにランプ点灯処理を行う。
なお、該受信情報が、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技となる状態における記憶情報(発光処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、該有利な遊技となる状態における発光データテーブルを参照して、通常遊技状態用とは異なる発光態様となる発光データを設定する。
また、該受信情報が、通過保留数表示ランプ42を点灯させるための、普通図柄制御用の通常遊技状態又は前記有利な遊技となる状態における記憶情報(点灯命令処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、通過保留数表示ランプ42を1つずつ点灯させ、前記主制御装置13のタイマーに基づく停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて送信された確定停止指示番号から成る情報の受信に応じて、通過保留数表示ランプ42を1つずつ消灯する。
さらに、該受信情報が、所定遊技状態におけるエラーに係る処理情報(停電復旧処理中である旨を報知する情報を含む)又は準備球払出に係る処理情報等、その他の記憶情報であった場合は、ランプ制御装置14bは、参照する発光データテーブルに該記憶情報に応じた発光態様となる発光データを設定する。
『音声制御装置の動作』
該受信情報が特別図柄制御の通常遊技状態における当たり又は外れの変動パターン番号、或いは大当たり移行指示番号であった場合には、音声制御装置14cは、特別図柄制御用の通常遊技状態における音声データテーブルから、該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた音声データを設定し、盤面関係及び/又は枠扉関係等の部材に設けられたスピーカ30から、該設定した音声データに応じた音声態様となるように音声発生装置51を介して音声を発生させる。
また、該受信情報が遊技者にとって有利な遊技状態の特別図柄制御における記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、該有利な遊技状態における音声データテーブルを参照して、通常遊技状態とは異なる音声態様となる音声データを設定する。
また、該受信情報が普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは小当たり移行指示番号の記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、普通図柄制御用の通常遊技状態における音声データテーブルから、該変動パターン番号又は小当たり移行指示番号に応じた音声データを設定し、盤面関係及び/又は枠扉関係等の部材に設けられたスピーカ30から、該設定した音声データに応じた音声態様となるように音声発生装置51を介して音声を発生させる。
また、該受信情報が遊技者にとって有利な遊技状態の普通図柄制御における記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、参照する音声データテーブルに該記憶情報に応じた音声態様となる音声データを設定する。
さらに、該受信情報が所定遊技状態におけるエラーに係る処理情報(停電復旧処理中である旨を報知する情報を含む)又は準備球払出に係る処理情報(停電復旧処理において払出残数の賞球を払い出し中である旨を報知する情報を含む)等、その他の記憶情報であった場合には、音声制御装置14cは、参照する音声データテーブルに該記憶情報に応じた音声態様となる音声データを設定する。
〔払出制御装置の動作〕
次に、払出制御装置52の動作について説明する。
払出制御装置52は、電源投入による起動開始時、初期設定を行い、必要確認事項のチェック処理を行う。そして、チェック処理結果が正常であれば、該払出制御装置52におけるメインルーチン処理への移行を許可し、主制御装置13のCPU13aから送信された記憶情報である主制御起動開始情報等を受信する。
なお、前記払出制御装置52のメインルーチン処理とは、ROMに予め格納された主要な制御プログラムを、周波数派生回路部13dで生成した定期的なタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に合わせて、読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。以下、前記払出制御装置52のメインルーチン処理における基本的な処理の一例について説明する。
主制御装置13からの受信情報が、特別図柄制御用の通常遊技状態における特定入賞球検知センサ47aからの賞球処理情報、又は、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における特別入賞球検知センサ47bからの賞球処理情報等の記憶情報であった場合には、払出制御装置52は、遊技球払出装置15を作動させて該記憶情報に応じた賞球個数とするための払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた賞球となるように所定数の遊技球を遊技者に対して払い出す。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における特定入賞球検知センサ47aからの賞球処理情報となる記憶情報であった場合には、払出制御装置52は、遊技球払出装置15を作動させて通常遊技状態時と比較して増加又は減少の何れかとなる賞球個数とする払出データテーブルへと変更し、該変更された払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた増加又は減少とする賞球となるように所定数の遊技球を遊技者に対して払い出す。
さらに、球貸信号制御装置16を介したボタン操作により、CRユニット1で読んだプリペイドカードのデータ情報を参照して、所定数の貸球を払い出す制御を行わせる場合には、払出制御装置52は、該参照したデータ情報を受信して該データ情報に応じた貸球個数とするための払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた賞球となるように所定数の遊技球を遊技者に対して払い出す。
また、停電復旧処理において、主制御装置13から払出動作情報として払出残数情報を受信した場合には、払出制御装置52は、遊技球払出装置15を作動させて払出残数情報が示す賞球個数とする払出データテーブルへと変更し、該変更された払出データテーブルに基づいて払出データを設定し、該設定に応じた賞球(払出残数の賞球)となるように、所定数(払出残数)の遊技球を遊技者に対して払い出す。なお、本実施形態では、払出残数情報が示す賞球個数とする払出データテーブルを用いているが、払出残数情報が示す賞球個数よりも多い賞球個数とする払出データテーブルを用いてもよい。また、本実施形態では、停電復旧処理において、払出制御装置52は払出残数の賞球を遊技者に対して払い出す上記処理を実行するが、この処理を省略することも可能である。この場合、遊技場の店員等は、開口枠扉6を開放し、可動扉45を強制的に開移動させて、可変表示装置34に表示された払出残数が消えるまで、特別入賞口3へ遊技球を投入すればよい。
〔可動物制御装置の動作〕
次に、可動物制御装置17の動作を、可動片駆動装置、可動扉駆動装置、入賞領域振分駆動装置の動作に分けて説明する。
『可動片駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の通常遊技状態における小当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2の開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を所定時間(例えば、0.2秒)拡大し、その後再び縮小するように、前記可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加する拡大実行処理を所定回数(例えば、1回)行うよう指示するためのコマンドを生成する。
また、主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における小当たり移行指示番号を生成した場合には、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2に対して開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を0.2秒から1.7秒へと長くして拡大して再び縮小するように、可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送電し、また、拡大実行処理を例えば1回から2回へと多くして行う指示をするコマンドを生成する。
さらに、主制御装置13による処理において、ランプ管理制御又は賞球払出制御等からなる処理情報を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置が、前記演出用移動物駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、適宜な変動状態となる演出動作を所定時間行うコマンドを生成する。
『可動扉駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、特別図柄制御用の通常遊技状態における大当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動扉駆動装置は、前記可動扉駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送信する。そして、前記可動扉駆動装置は、前記特別入賞口3に対して閉口させていた可動扉45を作動させて開口状態とし、開口となってから所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかの何れかの条件を満たしたら、再び閉口状態とする実行処理を行う指示をするコマンドを生成する。
さらに、前記開口状態中に入賞させた遊技球の何れかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、前記可動扉駆動装置は、可動扉45を再び閉口状態となるようにし、前記と同様の条件成立時に可動扉45を開閉することを所定上限回数が達成されるまで繰り返すように、ソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を印加指示するコマンドを生成する。
なお、前記可動扉駆動装置における開閉処理の実行中に、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における大当たり移行指示番号が生成された場合には、該開閉処理が終了するまで、大当たり移行指示番号の生成に基づく制御処理は行われずに保留状態とする。
『入賞領域振分駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、前記特別入賞口3を開口状態とするコマンドを生成するのに応じて、入賞領域振分駆動装置は、前記特別入賞口3内にある入賞領域振分物に設けられたソレノイド等の駆動物に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、特定入賞領域振分のシーソー運動となるように該開口状態中において可動させるコマンドを生成する。
[払出残数の表示及び払い出しに関連する制御の説明]
次に、主制御装置13が実行する払出残数算出処理について説明する。なお、この払出残数算出処理は、所定時間毎に繰り返して実行される。
図10に示すように、払出残数算出処理では、大当たり中か否かを判定し(ステップS1)、大当たり中と判定した場合はステップS2へ移行する。大当たり中か否かは、RAM13cから前記遊技状態を示す情報を読み出すことによって判定する。従って、この大当たり中には、通常状態で大当たり遊技状態が生起されている場合の他、大当たり遊技状態の途中で停電等の電断状態が発生した後の停電回復処理時も含まれる。
ステップS2では、RAM13cに既に記憶されている完了払出数に、遊技球払出検知センサ47fが検出した遊技球数を加算することにより、当該大当たり遊技状態において払い出された賞球の積算値を求め、この積算値を最新の完了払出数としてRAM13cに上書きして記憶し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、予め設定され記憶されている予定払出数から前記完了払出数を減算することによって賞球の払出残数を算出し、算出した払出残数を表す払出残数情報を生成し、この払出残数情報をRAM13cに記憶して、ステップS4へ移行する。なお、RAM13cに既に払出残数情報が記憶されている場合には、新たに算出した払出残数情報を上書きして記憶する。
ステップS4では、ステップS3で生成した払出残数情報を、図柄制御装置14aへ送信し、本処理を終了する。
また、ステップS1において大当たり中ではないと判定した場合は、ステップS5へ移行する。この大当たり中ではない場合には、通常状態で大当たり遊技状態が生起されていない場合の他、大当たり遊技状態以外の遊技状態の途中で停電等の電断状態が発生した後の停電回復処理時も含まれる。
ステップS5では、RAM13cに完了払出数や払出残数情報が記憶されている場合、これらをクリアして、「ゼロ」に設定し、ステップS4へ移行し、ステップS5で「ゼロ」に設定した払出残数情報を図柄制御装置14aへ送信し、本処理を終了する。
次に、電源監視部54が実行する電力供給源の切り替えについて説明する。
図11に示すように、電源監視部54は、主電源からの電力供給状態を常時監視し(ステップS11)、通常時には主電源からの電力を各制御装置等へ供給し(ステップS12)、停電時のように主電源からの電力供給が遮断された電断状態となったときには、図柄制御装置14aとVDP50と可変表示装置34とに対して補助電源53からの電力を供給する(ステップS13)。
次に、図柄制御装置14aが実行する払出残数表示制御処理について説明する。なお、この払出残数表示制御処理は、所定時間毎に繰り返して実行される。
図12に示すように、払出残数表示制御処理では、電力供給が主電源から行われているか否かを検知し(ステップS21)、主電源から電力が供給されている通常状態であると検知した場合は、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、図10のステップS4において主制御装置13から送信された払出残数情報を受信して、RAMに更新して記憶し、ステップS23へ移行する。
一方、ステップS21において電力供給が主電源から行われていない(補助電源から行われている)と検知した場合は、電断状態であり主制御装置13が払出残数算出処理を実行していないため、ステップS22の処理を実行せずにステップS23へ移行する。
ステップS23では、RAMから払出残数情報を読み出し、読み出した払出残数情報が「ゼロ」か否かを判定し、「ゼロ」ではないと判定した場合は、ステップS24へ移行する。
ステップS24では、払出残数表示データを設定し、VDP50を介する可変表示装置34にて、設定した払出残数表示データに応じた払出残数の表示制御を行う。
一方、ステップS23においてRAMから読み出した払出残数情報が「ゼロ」であると判定した場合は、可変表示装置34にて払出残数の表示制御を行わないため、ステップS24の処理を実行せずに本処理を終了する。
次に、払出制御装置52が実行する払出残数払出処理について説明する。なお、この払出残数払出処理は、停電復旧処理においてのみ実行される。
図13に示すように、払出制御装置52は、停電復旧処理において主制御装置13から払出動作情報として払出残数情報を受信すると(ステップS31)、遊技球払出装置15を作動させて、払出残数情報が示す個数の賞球を遊技者に対して払い出す(ステップS32)。
図10〜図13に示す処理により、通常状態で且つ通常遊技状態が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中ではないと判定され、ステップS5においてクリアされた払出残数情報(「ゼロ」を示す払出残数情報)が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。払出残数表示制御処理では、図12のステップS21において主電源から電力供給が行われていると検知され、ステップS22において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」であると判定されるため、ステップS24の処理が実行されず、払出残数は可変表示装置34に表示されない。
また、通常状態で且つ大当たり遊技状態が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中であると判定され、ステップS2において完了払出数の積算及び記憶が行われ、ステップS3において払出残数情報の生成及び記憶が行われ、生成された払出残数情報が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。ここで、完了払出数は、大当たり遊技状態の進行に応じて増大するため、図柄制御装置14aに送信される払出残数情報が示す払出残数は大当たり遊技状態の進行に応じて減少する。払出残数表示制御処理では、図12のステップS21において主電源から電力供給が行われていると検知され、ステップS22において払出残数情報が受信及び記憶される。そして、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」ではないと判定されると、ステップS24において払出残数が可変表示装置34に表示される。すなわち、可変表示装置34に表示される払出残数は、大当たり遊技状態の進行に応じて減少する。また、払い出した賞球数が予定払出数以上になると、ステップS22において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信され、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」であると判定されるため、ステップS24の処理が実行されず、それまで表示されていた払出残数は可変表示装置34から消える。なお、大当たり遊技状態の終了時に完了払出数が予定払出数に達していない場合、図10のステップS3において生成される払出残数情報は「ゼロ」を示さないが、大当たり遊技状態から通常遊技状態へ移行した際に、ステップS1において大当たり中ではないと判定され、ステップS5において払出残数情報が「ゼロ」に設定され、ステップS4において「ゼロ」を示す払出残数情報が図柄制御装置14aに送信され、図12のステップS22において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信され、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」であると判定されるため、ステップS24の処理が実行されず、それまで表示されていた払出残数は可変表示装置34から消える。従って、大当たり遊技状態が終了した後の通常遊技状態において払出残数が表示されることがなく、遊技者に対して違和感を与えることがない。
また、通常遊技状態の実行中に停電が発生した場合、払出残数算出処理は実行されないが、払出残数表示制御処理は実行され、図12のステップS21において主電源から電力供給が行われていないと検知され、ステップS23へ移行する。このとき、RAMには「ゼロ」を示す払出残数情報が記憶されているため、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」であると判定され、ステップS24の処理が実行されず、払出残数は可変表示装置34に表示されない。
また、通常遊技状態の実行中に停電が発生し、その後の停電復旧処理が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中ではないと判定され、ステップS5においてクリアされた払出残数情報(「ゼロ」を示す払出残数情報)が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。払出残数表示制御処理では、図12のステップS21において主電源から電力供給が行われていると検知され、ステップS22において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」であると判定されるため、ステップS24の処理が実行されず、払出残数は可変表示装置34に表示されない。
また、大当たり遊技状態の実行中であり且つ払出予定数の賞球が払い出される前に停電が発生した場合、払出残数算出処理は実行されないが、払出残数表示制御処理は実行され、図12のステップS21において主電源から電力供給が行われていないと検知され、ステップS23へ移行する。このとき、RAMには「ゼロ」以外を示す払出残数情報が記憶されているため、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」ではないと判定され、ステップS24において払出残数が可変表示装置34に表示される。停電状態では、払出残数情報は更新されないため、同じ払出残数が継続して表示される。なお、大当たり遊技状態の実行中に既に払出予定数の賞球が払い出されている場合には、上述のように大当たり遊技状態の実行中に払出残数の表示が消えているため、停電時において遊技者に違和感を与えることがない。
また、大当たり遊技状態の実行中に停電が発生し、その後の停電復旧処理が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中であると判定され、ステップS2において完了払出数の積算及び記憶が行われ、ステップS3において払出残数情報の生成及び記憶が行われ、生成された払出残数情報が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。ここで、完了払出数は、払出制御装置52による遊技球払出装置15からの払出残数の払い出し(図13のステップS32)に応じて増大し、図柄制御装置14aに送信される払出残数情報が示す払出残数は、この払出残数の払い出しに応じて減少する。払出残数表示制御処理では、図12のステップS21において主電源から電力供給が行われていると検知され、ステップS22において払出残数情報が受信及び記憶される。そして、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」ではないと判定されると、ステップS24において払出残数が可変表示装置34に表示される。すなわち、可変表示装置34に表示される払出残数は、遊技球払出装置15からの払出残数の払い出しに応じて減少する。そして、遊技球払出装置15からの払出残数の払い出しが完了すると、図10のステップS2において積算される完了払出数が払出残数に達し、ステップ3において「ゼロ」を示す払出残数情報が生成され、ステップS4において「ゼロ」を示す払出残数情報が図柄制御装置14aに出力され、図12のステップS22において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信され、ステップS23において払出残数情報が「ゼロ」であると判定されるため、ステップS24の処理が実行されず、それまで表示されていた払出残数は可変表示装置34から消える。
なお、図13の処理が設定されていない場合、遊技場の店員等は、開口枠扉6を開放し、可動扉45を強制的に開移動させて、可変表示装置34に表示された払出残数が消えるまで、特別入賞口3へ遊技球を投入すればよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、大当たり遊技状態の生起中に停電が発生すると、停電発生時から停電復旧後に払出残数の賞球が全て払い出されるまでの間、可変表示装置34に、電断状態発生時の払出残数が遊技者から視認可能に表示される。従って、遊技者は、払出残数を視ることによって、補償される賞球があること、及び補償される賞球の数量を認識することができる。また、払出残数の賞球が全て払い出されるまで払出残数が表示されるので、遊技者は、払出残数の表示によって補償された賞球が完全に払い出されたことを認識することができる。このため、遊技者に対して不公平感を与えることがない。
また、通常状態で遊技に関する情報が表示される可変表示装置34を利用して停電時の払出残数の表示を行うことができる。
また、停電復旧処理において、払出制御装置52の処理によって遊技球払出装置15から払出残数の賞球が払い出されるので、遊技場の店員等が賞球の補償を行う際の作業を簡略化することができる。
さらに、払出残数よりも極端に多い賞球が払い出されることを未然に防止することができ、遊技場にとって過剰な賞球の払い出しを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、払出残数表示制御処理の内容が第1実施形態と相違し、他の構成及び処理は第1実施形態と共通する。このため、第1実施形態と同様の構成及び処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の図柄制御装置14aのCPUは、補助電源53からの電力供給が継続して行われている時間をカウントするためのタイマー(図示省略)を有する。
図柄制御装置14aが実行する払出残数表示制御処理では、図14に示すように、電力供給が主電源から行われているか否かを検知し(ステップS21)、主電源から電力が供給されている通常状態であると検知した場合は、ステップS22へ移行して、図10のステップS4において主制御装置13から送信された払出残数情報を受信して、RAMに更新して記憶し、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、RAMから払出残数情報を読み出し、読み出した払出残数情報が「ゼロ」か否かを判定し、「ゼロ」ではないと判定した場合は、ステップS24へ移行する。
ステップS24では、払出残数表示データを設定し、設定した払出残数表示データに応じた払出残数の表示制御を行い、ステップS41へ移行する。なお、この場合、主電源から電力が供給されているため、バックライト55が視認に最適な状態で発光するように、バックライト55への供給電力を通常の状態に設定する。
一方、ステップS23においてRAMから読み出した払出残数情報が「ゼロ」であると判定した場合は、可変表示装置34にて払出残数の表示制御を行わないため、ステップS24の処理を実行せずにステップS41へ移行する。
ステップS41では、後述するステップS44においてスタートしたタイマーのカウント値をクリアして(「ゼロ」に設定して)、本処理を終了する。
また、ステップS21において電力供給が主電源から行われていない(補助電源から行われている)と検知した場合は、ステップS42へ移行する。
ステップS42では、ステップS23と同様に、RAMから払出残数情報を読み出し、読み出した払出残数情報が「ゼロ」か否かを判定し、「ゼロ」ではないと判定した場合は、ステップS43へ移行する。
ステップS43では、タイマーのカウント値が「ゼロ」であるか否かを判定し、「ゼロ」であると判定した場合、停電発生直後であるため、ステップS44へ移行してタイマーをスタートし、ステップS45へ移行する。
一方、ステップS43において、タイマーのカウント値が「ゼロ」ではないと判定した場合、停電発生直後ではなく、既にタイマーによる時間のカウントが開始されているため、ステップS44の処理を実行せず、ステップS45へ移行する
ステップS45では、ステップS24と同様に、払出残数表示データを設定し、設定した払出残数表示データに応じた払出残数の表示制御を行い、ステップS46へ移行する。
ステップS46では、補助電源53からの電力供給が継続して行われている時間が長いほど(タイマーのカウント値が大きいほど)バックライト55への供給電力を低減するように、補助電源53タイマーのカウント値に応じてバックライト55への供給電力を設定した後、本処理を終了する。なお、バックライト55への最大供給電力は、ステップS24において設定する通常の状態以下に設定されている。また、バックライト55への供給電力は、タイマーのカウント値の増加に応じて連続的に低減させてもよく、非連続的(段階的)に低減させてもよい。これにより、補助電源53からの電力供給の継続時間が長いほど、バックライト55への供給電力が低減され、バックライト55が暗くなる。
なお、本実施形態では、補助電源53からの電力供給の継続時間に応じてバックライト55への供給電力を設定したが、タイマーを設けず、補助電源53からの電力供給時におけるバックライト55への供給電力を、通常の状態よりも少ない一定値に設定してもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、停電時のバックライト55への供給電力が通常時よりも低減されるので、停電時における補助電源54の消費電力を低く抑えることができ、停電状態が長時間継続した場合であっても、払出残数の表示を継続して行うことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、電源供給装置21が補助電源53及び電源監視部54を有していないことと、払出残数表示装置60を別途設けたことと、払出残数表示制御処理の内容とが第1実施形態と相違し、他の構成及び処理は第1実施形態と共通する。このため、第1実施形態と同様の構成及び処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態の電源供給装置21は、補助電源53及び電源監視部54(図7に示す)を有していない。また、遊技者から視認可能な遊技機の外面(例えば、開口枠扉6の前面(図1、図3及び図5に二点差線で示す))に、払出残数表示装置60が固定されている。
払出残数表示装置60は、画面表示に必要な電力が画像の切替(変更)時にのみ発生し、表示された画像が電力供給を要することなくそのまま維持される表示装置であり、例えば、外光を反射させて画面を表示するシート状の電子ペーパーなどである。この払出残数表示装置60と前記図柄制御装置14aとが表示手段を構成する。なお、電子ペーパーは、10分の数ミリメートル程度の厚さしかなく、電気的な手段によってデータの表示や消去を行うことが可能なディスプレイであり、軽量で且つ消費電力が小さい。また、本実施形態では、可変表示装置34として、液晶表示装置以外に、ドラム式表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグ表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置等の表示装置を用いることができる。
本実施形態では、補助電源53(図7に示す)が設けられていないため、図柄制御装置14aは、主電源から電力が供給される通常状態でのみ払出残数表示制御処理を所定時間毎に繰り返して実行し、電断状態(停電時)では払出残数表示制御処理を実行しない。
払出残数表示制御処理では、図16に示すように、図10のステップS4において主制御装置13から送信された払出残数情報を受信して、RAMに更新して記憶し(ステップS51)、ステップS52へ移行する。
ステップS52では、RAMから払出残数情報を読み出し、払出残数表示データを設定し、設定した払出残数表示データに応じた払出残数を払出残数表示装置60に表示し、本処理を終了する。
図10、図13及び図16に示す処理により、通常状態で且つ通常遊技状態が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中ではないと判定され、ステップS5においてクリアされた払出残数情報(「ゼロ」を示す払出残数情報)が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。払出残数表示制御処理では、図16のステップS51において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS52において払出残数表示装置60に払出残数が「ゼロ」として表示される。
また、通常状態で且つ大当たり遊技状態が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中であると判定され、ステップS2において完了払出数の積算及び記憶が行われ、ステップS3において払出残数情報の生成及び記憶が行われ、生成された払出残数情報が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。ここで、完了払出数は、大当たり遊技状態の進行に応じて増大するため、図柄制御装置14aに送信される払出残数情報が示す払出残数は大当たり遊技状態の進行に応じて減少する。払出残数表示制御処理では、図16のステップS51において払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS52において払出残数が払出残数表示装置60に表示される。すなわち、可変表示装置34に表示される払出残数は、大当たり遊技状態の進行に応じて減少する。また、払い出した賞球数が予定払出数以上になると、ステップS51において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信され、ステップS52において払出残数表示装置60に払出残数が「ゼロ」として表示される。なお、大当たり遊技状態の終了時に完了払出数が予定払出数に達していない場合、図10のステップS3において生成される払出残数情報は「ゼロ」を示さないが、大当たり遊技状態から通常遊技状態へ移行した際に、ステップS1において大当たり中ではないと判定され、ステップS5において払出残数情報が「ゼロ」に設定され、ステップS4において「ゼロ」を示す払出残数情報が図柄制御装置14aに送信され、図16のステップS51において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信され、ステップS52において払出残数表示装置60に払出残数が「ゼロ」として表示される。従って、大当たり遊技状態が終了した後の通常遊技状態において払出残数が表示されることがなく、遊技者に対して違和感を与えることがない。
また、停電が発生した場合、払出残数算出処理及び払出残数表示制御処理は実行されず、払出残数表示装置60には停電発生時の画像表示が維持される。すなわち、通常遊技状態の実行中に停電が発生した場合の払出残数表示装置60の表示は、払出残数が「ゼロ」のまま維持される。また、大当たり遊技状態の実行中に停電が発生した場合の払出残数表示装置60の表示は、停電発生時の払出残数のまま維持される。
また、通常遊技状態の実行中に停電が発生し、その後の停電復旧処理が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中ではないと判定され、ステップS5においてクリアされた払出残数情報(「ゼロ」を示す払出残数情報)が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。払出残数表示制御処理では、図16のステップS51において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS52において払出残数表示装置60に払出残数が「ゼロ」として表示される。
また、大当たり遊技状態の実行中に停電が発生し、その後の停電復旧処理が実行されている場合、払出残数算出処理では、図10のステップS1において大当たり中であると判定され、ステップS2において完了払出数の積算及び記憶が行われ、ステップS3において払出残数情報の生成及び記憶が行われ、生成された払出残数情報が図柄制御装置14aに送信される(ステップS4)。ここで、完了払出数は、払出制御装置52による遊技球払出装置15からの払出残数の払い出し(図13のステップS32)に応じて増大し、図柄制御装置14aに送信される払出残数情報が示す払出残数は、この払出残数の払い出しに応じて減少する。払出残数表示制御処理では、図16のステップS51において払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS52において払出残数が払出残数表示装置6034に表示される。すなわち、払出残数表示装置60に表示される払出残数は、遊技球払出装置15からの払出残数の払い出しに応じて減少する。そして、遊技球払出装置15からの払出残数の払い出しが完了すると、図10のステップS2において積算される完了払出数が払出残数に達し、ステップ3において「ゼロ」を示す払出残数情報が生成され、ステップS4において「ゼロ」を示す払出残数情報が図柄制御装置14aに出力され、図16のステップS51において「ゼロ」を示す払出残数情報が受信及び記憶され、ステップS52において払出残数表示装置60に払出残数が「ゼロ」として表示される。
本実施形態によれば、大当たり遊技状態の生起中に停電が発生すると、停電発生時から停電復旧後に払出残数の賞球が全て払い出されるまでの間、払出残数表示装置60に、電断状態発生時の払出残数が遊技者から視認可能に表示される。従って、遊技者は、払出残数を視ることによって、補償される賞球があること、及び補償される賞球の数量を認識することができる。また、払出残数の賞球が全て払い出されるまで払出残数が表示されるので、遊技者は、払出残数の表示によって補償された賞球が完全に払い出されたことを認識することができる。このため、遊技者に対して不公平感を与えることがない。
また、停電復旧処理において、払出制御装置52の処理によって遊技球払出装置15から払出残数の賞球が払い出されるので、遊技場の店員等が賞球の補償を行う際の作業を簡略化することができる。
また、払出残数よりも極端に多い賞球が払い出されることを未然に防止することができ、遊技場にとって過剰な賞球の払い出しを防止することができる。
さらに、電力供給を受けることなく払出残数表示装置60が払出残数の表示を維持するので、補助電源53や電源監視部54(図7に示す)を要することなく停電中に払出残数を表示させることができる。また、図柄制御装置14aにおける払出残数表示制御処理を簡略化することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
3…特別入賞口(特定の入賞口)、7…遊技盤、13…主制御装置(大当たり遊技状態生起手段、賞球計数手段、演算手段、払出手段)、13a…CPU、13b…ROM、13c…RAM、14…副制御装置、14a…図柄制御装置(表示手段、表示制御部)、15…遊技球払出装置(払出手段)、21…電源供給装置、31…遊技領域、34…可変表示装置(表示手段、液晶表示部)、47f…遊技球払出検知センサ、50…VDP(表示手段、表示制御部)、52…払出制御装置(払出手段)、53…補助電源、54…電源監視部(電力供給制御手段)、55…バックライト、60…払出残数表示装置(表示手段)