JP4469068B2 - 両面歯付ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置 - Google Patents

両面歯付ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、底面(内面)及び背面(外面)にそれぞれ歯部がベルト幅方向と交差する斜め方向に延びるように形成されたはす歯(斜歯)タイプの両面歯付ベルト、及びそれに噛合する歯付プーリを組み合わせてなるはす歯タイプのベルト伝動装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のはす歯タイプのベルト伝動装置として、底面にベルト幅方向と交差する斜め方向に直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設された歯付ベルトと、この歯付ベルトが底面側にて巻き掛けられ、外周面に歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設されたはす歯タイプの歯付プーリからなる伝動プーリとを組み合わせてなるものが知られている。このはす歯タイプのベルト伝動装置では、ベルトとプーリとの伝動時に、ベルトの歯部が常時プーリの歯部に円周方向の2点で噛合するので、伝動をスムーズに行うとともに、噛合騒音を低減することができる長所がある。
【0003】
しかし、その反面、ベルト及びプーリの歯部が斜めに形成されているので、歯部同士の噛合いに伴いスラスト力が働いてベルトがプーリに対しその軸方向(ベルト幅方向)にずれて片寄りするのは避けられない。
【0004】
このベルトの片寄りを防止するために、従来、例えばプーリの幅方向端部にフランジを突設して、このフランジによりベルトの片寄りを規制することが行われているが、ベルトがプーリのフランジに常時押圧されるので、そのときの騒音やベルトの摩耗等が発生するという欠点がある。
【0005】
また、実開昭63―4451号公報に示されるように、上記ベルト底面及びプーリ外周面の各歯部をそれぞれベルト幅方向及びプーリ幅方向に対し斜めに直線状に延びる形状とするのではなく、ベルト幅方向及びプーリ幅方向の中間部で山形状に屈曲した屈曲形状とすることで、各歯部の中間部両側に働くスラスト力の方向を互いに逆向きにして両スラスト力が打ち消し合うようにし、ベルトの片寄りを防止することが提案されている。
【0006】
さらには、特公平3―3090号公報に示されるように、駆動及び従動プーリの外周面を歯付ベルトのスラスト力が互いに相殺するように逆向きのテーパ面とすることも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の提案のもの(実開昭63―4451号公報)では、ベルトの底面及びプーリの外周面に山形状の歯部を形成するために、そのベルトの量産性が悪く、しかもプーリの構造も複雑になるという問題があった。すなわち、ベルトの製造方法について説明すると、ベルト底面の歯部がベルト幅方向に対し斜めに直線状に延びる歯付ベルトでは、同歯部がベルト幅方向に沿って延びる通常の歯付ベルトと同様に、円筒状のベルト成形体を成形した後に、そのベルト成形体から各ベルトをカットして製造することができるが、山形状の歯部を有する歯付ベルトでは上記製造方法を採用することができず、ベルトを単品ずつ成形せねばならないので、ベルトの量産性が低くなる。
【0008】
一方、後者の提案のもの(特公平3―3090号公報)では、上記の如きベルトの量産性の低下の問題は生じないものの、テーパ状の外周面を有する特異構造のプーリが必須で、プーリの構造を簡単にしているとは言い難い。
【0009】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、はす歯付ベルト及びそれを用いるベルト伝動装置の構造に工夫を加えることにより、ベルト及びプーリの各歯部をそれぞれベルト幅方向及びプーリ幅方向に対し斜めに直線状に延びる形状としてベルトの量産性を向上させ、かつプーリの構造を簡単にしつつ、ベルトの片寄りを防止しようとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的の達成のため、この発明では、ベルトの底面のみならず背面にも斜め方向の歯部を形成し、このベルト背面の歯部に伝動用のプーリと同期回転する別の歯付プーリを噛合させて、この別の歯付プーリとの噛合によりベルトの片寄りを規制するようにした。
【0011】
具体的には、請求項1の発明では、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設されている両面歯付ベルトとして、上記背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延び、上記背面の歯部のはす歯角が底面の歯部のはす歯角以上であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項の発明では、ベルト伝動装置として、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設され、背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延びている両面歯付ベルトと、この両面歯付ベルトが底面側にて巻き掛けられ、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝動プーリと、上記両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配設され、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを備え、上記背面プーリの歯部のはす歯角が伝動プーリの歯部のはす歯角以上であり、上記伝動プーリと背面プーリとが同期して回転するように構成されているものとする。
【0013】
これら請求項1及び2の発明の構成によると、両面歯付ベルト底面の歯部が伝動プーリ外周の歯部に噛合して動力を伝達するとき、両者の歯部がそれぞれ斜めに形成されているはす歯であるので、歯部同士の噛合いに伴いスラスト力が働いてベルトがプーリに対しベルト幅方向にずれて片寄りしようとする。しかし、両面歯付ベルトの背面に、底面の歯部とはベルト厚さ方向から見て逆向きの歯部が形成されており、このベルト背面の歯部に背面プーリ外周の歯部が噛合していて、この背面プーリは伝動プーリと同期して回転するので、上記伝動プーリによる片寄り力を背面プーリにより受け、その背面プーリによりベルトに対し伝動プーリによる片寄り力と逆方向の片寄り力を発生させて両者の片寄り力を互いに相殺させることができ、このことでベルトの片寄りを防止することができる。
【0014】
また、プーリにフランジを設ける場合のように、ベルトがフランジと接触することはなく、伝動時の騒音を低減するとともに、ベルトの摩耗による早期破損を回避してその寿命を延ばすことができる。
【0015】
しかも、上記両面歯付ベルトの底面及び背面に形成される歯部はいずれも、ベルト幅方向に対し斜めではあるが直線状に延びているので、この両面歯付ベルトを製造する場合には、底面及び背面の歯部となる部分が内外表面に円筒中心方向に沿って斜めに連続して延びている円筒状のベルト成形体を成形して、それから各ベルト幅に切断することで、両面歯付ベルトを製造することができ、通常の歯付ベルトと同様の製造方法を採用できてその量産性を高めることができる。
【0016】
さらに、伝動プーリ及び背面プーリとして通常のはす歯タイプの歯付プーリを使用すればよく、プーリの構造を簡単にすることができる。
【0017】
また、背面プーリの歯部のはす歯角を伝動プーリの歯部のはす歯角以上としているので、上記背面プーリによりベルトに対し伝動プーリによる片寄り力と同等以上の逆方向の片寄り力を発生させることができ、ベルトの片寄りを有効に防止することができる。
【0018】
請求項3の発明では、請求項2の発明と同様に、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設され、背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延びている両面歯付ベルトと、この両面歯付ベルトが底面側にて巻き掛けられ、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝動プーリと、上記両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配設され、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを備えている。
【0019】
そして、上記伝動プーリと背面プーリとは、ギヤ機構を介して駆動連結されていて同期して回転するように構成されている。
【0020】
この請求項3の発明では、上記請求項2の発明と同様に、伝動プーリによる片寄り力を背面プーリにより受け、その背面プーリによりベルトに対し伝動プーリによる片寄り力と逆方向の片寄り力を発生させて両者の片寄り力を互いに相殺させることができ、ベルトの片寄りを防止することができる。また、プーリにフランジを設ける場合のように、ベルトがフランジと接触することはなく、伝動時の騒音を低減するとともに、ベルトの摩耗による早期破損を回避してその寿命を延ばすことができる。しかも、上記両面歯付ベルトの底面及び背面に形成される歯部はいずれも、ベルト幅方向に対し斜めではあるが直線状に延びているので、この両面歯付ベルトを製造する場合には、底面及び背面の歯部となる部分が内外表面に円筒中心方向に沿って斜めに連続して延びている円筒状のベルト成形体を成形して、それから各ベルト幅に切断することで、両面歯付ベルトを製造することができ、通常の歯付ベルトと同様の製造方法を採用できてその量産性を高めることができる。さらに、伝動プーリ及び背面プーリとして通常のはす歯タイプの歯付プーリを使用すればよく、プーリの構造を簡単にすることができる。
【0021】
加えて、伝動プーリと背面プーリとはギヤ機構を介して駆動連結されているので、伝動プーリと背面プーリとを同期して回転させるための望ましい機構が容易に得られる。
【0022】
請求項4の発明では、上記請求項2のベルト伝動装置において、伝動プーリと背面プーリとはギヤ機構を介して駆動連結されている構成とする。このことで、伝動プーリと背面プーリとを同期して回転させるための望ましい機構が容易に得られる。
【0023】
請求項5の発明では、上記伝動プーリは駆動プーリとし、背面プーリは両面歯付ベルトの張り側スパンに噛合している構造とする。このことで、ベルトの片寄りを防止できるのに望ましい有効なレイアウトが得られる。
【0024】
請求項の発明では、上記背面プーリは1つとする。また、請求項の発明では、背面プーリは複数とする。このことで、本発明の効果が有効に発揮される最適な背面プーリのレイアウトが得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の一実施形態に係るベルト伝動装置Aを示し、このベルト伝動装置Aは、基本的に、互いに離れていて平行な軸心回りに回転可能な伝動プーリとしての駆動及び従動プーリ1,2と、これら両プーリ1,2に底面側(内面側)にて巻き掛けられる両面歯付ベルト6と、このベルト6の張り側スパン6aの背面を押圧する背面プーリ14とを備えてなる。
【0026】
図3に拡大して示すように、上記両面歯付ベルト6は、厚さ方向の略中央部に張力帯7が埋設されたベルト本体8を備え、このベルト本体8の底面(内面。図3で下側面)には、ベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角θi(例えば10°)をもって直線状に延びる多数の底面歯部9,9,…がベルト長さ方向に一定ピッチで突設されている。一方、ベルト本体8の背面(外面。図3で上側面)には、同様にベルト幅方向と交差する斜め方向に上記底面歯部9,9,…のはす歯角θi以上の所定のはす歯角θo(例えば15°)をもって直線状に延びる多数の背面歯部10,10,…がベルト長さ方向に一定ピッチで突設されている(但し、上記背面歯部10のはす歯角θoは、90°≧θo≧θiとする)。そして、上記底面歯部9,9,…と背面歯部10,10,…とはベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延びている(図2参照)。
【0027】
一方、駆動及び従動プーリ1,2は基本的に同じ構造のもので、いずれも上記両面歯付ベルト6が底面側にて巻き掛けられる歯付プーリからなる。すなわち、これら駆動及び従動プーリ1,2の外周面には多数のプーリ歯部3,3,…が一定ピッチで突設され、これらのプーリ歯部3,3,…はプーリ軸心方向と交差する斜め方向に上記両面歯付ベルト6の底面歯部9,9,…のはす歯角θiと同じはす歯角θ1(=θi)をもって直線状に延びていて、その両面歯付ベルト6の底面歯部9,9,…に噛合するようになっている。
【0028】
また、上記背面プーリ14は、上記両面歯付ベルト6の駆動及び従動プーリ1,2間に位置する両スパン6a,6bのうち張り側スパン6a外側でかつ駆動プーリ1近くに位置し、その回転軸心は駆動及び従動プーリ1,2の回転軸心と平行に配置されている。この背面プーリ14の外周面には多数のプーリ歯部15,15,…が一定ピッチで突設され、このプーリ歯部15,15,…はプーリ軸心方向と交差する斜め方向に上記両面歯付ベルト6の背面歯部10,10,…のはす歯角θoと同じはす歯角θ2(=θo)をもって直線状に延びていて(このことで背面プーリ14のプーリ歯部15,15,…のはす歯角θ2(=θo)は、駆動及び従動プーリ1,2背面のプーリ歯部のはす歯角θ1(=θi)に対しθ2≧θ1とされている)、その両面歯付ベルト6において駆動プーリ1の進入側にある張り側スパン6aの背面歯部10,10,…に噛合するようになっている。
【0029】
そして、上記駆動プーリ1と背面プーリ14とはギヤ機構18を介して駆動連結されている。つまり、駆動プーリ1の側部には第1ギヤ19が同心にかつ回転一体に取り付けられている。一方、背面プーリ14の側部には、例えば上記駆動プーリ1側部の第1ギヤ19と同じギヤ径及びギヤ数を有する第2ギヤ20が同心にかつ回転一体に取り付けられ、この第2ギヤ20は第1ギヤ19に常時噛合しており、この両ギヤ4,16の噛合により、駆動プーリ1と背面プーリ14とが同期して回転するようになっている。
【0030】
したがって、この実施形態においては、駆動プーリ1から両面歯付ベルト6を介して従動プーリ2に動力を伝達する伝動状態で、両面歯付ベルト6の底面歯部9,9,…が駆動及び従動プーリ1,2外周のプーリ歯部3,3,…に噛合して動力が伝達される。そのとき、図2及び図4に示すように、上記ベルト6の底面歯部9,9,…及びプーリ1,2のプーリ歯部3,3,…がそれぞれ斜めに形成されているはす歯であるので、これら両歯部3,9同士の噛合いに伴いスラスト力が働いてベルト6が駆動及び従動プーリ1,2に対しベルト幅方向にずれて片寄りしようとする。具体的には、このベルト6の片寄り力は、ベルト6と駆動及び従動プーリ1,2との噛合い状態や両プーリ1,2のプーリ径等により異なるが、ベルト6の駆動プーリ1上での片寄り力F1は張り側スパン6aのベルト張力(張り側張力)を、また従動プーリ2上での片寄り力F2は緩み側スパン6bのベルト張力(緩み側張力)をそれぞれ受け、これらベルト6の駆動プーリ1上及び従動プーリ2上での各片寄り力F1,F2は互いに相反する方向に作用する。そして、駆動プーリ1から従動プーリ2に動力を伝達する伝動状態では、上記駆動プーリ1上での片寄り力F1が従動プーリ2上での片寄り力F2よりも大きくなり(F1>F2)、駆動プーリ1上及び従動プーリ2上での各片寄り力F1,F2の差がベルト6全体の片寄り力F(=F1−F2)となって、この片寄り力Fに起因してベルト6が片寄り状態となる。
【0031】
しかし、この実施形態では、上記歯付ベルト6の背面に、底面歯部9,9,…とはベルト厚さ方向から見て逆向きのはす歯となる背面歯部10,10,…が形成され、この背面歯部10,10,…には駆動プーリ1近くに位置する背面プーリ14外周のプーリ歯部15,15,…がベルト6の張り側スパン6aにて噛合しており、この背面プーリ14はギヤ機構18によって駆動プーリ1と同期して回転するので、上記駆動及び従動プーリ1,2によるベルト6全体の片寄り力Fを背面プーリ14により受け、図5に示すように、駆動プーリ1により駆動される背面プーリ14のプーリ歯部15,15,…とベルト6の背面歯部10,10,…との間にトルクを生じさせて、その背面プーリ14によりベルト6に対し駆動及び従動プーリ1,2による片寄り力Fと逆方向の片寄り力F3を発生させることができる。尚、図4に示すように、これらの片寄り力F1,F2,F3は、プーリ1,2,14より力を受けて発生したベルト張力T,T′,T″を歯筋方向に直交する方向の直交方向分力T1,T1′,T1″(例えばT1は、T1=T・sinθ1として求められる)と、歯筋方向の歯筋方向分力T2,T2′,T2″(例えばT2は、T2=T・cosθ1として求められる)とに分けたときに、F1=T2−T1・μ、F2=T2′−T1′・μ、F3=T2″−T1″・μ(μは歯部3,9間又は10,15間の摩擦係数)から得られる。
【0032】
そして、ベルト6の背面歯部10,10,…のはす歯角θoが底面歯部9,9,…のはす歯角θi以上(背面プーリ14のプーリ歯部のはす歯角θ2が駆動及び従動プーリ1,2のプーリ歯部のはす歯角θ1以上)であるので、この片寄り力F3を駆動及び従動プーリ1,2による片寄り力Fと同じ(F3=F)か又はそれよりも大(F3>F)として両片寄り力F,F3を互いに相殺させることができ、このことで上記ベルト6の片寄りを歯部3,9の噛合いのバックラッシュ分だけとして、その大きな片寄りを防止することができる。
【0033】
しかも、このようなベルト6の片寄りを駆動及び従動プーリにそれぞれフランジを設けることで防止する場合のように、ベルト6がフランジと接触することもなく、その接触時の騒音を低減するとともに、接触によるベルト6の早期破損を回避してその寿命を延ばすことができる。
【0034】
さらに、上記両面歯付ベルト6の底面及び背面に形成される底面歯部9,9,…及び背面歯部10,10,…はいずれも、ベルト幅方向に対し斜めではあるが直線状に延びているので、この両面歯付ベルト6を製造する場合には、底面及び背面の歯部9,10となる部分が内外表面に円筒中心方向に沿って斜めに連続して延びている円筒状のベルト成形体を成形して、それを各ベルト幅に切断分割することで、両面歯付ベルト6を製造することができる。つまり、上記両面歯付ベルト6は通常の歯付ベルトと同様の製造方法を採用して製造することができ、その量産性を高めることができる。
【0035】
また、駆動及び従動プーリ1,2と背面プーリ14としては通常のはす歯タイプの歯付プーリを使用すればよいので、プーリ構造を簡単にすることができる。
【0036】
さらに、上記駆動プーリ1と背面プーリ14とがギヤ機構18を介して駆動連結されているので、それら両プーリ1,14を同期回転させるための望ましい機構が容易に得られる。
【0037】
尚、上記実施形態では、駆動及び従動プーリ1,2をそれぞれ1つずつ設けているが、本発明は、例えば従動プーリ2を増加させて伝動プーリの数を3つ以上としたベルト伝動装置に対しても適用することができる。
【0038】
また、上記実施形態では、1つの背面プーリ14を駆動プーリ1近くに配置しているが、さらに別の背面プーリ14を従動プーリ2近くにも従動プーリ2の進入側の緩み側スパン6bに接触するように配置する等、背面プーリ14の数を増やすこともできる。
【0039】
さらに、上記背面プーリ14は、必ずしも両面歯付ベルト6において各プーリの進入側にあるスパンに接触するように配置される必要はなく、両面歯付ベルト6のスパンに接触するように配置されていればよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した如く、請求項1及びの発明によると、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向に対しベルト厚さ方向から見て互いに逆向きに斜めに延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設された両面歯付ベルトと、外周面にこの両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝動プーリと、両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配設され、外周面に両面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを設け、伝動プーリと背面プーリとを同期して回転させるようにし、背面プーリの歯部のはす歯角を伝動プーリの歯部のはす歯角以上としたことにより、両面歯付ベルト底面の歯部と伝動プーリ外周の歯部との噛合伝動時に、歯部同士の噛合いによりスラスト力が働いてベルトがプーリに対しベルト幅方向に片寄りしようとするとき、背面プーリによりベルトに対し伝動プーリによる片寄り力と同等以上の逆方向の片寄り力を発生させて両者の片寄り力を互いに相殺させることができ、ベルトの伝動時の騒音の低減、その寿命の延長、プーリ構造の簡単化を図るとともに、両面歯付ベルトを通常の歯付ベルトと同様の製造方法により製造してその量産性を高めながら、ベルトの片寄りの防止を有効に図ることができる
【0041】
請求項3の発明によると、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向に対しベルト厚さ方向から見て互いに逆向きに斜めに延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設された両面歯付ベルトと、外周面にこの両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝動プーリと、両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配設され、外周面に両面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを設け、伝動プーリと背面プーリとをギヤ機構を介して駆動連結して同期して回転させるようにしたことにより、ベルトの伝動時の騒音の低減、その寿命の延長、プーリ構造の簡単化を図るとともに、両面歯付ベルトを通常の歯付ベルトと同様の製造方法により製造してその量産性を高めながら、ベルトの片寄りの防止を図ることができ、伝動プーリと背面プーリとの同期回転のための望ましい機構が容易に得られる。
【0042】
請求項4の発明によると、請求項2の発明のベルト伝動装置において、伝動プーリと背面プーリとをギヤ機構を介して駆動連結したことにより、伝動プーリと背面プーリとを同期回転させるための望ましい機構が容易に得られる。
【0043】
請求項5の発明によると、伝動プーリは駆動プーリとし、背面プーリは両面歯付ベルトの張り側スパンに噛合させたことにより、ベルトの片寄りを防止できるのに望ましい有効なレイアウトが得られる。
【0044】
請求項の発明では、背面プーリは1つとした。また、請求項の発明では、背面プーリは複数とした。これら発明によれば、本発明の効果が有効に発揮される最適な背面プーリのレイアウトが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るベルト伝動装置を示す斜視図である。
【図2】 ベルト伝動装置を概略的に示す平面図である。
【図3】 両面歯付ベルトの要部を示す一部破断斜視図である。
【図4】 伝動時に各プーリ及びベルトの歯部間で作用する力の関係を示す図である。
【図5】 背面プーリとベルトとの間でトルクが発生する状態を示す図である。
【符号の説明】
A ベルト伝動装置
1 駆動プーリ(伝動プーリ)
2 従動プーリ(伝動プーリ)
3 プーリ歯部
6 両面歯付ベルト
9 底面歯部
10 背面歯部
14 背面プーリ
15 プーリ歯部
18 ギヤ機構
19 第1ギヤ
20 第2ギヤ
θi,θo,θ1,θ2 はす歯角

Claims (7)

  1. 背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設されている両面歯付ベルトであって、
    上記背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延び
    上記背面の歯部のはす歯角が底面の歯部のはす歯角以上であることを特徴とする両面歯付ベルト。
  2. 背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設され、背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延びている両面歯付ベルトと、
    上記両面歯付ベルトが底面側にて巻き掛けられ、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝動プーリと、
    上記両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配設され、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを備え、
    上記背面プーリの歯部のはす歯角が伝動プーリの歯部のはす歯角以上であり、
    上記伝動プーリと背面プーリとが同期して回転するように構成されていることを特徴とするベルト伝動装置。
  3. 背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設され、背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延びている両面歯付ベルトと、
    上記両面歯付ベルトが底面側にて巻き掛けられ、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝動プーリと、
    上記両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配設され、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを備え、
    上記伝動プーリと背面プーリとが、ギヤ機構を介して駆動連結されていて同期して回転するように構成されていることを特徴とするベルト伝動装置。
  4. 請求項2のベルト伝動装置において、
    伝動プーリと背面プーリとはギヤ機構を介して駆動連結されていることを特徴とするベルト伝動装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つのベルト伝動装置において、
    伝動プーリは駆動プーリであり、
    背面プーリは両面歯付ベルトの張り側スパンに噛合していることを特徴とするベルト伝動装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1つのベルト伝動装置において、
    背面プーリが1つであることを特徴とするベルト伝動装置。
  7. 請求項2〜5のいずれか1つのベルト伝動装置において、
    背面プーリが複数であることを特徴とするベルト伝動装置。
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