JP4470271B2 - 燃料電池および燃料電池装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池および燃料電池装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、次世代のエネルギー源として、燃料電池が注目されている。この燃料電池は、二種類の電極、燃料極と酸素極とを有しており、燃料極で燃料を酸化し、酸素極で酸素を還元することにより、電気を発生させる。
このような燃料電池では、現在、電池出力の向上が大きな課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電池出力の向上を図ることができる燃料電池、およびかかる燃料電池を備えた燃料電池装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0005】
(1) 燃料を拡散させる燃料拡散層と、該燃料拡散層に接合され、燃料を反応させる燃料反応層とを備えた燃料極と、酸素を拡散させる酸素拡散層と、該酸素拡散層に接合され、酸素を反応させる酸素反応層とを備えた酸素極と、前記燃料極と前記酸素極との間に設けられた電解質層とを有する燃料電池であって、
前記燃料極には水素ガスが供給され、前記酸素極には加湿された酸素ガスが供給されるよう構成されており、
前記燃料反応層は、前記燃料拡散層と前記電解質層との間に設けられており、
前記燃料拡散層は、前記電解質層側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する燃料極内側撥水性材料含有層と、前記燃料極内側撥水性材料含有層と反対側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する燃料極外側撥水性材料含有層とを有し、
前記酸素反応層は、前記酸素拡散層と前記電解質層との間に設けられており、
前記酸素拡散層は、前記電解質層側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する酸素極内側撥水性材料含有層と、前記酸素極内側撥水性材料含有層と反対側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する酸素極外側撥水性材料含有層とを有し、
前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性が前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性よりも高いことを特徴とする燃料電池。
【0008】
(2) 前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量が、前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量よりも大きい上記(1)に記載の燃料電池。
【0009】
(3) 前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量は、前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量よりも、5wt%以上大きい上記(2)に記載の燃料電池。
【0010】
(4) 前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量は、20〜80wt%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の燃料電池。
【0011】
(5) 前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量は、15〜65wt%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の燃料電池。
【0012】
(6) 前記燃料極内側撥水性材料含有層および前記酸素極内側撥水性材料含有層は、いずれも導電性材料を含有し、前記燃料極内側撥水性材料含有層の導電性材料は、前記酸素極内側撥水性材料含有層の導電性材料よりも撥水性が高い上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の燃料電池。
【0013】
(7) 前記燃料極内側撥水性材料含有層および前記酸素極内側撥水性材料含有層は、それぞれ、粒子状の導電性材料に前記撥水性の材料を担持させたもので構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の燃料電池。
【0016】
(8) 前記燃料拡散層表面の水との接触角は、前記酸素拡散層表面の水との接触角よりも、5°以上大きい上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の燃料電池。
【0017】
(9) 前記燃料拡散層表面の水との接触角は、100〜160°である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の燃料電池。
【0018】
(10) 前記酸素拡散層表面の水との接触角は、90〜150°である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の燃料電池。
【0020】
(11) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の燃料電池を備えたことを特徴とする燃料電池装置。
【0021】
(12) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の燃料電池を収納した電池本体と、前記燃料電池の燃料極に水素ガスを供給する燃料供給手段と、前記燃料電池の酸素極に酸素ガスを含有する気体を供給する酸素供給手段と、前記酸素極に水を供給する水供給手段とを有することを特徴とする燃料電池装置。
【0023】
【発明の実施の形態】
燃料電池の電池出力を向上させる上で、重要となるのは、燃料電池内の水のバランスである。前述したように、燃料電池では、燃料極で燃料を酸化し、酸素極で酸素を還元することにより、電気を発生させる。このとき、酸素極では、水が発生する。また、燃料極では、水素イオンが発生する。この水素イオンは、水分子を引きつれて酸素極に移動する。このため、発電中の燃料電池では、酸素極では水が増大し、水素極では水が減少する傾向にある。そして、酸素極で水が過多になると、酸素極内に酸素が入りにくくなり、酸素極への酸素の供給が不十分となる。また、燃料極で水が過少になると、水素イオンの発生効率が低下する。このため、燃料電池の電池出力が低下する。
【0024】
本発明者は、燃料電池のこのような電池出力低下のメカニズムに着目した。そして、本発明者は、燃料電池内の水のバランスを上手く保ち、酸素極内でも燃料極内でも水の量を適切に保てれば、燃料電池の電池出力の低下を防止し、電池出力の向上を図れると考え、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
[1]燃料電池の概要
図1は、本発明の燃料電池の実施形態を示す模式的な縦断面図である。
【0026】
同図に示すように、本発明の燃料電池1は、燃料反応層41と燃料拡散層42とを備える燃料極4と、酸素反応層51と酸素拡散層52とを備える酸素極5と、かかる燃料極4と酸素極5との間に設けられ、燃料反応層41と酸素反応層51とに接する電解質層3と、燃料極4に接する燃料極側電池枠7と、酸素極5に接する酸素極側電池枠8とを有している。また、燃料拡散層42は、燃料拡散層核部421と燃料極外側撥水性材料含有層422と燃料極内側撥水性材料含有層423とを有している。さらには、酸素拡散層52は、酸素拡散層核部521と酸素極外側撥水性材料含有層522と酸素極内側撥水性材料含有層523とを有している。
【0027】
この燃料電池1では、電解質層3と、この電解質層3の一方の面に接合された燃料反応層41と、電解質層3の他方の面に接合された酸素反応層51とで、化学反応を起こして電気を発生させる部分である反応部21が構成されている。また、燃料電池1では、燃料極4と、酸素極5と、かかる燃料極4と酸素極5との間に設けられた電解質層3とで、積層体29が構成されている。
なお、本明細書では、説明の便宜上、燃料電池1において、電解質層3に相対的に近い位置を「内側」、電解質層3から相対的に遠い位置を「外側」という。
【0028】
図1に示す燃料電池1は、水素を燃料とする燃料電池であり、燃料極4に水素を供給して水素を酸化し、酸素極5に空気を供給してかかる空気中の酸素を還元することにより、電気を発生させることができる。
【0029】
本発明の燃料電池1では、燃料拡散層42の撥水性を、酸素拡散層52の撥水性よりも高くした。より具体的には、本実施形態の燃料電池1では、燃料極内側撥水性材料含有層423および燃料極外側撥水性材料含有層422の撥水性を酸素極内側撥水性材料含有層523および酸素極外側撥水性材料含有層522の撥水性よりも高くすることにより、燃料拡散層42の撥水性を、酸素拡散層52の撥水性よりも高くした。
【0030】
これにより、燃料電池1では、燃料電池1内の水のバランスを、発電に適した状態に保つことができるようになる。しかも、本発明の燃料電池1のように、燃料拡散層42および酸素拡散層52の撥水性を調節すると、燃料反応層41および酸素反応層51の電気抵抗を増大させずに、燃料電池1内の水のバランスを、発電に適した状態に保つことができるようになる。
以下、燃料電池1を、各構成要素ごとに詳細に説明する。
【0031】
[2]燃料極4
燃料極(負極;アノード)4は、外側から順に、燃料極外側撥水性材料含有層422と燃料拡散層核部421と燃料極内側撥水性材料含有層423とを有する燃料拡散層42と、かかる燃料拡散層42に接合された燃料反応層41とで構成されている。
【0032】
[2.1]燃料拡散層42
燃料拡散層42は、燃料極4に供給された水素を拡散させ、燃料反応層41に供給される水素の供給ムラを低減する機能を有している。また、燃料拡散層42は、燃料反応層41で発生した電気の通り道ともなっている。さらには、この燃料拡散層42は、後述する酸素拡散層52とともに、燃料電池1内の水のバランスを発電に適した状態に保つ役割を担っている。
【0033】
かかる観点から、本実施形態の燃料電池1では、燃料拡散層42の両面に、撥水性の材料を含有する層を設けた。これにより、前述した効果がより効果的に得られるようになる。なお、本明細書では、説明の便宜上、撥水性の材料を含有する層を、通常、「撥水性材料含有層」という。
以下、燃料拡散層42を、より具体的に説明する。
【0034】
図1に示すように、燃料拡散層42は、燃料拡散層42の主要部をなす燃料拡散層核部(核層)421の両面に、撥水性材料含有層を、それぞれ設けた構成となっている。本明細書では、説明の便宜上、通常、燃料拡散層42の外側に設けられた撥水性材料含有層を「燃料極外側撥水性材料含有層422」と、燃料拡散層42の内側に設けられた撥水性材料含有層を「燃料極内側撥水性材料含有層423」という。
【0035】
換言すれば、燃料拡散層42は、燃料拡散層核部421の外側の面に燃料極外側撥水性材料含有層422が、燃料拡散層核部421の内側の面に燃料極内側撥水性材料含有層423が、それぞれ設けられた構成となっている。
【0036】
[2.1.1]燃料拡散層核部421
燃料拡散層核部421は、燃料拡散層42の主要部分をなしている。この燃料拡散層核部421内で、燃料極4に供給された水素は、好適に拡散される。また、燃料拡散層核部421は、燃料反応層41で発生した電気の通り道ともなっている。さらには、燃料拡散層核部421は、燃料電池1の強度を向上させる機能を有している。
【0037】
この燃料拡散層核部421は、例えば、炭素繊維織物(例えばカーボンクロス、カーボンフェルトなど)、カーボンペーパー等の多孔質炭素材料などに代表される多孔質性の導電性材料などで構成されている。これにより、燃料拡散層核部421は、前述した機能を好適に発揮できるようになる。
【0038】
その中でも特に、燃料拡散層核部421は、カーボンクロス、カーボンフェルトなどの炭素繊維織物で構成することが好ましい。炭素繊維織物は、水素の拡散性に優れている。また、炭素繊維織物は、燃料電池1の強度向上という点でも優れている。
【0039】
この燃料拡散層核部421の厚さは、特に限定されないが、50〜2000μm程度とすることが好ましく、100〜800μm程度とすることがより好ましい。燃料拡散層核部421が薄すぎると、燃料電池1の強度が低下する場合がある。また、燃料拡散層核部421が薄すぎると、燃料拡散層核部421は、水素ガスを効率よく拡散させられなくなる場合がある。一方、燃料拡散層核部421が厚すぎると、燃料反応層41への水素ガスの供給効率が低下する場合がある。
【0040】
[2.1.2]燃料極内側撥水性材料含有層423
燃料極内側撥水性材料含有層423は、燃料極外側撥水性材料含有層422とともに、燃料拡散層42の撥水性を調整する上で重要な役割を担っている。また、燃料極内側撥水性材料含有層423は、水素ガスおよび電気の通り道となっている。
【0041】
このような観点から、本実施形態の燃料電池1の燃料極内側撥水性材料含有層423は、撥水性を有する材料(本明細書では、通常、単に「撥水性材料」という)と導電性材料とを含有している。燃料極内側撥水性材料含有層423が撥水性材料を含有することにより、後述する効果が好適に得られるように、燃料極内側撥水性材料含有層423および燃料拡散層42の撥水性を調整することが容易となる。また、燃料極内側撥水性材料含有層423が導電性材料(例えば炭素粉末等の炭素材料など)を含有することにより、燃料拡散層42は、優れた導電性が得られる。
【0042】
このような燃料極内側撥水性材料含有層423は、粒子状の導電性材料(例えば炭素粉末など)に撥水性材料を担持させた構成とすることが好ましい。これにより、水素ガスが燃料極内側撥水性材料含有層423を好適に透過できるようになる。導電性材料が粒子状の場合、その平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜0.1μm程度とすることが好ましい。
【0043】
燃料極内側撥水性材料含有層423に含有させる撥水性材料としては、例えば、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)、フッ化炭素等のフッ素材料、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレンなどが挙げられる。
【0044】
その中でも特に、燃料極内側撥水性材料含有層423に用いる撥水性材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂が好ましい。これにより、燃料極内側撥水性材料含有層423は、比較的低い撥水性材料の含有量で比較的高い撥水性が得られるようになる。このため、燃料極内側撥水性材料含有層423に導電性材料を比較的多く含有させることができるようになり、燃料拡散層42の導電性を向上させやすくなる。特に、燃料極内側撥水性材料含有層423に用いる撥水性材料にポリテトラフルオロエチレンを用いると、燃料極内側撥水性材料含有層423の水素ガス透過性が向上する。
【0045】
このような燃料極内側撥水性材料含有層423の厚さは、特に限定されないが、2〜100μm程度とすることが好ましく、5〜50μm程度とすることがより好ましい。これにより、燃料極内側撥水性材料含有層423は、前述した機能、効果を、より好適に発揮できるようになる。
【0046】
[2.1.3]燃料極外側撥水性材料含有層422
前述したように、燃料極外側撥水性材料含有層422は、燃料極内側撥水性材料含有層423とともに、燃料拡散層42の撥水性を調整する上で重要な役割を担っている。また、燃料極外側撥水性材料含有層422は、水素ガスおよび電気の通り道となっている。
【0047】
この燃料極外側撥水性材料含有層422に用いられる材料、厚さ等、燃料極外側撥水性材料含有層422の好ましい条件については、燃料極内側撥水性材料含有層423で述べたことと同様のことが言えるので、説明を省略する。
【0048】
本実施形態の燃料電池1では、以上述べた燃料極外側撥水性材料含有層422、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性が、後述する酸素拡散層52の撥水性材料含有層よりも高い。これに関する事項については、酸素極5を説明した後、詳しく述べる。
【0049】
[2.2]燃料反応層41
燃料反応層41は、水素の酸化を促進する触媒を含有しており、燃料である水素を酸化することができる。
【0050】
この燃料反応層41は、水素の酸化を促進する触媒と、必要に応じて、触媒を担持する担体と、イオン交換樹脂とを含有している。
【0051】
この触媒には、例えば、白金族金属(白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)など)、金(Au)などの遷移金属、これらの金属の合金、これらの金属と他の金属との合金などが用いられる。
【0052】
その中でも特に、燃料反応層41の触媒には、白金または白金合金を用いることが好ましい。白金および白金合金は、水素の酸化促進作用に優れている。したがって、燃料極4の触媒に白金または白金合金を用いると、燃料電池1は、燃料極4で水素を効率よく酸化できるようになり、電池出力が向上する。
【0053】
このような触媒は、粒子(微粒子)状とすることが好ましい。これにより、触媒の比表面積が増大し、水素の酸化効率が向上する。
この場合、触媒粒子の平均粒径は、特に限定されないが、1〜1000nm程度とすることが好ましい。また、触媒粒子の比表面積は、5〜300m2/g程度とすることが好ましい。これにより、水素の酸化効率がより向上する。
【0054】
触媒を粒子状とする場合には、かかる触媒は、担体に担持するとよい。これにより、燃料反応層41は、触媒を好適に保持できるようになる。
このような触媒の担体には、例えば、炭素粉末等の炭素材料などを用いることができる。炭素材料は、担体の担持力に優れている。また、触媒を炭素材料に担持させると、燃料反応層41の導電性が向上し、燃料電池1の内部抵抗が低下する。このため、燃料電池1の電池出力が向上する。
触媒の担体に炭素粉末等の粒子状の担体を用いる場合、その平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜1μm程度とすることが好ましい。これにより、担体は、触媒が優れた触媒活性を発揮できるように、触媒を担持できる。
【0055】
燃料反応層41は、イオン交換樹脂を含有することが好ましい。これにより、燃料反応層41で生じた水素イオンは、電解質層3内に円滑に移動できるようになる。このため、燃料電池1は、電気をより効率よく発生させることができるようになる。
このようなイオン交換樹脂には、後述する電解質層3の説明で挙げるものと同様のものを用いることができる。
【0056】
このような燃料反応層41は、触媒の種類、副材(担体、イオン交換樹脂)の有無、種類等によっても若干異なるが、触媒を、1〜80wt%程度含有することが好ましく、10〜50wt%程度含有することがより好ましい。触媒含有量が少なすぎると、燃料反応層41は水素を十分に酸化できず、電池出力が低下する場合がある。
【0057】
また、燃料反応層41に触媒を担持する担体を含有させる場合、燃料反応層41は、触媒の種類、含有量等によっても若干異なるが、担体を、5〜60wt%程度含有することが好ましく、10〜40wt%程度含有することがより好ましい。これにより、担体は、触媒をより好適に担持できるようになる。しかも、燃料反応層41の導電性が向上する場合が多い。
【0058】
また、燃料反応層41にイオン交換樹脂を含有させる場合、燃料反応層41は、触媒の種類、含有量等によっても若干異なるが、イオン交換樹脂を、5〜60wt%程度含有することが好ましく、10〜40wt%程度含有することがより好ましい。これにより、水素イオンが電解質層3内に、より円滑に移動できるようになる。
【0059】
このような燃料反応層41の厚さは、燃料反応層41を構成する材料によっても若干異なるが、1〜100μm程度とすることが好ましく、1〜50μm程度とすることがより好ましい。燃料反応層41を厚くしすぎると、水素、水素イオン等が燃料反応層41内を移動しにくくなる場合がある。
【0060】
[3]電解質層3
電解質層3は、電解質を有しており、水素イオンの移動媒体としての機能を有している。
【0061】
この電解質層3は、例えば、ナフィオン(登録商標)等のイオン交換樹脂(固体電解質)、硫酸等の電解質溶液を保水性材料(例えば織布、不織布、紙など)に担持(含浸)させたものなどで構成することができる。
本発明の燃料電池1では、電解質層3をイオン交換樹脂で構成すると、燃料電池の電池出力が特に向上する。
【0062】
この電解質層3の厚さは、特に限定されないが、1〜1000μm程度とすることが好ましく、10〜100μm程度とすることがより好ましい。電解質層3を厚くしすぎると、電解質層3内を水素イオンが移動しにくくなり、電池出力の低下を引き起こす場合がある。一方、電解質層3を薄くしすぎると、酸素極への水素の透過が著しくなり、出力電圧の低下を引き起こす場合がある。また、積層体29の機械的強度が相対的に低下し、燃料電池1を車等に搭載した場合、震動条件によっては、電解質層3が断裂する可能性もある。
【0063】
[4]酸素極5
酸素極(正極;カソード)5は、外側から順に、酸素極外側撥水性材料含有層522と酸素拡散層核部521と酸素極内側撥水性材料含有層523とを有する酸素拡散層52と、かかる酸素拡散層52に接合された酸素反応層51とで構成されている。
【0064】
[4.1]酸素拡散層52
酸素拡散層52は、酸素極5に供給された酸素を拡散させ、酸素反応層51に供給される酸素の供給ムラを低減する機能を有している。また、酸素拡散層52は、酸素反応層51への電気の通り道ともなっている。さらには、この酸素拡散層52は、燃料拡散層42とともに、燃料電池1内の水のバランスを発電に適した状態に保つ役割を担っている。
【0065】
かかる観点から、本実施形態の燃料電池1では、酸素拡散層52の両面に、撥水性材料含有層を設けた。これにより、前述した効果がより効果的に得られるようになる。
以下、酸素拡散層52を、より具体的に説明する。
【0066】
図1に示すように、酸素拡散層52は、酸素拡散層52の主要部をなす酸素拡散層核部(核層)521の両面に、撥水性材料含有層を、それぞれ設けた構成となっている。本明細書では、説明の便宜上、通常、酸素拡散層52の外側に設けられた撥水性材料含有層を「酸素極外側撥水性材料含有層522」と、酸素拡散層52の内側に設けられた撥水性材料含有層を「酸素極内側撥水性材料含有層523」という。
【0067】
換言すれば、酸素拡散層52は、酸素拡散層核部521の外側の面に酸素極外側撥水性材料含有層522が、酸素拡散層核部521の内側の面に酸素極内側撥水性材料含有層523が、それぞれ設けられた構成となっている。
【0068】
[4.1.1]酸素拡散層核部521
酸素拡散層核部521は、酸素拡散層52の主要部分をなしている。この酸素拡散層核部521内で、酸素極5に供給された酸素は、好適に拡散される。また、酸素拡散層核部521は、酸素反応層51への電気の通り道ともなっている。さらには、酸素拡散層核部521は、燃料電池1の強度を向上させる機能を有している。
【0069】
この酸素拡散層核部521に用いられる材料、厚さ等、酸素拡散層核部521の好ましい条件については、燃料拡散層核部421で述べたことと同様のことが言えるので、説明を省略する。
【0070】
[4.1.2]酸素極内側撥水性材料含有層523
酸素極内側撥水性材料含有層523は、酸素極外側撥水性材料含有層522とともに、酸素拡散層52の撥水性を調整する上で重要な役割を担っている。また、酸素極内側撥水性材料含有層523は、酸素ガスおよび電気の通り道となっている。
【0071】
この酸素極内側撥水性材料含有層523に用いられる材料、厚さ等、後述する事項以外の好ましい条件については、燃料極内側撥水性材料含有層423で述べたことと同様のことが言えるので、説明を省略する。
【0072】
[4.1.3]酸素極外側撥水性材料含有層522
前述したように、酸素極外側撥水性材料含有層522は、酸素極内側撥水性材料含有層523とともに、酸素拡散層52の撥水性を調整する上で重要な役割を担っている。また、酸素極外側撥水性材料含有層522は、酸素ガスおよび電気の通り道となっている。
【0073】
この酸素極外側撥水性材料含有層522に用いられる材料、厚さ等、酸素極外側撥水性材料含有層522の好ましい条件については、酸素極内側撥水性材料含有層523で述べたことと同様のことが言えるので、説明を省略する。
【0074】
前述したように、本実施形態の燃料電池1では、酸素極外側撥水性材料含有層522、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性よりも、燃料極外側撥水性材料含有層422、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性の方が、高い。これに関する事項については、酸素反応層51を説明した後、詳しく述べる。
【0075】
[4.2]酸素反応層51
酸素反応層51は、酸素の還元を促進する触媒を含有しており、酸素を還元することができる。
【0076】
この酸素反応層51は、酸素の還元を促進する触媒と、必要に応じて、触媒を担持する担体と、イオン交換樹脂とを含有している。
【0077】
この触媒には、例えば、白金族金属(白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)など)、金(Au)などの遷移金属、これらの金属の合金、これらの金属と他の金属との合金などが用いられる。
【0078】
その中でも特に、酸素反応層51の触媒には、白金または白金合金を用いることが好ましい。白金および白金合金は、酸素の還元促進作用に優れている。したがって、酸素極5の触媒に白金または白金合金を用いると、燃料電池1は、酸素極5で酸素を効率よく還元できるようになり、電池出力が向上する。
【0079】
このような触媒は、粒子(微粒子)状とすることが好ましい。これにより、触媒の比表面積が増大し、酸素の還元効率がより向上する。この場合の酸素反応層51の触媒の好ましい条件(平均粒径、比表面積等)については、燃料反応層41の説明で述べたのと同様のことが言える。
【0080】
触媒を粒子状とする場合には、かかる触媒は、担体に担持するとよい。これにより、酸素反応層51は、触媒を好適に保持できるようになる。この担体については、燃料反応層41の説明で述べたことと同様のことが言える。
【0081】
また、酸素反応層51は、イオン交換樹脂を含有することが好ましい。これにより、電解質層3から移動してきた水素イオンが、酸素反応層51内に円滑に移動できるようになる。このため、燃料電池1は、電気をより効率よく発生させることができるようになる。このイオン交換樹脂については、燃料反応層41の説明で述べたことと同様のことが言える。
【0082】
酸素反応層51が含有する触媒、担体、イオン交換樹脂の含有量、酸素反応層51の厚さ等、酸素反応層51の好ましい条件については、燃料反応層41で述べたことと同様のことが言えるので、説明を省略する。
【0083】
[4.3]燃料拡散層42の撥水性と酸素拡散層52の撥水性の相違
[4.3.1]
燃料電池1は、燃料反応層41で水素を酸化し、酸素反応層51で酸素を還元することにより、電気を発生させる。このとき、酸素反応層51では、水が発生する。また、燃料反応層41では、水素イオンが発生する。この水素イオンは、水分子を引きつれて、電解質層3を通り、酸素反応層51内に移動する。
【0084】
このため、燃料電池1は、作動中、燃料反応層41では水が減少し、酸素反応層51では水が増大する傾向にある。ところが、酸素反応層51で水が過多になると、酸素は、酸素拡散層52から酸素反応層51内に移動しにくくなる。すなわち、酸素反応層51で水が過多になると、酸素反応層51に酸素が供給されにくくなる。また、燃料反応層41で水が過少になると、水素イオンの発生効率が低下する。
【0085】
したがって、効率よく電気を発生させるためには、燃料電池1では、酸素反応層51中の水の量が過度に増大するのを防止し、燃料反応層41中の水の量が過度に減少するのを防止する必要がある。
【0086】
そこで、本発明の燃料電池1では、燃料拡散層42の撥水性を、酸素拡散層52の撥水性よりも高くした。
【0087】
燃料拡散層42の撥水性を酸素拡散層52の撥水性よりも高くすると、すなわち、酸素拡散層52の撥水性を燃料拡散層42の撥水性よりも低くすると、酸素反応層51中の水は、酸素拡散層52を通って、酸素極5の外に効率よく排出されるようになる。また、燃料反応層41中の水は、燃料拡散層42内に進入しにくく、さらには、燃料拡散層42内を通り抜けにくくなる。このため、燃料反応層41内では、水が留まりやすくなる。
【0088】
したがって、本発明の燃料電池1では、酸素反応層51中の水の量が過度に増大することが防止され、しかも、燃料反応層41中の水の量が過度に減少することが防止されるようになる。このため、本発明の燃料電池1では、燃料反応層41および酸素反応層51で反応が効率よく進むようになり、電池出力が向上する。
【0089】
しかも、燃料拡散層42および酸素拡散層52の撥水性を調整すると、燃料反応層41および酸素反応層51の撥水性をあまり調整しなくても、燃料電池1内の水のバランスを好適に保つことができるようになる。
【0090】
通常、燃料反応層および酸素反応層は、イオン交換樹脂を含有していることが多い。したがって、燃料反応層および酸素反応層の撥水性を調整しようとして、例えば、これらの層に撥水性材料を含有させると、燃料反応層および酸素反応層の導電性はさらに低下してしまう。このため、燃料電池の内部抵抗が増大し、高い電池出力を得にくくなる。
【0091】
これに対して、燃料拡散層および酸素拡散層には、通常、燃料反応層および酸素反応層に配合するような導電性を低下させる物質を、含有させる必要がない。したがって、例えば、燃料拡散層および酸素拡散層の撥水性を調整すべく、燃料拡散層および酸素拡散層に撥水性材料を含有させても、燃料拡散層および酸素拡散層の電気抵抗が大幅に増大することが、防止される。
【0092】
つまり、本発明の燃料電池1のように、燃料拡散層42の撥水性を酸素拡散層52の撥水性よりも高くすると、燃料電池1の内部抵抗を大幅に増大させずに、燃料電池1内の水のバランスを、発電に適した状態に保つことができるようになる。なお、このような説明は、本発明において燃料反応層41と酸素反応層51との撥水性に差を設けることを、排除するものではない。
【0093】
[4.3.2]燃料拡散層42の撥水性材料含有層と酸素拡散層52の撥水性材料含有層との相違
この項では、話が煩雑になるのを防止し、説明を分かりやすくするため、燃料極外側撥水性材料含有層422を燃料極内側撥水性材料含有層423に含めて、また、酸素極外側撥水性材料含有層522を酸素極内側撥水性材料含有層523に含めて説明する。
【0094】
燃料拡散層42の撥水性と酸素拡散層52の撥水性の相違は、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性と、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性に差を持たせることにより、実現するとよい。
【0095】
これにより、燃料拡散層42および酸素拡散層52の撥水性を調整することが容易となる。しかも、電気をより円滑かつ効率よく発生できるように、燃料電池1内部の水のバランスを調整することが、極めて容易となる。加えて、燃料拡散層42および酸素拡散層52全体の電気抵抗が増大することも、好適に抑制できるようになる。
【0096】
例えば、燃料電池1では、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性材料含有量を、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性材料含有量よりも高くすることにより、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性を、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性よりも高くできる。
【0097】
このように撥水性を調整すると、燃料電池1内部の水のバランスがより発電に適したものとなるように、燃料極内側撥水性材料含有層423および酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性を調整することが、容易となる。
【0098】
このようにして撥水性を調整する場合、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性材料含有量を、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性材料含有量よりも、5wt%以上高くすることが好ましく、10wt%以上高くすることがより好ましく、12.5wt%以上高くすることがさらに好ましい。これにより、酸素反応層51中の水の量が過度に増大することがより好適に防止され、また、燃料反応層41中の水の量が過度に減少することもより好適に防止されるようになる。
【0099】
このような燃料電池1では、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性材料含有量は、20〜80wt%程度とすることが好ましく、30〜70wt%程度とすることがより好ましく、45〜65wt%程度とすることがさらに好ましい。これにより、燃料反応層41は、水素イオンが効率よく発生できるような水の量を、より好適に保持できるようになる。
【0100】
また、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性材料含有量は、15〜65wt%程度とすることが好ましく、25〜55wt%程度とすることがより好ましく、30〜50wt%程度とすることがさらに好ましい。これにより、酸素反応層51は、余分な水をより好適に排出することができるようになる。
【0101】
このような燃料電池1では、例えば、燃料極内側撥水性材料含有層423が含有する導電性材料の撥水性を、酸素極内側撥水性材料含有層523が含有する導電性材料の撥水性よりも高くすることにより、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性を、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性よりも高くすることもできる。
【0102】
このように撥水性を調整すると、燃料極内側撥水性材料含有層423および酸素極内側撥水性材料含有層523の電気抵抗の増大を極めて好適に抑制しつつ、燃料極内側撥水性材料含有層423および酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性を調整することができるようになる。
【0103】
なお、導電性材料の撥水性の高低は、例えば、導電性材料が含有する親水基の量、導電性材料が含有する疎水基の量などを指標とすることができる。
【0104】
このような燃料電池1では、燃料極内側撥水性材料含有層423の厚さを酸素極内側撥水性材料含有層523の厚さよりも厚くすることが好ましい。これにより、燃料極4では、水が燃料反応層41内により好適に留まるようになり、酸素極5では、水が好適に酸素反応層51から排出されるようになる。
【0105】
特に、燃料極内側撥水性材料含有層423の厚さを酸素極内側撥水性材料含有層523の厚さよりも5μm以上厚くすると、このような効果がより効果的に得られるようになる。
なお、燃料極内側撥水性材料含有層423の厚さおよび酸素極内側撥水性材料含有層523の厚さは、同じにしてもよい。また、燃料極内側撥水性材料含有層423を酸素極内側撥水性材料含有層523よりも薄くしてもよい。
【0106】
このような燃料電池1では、燃料極内側撥水性材料含有層423および酸素極内側撥水性材料含有層523が多孔質の場合、燃料極内側撥水性材料含有層423の空孔率を酸素極内側撥水性材料含有層523の空孔率よりも低くすることが好ましい。これにより、燃料極4では、水が燃料反応層41内により好適に留まるようになり、酸素極5では、不要な水が好適に酸素反応層51から排出されるようになる。
【0107】
この場合、燃料極内側撥水性材料含有層423の空孔率を酸素極内側撥水性材料含有層523の空孔率よりも5%以上低くすると、このような効果がより効果的に得られるようになる。
なお、燃料極内側撥水性材料含有層423の空孔率と酸素極内側撥水性材料含有層523の空孔率は、同じものとしてもよい。また、燃料極内側撥水性材料含有層423の空孔率を酸素極内側撥水性材料含有層523の空孔率よりも高くしてもよい。
【0108】
燃料極内側撥水性材料含有層423が多孔質の場合、燃料極内側撥水性材料含有層423の空孔率は、特に限定されないが、20〜70%程度とすることが好ましく、35〜55%程度とすることがより好ましい。また、酸素極内側撥水性材料含有層523が多孔質の場合、酸素極内側撥水性材料含有層523の空孔率は、特に限定されないが、30〜80%程度とすることが好ましく、45〜65%程度とすることがより好ましい。これにより、前述した効果がより好適に得られるようになる。
【0109】
燃料極内側撥水性材料含有層423を多孔質にすると、水素が燃料極内側撥水性材料含有層423を透過しやすくなるという利点が得られる。また、酸素極内側撥水性材料含有層523を多孔質にすると、酸素が酸素極内側撥水性材料含有層523を透過しやすくなるという利点が得られる。
なお、燃料極内側撥水性材料含有層423および酸素極内側撥水性材料含有層523の空孔率は、上記以外の値であってもよいことは言うまでもない。
【0110】
このような燃料電池1では、燃料拡散層42表面の水との接触角は、酸素拡散層52表面の水との接触角よりも、5°以上大きいことが好ましく、10°以上大きいことがより好ましい。これにより、燃料電池1は、前述した効果をさらに効果的に得ることができるようになる。
【0111】
また、このような燃料電池1では、燃料拡散層42表面の水との接触角は、100〜160°程度であることが好ましく、130〜150°程度であることがより好ましい。これにより、燃料拡散層42は、水をより好適に燃料反応層41内に押し留めることができるようになる。
【0112】
さらには、このような燃料電池1では、酸素拡散層52表面の水との接触角は、90〜150°程度であることが好ましく、110〜130°程度であることがより好ましい。これにより、酸素拡散層52は、水をより好適に排出することができるようになる。
【0113】
なお、燃料拡散層42では、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性は、燃料極外側撥水性材料含有層422の撥水性と、等しいものとすることもできるし、異なるものとすることもできる。また、酸素拡散層52では、酸素極内側撥水性材料含有層523の撥水性は、酸素極外側撥水性材料含有層522の撥水性と、等しいものとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
燃料極外側撥水性材料含有層422の撥水性をF2、燃料極内側撥水性材料含有層423の撥水性をF3、酸素極外側撥水性材料含有層522の撥水性をO2、燃料極内側撥水性材料含有層523の撥水性をO3とした場合、これら4層の撥水性の関係は、例えば、次のように調整することができる。F2=F3>O3=O2、F2≧F3>O3>O2、F3>F2>O3≧O2、F2≧F3>O2>O3、F3>F2>O2>O3。なお、これら4層の撥水性の関係は、これ以外のものとしてもよい。
【0114】
図1に示す燃料電池1のように、燃料拡散層42が複数の撥水性材料含有層を有している場合、燃料拡散層42の「撥水性材料含有層の撥水性」は、各撥水性材料含有層の撥水性の平均を指標とすることができる。また、図1に示す燃料電池1のように、酸素拡散層52が複数の撥水性材料含有層を有している場合、酸素拡散層52の「撥水性材料含有層の撥水性」は、各撥水性材料含有層の撥水性の平均を指標とすることができる。
なお、燃料拡散層核部421の撥水性と酸素拡散層核部521の撥水性とに差を設けることにより、燃料拡散層42の撥水性を酸素拡散層52の撥水性よりも高くしてもよい。
【0115】
[5]電池枠
燃料電池1では、以上述べた積層体29を挟むように2個の電池枠(セパレータ)が設けられている。具体的には、燃料極4には燃料極側電池枠7が、また、酸素極5には酸素極側電池枠8が、それぞれ当接しており、これらの電池枠が、積層体29を支持している。
【0116】
燃料極側電池枠7は、例えば、板に横断面形状が四角形の溝が複数平行に形成されたような形状をなしている。図1に示す燃料電池1は、かかる溝72が形成された面が燃料極4側に位置するように、燃料極側電池枠7を設けている。燃料電池1では、かかる溝72により、水素の流路71が形成されている。この流路71を通って、水素が、燃料極4に供給される。
【0117】
このような燃料極側電池枠7では、溝72が形成された面の溝72が形成されていない部分が、燃料極4(より具体的には燃料極外側撥水性材料含有層422)に当接している。また、燃料極側電池枠7は、例えばカーボン含有樹脂等の導体で構成されている。したがって、燃料極側電池枠7は、負極側端子として機能することができる。このため、燃料電池1では、配線101を燃料極側電池枠7に接続すれば、配線101が燃料極4に導通するようになる。
【0118】
酸素極側電池枠8は、燃料極側電池枠7と同様の形状をなしている。燃料電池1では、酸素極側電池枠8に形成された溝82により、空気の流路81が形成されている。この流路81を通って、空気が、酸素極5に供給される。また、酸素極側電池枠8では、溝82が形成された面の溝82が形成されていない部分が、酸素極5(より具体的には酸素極外側撥水性材料含有層522)に当接している。また、このような酸素極側電池枠8は、例えば燃料極側電池枠7と同様の材料で構成されている。したがって、酸素極側電池枠8は、正極側端子として機能することができる。このため、燃料電池1では、配線102を酸素極側電池枠8に接続すれば、配線102が酸素極5に導通するようになる。
【0119】
図1に示す燃料電池1では、溝72と溝82とがほぼ直交するように、燃料極側電池枠7および酸素極側電池枠8が、設置されている。このため、図1に示す燃料電池1では、流路71と流路81とは、ほぼ直交するような位置関係にある。これにより、水素および空気を供給する部材の構成を、簡易なものとすることができる。なお、図1では、流路71は、紙面に対して垂直方向に伸びており、流路81は、図1中上下方向に伸びている。
なお、溝72と溝82とは、直交していなくてもよい。
【0120】
このような電池枠を積層体29に取りつけると、燃料電池1の組み立て、配線、燃料、空気の供給が容易となる。
なお、電池枠は設けなくてもよい。
【0121】
[6]燃料電池1の作用
以下、燃料電池1の作用を説明する。なお、以下の説明は、説明を分かりやすくするため、モデル的な説明としている。
【0122】
まず、燃料極側電池枠7に配線101の一端を、また、酸素極側電池枠8に配線102の一端を接続する。さらには、配線101および102の他端を負荷109に接続する。
【0123】
次に、流路71に水素ガスを、流路81に空気を、それぞれ送る。また、流路81に液体の水(冷媒)を送る。このとき、図1では、水素ガスは紙面の垂直方向に流れ、空気および水は、図中上下方向に流れる。この場合、水の供給量は、特に限定されないが、0.1〜1.0mg/cm2・sec程度とすることが好ましい。
なお、水素ガスは、加圧して供給することが好ましい。これにより、水素ガスの利用効率が向上する。この場合、水素ガスの供給圧力は、0.5〜1kgf/cm2程度とすることが好ましい。なお、水素ガスは、加圧して供給しなくてもよい。
【0124】
流路71に水素ガスを送ると、燃料極4の表面に、水素が供給される。この水素は、燃料極外側撥水性材料含有層422から燃料拡散層42内に入る。そして、この水素は、燃料拡散層42内で拡散しつつ、燃料拡散層42内(燃料極外側撥水性材料含有層422、燃料拡散層核部421および燃料極内側撥水性材料含有層423)を通り、燃料反応層41内に到達する。
【0125】
また、流路81に空気を送ると、酸素極5の表面に、酸素が供給される。この酸素は、酸素極外側撥水性材料含有層522から酸素拡散層52内に入る。そして、この酸素は、酸素拡散層52内で拡散しつつ、酸素拡散層52内(酸素極外側撥水性材料含有層522、酸素拡散層核部521および酸素極内側撥水性材料含有層523)を通り、酸素反応層51内に到達する。
【0126】
なお、流路81に液体の水を送ると、酸素極5の表面に水は到達するが、かかる水が酸素極5内に進入することは、基本的に、防止される。これは、流路81を流れる水は、水分子が大きな集合体を形成したものとなっているので(いわゆる大きなクラスターを形成しているので)、撥水性を有する酸素極外側撥水性材料含有層522を水が透過することは、極めて困難だからである。
【0127】
本発明の燃料電池1では、水が供給される側の電極(酸素極5)の表面に撥水性材料含有層(酸素極外側撥水性材料含有層522)が設けられている。このため、燃料電池1では、酸素極5の表面に水が大量に付着しにくい。したがって、本発明の燃料電池1では、酸素極5内に酸素が入りやすい。
【0128】
燃料反応層41内に水素(H2)が供給されると、燃料反応層41では、触媒の働きにより、下記の反応が起こる。
2 → 2H+ + 2e- (i)
このとき、燃料反応層41で生成された電子(e-)は、燃料反応層41から、燃料拡散層42、燃料極側電池枠7、配線101、負荷109、配線102、酸素極側電池枠8、および酸素拡散層52を通り、酸素反応層51内に移動する。その際に、電子は、負荷109で仕事を行う。
また、燃料反応層41で生成された水素イオン(H+)は、燃料反応層41から、電解質層3を通り、酸素反応層51内に移動する。
【0129】
そして、酸素反応層51では、流路81から供給された酸素(O2)と、配線を通ってきた電子と、電解質層3を移動してきた水素イオンとで、下記の反応が、触媒の働きにより起こる。
(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O (ii)
このとき、生成した水(H2O)の多くは、酸素反応層51内と酸素拡散層52内の水圧差、毛細管現象などにより、酸素反応層51から酸素拡散層52を通り、酸素極5の表面(酸素極外側撥水性材料含有層522の表面)に排出される。この場合、酸素拡散層52を通る水分子は、集合体を形成していない、あるいは、集合体を形成していてもその大きさが小さいので、酸素極内側撥水性材料含有層523および酸素極外側撥水性材料含有層522を、好適に透過できる。
【0130】
話を少し前に戻すが、上記式(i)により燃料反応層41で生成された水素イオンは、燃料反応層41から、電解質層3を通り、酸素拡散層51内に移動する。このとき、水素イオンは、水分子を伴って移動する。このため、燃料反応層41では、水の量が減る傾向を示す。しかし、燃料反応層41内の水の量がある程度少なくなると、酸素反応層51と燃料反応層41との間の水の濃度差により、酸素反応層51から燃料反応層41内に、水が移動するようになる。しかも、本発明の燃料電池1では、燃料反応層41内の水は、燃料拡散層42内に拡散しにくい。したがって、燃料反応層41では、水の量が大幅に減少することが防止される。
【0131】
このような作用が働くので、燃料電池1では、酸素反応層51では水の量が過多になりにくく、燃料反応層41では水の量が過少になりにくい。このため、燃料電池1は、効率よく電気を発生させることができ、高い電池出力が得られる。
【0132】
なお、上記式(i)および(ii)で示す反応が起きることにより、反応部21、さらには積層体29は発熱するが、積層体29は、流路81に供給される水により、効率よく冷却される。
【0133】
以上述べた説明では、水を酸素極5側に供給したが、水は、燃料極4側に供給してもよい。また、燃料電池1に水を供給しなくてもよい。
以上述べた説明では、酸素極5に空気を供給したが、酸素極5には、酸素分子を含有している気体であれば、純酸素ガス等、空気以外の気体を供給してもよい。
【0134】
[7]燃料電池1の製造方法
以上述べた燃料電池1の積層体29は、例えば、電解質層3を用意し、かかる電解質層3の一方の面に燃料極4を積層し、また、他方の面に酸素極5を積層することにより、製造することができる。
【0135】
[7.1]燃料極4の作製
以下、燃料極4の製造方法の一例を説明する。
まず、燃料拡散層核部421を用意する。
【0136】
次に、燃料拡散層核部421の両面に、燃料極外側撥水性材料含有層422および燃料極内側撥水性材料含有層423を、それぞれ形成し、燃料拡散層42を得る。撥水性材料含有層は、例えば、燃料拡散層核部421上に撥水性材料含有層の構成材料を塗布、乾燥し、加熱・加圧することにより、形成することができる。この場合、加熱温度は、特に限定されないが、330〜400℃程度とすることが好ましい。また、加圧圧力は、特に限定されないが、20〜100kg/cm2程度とすることが好ましい。
【0137】
次に、燃料極内側撥水性材料含有層423上に、燃料反応層41を形成し、燃料極4を得る。燃料反応層41は、例えば、燃料極内側撥水性材料含有層423上に燃料反応層41の構成材料を塗布、乾燥することにより、形成することができる。
【0138】
[7.2]酸素極5の作製
酸素極5は、燃料極4の作製方法と同様の方法で、作製することができる。
【0139】
[7.3]積層体29の製造
積層体29は、電解質層3の一方の面に、燃料反応層41が電解質層3に接するように、燃料極4を積層し、また、電解質層3の他方の面に、酸素反応層51が電解質層3に接するように、酸素極5を積層することにより、製造することができる。
【0140】
例えば、各層が以上述べた配置となるように、燃料極4、電解質層3、および酸素極5を重ね、この重ねた物を加熱・加圧することにより、燃料極4と電解質層3と酸素極5とを積層することができる。
この場合、加熱温度は、特に限定されないが、120〜180℃程度とすることが好ましい。また、加圧圧力は、特に限定されないが、20〜100kg/cm2程度とすることが好ましい。
【0141】
[7.4]
その後、燃料極4および酸素極5(積層体29)を燃料極側電池枠7および酸素極側電池枠8で挟持することにより、図1に示すような燃料電池1が得られる。
【0142】
以上、本発明の燃料電池を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、燃料拡散層では、燃料拡散層の片面だけに撥水性材料含有層を設けてもよい。また、例えば、酸素拡散層では、酸素拡散層の片面だけに撥水性材料含有層を設けてもよい。さらには、例えば、撥水性材料含有層は、設けなくてもよい。
上記実施形態では、燃料に水素を用いたが、燃料には、例えば、メタノール、ヒドラジンなどを用いてもよい。
【0143】
[8]燃料電池装置
以下、燃料電池1を用いた燃料電池装置について説明する。
図2は、本発明の燃料電池装置の実施形態を示す回路図である。
同図に示す燃料電池装置9は、前述した燃料電池1を備えている。燃料電池装置9は、かかる燃料電池1に燃料および酸素を供給して、発電を行うことができる。以下、燃料電池装置9を具体的に説明する。
【0144】
図2に示すように、燃料電池装置9は、燃料電池1を収納した電池本体91と、燃料電池1の燃料極4に水素(燃料)を供給する燃料供給手段92と、燃料電池1の酸素極5に空気(酸素ガスを含有する気体)を供給する酸素供給手段93と、酸素極5に水を供給する水供給手段94と、酸素極5に供給する空気と水とを混合する気液混合手段(気液供給手段)95と、燃料電池1に供給した水を再生する再生手段96と、燃料極4に供給した水素を排気する燃料排気手段97と、燃料電池1の電池出力を検知、表示する出力計98とを有している。
電池本体91は、燃料電池1を、1個または複数個収納している。
【0145】
燃料供給手段(燃料供給ライン)92は、水素を貯留する燃料源921と、一端が燃料電池1の流路71に接続され、他端が燃料源921に接続された配管922と、配管922上に設置されたバルブ923とを有している。燃料源921は、例えばボンベよりなる。
【0146】
酸素供給手段(酸素供給ライン)93は、一端が気液混合手段95に接続され、他端が空気中に開放したた配管931を有している。
【0147】
水供給手段(水供給ライン)94は、水を貯留するタンク941と、一端が気液混合手段95に接続され、他端がタンク941に接続された配管942と、配管942上に設置されたポンプ943と、ポンプ943の下流側の配管942上に設置された水圧センサー944と、配管942から分岐し、一端がポンプ943の下流側に接続され、他端がポンプ943の上流側に接続されたバイパスライン945と、バイパスライン945上に設置されたバルブ946と、タンク941に接続、設置された水位検知手段947とを有している。水位検知手段947は、タンク941内に貯留された水の水位を検知し、監視する機能を有しており、タンク941内に貯留された水の水位を検知する水位センサー948と、水位センサー948に接続されたアラーム949とを有している。
【0148】
気液混合手段95は、配管942の一端が接続されたノズル951と、燃料電池1の流路81に連通する空間(気液供給室)952とを有している。なお、酸素供給手段93の配管931は、空間952に連通している。
【0149】
再生手段(再生ライン)96は、流路81を通過した水を集めるマニホールド(下部マニホールド)966と、流路81を通過した水と空気とを分離する再生器(空気中の水分を凝縮させる凝縮器)962と、一端がマニホールド966に接続され、他端が再生器962に接続された配管961と、一端が再生器962に接続され、他端が空気中に開放した排気ライン963と、排気ライン963上に設置されたバルブ964と、一端が再生器962に接続され、他端がタンク941に接続された配管965とを有している。
【0150】
燃料排気手段(燃料排気ライン)97は、一端が流路71に接続され、他端が空間952に連通した配管971と、配管971上に設置されたバルブ972とを有している。
【0151】
燃料電池装置9のこのような構成は、前述した燃料電池1を作動させるのに、最適である。
【0152】
なお、燃料供給手段の燃料源は、例えば、水素吸蔵合金等を備えるボンベで構成することもできる。この場合、燃料電池装置の構成を、燃料供給手段の燃料源と再生手段の再生器とを一体とした構成にするとよい。これにより、流路81から排出された空気(水を含有する空気)で燃料源の水素吸蔵合金を加温できるようになる。そして、燃料源に水素吸蔵合金を備える燃料電池装置において流路81から排出された空気で燃料源の水素吸蔵合金を加温できるようにすると、水素が、水素吸蔵合金から燃料電池1に、より円滑に供給されるようになる。しかもこれにより、流路81から排出された空気が冷却され、流路81を通過した水と空気とを、より効率よく分離できるようになる。
なお、燃料供給手段は、例えば、燃料源にメタノールを貯留し、かかるメタノールを分解して水素を発生させ、かかる水素を燃料極に供給するような構成にしてもよい。
【0153】
[9]燃料電池装置9の作用
以下、燃料電池装置9の作用を説明する。
【0154】
まず、ポンプ943を作動させる。また、バルブ923を所定の開度で開く。さらには、バルブ964を所定の開度で開く。
【0155】
バルブ923を所定の角度で開くと、燃料源921から水素が、配管922を通って、流路71に供給される。
【0156】
ポンプ943を作動させると、タンク941内の水が配管942を通って、ノズル951に供給される。このとき、水の供給圧力が水圧センサー944で検知される。水の供給圧力が高い場合は、操作者は、ポンプ943のパワーをダウンさせて、水の供給圧力を調整することができる。また、操作者は、バルブ946を所定の開度で開き、バイパスライン945と配管951との間で水を一部循環させることにより、水の供給圧力を調整することもできる。
【0157】
ノズル951に供給された水は、ノズル951から空間952内に噴霧され、霧状(粒子状)となる。
配管931からは、空間952内に、空気が供給される。
【0158】
そして、空間952内で、ノズル951から噴霧された水と、配管931から供給された空気とが、混合される。これら混合された水および空気は、流路81に供給される。
【0159】
そして、電池本体91内では、燃料電池1が、燃料供給手段92により供給された水素と、酸素供給手段93により供給された空気とから、電気を発生させる。
このときの電池出力の状態は、出力計98に表示される。
燃料電池1は、水供給手段94から供給された水により、効率よく冷却される。
【0160】
燃料電池1(流路81)を通過した水および空気は、マニホールド966で集められる。
かかる水および空気は、配管961を通り、再生器962内に流入する。
再生器962内では、水と空気が分離される。
【0161】
また、再生器962内では、燃料電池1から排出された空気に含まれる水素が、除去される。
そして、水素が除去された空気は、排気ライン963から排出される。
【0162】
再生器962内の水は、配管965を通り、タンク941内に、再流入する。これにより、燃料電池1に供給した水は再利用されることとなり、水の有効利用が図られる。しかも、燃料電池装置9をこのような構成にすると、発電により酸素反応層51で生成され、酸素極5から排出された水も、冷却水として、有効利用できる。
【0163】
このような燃料電池装置9では、タンク941内に貯留された水の水位は、水位センサー948により、検知されている。そして、タンク941内の水位が所定値以上となった場合には、アラーム949は、警告を発する。このため、燃料電池装置9は、より安全、安心に電気を発生させることができる。
【0164】
発電を終了させる場合は、ポンプ943の作動を停止させ、バルブ923およびバルブ964を閉じる。これにより、燃料電池装置9の稼動が停止する。その後、バルブ972を開き、流路71内の加圧を解除してもよい。これにより、燃料電池装置9の安全性がさらに高まる。
【0165】
このように、燃料電池1の酸素極5側に水を供給する構成にすると、燃料電池装置9の構成が簡易なものとなる。しかも、燃料電池装置9の取扱い性、安全性が、向上する。
【0166】
以上述べた燃料電池装置9は、前述した燃料電池1を備えているので、効率よく電気を発生させることができ、高い出力が得られる。
【0167】
【実施例】
本明細書における「wt%」とは、質量%を意味する。
【0168】
(実施例1)
下記に示す構成の燃料電池を作製した。この燃料電池では、燃料拡散層の撥水性が酸素拡散層の撥水性よりも高い。
【0169】
<燃料電池の構成>
<<燃料極の構成>>
Figure 0004470271
<<電解質層の構成>>
Figure 0004470271
<<酸素極の構成>>
Figure 0004470271
以上。
【0170】
次のようにして、燃料極を作製した。まず、炭素粉末とポリテトラフルオロエチレンとを上記組成比で、酢酸エチル(分散媒、以下同じ)に混合、分散させた。次に、カーボンクロス(燃料拡散層核部)の両面に、この混合分散液を、塗布し、乾燥した。次に、このカーボンクロスを360℃、60kg/cm2の条件で、ホットプレスした。これにより、上記厚さの燃料拡散層を得た。次に、燃料拡散層の一方の面に(一方の撥水性材料含有層上に)、白金触媒と炭素粉末とナフィオンとを上記組成比で混合、分散させた分散媒を、塗布し、乾燥した。これにより、燃料拡散層上に上記厚さの燃料反応層を形成した。すなわち、上記構成の燃料極を得た。
同様にして、上記構成の酸素極を得た。
【0171】
次に、‘燃料拡散層/燃料反応層/電解質層/酸素反応層/酸素拡散層’の順に各層が位置するように、燃料極と電解質層と酸素極とを重ねた。次いで、この重ねた物を、130℃、40kg/cm2の条件で、ホットプレスした。これにより、積層体(実質的な燃料電池)を得た。
【0172】
得られた燃料拡散層では、燃料拡散層表面の水との接触角(両面の平均)は、150°であった。また、燃料極内側撥水性材料含有層の空孔率は、45%であった。燃料極外側撥水性材料含有層の空孔率は、45%であった。
また、得られた酸素拡散層では、酸素拡散層表面の水との接触角(両面の平均)は、150°であった。また、酸素極内側撥水性材料含有層の空孔率は、55%であった。酸素極外側撥水性材料含有層の空孔率は、55%であった。
【0173】
(実施例2)
下記に示した以外は実施例1と同様の燃料電池を、前記と同様にして、作製した。この燃料電池では、燃料拡散層の撥水性が酸素拡散層の撥水性よりも高い。
【0174】
<<燃料極の構成>>
Figure 0004470271
<<酸素極の構成>>
Figure 0004470271
以上。
【0175】
補足すると、本実施例では、燃料極内側撥水性材料含有層および燃料極外側撥水性材料含有層の炭素粉末(電気化学工業社製「デンカブラック」)には、酸素極内側撥水性材料含有層および酸素極外側撥水性材料含有層の炭素粉末(キャボット社製「Vulcan XC−72」)よりも、撥水性の高いものを用いた。
【0176】
得られた燃料拡散層では、燃料拡散層表面の水との接触角(両面の平均)は、150°であった。また、燃料極内側撥水性材料含有層の空孔率は、45%であった。燃料極外側撥水性材料含有層の空孔率は、45%であった。
また、得られた酸素拡散層では、酸素拡散層表面の水との接触角(両面の平均)は、130°であった。また、酸素極内側撥水性材料含有層の空孔率は、55%であった。酸素極外側撥水性材料含有層の空孔率は、55%であった。
【0177】
(比較例)
下記に示した以外は実施例1と同様の燃料電池を、前記と同様にして、作製した。この燃料電池では、燃料拡散層の撥水性および酸素拡散層の撥水性は、等しい。
【0178】
<<燃料極の構成>>
Figure 0004470271
<<酸素極の構成>>
Figure 0004470271
以上。
【0179】
(評価)
各実施例および比較例で得られた積層体に電池枠(燃料極側電池枠および酸素極側電池枠)を取り付け、燃料電池を、各々組み立てた。
【0180】
次に、この燃料電池を2個並列に電池本体内に収納した。次に、この電池本体を、図2に示すような燃料電池装置に取りつけた。すなわち、各実施例(または比較例)で得られた燃料電池を備えた燃料電池装置を得た。
次に、水素ガス供給圧力0.9kgf/cm2、酸素極への水供給量0.66mg/cm2・secの条件で、燃料電池装置を作動させ、電気を発生させた。
【0181】
そして、各実施例および比較例で得られた燃料電池の電流密度−電圧特性を、測定した。
その結果を、図3に示す。
【0182】
同図に示すように、燃料電池の通常の動作電圧範囲内では、本実施例の燃料電池の電流密度は、比較例の燃料電池の電流密度よりも、高かった。
以上の結果から、本実施例の燃料電池は、高い電池出力が得られることが確認された。
【0183】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、燃料電池の電池出力を向上させることができる。
したがって、本発明によれば、高い電池出力が得られる燃料電池、および燃料電池装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池の実施形態を示す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明の燃料電池装置の実施形態を示す回路図である。
【図3】実施例における燃料電池の電流密度−電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料電池
21 反応部
29 積層体
3 電解質層
4 燃料極
41 燃料反応層
42 燃料拡散層
421 燃料拡散層核部
422 燃料極外側撥水性材料含有層
423 燃料極内側撥水性材料含有層
5 酸素極
51 酸素反応層
52 酸素拡散層
521 酸素拡散層核部
522 酸素極外側撥水性材料含有層
523 酸素極内側撥水性材料含有層
7 燃料極側電池枠
71 流路
72 溝
8 酸素極側電池枠
81 流路
82 溝
9 燃料電池装置
91 電池本体
92 燃料供給手段
921 燃料源
922 配管
923 バルブ
93 酸素供給手段
931 配管
94 水供給手段
941 タンク
942 配管
943 ポンプ
944 水圧センサー
945 バイパスライン
946 バルブ
947 水位検知手段
948 水位センサー
949 アラーム
95 気液混合手段
951 ノズル
952 空間
96 再生手段
961 配管
962 再生器
963 排気ライン
964 バルブ
965 配管
966 マニホールド
97 燃料排気手段
971 配管
972 バルブ
98 出力計
101、102 配線
109 負荷

Claims (12)

  1. 燃料を拡散させる燃料拡散層と、該燃料拡散層に接合され、燃料を反応させる燃料反応層とを備えた燃料極と、酸素を拡散させる酸素拡散層と、該酸素拡散層に接合され、酸素を反応させる酸素反応層とを備えた酸素極と、前記燃料極と前記酸素極との間に設けられた電解質層とを有する燃料電池であって、
    前記燃料極には水素ガスが供給され、前記酸素極には加湿された酸素ガスが供給されるよう構成されており、
    前記燃料反応層は、前記燃料拡散層と前記電解質層との間に設けられており、
    前記燃料拡散層は、前記電解質層側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する燃料極内側撥水性材料含有層と、前記燃料極内側撥水性材料含有層と反対側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する燃料極外側撥水性材料含有層とを有し、
    前記酸素反応層は、前記酸素拡散層と前記電解質層との間に設けられており、
    前記酸素拡散層は、前記電解質層側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する酸素極内側撥水性材料含有層と、前記酸素極内側撥水性材料含有層と反対側の面に設けられ、撥水性の材料を含有する酸素極外側撥水性材料含有層とを有し、
    前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性が前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性よりも高いことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量が、前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量よりも大きい請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量は、前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量よりも、5wt%以上大きい請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記燃料極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量は、20〜80wt%である請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記酸素極内側撥水性材料含有層の撥水性材料含有量は、15〜65wt%である請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記燃料極内側撥水性材料含有層および前記酸素極内側撥水性材料含有層は、いずれも導電性材料を含有し、前記燃料極内側撥水性材料含有層の導電性材料は、前記酸素極内側撥水性材料含有層の導電性材料よりも撥水性が高い請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料電池。
  7. 前記燃料極内側撥水性材料含有層および前記酸素極内側撥水性材料含有層は、それぞれ、粒子状の導電性材料に前記撥水性の材料を担持させたもので構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の燃料電池。
  8. 前記燃料拡散層表面の水との接触角は、前記酸素拡散層表面の水との接触角よりも、5°以上大きい請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料電池。
  9. 前記燃料拡散層表面の水との接触角は、100〜160°である請求項1ないし8のいずれかに記載の燃料電池。
  10. 前記酸素拡散層表面の水との接触角は、90〜150°である請求項1ないし9のいずれかに記載の燃料電池。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の燃料電池を備えたことを特徴とする燃料電池装置。
  12. 請求項1ないし10のいずれかに記載の燃料電池を収納した電池本体と、前記燃料電池の燃料極に水素ガスを供給する燃料供給手段と、前記燃料電池の酸素極に酸素ガスを含有する気体を供給する酸素供給手段と、前記酸素極に水を供給する水供給手段とを有することを特徴とする燃料電池装置。
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