JP4472580B2 - キャリアテープの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
このようなキャリアテープは、通常、樹脂からなる帯状の基材が成形加工されたものであって、例えば図11に示すように、電子部品を収納するための凹状の物品収納用ポケット(以下、収納ポケットという。)41と、このキャリアテープ40をピンローラなどで搬送するための複数のスプロケットホール(送り穴)42とが、長手方向に一定の間隔でそれぞれ形成されたものがある。このようなキャリアテープ40には電子部品が収納された後、通常、収納ポケット41を塞ぐようにカバーテープがシールされる。
この方法では、基材に対して、収納ポケット41の成形とスプロケットホール42の穿孔とを同時に行うため、収納ポケット41とスプロケットホール42との位置関係が厳密に制御されたキャリアテープ40を再現性良く製造できるという長所がある。
キャリアテープ40を使用した自動実装工程においては、キャリアテープ40で搬送される電子部品を確実にピックアップでき、ピックアップエラーが少ないことが重要である。そのためには、キャリアテープ40における収納ポケット41とスプロケットホール42との位置関係が厳密に制御されていることが不可欠であるため、成形と穿孔を同一金型で行うプレス成形機を使用したこのような製造方法は好適である。
このような問題を解決する方法として、プレス成形よりも精密成形が可能な真空成形や圧空成形で収納ポケットを形成し、その後、ピアスピンを備えたパンチングプレスによりスプロケットホールを穿孔していく方法がある。
そのため、収納ポケットの成形とスプロケットホールの穿孔とが別の工程で行われる方法においては、スプロケットホールを穿孔するピアスピンに加え、ピアスピンが正確な位置を穿孔するように、基材を位置固定するためのパイロットピンを備えたパンチングプレスを使用する場合がある(特許文献1参照)。このような方法では、収納ポケットに沿う先端形状のパイロットピンを既に成形されている収納ポケットに嵌合させ基材を位置固定した状態で、ピアスピンを下降させてスプロケットホールを穿孔するため、収納ポケットとスプロケットホールとの位置関係が厳密に制御されたキャリアテープを製造できる。
この方法によれば、収納ポケットが小さく浅い場合であっても、位置合わせにはダミーポケットが利用されることから、収納ポケットとスプロケットホールとの位置関係が厳密に制御される。
また、このような方法では、パンチングプレス内の限られたスペースに、スプロケットホールを穿孔するためのピアスピンの他にパイロットピンを別途設ける必要があり、設置可能なパイロットピンの本数が限定されるという問題があった。すなわち、パイロットピンの本数が多いほど、多くの箇所でキャリアテープの位置固定がなされることとなり、位置合わせの精度は向上するが、そのような多くのパイロットピンの設置は困難であった。
前記加工工程は穿孔工程であることが好ましい。
前記位置決め用ポケットは凹状に形成され、前記位置決め部は前記位置決め用ポケットに嵌合する凸状に形成されていることが好ましい。
本発明のキャリアテープの製造装置は、帯状の基材に、収納ポケットと位置決め用ポケットとを形成する成形機と、スプロケットホールを形成するピアスピンとを備え、前記ピアスピンの先端には前記位置決め用ポケットに嵌合する位置決め部が形成されていることを特徴とする。
図1は、本発明の製造方法の第1実施形態により製造されたキャリアテープの一例であって、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる帯状の基材11に、電子部品などの物品を収納するための凹状の収納ポケット12と、このキャリアテープ10Aをピンローラなどで搬送するための略円形の貫通穴からなるスプロケットホール13とが形成されたものである。収納ポケット12はこの例では真空成形で形成され、スプロケットホール13はピアスピンのプレスにより穿孔されたものであって、ぞれぞれキャリアテープ10Aの長手方向に一列に、所定の一定間隔で複数形成されている。
この例では、収納ポケット12の大きさは幅W1が0.45mm、長さL1が0.25mm、深さが0.25mmで、スプロケットホール13の直径Dは1.55mmであり、各スプロケットホール13の開口面積が各収納ポケット12の開口面積よりも大きくなっている。また、この例では基材11の厚さは0.2mmである。
このキャリアテープ製造装置20は、基材11に、収納ポケット12と位置決め用ポケットとを形成するための真空成形機21と、スプロケットホール13を穿孔するためのパンチングプレス22とを有して構成されている。
真空成形機21は、基材11を加熱するための一対の加熱ロール23と、加熱された基材11に収納ポケット12と位置決め用ポケットとを形成するためのロータリー式の凸型金型24とを具備していて、収納ポケット12と位置決め用ポケットとを基材11の長手方向に連続的に形成できるようになっている。なお、位置決め用ポケットは、詳しくは後述するが、最終的に得られるキャリアテープ10Aには残存しないものであるため、図1には示されていない。また、図2中、符号34は基材11の原反ロールで、符号25はキャリアテープ10Aの巻取機である。
なお、この例で形成される収納ポケット12の大きさは、すでに述べたように幅W1が0.45mm、長さL1が0.25mmである。一方、位置決め用ポケット14の大きさは、後述する位置決めが確実にできるように、収納ポケット12よりも大きく、幅W2および長さL2が0.6mmで、深さは0.5mmの略四角柱状とされている。また、位置決め用ポケット14は、後述する穿孔工程でのスプロケットホール13の形成にともなって切除されるものであるので、形成されるスプロケットホール13よりも小さい開口面積に形成されることが必要である。
具体的には、パンチングプレス22を作動させて、3本のピアスピン26をキャリアテープ中間品10’に形成された3つの位置決め用ポケット14に向けて一体に下降させる。すると、各ピアスピン26は、位置決め用ポケット14に嵌合する形状の位置決めピン26bをその先端に有しているので、まず、図5(a)に示すように、位置決めピン26bが位置決め用ポケット14に嵌合して、このキャリアテープ中間品10A’を位置固定する。そして、このように位置決めピン26bを位置決め用ポケット14に嵌合させつつ、図5(b)に示すように、さらにピアスピン26を下降させることにより、位置決め用ポケット14を囲む略円形にキャリアテープ中間品10A’が打ち抜かれ、スプロケットホール13が穿孔される。
このような穿孔工程により、成形工程で形成された位置決め用ポケット14は、穿孔くずとなって切除され、図1に示すキャリアテープ10Aが得られる。得られたキャリアテープ10Aは、パンチングプレス22の後段に設けられた巻取機25によりロール状に巻き取られる。
また、位置決めピン26bの形状は、位置決め用ポケット14に嵌合する形状であればよく、位置決め用ポケット14の形状に応じたものであればよいが、この例のように略四角柱状などの角柱状とすると、円柱状である場合よりもより精密な位置合わせができる。
具体的には、ここで使用されるピアスピン31は、凸状のドーム形状からなるピン部32をその先端に備えていて、これの突端から基端側に向かって途中までが位置決め用ポケット30に嵌合する位置決め部32aとなっている。よって、プレス加工機を作動させて、ピアスピン31をキャリアテープ中間品10B’に形成された位置決め用ポケット30に向けて下降させることにより、まず、図10(a)に示すように、位置決め部32aが位置決め用ポケット30に嵌合して、このキャリアテープ中間品10B’を位置固定する。そして、このように位置決め部32aを位置決め用ポケット30に嵌合させつつ、図10(b)に示すように、さらにピアスピン31を金型33に向けて下降させることにより、ピン部32の全体が位置決め用ポケット30に押し込まれ、位置決め用ポケット30よりも直径および深さが大きな凹状のドーム形状のスプロケットホール29が形成され、図7のキャリアテープ10Bが得られる。
11 基材
12 収納ポケット
13,29 スプロケットホール
14,28,30 位置決め用ポケット
20 キャリアテープ製造装置
26,27,31 ピアスピン
Claims (4)
- 帯状の基材に、物品収納用ポケットと位置決め用ポケットとを形成する成形工程と、ピアスピンによりスプロケットホールを形成する加工工程とを有し、
前記ピアスピンの先端には前記位置決め用ポケットに嵌合する位置決め部が形成されていて、前記加工工程では、前記位置決め部を前記位置決め用ポケットに嵌合させつつ前記スプロケットホールを形成することを特徴とするキャリアテープの製造方法。 - 前記加工工程が穿孔工程であることを特徴とする請求項1に記載のキャリアテープの製造方法。
- 前記位置決め用ポケットは凹状に形成され、前記位置決め部は前記位置決め用ポケットに嵌合する凸状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリアテープの製造方法。
- 帯状の基材に、物品収納用ポケットと位置決め用ポケットとを形成する成形機と、スプロケットホールを形成するピアスピンとを備え、
前記ピアスピンの先端には前記位置決め用ポケットに嵌合する位置決め部が形成されていることを特徴とするキャリアテープの製造装置。
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