JP2010269831A - 食品包装容器、食品包装体、および食品包装体の製造方法 - Google Patents

食品包装容器、食品包装体、および食品包装体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】商品価値の高い盆砂糖を量産できるようにする。
【解決手段】トレイ状の本体部1、蓋フィルム2を備える。本体部1は樹脂シート4を深絞り加工することによって蓮花等の形状を模して凹み成形された食品収容部11とフランジ部12とを有し、蓋フィルム2はフランジ部12に剥離可能に接合されている。食品収容部11には、蓮花等の色彩を模して印刷された印刷領域15が設けられ、その印刷領域15に、深絞り加工時における樹脂シート4の延伸を利用してぼかし領域16が形成されている。食品収容部11には90%以上の充填率でグラニュー糖3が収容されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、盆砂糖に好適な、食品包装容器、食品包装体、および食品包装体の製造方法に関する。
お盆の季節になると、お供え物に盆砂糖がよく用いられている。盆砂糖は、お供え用の花や果実等の代替として用いられるため、花や果実等を模して華やかに形成する必要がある。そのため、盆砂糖の多くは、複雑な凹凸のある立体的な形状をした表面にカラフルな彩色が施されていて、見た目の印象が重要な要素となっている。
このような盆砂糖の加工形態としては、例えば、上白糖を押し固めて食用可能な着色料で直接彩色を施したものや、上白糖を直接押し固めたものを熱収縮性のシュリンクフィルムで包装し、そのフィルム上に彩色を施したものなどがある。
後者の場合、その多くは手作業で製造されており、シュリンクフィルムの表面に一つ一つスプレーや筆を用いて彩色が施されている。特に、ぼかしを多用してリアルな彩色を施したものが多く見受けられる。
このような食品包装容器において、人手に頼らず見た目をきれいにする技術がいくつか提案されている(特許文献1,2)。
例えば、特許文献1では、裁頭円錐形状をしたカップ状容器において、その周面に印刷する文字が成形後に適正に表示されるように、予め所定の比率で変形させた文字を成形シートに印刷している。
また、特許文献2では、それぞれが容器の出来上がり時とは異なる、濃度の色と大きさの模様とでメロン等の果実の模様を成形シートの全面に連続的に印刷し、これを所定の絞り比で特許文献1と同様のカップ状容器に成形している。
特公平2−37255号公報 特開平5−269862号公報
特許文献1の技術であれば、所定のカップ状容器に文字をきれいに印刷することはできるが、盆砂糖のような複雑な立体形状の容器に適用することは困難である。
それに対し、特許文献2の技術であれば、容器全体に果実模様を表すことができるため、より果実らしさを付与することができる。しかし、模倣できる対象が限られるし、模倣しても一様な果実模様だけでは、華やかさやリアル感に欠けるため、見た目の印象が重要な盆砂糖などには不向きである。
更に、盆砂糖の場合、満足のいく容器が形成できても、隙間なく砂糖を充填するなど、量産化が難しいという問題もある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、見た目が華やかでリアル感に優れ、盆砂糖に好適な食品包装容器等を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、包装容器や製造方法を工夫した。すなわち、本発明は、模倣対象の形態を模して成形されたトレイ状の本体部と、この本体部に接合される蓋フィルムと、を備えた食品包装容器であって、前記本体部は、熱可塑性の樹脂シートを深絞り加工することによって前記模倣対象の形状を模して凹み成形された食品収容部と、前記食品収容部の開口の縁から全周にわたって張り出すフランジ部と、を有し、前記蓋フィルムは、前記フランジ部に剥離可能に接合され、前記食品収容部には、前記模倣対象の色彩を模して印刷された印刷領域が設けられ、前記印刷領域に、深絞り加工時における前記樹脂シートの延伸を利用して、色が次第に変化するぼかし領域が形成されていることを特徴とする。
係る構成の食品包装容器によれば、深絞り加工の特徴を利用することによって装飾性が高められている。すなわち、深絞り加工では樹脂シートの一部が延伸されるため、例えば、印刷領域の境目部分の延伸量が大きくなるように設定すれば、成形時に薄く引き伸ばされて印刷領域の境目部分の色が次第に変化し、ぼかし領域が形成される。ぼかし領域を立体的な形状と組み合わせることによってリアルな立体感を付与することができるので、見た目の印象を向上させることができる。
なお、樹脂シートの延伸される部分にぼかし領域を形成したくない場合には、樹脂シートの印刷領域の該当部分の色彩を濃く印刷するなど、深絞り加工後に適切な色彩となるように予めその該当部分の色彩を異ならして印刷しておけばよい。
そして、前記食品収容部に90%以上の充填率で粉状の食品を収容すれば、装飾性に優れた食品包装体を得ることができる。
ぼかし領域を形成することで食品収容部に厚みの薄い部分が多くなるため、充填率が90%未満であると、内部に形成される空間によって食品収容部が潰れて立体的な形状が維持できなくなり、装飾性が損なわれるおそれがある。従って、充填率を90%以上にすることで、変形し易い食品収容部でもその形状を安定して保持することができ、食品包装容器の装飾的価値を失わずに済む。
特に、その食品には、グラニュー糖を用いるのが好ましい。グラニュー糖は、上白糖に比べて粒子が大きく、流動性が高いため、粉状であっても扱い易く生産性に優れる。従って、商品価値に優れた盆砂糖を比較的簡単に量産できる。また、グラニュー糖は上白糖に比べてその用途も多く、お供え後のお下がりとしての利用価値も向上する。
更に、この食品包装体の場合、次のような方法を用いることで安定して量産できる。
具体的には、前記食品収容部の開口を上側に向けた状態で、充填口が前記食品収容部の底面の近傍に位置するように充填ノズルを前記食品収容部に挿入し、前記食品収容部の底面側に形成された凸凹部分に前記食品の一部を充填する第1充填工程と、前記食品収容部に、前記食品の残部を充填する第2充填工程と、を含み、前記第2充填工程において、前記充填ノズルを上下方向に変位させながら前記食品収容部を振動させればよい。
そうすれば、食品収容部の底面側に複雑な凹凸部分が形成されていても、第1充填工程でその凹凸部分を埋めることができるので、凹凸部分による充填ばらつきの影響を軽減できる。続いて、凹凸部分が埋められた食品収容部に、充填ノズルを上下に変位させ、更に食品収容部を振動させながら食品の残部を充填することで、食品収容部の内部に満遍なく食品を分布させることができ、フランジ部に食み出すことなく食品収容部の内部一杯まで食品を充填することができる。
特に、流動性に優れたグラニュー糖と振動とを組み合わせることで、安定して食品収容部の開口の縁一杯にまで均一に拡げることができ、生産性を向上させることができる。
更に、前記食品収容部の成形と同時に、前記樹脂シートの所定位置にピン孔を形成するピン孔形成工程と、切り出し装置を用いて前記樹脂シートから前記本体部を切り出すカット工程と、を含み、前記カット工程において、前記ピン孔にピンを挿入して前記樹脂シートをスライド変位させることにより、切り出す前記本体部の位置決めを行うとよい。
そうすれば、深絞り加工時に樹脂シートを軟化させる熱の影響によって樹脂シートに歪みが生じても、その後のカット工程で精度高く位置決めできる。すなわち、食品収容部と同時にピン孔を形成することで、ピン孔と食品収容部との位置関係は歪みの影響をほとんど受けずに済む。従って、ピン孔にピンを挿入して樹脂シートをスライド変位させて位置決めを行うことで、樹脂シートに歪みがあっても精度高く所定位置に位置決めすることができる。
本発明によれば、装飾性に優れた食品包装容器を手軽に得ることができるようになり、商品価値の高い盆砂糖の量産が可能になる。
本発明を適用した盆砂糖の概要を示す斜視図である。 本発明を適用した盆砂糖の概略断面図である。 成形前の樹脂シートの概略平面図である。 切り出し装置の概念図である。(a)は側面図、(b)は(a)の矢印X方向から見た平面図である。 カット工程の説明図である。(a)は側面図、(b)は平面図である。 カット工程の説明図である。(a)は側面図、(b)は平面図である。 カット工程の説明図である。(a)は側面図、(b)は平面図である。 充填工程の説明図である。(a)〜(c)はそれぞれ異なる段階を示している。 充填時の要部を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
(食品包装容器、食品包装体)
図1及び図2に、本実施形態の食品包装容器を用いて包装した盆砂糖(食品包装体)を示す。図1に示すように、この盆砂糖は、蓮の花の形態を模してデザインされており、図2に示すように、本体部1と蓋フィルム2とからなる食品包装容器の内部に、グラニュー糖3を収容して密封することにより形成されている。
本体部1は、樹脂シート4から形成されたトレイ状の成形品であり、食品収容部11と、フランジ部12と、を有している。
成形材料の樹脂シート4は、熱可塑性であることを要し、防湿性や突き刺し強度に優れたものが好ましく、単層シートでもよいが、機能性の観点から積層シートが好ましい。例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ナイロン(Ny)、ポリエステル(PET)等の樹脂シート4の中から厚みや性能を考慮しながら適宜選択することができる。ちなみに本実施形態では、CPP/Ny/LLPEの積層シートが用いられている。
食品収容部11は、公知の深絞り加工により蓮の花のデザインを模して凹み形成されている。食品収容部11の底面側には、装飾性を高めるために、複雑な凹凸形状14が形成されている。例えば、本実施形態では、複雑な凹凸形状14を形成することで、蓮の花の複数の花弁や雌しべ等が立体的に表現されている。
また、食品収容部11の外面には、華やかさやリアル感を付加するために、蓮の花の色彩を模して印刷された印刷領域15が設けられている。この印刷領域15は、例えば図3に示すように、凹凸形状14に対応させて予め成形前の樹脂シート4の片面に印刷されたものであり、花弁等の色彩を模して着色された複数の着色領域15a〜15dで構成されている。例えば、花弁は第1及び第2の着色領域15a,15bに塗り分けられ、雌しべ等は第3及び第4の着色領域15c、15dに塗り分けられている。
これら着色領域15a,…は、彩度や明度に変化の無い単一色で一様に印刷しておけばよい。印刷工程が単純化されるため、製造コストを抑制することができる。ただし、印刷領域15を単に複数の着色領域15a〜15dに塗り分けただけではリアル感に欠けるため、ここでは深絞り成形時に樹脂シート4が延伸されるのを利用して、色が次第に変化するように工夫されている。
すなわち、深絞り加工では、通常、樹脂シート4を加熱して軟化させ、金型に吸引又は圧着することで樹脂シート4を所定形状に成形するが、その際、樹脂シート4の一部は延伸される。特に、加熱量が多くて樹脂シート4がより軟化した部分や、凹凸変化が大きい部分は延伸され易い。
そこで、その特性を利用して、例えば、着色領域15a,…の境目部分の延伸量が大きくなるように、あるいは延伸量が大きい部分に着色領域15a,…の境目部分が位置するように設定する。そうすると、着色領域15a,…の境目部分は成形時に引き伸ばされるため、図1に示したように、色が次第に変化するぼかし領域16を形成することができる。ぼかし領域16を形成することで、画一的な印刷であってもリアルな立体感を付与することができ、見た目の印象を向上させることができる。
特に、第1及び第2の着色領域15a,15bや第3及び第4の着色領域15c,15dなど、互いに隣接する着色領域15a,…は、同一又は近似した色相の色に設定しておくのが好ましい。そうすることで更にぼかし領域16による効果を発揮させることができる。なお、ぼかし領域16は必ずしも着色領域15a,…の境目部分に設定する必要はなく、印刷領域15の範囲内であれば、デザインに応じて任意に設定することができる。
フランジ部12は、食品収容部11の開口11aの縁から全周にわたって所定幅で外方に張り出すように形成されている。フランジ部12は、開口11a側に面するシール面12aを有し、そのシール面12aには、熱溶着性の樹脂層(LLPE)が配設されている。
蓋フィルム2は、フランジ部12のシール面12aに剥離可能にシール(接合)されている。蓋フィルム2は、本体部1と剥離可能にシールできるものであれば、特にその材質や構成は選ばない。本体部1と同様に、蓋フィルム2は防湿性や突き刺し強度に優れたものが好ましく、単層シートでもよいが、機能性の観点から積層シートが好ましい。本実施形態では、蓋フィルム2にPET/Ny/LLPEの構成からなる積層シートが用いられている。なお、蓋フィルム2のシール面には、シールが容易で、かつ、剥離し易いように、フランジ部12のシール面12aと同一の樹脂層(LLPE)が配置されている。
蓋フィルム2は、ロール状のフィルムから切り出されてフランジ部12の外形とほぼ同じ形状、大きさに形成されている。ただし、開封し易いように、その一部には、フランジ部12の外側に突出する摘み部2aが形成されている。
食品収容部11にはグラニュー糖3が一杯に収容されている。グラニュー糖3は、上白糖に比べて粒子が大きく、流動性が高い性質がある。その性質を利用してグラニュー糖3が、食品収容部11に90%以上の充填率で収容されている。90%未満であると、内部に形成される空間によって食品収容部11が潰れて立体的な形状が維持できなくなり、装飾性が損なわれるからである。特に、ぼかし領域16を形成することで食品収容部11の底面側(容器としては正面側)には厚みの薄い部分が多くなるため、凹凸形状14が潰れないようにすることが重要である。
(本体部の製造工程)
本体部1は、深絞り加工によってロール状の樹脂シート4に連続的に食品収容部11を成形し、切り出し装置20で樹脂シート4から連続的に切り出すことによって形成されている。すなわち、図3や図5等に示したように、一群(本実施形態では4個)の印刷領域15が樹脂シート4の幅方向に一列に並んでおり、その一群の印刷領域15が樹脂シート4の長さ方向に連続して設けられている。樹脂シート4の長さ方向の一方の側縁には、一群の印刷領域15ごとに検出用のマーク17が所定間隔で印刷されている。
このような形態の樹脂シート4に対し、深絞り加工装置(図示せず)で各印刷領域15ごとに食品収容部11が連続的に成形される(深絞り加工工程)。深絞り加工時には、樹脂シート4の各印刷領域15は熱により軟化させられる。その際、加わえられる熱の影響で樹脂シート4に歪みが生じてその幅寸法や長さ寸法が僅かに縮んだり延びたりする。そのため、その後に樹脂シート4から本体部1を切り出すカット工程での位置決めが困難になる。
そこで、深絞り加工時に樹脂シート4に歪みが生じても、精度高く位置決めできて、安定して本体部1を切り出すことができるように工夫されている。
図4に、樹脂シート4から本体部1を切り出す切り出し装置20の一例を示す。この切り出し装置20は、切断部21や搬送部22などで構成され、搬送部22によって所定位置に搬送される樹脂シート4から、幅方向に並ぶ一群の本体部1,1,…(本体部群ともいう)が切断部21によって一度に切り出されるようになっている(カット工程)。
切断部21は、上下方向にスライド変位可能で下端にカッターを有するカッタープレス23と、カッタープレス23の下側に対向配置された受け台24とを有している。受け台24には、カッターを受けいれるシュート孔25が貫通形成されていて、カッタープレス23で切断された本体部1はそのシュート孔25から下方に落下する。
搬送部22は、樹脂シート4の搬送方向に沿ってスライド変位可能なスライドテーブル26と、左右一対の支持部27,27と、光電管28とを有している。各支持部27は、スライドテーブル26の両側から搬送方向に突出する一対の腕部のぞれぞれに一体に設けられている。各支持部27は、先窄まり形状の複数(3個)のピン30,30,30が下方に突出したクランプ31を有し、これらクランプ31が上下方向にスライド変位可能となっている。光電管28は、マーク17を検出するために設けられていて、そのマーク17の検出によって樹脂シート4の送り量が制御されている。
図5〜図7に示すように、樹脂シート4は、食品収容部11が膨出している面を上側に向けた状態でこの切り出し装置20に搬送される。樹脂シート4の長さ方向の両側縁には、図3に仮想線で示したように、食品収容部11の成形と同時に、その両側に複数(3個)のピン孔32,32,32が貫通形成されている(ピン孔形成工程)。各ピン孔32の内径は、ピン30の基部の外径よりも大きく形成されている。各ピン孔32は食品収容部11の成形と同時に形成されるため、成形時に樹脂シート4に歪みが生じても、各食品収容部11と各ピン孔32との位置関係にはほとんど影響は及ばない。
まず、図5に示すように、先端部分の本体部群が受け台24の所定のカット位置に位置するように、樹脂シート4を切り出し装置20にセットする。次に、スライドテーブル26の位置を微調整しながら各クランプ31を下げて、樹脂シート4の先端部分のピン孔32,…に各クランプ31のピン30,…を挿入し、各クランプ31とスライドテーブル26とで樹脂シート4を挟持する(この状態の位置を原点位置ともいう)。
切り出し装置20を駆動させると、図6に示すように、カッタープレス23が下降して受け台24に圧着する。そうすると、カッタープレス23により樹脂シート4が押さえ付けられて本体部群が切り出され、切り出された個々の本体部1はシュート孔25から落下する。
本体部群を切り出すと、各クランプ31は上昇して樹脂シート4から離れた後、図7に示すように、スライドテーブル26と共に光電管28で検出された所定の送り量の分だけ搬送方向を後退する。そして、各クランプ31が下降してピン30がピン孔32に挿入される。このとき、ピン30の基部の外径はピン孔32の内径よりも小さく、しかも先窄まりに形成されているため、多少位置ずれしても挿入できるように設定されている。
続いて、カッタープレス23が上昇して樹脂シート4から離れる。その後、スライドテーブル26と各クランプ31は、樹脂シート4をスライド変位させながら原点位置に戻る。このとき、次に切り出される本体部群は、ピン30が挿入されたピン孔32と同時に成形されているため、樹脂シート4に歪みがあっても精度高くカット位置に位置決めされる。後は、図6や図7に示したのと同様の動きが繰り返され、連続的に本体部群が切り出される。
(食品の充填工程)
切り出し装置20で本体部1を切り出した後は、その食品収容部11にグラニュー糖3が充填される。先に述べたように、食品収容部11には、隙間が残らないようにグラニュー糖3を一杯まで充填する必要がある。しかし、食品収容部11は、複雑な凹凸形状14が形成されているため、バランスよく充填するのが難しく、また、グラニュー糖3が僅かでもフランジ部12に食み出すとシール不良の原因となることから、グラニュー糖3を適切かつ効率的に充填できるよう工夫されている。
図8に、その充填工程の各段階を示す。同図に示すように、充填に用いられる充填装置40は、計量部41と、投入部42と、振動部43とを備えている。
計量部41は、グラニュー糖3を充填装置40に送出する送出ノズル45と、上側の受入開口46aが送出ノズル45の先端の下方に位置する筒状の計量筒46と、計量筒46の下側に揺動可能に設けられたトレイ状のバケット47と、計量筒46の内部に溜まるグラニュー糖3の量を検出するセンサ48とを有している。バケット47は、充填装置40に揺動可能に支持されており、計量筒46の下側の排出開口46bを封止する計量位置から排出開口46bを開放して揺動先端を下方に向ける投入位置まで変位可能となっている。
投入部42は、バケット47の下方に配設されたシュート50と、充填ノズル51とを有している。シュート50は、上向きに末広がりに開口する受部50aと、受部50aの下側に設けられた筒状の中筒部50bとを有し、この中筒部50bの下端部分が、ひとまわり大径の充填ノズル51に挿入されている。充填ノズル51は、下端に充填口51aを有し、充填装置40に上下方向にスライド変位可能に支持されている。
振動部43(バイブレータ)は、充填ノズル51の下方に配設されており、略水平方向又は略垂直方向に微振動する機能を有している。
なお、充填装置40の近傍には、例えば、静電気除去エアーを噴射する静電気除去装置53を設置しておくのが好ましい。グラニュー糖3などの粉体は帯電し易く、帯電すると様々な不具合を生じるおそれがあるからである。特に、帯電したグラニュー糖3は樹脂製の包装容器に付着し易く、グラニュー糖3がフランジ部12のシール面12aに付着するとシール不良を招いてしまう。従って、静電気除去装置53を設置してグラニュー糖3の帯電を除去することで、シール不良を効果的に防止できるし、グラニュー糖3の流動性が良好になり、より安定して充填することができる。
まず、同図の(a)に示すように、食品収容部11の開口11aを上側に向けた状態で本体部1が振動部43に載置される。バケット47が計量位置にある状態で、送出ノズル45からグラニュー糖3が計量筒46に送出され、センサ48がその上面を検出するまで送出される。食品収容部11に充填する所定量のグラニュー糖3が送出されるように、センサ48は予め設定されている。
次に、同図の(b)に示すように、充填口51aが食品収容部11の底面の近傍に位置するように、充填ノズル51を下降させて食品収容部11の内部に挿入する。そして、バケット47を所定角度傾けることにより、計量筒46内のグラニュー糖3をバケット47内に排出させ、食品収容部11の底面側に形成された凸凹形状14の部分が埋まるように、グラニュー糖3の一部を食品収容部11に充填する(第1充填工程)。この間、振動部43を振動させてもよい。また、第1充填工程はこのように1回で実施してもよいし、複数回に分けてグラニュー糖3を少量ずつ分けて充填してもよい。
第1充填工程の後、同図の(c)に示すように、バケット47を更に大きく傾斜させながら、グラニュー糖3の残部を充填する(第2充填工程)。この間、振動部43は絶えず振動しており、充填ノズル51は徐々に食品収容部11の内部から上昇する。そうすることで、充填ノズル51と振動部43とによって、グラニュー糖3の食品収容部11内での拡がり具合が適正に規制されるため、グラニュー糖3は、食品収容部11の内部にバランスよく分布し、フランジ部12に食み出すことなく食品収容部11の内部一杯に充填される。
更に、その際、図9に示すように、充填口51aから出るグラニュー糖3は、充填方向と直交する方向から見て、その輪郭線60と、水平方向に拡がる仮想の水平面61との間の角度θが60°を超えないように設定されている。60°を超えると、充填ノズル51からグラニュー糖3が一気に流れ出て、フランジ部12に食み出すおそれがあるからである。
食品収容部11に所定量のグラニュー糖3を充填した後は、ロール状のフィルムで連続的にシールし(封入工程)、蓋フィルム2を切り出せば、図1や図2に示した盆砂糖を得ることができる。
このように、製造し難くて手作業で製造されている盆砂糖でも、工程の多くを機械的に処理できるようになるため、量産が可能になる。しかも、その包装容器は見た目に華やかでリアル感に富んでいるため、手作業で製造される盆砂糖と同等以上の商品価値を得ることができる。
なお、本発明の食品包装容器等は、上記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、模倣対象は蓮の花に限らず、果物やその他の物品であってもよい。食品収容部に収容される食品は、グラニュー糖に限らず、上白糖や黒砂糖等その他の粉状の糖類でもよいし、糖類以外の食品であってもよい。また、粉状の食品に限らず、液状やゲル状の食品に適用することも可能である。
1 本体部
2 蓋フィルム
3 グラニュー糖
4 樹脂シート
11 食品収容部
12 フランジ部
14 凹凸形状
15 印刷領域
16 ぼかし領域

Claims (5)

  1. 模倣対象の形態を模して成形されたトレイ状の本体部と、この本体部に接合される蓋フィルムと、を備えた食品包装容器であって、
    前記本体部は、熱可塑性の樹脂シートを深絞り加工することによって前記模倣対象の形状を模して凹み成形された食品収容部と、前記食品収容部の開口の縁から全周にわたって張り出すフランジ部と、を有し、
    前記蓋フィルムは、前記フランジ部に剥離可能に接合され、
    前記食品収容部には、前記模倣対象の色彩を模して印刷された印刷領域が設けられ、
    前記印刷領域に、深絞り加工時における前記樹脂シートの延伸を利用して、色が次第に変化するぼかし領域が形成されていることを特徴とする食品包装容器。
  2. 請求項1に記載の食品包装容器を用いた食品包装体であって、
    前記食品収容部に90%以上の充填率で粉状の食品が収容されていることを特徴とする食品包装体。
  3. 請求項2に記載の食品包装容器を用いた食品包装体であって、
    前記食品として、グラニュー糖が用いられていることを特徴とする食品包装体。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の食品包装体の製造方法であって、
    前記食品収容部の開口を上側に向けた状態で、充填口が前記食品収容部の底面の近傍に位置するように充填ノズルを前記食品収容部に挿入し、前記食品収容部の底面側に形成された凸凹部分に前記食品の一部を充填する第1充填工程と、
    前記食品収容部に、前記食品の残部を充填する第2充填工程と、
    を含み、
    前記第2充填工程において、前記充填ノズルを上下方向に変位させながら前記食品収容部を振動させることを特徴とする食品包装体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の食品包装体の製造方法であって、
    前記食品収容部の成形と同時に、前記樹脂シートの所定位置にピン孔を形成するピン孔形成工程と、
    切り出し装置を用いて前記樹脂シートから前記本体部を切り出すカット工程と、
    を含み、
    前記カット工程において、前記ピン孔にピンを挿入して前記樹脂シートをスライド変位させることにより、切り出す前記本体部の位置決めを行うことを特徴とする食品包装体の製造方法。
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