JP4471931B2 - オーディオ信号帯域拡張装置及び方法 - Google Patents

オーディオ信号帯域拡張装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、オーディオ機器におけるオーディオ信号の再生音、特に高音域の再生音質の向上を図り、人間の耳に快適なオーディオ信号を再生できるオーディオ信号の帯域を拡張するための方法及び装置に関し、特に、入力されるオーディオ信号をディジタル信号処理することにより入力されるオーディオ信号帯域拡張装置及び方法に関する。また、上記オーディオ信号帯域拡張装置を備えた光ディスクシステム、上記オーディオ信号帯域拡張方法の各ステップを含むプログラム、並びに、上記プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に関する。
例えば、特許文献1において、オーディオ信号の帯域を拡張するための方法及び装置(以下、従来例という。)が開示されている。この従来例では、入力されるオーディオ信号に基づいて高調波成分を生成するとともにそのレベルを検出する一方、入力されるオーディオ信号とは独立にランダムな高調波成分である雑音信号を発生する。次いで、発生した雑音信号のレベルを上記検出したレベルに応じて変化した後、レベルを変化した雑音信号に上記生成した高調波成分を加算し、その加算結果の信号に対して所定の帯域通過ろ波処理を実行する。さらに、帯域通過ろ波処理を実行した信号に、上記入力されたオーディオ信号をそのレベルを調整しながら加算し、その加算結果の信号を当該装置の出力信号として出力する。
国際出願公開第00/70769号パンフレット。 特開平4−286421号公報。 特開平5−183445号公報。 特開平5−284039号公報。
上述の従来例では、入力されるオーディオ信号とは独立にランダムな高調波成分である雑音信号を発生しているために、入力されるオーディオ信号とのレベルを合わせる必要があり、レベル検出手段や、振幅調整のための可変増幅減衰手段が必要となるため、オーディオ信号の立ち上がりが遅れ、スペクトル連続性が不自然になるなど、周波数特性及び時間特性ともに満足のゆくオーディオ信号を得ることができなかった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来例に比較して簡単な構成を有し、改善された周波数特性及び時間特性を有する、帯域拡張されたオーディオ信号を発生することがオーディオ信号帯域拡張装置及び方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記オーディオ信号帯域拡張装置を備えた光ディスクシステム、上記オーディオ信号帯域拡張方法の各ステップを含むプログラム、並びに、上記プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
以上の問題点を解決するために、第1の発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置は、
入力信号を帯域通過ろ波手段により帯域通過ろ波した部分帯域の信号のレベルと、上記入力信号のレベルとのうちの一方に従って変化するようにレベル相関した雑音信号を発生する雑音発生手段と、
上記発生された雑音信号に対して、加算手段の加算時に所定の拡張帯域信号の下限周波数において上記入力信号とレベルが実質的に一致しかつスペクトルの連続性を保持するように所定の伝達関数を乗算し、乗算結果の信号を出力する信号処理手段と、
上記入力信号と、上記信号処理手段からの出力信号とを加算して、加算結果の信号を出力する加算手段とを備えたことを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張装置において、
上記帯域通過ろ波手段の前段に挿入して設けられ、上記入力信号をA/D変換する第1の変換手段と、
上記信号処理手段と上記加算手段の間に挿入して設けられ、上記信号処理手段からの出力信号をD/A変換する第2の変換手段とをさらに備えたことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、
上記帯域通過ろ波手段の前段及び上記加算手段の前段に挿入して設けられ、上記入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波して上記帯域通過ろ波手段及び上記加算手段に出力するオーバーサンプリング型低域通過ろ波手段をさらに備えたことを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、
上記加算手段の前段に挿入して設けられ、上記入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波して上記加算手段に出力するオーバーサンプリング型低域通過ろ波手段と、
上記雑音発生手段と上記信号処理手段との間に挿入して設けられ、上記雑音発生手段からの雑音信号をオーバーサンプリングして上記信号処理手段に出力するオーバーサンプリング手段とをさらに備えたことを特徴とする。
またさらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記雑音発生手段は、
上記雑音発生手段に入力される信号のレベルを検出し、検出したレベルを有するレベル信号を発生して出力するレベル信号発生手段と、
上記雑音発生手段に入力される信号に従って雑音信号を発生して出力する雑音信号発生手段と、
上記レベル信号発生手段からのレベル信号と、上記雑音信号発生手段からの雑音信号とを乗算し、乗算結果の雑音信号を出力する乗算手段とを備えたことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記雑音信号発生手段は、デルタシグマ変調型量子化器を備え、上記雑音信号発生手段に入力される信号の量子化雑音信号を発生して、上記雑音信号として出力することを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記雑音発生手段は、
上記雑音発生手段に入力される信号から所定の上位ビットを切り出して上位ビットを含む信号を出力する第1の切り出し手段と、
上記雑音発生手段に入力される信号から所定の中間ビットと所定の下位ビットの少なくとも一方を切り出して当該少なくとも一方のビットを含む信号を出力する少なくとも1つの第2の切り出し手段と、
上記第1の切り出し手段からの信号と、上記第2の切り出し手段からの信号とを乗算し、乗算結果の雑音信号を出力する乗算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、上記第2の切り出し手段は、互いに異なるビット位置でかつ所定のビット幅で、中間ビット及び下位ビットと、2つの中間ビットとのうちの一方を切り出した後加算し、加算結果の信号を出力することを特徴とする。もしくは、上記第2の切り出し手段は、互いに異なるビット位置でかつ所定のビット幅で、中間ビット及び2つの下位ビットと、3つの中間ビットとのうちの一方を切り出した後加算し、加算結果の信号を出力することを特徴とする。とって代わって、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、
上記入力信号とは独立である雑音信号を発生する独立雑音発生手段と、
上記第2の切り出し手段からの雑音信号と、上記独立雑音発生手段からの雑音信号とを加算して上記乗算手段に出力する別の加算手段とをさらに備えたことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記独立雑音発生手段は、互いに異なる複数の雑音信号を発生し、上記複数の雑音信号を加算して出力することを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記独立雑音発生手段は、ダイヤモンドディザ型雑音信号を発生することを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記雑音発生手段は、
上記雑音発生手段に入力される信号を、その信号のレベルに対して非一様に量子化して出力する非一様量子化手段と、
上記非一様量子化手段からの信号に対して、上記非一様量子化手段の処理とは逆の処理を実行して出力する逆量子化手段と、
上記雑音発生手段に入力される信号と、上記逆量子化手段からの信号との差を計算することにより、上記雑音発生手段に入力される信号の量子化雑音信号を発生して出力する減算手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記非一様量子化手段は、入力信号のレベルが大きくなるにつれて、量子化幅を大きくなるように入力信号を量子化することを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記非一様量子化手段は、Lビットの直線符号をそのランレングスを1/Nに圧縮して、Mビットのデータを発生して出力し、ここで、L、M及びNは2以上の正の整数であることを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記非一様量子化手段は、上位で所定論理のビットが連続する連続データQ0と、上記連続データQ0の連続性をブレークする反転ビットT0と、上記反転ビットT0以降の下位データD0とで構成されるLビットの直線符号を、上記連続データQ0のランレングスを圧縮して得られる圧縮された連続データQ1と、上記圧縮された連続データQ1の連続性をブレークする反転ビットT1と、上記ランレングスを圧縮する時に生じる剰余を表す圧縮剰余データF1と、上記下位データD0を丸めて得るようにした仮数データD1とで構成するMビットの圧縮データに変換して出力し、
ここで、上記連続データQ0のランレングスをL0とし、上記圧縮された連続データQ1のランレングスをL1とし、Nを2以上の整数とするとき、上記圧縮された連続データQ1のランレングスL1と、圧縮剰余データF1とは、L1=Int(L0/N)及びF1=L0 mod Nで表され、ここで、Intは引数の整数値を表す関数であり、A mod BはAをBで除算したときの剰余を表す関数であることを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記逆量子化手段は、上位で所定論理のビットが連続する圧縮された連続データQ1、上記圧縮された連続データQ1の連続性をブレークする反転ビットT1、ランレングスを圧縮する時に生じる剰余を表す圧縮剰余データF1及び仮数データD1によって構成する圧縮データを、上記Q1のランレングスをN倍に伸長し、上記F1の値に応じた長さの連続データを付加し、Q0の連続性をブレークする反転ビットT0を付加し、引き続き上記仮数データD1を付加して、連続データQ0、反転ビットT0及び仮数データD0を読み出して伸長データを出力し、
ここで、上記連続データQ0のランレングスをL0とし、上記圧縮された連続データQ1のランレングスをL1とし、圧縮剰余データF1から求める剰余をF1とし、Nを2以上の整数とするとき、L0=L1*n+F1及びD0=D1で表され、ここで、*は乗算を表す算術記号であることを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記非一様量子化手段は、入力される直線符号を、所定の有効ビット長を有するフローティング符号化してその符号化信号を出力することを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記雑音発生手段は、
上記雑音発生手段に入力される信号と、そのレベルに従って変化するようにレベル相関した雑音信号との関係を格納したテーブルメモリ手段と、
上記雑音発生手段に入力される信号に応答して、当該信号に対応する雑音信号を上記テーブルメモリ手段から読み出して出力する変換手段とを備えたことを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記信号処理手段は、少なくとも第1のフィルタ手段を備え、上記入力信号の周波数帯域より高い周波数帯域をろ波して取り出すことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記信号処理手段は、少なくとも1/fフィルタ手段を備え、上記信号処理手段に入力される信号の高域スペクトルに対して、1/fの低減特性を与えることを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記信号処理手段は、少なくともエコー付加処理手段を備え、上記信号処理手段に入力される信号の高域スペクトルに対して、エコー信号を付加することを特徴とする。
またさらに、上記オーディオ信号帯域拡張装置において、上記信号処理手段は、少なくとも第2のフィルタ手段を備え、上記信号処理手段に入力される信号の周波数帯域より高い周波数帯域を、ナイキスト周波数を越える周波数帯域を含むようにろ波して取り出すことを特徴とする。
第2の発明に係るオーディオ信号帯域拡張方法は、
入力信号を帯域通過ろ波ステップにより帯域通過ろ波した部分帯域の信号のレベルと、上記入力信号のレベルとのうちの一方に従って変化するようにレベル相関した雑音信号を発生する雑音発生ステップと、
上記発生された雑音信号に対して、加算ステップの加算時に所定の拡張帯域信号の下限周波数において上記入力信号とレベルが実質的に一致しかつスペクトルの連続性を保持するように所定の伝達関数を乗算し、乗算結果の信号を出力する信号処理ステップと、
上記入力信号と、上記信号処理ステップからの出力信号とを加算して、加算結果の信号を出力する加算ステップとを含むことを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張方法において、
上記帯域通過ろ波ステップの前段に挿入して実行され、上記入力信号をA/D変換する第1の変換ステップと、
上記信号処理ステップと上記加算ステップの間に挿入して実行され、上記信号処理ステップからの出力信号をD/A変換する第2の変換ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、
上記帯域通過ろ波ステップの前段及び上記加算ステップの前段に挿入して実行され、上記入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波して上記帯域通過ろ波ステップ及び上記加算ステップに出力するオーバーサンプリング型低域通過ろ波ステップをさらに含むことを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、
上記加算ステップの前段に挿入して実行され、上記入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波して上記加算ステップに出力するオーバーサンプリング型低域通過ろ波ステップと、
上記雑音発生ステップと上記信号処理ステップとの間に挿入して実行され、上記雑音発生ステップからの雑音信号をオーバーサンプリングして上記信号処理ステップに出力するオーバーサンプリングステップとをさらに含むことを特徴とする。
またさらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記雑音発生ステップは、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号のレベルを検出し、検出したレベルを有するレベル信号を発生して出力するレベル信号発生ステップと、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号に従って雑音信号を発生して出力する雑音信号発生ステップと、
上記レベル信号発生ステップからのレベル信号と、上記雑音信号発生ステップからの雑音信号とを乗算し、乗算結果の雑音信号を出力する乗算ステップとを含むことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記雑音信号発生ステップは、デルタシグマ変調型量子化ステップを含み、上記雑音信号発生ステップにおいて入力される信号の量子化雑音信号を発生して、上記雑音信号として出力することを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記雑音発生ステップは、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号から所定の上位ビットを切り出して上位ビットを含む信号を出力する第1の切り出しステップと、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号から所定の中間ビットと所定の下位ビットの少なくとも一方を切り出して当該少なくとも一方のビットを含む信号を出力する少なくとも1つの第2の切り出しステップと、
上記第1の切り出しステップからの信号と、上記第2の切り出しステップからの信号とを乗算し、乗算結果の雑音信号を出力する乗算ステップとを含むことを特徴とする。
ここで、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記第2の切り出しステップは、互いに異なるビット位置でかつ所定のビット幅で、中間ビット及び下位ビットと、2つの中間ビットとのうちの一方を切り出した後加算し、加算結果の信号を出力することを特徴とする。もしくは、上記第2の切り出しステップは、互いに異なるビット位置でかつ所定のビット幅で、中間ビット及び2つの下位ビットと、3つの中間ビットとのうちの一方を切り出した後加算し、加算結果の信号を出力することを特徴とする。とって代わって、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記入力信号とは独立である雑音信号を発生する独立雑音発生ステップと、
上記第2の切り出しステップからの雑音信号と、上記独立雑音発生ステップからの雑音信号とを加算して上記乗算ステップに出力する別の加算ステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記独立雑音発生ステップは、互いに異なる複数の雑音信号を発生し、上記複数の雑音信号を加算して出力することを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記独立雑音発生ステップは、ダイヤモンドディザ型雑音信号を発生することを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記雑音発生ステップは、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号を、その信号のレベルに対して非一様に量子化して出力する非一様量子化ステップと、
上記非一様量子化ステップからの信号に対して、上記非一様量子化ステップの処理とは逆の処理を実行して出力する逆量子化ステップと、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号と、上記逆量子化ステップからの信号との差を計算することにより、上記雑音発生ステップにおいて入力される信号の量子化雑音信号を発生して出力する減算ステップとを含むことを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記非一様量子化ステップは、入力信号のレベルが大きくなるにつれて、量子化幅を大きくなるように入力信号を量子化することを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記非一様量子化ステップは、Lビットの直線符号をそのランレングスを1/Nに圧縮して、Mビットのデータを発生して出力し、ここで、L、M及びNは2以上の正の整数であることを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記非一様量子化ステップは、上位で所定論理のビットが連続する連続データQ0と、上記連続データQ0の連続性をブレークする反転ビットT0と、上記反転ビットT0以降の下位データD0とで構成されるLビットの直線符号を、上記連続データQ0のランレングスを圧縮して得られる圧縮された連続データQ1と、上記圧縮された連続データQ1の連続性をブレークする反転ビットT1と、上記ランレングスを圧縮する時に生じる剰余を表す圧縮剰余データF1と、上記下位データD0を丸めて得るようにした仮数データD1とで構成するMビットの圧縮データに変換して出力し、
ここで、上記連続データQ0のランレングスをL0とし、上記圧縮された連続データQ1のランレングスをL1とし、Nを2以上の整数とするとき、上記圧縮された連続データQ1のランレングスL1と、圧縮剰余データF1とは、L1=Int(L0/N)及びF1=L0 mod Nで表され、ここで、Intは引数の整数値を表す関数であり、A mod BはAをBで除算したときの剰余を表す関数であることを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記逆量子化ステップは、上位で所定論理のビットが連続する圧縮された連続データQ1、上記圧縮された連続データQ1の連続性をブレークする反転ビットT1、ランレングスを圧縮する時に生じる剰余を表す圧縮剰余データF1及び仮数データD1によって構成する圧縮データを、上記Q1のランレングスをN倍に伸長し、上記F1の値に応じた長さの連続データを付加し、Q0の連続性をブレークする反転ビットT0を付加し、引き続き上記仮数データD1を付加して、連続データQ0、反転ビットT0及び仮数データD0を読み出して伸長データを出力し、
ここで、上記連続データQ0のランレングスをL0とし、上記圧縮された連続データQ1のランレングスをL1とし、圧縮剰余データF1から求める剰余をF1とし、Nを2以上の整数とするとき、L0=L1*n+F1及びD0=D1で表され、ここで、*は乗算を表す算術記号であることを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記非一様量子化ステップは、入力される直線符号を、所定の有効ビット長を有するフローティング符号化してその符号化信号を出力することを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記雑音発生ステップは、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号と、そのレベルに従って変化するようにレベル相関した雑音信号との関係を格納したテーブルメモリステップと、
上記雑音発生ステップにおいて入力される信号に応答して、当該信号に対応する雑音信号を上記テーブルメモリステップから読み出して出力する変換ステップとを含むことを特徴とする。
上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記信号処理ステップは、少なくとも第1のフィルタステップを含み、上記入力信号の周波数帯域より高い周波数帯域をろ波して取り出すことを特徴とする。
また、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記信号処理ステップは、少なくとも1/fフィルタステップを含み、上記信号処理ステップにおいて入力される信号の高域スペクトルに対して、1/fの低減特性を与えることを特徴とする。
さらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記信号処理ステップは、少なくともエコー付加処理ステップを含み、上記信号処理ステップにおいて入力される信号の高域スペクトルに対して、エコー信号を付加することを特徴とする。
またさらに、上記オーディオ信号帯域拡張方法において、上記信号処理ステップは、少なくとも第2のフィルタステップを含み、上記信号処理ステップにおいて入力される信号の周波数帯域より高い周波数帯域を、ナイキスト周波数を越える周波数帯域を含むようにろ波して取り出すことを特徴とする。
第3の発明に係る光ディスクシステムは、光ディスクに格納されたオーディオ信号を再生する再生装置と、
上記再生されたオーディオ信号の帯域を拡張し、拡張後のオーディオ信号を出力する上記オーディオ信号帯域拡張装置とを備えたことを特徴とする。
第4の発明に係るプログラムは、上記オーディオ信号帯域拡張方法における各ステップを含むことを特徴とする。
第5の発明に係るコンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、上記オーディオ信号帯域拡張方法における各ステップを含むプログラムを格納したことを特徴とする。
従って、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、入力信号が有する帯域以上で入力信号のレベルに従って変化しレベル相関する雑音信号を発生して入力信号と、スペクトルの連続性を保持するように加算することにより、従来技術に比較して容易にオーディオ帯域が拡張された信号を発生することができる。また、上述のように得られた帯域拡張された信号は原音のレベルに従って変化しかつスペクトルの連続性を保持しているので、帯域拡張された信号の高域成分は人工的なものではなく、原音に対して自然に聴こえるという特有の効果を有している。
また、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、帯域通過ろ波処理、レベル相関型白色雑音発生処理、信号処理をディジタル信号処理で実行することにより、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、オーディオ信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。さらに、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して、回路規模が大きくなることもなく、製造コストの増加につながらない。
さらに、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、帯域通過ろ波処理及び最後の加算処理の前に、オーバーサンプリング処理を実行しかつ低域通過ろ波処理を実行することにより、A/D変換器の前段で低次のアナログ低域通過フィルタを用いることができ、これにより、フィルタ処理に伴う位相ひずみや雑音を大幅に軽減できる。また、量子化雑音を低減でき、短い量子化ビットでの変換を容易することができる。さらに、入力信号Xのより高い高調波成分を事前に生成して利用できるので、より高い高調波成分を容易に発生できる。
またさらに、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、レベル相関型白色雑音発生処理と信号処理との間にオーバーサンプリング処理を挿入して実行する一方、最後の加算処理の前に入力信号に対してオーバーサンプリング処理及び低域通過ろ波処理を実行することにより、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ及びオーバーサンプリング回路よりも後段の回路において信号レートを高く設定することができる。言い換えれば、前段の回路の信号レートを低く設定することができ、回路構成を簡単化できる。
また、本発明に係る光ディスクシステムによれば、光ディスクに格納されたオーディオ信号を再生して、上記再生されたオーディオ信号の帯域を拡張し、拡張後のオーディオ信号を出力することができる。これにより、光ディスクに格納されたオーディオ信号に基づいて、従来技術に比較して容易にオーディオ帯域が拡張された信号を発生することができる。
さらに、本発明に係るプログラムによれば、上記オーディオ信号帯域拡張方法における各ステップを含むプログラムを提供できる。
またさらに、本発明に係るコンピュータにより読み取り可能な記録媒体によれば、上記オーディオ信号帯域拡張方法における各ステップを含むプログラムを格納した記録媒体を提供できる。
以下、図面を参照して本発明に係る好ましい実施形態について説明する。なお、添付の図面において、同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1の好ましい実施形態.
図1は、本発明に係る第1の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−1の構成を示すブロック図である。この第1の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−1は、図1に示すように、入力端子101と出力端子102との間に挿入されるアナログ信号処理回路であって、帯域通過フィルタ(BPF)200と、レベル相関型白色雑音発生回路300と、信号処理回路400と、加算器800とを備えて構成される。
図1において、アナログオーディオ信号(以下、入力信号という。)Xが入力端子101を介して帯域通過フィルタ200及び加算器800に入力される。この入力信号Xは、例えばコンパクトディスク(CD)から再生された信号であり、例えば、20Hzから20kHzまでの帯域を有する信号である。帯域通過フィルタ200は、入力信号Xの帯域のうちの一部の帯域(以下、部分帯域という。これは、例えば、そのより高い帯域である10kHzから20kHzまでの帯域である。もしくは、別の例では、5kHzから15kHzまでの帯域である。)を帯域通過ろ波した後、レベル相関型白色雑音発生回路300に出力する。次いで、レベル相関型白色雑音発生回路300は、入力端子301を介して入力される部分帯域のオーディオ信号のレベルに従って変化するレベルを有し、すなわちレベル相関したレベルを有する白色雑音信号を発生して、出力端子302を介して信号処理回路400に出力する。さらに、信号処理回路400は、入力される白色雑音信号に対して、所定の帯域通過ろ波処理、エコー付加処理及びレベル調整処理を含み、いわば所定の伝達関数を乗算する信号処理を実行して、処理後の白色雑音信号を加算器800に出力する。そして、加算器800は信号処理回路400からの白色雑音信号と、入力信号Xとを加算し、加算結果の帯域拡張された信号を出力信号Wとして出力する。
なお、信号処理回路400の処理の詳細については、図25を参照して詳細後述する。ここで、信号処理回路400の帯域通過ろ波処理における帯域通過帯域の下限周波数は、好ましくは、入力信号Xの最大周波数に実質的に一致し、加算器800における2つの信号の加算処理でこれら2つの信号の当該下限周波数におけるレベルが実質的に一致させてスペクトルの連続性を保持することが好ましい。また、上記帯域通過ろ波処理における帯域通過帯域の上限周波数は、好ましくは、入力信号Xの最大周波数の2倍又は4倍以上に設定される。さらに、もし、帯域通過フィルタ200の帯域通過特性が例えば10kHzから20kHzまでのように、その上限周波数がナイキスト周波数と同一であれば、帯域通過フィルタ200を、10kHz以上を通過させる高域通過フィルタに置き換えてもよい。
以上のように構成されたオーディオ信号帯域拡張装置100−1によれば、従来例に比較して、レベル検出が不要であり、簡単な構成で容易にオーディオ帯域を拡張したオーディオ信号を発生することができる。また、得られた帯域拡張された信号は入力信号Xの原音のレベルに従って変化して相関しており、かつスペクトルの連続性を保持しているので、帯域拡張された信号の高域成分は人工的なものではなく、原音に対して自然に聴こえるという特有の効果を有する。
以上の好ましい実施形態においては、帯域通過フィルタ200を設けているが、本発明はこれに限らず、設けなくてもよい。この場合、レベル相関型白色雑音発生回路300は、入力信号Xのレベルに従って変化するようにレベル相関する白色雑音信号を発生する。
第2の好ましい実施形態.
図2は、本発明に係る第2の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−2の構成を示すブロック図である。この第2の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−2は、図1のオーディオ信号帯域拡張装置100−1に比較して、帯域通過フィルタ(BPF)200、レベル相関型白色雑音発生回路300及び信号処理回路400の各処理をアナログ信号処理に代えて、ディジタル信号処理で実行するために、帯域通過フィルタ200の前段にA/D変換器130を挿入するとともに、信号処理回路400の後段にD/A変換器131を挿入したことを特徴としている。以下、当該相違点について詳述する。
図2において、入力信号XはA/D変換器130によりA/D変換されて、例えば、サンプリング周波数fs=44.1kHzと、語長=16ビットとを有する信号となる。また、D/A変換器131は信号処理回路400からの出力信号をD/A変換してアナログオーディオ信号を加算器800に出力する。そして、加算器800はアナログオーディオ信号である入力信号と、D/A変換された帯域拡張信号とを加算して、加算結果のオーディオ信号を出力する。
以上のように構成されたオーディオ信号帯域拡張装置100−2によれば、図1のオーディオ信号帯域拡張装置100−1と同様の作用効果を有するとともに、帯域通過フィルタ(BPF)200、レベル相関型白色雑音発生回路300及び信号処理回路400の各処理をディジタル信号処理で行っているので、ディジタル・シグナル・プロセッサ(以下、DSPという。)などを用いて当該処理をソフトウエアで指定して実行することができ、ハードウエアの構成が従来例に比較して簡単になる。また、この場合、ソフトウエアを変更することにより、上記ディジタル信号処理の処理内容を容易に変更することができる。
第3の好ましい実施形態.
図3は、本発明に係る第3の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−3の構成を示すブロック図である。この第3の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−3は、図1のオーディオ信号帯域拡張装置100−1に比較して、以下の点が異なる。
(1)入力信号X及び出力信号Wをディジタルオーディオ信号とした。
(2)オーディオ信号帯域拡張装置100−3内の処理をすべてディジタル信号処理で実行した。
(3)帯域通過フィルタ(BPF)200及び加算器800の前段に、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ(LPF)120を挿入した。
以下、当該相違点について詳述する。
図3において、ディジタルオーディオ信号である入力信号Xが入力端子101を介してオーバーサンプリング型低域通過フィルタ120に入力される。このディジタルオーディオ信号は、例えばコンパクトディスク(CD)から再生された信号であり、このとき、当該信号は、サンプリング周波数fs=44.1kHzと、語長=16ビットとを有する信号である。オーバーサンプリング型低域通過フィルタ120は、図5に示すように、オーバーサンプリング回路11と、ディジタル低域通過フィルタ(LPF)12とを備えて構成され、入力端子101を介して入力されたディジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fsをp倍(pは、2以上の正の整数である。)し、かつ周波数fs/2から周波数pfs/2までの不要な帯域の信号を60dB以上減衰させるディジタルフィルタ回路である。
例えば、p=2であるとき、サンプリング周波数fs(サンプリング周期Ts=1/fs)を有するディジタルオーディオ信号は、オーバーサンプリング回路11に入力され、オーバーサンプリング回路11は、入力されたディジタルオーディオ信号のデータD1に対して、図6に示すように、各隣接する2つのデータD1の中間位置(時間軸に対して)にサンプリング周期TsでゼロデータD2を挿入して補間することによりオーバーサンプリング処理を実行して、サンプリング周波数2fs(サンプリング周期Ts/2)を有するディジタルオーディオ信号に変換した後、ディジタル低域通過フィルタ12に出力する。ディジタル低域通過フィルタ12は、
(a)周波数0〜0.45fsの通過帯域と、
(b)周波数0.45fs〜fsの阻止帯域と、
(c)周波数fs以上で60dB以上の減衰量とを
有して、入力ディジタルオーディオ信号を低域通過ろ波することにより、上記オーバーサンプリング処理により発生される折り返し雑音を除去するように帯域制限して、実質的に入力ディジタルオーディオ信号の持つ有効な帯域(周波数0〜0.45fs)のみを通過させた後、図3の加算器800及び帯域通過フィルタ200に出力する。
さらに、加算器800は、オーバーサンプリングされかつ低域通過ろ波されたディジタルオーディオ信号と、信号処理回路400からのディジタル帯域拡張信号とを加算して、加算結果のオーディオ信号を出力信号Wとして出力する。
以上のように構成されたオーディオ信号帯域拡張装置100−3によれば、図1及び図2のオーディオ信号帯域拡張装置100−1,100−2と同様の作用効果を有するとともに、すべての処理をディジタル信号処理で実行しているので、DSPなどを用いて当該処理をソフトウエアで指定して実行することができ、ハードウエアの構成が従来例に比較して簡単になる。また、この場合、ソフトウエアを変更することにより、上記ディジタル信号処理の処理内容を容易に変更することができる。さらに、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ120を用いて入力信号Xをオーバーサンプリング処理及び低域通過ろ波処理を実行しているので、以下の特有の効果を有する。
(1)A/D変換器の前段で低次のアナログ低域通過フィルタを用いることができ、これにより、フィルタ処理に伴う位相ひずみや雑音を大幅に軽減できる。
(2)量子化雑音を低減でき、短い量子化ビットでの変換を容易することができる。
(3)入力信号Xのより高い高調波成分を事前に生成して利用できるので、より高い高調波成分を容易に発生できる。
第4の好ましい実施形態.
図4は、本発明に係る第4の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−4の構成を示すブロック図である。この第4の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−4は、図3のオーディオ信号帯域拡張装置100−3に比較して、以下の点が異なる。
(1)オーバーサンプリング型域通過フィルタ120を、入力端子101と加算器800との間に挿入した。
(2)レベル相関型白色雑音発生回路300と信号処理回路400との間に、オーバーサンプリング回路121を挿入した。
以下、当該相違点について詳述する。
図4において、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ120は入力信号Xに対してオーバーサンプリング処理及び低域通過ろ波処理を実行して加算器800に出力する。また、オーバーサンプリング回路121はレベル相関型白色雑音発生回路300から出力される白色雑音信号に対してオーバーサンプリング処理を実行した後、信号処理回路400に出力する。従って、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ120及びオーバーサンプリング回路121よりも後段の回路において信号レートを高く設定することができる。言い換えれば、前段の回路の信号レートを低く設定することができ、回路構成を簡単化できる。以上のように構成されたオーディオ信号帯域拡張装置100−4によれば、第3の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−3と同様の作用効果を有する。
第1の実施例.
図7は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第1の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−1の構成を示すブロック図である。図7において、レベル相関型白色雑音発生回路300−1は、入力端子301と出力端子302とを有し、レベル信号発生回路310と、白色雑音信号発生回路320と、乗算器340とを備えて構成されたことを特徴としている。
図7において、所定の部分帯域を有するオーディオ信号は入力端子301を介してレベル信号発生回路310及び白色雑音信号発生回路320に入力される。レベル信号発生回路310は入力されるオーディオ信号のレベルを検出し、検出したレベルを有するレベル信号を発生して乗算器340に出力する。このレベル信号発生回路310の具体例は、図9乃至図12の上位ビット切り出し回路311であり、入力信号の上位ビットはそのレベルを示しているので、上位ビット切り出し回路311から出力されるビットの信号は入力信号の概略レベルを示している。また、白色雑音信号発生回路320は、例えば、図8の1次のデルタシグマ変調型量子化器20で構成され、入力信号のレベルには関係無く略固定レベルの白色雑音信号を発生して乗算器340に出力する。そして、乗算器340は入力される白色雑音信号とレベル信号とを乗算することにより、白色雑音信号のレベルがレベル信号に応じて変化する白色雑音信号を発生して出力端子302を介して出力する。
図8は、図7の白色雑音信号発生回路320の構成を示すブロック図である。図8において、白色雑音信号発生回路320は、1次のデルタシグマ変調型量子化器20で構成され、当該量子化器20は、減算器21と、量子化を行う量子化器22と、減算器23と、1サンプルの遅延を行う遅延回路24とを備えて構成される。
図8において、帯域通過フィルタ200からの入力信号は入力端子301を介して減算器21に出力される。減算器1は、帯域通過フィルタ200からのオーディオ信号から、遅延回路24からのオーディオ信号を減算し、減算結果のオーディオ信号を遅延回路24を介して減算器21に出力する。上記減算器23から出力される減算結果のオーディオ信号は量子化時に発生する量子化雑音を示す量子化雑音信号であり、当該量子化雑音信号は出力端子303を介して乗算器340に出力される。図8に示すごとく構成された1次のデルタシグマ変調型量子化器20において、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ120からのディジタルオーディオ信号に基づいて、1次のデルタシグマ変調した変調信号を発生し、すなわち、原音のオーディオ信号に基づいて発生された帯域信号である雑音信号を発生することができる。
なお、図8の白色雑音信号発生回路320においては、1次のデルタシグマ変調型量子化器20を用いているが、本発明はこれに限らず、複数次のデルタシグマ変調型量子化器を用いてもよい。また、デルタシグマ変調型量子化器に代えて、入力されるオーディオ信号をシグマデルタ変調するシグマデルタ変調型量子化器を用いてもよい。
第2の実施例.
図9は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第2の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−2の構成を示すブロック図である。図9において、レベル相関型白色雑音発生回路300−2は、入力端子301と出力端子302を有し、上ビット切り出し回路311と、下位ビット切り出し回路321と、乗算器340とを備えて構成される。ここで、上ビット切り出し回路311は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、図16A又は図16Bに示すように、例えば上位10ビット(b0−b9)を切り出して、当該10ビットの信号をレベル検出信号として乗算器340に出力する。ここで、最上位ビットb0は符号ビットPである。また、下位ビット切り出し回路321は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、例えば、図16Aに示すように最下位8ビット(b16−b23)を切り出し、もしくは、図16Bに示すように、例えば上記上位ビットよりも低い所定の下位のビット(b8−b15)を切り出して、当該8ビットの信号を、入力信号に相関するが、ランダムに変化する白色雑音信号として発生して乗算器340に出力する。そして、乗算器340は入力される白色雑音信号とレベル信号とを乗算することにより、白色雑音信号のレベルがレベル信号に応じて変化する白色雑音信号を発生して出力端子302を介して出力する。
なお、図16Bの場合においては、例えば、入力信号Xの語長の所定の有効語長以下が丸められていて、下位部分が固定データとなる場合において、有効語長範囲内の中間部分のビットを所定のビット幅で切り出している。
第3の実施例.
図10は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第3の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−3の構成を示すブロック図である。図10において、レベル相関型白色雑音発生回路300−3は、入力端子301と出力端子302を有し、上ビット切り出し回路311と、中間位ビット切り出し回路331と、下位ビット切り出し回路321と、乗算器340とを備えて構成される。ここで、上ビット切り出し回路311は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、図17Aに示すように、例えば上位10ビット(b0−b9)を切り出して、当該10ビットの信号をレベル検出信号として乗算器340に出力する。また、中間位ビット切り出し回路331は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、例えば、図17Aに示すように中間位6ビット(b10−b15)を切り出して、当該6ビットの信号を、入力信号に相関するが、ランダムに変化する白色雑音信号として発生して加算器330を介して乗算器340に出力する。さらに、下位ビット切り出し回路321は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、例えば、図17Aに示すように最下位8ビット(b16−b23)を切り出して、当該8ビットの信号を、入力信号に相関するが、ランダムに変化する白色雑音信号として発生して加算器330を介して乗算器340に出力する。そして、乗算器340は入力される2つの白色雑音信号とレベル信号とを乗算することにより、白色雑音信号のレベルがレベル信号に応じて変化する白色雑音信号を発生して出力端子302を介して出力する。
第4の実施例.
図11は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第4の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−4の構成を示すブロック図である。図11において、レベル相関型白色雑音発生回路300−4は、入力端子301と出力端子302を有し、上ビット切り出し回路311と、3個の下位ビット切り出し回路321,322,323と、乗算器340とを備えて構成される。ここで、上ビット切り出し回路311は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、図17Bに示すように、例えば上位10ビット(b0−b9)を切り出して、当該10ビットの信号をレベル検出信号として乗算器340に出力する。また、下位ビット切り出し回路321は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、例えば、図17Bに示すように下位6ビット(b16−b21)を切り出して、当該6ビットの信号を、入力信号に相関するが、ランダムに変化する白色雑音信号として発生して加算器330を介して乗算器340に出力する。さらに、下位ビット切り出し回路322は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、例えば、図17Bに示すように下位6ビット(b17−b22)を切り出して、当該6ビットの信号を、入力信号に相関するが、ランダムに変化する白色雑音信号として発生して加算器330を介して乗算器340に出力する。またさらに、下位ビット切り出し回路323は入力端子301を介して入力される入力信号のうち、例えば、図17Bに示すように最下位6ビット(b18−b23)を切り出して、当該6ビットの信号を、入力信号に相関するが、ランダムに変化する白色雑音信号として発生して加算器330を介して乗算器340に出力する。そして、乗算器340は入力されるつの白色雑音信号とレベル信号とを乗算することにより、白色雑音信号のレベルがレベル信号に応じて変化する白色雑音信号を発生して出力端子302を介して出力する。
第5の実施例.
図12は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第5の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−5の構成を示すブロック図である。図12において、レベル相関型白色雑音発生回路300−5は、入力端子301と出力端子302を有し、上ビット切り出し回路311と、下位ビット切り出し回路321と、独立型白色雑音発生回路380と、加算器330と、乗算器340とを備えて構成される。従って、レベル相関型白色雑音発生回路300−5は、図9のレベル相関型白色雑音発生回路300−2に比較して、独立型白色雑音発生回路380と、加算器330とをさらに備えたことを特徴としている。以下、当該相違点について説明する。
図13は、図11の独立型白色雑音発生回路380の構成を示すブロック図である。図13において、独立型白色雑音発生回路380は、複数N個のPN系列雑音信号発生回路30−n(n=1,2,…,N)と、加算器31と、DCオフセット除去用定数信号発生器32と、減算器33とを備えて構成され、入力信号Xとは独立した雑音信号を発生することを特徴としている。ここで、PN系列は、擬似雑音系列の略であり、各PN系列雑音信号発生回路30−nは、互いに独立な初期値を有して、例えば、M系列雑音信号である一様ランダムな振幅レベルを有する擬似雑音信号を発生して加算器31に出力する。次いで、加算器31は複数のPN系列雑音信号発生回路0−1乃至60−Nから出力される複数N個の擬似雑音信号を加算して、加算結果の擬似雑音信号を減算器33に出力する。一方、DCオフセット除去用定数信号発生器32は、複数N個のPN系列雑音信号発生回路30−1乃至30−Nからの擬似雑音信号の時間平均値の和であるDCオフセット除去用定数信号を発生して減算器33に出力する。そして、減算器33は、擬似雑音信号の和からDCオフセット除去用定数信号を減算することにより、DCオフセットの無いディザ信号を発生して出力する。
ここで、各PN系列雑音信号発生回路30−n(n=1,2,…,N)は、図14に示すように、32ビットカウンタ41と、排他的論理和ゲート42と、クロック信号発生器43と、初期値データ発生器44とを備えて構成される。32ビットカウンタ41には、初期値データ発生器44から各PN系列雑音信号発生回路30−n毎に互いに異なる32ビットの初期値が設定された後、クロック信号発生器43により発生されるクロック信号に基づいて、32ビットカウンタ41は1ずつインクリメントするように計数する。32ビットカウンタ41の32ビットのデータ(0〜31ビット目のデータを含む。)のうち、最上位ビット(MSB;31ビット目)の1ビットデータと、その3ビット目の1ビットデータとは、排他的論理和ゲート42の入力端子に入力され、排他的論理和ゲート42は排他的論理和の演算結果の1ビットデータを32ビットカウンタ1の最下位ビット(LSB)にセットする。そして、32ビットカウンタ41の下位8ビットのデータはPN系列雑音信号として出力される。このようにPN系列雑音信号発生回路30−nを構成することにより、各PN系列雑音信号発生回路30−nから出力されるPN系列雑音信号は互いに独立した8ビットのPN系列雑音信号となる。
図14の例では、各PN系列雑音信号発生回路30−nで互いに独立した8ビットのPN系列雑音信号を発生するために、上述のように構成しているが、本発明はこれに限らず、以下のように構成してもよい。
(1)32ビットカウンタ1から取り出すPN系列雑音信号の8ビットのビット位置を互いに異ならせる。すなわち、PN系列雑音信号発生回路30−1では最下位8ビットから8ビットのPN系列雑音信号を取り出し、PN系列雑音信号発生回路30−2では最下位8ビットより直上の8ビットからPN系列雑音信号を取り出し、以下同様にしてPN系列雑音信号を取り出す。
(2)とって代わって、排他的論理和ゲート2に入力する1ビットデータを取り出す32ビットカウンタ41のビット位置を各PN系列雑音信号発生回路30−nで互いに異ならせる。
(3)もしくは、図14の例と、上記(1)の変形例と、上記(2)の変形例とのうち少なくとも2つを組み合わせる。
そして、互いに独立な複数個のPN系列雑音を加算することにより、PN系列雑音信号発生回路30の個数Nに応じて、図18A、図18B及び図18Cに示すように、振幅レベルに対して所定の確率密度を有するPN系列雑音信号を発生することができる。例えば、N=1であるときは、概ね、図18Aに示すように、幅レベルに対して一様分布の確率密度を有する白色雑音信号を発生することができる。また、もしN=12であるとき、中心極限定理を用いれば、ガウス分布は分散が1/12であるため12個の一様乱数を発生するPN系列雑音信号発生回路30−nからの各PN系列雑音信号を加算することにより、概ね、振幅レベルに対してガウス分布の確率密度を有するガウス分布型雑音信号を発生することができる。また、N=2であるとき、図18Bに示すように、三角形状の確率密度関数を有するダイヤモンド型雑音信号を発生することができる。さらに、N=3であるとき、図18Cに示すように、ガウス分布に近く、ガウス分布から若干大きい分散を有し、振幅レベルに対してベル型分布又は釣り鐘型分布の確率密度を有するベル分布型(釣り鐘型)雑音信号を発生することができる。以上説明したように、図13及び図14の回路を構成し、例えば、図18B又は図18Cの雑音信号を発生することにより、小規模の回路で、自然音や楽音信号に近い雑音信号であるディザ信号を発生することができる。
図12に戻り参照すれば、下位ビット切り出し回路321からのランダムな雑音信号は加算器330に出力される。一方、独立型白色雑音発生回路380は、上述のごとく、図13においてN=1であるときの構成を有して、白色雑音信号を発生して加算器330に出力する。加算器330は、上記入力される2個の雑音信号を加算して、加算結果の雑音信号を乗算器340に出力する。図12のレベル相関型白色雑音発生回路300−5においては、入力信号にレベル相関しているが、独立型白色雑音発生回路380からの白色雑音信号も用いているので、レベル相関の度合いを軽減した白色雑音信号を発生することができる。
第6の実施例.
図15は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第6の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−6の構成を示すブロック図である。図15のレベル相関型白色雑音発生回路300−6は、レベル相関型白色雑音発生回路30−5に比較して、独立型白色雑音発生回路380に代えて、ダイヤモンド型ディザ型雑音発生回路381を備えたことを特徴としている。ここで、ダイヤモンド型ディザ型雑音発生回路381は、図13の白色雑音発生回路380において、N2のときの構成を有して構成され、図18Bに示す振幅レベルの確率密度を有するダイヤモンド型雑音信号を発生して出力する。図15のレベル相関型白色雑音発生回路300−6においては、図12の白色雑音発生回路300−5と同様に、力信号にレベル相関しているが、独立型白色雑音発生回路380からの白色雑音信号も用いているので、レベル相関の度合いを軽減した白色雑音信号を発生することができる。
第7の実施例.
図19は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第7の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−7の構成を示すブロック図である。図19のレベル相関型白色雑音発生回路300−7は、入力信号に対してそのレベルに対して非一様に量子化する非一様量子化器351と、非一様量子化器351とは逆の量子化処理を実行する逆量子化器361と、減算器371とを備えて構成される。ここで、非一様量子化器351は、例えば、ランレングス1/N圧縮フローティング符号化を用いて量子化している。
図19において、入力端子301を介して入力される入力信号(ここで、例えば、サンプリング周波数fs=44.1Hz、語長=16ビットであるオーディオ信号である。)は減算器371と、非一様量子化器351とに入力される。非一様量子化器351は入力される16ビットの信号をその1/Nに圧縮した後、逆量子化器361に出力する。圧縮の方法については詳細後述する。逆量子化器361は非一様量子化器351の圧縮特性とは逆特性となるようにして逆量子化し16ビットの信号に伸長する。非一様量子化器351と逆量子化器361により再量子化した再量子化信号は減算器371に出力される。減算器371は再量子化した入力信号と、元の入力信号との差信号、すなわち量子化雑音信号を出力端子302を介して出力する。
図19のように構成することにより、逆量子化器361からの出力信号と、入力信号との差を演算することにより、その差は量子化雑音となり、その値は後述するように、入力信号のレベルに応じて変化し、すなわちレベル相関した雑音信号を得ることができる。
図19のレベル相関型白色雑音発生回路300−7における量子化雑音信号の諸特性について詳しく説明する。量子化雑音の原因は量子化刻みの粗さによって生じる誤差信号である。図21は図19の非一様量子化器351と逆量子化器361を組み合わせた場合の瞬時S/N比対入力信号レベルの特性を示す図である。図中の縦軸は瞬時S/N比であり、瞬時S/N比は0Hzからナイキスト周波数(ナイキスト周波数とは、信号にエイジアリングが発生しない限界のサンプリング周波数であり、本好ましい実施形態では、マージンをゼロとした理想状態で、ナイキスト周波数=サンプリング周波数としている。)である44.1kHzまでの信号帯域での信号対雑音歪み率である。図21からわかるように、従来技術の直線符号(8ビット、16ビット、24ビット)に比較して、入力レベルのほぼ全域に渡り瞬時S/N比を大幅に改善することができる。具体的な非一様量子化器351の圧縮方法としては、上述のように、ランレングス1/N圧縮フローティング符号化方法を使用した。
次いで、ランレングス1/N圧縮フローティング符号化方法を図23(A)を参照して説明する。当該符号化方法では、符号化前の元データとなる直線符号の上位で、極性ビットPと、所定論理のビットが連続する連続データQ0と、上記連続データQ0の連続性をブレークする反転ビットT0と、上記反転ビットT0以降の下位データD0とで構成されるLビットの直線符号を符号化器である非一様量子化器351に入力したときに、非一様量子化器351は、上記Lビットの上記直線符号を、上記連続データQ0のランレングスを圧縮して得られる符号ビットP及び圧縮された連続データQ1と、上記圧縮された連続データQ1の連続性をブレークする反転ビットT1と、上記ランレングスを圧縮する時に生じる剰余を表す圧縮剰余データF1と、上記下位データD0を丸めて得る仮数データD1とで構成するMビットの圧縮データに変換して出力する。ただし、上記連続データQ0のランレングスをL0、上記圧縮された連続データQ1のランレングスをL1、nを2以上の整数とするとき、上記ランレングスL1及び圧縮剰余データF1は次式で表される。
[数1]
L1=Int(L0/N) (1)
[数2]
F1=L0 mod N (2)
ここで、Intは引数の整数値を表す関数であり、A mod BはAをBで除算したときの剰余を表す関数である。
次いで、逆量子化器361の逆量子化処理においては、ランレングス1/N圧縮フローティング符号の逆変換処理を用いて上記逆量子化処理を実行している。以下、当該逆量子化処理について図23(B)を参照して説明する。
逆量子化器361は、上位で所定論理のビットが連続する極性ビットP及び圧縮された連続データQ1、上記圧縮された連続データQ1の連続性をブレークする反転ビットT1、ランレングスを圧縮する時に生じる剰余を表す圧縮剰余データF1及び仮数データD1によって構成する圧縮データを、上記Q1のランレングスをN倍に伸長し、上記F1の値に応じた長さの連続データを付加し、Q0の連続性をブレークする反転ビットT0を付加し、引き続き上記仮数データD1を付加して、連続データQ0,反転ビットT0及び仮数データD0を読み出して伸長データを出力する。ただし、上記連続データQ0のランレングスをL0、上記圧縮された連続データQ1のランレングスをL1、圧縮剰余データF1から求める剰余をF1、Nを2以上の整数とするとき、次式で表される。
[数3]
L0=L1*n+F1 (3)
[数4]
D0=D1 (4)
ここで、*は乗算を表す算術記号である。
以上のランレングス1/N圧縮フローティング符号化の圧縮方法及び圧縮装置については、特許文献2乃至4にそれぞれ具体的に記述されている。ここで、24ビットの直線符号を、8ビットのランレングス1/4圧縮符号に圧縮したときの計算結果及びその分解能を表1に示す。
表1において、24ビットの直線符号は折り返し2進符号であり、フローティング符号は折り返し型のランレングス1/4圧縮フローティング符号である。表1におけるランレングスL0、ランレングスL1及び分解能の欄は10進数の表記である。圧縮符号(非一様量子化信号)を復号(逆量子化)して伸長した復元符号(逆量子化信号)の表現精度、すなわち分解能は直線符号の丸めで決定され、ランレングスL0によって変化する。表1より明らかなように、最高24ビット乃至15ビットの精度が得られる。また、DSPによる数式変換やテーブル変換に適するようにまとめた結果を表2及び表3に示す。
表2は非一様量子化の変換表であって、Xは非一様量子化の入力符号であり、Wは非一様量子化の出力符号である。出力符号Wの符号長が24を超える場合は24に丸める。入力符号Xの符号長が不足する場合は下位に“0”を挿入する。表2において、有効ビット及び量子化雑音も記載した。表2から明らかなように、有効ビットは6ビットから24ビットまでの間であり、量子化雑音は、図22に示すように、−36dBから−144dBまでの間の値を有する。表3は24ビットの各直線符号に対する量子化雑音(24ビット)を示す。
Figure 0004471931
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上述の表1、表2及び表3から明らかなように、本好ましい実施形態で用いるランレングス1/N圧縮フローティング符号は、入力信号のレベルが大きくなるにつれて、量子化幅を大きくなるように入力信号を量子化することにより符号化することを特徴としている。
以上の好ましい実施形態においては、ランレングス1/N圧縮フローティング符号化を用い、直線符号は折り返し2進符号としたが、2’Sコンプリメンタリ符号やオフセットバイナリ符号など他の直線符号であっても、相互に変換するかまたは所定の論理値を変更するだけで、全く同様に適用できる。また、Nは「4」の場合だけについて説明したが、Nは「2以上」の整数であれば何でもよい。この場合、Nの値に応じて圧縮剰余の場合の数が変わるので、圧縮剰余データの語長を変えればよいことは言うまでもない。また、装置はハードウエア回路で構成する以外に、テーブル変換やデータ変換を行うDSPのハードウエア回路及びそれに実装されるソフトウエアのプログラムで構成してもよい。
以上説明したように、元データのランレングスが小さい時は指数部、すなわちレンジを少ないビット数で表し、ランレングスが大きくなるとビット数を割り当てて指数部すなわちレンジを多くのビット数で表す。符号全体の語長を固定長とするので、仮数部のビット数はランレングスに応じて変化する。これらの作用により、出力部から出力する圧縮符号の有するレンジの表現空間が拡張され、同時に表現精度を改善できる。
第8の実施例.
図20は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第8の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−8の構成を示すブロック図である。図20のレベル相関型白色雑音発生回路300−8は、それぞれ図19のレベル相関型白色雑音発生回路300−7にてなる3個の白色雑音発生回路385−1,385−2,385−3を並列に接続し、各白色雑音発生回路385−1,385−2,385−3からの出力信号を加算器374により加算して雑音信号を得る。ここで、レベル相関型白色雑音発生回路385−1は非一様量子化器351と逆量子化器361と減算器371とを備えて構成され、レベル相関型白色雑音発生回路385−2は非一様量子化器352と逆量子化器362と減算器372とを備えて構成され、レベル相関型白色雑音発生回路385−3は非一様量子化器353と逆量子化器363と減算器373とを備えて構成される。これら3個のレベル相関型白色雑音発生回路385−1,385−2,385−3は互いに同様の構成を有し、互いに同様の3個の雑音信号を発生し、それら3個の雑音信号を加算器374で加算することにより、例えば図18Cに示すようなベル型雑音信号の確率密度を有する雑音信号を発生することができる。
第9の実施例.
図24は、図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第9の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−9の構成を示すブロック図である。レベル相関型白色雑音発生回路300−9は、テーブルメモリ390aを内蔵したテーブル変換回路390を備えて構成される。テーブルメモリ390aには、図19又は図20の入力信号と出力信号との間の関係を示すデータ、すなわち、すべての入力信号に対する出力信号の値を表すデータテーブルを含んでいる。レベル相関型白色雑音発生回路300−9は、入力端子301に入力される入力信号に応答して、その値に対する出力信号の値をテーブルメモリ390aを参照して検索し、検索結果の出力信号の値を有する雑音信号の出力信号を発生して出力端子302を介して出力する。以上のように、図24のレベル相関型白色雑音発生回路300−9によれば、他のレベル相関型白色雑音発生回路300−1乃至300−8に比較してきわめて簡単な構成を有する回路で、レベル相関型白色雑音発生回路を構成できる。
図25は、図1乃至図4の信号処理回路400の構成を示すブロック図である。信号処理回路400は、図25に示すように、帯域通過フィルタ410と、エコー付加回路420と、可変増幅器430とを備えて構成される。ここで、帯域通過フィルタ410は、図25に示すように、高域通過フィルタ411と、低域通過フィルタである1/f特性フィルタ412とを縦続接続して構成され、例えば、入力されるディジタルオーディオ信号がCDプレーヤなどからの圧縮されていないディジタル信号であるとき、帯域通過フィルタ410は好ましくは以下の仕様を有する。
(1)低域側のカットオフ周波数fLC=概略fs/2。
(2)低域側の遮断特性は周波数fs/4で80dB以上の減衰量。その減衰量は、原音の量子化数に基づくSN比近辺となる。例えば原音の量子化数が16ビットであれば、理論SNは98dBとなるので、好ましくは、80〜100dB以上の減衰量を有する。ここで、低域側の遮断特性が緩やかなほど、ソフトな音質となる一方、低域側の遮断特性が急峻なほど、シャープな音質傾向となる。後者の場合、原音の音質傾向を損なうことなく、帯域拡張の効果が出る。従って、低域通過フィルタ412を、上記低域側の遮断特性を、外部のコントローラからユーザの指示信号に従って例えば上記の2つの特性の間で選択的に変化できるように切り換え可能にすることが好ましい。
(3)高域側のカットオフ周波数fHC=概略fs/2。
(4)高域側の遮断特性は−6dB/oct(例えば、図26参照。)。
ここで、1/f特性フィルタ412は、例えば、図26に示すように、周波数0からfs/2までの帯域B1よりも高い、周波数fs/2からp・fs/2までの帯域B2において−6dB/octの傾斜を有する減衰特性を備えた、いわゆる1/f特性の低域通過フィルタである。ここで、pはオーバーサンプリング率で、例えば2以上概ね8までの整数である。
帯域通過フィルタ410は、入力されるディジタル信号を上述のように帯域通過ろ波して、帯域通過ろ波後のディジタル帯域拡張信号をエコー付加回路420及び可変増幅器430を介して出力する。
エコー付加回路420は、例えば図28に示すようにトランスバーサルフィルタにより構成され、入力される入力信号に対して、外部回路からのエコー付加の度合いを表す制御信号に基づいて、自信号と相関するエコー信号を付加して出力する。ここで、エコー付加回路420に入力された入力信号は、互いに縦続接続され、それぞれ例えば1サンプルの時間だけ遅延させるN個の遅延回路D1乃至DKに入力されるとともに、可変乗算器AP0を介して加算器SU1に入力される。ここで、可変乗算器AP0は、入力信号に、コントローラ421からの乗算値指示制御信号CS0により示される乗算値を乗算して、乗算結果の値を示す信号を発生して加算器SU1に出力する。また、遅延回路D1からの出力信号は、入力信号に対してコントローラ421からの乗算値指示制御信号CS1により示される乗算値を乗算する可変乗算器AP1を介して加算器SU1に出力する。さらに、遅延回路D2からの出力信号は、入力信号に対してコントローラ421からの乗算値指示制御信号CS2により示される乗算値を乗算する可変乗算器AP2を介して加算器SU1に出力する。以下同様に、遅延回路Dk(k=3,4,…,K)からの出力信号は、入力信号に対してコントローラ421からの乗算値指示制御信号CSkにより示される乗算値を乗算する可変乗算器APkを介して加算器SU1に出力する。加算器SU1は入力される(K+1)個の信号を加算し、加算結果の信号をコントローラ421に出力するとともに、出力信号として外部回路に出力する。ここで、コントローラ421は、加算器SU1からの信号に基づいて、エコー付加回路420の入力信号に所定のエコー信号を付加するように制御することにより、乗算値指示制御信号CSk(k=1,2,…,K)を発生してそれぞれ可変乗算器AP0乃至APKに出力する。
図25の信号処理回路400において、エコー付加回路420を備えているが、本発明はこれに限らず、エコー付加回路420を備えなくてもよい。
図25のエコー付加回路420を設けることにより、入力信号の強弱変化が激しい時に、帯域拡張信号にだけエコー信号が付加されるので強弱変化の落ち込みを平滑化して高域のノイズ成分を保持するサステイン効果が生まれる。これにより聴感上より自然になる。また、エコー付加回路420を付加しないとき、入力信号の強弱変化に常に連動して帯域拡張信号が付加されるので信号的には最も忠実な時間スペクトル特性になる。
図25に図示された可変増幅器430はレベル制御回路であって、入力される信号のレベル(振幅値)を、制御信号に基づいた増幅度(当該増幅度は正の増幅処理もあるが、負の減衰処理も可能である。)で変化させ、レベル変化後の信号を出力信号として出力する。可変増幅器430では、加算器800に入力される2個の信号のレベルを相対的に調整するために用いられる。この調整は、好ましくは、加算器800において、例えば周波数fs/2においてこれら2つの信号のレベルが実質的に一致するように、すなわちスペクトルの連続性を保持するように設定される。
図29A乃至図29Eは、図3の第3の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−3の動作(p=2のとき、すなわち2倍のオーバーサンプリングのとき)を示す周波数スペクトル図であり、図29Aは入力信号Xの周波数スペクトル図であり、図29BはLPF120からの出力信号の周波数スペクトル図であり、図29Cは回路300からの出力信号の周波数スペクトル図であり、図29Dは回路400からの周波数スペクトル図であり、図29Eは出力信号Wの周波数スペクトル図である。
図3及び図29A乃至図29Eを参照して、オーディオ信号帯域拡張装置100−3の動作を説明すると、図29A及び図29Bに示すように、所定の最高周波数fmaxを有する入力信号はオーバーサンプリング型低域通過フィルタ120によりオーバーサンプリングされかつ低域通過ろ波された後、帯域通過フィルタ200の帯域通過ろ波特性200Sを用いて帯域通過ろ波され、その結果の周波数スペクトルが図29Bに図示されている。ここで、入力信号の最高周波数fmaxは、fs/2以下であって、周波数のマージンをとれば、fs/2未満である。レベル相関型白色雑音発生回路300は、帯域通過フィルタ200からの入力信号に基づいて、そのレベルに従って変化するレベル相関した、図29Cの白色雑音信号を発生する。次いで、信号処理回路400は、上記発生された白色雑音信号に対して帯域通過ろ波処理、エコー付加処理、レベル調整処理を実行して、下限周波数がfmaxである図29Dの帯域拡張付加信号を発生する。さらに、加算器800は、図29Eに示すように、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ120からの信号と信号処理回路400からの信号とを、周波数fmaxにおいてスペクトルの連続性を保持するように加算し、加算結果の信号を出力信号として出力する。
図30A乃至図30Dは、図4の第4の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−4の動作(p=2のとき、すなわち2倍のオーバーサンプリングのとき)を示す周波数スペクトル図であり、図30Aは入力信号Xの周波数スペクトル図であり、図30Bは回路300からの出力信号の周波数スペクトル図であり、図30Cは回路400からの周波数スペクトル図であり、図30Dは出力信号Wの周波数スペクトル図である。オーディオ信号帯域拡張装置100−4も、図30A乃至図30Dに示すように、以下の相違点を除き、図29A乃至図29Eと同様に動作する。
次いで、図3のオーディオ信号帯域拡張装置100−3と、図4のオーディオ信号帯域拡張装置100−4との間の相違点について以下に説明する。図3のオーディオ信号帯域拡張装置100−3では、入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波した後、帯域通過ろ波処理、雑音生成処理、信号処理を実行するのに対して、図4のオーディオ信号帯域拡張装置100−4では、入力信号に対して帯域通過ろ波し、雑音生成することが異なる。この違いによって、帯域通過フィルタ200及び雑音生成回路300を動作させるクロックレートを、図3のオーバーサンプリング後に比較して低減できるため、回路規模を削減でき、クロックレートを低減でき、DSP処理のステップ数を削減できる効果を奏します。なお、雑音生成後の信号はオーバーサンプリングして信号処理を行い、入力信号も別途オーバーサンプリングして加算するので、出力信号Wとして結果的に図3と同じ信号が得られます。図4のオーディオ信号帯域拡張装置100−4では、2つのオーバーサンプリング回路120及び121が必要となるが、雑音生成後の信号を処理するオーバーサンプリング回路120及び121の方は、オーバーサンプリングのクロック信号でゼロ内挿するだけで良く、低域通過フィルタは不要であるため、回路規模などの増加はほとんど無く、差し引きでは回路規模が削減できる。
図31A乃至図31Eは、図3の第3の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−3の動作(p=4のとき、すなわち4倍のオーバーサンプリングのとき)を示す周波数スペクトル図であり、図31Aは入力信号Xの周波数スペクトル図であり、図31BはLPF120からの出力信号の周波数スペクトル図であり、図31Cは回路300からの出力信号の周波数スペクトル図であり、図31Dは回路400からの周波数スペクトル図であり、図31Eは出力信号Wの周波数スペクトル図である。また、図32A乃至図32Dは、図4の第4の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−4の動作(p=4のとき、すなわち4倍のオーバーサンプリングのとき)を示す周波数スペクトル図であり、図32Aは入力信号Xの周波数スペクトル図であり、図32Bは回路300からの出力信号の周波数スペクトル図であり、図32Cは回路400からの周波数スペクトル図であり、図32Dは出力信号Wの周波数スペクトル図である。
図31A乃至図31Eの動作は、図29A乃至図29Eの動作に比較して、オーバーサンプリングの倍数を2倍にしたものであり、それを除いて動作は同様である。また、図32A乃至図32Dの動作は、図30A乃至図30Dの動作に比較して、オーバーサンプリングの倍数を2倍にしたものであり、それを除いて動作は同様である。
図33A及び図33Bは、図31A乃至図31E及び図32A乃至図32Dの変形例であって、図33Aは1/f特性フィルタ412に代わる折り返し雑音歪除去用フィルタの特性を示す周波数スペクトル図であり、図33Bは出力信号Wの周波数スペクトル図である。発生した雑音信号の上限周波数特性を、一般には、図26又は図27に示す高域除去特性で高域成分を除去していたが、例えば、図33Aに示す折り返し歪除去用フィルタを用いることにより、ナイキスト周波数を越える所定の周波数まで残留させることにより、以下の効果を奏する。
(1)オーディオ帯域拡張範囲を、図33Bに示すように、ナイキスト周波数より高く伸ばすことができる。
(2)折り返し歪除去用フィルタの段数を低減できるなど構成を簡単にできるので安価にできる。また、DSPなどを用いる場合のステップ数を低減できるので単位時間当たりのステップ数(MIPS)を低減できる。
以上説明したように、本発明に係る好ましい実施形態によれば、図1に示すように、入力信号が有する帯域以上で入力信号のレベルに従って変化しレベル相関する雑音信号を発生して入力信号と、スペクトルの連続性を保持するように加算することにより、従来技術に比較して容易にオーディオ帯域が拡張されたオーディオ信号を発生することができる。また、上述のように得られた帯域拡張された信号は原音のレベルに従って変化しかつスペクトルの連続性を保持しているので、帯域拡張された信号の高域成分は人工的なものではなく、原音に対して自然に聴こえるという特有の効果を有している。
また、図2に示すように、帯域通過ろ波処理、レベル相関型白色雑音発生処理、信号処理をディジタル信号処理で実行することにより、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、オーディオ信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。さらに、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して、回路規模が大きくなることもなく、製造コストの増加につながらない。
さらに、図3に示すように、帯域通過ろ波処理及び最後の加算処理の前に、オーバーサンプリング処理を実行しかつ低域通過ろ波処理を実行することにより、A/D変換器の前段で低次のアナログ低域通過フィルタを用いることができ、これにより、フィルタ処理に伴う位相ひずみや雑音を大幅に軽減できる。また、量子化雑音を低減でき、短い量子化ビットでの変換を容易することができる。さらに、入力信号Xのより高い高調波成分を事前に生成して利用できるので、より高い高調波成分を容易に発生できる。
またさらに、図4に示すように、レベル相関型白色雑音発生処理と信号処理との間にオーバーサンプリング処理を挿入して実行する一方、最後の加算処理の前に入力信号に対してオーバーサンプリング処理及び低域通過ろ波処理を実行することにより、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ及びオーバーサンプリング回路よりも後段の回路において信号レートを高く設定することができる。言い換えれば、前段の回路の信号レートを低く設定することができ、回路構成を簡単化できる。
第5の好ましい実施形態.
図34は、オーディオ信号帯域拡張装置のアプリケーションの一例である、本発明の第5の好ましい実施形態に係る光ディスク再生システム500の構成を示すブロック図である。
以上の第1乃至第4の好ましい実施形態においては、図1乃至図4のオーディオ信号帯域拡張装置100−1乃至100−4を、ハードウエアのディジタル信号処理回路で構成しているが、本発明はこれに限らず、例えば、図1乃至図4のオーディオ信号帯域拡張装置100−1乃至100−4の構成における各処理ステップを、オーディオ信号の帯域拡張を行うための信号処理プログラムで実現して、当該信号処理プログラムを図34のDSP501のプログラムメモリ501pに格納してDSP501により実行してもよい。なお、DSP501のデータテーブルメモリ501dには、上記信号処理プログラムを実行するために必要な種々のデータを格納する。
図34において、光ディスク再生装置502は、例えばDVDプレーヤ、CDプレーヤ、MDプレーヤなどの光ディスクのコンテンツを再生するための装置であり、光ディスク再生装置502により再生された左右のディジタルオーディオ信号は、DSP501により上記信号処理プログラムが実行されて、入力されたオーディオディジタル信号に対して帯域拡張されたオーディオディジタル信号を得て、D/A変換器503に出力される。次いで、D/A変換器503は、入力されたディジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号にA/D変換して電力増幅器504a,504bを介して左右のスピーカ505a,505bに出力する。ここで、システムコントローラ00は、当該光ディスク再生システムの全体の動作を制御し、特に、光ディスク再生装置502及びDSP501の動作を制御する。また、DSP501のプログラムメモリ501p及びデータテーブルメモリ501dは例えばフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリで構成される。
以上のように構成された光ディスクシステムにおいては、光ディスク再生装置502により再生されたディジタルオーディオ信号はDSP501によりその信号が適正に帯域拡張された後、左右のスピーカ505a,505bにより再生できる。
以上説明したように、当該第5の好ましい実施形態によれば、図1乃至図4のオーディオ信号帯域拡張装置100−1乃至100−4の構成における各処理ステップを、オーディオ信号の帯域拡張を行うための信号処理プログラムで実現して、当該信号処理プログラムを図34のDSP501により実行するように構成したので、信号処理プログラムの機能追加やバグ補正などのバージョンアップなどを容易にすることができる。
当該第5の好ましい実施形態において、上記信号処理プログラム及びその実行のためのデータはそれぞれプログラムメモリ501p及びデータテーブルメモリ501dに製造時に予め格納してもよいし、これに代えて、以下に示すように、CD−ROM511などの、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録された信号処理プログラム及びその実行のためのデータをそれぞれ、コンピュータなどのコントローラを含む光ディスクドライブ510により再生して外部インターフェース506を介してDSP501内のプログラムメモリ501p及びデータテーブルメモリ501dに格納してもよい。
以上の好ましい実施形態においては、DSP501を用いているが、本発明はこれに限らず、マイクロ・プロセッサ・ユニット(MPU)などのディジタル計算機のコントローラにより構成してもよい。
以上詳述したように、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、入力信号が有する帯域以上で入力信号のレベルに従って変化しレベル相関する雑音信号を発生して入力信号と、スペクトルの連続性を保持するように加算することにより、従来技術に比較して容易にオーディオ帯域が拡張された信号を発生することができる。また、上述のように得られた帯域拡張された信号は原音のレベルに従って変化しかつスペクトルの連続性を保持しているので、帯域拡張された信号の高域成分は人工的なものではなく、原音に対して自然に聴こえるという特有の効果を有している。
また、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、帯域通過ろ波処理、レベル相関型白色雑音発生処理、信号処理をディジタル信号処理で実行することにより、回路を構成する部品のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しない。また、オーディオ信号が回路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。さらに、構成しているフィルタの精度追求を行ってもアナログ回路構成と比較して、回路規模が大きくなることもなく、製造コストの増加につながらない。
さらに、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、帯域通過ろ波処理及び最後の加算処理の前に、オーバーサンプリング処理を実行しかつ低域通過ろ波処理を実行することにより、A/D変換器の前段で低次のアナログ低域通過フィルタを用いることができ、これにより、フィルタ処理に伴う位相ひずみや雑音を大幅に軽減できる。また、量子化雑音を低減でき、短い量子化ビットでの変換を容易することができる。さらに、入力信号Xのより高い高調波成分を事前に生成して利用できるので、より高い高調波成分を容易に発生できる。
またさらに、本発明に係るオーディオ信号帯域拡張装置及び方法によれば、レベル相関型白色雑音発生処理と信号処理との間にオーバーサンプリング処理を挿入して実行する一方、最後の加算処理の前に入力信号に対してオーバーサンプリング処理及び低域通過ろ波処理を実行することにより、オーバーサンプリング型低域通過フィルタ及びオーバーサンプリング回路よりも後段の回路において信号レートを高く設定することができる。言い換えれば、前段の回路の信号レートを低く設定することができ、回路構成を簡単化できる。
また、本発明に係る光ディスクシステムによれば、光ディスクに格納されたオーディオ信号を再生して、上記再生されたオーディオ信号の帯域を拡張し、拡張後のオーディオ信号を出力することができる。これにより、光ディスクに格納されたオーディオ信号に基づいて、従来技術に比較して容易にオーディオ帯域が拡張された信号を発生することができる。
さらに、本発明に係るプログラムによれば、上記オーディオ信号帯域拡張方法における各ステップを含むプログラムを提供できる。
またさらに、本発明に係るコンピュータにより読み取り可能な記録媒体によれば、上記オーディオ信号帯域拡張方法における各ステップを含むプログラムを格納した記録媒体を提供できる。
本発明に係る第1の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−1の構成を示すブロック図である。 本発明に係る第2の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−2の構成を示すブロック図である。 本発明に係る第3の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−3の構成を示すブロック図である。 本発明に係る第4の好ましい実施形態であるオーディオ信号帯域拡張装置100−4の構成を示すブロック図である。 図3及び図4に図示されたオーバーサンプリング型低域通過フィルタ(LPF)120の構成を示すブロック図である。 図5のオーバーサンプリング回路11の動作を示す信号波形図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第1の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−1の構成を示すブロック図である。 図7の白色雑音信号発生回路320の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第2の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−2の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第3の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−3の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第4の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−4の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第5の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−5の構成を示すブロック図である。 図11の独立型白色雑音発生回路380の構成を示すブロック図である。 図13のPN系列雑音信号発生回路30−n(n=1,2,…,N)の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第6の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−6の構成を示すブロック図である。 図9のレベル相関型白色雑音発生回路300−2,300−5,300−6用ビット切り出し位置を示すビット配置図である。 図9のレベル相関型白色雑音発生回路300−2,300−5,300−6用ビット切り出し位置の変形例を示すビット配置図である。 図10のレベル相関型白色雑音発生回路300−3用ビット切り出し位置を示すビット配置図である。 図11のレベル相関型白色雑音発生回路300−4用ビット切り出し位置を示すビット配置図である。 図13の独立型白色雑音発生回路380においてN=1のときに発生される白色雑音信号の振幅レベルに対する確率密度関数を示すグラフである。 図13の独立型白色雑音発生回路380においてN=2のときに発生されるダイヤモンド型雑音信号の振幅レベルに対する確率密度関数を示すグラフである。 図13の独立型白色雑音発生回路380においてN=3のときに発生されるベル型雑音信号の振幅レベルに対する確率密度関数を示すグラフである。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第7の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−7の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第8の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−8の構成を示すブロック図である。 図19及び図20の非一様量子化器351,352又は353によるランレングス1/4圧縮フローティング符号化、並びに、8ビット、16ビット又は24ビットの直線符号化における入力レベルに対する瞬時信号対雑音比(瞬時S/N)を示すグラフである。 図19及び図20の非一様量子化器351,352又は353によるランレングス1/4圧縮フローティング符号化、並びに、8ビット、16ビット又は24ビットの直線符号化における入力レベルに対する量子化雑音レベルを示すグラフである。 図23(A)は、図19及び図20の非一様量子化器351,352又は353によるランレングス1/4圧縮フローティング符号化前のデータフォーマットを示す図であり、図23(B)は、図19及び図20の非一様量子化器351,352又は353によるランレングス1/4圧縮フローティング符号化後のデータフォーマットを示す図である。 図1乃至図4のレベル相関型白色雑音発生回路300の第9の実施例に係るレベル相関型白色雑音発生回路300−9の構成を示すブロック図である。 図1乃至図4の信号処理回路400の構成を示すブロック図である。 図25の1/f特性フィルタ412の1/f特性の周波数特性を示すグラフである。 図25の1/f特性フィルタ412の変形例である1/f特性の周波数特性を示すグラフである。 図25のエコー付加回路480の一実施例であるトランスバーサルフィルタの構成を示すブロック図である。 図3の第3の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−3の動作(p=2のとき、すなわち2倍のオーバーサンプリングのとき)における、入力信号Xの周波数スペクトル図である。 図29Aと同様の動作における、LPF120からの出力信号の周波数スペクトル図である。 図29Aと同様の動作における、回路300からの出力信号の周波数スペクトル図である。 図29Aと同様の動作における、回路400からの周波数スペクトル図である。 図29Aと同様の動作における、出力信号Wの周波数スペクトル図である。 図4の第4の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−4の動作(p=2のとき、すなわち2倍のオーバーサンプリングのとき)における、入力信号Xの周波数スペクトル図である。 図30Aと同様の動作における、回路300からの出力信号の周波数スペクトル図である。 図30Aと同様の動作における、回路400からの周波数スペクトル図である。 図30Aと同様の動作における、出力信号Wの周波数スペクトル図である。 図3の第3の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−3の動作(p=4のとき、すなわち4倍のオーバーサンプリングのとき)における、入力信号Xの周波数スペクトル図である。 図31Aと同様の動作における、LPF120からの出力信号の周波数スペクトル図である。 図31Aと同様の動作における、回路300からの出力信号の周波数スペクトル図である。 図31Aと同様の動作における、回路400からの周波数スペクトル図である。 図31Aと同様の動作における、出力信号Wの周波数スペクトル図である。 図4の第4の好ましい実施形態に係るオーディオ信号帯域拡張装置100−4の動作(p=4のとき、すなわち4倍のオーバーサンプリングのとき)における、入力信号Xの周波数スペクトル図である。 図32Aと同様の動作における、回路300からの出力信号の周波数スペクトル図である。 図32Aと同様の動作における、回路400からの周波数スペクトル図である。 図32Aと同様の動作における、出力信号Wの周波数スペクトル図である。 図31A乃至図31E及び図32A乃至図32Dの変形例であって、1/f特性フィルタ412に代わる折り返し雑音歪除去用フィルタの特性を示す周波数スペクトル図である。 図33Aの折り返し雑音歪除去用フィルタからの出力信号Wの周波数スペクトル図である。 オーディオ信号帯域拡張装置のアプリケーションの一例である、本発明の第5の好ましい実施形態に係る光ディスク再生システム500の構成を示すブロック図である。

Claims (17)

  1. 入力信号を帯域通過ろ波手段により帯域通過ろ波した部分帯域の信号のレベルと、上記入力信号のレベルとのうちの一方に従って変化するようにレベル相関したレベル相関雑音信号を発生する雑音発生手段と、
    上記発生されたレベル相関雑音信号に対して、加算手段の加算時に所定の拡張帯域信号の下限周波数において上記入力信号とレベルが実質的に一致しかつスペクトルの連続性を保持するように所定の伝達関数を乗算し、乗算結果の信号を出力する信号処理手段と、
    上記入力信号と、上記信号処理手段からの出力信号とを加算して、加算結果の信号を出力する加算手段とを備え、
    上記雑音発生手段は、
    上記雑音発生手段に入力される信号のレベルを検出し、検出したレベルを有するレベル信号を発生して出力するレベル信号発生手段と、
    上記雑音発生手段に入力される信号の量子化時に発生する量子化雑音信号である白色雑音信号を発生して出力する雑音信号発生手段と、
    上記レベル信号発生手段からのレベル信号と、上記雑音信号発生手段からの白色雑音信号とを乗算し、乗算結果を上記レベル相関雑音信号として出力する乗算手段とを備えたことを特徴とするオーディオ信号帯域拡張装置。
  2. 入力信号を帯域通過ろ波手段により帯域通過ろ波した部分帯域の信号のレベルと、上記入力信号のレベルとのうちの一方に従って変化するようにレベル相関したレベル相関雑音信号を発生する雑音発生手段と、
    上記発生されたレベル相関雑音信号に対して、加算手段の加算時に所定の拡張帯域信号の下限周波数において上記入力信号とレベルが実質的に一致しかつスペクトルの連続性を保持するように所定の伝達関数を乗算し、乗算結果の信号を出力する信号処理手段と、
    上記入力信号と、上記信号処理手段からの出力信号とを加算して、加算結果の信号を出力する加算手段とを備え、
    上記雑音発生手段は、
    上記雑音発生手段に入力される信号のレベルを検出し、検出したレベルを有するレベル信号を発生して出力するレベル信号発生手段と、
    上記雑音発生手段に入力される信号から上位所定ビット成分を除いた白色雑音信号を発生して出力する雑音信号発生手段と、
    上記レベル信号発生手段からのレベル信号と、上記雑音信号発生手段からの白色雑音信号とを乗算し、乗算結果を上記レベル相関雑音信号として出力する乗算手段とを備えたことを特徴とするオーディオ信号帯域拡張装置。
  3. 上記レベル信号発生手段は、上記雑音発生手段に入力される信号から所定の上位ビットを切り出して上位ビットを含む信号を上記レベル信号として出力する第1の切り出し手段を含み、
    上記雑音信号発生手段は、上記雑音発生手段に入力される信号から所定の中間ビットと所定の下位ビットの少なくとも一方を切り出して当該少なくとも一方のビットを含む信号を上記白色雑音信号として出力する少なくとも1つの第2の切り出し手段を含むことを特徴とする請求項2記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  4. 上記帯域通過ろ波手段の前段に挿入して設けられ、上記入力信号をA/D変換する第1の変換手段と、
    上記信号処理手段と上記加算手段の間に挿入して設けられ、上記信号処理手段からの出力信号をD/A変換する第2の変換手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  5. 上記入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波して上記帯域通過ろ波手段及び上記加算手段に出力するオーバーサンプリング型低域通過ろ波手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  6. 上記加算手段の前段に挿入して設けられ、上記入力信号をオーバーサンプリングしかつ低域通過ろ波して上記加算手段に出力するオーバーサンプリング型低域通過ろ波手段と、
    上記雑音発生手段と上記信号処理手段との間に挿入して設けられ、上記雑音発生手段からのレベル相関雑音信号をオーバーサンプリングして上記信号処理手段に出力するオーバーサンプリング手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  7. 上記雑音信号発生手段は、デルタシグマ変調型量子化器を備え、上記雑音信号発生手段に入力される信号の量子化雑音信号を発生して、上記白色雑音信号として出力することを特徴とする請求項1記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  8. 上記第2の切り出し手段は、互いに異なるビット位置でかつ所定のビット幅で、中間ビット及び下位ビットを切り出した後加算し、加算結果の信号を出力することを特徴とする請求項3記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  9. 上記第2の切り出し手段は、互いに異なるビット位置でかつ所定のビット幅で、複数の中間ビットを切り出した後加算し、加算結果の信号を出力することを特徴とする請求項3記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  10. 上記入力信号とは独立である独立雑音信号を発生する独立雑音発生手段と、
    上記第2の切り出し手段からの白色雑音信号と、上記独立雑音発生手段からの独立雑音信号とを加算して上記乗算手段に出力する別の加算手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  11. 上記独立雑音発生手段は、互いに異なる複数の独立雑音信号を発生し、上記複数の雑音信号を加算して出力することを特徴とする請求項10記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  12. 上記独立雑音発生手段は、ダイヤモンドディザ型雑音信号を上記独立雑音信号として発生することを特徴とする請求項10又は11記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  13. 入力信号を帯域通過ろ波手段により帯域通過ろ波した部分帯域の信号のレベルと、上記入力信号のレベルとのうちの一方に従って変化するようにレベル相関したレベル相関雑音信号を発生する雑音発生手段と、
    上記発生されたレベル相関雑音信号に対して、加算手段の加算時に所定の拡張帯域信号の下限周波数において上記入力信号とレベルが実質的に一致しかつスペクトルの連続性を保持するように所定の伝達関数を乗算し、乗算結果の信号を出力する信号処理手段と、
    上記入力信号と、上記信号処理手段からの出力信号とを加算して、加算結果の信号を出力する加算手段とを備え、
    上記雑音発生手段は、
    上記雑音発生手段に入力される信号と、上記レベル相関雑音信号との関係を格納したテーブルメモリ手段と、
    上記雑音発生手段に入力される信号に応答して、当該信号に対応するレベル相関雑音信号を上記テーブルメモリ手段から読み出して出力する変換手段とを備え、
    上記テーブルメモリ手段は、上記雑音発生手段に入力される信号のレベル有するレベル信号と上記雑音発生手段に入力される信号を量子化して得られる白色雑音信号、もしくは上記雑音発生手段に入力される信号から上位所定ビット成分を除いた白色雑音信号とを乗算した信号を上記レベル相関雑音信号とし、このレベル相関雑音信号と上記雑音発生手段に入力される信号との関係を格納したことを特徴とするオーディオ信号帯域拡張装置。
  14. 上記信号処理手段は、少なくとも第1のフィルタ手段を備え、上記入力信号の周波数帯域より高い周波数帯域をろ波して取り出すことを特徴とする請求項1乃至13のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  15. 上記信号処理手段は、少なくとも1/fフィルタ手段を備え、上記信号処理手段に入力される信号の高域スペクトルに対して、1/fの低減特性を与えることを特徴とする請求項1乃至14のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  16. 上記信号処理手段は、少なくともエコー付加処理手段を備え、上記信号処理手段に入力される信号の高域スペクトルに対して、エコー信号を付加することを特徴とする請求項1乃至15のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
  17. 上記信号処理手段は、少なくとも第2のフィルタ手段を備え、上記信号処理手段に入力される信号の周波数帯域より高い周波数帯域を、ナイキスト周波数を越える周波数帯域を含むようにろ波して取り出すことを特徴とする請求項1乃至16のうちのいずれか1つに記載のオーディオ信号帯域拡張装置。
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