JP4472897B2 - アンテナ取付具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナを住宅のベランダや外壁等の建造物に取り付けるためのアンテナ取付具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアンテナ取付具として、図12に示すように、ベランダのコンクリート壁3の上端にベース51を固定し、ベース51にポール52を上向きに溶接し、ポール52に、パラボラアンテナ14をコンクリート壁3の上端より上方の位置に取り付ける技術が知られている(例えば、実用新案登録公報第2590115号、意匠公報第939620号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアンテナ取付具は、ベース51にポール52が上向きに溶接されているため、パラボラアンテナ14の取付位置がベース51の上方、すなわちコンクリート壁3の上端より上方に限られるという問題があった。この結果、以下のような不具合があった。
(1) 風による影響を受けやすく、取付具に大きな負荷がかかる。
(2) 室内やベランダからの景観を損なう。
(3) アンテナにより日陰ができ、日当たりが悪くなる。
(4) アンテナが妨げとなって布団を干せなくなる等、ベランダを有効利用できない。
(5) 上記不都合は二つのアンテナを取り付ける場合に顕著である。
【0004】
そこで、本発明の課題は、使用状況に応じて、アンテナをベースの上方又は下方あるいは両方に取り付けることができるアンテナ取付具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明によるアンテナ取付具は、コンクリート壁を跨ぐコ字形に折り曲げ形成され、前記コンクリート壁に対する内側直立部に前記コンクリート壁の内面を圧接する圧接板を固着し、外側直立部にボルトを螺合するナットを設けてなるベースを備え、前記外側直立部に、U字形に折り曲げ形成され、その基端の内側に二つのアンテナの取付用のポールを上下に移動可能に組み付けるとともに前記ポールを貫通して前記ベースのナットに螺合する前記ボルトを挿通し、その開放端に前記コンクリート壁の外面を圧接する圧接板を固着した支持金具を設け、前記ボルトを前記ベースのナットに締め付けることにより、対向配置した前記二枚の圧接板で前記コンクリート壁を挟み付け、前記ベースに組み付けた前記ポールと前記コンクリート壁との間隔を変えずに、前記ベースを前記コンクリート壁の上端に固定し、前記ポールを前記ベースよりも下方に前記二つのアンテナを取り付け得る長さで形成し、前記ポールにおける前記二つのアンテナの取付位置の間に、前記コンクリート壁の外面に接する振れ止め用の支持具を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明によるアンテナ取付具は、コンクリート壁を跨ぐコ字形に折り曲げ形成され、前記コンクリート壁に対する外側直立部に前記コンクリート壁の外面を圧接する圧接板を固着し、内側直立部にボルトを螺合するナットを設けてなるベースを備え、前記外側直立部に、前記ポールを上下移動可能に組み付け、前記内側直立部に、U字形に折り曲げ形成され、その基端に前記ベースのナットに螺合する前記ボルトを挿通し、その開放端に前記コンクリート壁の内面を圧接する圧接板を固着した固定金具を設けるか、または、前記ボルトを前記ベースのナットに螺合し、前記ボルトの先端に前記コンクリート壁の内面を圧接する圧接板を保持するかして、前記ボルトを前記ベースのナットに締め付けることにより、対向配置した前記二枚の圧接板で前記コンクリート壁を挟み付け、前記ベースに組み付けた前記ポールと前記コンクリート壁との間隔を変えずに、前記ベースを前記コンクリート壁の上端に固定し、前記ポールを前記ベースよりも下方に前記二つのアンテナを取り付け得る長さで形成し、前記ポールにおける前記二つのアンテナの取付位置の間に、前記コンクリート壁の外面に接する振れ止め用の支持具を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明によるアンテナ取付具は、前記ポールの長手方向に複数の孔を形成し、前記孔を貫通するボルトで前記ポールを前記ベースに対し高さ調節可能に組み付けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明によるアンテナ取付具は、前記ベースの外側直立部に支持金具を固定し、前記支持金具に前記ポールを上下にスライド可能に支持するとともに、前記ポールを前記ベースの外側直立部に締め付けるボルトを設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明によるアンテナ取付具は、前記ポールの一端部をボルトで前記ベースの外側直立部に回動可能に組み付けたことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明によるアンテナ取付具は、前記ベースと前記ポールの間に、前記ポールの回動を規制する回り止め部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明によるアンテナ取付具は、前記ポールにアンテナを下側から受けるストッパを設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本発明の第一実施形態を示すものである。このアンテナ取付具は、ベランダのコンクリート壁3を跨ぐベース1を備えている。ベース1は、鋼製の角材を両側の直立部分1a,1bが平行となるようにコ字形に折り曲げて形成されており、ベランダ内側の直立部1aには、コンクリート壁3の内面に圧接するゴム製の圧接板6が鋼板8を介して固着されている。両側の直立部分1a,1bに弾性を付与するために、コーナ部に切欠9が形成されている。
【0013】
ベース1のベランダ外側の直立部1bには支持金具10が上側ボルト11により組み付けられている。支持金具10はU字形に折り曲げられ、その基端に垂下片4が形成され、開放端にゴム製の圧接板7が鋼板13を介して固着されている。そして、上側ボルト11を外側直立部1bに固定したナット19に締め付けることにより、二枚の圧接板6,7でコンクリート壁3を挟み付け、ベース1をコンクリート壁3の上端に固定できるようになっている。
【0014】
支持金具10の内側にはアンテナ取付用のポール2が挿通されている。ポール2は二つのアンテナ14,15を取り付け得る長さの鋼製パイプによりストレート状に形成され、その上端には雨水の浸入を防止するキャップ16が冠着され、下端にはアンテナ14を下側から受けるストッパ17が固着されている。また、ポール2の長手方向には一定間隔で複数の孔18が形成され、隣接する二つの孔18を貫通する上側ボルト11及び下側ボルト12によって、ポール2がベース1に対し高さ調節可能に組み付けられている。なお、下側ボルト12はポール2を支持金具10に固定するためのもので、支持金具10の垂下片4及びポール2を貫通してナット20に締め付けられている。
【0015】
上記構成のアンテナ取付具を用いて二つのアンテナを取り付ける場合には、図4に示すように、ポール2の中間部を上下のボルト11,12で支持金具10に固定し、例えばパラボラアンテナ14をベース1の下方に、平面アンテナ15をベース1の上方に取り付ける。こうすれば、二つのアンテナ14、15をベース1の上下両方にバランスよく取り付けることができる。
【0016】
また、図5に示すように、ポール2の上端部を支持金具10に固定すれば、パラボラアンテナ14と平面アンテナ15の双方をベース1の下方に取り付けることができる。この場合は、二つのアンテナ14、15がコンクリート壁3の上端より下方に位置するため、風による影響を少なくでき、景観や日当たりがよくなり、布団干しの妨げにもならず、ベランダを有効活用することができる。
【0017】
何等かの理由でアンテナをコンクリート壁3の外側に配置できない場合には、ポール2の下端部を支持金具10に固定し、二つのアンテナ14、15を共にベース1の上方に取り付ける。その他、一つのアンテナをベース1の上方又は下方に取り付けることもでき、用途、設置環境、好み等に応じてアンテナの取付位置を自由に選択できる利点がある。
【0018】
特に、この実施形態のアンテナ取付具によれば、二本のボルト11,12がポール2の孔18を貫通してナット19,20に締め付けられるので、アンテナの重量でポール2がずれ下がるおそれがなく、ベース1に対し所望の高さに強固に保持することができる。また、ポール2に対しアンテナがずれ下がった場合でも、これをポール2の下端でストッパ17により確実に停止させることができる。
【0019】
図6、図7は本発明の第二実施形態を示す。この実施形態のアンテナ取付具においては、ベース1の内側直立部1aにナット31が固着され、ナット31に螺合するボルト32によりU字形の固定金具33が組み付けられている。固定金具33の開放端には鋼板8を介し圧接板6が固着され、反対側の圧接板7は外側直立部1bに鋼板13を介して固着されている。そして、ベランダの内側からボルト32をナット31に締め付けることにより、二枚の圧接板6,7でコンクリート壁3を挟み付け、ベース1をコンクリート壁3の上端に固定できるようになっている。
【0020】
外側直立部1bにはU字形の支持金具10が溶接により固定され、その内側にポール2が上下にスライド可能に支持されている。ポール2は二つのアンテナを取り付け得る長さで形成され、上端にキャップ16を、下端にストッパ17を備えている。支持金具10の内側にはナット34が固着され、ナット34にボルト35が螺合され、ボルト35によってポール2が外側直立部1bに締め付けられている。
【0021】
上記構成によれば、支持金具10にポール2をスライド可能に支持し、ボルト35でベース1に締め付けたので、ボルト35を緩めたり締め付けたりするだけの簡単な操作でポール2の高さを無段階に調節することができる。その他の作用効果は第一実施形態と同様である。
【0022】
図8、図9は本発明の第三実施形態を示す。この実施形態のアンテナ取付具においては、第二実施形態と同様、ベース1がベランダ内側の固定金具33でコンクリート壁3に固定されている。ポール2は一つのアンテナを取り付け得る長さで形成され、その一端部にてボルト22によりベース1に対し上下に回動可能に組み付けられている。ボルト22はポール2及び外側直立部1bを貫通し、外側直立部1bに固定したナット23に螺合されている。外側直立部1bの外面には凹部1cが上下に長く形成され、ポール2の回動を規制する回り止め部として機能する。
【0023】
そして、ボルト22を緩めることにより、ポール2を図8に実線で示す垂下位置又は鎖線で示す起立位置に回動し、各位置でボルト22を締め付けることによりポール2をベース1に強固に保持できるようになっている。この構成によれば、ポール2の回動によりアンテナの取付位置をベース1の上方又は下方に容易に変更することができる。
【0024】
図10は、本発明の第四実施形態を示す。この実施形態のアンテナ取付具においては、ベース1をコンクリート壁3に固定するためのボルト30が内側直立部1aのナット31に螺合され、ボルト30の先端に圧接板6が保持されている。ポール2の一端部はホルダ25に嵌入され、ホルダ25はボルト26により外側直立部1bに対し上下に回動可能に支持されている。ボルト26はホルダ25及びポール2を貫通して外側直立部1bのナット27に螺合されている。外側直立部1bとホルダ25との間には噛合座金24が介装され、ポール2の回動を規制する回り止め部として機能する。
【0025】
この構成によれば、ポール2の回り止めに噛合座金24を用いたので、ポールを垂下位置と起立位置のほかに傾斜位置にも保持することができる。その他の作用効果は第三実施形態と同様である。
【0026】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1) 図11に示すように、ベースを二枚の鋼板27,28で構成し、鋼板27,28を複数のボルト5でベランダ等のフェンス29に固定し、外側の鋼板28にポール2を上下にスライド可能又は回動可能に支持すること。
(2) ベースを釘で家屋の木製の柱に固定したり、アンカーボルトでコンクリート製の外壁に固定すること。
(3) 図6、図7の第二実施形態において、ポール2の長手方向にボルトの先端が引っかかる複数の孔又は凹部を形成し、ポール2の滑り止めとすること。
(4) ストッパ17及びキャップ16に同じネジ部品を用い、ポール2の両端に螺着すること。
(5) ポール2を二つのアンテナを取り付け得る長さで形成した場合、図5に鎖線で示すように、ポール2に振れ止め用の支持具37を設けること。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1、2の発明によれば、ポールをベースに対し上下に移動可能に組み付けたので、使用状況に応じて、アンテナをベースの上方又は下方或いは両方に取り付けることができるという効果がある。また、ポールを長く形成したので、一つの取付具で二つのアンテナを取り付けることができる効果がある。また、ポールをベースよりも下方に二つのアンテナを取り付け得る長さで組み付けて形成した場合、二つのアンテナがコンクリート壁の上端より下方に位置するため、風による影響を少なくでき、景観や日当たりがよくなり、布団干しの妨げにもならず、ベランダを有効活用することができる。また、ポールにおける二つのアンテナの取付位置の間に、コンクリート壁の片面に接する支持具を設けたので、ポールを振れ止めできる。
【0028】
請求項3の発明によれば、ポールの長手方向に複数の孔を形成したので、孔を選択することによりポールの高さを段階的に調整することができ、また孔を貫通するボルトでポールをベースに対し強固に組み付けることができるという効果がある。
【0029】
請求項4の発明によれば、支持金具にポールを上下にスライド可能に支持し、ボルトでベースに締め付けたので、ボルトによる簡単な操作でポールの高さを無段階に調整することができるという効果がある。
【0031】
請求項5の発明によれば、ポールをベースに回動可能に組み付けたので、ポールの回動によりアンテナの取付位置を容易に変更できるという効果がある。
【0032】
請求項6の発明によれば、ベースとポールとの間に回り止め部を設けたので、ポールをベースより上方又は下方の位置で強固に保持できるという効果がある。
【0033】
請求項7の発明によれば、ポールにストッパを設けたので、ポールの定位置にアンテナを確実に保持することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示すアンテナ取付具の使用説明図である。
【図2】図1のアンテナ取付具を示す斜視図である。
【図3】図1のアンテナ取付具の要部を破断して示す正面図である。
【図4】図1のアンテナ取付具の使用状態を示す正面図である。
【図5】図1のアンテナ取付具の別の使用状態を示す正面図である。
【図6】本発明の第二実施形態を示すアンテナ取付具の正面図である。
【図7】図6のA−A線の断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態を示すアンテナ取付具の正面図である。
【図9】図8のB−B線の断面図である。
【図10】本発明の第四実施形態を示すアンテナ取付具の正面図である。
【図11】本発明のアンテナ取付具の別の設置形態を示す斜視図である。
【図12】従来のアンテナ取付具の正面図である。
【符号の説明】
1・・ベース、1c・・凹部、2・・ポール、3・・コンクリート壁、4・・垂下片、11・・ボルト、12・・ボルト、14・・パラボラアンテナ、15・・平面アンテナ、16・・キャップ、17・・ストッパ、18・・孔、22・・ボルト、24・・噛合座金、26・・ボルト。
Claims (7)
- コンクリート壁を跨ぐコ字形に折り曲げ形成され、前記コンクリート壁に対する内側直立部に前記コンクリート壁の内面を圧接する圧接板を固着し、外側直立部にボルトを螺合するナットを設けてなるベースを備え、
前記外側直立部に、U字形に折り曲げ形成され、その基端の内側に二つのアンテナの取付用のポールを上下に移動可能に組み付けるとともに前記ポールを貫通して前記ベースのナットに螺合する前記ボルトを挿通し、その開放端に前記コンクリート壁の外面を圧接する圧接板を固着した支持金具を設け、
前記ボルトを前記ベースのナットに締め付けることにより、対向配置した前記二枚の圧接板で前記コンクリート壁を挟み付け、前記ベースに組み付けた前記ポールと前記コンクリート壁との間隔を変えずに、前記ベースを前記コンクリート壁の上端に固定し、
前記ポールを前記ベースよりも下方に前記二つのアンテナを取り付け得る長さで形成し、
前記ポールにおける前記二つのアンテナの取付位置の間に、前記コンクリート壁の外面に接する振れ止め用の支持具を設けた、
ことを特徴とするアンテナ取付具。 - コンクリート壁を跨ぐコ字形に折り曲げ形成され、前記コンクリート壁に対する外側直立部に前記コンクリート壁の外面を圧接する圧接板を固着し、内側直立部にボルトを螺合するナットを設けてなるベースを備え、
前記外側直立部に、前記ポールを上下移動可能に組み付け、
前記内側直立部に、U字形に折り曲げ形成され、その基端に前記ベースのナットに螺合する前記ボルトを挿通し、その開放端に前記コンクリート壁の内面を圧接する圧接板を固着した固定金具を設けるか、または、前記ボルトを前記ベースのナットに螺合し、前記ボルトの先端に前記コンクリート壁の内面を圧接する圧接板を保持するかして、
前記ボルトを前記ベースのナットに締め付けることにより、対向配置した前記二枚の圧接板で前記コンクリート壁を挟み付け、前記ベースに組み付けた前記ポールと前記コンクリート壁との間隔を変えずに、前記ベースを前記コンクリート壁の上端に固定し、
前記ポールを前記ベースよりも下方に前記二つのアンテナを取り付け得る長さで形成し、
前記ポールにおける前記二つのアンテナの取付位置の間に、前記コンクリート壁の外面に接する振れ止め用の支持具を設けた、
ことを特徴とするアンテナ取付具。 - 前記ポールの長手方向に複数の孔を形成し、
前記孔を貫通するボルトで前記ポールを前記ベースに対し高さ調節可能に組み付けた、
請求項1又は2記載のアンテナ取付具。 - 前記ベースの外側直立部に支持金具を固定し、
前記支持金具に前記ポールを上下にスライド可能に支持するとともに、前記ポールを前記ベースの外側直立部に締め付けるボルトを設けた、
請求項2記載のアンテナ取付具。 - 前記ポールの一端部をボルトで前記ベースの外側直立部に回動可能に組み付けた、
請求項2記載のアンテナ取付具。 - 前記ベースと前記ポールの間に、前記ポールの回動を規制する回り止め部を設けた、
請求項5記載のアンテナ取付具。 - 前記ポールにアンテナを下側から受けるストッパを設けた、
請求項1、2、3、4、5又は6のいずれかに記載のアンテナ取付具。
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