JP4467750B2 - 金属枠体構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項１の前段に記載されたような、方形平行六面体の枠形状の、特に電気キャビネットのための金属枠体構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
本出願人によるＥＰ８６６，５３１号明細書には、過剰静止式の（hyper-static）角部片を有した固定装置によって、直立材に対して桁材が取り付けられているような電気キャビネットが開示されている。
【０００３】
他の公知の枠体においては、直立材、横材および桁材を組み立てるための接合部材品として二脚体が用いられている。この枠体構造の構成要素は分解が不可能であるため、キャビネットへのケーブルの連結が困難である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、組立が簡単で、機械的強度に優れ、ケーブルの連結が容易となるような電気キャビネットのための枠体構造を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
第１の手段は、特に電気キャビネットのための、方形平行六面体の形態の金属枠体構造であって、横材に対して組み付けられる柱の形態をなし枠体の深さ方向に延びて、互いに反対側に位置した２つの四角形の副枠体を構成する直立材と、直立材と横材との相互の連結のために枠体の角部に配置された接合部材であって、それぞれ、第１の取り付け要素と、この第１の取り付け要素に対して直角に配置された第２の取り付け要素とを有した二脚体として形成された接合部材と、キャビネットの幅方向に延びて２つの副枠体同士の間の機械的接合をなす水平な桁材とを備えた金属枠体構造において、
各接合部材は、中間共通部分に、対応する桁材を固定するための位置決め手段が設けられており、この位置決め手段は、Ｖ字状に配置されて鋭角の角部分を境界付ける支持面を少なくとも一組有し、この角部分内に共役（conjugate）形状の桁材がぴったり入るようになっており、二脚体の角部分に対して桁材を漸進的に締め付けるための組立（固定）ねじを更に備えた、ことを特徴とする金属枠構造である。
【０００６】
第２の手段は、第１の手段において、角部分は、前部が開放され、後部が背によって閉じられた台形の断面形状を呈しているものである。
【０００７】
第３の手段は、第１又は第２の手段において、固定ねじを受け入れるためのねじ穴が、共通部分の中央に設けられているものである。
【０００８】
第４の手段は、第３の手段において、角部分における鋭角の仮想的な頂点が、ねじ穴と整列するように位置決めされているものである。
【０００９】
第５の手段は、第１の手段において、角部分の鋭角の大きさが２０°〜４０°となっているものである。これにより、角部分に対する桁材の適切な接触圧力を得ると同時に、その後の取り外しを確保することが出来る。
【００１０】
第６の手段は、第１乃至第５の手段のいずれかにおいて、桁材は、Ｗ字状断面をなすと共に、両端に固定ねじの挿入のための穴を有しているものである。
【００１１】
第７の手段は、第１乃至第６の手段のいずれかにおいて、桁材がアルミニウム製ないしは鋼鉄製となったものである。
【００１２】
第８の手段は、第１乃至第７の手段のいずれかにおいて、各接合部材は、引上用リングを受け入れるため、ないしは支持用基部に枠体を固定するための穿穴を有するものである。
【００１３】
第９の手段は、第１乃至第８の手段のいずれかにおいて、桁材と各接合部材の共通部分との間に、シール材が取り付けられているものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【００１５】
図１および図２に示すように、電気キャビネットの金属枠体１０は、方形平行六面体の輪郭を有した枠体構造を呈している。この枠体構造は、平行な横材１４に対して組み付けられた柱状の直立材１２を備えている。直立材１２は、枠体１０の深さ方向に延びて、互いに反対側に位置した２つの四角形の副枠体（サブフレーム）１６，１８を構成している。これら２つの副枠体１６，１８は、水平な桁材２０によって相互に連結されている。当該桁材２０は、横材１４に対して平行に、且つキャビネットの幅方向で互いに平行に延びている。この枠体構造は、地面に置かれるようになされた基部２２によって底部を支持されると共に、除法部分における４つの角部に引上用リング２４が設けられている。リング２４単体は図２に示されている。直立材１２および横材１４は、規則的な間隔で離間した一連の穴が設けられた真っ直ぐで中空の形鋼材（steel sections）によって形成されている。
【００１６】
図３、図４、図５および図７において、各直立材１２は、図７に詳細を示すような接合部材２６によって、対応する横材１４に対して組み付けられている。枠体１０の構造には、各副枠体１６，１８の４つの角部において、４つの同様の接合部材２６が必要である。各接合部材２６は、第１の取付要素２８と第２の取付要素とを備えた二脚体として構成されている。その第１の取付要素２８は、横材１４の一端内に嵌合するようになされ、第２の取付要素は、直立材１２の一端内に挿入されるようになされ、これによりブラケット式の組立が達成されるようになっている。２つの取付要素２８，３０は、共通の中間部分３２から突出して互いに直交して延びるスタッドによって形成されている。
【００１７】
各接合部材２６の共通部分（中間部分）３２には、桁材２０の一端を固定するための位置決め手段３４が設けられている。この位置決め手段３４は、Ｖ字状に配置されて台形断面の角部分４０を境界付ける、少なくとも一組の支持面３６，３８によって形成されている。その角部分４０は、前部が開放され、後部が背面４２によって閉じられている。角部分４０の傾斜した支持面３６，３８は、所定の桁材２０の挟持力が得られるような鋭角をなしている。中間部分３２の中央にはねじ穴４４が設けられ、このねじ穴４４は、桁材２０の固定ねじ４６（図８）を受け入れるようになされている。角部分４０における上記鋭角の仮想的な頂点は、ねじ穴４４および固定ねじ４６の方向と整列するように位置決めされている。
【００１８】
桁材２０は、傾斜支持面３６，３８と係合状態となって角部分４０内にぴったり入るようなＷ字状断面を有している。桁材２０の両端には、一本のねじ４６を貫通させるための穴４８（図３，図４）が設けられている。桁材２０の把持は、接合部材２６における二脚体において達成され、ねじ４６の締め付けに従って漸進的なものとなる。
【００１９】
図６には、角部分４０の鋭角の大きさによる、支持面３６，３８に対する桁材の接触圧力の変化が示されている。好ましくは、２０°〜４０°の角度を選択することにより、ねじ４６の締め付けの最終段階において、その後における桁材２０の取り外しの可能性を確保するような良好な接触圧力を得ることが出来る。２０°未満の角度では、角部分４０における桁材２０の妨害効果によって、その取り外しが妨げられやすくなるであろう。また、４０°を超える角度では、接触圧力の低下によって、枠体１０の機械的強度に対しても有害となるであろう。
【００２０】
接合部材２６の各取付要素２８，３０には、二脚体を横材１４および直立材１２に対して固定するためのねじ５４（図８）が挿入される穿穴５０，５２（図７）が設けられている。穿穴５０に対して平行なもう一つの穿穴５６が、各接合部材２６の共通部分（中間部分）３２に設けられている。この穿穴５６は、上方の接合部材２６に対して引上用リング２４を受け入れる目的や、下方の接合部材２６に対して支持用基部２２を固定するための手段に供される。
【００２１】
桁材２０は押し出しによるアルミニウム製であり、接合部材２０は、有利には亜鉛および鉛を主体とした金属の鋳造によって得られる。
【００２２】
枠体１０の組立は以下の方法によってなされる。まず、８つの接合部材２６によって４本の直立材１２を４本の対応する横材１４に対して接合させることで、２つの垂直な副枠体１６，１８が組み立てられる。ねじ５４を穿穴５０，５２内にねじ込むことで、各副枠体１６，１８が固められる。そして、一組の上方桁材２０と一組の下方桁材２０とを、接合部材２６に対して単純に固定することで、枠体１０が構成される。二脚体における収束した角部分４０に対する桁材２０の漸進的な締付効果（progressive tightening）が、必要な機械的剛性を得るために決定的となる。
【００２３】
キャビネット内に取り付けられた電気機器のケーブルを連結する場合、２本のねじ４６を緩めることで１本の桁材２０を取り外し、内部へのアクセスを確保することが容易に出来る。桁材２０の取り外しは、迅速なものであり、また枠体１０の剛性に対する不利な影響をそれほど与えるものではない。
【００２４】
図８に示すように、求められる密閉度（tightness rating）に応じて、桁材２０と各接合部材２６の共通部分（中間部分）３２との間に成形シール材５８を取り付けることもできる。そのシール材５８は、固定ねじ４６を貫通させるための中心穴６０を備えている。
【００２５】
図９および図１０には、切断および折り曲げ加工によって得られる鋼製桁材２０の２つの変形例が示されている。この場合の鋼板の厚さは、図１乃至図５および図７に示したアルミニウム製のものよりも薄くなる。図９に示す形材（profiled section）は、キャビネットの天井部分への取り付けに使用されるものであり、延長（翼）部分６０，６２を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による枠体構造の実施形態を示す斜視図。
【図２】図１の矢印Ｆ方向から見た側面図。
【図３】図１に示す枠体構造におけるサブフレームの１つへ桁材を組み付けるための装置を示す拡大斜視図。
【図４】桁材を取り付けた状態における図３と同様の図。
【図５】図４に示す部分の側面図。
【図６】角部分の鋭角の大きさによる、二脚部に対する桁材の接触圧力の変化を示すグラフ。
【図７】本発明による二脚体を有した接合部材の拡大斜視図。
【図８】他の実施形態を図３と同様にして示す図
【図９】鋼鉄形材形状を有した桁材の横断面図。
【図１０】他の鋼鉄形材形状を有した桁材の横断面図。
【符号の説明】
１０ 枠体
１２ 直立材
１４ 横材
１６，１８ 副枠体
２０ 桁材
２２ 支持用基部
２４ 引上用リング
２６ 接合部材
３２ 中間部分（共通部分）
３４ 位置決め手段
３６，３８ 支持面
４０ 角部分
４２ 背面
４４ ねじ穴
４６ 固定ねじ
４８ 穴
５６ 穿穴
５８ シール材

Claims (9)

1. 特に電気キャビネットのための、方形平行六面体の形態の金属枠体構造であって、
   横材（１４）に対して組み付けられる柱の形態をなし枠体（１０）の深さ方向に延びて、互いに反対側に位置した２つの四角形の副枠体（１６，１８）を構成する直立材（１２）と、
   直立材（１２）と横材（１４）との相互の連結のために枠体（１０）の角部に配置された接合部材（２６）であって、それぞれ、第１の取り付け要素（２８）と、この第１の取り付け要素（２８）に対して直角に配置された第２の取り付け要素（３０）とを有した二脚体として形成された接合部材（２６）と、
   キャビネットの幅方向に延びて２つの副枠体（１６，１８）同士の間の機械的接合をなす水平な桁材（２０）と
   を備えた金属枠体構造において、
   各接合部材（２６）は、中間共通部分（３２）に、対応する桁材（２０）を固定するための位置決め手段（３４）が設けられており、この位置決め手段は、Ｖ字状に配置されて鋭角の角部分（４０）を境界付ける支持面（３６，３８）を少なくとも一組有し、この角部分内に共役形状の桁材（２０）がぴったり入るようになっており、
   二脚体の角部分（４０）に対して桁材（２０）を漸進的に締め付けるための固定ねじ（４６）を更に備えた、ことを特徴とする金属枠体構造。
2. 角部分（４０）は、前部が開放され、後部が背面（４２）によって閉じられた台形の断面形状を呈していることを特徴とする請求項１記載の枠体構造。
3. 固定ねじ（４６）を受け入れるためのねじ穴（４４）が、共通部分（３２）の中央に設けられている、ことを特徴とする請求項１又は２記載の枠体構造。
4. 角部分（４０）における鋭角の仮想的な頂点が、ねじ穴（４４）と整列するように位置決めされている、ことを特徴とする請求項３記載の枠体構造。
5. 角部分（４０）の鋭角の大きさが２０°〜４０°である、ことを特徴とする請求項１記載の枠体構造。
6. 桁材（２０）は、Ｗ字状断面をなすと共に、両端に固定ねじ（４６）の挿入のための穴（４８）を有している、ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の枠体構造。
7. 桁材（２０）はアルミニウム製ないしは鋼鉄製である、ことを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載の枠体構造。
8. 各接合部材（２６）は、引上用リング（２４）を受け入れるため、ないしは支持用基部（２２）に枠体（１０）を固定するための穿穴（５６）を有する、ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の枠体構造。
9. 桁材（２０）と各接合部材（２６）の共通部分（３２）との間に、シール材（５８）が取り付けられている、ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれかに記載の枠体構造。

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