JP3751225B2 - オーディオ帯域拡張装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響機器における音響信号の再生音、特に高音域の再生音質の向上を図り、人間の耳に快適な音響信号を出力できるオーディオ帯域拡張装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ再生信号に対して、再生周波数帯の高音域上限、又は可聴周波数帯域の高音域上限を越える周波数のスペクトルを持つ信号を作成し、この信号を元のオーディオ再生信号に付加するというオーディオ帯域拡張方法があった。
【0003】
以下に、このようなオーディオ帯域拡張方法を実現する従来のオーディオ帯域拡張装置について説明する。図7は従来のオーディオ帯域拡張装置の構成例を示すブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、オーバーサンプリング型ローパスフィルタ(オーバーサンプリングLPF)71、バンドパスフィルタ72、整流回路73、ハイパスフィルタ74、スペクトル解析回路75、レベル制御回路76、加算回路77を含んで構成される。
【0004】
入力信号S701として、例えばコンパクトディスク(以下、CDという)から再生されたデジタル信号を入力する。CDの場合、このデジタル信号はサンプリング周波数(Fs)44. 1kHz、語長16ビットの信号である。
【0005】
オーバーサンプリングLPF71は、入力信号S701のサンプリング周波数を2倍にアップサンプルすると共に、22. 05kHzを越える不要な帯域を遮断する。バンドパスフィルタ72はオーバーサンプリングLPF71の出力S702の帯域を制限する。入力信号S701のサンプリング周波数をFsとすると、バンドパスフィルタ72からは、例えばFs/4〜Fs/2の帯域を持つ信号が出力される。
【0006】
整流回路73はバンドパスフィルタ72の出力S703を半波又は両波整流することで、入力信号S701の高調波を発生させる。ハイパスフィルタ74は、整流回路73の出力S704の低域成分を遮断してFs/2以上のスペクトルを持つ信号を出力する。スペクトル解析回路75は、オーバーサンプリングLPF71の出力S702の高域成分のスペクトル強度を検出する。高域成分として例えばFs/4〜Fs/2のスペクトル強度が検出される。
【0007】
レベル制御回路76は、スペクトル解析回路75の出力S706に応じてハイパスフィルタ74の出力信号S705のレベルを制御する。レベル制御回路76は、入力信号S702のFs/4〜Fs/2におけるスペクトル強度が大きい場合、ハイパスフィルタ74の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合はハイパスフィルタ74の出力レベルを小さくする。加算回路77は、オーバーサンプリングLPF71の出力S702と、レベル制御回路76の出力S707を加算して出力信号S708を出力する。
【0008】
以上のように、入力信号の持つ帯域以上のスペクトルを持つ高調波を発生させ、入力信号の高域スペクトル強度に応じて発生させた高調波成分を、入力信号に付加することで、オーディオ帯域を拡張していた。
【0009】
以上のようなオーディオ帯域拡張装置を、CDだけでなくミニディスク(MD)などの圧縮符号化技術を利用した装置にも使用したいという要望があった。
【0010】
図8はMDで用いられる符号化信号の構成(信号配置)の一例を示した説明図である。この図は符号化信号の1フレームを示している。1フレームには、例えば512サンプルなどの音声データが圧縮して符号化されている。1フレームは、システム情報S801、ビット割り当て情報S802、スケール情報S803、スペクトル情報S804から成る。システム情報S801は周波数帯域の分割数などシステム的な情報を示している。ビット割り当て情報S802は、音声データを各周波数帯域に分割したとき、各帯域の割り当てビット数を示している。スケール情報S803は、各帯域のピークレベルを示している。スペクトル情報S804は、各帯域毎にスケール情報S803で正規化された形で、ビット配分情報S802の示すビット数に量子化されたスペクトルデータが入れられている。
【0011】
図9に上記の符号化信号をデコードするデコーダのブロック図を示す。逆多重化部91は符号化信号S901を入力して、逆多重化を行い、ビット割り当て情報S902とスケール情報S903とスペクトル情報S904とを出力する。
【0012】
逆量子化部92は、ビット割り当て情報S902の示すビット数に従って各周波数帯域のスペクトル情報S904を逆量子化し、逆量子化信号S905を出力する。逆正規化部93は、スケール情報S903に従って、逆量子化信号S905を逆正規化し、スペクトル信号S906を出力する。
【0013】
周波数合成部94は、スペクトル信号S906を直交変換フィルタ処理によって合成し、デジタルオーディオ信号であるデコード信号S907を出力する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、以下に示す問題点を有していた。即ち、入力信号としてMDの再生出力などのように、圧縮符号化信号をデコードした信号を入力した場合、サンプリング周波数の1/2(Fs/2)までスペクトルが必ずしも存在するとは限らず、入力信号と帯域を拡張するために付加する信号との間にスペクトルの谷間が生じることがあった。
【0015】
以下に上記の問題点について具体的に説明する。図10(a)は各周波数帯域における符号化信号のビット割り当て情報を示し、図10(b)は各周波数帯域におけるスケール情報の一例を示す。周波数帯域として、例えば22. 05kHzまでが16に分割されていたとする。圧縮符号化は人間の聴覚特性を利用しているため、例えば低域から16kHzを越えるような高い周波数のビット割り当てを少なくしたり、場合によっては割り当てを行わないこともあり得る。図10(a)の例では第14〜第16の帯域に割り当てを行っていない。このような符号化信号をデコードすると、第1〜第13までの帯域の信号のみを有するデコード信号が出力される。
【0016】
図11はこのような圧縮符号化のデコード信号に従来のオーディオ帯域拡張装置を適用した場合のスペクトル図である。この図に示すように、第14〜第16の帯域に信号エネルギーがなく、第16を越える帯域にのみに図の斜線領域で示したような帯域拡張された信号が加算される。このため、スペクトルの谷間が生じてしまい、聴感上不自然な帯域拡張となってしまう。
【0017】
また他の問題点として、入力信号をスペクトル解析してからレベル制御を行うように構成されているため、レベル制御に時間の遅れを生じるという問題点がある。また、正弦波のような単一のスペクトルを有する信号が入力された場合も、ランダムノイズが付加され、信号が劣化してしまう問題点もあった。
【0018】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、圧縮符号化信号を再生した信号でも、高域部にスペクトルの谷間を発生させず、レベル制御の時間遅れがなく、正弦波のような集中スペクトル信号が入力されても、信号劣化が発生しないオーディオ帯域拡張装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、前記デコード手段から出力された前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を非線形な処理系を通過させて歪ませることにより高調波を発生させ、前記高調波を含む前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する非線形手段と、前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超える時間軸上のデジタルオーディオ信号成分を前記非線形手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、前記デコード手段で取り出された前記スケール情報に応じて、前記スケール情報の示す信号レベルが大きい場合は出力レベルが大きくなるように、また、前記スケール情報の示す信号レベルが小さい場合は出力レベルが小さくなるように、かつ、出力信号のスペクトルレベルの包絡が前記デコード信号のスペクトルレベルの包絡に略連続するように、前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御するレベル制御手段と、前記レベル制御手段により制御された前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0020】
本願の請求項2の発明は、時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、デジタルオーディオ帯域における高周波ノイズデータを発生するディザ生成手段と、前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超えるノイズ成分を前記ディザ生成手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、前記デコード手段で取り出された前記スケール情報に応じて、前記スケール情報の示す信号レベルが大きい場合は出力レベルが大きくなるように、また、前記スケール情報の示す信号レベルが小さい場合は出力レベルが小さくなるように、かつ、出力信号のスペクトルレベルの包絡が前記デコード信号のスペクトルレベルの包絡に略連続するように、前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御するレベル制御手段と、前記レベル制御手段により制御された前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0021】
本願の請求項3の発明は、時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、前記デコード手段から出力された前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を非線形な処理系を通過させて歪ませることにより高調波を発生させ、前記高調波を含む前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する非線形手段と、デジタルオーディオ帯域における高周波ノイズデータを発生するディザ生成手段と、前記非線形手段の出力とディザ生成手段の出力とを加算する高域信号加算手段と、前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超える時間軸上のデジタルオーディオ信号成分を前記高域信号加算手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、前記デコード手段で取り出された前記スケール情報に応じて、前記スケール情報の示す信号レベルが大きい場合は出力レベルが大きくなるように、また、前記スケール情報の示す信号レベルが小さい場合は出力レベルが小さくなるように、かつ、出力信号のスペクトルレベルの包絡が前記デコード信号のスペクトルレベルの包絡に略連続するように、前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御するレベル制御手段と、前記レベル制御手段により制御された前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0022】
本願の請求項4の発明は、時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、前記デコード手段から出力された前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を非線形な処理系を通過させて歪ませることにより高調波を発生させ、前記高調波を含む前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する非線形手段と、デジタルオーディオ帯域における高周波ノイズデータを発生するディザ生成手段と、前記非線形手段の出力とディザ生成手段の出力とを加算する高域信号加算手段と、前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超える時間軸上のデジタルオーディオ信号成分を前記高域信号加算手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、前記デコード手段で取り出された前記スケール情報を所定の平滑フィルタを用いて時間軸上で平滑化し、出力レベルの変動が緩慢になるように前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御して帯域拡張信号を出力するレベル制御手段と、前記デコード手段で取り出された前記スケール情報を参照し、集中スペクトルの場合は前記レベル制御手段の前記帯域拡張信号を遮断し、複数のスペクトルの場合は前記レベル制御手段の前記帯域拡張信号を出力するスイッチ手段と、前記スイッチ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0023】
本願の請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記デコード手段から出力される時間軸上のデジタルオーディオ信号を、圧縮処理時のサンプリング周波数の2倍以上のサンプリング周波数でオーバーサンプリングを行うと共に、前記オーバーサンプリングによる折り返し雑音成分を除去するオーバーサンプリングフィルタを、前記デコード手段と前記出力信号加算手段との間に設けたことを特徴とするものである。
【0024】
本願の請求項6の発明は、請求項1,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段及び前記周波数可変高域通過フィルタの演算語長は、前記デコード手段のデコード信号の語長より大きいことを特徴とするものである。
【0025】
本願の請求項7の発明は、請求項2,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手段及び前記周波数可変高域通過フィルタの演算語長は、前記デコード手段のデコード信号の語長より大きいことを特徴とするものである。
【0026】
本願の請求項8の発明は、請求項1,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段及び前記周波数可変高域通過フィルタは、その演算語長を前記デコード手段のデコード信号の語長より大きくすると共に、前記デコード信号の語長のLSB幅に略同じ振幅の信号成分を加算したものであることを特徴とするものである。
【0027】
本願の請求項9の発明は、請求項2,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手段及び前記周波数可変高域通過フィルタは、その演算語長を前記デコード信号の語長のLSB幅に略同じ振幅の信号成分を加算したものであることを特徴とするものである。
【0028】
本願の請求項10の発明は、請求項1,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段は、正負に振幅する信号の片側のみ取り出すハーフクリップ手段、又は片側の振幅を反対側に折り返す絶対値化手段であることを特徴とするものである。
【0029】
本願の請求項11の発明は、請求項1,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段は、前記デコード手段のデコード信号から所定の周波数帯域に制限した信号に対して歪ませることを特徴とするものである。
【0030】
本願の請求項12の発明は、請求項2,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手段は、所定の振幅内で確率密度が三角分布となるダイヤモンドディザ生成手段であることを特徴とするものである。
【0031】
本願の請求項13の発明は、請求項12のオーディオ帯域拡張装置において、前記ダイヤモンドディザ生成手段は、互いに独立な2つのPN系列生成手段PAの出力とPN系列生成手段PBの出力とを加算することを特徴とするものである。
【0032】
本願の請求項14の発明は、請求項12のオーディオ帯域拡張装置において、前記ダイヤモンドディザ生成手段は、1つのPN系列生成手段PPから出力される信号において互いに異なり重なり合わない部分要素PPA及び部分要素PPBを加算することを特徴とするものである。
【0033】
本願の請求項15の発明は、請求項2,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手段は、所定の振幅内で確率密度が釣鐘型分布となるベル型ディザ生成手段であることを特徴とするものである。
【0034】
本願の請求項16の発明は、請求項15のオーディオ帯域拡張装置において、前記ベル型ディザ生成手段は、互いに独立な3つのPN系列生成手段PAの出力、PN系列生成手段PBの出力、PN系列生成手段PCの出力を加算することにより、確率分布が釣鐘型分布に近似されたディザ信号を生成することを特徴とするものである。
【0035】
本願の請求項17の発明は、請求項15のオーディオ帯域拡張装置において、前記ベル型ディザ生成手段は、1つのPN系列生成手段PPの互いに異なり重なり合わない部分要素PPA部分要素PPB、部分要素PPCを加算したことを特徴とするものである。
【0036】
本願の請求項18の発明は、請求項2,3,4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手段は、出力スペクトル分布が1/f特性であることを特徴とするものである。
【0040】
本願の請求項19の発明は、請求項1〜4の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記レベル制御手段は、前記デコード手段で取り出されるスケール情報を所定の平滑フィルタを用いて平滑化し、出力レベルの変動を緩慢にすることを特徴とするものである。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態におけるオーディオ帯域拡張装置について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるオーディオ帯域拡張装置の構成を示すブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、デコーダ1、オーバーサンプリング型ローパスフィルタ(オーバーサンプリングLPF)2、バンドパスフィルタ3、整流回路4、スライディングバンド型ハイパスフィルタ(スライディングバンドHPF)5、レベル制御回路6、加算回路7を含んで構成される。
【0042】
デコーダ1は圧縮符号化信号をデコードして、ビット割り当て情報S102とスケール情報S103と時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号S104を出力するデコード手段である。バンドパスフィルタ3及び整流回路4は、デコーダ1からオーバーサンプリングLPF2を介して出力された時間軸上のデジタルオーディオ信号を歪ませる非線形手段である。
【0043】
スライディングバンドHPF5は、デコーダ1で取り出されたビット割り当て情報S102を参照し、ビット割り当て情報で示される最高周波数より高域のオーディオ成分を非線形手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタである。レベル制御回路6は、デコーダ1で取り出されたスケール情報S103に応じて、スライディングバンドHPF5の出力レベルを制御するレベル制御手段である。
【0044】
加算回路7は、レベル制御回路6により制御されたスライディングバンドHPF5の出力とオーバーサンプリングLPF2のデコード信号とを加算し、帯域が拡張されたオーディオ信号を出力する出力信号加算手段である。
【0045】
このような構成のオーディオ帯域拡張装置の動作について説明する。入力信号として、図8で説明したような符号化信号S101がデコーダ1に入力される。この信号は例えばミニディスク(MD)から再生されたものであれば、サンプリング周波数(Fs)が44.1kHzの信号である。
【0046】
デコーダ1は、図9で説明したデコード処理と同様の方法でデコード処理を行う。デコーダ1は符号化信号S101を逆多重化して、システム情報、ビット割り当て情報、スケール情報、スペクトル情報を夫々取り出し、ビット割り当て情報S102とスケール情報S103とを出力するとともに、これらの信号から逆量子化、逆正規化、周波数合成を行って、デコード信号S104を出力する。
【0047】
オーバーサンプリングLPF2は、入力されたデコード信号S104のサンプリング周波数を正の整数倍、例えば2倍にてサンプリングを行い、且つ不要な帯域を減衰させる。2倍の場合、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯域、即ち22. 05kHz以上を例えば60dB以上減衰させる。
【0048】
バンドパスフィルタ3はオーバーサンプリングLPF2の出力S105の帯域を制限する。デコード信号S104のサンプリング周波数をFsとすれば、バンドパスフィルタ3からは、例えばFs/4〜Fs/2の帯域を持つ時間軸上のデジタルオーディオ信号S106が出力される。整流回路4はバンドパスフィルタ3の出力S106を半波(ハーフクリップ手段)又は両波整流(絶対値化手段)といった非線形処理を行なうことで、入力信号の高調波を発生させる。仮に、Fs/4未満の信号成分を使って高調波を発生させた場合、Fs/2以下の帯域にFs/4未満の信号成分の整数倍にあたる高調波が発生し、もとのオーディオ信号に混ざってしまう。そこで、Fs/4未満の信号成分を除いて高調波を発生させると、Fs/2以下の帯域での新しい信号成分の発生を回避することができる。つまり、高調波成分を得ながら、もとのオーディオ信号と非線形系で作られた歪信号との混合を防ぐことができる。
【0049】
スライディングバンドHPF5は、整流回路4の出力S107に対し、ビット割り当て情報S102の割り当てが存在する最高の周波数以下の周波数、即ち割り当てが0でない最高の周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を越える周波数スペクトルを持つ信号S108を出力する。
【0050】
レベル制御回路6は、スケール情報S103によって高域周波数成分のスペクトル強度、例えばFs/4〜Fs/2の信号レベルを求め、そのレベルに応じてスライディングバンドHPF5の出力レベルを制御する。レベル制御回路6は、符号化信号のFs/4〜Fs/2における信号レベルが大きい場合、スライディングバンドHPF5の出力レベルを大きくし、信号レベルが小さい場合はスライディングバンドHPF5の出力レベルを小さくする。
【0051】
加算回路7は、オーバーサンプリングLPF2の出力S105と、レベル制御回路6の出力S109とを加算し、帯域が拡大された出力信号S110を出力する。
【0052】
以上のように本実施の形態によれば、バンドパスフィルタ3、整流回路4、スライディングバンドHPF5を用い、デコード信号に含まれるスペクトル帯域以上の高調波を発生させ、レベル制御回路6でレベル情報を利用してデコード信号の高域スペクトル強度に応じたレベル制御を行い、デコード信号に加算して出力するようにしている。こうすると、必ずしも全ての帯域にビットの割り当てがされていない圧縮符号化信号をデコードした信号に対して帯域拡張しても、スペクトルの谷間の生じないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、デコーダ1が逆多重化処理で、そのフレームのデコード処理をする前処理として取り出したスケール情報とビット割り当て情報とを用い、レベル制御とスライディングバンドHPFのカットオフ周波数を指定することで、デコード信号と同じタイミングで制御を行うことができる。このため、帯域拡張のために加算する信号の制御が遅れて聴感上不自然にならないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0054】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。図2は本実施の形態におけるオーディオ帯域拡張装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一部分は同一の符号を付けて説明する。このオーディオ帯域拡張装置は、デコーダ1、オーバーサンプリングLPF2、スライディングバンドHPF5、レベル制御回路6、加算回路7、ディザ発生回路8を含んで構成される。
【0055】
ディザ発生回路8はホワイトノイズ又はオーディオ帯域における高周波ノイズを発生するディザ生成手段である。スライディングバンドHPF5は、デコーダ1で取り出されたビット割り当て情報S102を参照し、ビット割り当て情報で示される最高周波数より高域のホワイトノイズ成分をディザ発生回路8の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタである。
【0056】
このような構成のオーディオ帯域拡張装置の動作について説明する。入力信号として、図8で説明したような符号化信号S101がデコーダ1に入力される。この信号は例えばMDから再生されたものであれば、サンプリング周波数Fsが44.1kHzの信号である。
【0057】
デコーダ1は、図9で説明したデコード処理と同様の方法でデコード処理を行う。デコーダ1は、符号化信号S101を逆多重化して、システム情報、ビット割り当て情報、スケール情報、スペクトル情報を夫々取り出し、ビット割り当て情報S102とスケール情報S103とを出力すると共に、これらの信号から逆量子化、逆正規化、周波数合成を行って、デコード信号S104を出力する。
【0058】
オーバーサンプリングLPF2は、入力されたデコード信号S104のサンプリング周波数を正の整数倍、例えば2倍にしてサンプリングを行い、且つ不要な帯域を減衰させる。2倍の場合、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯域、即ち22. 05kHz以上を例えば60dB以上減衰させる。
【0059】
ディザ発生回路8は0〜Fsの帯域でスペクトル強度が均一に分布しているホワイトノイズを発生する。スライディングバンドHPF5は、ディザ発生回路8の出力S111に対し、ビット割り当て情報S102の割り当てが存在する周波数、即ち割り当てが0でない最高の周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を越える周波数スペクトルを持つ信号S108を出力する。
【0060】
レベル制御回路6は、スケール情報S103によって高域周波数成分のスペクトル強度、例えばFs/4〜Fs/2の信号レベルを求め、そのレベルに応じてスライディングバンドHPF5の出力レベルを制御する。レベル制御回路6は、符号化信号のFs/4〜Fs/2における信号レベルが大きい場合、ハイパスフィルタ5の出力レベルを大きくし、信号レベルが小さい場合は出力レベルを小さくする。加算回路7は、オーバーサンプリングLPF2の出力S105とレベル制御回路6の出力S109とを加算し、この加算信号を出力信号S110として出力する。
【0061】
以上のように本実施の形態によれば、ディザ発生回路8とスライディングバンドHPF5とを用いて、デコード信号に含まれるスペクトル帯域以上の高調波を発生させ、レベル制御回路6でレベル情報を利用してデコード信号の高域スペクトル強度に応じたレベル制御をしてデコード信号に加算して出力するようにしている。こうすると、必ずしも全ての帯域にビットの割り当てがされていない圧縮符号化信号をデコードした信号に対して帯域拡張を行っても、スペクトルの谷間の生じないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、デコーダ1は、逆多重化処理でそのフレームのデコード処理をする前処理として取り出したスケール情報とビット割り当て情報とを用い、レベル制御とスライディングバンドHPFのカットオフ周波数を指定することで、デコード信号と同じタイミングで制御を行うことができる。このため、帯域拡張のために加算する信号の制御が遅れて聴感上不自然になることのないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0063】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。図3は本実施の形態におけるオーディオ帯域拡張装置の構成を示すブロック図であり、図2と同一部分は同一の符号を付けて説明する。このオーディオ帯域拡張装置は、デコーダ1、オーバーサンプリングLPF2、バンドパスフィルタ3、整流回路4、スライディングバンドHPF5、レベル制御回路6、加算回路7、ディザ発生回路8、加算回路9を含んで構成される。
【0064】
加算回路9は、整流回路4の出力とディザ発生回路8の出力とを加算する高域信号加算手段である。スライディングバンドHPF5は、デコーダ1で取り出されたビット割り当て情報S102を参照し、ビット割り当て情報で示される最高周波数より高域のオーディオ成分を加算回路9の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタである。
【0065】
レベル制御回路6は、デコーダ1で取り出されたスケール情報S102に応じて、スライディングバンドHPF5の出力レベルを制御するレベル制御手段である。加算回路7は、レベル制御回路6により制御されたスライディングバンドHPF5の出力と、デコーダ1のデコード信号とを加算し、帯域が拡張されたオーディオ信号を出力する出力信号加算手段である。
【0066】
このような構成のオーディオ帯域拡張装置に動作について説明する。入力信号として、図8を用いて説明したような符号化信号S101がデコーダ1に入力される。この信号は例えばMDから再生されたものであれば、サンプリング周波数(Fs)が44.1kHzの信号である。
【0067】
デコーダ1は、図9を用いて説明したデコード処理と同様の方法でデコード処理を行う。デコーダ1は符号化信号S101を逆多重化して、システム情報、ビット割り当て情報、スケール情報、スペクトル情報を夫々取り出し、ビット割り当て情報S102とスケール情報S103を出力すると共に、これらの信号から逆量子化、逆正規化、周波数合成を行って、デコード信号S104を出力する。
【0068】
オーバーサンプリングLPF2は、入力されたデコード信号S104のサンプリング周波数を正の整数倍、例えば2倍にしてサンプリングを行い、且つ不要な帯域を減衰させる。2倍の場合、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯域、即ち22. 05kHz以上を例えば60dB以上減衰させる。
【0069】
バンドパスフィルタ3はオーバーサンプリングLPF2の出力S105の帯域を制限する。入力信号S104のサンプリング周波数をFsとすれば、バンドパスフィルタ3からは、例えばFs/4〜Fs/2の帯域を持つ信号S106が出力される。整流回路4はバンドパスフィルタ3の出力S106を半波又は両波整流することで、入力信号の高調波を発生させる。
【0070】
ディザ発生回路8の詳細を図4に示す。ディザ発生回路8はPN系列ノイズ発生器41,42,43、加算回路44、1/f特性フィルタ45を含んで構成される。PN系列ノイズ発生器41,42,43は互いに独立して動作し、0〜Fsの帯域でスペクトル強度が均一に分布し、どの周波数成分を持ったスペクトルが発生するかの確率分布が一様となるホワイトノイズを発生する。
【0071】
加算回路44は、PN系列ノイズ発生器41,42,43の各出力を加算する。このように加算することで、加算後のノイズは振幅の確率分布の形状がガウス分布に近い釣り鐘型(ベル型)になり、自然音に近づく。1/f特性フィルタ45は加算回路44の出力信号を周波数の増加とともに減衰させる、即ち1/fの周波数特性になるようにして出力する。
【0072】
尚、ディザ発生回路8は、所定の振幅内で確率密度が三角分布となるダイヤモンドディザ生成手段であってもよい。またダイヤモンドディザ生成手段は、互いに独立2つのPN系列生成手段PAの出力とPN系列生成手段PBの出力とを加算するものである。またダイヤモンドディザ生成手段は、1つのPN系列生成手段PPから出力される信号において互いに異なり重なり合わない部分要素PPA及び部分要素PPBを加算するものであってもよい。
【0073】
またディザ発生回路8は、所定の振幅内で確率密度が釣鐘型分布となるベル型ディザ生成手段であっても良い。このベル型ディザ生成手段は、互いに独立な3つのPN系列生成手段PAの出力、PN系列生成手段PBの出力、PN系列生成手段PCの出力を加算するものである。またベル型ディザ生成手段は、1つのPN系列生成手段PPから出力される信号において互いに異なり重なり合わない部分要素PPA, 部分要素PPB、部分要素PPCを加算するものであってもよい。
【0074】
図3の加算回路9は整流回路4の出力S107と、ディザ発生回路8の出力S111とを加算する。スライディングバンドHPF5は、加算回路9の出力S112に対し、ビット割り当て情報S102の割り当てが存在する周波数、即ち割り当てが0でない最高の周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を越える周波数スペクトルを持つ信号S108を出力する。
【0075】
レベル制御回路6は、スケール情報S103によって高域周波数成分のスペクトル強度、例えばFs/4〜Fs/2の信号レベルを求め、そのレベルに応じてスライディングバンドHPF5の出力レベルを制御する。レベル制御回路6は、符号化信号のFs/4〜Fs/2における信号レベルが大きい場合は、ハイパスフィルタ5の出力レベルを大きくし、信号レベルが小さい場合はハイパスフィルタ5の出力レベルを小さくする。加算回路7は、オーバーサンプリングLPF2の出力S105とレベル制御回路6の出力S109とを加算し、加算信号を出力信号S110として出力する。
【0076】
以上のように、本実施の形態によれば、バンドパスフィルタ3、整流回路4、ディザ発生回路8、スライディングバンドHPF5を用いて、デコード信号に含まれるスペクトル帯域以上の高調波を発生させ、レベル制御回路6でレベル情報を利用してデコード信号の高域スペクトル強度に応じたレベル制御を行い、デコード信号に加算している。このような構成によれば、必ずしも全ての帯域にビットの割り当てがされていない圧縮符号化信号をデコードした信号に対して帯域拡張しても、スペクトルの谷間の生じないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0077】
また、本実施の形態によれば、デコーダ1が逆多重化処理でそのフレームのデコード処理をする前処理として取り出したスケール情報とビット割り当て情報とを用い、レベル制御とスライディングバンドHPF5のカットオフ周波数を指定することで、デコード信号と同じタイミングで制御を行うことができる。このため、帯域拡張のために加算する信号の制御が遅れて聴感上不自然になることのないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0078】
また、本実施の形態によれば、整流回路4で発生させた高調波成分と、釣り鐘型に近い確率分布で1/f特性の周波数分布をもつディザ信号を合成することで、より聴感上自然なオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0079】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。図5は本実施の形態におけるオーディオ帯域拡張装置の構成を示すブロック図であり、図3と同一部分は同一の符号を付けて説明する。このオーディオ帯域拡張装置は、デコーダ1、オーバーサンプリングLPF2、バンドパスフィルタ3、整流回路4、スライディングバンドHPF5、レベル制御回路6、加算回路7、ディザ発生回路8、加算回路9、スイッチ10を含んで構成される。
【0080】
スイッチ10は、デコーダ1で取り出されたスケール情報S103を参照し、集中スペクトルの場合はレベル制御回路6から出力された帯域拡張信号を遮断し、複数のスペクトルの場合はレベル制御回路6から出力された帯域拡張信号を出力するスイッチ手段である。加算回路7は、スイッチ10の出力とオーバーサンプリングLPF2から出力されたデコード信号とを加算し、帯域が拡張されたオーディオ信号を出力する出力信号加算手段である。
【0081】
このような構成のオーディオ帯域拡張装置の動作について説明する。入力信号として、図8で説明したような符号化信号S101が入力される。この信号は例えばMDから再生されたものであれば、サンプリング周波数Fsが44.1kHzの信号である。
【0082】
デコーダ1は、図9で説明したデコード処理と同様の方法を用いてデコード処理を行う。デコーダ1は、符号化信号S101を逆多重化して、システム情報、ビット割り当て情報、スケール情報、スペクトル情報を夫々取り出し、ビット割り当て情報S102とスケール情報S103とを出力すると共に、これらの信号から逆量子化、逆正規化、周波数合成を行って、デコード信号S104を出力する。
【0083】
オーバーサンプリングLPF2は、入力されたデコード信号S104のサンプリング周波数を正の整数倍、例えば2倍にしてサンプリングを行い、且つ不要な帯域を減衰させる。2倍の場合、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯域、即ち22. 05kHz以上を例えば60dB以上減衰させる。
【0084】
バンドパスフィルタ3はオーバーサンプリングLPF2の出力S105の帯域を制限する。入力信号S104のサンプリング周波数をFsとすれば、バンドパスフィルタ3からは、例えばFs/4〜Fs/2の帯域を持つ信号S106が出力される。
【0085】
整流回路4はバンドパスフィルタ3の出力S106を半波間又は両波整流することで、入力信号の高調波を発生させる。ディザ発生回路8は0〜Fsの帯域でスペクトル強度が均一に分布しているホワイトノイズを発生する。加算回路9は整流回路4の出力S107とディザ発生回路8の出力S111とを加算する。
【0086】
スライディングバンドHPF5は、加算回路9の出力S112に対し、ビット割り当て情報S102の割り当てが存在する周波数、即ち割り当てが0でない最高の周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を越える周波数スペクトルを持つ信号S108を出力する。
【0087】
レベル制御回路6は、スケール情報S103によって高域周波数成分のスペクトル強度、例えばFs/4〜Fs/2の信号レベルを求め、そのレベルに応じてスライディングバンドHPF5の出力レベルを制御する。レベル制御回路6は、符号化信号のFs/4〜Fs/2における信号レベルが大きい場合、スライディングバンドHPF5の出力レベルを大きくし、信号レベルが小さい場合はスライディングバンドHPF5の出力レベルを小さくする。
【0088】
スイッチ10はスケール情報S103の出力に応じてオン又はオフする。例えばスケール情報の最大に対し、その近傍、即ち上下に隣接ずる周波数帯域以外のスケール情報が、最大に対し例えば20デシベル以上低い場合、スイッチ10をオフにし、それ以外ではオンとする。加算回路7はオーバーサンプリングLPF2の出力S105と、スイッチ10の出力S113とを加算し、加算信号を出力信号S110して出力する。
【0089】
図6は集中スペクトル信号を入力した場合の動作を示す説明図である。単一正弦波のような集中スペクトル信号の場合、図6(a)に示すように、特定の帯域又はその近傍の帯域のみにしか大きな値を示すスケール情報がない。従って、スイッチ10はオフとなり、デコード信号には帯域拡張信号は加算されず、図6(b)に示すように元のの集中スペクトル信号のみが出力される。
【0090】
以上のように本実施の形態によれば、バンドパスフィルタ3、整流回路4、ディザ発生回路8、スライディングバンドHPF5を用いてデコード信号に含まれるスペクトル帯域以上の高調波を発生させる。そして、レベル制御回路6でレベル情報を利用してデコード信号の高域スペクトル強度に応じたレベル制御を行い、デコード信号に加算するようにしている。このため、必ずしも全ての帯域にビットの割り当てがされていない圧縮符号化信号をデコードした信号に対して帯域拡張しても、スペクトルの谷間の生じないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、デコーダ1が逆多重化処理で、そのフレームのデコード処理をする前処理として取り出したスケール情報とビット割り当て情報とを用い、レベル制御とスライディングバンドHPFのカットオフ周波数を指定することで、デコード信号と同じタイミングで制御を行うことができる。このため、帯域拡張のために加算する信号の制御が遅れて、聴感上不自然になることのないオーディオ帯域拡張装置を実現することができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、スペクトル情報から集中スペクトル信号であると判定された場合、スイッチがオフとなり、帯域拡張信号が付加されない。このため、正弦波信号のような信号がデコーダから出力された場合、この信号が劣化しなくなる。
【0093】
尚、以上の実施の形態において、レベル制御回路6のスケール情報S103の入力部に平滑フィルタを設け、デコーダ1で取り出されるスケール情報を時間軸に沿って平滑化するようにしてもよい。平滑化フィルタとは時間軸上のスペクトルピークへのレベル上昇とレベル下降とを演算により平滑化するもので、レベル制御回路6の出力レベルの変動を緩慢にすることができる。また上記の平滑フィルタは、時間軸上のスペクトルピークへのレベル上昇特性であるアタック特性と、レベル下降特性であるレリーズ特性を夫々制御できるものでもよい。アタック特性とレリーズ特性の緩慢さ、急峻さを調整することで聴感による特性、つまり聴こえ方を調整することができ、帯域拡張時により自然な聴感を実現する。
【0094】
またバンドパスフィルタ3及び整流回路4による非線形手段と、ディザ発生回路8と、スライディグバンドHPF5とは、その演算語長をデコーダ1のデコード信号の語長より大きくし、デコード信号S104の語長のLSB幅に略同じ振幅の信号成分を加算したものであってもよい。例えばデコーダ1から出力されるデコード信号S104の語長を16ビットとすると、この信号のLSB、即ち最下位ビットの16ビット目とほぼ同じ振幅になるよう、これより下位に4ビットのノイズ(ディザ信号)を加算するようにする。これにより、聴感上のビット精度が向上しビット量子化に起因する量子化ノイズが感覚上知覚しにくくなるという効果が得られる。
【0095】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、バンドパスフィルタ、整流回路、ディザ発生回路、スライディングバンド型ハイパスフィルタでデコード信号に含まれるスペクトル帯域以上の高調波を発生させ、レベル制御回路でレベル情報を利用してデコード信号の高域スペクトル強度に応じたレベル制御をしてデコード信号に加算して出力するようにしている。このため、必ずしも全ての帯域にビットの割り当てがされていない圧縮符号化信号をデコードした場合、デコード信号に帯域拡張してもスペクトルの谷間の生じないオーディオ信号が得られる。
【0096】
またオーディオ信号が記録された媒体から、スケール情報及びビット割り当て情報などの周波数情報が直接得られるため、PCMのオーディオ信号が記録された媒体の場合と比較して、再生オーディオ帯域を拡大するためのハードウェア又はソフトウェアの負担が軽減される効果がある。
【0097】
特に請求項1〜3記載の発明によれば、デコーダが逆多重化処理でそのフレームのデコード処理をする前処理として取り出したスケール情報とビット割り当て情報とを、レベル制御とスライディングバンド型ハイパスフィルタのカットオフ周波数の指定に使用することで、デコード信号と同じタイミングで制御を行うことができる。このため、帯域拡張のために加算する信号の制御が遅れて聴感上不自然になることのないオーディオ信号が得られる。
【0098】
特に請求項4記載の発明によれば、スペクトル情報から集中スペクトル信号であると判定された場合、帯域拡張信号が付加されないため、正弦波信号のような信号が劣化してしまうことがない。
【0099】
特に請求項2〜4記載の発明によれば、整流回路で発生させた高調波成分と、釣り鐘型に近い確率分布で1/f特性の周波数分布をもつディザ信号を合成するすることで、特定の帯域が強調されることなく、より聴感上自然なオーディオ信号が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるオーディオ帯域拡張装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態2におけるオーディオ帯域拡張装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態3におけるオーディオ帯域拡張装置の構成図である。
【図4】実施の形態2,3,4にオーディオ帯域拡張装置に用いられるディザ発生回路のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態4におけるオーディオ帯域拡張装置の構成図である。
【図6】集中スペクトル信号を入力した場合、実施の形態4のオーディオ帯域拡張装置の動作を示す説明図である。
【図7】従来例のオーディオ帯域拡張装置の構成図である。
【図8】符号化信号の構成を示す信号配置図である。
【図9】符号化信号をデコードするデコーダのブロック図である。
【図10】(a)は符号化信号のビット割り当て情報、(b)はスケール情報の一例を示す周波数特性図である。
【図11】圧縮符号化のデコード信号に、従来のオーディオ帯域拡張装置を適用した場合のスペクトル図である。
【符号の説明】
1 デコーダ
2 オーバーサンプリング型ローパスフィルタ(オーバーサンプリングLPF)
3 バンドパスフィルタ
4 整流回路
5 スライディングバンド型ハイパスフィルタ(スライディングバンドHPF)
6 レベル制御回路
7,9,44 加算回路
8 ディザ発生回路
10 スイッチ
41,42,43 PN系列ノイズ発生器
45 1/f特性フィルタ
91 逆多重化部
92 逆量子化部
93 逆正規化部
94 周波数合成部

Claims (20)

  1. 時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、
    前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、
    前記デコード手段から出力された前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を非線形な処理系を通過させて歪ませることにより高調波を発生させ、前記高調波を含む前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する非線形手段と、
    前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超える時間軸上のデジタルオーディオ信号成分を前記非線形手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、
    前記デコード手段で取り出された前記スケール情報に応じて、前記スケール情報の示す信号レベルが大きい場合は出力レベルが大きくなるように、また、前記スケール情報の示す信号レベルが小さい場合は出力レベルが小さくなるように、かつ、出力信号のスペクトルレベルの包絡が前記デコード信号のスペクトルレベルの包絡に略連続するように、前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御するレベル制御手段と、
    前記レベル制御手段により制御された前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  2. 時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、
    前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、
    デジタルオーディオ帯域における高周波ノイズデータを発生するディザ生成手段と、
    前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超えるノイズ成分を前記ディザ生成手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、
    前記デコード手段で取り出された前記スケール情報に応じて、前記スケール情報の示す信号レベルが大きい場合は出力レベルが大きくなるように、また、前記スケール情報の示す信号レベルが小さい場合は出力レベルが小さくなるように、かつ、出力信号のスペクトルレベルの包絡が前記デコード信号のスペクトルレベルの包絡に略連続するように、前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御するレベル制御手段と、
    前記レベル制御手段により制御された前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  3. 時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、
    前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、
    前記デコード手段から出力された前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を非線形な処理系を通過させて歪ませることにより高調波を発生させ、前記高調波を含む前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する非線形手段と、
    デジタルオーディオ帯域における高周波ノイズデータを発生するディザ生成手段と、
    前記非線形手段の出力とディザ生成手段の出力とを加算する高域信号加算手段と、
    前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超える時間軸上のデジタルオーディオ信号成分を前記高域信号加算手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、
    前記デコード手段で取り出された前記スケール情報に応じて、前記スケール情報の示す信号レベルが大きい場合は出力レベルが大きくなるように、また、前記スケール情報の示す信号レベルが小さい場合は出力レベルが小さくなるように、かつ、出力信号のスペクトルレベルの包絡が前記デコード信号のスペクトルレベルの包絡に略連続するように、前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御するレベル制御手段と、
    前記レベル制御手段により制御された前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  4. 時間軸上のデジタルオーディオ信号がフレーム単位で複数の周波数帯域に分割された圧縮符号化信号を入力し、少なくとも各帯域毎のビット割り当て情報と各帯域毎のスケール情報とを用いて前記圧縮符号化信号を再生するオーディオ帯域拡張装置であって、
    前記圧縮符号化信号をデコードして、前記ビット割り当て情報と前記スケール情報と前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を含むデコード信号を出力するデコード手段と、
    前記デコード手段から出力された前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を非線形な処理系を通過させて歪ませることにより高調波を発生させ、前記高調波を含む前記時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する非線形手段と、
    デジタルオーディオ帯域における高周波ノイズデータを発生するディザ生成手段と、
    前記非線形手段の出力とディザ生成手段の出力とを加算する高域信号加算手段と、
    前記デコード手段で取り出された前記ビット割り当て情報を参照し、前記ビット割り当て情報で示される割り当てが存在する最高周波数以下の周波数を遮断して、その周波数を超える時間軸上のデジタルオーディオ信号成分を前記高域信号加算手段の出力信号から取り出す周波数可変高域通過フィルタと、
    前記デコード手段で取り出された前記スケール情報を所定の平滑フィルタを用いて時間軸上で平滑化し、出力レベルの変動が緩慢になるように前記周波数可変高域通過フィルタ手段の出力レベルを制御して帯域拡張信号を出力するレベル制御手段と、
    前記デコード手段で取り出された前記スケール情報を参照し、集中スペクトルの場合は前記レベル制御手段の前記帯域拡張信号を遮断し、複数のスペクトルの場合は前記レベル制御手段の前記帯域拡張信号を出力するスイッチ手段と、
    前記スイッチ手段の出力と前記デコード手段の出力信号であるデコード信号とを加算し、帯域が拡張された時間軸上のデジタルオーディオ信号を出力する出力信号加算手段と、を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  5. 前記デコード手段から出力される時間軸上のデジタルオーディオ信号を、圧縮処理時のサンプリング周波数の2倍以上のサンプリング周波数でオーバーサンプリングを行うと共に、前記オーバーサンプリングによる折り返し雑音成分を除去するオーバーサンプリングフィルタを、前記デコード手段と前記出力信号加算手段との間に設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  6. 前記非線形手段及び前記周波数可変高域通過フィルタの演算語長は、前記デコード手段のデコード信号の語長より大きいことを特徴とする請求項1,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  7. 前記ディザ生成手段及び前記周波数可変高域通過フィルタの演算語長は、前記デコード手段のデコード信号の語長より大きいことを特徴とする請求項2,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  8. 前記非線形手段及び前記周波数可変高域通過フィルタは、その演算語長を前記デコード手段のデコード信号の語長より大きくすると共に、前記デコード信号の語長のLSB幅に略同じ振幅の信号成分を加算したものであることを特徴とする請求項1,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  9. 前記ディザ生成手段及び前記周波数可変高域通過フィルタは、その演算語長を前記デコード信号の語長のLSB幅に略同じ振幅の信号成分を加算したものであることを特徴とする請求項2,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  10. 前記非線形手段は、
    正負に振幅する信号の片側のみ取り出すハーフクリップ手段、又は片側の振幅を反対側に折り返す絶対値化手段であることを特徴とする請求項1,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  11. 前記非線形手段は、
    前記デコード手段のデコード信号から所定の周波数帯域に制限した信号に対して歪ませるものであることを特徴とする請求項1,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  12. 前記ディザ生成手段は、
    所定の振幅内で確率密度が三角分布となるダイヤモンドディザ生成手段であることを特徴とする請求項2,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  13. 前記ダイヤモンドディザ生成手段は、
    互いに独立な2つのPN系列生成手段PAの出力とPN系列生成手段PBの出力とを加算するものであることを特徴とする請求項12記載のオーディオ帯域拡張装置。
  14. 前記ダイヤモンドディザ生成手段は、
    1つのPN系列生成手段PPから出力される信号において互いに異なり重なり合わない部分要素PPA及び部分要素PPBを加算するものであることを特徴とする請求項12記載のオーディオ帯域拡張装置。
  15. 前記ディザ生成手段は、
    所定の振幅内で確率密度が釣鐘型分布となるベル型ディザ生成手段であることを特徴とする請求項2,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  16. 前記ベル型ディザ生成手段は、
    互いに独立な3つのPN系列生成手段PAの出力、PN系列生成手段PBの出力、PN系列生成手段PCの出力を加算することにより、確率分布が釣鐘型分布に近似されたディザ信号を生成するものであることを特徴とする請求項15記載のオーディオ帯域拡張装置。
  17. 前記ベル型ディザ生成手段は、
    1つのPN系列生成手段PPから出力される信号において互いに異なり重なり合わない部分要素PPA部分要素PPB、部分要素PPCを加算することにより、確率分布が釣鐘型分布に近似されたディザ信号を生成するものであることを特徴とする請求項15記載のオーディオ帯域拡張装置。
  18. 前記ディザ生成手段は、
    出力スペクトル分布が1/f特性であることを特徴とする請求項2,3,4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  19. 前記レベル制御手段は、
    前記デコード手段で取り出されるスケール情報を所定の平滑フィルタを用いて平滑化し、出力レベルの変動を緩慢にすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  20. 前記平滑フィルタは、
    アタック特性とレリーズ特性を夫々制御するものであることを特徴とする請求項19記載のオーディオ帯域拡張装置。
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