JP2002039277A - 両面歯付ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置 - Google Patents

両面歯付ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置

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JP2002039277A JP2000231008A JP2000231008A JP2002039277A JP 2002039277 A JP2002039277 A JP 2002039277A JP 2000231008 A JP2000231008 A JP 2000231008A JP 2000231008 A JP2000231008 A JP 2000231008A JP 2002039277 A JP2002039277 A JP 2002039277A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 はす歯を有する歯付ベルトの量産性を向上さ
せつつ、歯付ベルトを用いるベルト伝動装置でのベルト
の片寄りを防止する。 【解決手段】 背面及び底面にそれぞれベルト厚さ方向
から見て互いに逆向きに斜めに延びる多数の歯部9,1
0が突設された両面歯付ベルト6と、このベルト6底面
の歯部9に噛合する多数のプーリ歯部3を有する歯付プ
ーリからなる駆動及び従動プーリ1,2と、ベルト6の
うちの張り側スパン6aの背面に接触して、ベルト6の
背面歯部10に噛合する多数のプーリ歯部15を有する
歯付プーリからなる背面プーリ14とを設け、駆動プー
リ1と背面プーリ14とを同期して回転させる。ベルト
6の底面歯部9と駆動及び従動プーリ1,2の歯部3と
の噛合いに伴いベルト6が片寄りしようとするとき、背
面プーリ14によりベルト6に駆動及び従動プーリ1,
2による片寄り力Fと逆方向の片寄り力F3を発生させ
て両片寄り力を互いに相殺させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、底面(内面)及び
背面(外面)にそれぞれ歯部がベルト幅方向と交差する
斜め方向に延びるように形成されたはす歯(斜歯)タイ
プの両面歯付ベルト、及びそれに噛合する歯付プーリを
組み合わせてなるはす歯タイプのベルト伝動装置に関す
る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のはす歯タイプのベル
ト伝動装置として、底面にベルト幅方向と交差する斜め
方向に直線状に延びる多数の歯部がベルト長さ方向に一
定ピッチで突設された歯付ベルトと、この歯付ベルトが
底面側にて巻き掛けられ、外周面に歯付ベルト底面の歯
部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設されたはす
歯タイプの歯付プーリからなる伝動プーリとを組み合わ
せてなるものが知られている。このはす歯タイプのベル
ト伝動装置では、ベルトとプーリとの伝動時に、ベルト
の歯部が常時プーリの歯部に円周方向の2点で噛合する
ので、伝動をスムーズに行うとともに、噛合騒音を低減
することができる長所がある。
【0003】しかし、その反面、ベルト及びプーリの歯
部が斜めに形成されているので、歯部同士の噛合いに伴
いスラスト力が働いてベルトがプーリに対しその軸方向
(ベルト幅方向)にずれて片寄りするのは避けられな
い。
【0004】このベルトの片寄りを防止するために、従
来、例えばプーリの幅方向端部にフランジを突設して、
このフランジによりベルトの片寄りを規制することが行
われているが、ベルトがプーリのフランジに常時押圧さ
れるので、そのときの騒音やベルトの摩耗等が発生する
という欠点がある。
【0005】また、実開昭63―4451号公報に示さ
れるように、上記ベルト底面及びプーリ外周面の各歯部
をそれぞれベルト幅方向及びプーリ幅方向に対し斜めに
直線状に延びる形状とするのではなく、ベルト幅方向及
びプーリ幅方向の中間部で山形状に屈曲した屈曲形状と
することで、各歯部の中間部両側に働くスラスト力の方
向を互いに逆向きにして両スラスト力が打ち消し合うよ
うにし、ベルトの片寄りを防止することが提案されてい
る。
【0006】さらには、特公平3―3090号公報に示
されるように、駆動及び従動プーリの外周面を歯付ベル
トのスラスト力が互いに相殺するように逆向きのテーパ
面とすることも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の提案
のもの(実開昭63―4451号公報)では、ベルトの
底面及びプーリの外周面に山形状の歯部を形成するため
に、そのベルトの量産性が悪く、しかもプーリの構造も
複雑になるという問題があった。すなわち、ベルトの製
造方法について説明すると、ベルト底面の歯部がベルト
幅方向に対し斜めに直線状に延びる歯付ベルトでは、同
歯部がベルト幅方向に沿って延びる通常の歯付ベルトと
同様に、円筒状のベルト成形体を成形した後に、そのベ
ルト成形体から各ベルトをカットして製造することがで
きるが、山形状の歯部を有する歯付ベルトでは上記製造
方法を採用することができず、ベルトを単品ずつ成形せ
ねばならないので、ベルトの量産性が低くなる。
【0008】一方、後者の提案のもの(特公平3―30
90号公報)では、上記の如きベルトの量産性の低下の
問題は生じないものの、テーパ状の外周面を有する特異
構造のプーリが必須で、プーリの構造を簡単にしている
とは言い難い。
【0009】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、はす歯付ベルト及び
それを用いるベルト伝動装置の構造に工夫を加えること
により、ベルト及びプーリの各歯部をそれぞれベルト幅
方向及びプーリ幅方向に対し斜めに直線状に延びる形状
としてベルトの量産性を向上させ、かつプーリの構造を
簡単にしつつ、ベルトの片寄りを防止しようとすること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的の達成のた
め、この発明では、ベルトの底面のみならず背面にも斜
め方向の歯部を形成し、このベルト背面の歯部に伝動用
のプーリと同期回転する別の歯付プーリを噛合させて、
この別の歯付プーリとの噛合によりベルトの片寄りを規
制するようにした。
【0011】具体的には、請求項1の発明では、背面及
び底面にそれぞれベルト幅方向と交差する斜め方向に所
定のはす歯角をもって直線状に延びる多数の歯部がベル
ト長さ方向に一定ピッチで突設されている両面歯付ベル
トとして、上記背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ
方向から見て互いに逆向きのはす歯となるように延びて
いることを特徴としている。
【0012】また、請求項3の発明では、ベルト伝動装
置として、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と交差
する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延びる
多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設され、
背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見て互
いに逆向きのはす歯となるように延びている両面歯付ベ
ルトと、この両面歯付ベルトが底面側にて巻き掛けら
れ、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のは
す歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト底面の歯部に噛
合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリ
からなる伝動プーリと、上記両面歯付ベルトのスパンの
背面に接触するように配設され、外周面に、軸心方向と
交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって延びかつ両
面歯付ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が
一定ピッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリ
とを備え、上記伝動プーリと背面プーリとが同期して回
転するように構成されているものとする。
【0013】これら発明の構成によると、両面歯付ベル
ト底面の歯部が伝動プーリ外周の歯部に噛合して動力を
伝達するとき、両者の歯部がそれぞれ斜めに形成されて
いるはす歯であるので、歯部同士の噛合いに伴いスラス
ト力が働いてベルトがプーリに対しベルト幅方向にずれ
て片寄りしようとする。しかし、両面歯付ベルトの背面
に、底面の歯部とはベルト厚さ方向から見て逆向きの歯
部が形成されており、このベルト背面の歯部に背面プー
リ外周の歯部が噛合していて、この背面プーリは伝動プ
ーリと同期して回転するので、上記伝動プーリによる片
寄り力を背面プーリにより受け、その背面プーリにより
ベルトに対し伝動プーリによる片寄り力と逆方向の片寄
り力を発生させて両者の片寄り力を互いに相殺させるこ
とができ、このことでベルトの片寄りを防止することが
できる。
【0014】また、プーリにフランジを設ける場合のよ
うに、ベルトがフランジと接触することはなく、伝動時
の騒音を低減するとともに、ベルトの摩耗による早期破
損を回避してその寿命を延ばすことができる。
【0015】しかも、上記両面歯付ベルトの底面及び背
面に形成される歯部はいずれも、ベルト幅方向に対し斜
めではあるが直線状に延びているので、この両面歯付ベ
ルトを製造する場合には、底面及び背面の歯部となる部
分が内外表面に円筒中心方向に沿って斜めに連続して延
びている円筒状のベルト成形体を成形して、それから各
ベルト幅に切断することで、両面歯付ベルトを製造する
ことができ、通常の歯付ベルトと同様の製造方法を採用
できてその量産性を高めることができる。
【0016】さらに、伝動プーリ及び背面プーリとして
通常のはす歯タイプの歯付プーリを使用すればよく、プ
ーリの構造を簡単にすることができる。
【0017】請求項2の発明では、上記請求項1の両面
歯付ベルトにおいて、背面歯部のはす歯角を底面の歯部
のはす歯角以上とする。また、請求項4の発明では、請
求項3のベルト伝動装置において、背面プーリの歯部の
はす歯角を伝動プーリの歯部のはす歯角以上とする。
【0018】こうすれば、上記背面プーリによりベルト
に対し伝動プーリによる片寄り力と同等以上の逆方向の
片寄り力を発生させることができ、ベルトの片寄りを有
効に防止することができる。
【0019】請求項5の発明では、上記伝動プーリは駆
動プーリとし、背面プーリは両面歯付ベルトの張り側ス
パンに噛合している構造とする。このことで、ベルトの
片寄りを防止できるのに望ましい有効なレイアウトが得
られる。
【0020】請求項6の発明では、上記伝動プーリと背
面プーリとはギヤ機構を介して駆動連結されている構成
とする。このことで、伝動プーリと背面プーリとを同期
して回転させるための望ましい機構が容易に得られる。
【0021】請求項7の発明では、上記背面プーリは1
つとする。また、請求項8の発明では、背面プーリは複
数とする。このことで、本発明の効果が有効に発揮され
る最適な背面プーリのレイアウトが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の一実施形
態に係るベルト伝動装置Aを示し、このベルト伝動装置
Aは、基本的に、互いに離れていて平行な軸心回りに回
転可能な伝動プーリとしての駆動及び従動プーリ1,2
と、これら両プーリ1,2に底面側(内面側)にて巻き
掛けられる両面歯付ベルト6と、このベルト6の張り側
スパン6aの背面を押圧する背面プーリ14とを備えて
なる。
【0023】図3に拡大して示すように、上記両面歯付
ベルト6は、厚さ方向の略中央部に張力帯7が埋設され
たベルト本体8を備え、このベルト本体8の底面(内
面。図3で下側面)には、ベルト幅方向と交差する斜め
方向に所定のはす歯角θi(例えば10°)をもって直
線状に延びる多数の底面歯部9,9,…がベルト長さ方
向に一定ピッチで突設されている。一方、ベルト本体8
の背面(外面。図3で上側面)には、同様にベルト幅方
向と交差する斜め方向に上記底面歯部9,9,…のはす
歯角θi以上の所定のはす歯角θo(例えば15°)を
もって直線状に延びる多数の背面歯部10,10,…が
ベルト長さ方向に一定ピッチで突設されている(但し、
上記背面歯部10のはす歯角θoは、90°≧θo≧θ
iとする)。そして、上記底面歯部9,9,…と背面歯
部10,10,…とはベルト厚さ方向から見て互いに逆
向きのはす歯となるように延びている(図2参照)。
【0024】一方、駆動及び従動プーリ1,2は基本的
に同じ構造のもので、いずれも上記両面歯付ベルト6が
底面側にて巻き掛けられる歯付プーリからなる。すなわ
ち、これら駆動及び従動プーリ1,2の外周面には多数
のプーリ歯部3,3,…が一定ピッチで突設され、これ
らのプーリ歯部3,3,…はプーリ軸心方向と交差する
斜め方向に上記両面歯付ベルト6の底面歯部9,9,…
のはす歯角θiと同じはす歯角θ1(=θi)をもって
直線状に延びていて、その両面歯付ベルト6の底面歯部
9,9,…に噛合するようになっている。
【0025】また、上記背面プーリ14は、上記両面歯
付ベルト6の駆動及び従動プーリ1,2間に位置する両
スパン6a,6bのうち張り側スパン6a外側でかつ駆
動プーリ1近くに位置し、その回転軸心は駆動及び従動
プーリ1,2の回転軸心と平行に配置されている。この
背面プーリ14の外周面には多数のプーリ歯部15,1
5,…が一定ピッチで突設され、このプーリ歯部15,
15,…はプーリ軸心方向と交差する斜め方向に上記両
面歯付ベルト6の背面歯部10,10,…のはす歯角θ
oと同じはす歯角θ2(=θo)をもって直線状に延び
ていて(このことで背面プーリ14のプーリ歯部15,
15,…のはす歯角θ2(=θo)は、駆動及び従動プ
ーリ1,2背面のプーリ歯部のはす歯角θ1(=θi)
に対しθ2≧θ1とされている)、その両面歯付ベルト
6において駆動プーリ1の進入側にある張り側スパン6
aの背面歯部10,10,…に噛合するようになってい
る。
【0026】そして、上記駆動プーリ1と背面プーリ1
4とはギヤ機構18を介して駆動連結されている。つま
り、駆動プーリ1の側部には第1ギヤ19が同心にかつ
回転一体に取り付けられている。一方、背面プーリ14
の側部には、例えば上記駆動プーリ1側部の第1ギヤ1
9と同じギヤ径及びギヤ数を有する第2ギヤ20が同心
にかつ回転一体に取り付けられ、この第2ギヤ20は第
1ギヤ19に常時噛合しており、この両ギヤ4,16の
噛合により、駆動プーリ1と背面プーリ14とが同期し
て回転するようになっている。
【0027】したがって、この実施形態においては、駆
動プーリ1から両面歯付ベルト6を介して従動プーリ2
に動力を伝達する伝動状態で、両面歯付ベルト6の底面
歯部9,9,…が駆動及び従動プーリ1,2外周のプー
リ歯部3,3,…に噛合して動力が伝達される。そのと
き、図2及び図4に示すように、上記ベルト6の底面歯
部9,9,…及びプーリ1,2のプーリ歯部3,3,…
がそれぞれ斜めに形成されているはす歯であるので、こ
れら両歯部3,9同士の噛合いに伴いスラスト力が働い
てベルト6が駆動及び従動プーリ1,2に対しベルト幅
方向にずれて片寄りしようとする。具体的には、このベ
ルト6の片寄り力は、ベルト6と駆動及び従動プーリ
1,2との噛合い状態や両プーリ1,2のプーリ径等に
より異なるが、ベルト6の駆動プーリ1上での片寄り力
F1は張り側スパン6aのベルト張力(張り側張力)
を、また従動プーリ2上での片寄り力F2は緩み側スパ
ン6bのベルト張力(緩み側張力)をそれぞれ受け、こ
れらベルト6の駆動プーリ1上及び従動プーリ2上での
各片寄り力F1,F2は互いに相反する方向に作用す
る。そして、駆動プーリ1から従動プーリ2に動力を伝
達する伝動状態では、上記駆動プーリ1上での片寄り力
F1が従動プーリ2上での片寄り力F2よりも大きくな
り(F1>F2)、駆動プーリ1上及び従動プーリ2上
での各片寄り力F1,F2の差がベルト6全体の片寄り
力F(=F1−F2)となって、この片寄り力Fに起因
してベルト6が片寄り状態となる。
【0028】しかし、この実施形態では、上記歯付ベル
ト6の背面に、底面歯部9,9,…とはベルト厚さ方向
から見て逆向きのはす歯となる背面歯部10,10,…
が形成され、この背面歯部10,10,…には駆動プー
リ1近くに位置する背面プーリ14外周のプーリ歯部1
5,15,…がベルト6の張り側スパン6aにて噛合し
ており、この背面プーリ14はギヤ機構18によって駆
動プーリ1と同期して回転するので、上記駆動及び従動
プーリ1,2によるベルト6全体の片寄り力Fを背面プ
ーリ14により受け、図5に示すように、駆動プーリ1
により駆動される背面プーリ14のプーリ歯部15,1
5,…とベルト6の背面歯部10,10,…との間にト
ルクを生じさせて、その背面プーリ14によりベルト6
に対し駆動及び従動プーリ1,2による片寄り力Fと逆
方向の片寄り力F3を発生させることができる。尚、図
4に示すように、これらの片寄り力F1,F2,F3
は、プーリ1,2,14より力を受けて発生したベルト
張力T,T′,T″を歯筋方向に直交する方向の直交方
向分力T1,T1′,T1″(例えばT1は、T1=T
・sinθ1として求められる)と、歯筋方向の歯筋方
向分力T2,T2′,T2″(例えばT2は、T2=T
・cosθ1として求められる)とに分けたときに、F
1=T2−T1・μ、F2=T2′−T1′・μ、F3
=T2″−T1″・μ(μは歯部3,9間又は10,1
5間の摩擦係数)から得られる。
【0029】そして、ベルト6の背面歯部10,10,
…のはす歯角θoが底面歯部9,9,…のはす歯角θi
以上(背面プーリ14のプーリ歯部のはす歯角θ2が駆
動及び従動プーリ1,2のプーリ歯部のはす歯角θ1以
上)であるので、この片寄り力F3を駆動及び従動プー
リ1,2による片寄り力Fと同じ(F3=F)か又はそ
れよりも大(F3>F)として両片寄り力F,F3を互
いに相殺させることができ、このことで上記ベルト6の
片寄りを歯部3,9の噛合いのバックラッシュ分だけと
して、その大きな片寄りを防止することができる。
【0030】しかも、このようなベルト6の片寄りを駆
動及び従動プーリにそれぞれフランジを設けることで防
止する場合のように、ベルト6がフランジと接触するこ
ともなく、その接触時の騒音を低減するとともに、接触
によるベルト6の早期破損を回避してその寿命を延ばす
ことができる。
【0031】さらに、上記両面歯付ベルト6の底面及び
背面に形成される底面歯部9,9,…及び背面歯部1
0,10,…はいずれも、ベルト幅方向に対し斜めでは
あるが直線状に延びているので、この両面歯付ベルト6
を製造する場合には、底面及び背面の歯部9,10とな
る部分が内外表面に円筒中心方向に沿って斜めに連続し
て延びている円筒状のベルト成形体を成形して、それを
各ベルト幅に切断分割することで、両面歯付ベルト6を
製造することができる。つまり、上記両面歯付ベルト6
は通常の歯付ベルトと同様の製造方法を採用して製造す
ることができ、その量産性を高めることができる。
【0032】また、駆動及び従動プーリ1,2と背面プ
ーリ14としては通常のはす歯タイプの歯付プーリを使
用すればよいので、プーリ構造を簡単にすることができ
る。
【0033】さらに、上記駆動プーリ1と背面プーリ1
4とがギヤ機構18を介して駆動連結されているので、
それら両プーリ1,14を同期回転させるための望まし
い機構が容易に得られる。
【0034】尚、上記実施形態では、駆動及び従動プー
リ1,2をそれぞれ1つずつ設けているが、本発明は、
例えば従動プーリ2を増加させて伝動プーリの数を3つ
以上としたベルト伝動装置に対しても適用することがで
きる。
【0035】また、上記実施形態では、1つの背面プー
リ14を駆動プーリ1近くに配置しているが、さらに別
の背面プーリ14を従動プーリ2近くにも従動プーリ2
の進入側の緩み側スパン6bに接触するように配置する
等、背面プーリ14の数を増やすこともできる。
【0036】さらに、上記背面プーリ14は、必ずしも
両面歯付ベルト6において各プーリの進入側にあるスパ
ンに接触するように配置される必要はなく、両面歯付ベ
ルト6のスパンに接触するように配置されていればよ
い。
【0037】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1及び3の発
明によると、背面及び底面にそれぞれベルト幅方向に対
しベルト厚さ方向から見て互いに逆向きに斜めに延びる
多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設された
両面歯付ベルトと、外周面にこの両面歯付ベルト底面の
歯部に噛合する多数の歯部が一定ピッチで突設された歯
付プーリからなる伝動プーリと、両面歯付ベルトのスパ
ンの背面に接触するように配設され、外周面に両面歯付
ベルト背面の歯部に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピ
ッチで突設された歯付プーリからなる背面プーリとを設
け、伝動プーリと背面プーリとを同期して回転させるよ
うにしたことにより、両面歯付ベルト底面の歯部と伝動
プーリ外周の歯部との噛合伝動時に、歯部同士の噛合い
によりスラスト力が働いてベルトがプーリに対しベルト
幅方向に片寄りしようとするとき、背面プーリによりベ
ルトに対し伝動プーリによる片寄り力と逆方向の片寄り
力を発生させて両者の片寄り力を互いに相殺させること
ができ、ベルトの伝動時の騒音の低減、その寿命の延
長、プーリ構造の簡単化を図るとともに、両面歯付ベル
トを通常の歯付ベルトと同様の製造方法により製造して
その量産性を高めながら、ベルトの片寄りの防止を図る
ことができる。
【0038】請求項2の発明では、上記両面歯付ベルト
における背面歯部のはす歯角を底面の歯部のはす歯角以
上とした。また、請求項4の発明では、ベルト伝動装置
における背面プーリの歯部のはす歯角を伝動プーリの歯
部のはす歯角以上とした。従って、これら発明によれ
ば、背面プーリによりベルトに対し伝動プーリによる片
寄り力と同等以上の逆方向の片寄り力を発生させて、ベ
ルトの片寄りを有効に防止することができる。
【0039】請求項5の発明によると、伝動プーリは駆
動プーリとし、背面プーリは両面歯付ベルトの張り側ス
パンに噛合させたことにより、ベルトの片寄りを防止で
きるのに望ましい有効なレイアウトが得られる。
【0040】請求項6の発明によると、伝動プーリと背
面プーリとをギヤ機構を介して駆動連結したことによ
り、伝動プーリと背面プーリとを同期回転させるための
望ましい機構が容易に得られる。
【0041】請求項7の発明では、背面プーリは1つと
した。また、請求項8の発明では、背面プーリは複数と
した。これら発明によれば、本発明の効果が有効に発揮
される最適な背面プーリのレイアウトが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るベルト伝動装置を示す
斜視図である。
【図2】ベルト伝動装置を概略的に示す平面図である。
【図3】両面歯付ベルトの要部を示す一部破断斜視図で
ある。
【図4】伝動時に各プーリ及びベルトの歯部間で作用す
る力の関係を示す図である。
【図5】背面プーリとベルトとの間でトルクが発生する
状態を示す図である。
【符号の説明】
A ベルト伝動装置 1 駆動プーリ(伝動プーリ) 2 従動プーリ(伝動プーリ) 3 プーリ歯部 6 両面歯付ベルト 9 底面歯部 10 背面歯部 14 背面プーリ 15 プーリ歯部 18 ギヤ機構 19 第1ギヤ 20 第2ギヤ θi,θo,θ1,θ2 はす歯角

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と
    交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延
    びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設さ
    れている両面歯付ベルトであって、 上記背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見
    て互いに逆向きのはす歯となるように延びていることを
    特徴とする両面歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1の両面歯付ベルトにおいて、 背面の歯部のはす歯角が底面の歯部のはす歯角以上であ
    ることを特徴とする両面歯付ベルト。
  3. 【請求項3】 背面及び底面にそれぞれベルト幅方向と
    交差する斜め方向に所定のはす歯角をもって直線状に延
    びる多数の歯部がベルト長さ方向に一定ピッチで突設さ
    れ、背面の歯部と底面の歯部とがベルト厚さ方向から見
    て互いに逆向きのはす歯となるように延びている両面歯
    付ベルトと、 上記両面歯付ベルトが底面側にて巻き掛けられ、外周面
    に、軸心方向と交差する斜め方向に所定のはす歯角をも
    って延びかつ両面歯付ベルト底面の歯部に噛合する多数
    の歯部が一定ピッチで突設された歯付プーリからなる伝
    動プーリと、 上記両面歯付ベルトのスパンの背面に接触するように配
    設され、外周面に、軸心方向と交差する斜め方向に所定
    のはす歯角をもって延びかつ両面歯付ベルト背面の歯部
    に噛合する多数のプーリ歯部が一定ピッチで突設された
    歯付プーリからなる背面プーリとを備え、 上記伝動プーリと背面プーリとが同期して回転するよう
    に構成されていることを特徴とするベルト伝動装置。
  4. 【請求項4】 請求項3のベルト伝動装置において、 背面プーリの歯部のはす歯角が伝動プーリの歯部のはす
    歯角以上であることを特徴とするベルト伝動装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4のベルト伝動装置におい
    て、 伝動プーリは駆動プーリであり、 背面プーリは両面歯付ベルトの張り側スパンに噛合して
    いることを特徴とするベルト伝動装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1つのベルト伝
    動装置において、 伝動プーリと背面プーリとはギヤ機構を介して駆動連結
    されていることを特徴とするベルト伝動装置。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか1つのベルト伝
    動装置において、 背面プーリが1つであることを特徴とするベルト伝動装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項3〜6のいずれか1つのベルト伝
    動装置において、 背面プーリが複数であることを特徴とするベルト伝動装
    置。
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