JP5532496B2 - ロール仕上げ機 - Google Patents

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Description

本発明は、連続洗濯設備において、連続洗濯機で洗濯された後、脱水機により脱水された被洗物を、連続して自動的にプレス仕上げするロール仕上げ機に関するものである。
従来、連続洗濯設備において、洗濯・脱水された被洗物を、連続してプレス仕上げする装置としてカレンダー式のロール仕上げ機が用いられている。このカレンダー式のロール仕上げ機は、被洗物を、加熱された複数の回転する主ロールと、この主ロールに密接して回転する圧迫ロールとの間に通しながら、前記主ロールの表面に密着して移送することにより、被洗物の皺を伸ばしてロールプレスするものである。(特許文献1参照)。
このロール仕上げ機にあっては、主ロールの回転駆動装置として、ローラーチェーンとこれに咬合する歯の付いたドライブスプロケットからなるチェーン駆動手段が通常用いられている。このチェーン駆動手段の特徴としては、高強度であることからトルクが大きく、そしてチェーンの伸びが少ないことにあり、これにより回転駆動源であるモータの回転を、チェーンとスプロケットを用いて確実に複数の主ロールに伝達するものである。
特開2008−183101号公報
しかしながら、上述した従来のチェーン駆動手段は、チェーンとスプロケットの金属同士が咬合して擦れ合うことから、潤滑油が必要となり、かつその油の飛散による汚れが発生するのに加え、金属同士が接触して発生する騒音レベルが高く、そのため作業環境を改善することが望まれていた。また、騒音の発生が、チェーンとスプロケットとが咬合することによるものであり、チェーンの速度を増すに連れて騒音が大きくなり、耳障りとなることから、所定の速度以上にチェーンの速度、すなわち主ロールの回転速度を増大させることは困難であった(主ロールの外周速度は最大でも50m/分程度)。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、潤滑油が必要なくて油による汚れの発生もなく、主ロールの回転駆動に伴う騒音レベルが低く、これにより主ロールの回転速度を増すことができるロール仕上げ機を提供しようとするものである。
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、ローラーチェーンとドライブスプロケットからなるチェーン駆動手段の代わりに、VベルトとVプーリーとからなるベルト駆動手段を用いることを可能とするカレンダー式のロール仕上げ機を案出するに至った。
すなわち、本発明は、従来のカレンダー式のロール仕上げ機で用いていたチェーン駆動手段の代わりに、Vベルトを用いて駆動するロール仕上げ機を提供するものである。
このように、本発明のロール仕上げ機は、被洗物を複数の主ロールに圧接してプレスするカレンダー式のロール仕上げ機において、前記複数の主ロールを回転駆動するための連結部材としてVベルトとVプーリーを用いるとともに、前記被洗物の搬送路の下流側の主ロールの回転速度が上流側の主ロールの回転速度よりも常に速くなるように前記Vベルトを駆動するモータを前記被洗物の搬送路の下流側の主ロールに配設することを特徴とする。
本発明のロール仕上げ機は、モータと主ロールとの間に、モータの回転を減速する減速機を配設することを特徴とする。
本発明のロール仕上げ機は、各主ロールの回転軸に減速機を配設し、該減速機にVプ−リーを配設し、かつ該Vプ−リーをVベルトで連結することを特徴とする。
本発明のロール仕上げ機は、前記被洗物の搬送路の下流側の主ロールの回転速度を上流側の主ロールの回転速度よりも高めるべく下流側のVプーリーの径を上流側のVプーリーの径よりを小さく設定することを特徴とする。
本発明のロール仕上げ機は、複数の主ロールにおける隣接する主ロール同士が互いに回転方向を反転するための反転機構を隣接する主ロール間に介在させることを特徴とする。
本発明のロール仕上げ機は、反転機構が、2個の歯付プーリーとこれらを連結する表裏に凸状の歯部を有する両歯ベルトとを備え、2個の歯付プーリーはそれぞれ両歯ベルトの表と裏の歯と係合する係合部を有することを特徴とする。
本発明のロール仕上げ機は、反転機構が、両歯ベルトにより連結する2個の歯付プーリーの間にアイドラプーリーを介在させることにより、2個の歯付プーリーにそれぞれ両歯ベルトの表と裏の歯を係合させることを特徴とする。
以上、説明したように、本発明のロール仕上げ機によれば、Vベルトを用いることにより、潤滑油が必要なくなって、油による汚れの発生もなく、主ロールの回転駆動に伴う騒音レベルが低くなるとともに、チェーン駆動手段と比較してより高速で主ロールを回転することができ、これによりロール仕上げにおける良好な作業環境を実現しつつ、作業を効率化することができるものである。
本発明に係るロール仕上げ機の概略説明図である。 本発明に係るロール仕上げ機に用いる両歯ベルトを示す部分拡大斜視図である。 本発明に係るロール仕上げ機に用いる歯付プーリーを示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明のロール仕上げ機を実施するための形態を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
図1は、本発明に係るロール仕上げ機1を示し、このロール仕上げ機1は、図示しない連続洗濯機、脱水機から送られてくる、洗濯・脱水された布製等の被洗物を取り入れて自動的にロールプレスするという連続洗濯設備の一工程を担うものであり、主ロールを複数本、本実施例にあっては4本備えてなるカレンダー式のロール仕上げ機である。図1では、主ロールとその駆動系、及び搬送路をわかりやすく図示するものであり、圧迫ロール、テンションプーリ、支持構造等については省略している。
そして、ロール仕上げ機1を小型で省スペースとしつつ、被洗物が主ロールに密着する十分な長さを確保するために、主ロールを、単純に水平に一列に配設するのではなく、上下方向にずらして配置して、被洗物を装置内でジグザグに搬送する構造としている。
本発明に用いるVベルトは、縦断面がV字形(厳密には台形)のゴム等のエラストマーと繊維とからなる複合素材からなり、これと係合するVプーリーは、前記Vベルトと同じ角度で断面のV字形の溝を有している。そして、VベルトがVプーリーの溝に楔のように食い込むことによって強い摩擦力が生じ、これにより細いベルトで比較的大きな動力を伝えることができるものである。
ロール仕上げ機1の動作について説明すると、図1に示すごとく、まず入口2から投入された被洗物は、入口2の右上に配置され時計方向に回転する第1の主ロール3の外周に巻き付き、次にその左下に配置され反時計方向に回転する第2の主ロール4に巻き付き、次に右上に配置され時計方向に回転する第3の主ロール5に巻き付き、次にその左下に配置され反時計方向に回転する第4の主ロール6に巻き付き、そして出口7から排出され、次工程へと送られるものである。
8は、上記4本の主ロール3,4,5,6を回転させるための駆動源のモータ(例えば1800rpm)であり、このモータ8の駆動軸に掛けられたVベルト9は、前記第4の主ロール6の回転軸を軸支する減速機10の入力軸に設けたVプーリー11に掛けられて、これを回転駆動(例えば450rpm)し、減速機10で回転速度を減速しその出力軸に軸支する第4の主ロール6を適宜な速度(例えば18rpm若しくは外周で60m/分)で回転させる。
また、前記Vプーリー11は、Vベルト用のV溝を2つ備えていて、前記Vベルト9に加えてもう一つのVベルト12が掛けられており、このVベルト12は、第2の主ロール4の回転軸を軸支する減速機13の入力軸に設けたVプーリー14に掛けられて、これを回転駆動し、減速機13で回転速度を減速しその出力軸に軸支する第2の主ロール4を適宜な速度で回転させる。
さらに、前記Vプーリー14は、前記Vベルト12に加えてもう一つのVベルト15が掛けられており、このVベルト15は、主ロールの回転方向を逆転させるための手段である反転機構16に連結されている。
前記反転機構16は、図3に示すごとく、前記Vベルト15が掛けられるV溝17aと、歯付ベルトと係合する歯溝17bを2連に備えた歯付プーリー17と、これと同一仕様の歯付プーリー18とを、並列させ、これらに表裏両面に山型の歯を凸設した両歯ベルト19を掛け渡している。そして、歯付プーリー17の歯溝に、図2に示す両歯ベルト19の裏面を係合させ、歯付プーリー18の歯溝に両歯ベルト19の表面を係合させることにより、歯付プーリー17の反時計方向の回転を歯付プーリー18の時計方向の回転へと反転させることができるものである。
20は、アイドラプーリーであり、歯付プーリー17から歯付プーリー18へ回転方向を反転しつつ大きな回転トルクを確実に伝達すべく、歯付プーリー18に対する両歯ベルト19の表面の巻き付け角度を大きくするように適宜に配置されている。
そして、歯付プーリー18には、前記両歯ベルト19と係合する歯溝とともにV溝を備えて、このV溝と前記第1の主ロール3の回転軸を軸支する減速機21の入力軸に設けたVプーリー22との間にVベルト23が掛けられて、第1の主ロール3を時計方向に回転駆動する。
前記Vプーリー22は、Vベルト用のV溝を2つ備えていて、前記Vベルト23に加えてもう一つのVベルト24が掛けられており、このVベルト24は、第3の主ロール5の回転軸を軸支する減速機25の入力軸に設けたVプーリー26に掛けられて、これを回転駆動し、減速機25で回転速度を減速しその出力軸に軸支する第3の主ロール5を適宜な速度で回転させる。
第2の主ロール4から第3の主ロール5への搬送路は長いことから、第2の主ロール4から第3の主ロール5へ搬送されるシーツ等の被洗物に皺が生じないように、第2の主ロール4の外周の回転速度よりも、第3の主ロール5の外周の回転速度の方が5%程度速くなるように設定している。これにより、被洗物は、第2の主ロール4と第3の主ロール5との間で弛むことなく、常にピンと張った状態で搬送される。
この第3の主ロール5の外周の回転速度を5%速めるためには、Vプーリー26の外径をVプーリー22の外径よりも5%小さくすることで行える。それ以外にも、技術的には減速機25の減速率を変えたり、第3の主ロール5の外径を大きくしたりするなどの手段がある。
また一般に、Vベルトは長時間使用することにより徐々に摩耗するものであるが、その摩耗の程度は駆動源であるモータに近い側のVベルトの方がより大きな力を受けることから大きく、モータから遠い側のVベルトの方が摩耗が小さく、そして、モータに遠い主ロールの方が、モータから近い主ロールよりも、回転が遅くなる傾向にある。
そのため、モータを被洗物の搬送における上流側の第1の主ロールに繋いで、そこから順次下流側の主ロールにVベルトで繋いでいくと、Vベルトの摩耗により、下流側の主ロールが回転が遅くなり、これにより主ロール間で被洗物に皺が生じるおそれがあった。
そこで、本実施例にあっては、駆動源のモータを被洗物の搬送における下流側の第4の主ロール6に連結し、そこから順次上流側にVベルトで繋いで行くことにより、Vベルトが摩耗した場合であっても、上流側の主ロールの方が回転が速くなるので、搬送する被洗物に皺が生じることがない。第3の主ロール5だけは、第1の主ロール3に駆動されるという上記ルールとは異なった配置となっているが、この第3の主ロール5は第2の主ロール4や第1の主ロール3よりも予め5%速度が速く設定されているので、被洗物が弛むことはないものである。
以上、本発明のロール仕上げ機について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態におけるロール仕上げ機の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
本発明のロール仕上げ機は、連続洗濯設備を製造する産業において利用することができるものである。
1 ロール仕上げ機
2 入口
3 第1の主ロール
4 第2の主ロール
5 第3の主ロール
6 第4の主ロール
7 出口
8 モータ
9、12、15、23、24 Vベルト
10、13、21、25 減速機
11、14、22、26 Vプーリー
16 反転機構
17、18 歯付プーリー
19 両歯ベルト

Claims (5)

  1. 被洗物を複数の主ロールに圧接してプレスするカレンダー式のロール仕上げ機において、
    前記複数の主ロールを回転駆動するための連結部材としてVベルトとVプーリーを用いるとともに、
    前記複数の主ロールにおける隣接する主ロール同士が互いに回転方向を反転するための反転機構を隣接する主ロール間に介在させ、
    前記反転機構は、2個の歯付プーリーとこれらを連結する表裏に凸状の歯部を有する両歯ベルトとを備え、2個の歯付プーリーはそれぞれ両歯ベルトの表と裏の歯と係合する係合部を有し、
    前記被洗物の搬送路の下流側の主ロールの回転速度が上流側の主ロールの回転速度よりも常に速くなるように前記Vベルトを駆動するモータを前記被洗物の搬送路の下流側の主ロールに配設することを特徴とするロール仕上げ機。
  2. モータと主ロールとの間に、モータの回転を減速する減速機を配設することを特徴とする請求項1に記載のロール仕上げ機。
  3. 各主ロールの回転軸に減速機を配設し、該減速機にVプ−リーを配設し、かつ該Vプ−リーをVベルトで連結することを特徴とする請求項2に記載のロール仕上げ機。
  4. 前記被洗物の搬送路の下流側の主ロールの回転速度を上流側の主ロールの回転速度よりも高めるべく下流側のVプーリーの径を上流側のVプーリーの径よりを小さく設定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のロール仕上げ機。
  5. 反転機構は、両歯ベルトにより連結する2個の歯付プーリーの間にアイドラプーリーを介在させることにより、2個の歯付プーリーにそれぞれ両歯ベルトの表と裏の歯を係合させることを特徴とする請求項に記載のロール仕上げ機。
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