JP4470306B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などを利用して画像情報を転写材上に形成し得るカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真技術を採用した画像形成装置においては、像担持体としての電子写真感光体を帯電器により帯電し、この感光体に画像情報に応じた光照射を行って潜像を形成し、この潜像を現像器によって現像して顕像化したトナー像をシート材等に転写して画像を形成することが行われている。
【0003】
一方、画像のカラー化に伴って、このような一連の画像形成プロセスが展開される像担持体を複数備えておき、シアン像、マゼンタ像、イエロー像、好ましくはブラック像の各色像をそれぞれの像担持体に形成し、各像担持体の転写位置にてシート材に各色像を重ね合わせて転写することによりフルカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置も従来から数多く提案されている。このようなタンデム方式のカラー画像形成装置は、各色ごとにそれぞれの画像形成部を有するため、高速化に有利であるとされている。
【0004】
以下に、タンデム方式の従来のカラー画像形成装置について説明する。
【0005】
図6は従来のカラー画像形成装置の構成図である。
【0006】
図6において、カラー画像形成装置の本体1内にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像をそれぞれ形成するための画像形成ユニット2〜5が順に配置され、これらの画像形成ユニット2〜5のそれぞれに対応して露光器6a〜6dを備えている。画像形成ユニット2〜5は、露光器6a〜6dからのレーザビームの照射によってその周面に静電潜像を形成する像担持体としての感光体ドラム2a〜5aと、トナータンクから供給されるトナーを感光体ドラム2a〜5aに付着させて静電潜像をトナー像として顕像化する現像ローラ2b〜5b等を備えたものである。
【0007】
配列された画像形成ユニット2〜5の下側には中間転写ベルト7が矢印方向に走行可能に配置される。この中間転写ベルト7は、駆動ローラ8、テンションローラ9、各感光体ドラム2a〜5aに対応させて配置した4個の転写ローラ10a〜10dと、転写材としての用紙Pに転写するための転写手段としての第2転写ローラ11を巡って矢印方向に周回駆動される。テンションローラ9は印刷期間では図においてスプリング(図示せず)によって付勢され、右下に位置を移動することで中間転写ベルト7に張力を付与する。また非印刷期間では中間転写ベルト7と各ローラが長時間同じ位置で巻き付くことで巻癖が付かないようにテンションローラ9による中間転写ベルト7への張力の付与を解除している。
【0008】
中間転写ベルト7の表面には画像形成ユニット2〜5の感光体ドラム2a〜5aによってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が付着しカラー画像が形成される。そして、このトナーによるカラー画像は第2転写ローラ11と押圧ローラ12との間のニップ力によって用紙Pに転写される。用紙Pは、中間転写ベルト7の下側に配置された用紙トレイ13から繰り出される。そして、用紙Pは定着器14に供給されてトナー像を定着した後に排紙される。
【0009】
画像形成ユニット2〜5は、転写ローラ10a〜10dが下方に移動し、中間点転写ベルト7と感光体ドラム2a〜5aが離間した後停止する。中間点転写ベルト7と感光体ドラム2a〜5aが離間中は、中間転写ベルト7の状態が変化するため、この間に中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写されると転写ズレが起きる。この転写ズレ防止のため、中間転写ベルト7上のトナー像が転写材へ転写完了後、転写ローラ10a〜10dが下方へ移動し、感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触が解除され、感光体ドラムを含む画像形成ユニット2〜5の回転駆動が停止する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような従来の技術においては、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙P上に転写完了後に感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の離間が行われるため、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了されているにもかかわらず感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7は接触しており、また、画像形成ユニット2〜5内の感光体ドラム2a〜5aと現像ローラ2b〜5b等は動作している。このため、中間転写ベルト7および感光体ドラム2a〜5aを含む画像形成ユニット2〜5の寿命が短くなるという問題を有していた。
【0011】
そこで、本発明は、中間転写ベルトおよび感光体ドラムを含む画像形成ユニットの寿命を長くすることができるカラー画像成形装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のカラー画像成形装置は、トナー像を担持する感光体ドラムを含んで複数配列され、それぞれトナー色の異なる画像を形成する画像形成ユニットと、回転している前記感光体ドラムに接触可能に配置され、その一部が前記感光体ドラムに沿って回転することで前記トナー像が転写されるエンドレスの中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトのループ内に配置され、前記感光体ドラム側に向けて前記中間転写ベルトをそれぞれ付勢し、前記感光体ドラム上のトナー像を前記中間転写ベルトに転写する転写ローラと、前記中間転写ベルトにテンションを付与するテンションローラと、前記中間転写ベルトに接し、前記中間転写ベルト上のトナー像が転写されるシート状の転写材と、前記中間転写ベルトのループ内に配置され、前記中間転写ベルトを前記転写材に押圧し、前記中間転写ベルト上のトナー像を前記転写材に転写する転写手段と、前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像の前記中間転写ベルトの移動方向における後端が、前記中間転写ベルトの移動方向に関して最も下流に位置する前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの転写点を通過した後であって、前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像の前記中間転写ベルトの移動方向における先端が前記中間転写ベルトと転写材の転写点に達する前に、前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの接触を解除し前記感光体ドラムの回転を停止する解除手段とを有する構成としたものである。
【0013】
これにより、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了する前に感光体ドラムと中間転写ベルトとの接触を解除することができるので、感光体ドラム上のトナー像が中間転写ベルトに転写完了後直ちに感光体ドラムの回転を停止させることができ、中間転写ベルトおよび感光体ドラムを含む画像形成ユニットの長寿命化が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、トナー像を担持する感光体ドラムを含んで複数配列されそれぞれトナー色の異なる画像を形成する画像形成ユニットと、回転している感光体ドラムに接触可能に配置されその一部が感光体ドラムに沿って回転することでトナー像が転写されるエンドレスの中間転写ベルトと、中間転写ベルトのループ内に配置され感光体ドラム側に向けて中間転写ベルトをそれぞれ付勢し感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルトに転写する転写ローラと、中間転写ベルトにテンションを付与するテンションローラと、中間転写ベルトに接し中間転写ベルト上のトナー像が転写されるシート状の転写材と、中間転写ベルトのループ内に配置され中間転写ベルトを転写材に押圧し中間転写ベルト上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、中間転写ベルト上に転写されたトナー像の中間転写ベルトの移動方向における後端が、中間転写ベルトの移動方向に関して最も下流に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点を通過した後であって、中間転写ベルト上に転写されたトナー像の中間転写ベルトの移動方向における先端が中間転写ベルトと転写材の転写点に達する前に、感光体ドラムと中間転写ベルトの接触を解除し感光体ドラムの回転を停止する解除手段とを備えたことを特徴とするカラー画像成形装置であり、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了する前に感光体ドラムと中間転写ベルトの接触を解除するため、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了後に中間転写ベルトの接触を解除するものと比較して、感光体ドラム上のトナー像が中間転写ベルト上へ転写完了後直ちに中間転写ベルトの接触を解除することができ、感光体ドラムと中間転写ベルトの接触時間を短くすることができるという作用を有するとともに、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了する前に感光体ドラムの回転を停止することができるため、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了後に感光体ドラムの回転を停止させるものと比較して、感光体ドラムの回転時間を短くすることができるという作用を有する。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点から、中間転写ベルトの移動方向における中間転写ベルトと転写材の転写点までの中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1とした場合にL1<Lを満たすことを特徴とするカラー画像成形装置であり、中間転写ベルト上に転写されたトナー像の中間転写ベルトの移動方向における後端が、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点を通過した後、中間転写ベルト上のトナー像の先端が中間転写ベルトの移動方向における中間転写ベルトと転写材の転写点へ到達するまでにインターバルができるので、一枚印刷の際に、感光体ドラムと中間転写ベルトの接触解除開始から完了までの間に、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写されないという作用を有する。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点から、中間転写ベルトの移動方向における中間転写ベルトと転写材の転写点までの中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1、複数の転写材に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の転写材の後端とm+1枚目の転写材の先端との間の距離をL2とした場合にL1<L<L1+L2を満たすことを特徴とするカラー画像成形装置であり、最終の転写材に印刷される中間転写ベルト上に転写されたトナー像の中間転写ベルトの移動方向における後端が、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点を通過した後、中間転写ベルト上のトナー像の先端が中間転写ベルトの移動方向における中間転写ベルトと転写材の転写点へ到達するまでにインターバルができるので、一枚印刷のみでなく二枚以上連続で印刷する際に、感光体ドラムと中間転写ベルトの接触解除開始から完了までの間に、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写されないという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点から、中間転写ベルトの移動方向における中間転写ベルトと転写材の転写点までの中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1、複数の転写材に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の転写材の後端とm+1枚目の転写材の先端との間の距離をL2、任意の正の整数をnとした場合に(L1+L2)n−L2<L<(L1+L2)nを満たすことを特徴とするカラー画像成形装置であり、最終の転写材に印刷される中間転写ベルト上に転写されたトナー像の中間転写ベルトの移動方向における後端が、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点を通過した後、最終よりn−1枚前の転写材に印刷される中間転写ベルト上のトナー像の先端が中間転写ベルトの移動方向における中間転写ベルトと転写材の転写点へ到達するまでにインターバルができるので、一枚印刷のみでなく二枚以上連続で印刷する際に、感光体ドラムと中間転写ベルトの接触解除開始から完了までの間に、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写されないという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、中間転写ベルトと感光体ドラムの接触が解除された後、中間転写ベルトのテンションが保持されていることを特徴とするカラー画像成形装置であり、中間転写ベルト上のトナー像が転写材上へ転写完了されるまでテンションを保持できるという作用を有する。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるカラー画像形成装置の構成図、図2は本発明の実施の形態1によるカラー画像形成装置の転写部の構成図である。
【0023】
図1において、カラー画像形成装置の本体1内にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像をそれぞれ形成するための画像形成ユニット2〜5が順に配置され、これらの画像形成ユニット2〜5のそれぞれに対応して露光器6a〜6dを備えている。画像形成ユニット2〜5は、露光器6a〜6dからのレーザビームの照射によってその周面に静電潜像を形成する像担持体としての感光体ドラム2a〜5aと、トナータンクから供給されるトナーを感光体ドラム2a〜5aに付着させて静電潜像をトナー像として顕像化する現像ローラ2b〜5b等を備えたものである。
【0024】
配列された画像形成ユニット2〜5の下側には中間転写ベルト7が矢印方向に走行可能に配置される。この中間転写ベルト7は、駆動ローラ8、テンションローラ9、各感光体ドラム2a〜5aに対応させて配置した4個の転写ローラ10a〜10dと、転写材としての用紙Pに転写するための第2転写ローラ11を巡って矢印方向に周回駆動される。テンションローラ9は印刷期間では図においてスプリング(図示せず)によって付勢され右下に位置を移動することで中間転写ベルト7に張力を付与する。また非印刷期間では中間転写ベルト7と各ローラが長時間同じ位置で巻き付くことで巻癖が付かないようにテンションローラ9による中間転写ベルト7への張力の付与を解除している。
【0025】
中間転写ベルト7の表面には画像形成ユニット2〜5の感光体ドラム2a〜5aによってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が付着しカラー画像が形成される。そして、このトナーによるカラー画像は第2転写ローラ11と押圧ローラ12との間のニップ力によって用紙Pに転写される。用紙Pは、中間転写ベルト7の下側に配置された用紙トレイ13から繰り出される。そして、用紙Pは定着器14に供給されてトナー像を定着した後に排紙される。
【0026】
ここで、図2の(a)において、中間転写ベルト7の移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラム5aと中間転写ベルト7の転写点Aから、中間転写ベルト7と用紙Pの転写点Bまでの中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1とした場合にL1≧Lであるときを考える。
【0027】
すると、中間転写ベルト7上のトナー像の中間転写ベルト7の移動方向におけるの後端が転写点Aを通過するときに中間転写ベルト7上のトナー像の先端は転写点Bへ到達しているため、中間転写ベルト7上に転写されたトナー像の後端が転写点Bに到達する前に転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触を解除すると、転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する中間転写ベルト7の状態の変化により、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへの転写する際に転写ズレが起きる。
【0028】
そこで、本カラー画像形成装置は、図2に示すように、L1<Lを満たすように設定している。このため、中間転写ベルト7上に転写されたトナー像の中間転写ベルト7の移動方向における後端が転写点Aを通過した後、中間転写ベルト7上のトナー像の先端が転写点Bへ到達しておらず、中間転写ベルト7上のトナー像の先端が転写点Bへ到達するまでにインターバルができる。このインターバルにおいて、図2の(b)に示すように、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後、転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触解除が開始され、中間転写ベルト7上に形成されたトナー像の先端が転写点Bに達するよりも速く接触解除が完了する。
【0029】
また、テンションローラ9は感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後も中間転写ベルト7を付勢しつづけ、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写完了後、付勢を解除する。このため、転写ローラ10a〜10dが移動する間に中間転写ベルト7上のトナー像は用紙Pに転写されず、且つテンションローラ9の付勢が解除された後に中間転写ベルト7上のトナー像は用紙Pに転写されないので転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する、あるいはテンションが解除されたことにより発生する中間転写ベルト7の状態の変化は、中間転写ベルト7上のトナー像の用紙Pへの転写に影響しない。
【0030】
これにより、一枚印刷において、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後、用紙Pへの転写ズレを生じることなく、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写完了前に感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルトの接触を解除できる。
【0031】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2によるカラー画像形成装置の転写部の構成図である。このカラー画像形成装置の基本的な構成は、本発明の実施の形態1で説明したカラー画像形成装置と同じであるのでここでは省略する。
【0032】
図3の(a)において、中間転写ベルト7の移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラム5aと中間転写ベルト7の転写点Aから、中間転写ベルト7と用紙Pの転写点Bまでの中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1、複数の用紙に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の用紙の後端とm+1枚目の用紙の先端の距離をL2とした場合に、L1<L<L1+L2でないときを考える。
【0033】
すると、例えばL1を29.7cmとし、L2を5cmとした場合に、LがL1(29.7cm)より小さい25cmとすれば、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Aを通過するときに中間転写ベルト7上のトナー像の先端は転写点Bへ到達している。したがって、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Bに到達する前に転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触を解除すると、転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する中間転写ベルト7の状態の変化により、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写する際に転写ズレが起きる。
【0034】
また、LがL1(29.7cm)+L2(5cm)より大きい35cmとすれば、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Aを通過するときに中間転写ベルト7上の最終よりも前の用紙Pに印刷されるトナー像の後端が転写点Bに到達していない。したがって、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Bに到達する前に転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触を解除すると、転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する中間転写ベルト7の状態の変化により、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写する際に転写ズレが起きる。
【0035】
よって、L1<L且つL1+L2、つまり図3に示すようにL1<L<L1+L2を満たすように設定すれば、最終の用紙P0に印刷される中間転写ベルト7上に転写されたトナー像の中間転写ベルト7の移動方向における後端が転写点Aを通過したとき、最終の用紙P0に印刷される中間転写ベルト7上のトナー像の先端は転写点Bへ到達しておらず、且つ最終よりも前の用紙Pに印刷される中間転写ベルト7上のトナー像の後端は転写点Bを通過しており、最終の用紙P0に印刷される中間転写ベルト7上に転写されたトナー像の後端が転写点Aを通過した後、最終の用紙P0に印刷される中間転写ベルト7上のトナー像の先端が転写点Bへ到達するまでにインターバルができる。
【0036】
このインターバルにおいて、図3の(b)に示すように、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後、転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し転写ローラ10a〜10dと中間転写ベルト7の接触解除が開始され、中間転写ベルト7上に形成されたトナー像の先端が転写点Bに達するよりも速く接触解除が完了する。また、テンションローラ9は感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後も中間転写ベルト7を付勢しつづけ、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙P0へ転写完了後、付勢を解除する。
【0037】
このため、転写ローラ10a〜10dが移動する間に中間転写ベルト7上のトナー像は用紙P0に転写されず、且つテンションローラ9の付勢が解除された後に中間転写ベルト7上のトナー像は用紙P0に転写されないので転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する、あるいはテンションが解除されたことにより発生する中間転写ベルト7の状態の変化は中間転写ベルト7上のトナー像の用紙P0への転写に影響しない。
【0038】
これにより、一枚印刷のみでなく二枚以上の連続印刷においても、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト上7上に転写完了後、用紙P0への転写ズレを生じることなく、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙P0へ転写完了前に感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルトの接触を解除できる。
【0039】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3によるカラー画像形成装置の転写部の構成図である。このカラー画像形成装置の基本的な構成は、本発明の実施の形態1で説明したカラー画像形成装置と同じであるのでここでは省略する。
【0040】
図4の(a)において、中間転写ベルト移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラム2aと中間転写ベルトの転写点Aから、中間転写ベルト7の移動方向における中間転写ベルトと用紙との転写点Bまでの中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1、複数の用紙に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の用紙の後端とm+1枚目の用紙の先端の距離をL2、任意の正の整数をn(図4ではn=2である)とした場合に、(L1+L2)n−L2<L<(L1+L2)nでないときを考える。
【0041】
すると、例えばL1を29.7cmとし、L2を5cm、nを2とした場合に、Lが(L1+L2)n−L2=64.4cmより小さい62cmとすれば、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Aを通過するときに中間転写ベルト7上の最終よりn−1枚前の用紙Pn-1に印刷されるトナー像の先端が転写点Bへ到達している。
【0042】
したがって、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Bに到達する前に転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し、感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触を解除すると、転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する中間転写ベルト7の状態の変化により、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写する際に転写ズレが起きる。
【0043】
また、Lが(L1+L2)n=69.4より大きい72cmとすれば、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Aを通過するときに中間転写ベルト7上の最終よりn−2枚前の用紙Pn-2に印刷されるトナー像の後端が転写点Bへ到達していない。
【0044】
したがって、中間転写ベルト7上の最終の用紙P0に印刷されるトナー像の後端が転写点Bに到達する前に転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し、感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルト7の接触を解除すると、転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する中間転写ベルト7の状態の変化により、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙Pへ転写する際に転写ズレが起きる。
【0045】
よって、(L1+L2)n−L2且つL<(L1+L2)n、つまり図4に示すように(L1+L2)n−L2<L<(L1+L2)nを満たすように設定すれば、最終の用紙P0に印刷される中間転写ベルト7上に転写されたトナー像の中間転写ベルト7の移動方向における後端が転写点Aを通過したとき、中間転写ベルト7上のトナー像の最終よりn−1枚前の用紙Pn-1に印刷される先端は転写点Bへ到達しておらず、且つ中間転写ベルト7上のトナー像の最終よりn−2枚前の用紙Pn-2に印刷される後端は転写点Bを通過しており、最終の用紙P0に印刷される中間転写ベルト7上に転写されたトナー像の後端が転写点Aを通過した後、中間転写ベルト7上のトナー像の最終よりn−1枚前の用紙Pn-1に印刷される先端が転写点Bへ到達するまでにインターバルができる。
【0046】
このインターバルにおいて、図4の(b)に示すように、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後、転写ローラ10a〜10dが矢印方向に移動し転写ローラ10a〜10dと中間転写ベルト7の接触解除が開始され、中間転写ベルト7上に形成された最終よりn−1枚前の用紙Pn-1に印刷されるトナー像の先端が転写点Bに達するよりも速く接触解除が完了する。また、テンションローラ9は感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト7上に転写完了後も中間転写ベルト7を付勢しつづけ、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙P0へ転写完了後、付勢を解除する。
【0047】
このため、転写ローラ10a〜10dが移動する間に中間転写ベルト7上のトナー像は用紙P0に転写されず、且つテンションローラ9の付勢が解除された後に中間転写ベルト7上のトナー像は用紙P0に転写されないので転写ローラ10a〜10dが移動する間に発生する、あるいはテンションが解除されたことにより発生する中間転写ベルト7の状態の変化は中間転写ベルト7上のトナー像の用紙P0への転写に影響しない。
【0048】
これにより、一枚印刷のみでなく二枚以上の連続印刷においても、感光体ドラム2a〜5a上のトナー像が中間転写ベルト上7上に転写完了後、用紙P0への転写ズレを生じることなく、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙P0へ転写完了前に感光体ドラム2a〜5aと中間転写ベルトの接触を解除できる。
【0049】
図5は、画像形成ユニット寿命実験結果である。特に、一枚おきに印刷する一枚間欠において、従来の技術における装置に比べ本実施の形態における装置の方が画像形成ユニットの寿命に関して有利である。二枚づつ繰り返し印刷する二枚間欠、三枚づつ繰り返し印刷する三枚印字と間欠数が増えるほど効果は小さくなるが、従来の技術における装置に比べ本実施の形態における装置の方が画像形成ユニットの寿命に関して有利である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了する前に、感光体ドラムと中間転写ベルトとの接触を解除することができるという有効な効果が得られる。また、中間転写ベルト上のトナー像が転写材へ転写完了する前に、感光体ドラムと中間転写ベルトとの接触を解除することができるため、感光体ドラム上のトナー像が中間転写ベルトに転写完了後直ちに感光体ドラムの回転を停止させることができ、中間転写ベルトおよび感光体ドラムを含む画像形成ユニットの寿命を長くすることのできるカラー画像形成装置が得られるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるカラー画像形成装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態1によるカラー画像形成装置の転写部の構成図
【図3】本発明の実施の形態2によるカラー画像形成装置の転写部の構成図
【図4】本発明の実施の形態3によるカラー画像形成装置の転写部の構成図
【図5】本発明の実施の形態3によるカラー画像形成装置と従来のカラー画像形成装置の画像形成ユニットの寿命に関する予測図
【図6】従来のカラー画像形成装置の構成図
【符号の説明】
2,3,4,5 画像形成ユニット
2a,3a,4a,5a 感光体ドラム
7 中間転写ベルト
9 テンションローラ
10a,10b,10c,10d 転写ローラ
11 第2転写ローラ
P 用紙
L 中間転写ベルト移動方向に関して最も下流側に位置する感光体ドラムと中間転写ベルトの転写点から中間転写ベルトと転写材の転写点までの中間転写ベルト長
L1 画像を形成し得る最大印刷長
L2 複数の前記転写材に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の転写材の後端とm+1枚目の転写材の先端の距離
Claims (5)
- トナー像を担持する感光体ドラムを含んで複数配列され、それぞれトナー色の異なる画像を形成する画像形成ユニットと、
回転している前記感光体ドラムに接触可能に配置され、その一部が前記感光体ドラムに沿って回転することで前記トナー像が転写されるエンドレスの中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトのループ内に配置され、前記感光体ドラム側に向けて前記中間転写ベルトをそれぞれ付勢し、前記感光体ドラム上のトナー像を前記中間転写ベルトに転写する転写ローラと、
前記中間転写ベルトにテンションを付与するテンションローラと、
前記中間転写ベルトに接し、前記中間転写ベルト上のトナー像が転写されるシート状の転写材と、
前記中間転写ベルトのループ内に配置され、前記中間転写ベルトを前記転写材に押圧し、前記中間転写ベルト上のトナー像を前記転写材に転写する転写手段と、
前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像の前記中間転写ベルトの移動方向における後端が、前記中間転写ベルトの移動方向に関して最も下流に位置する前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの転写点を通過した後であって、前記中間転写ベルト上に転写されたトナー像の前記中間転写ベルトの移動方向における先端が前記中間転写ベルトと転写材の転写点に達する前に、前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの接触を解除し前記感光体ドラムの回転を停止する解除手段とを備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 前記中間転写ベルトの移動方向に関して最も下流側に位置する前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの転写点から、前記中間転写ベルトの移動方向における前記中間転写ベルトと前記転写材の転写点までの前記中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1とした場合に、
L1<Lを満たすことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。 - 前記中間転写ベルトの移動方向に関して最も下流側に位置する前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの転写点から、前記中間転写ベルトの移動方向における前記中間転写ベルトと前記転写材の転写点までの前記中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1、複数の前記転写材に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の転写材の後端とm+1枚目の転写材の先端との間の距離をL2とした場合に、
L1<L<L1+L2を満たすことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。 - 前記中間転写ベルトの移動方向に関して最も下流側に位置する前記感光体ドラムと前記中間転写ベルトの転写点から、前記中間転写ベルトの移動方向における前記中間転写ベルトと前記転写材の転写点までの前記中間転写ベルト長をL、本装置で形成し得る画像の最大印刷長をL1、複数の前記転写材に連続してトナー像を転写する場合におけるm枚目の転写材の後端とm+1枚目の転写材の先端との間の距離をL2、任意の正の整数をnとした場合に、
(L1+L2)n−L2<L<(L1+L2)nを満たすことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。 - 前記中間転写ベルトと前記感光体ドラムの接触が解除された後も引き続き、前記中間転写ベルトのテンションが保持されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
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