JP4467540B2 - 回路装置 - Google Patents
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Description
Size Package)と呼ばれるパッケージ技術が種々開発されている。
しながら、絶縁層202に使用される樹脂は熱膨張率が高く、例えば、金属基板に用いられるFe−Ni−Co合金の熱膨張率は10×10−6/Kであり、銅(Cu)の熱膨張率は6〜9×10−6/Kである。これに対して、絶縁膜に用いられるエポキシ樹脂の熱膨張率は60〜70×10−6/Kであり、絶縁膜は金属基板の約10倍もの熱膨張率を有している。このような性質の差により、回路基板210の温度上昇とともに、絶縁層202に形成された配線パターン層203に位置ずれが生じる。図13は、温度上昇により位置ずれを生じた回路基板の断面図である。尚、図中には、熱膨張によるずれがない状態の電気伝導層207aを破線で示してある。図13に示すように、金属基板201のスルーホール206内に形成された電気伝導層207部分よりも、絶縁層202上に設けられた配線パターン層203部分の方が、膨張により移動する距離(膨張によるずれ量)が大きいため、双方のパターンは相対的なずれが生じる。回路基板210の温度変化によりこのずれが繰り返される場合には、配線パターン層203と電気伝導層207との間にクラックが発生することがある。このため、この部分で接続不良となり、回路装置の信頼性が低下するという問題がある。また、金属基板201と絶縁層202とは接触面の密着性のみで接着しているため、絶縁層202の膨張によるずれ量によっては、金属基板201からの膜剥がれが生じるなどの問題も発生する。これらの結果、回路基板210およびそれを用いた回路装置の信頼性が低下する。
図1は本発明の第1実施形態に係る金属基板を備えた回路基板を有する回路装置を示した断面図である。図2は図1中の金属基板の開口部近傍の拡大図である。
する開口部2(直径R:約300μm)がハニカム配列(正六角形とその中心に開口部を配置する配列)に対応する所定の箇所に形成されている。ここでは、開口部間のピッチSがS=4Rとなるように配置し、金属基板1には10箇所の開口部2が形成されている。このように金属基板1に開口部2を形成した際、金属基板1の上面側には開口部2の端に沿うように突起1a(約25μm)が形成され、下面側には開口部2の端に沿うようにへたり1bが形成される。なお、この突起1aは、金属基板1の開口部2の端に沿って設けられるが、突起1aの先端部は均一な高さでなくてもよく、例えば、櫛状であったり、波状であったりしてもよい。また、突起ごとの形状や高さも同じでなくてもよい。さらに、突起1aは、開口部2に沿って必ずしも一体的な(連続的な)突起として設けられる必要はなく、例えば、独立した複数の突起が開口部2に沿って不連続に設けられていてもよい。
(1)導体層8の設けられた開口部2の端に沿うように設けた突起1aが、アンカー効果により回路基板10の温度上昇時において膨張する絶縁層3を押さえつけ、金属基板1と絶縁層3との熱膨張率の差に起因する配線パターン層4のパターンずれ(または上下の配線パターン層4,6を接続する導体層8の変形:具体的には金属基板1の開口部2内の導体層8の位置と配線パターン層4との接続部との位置ずれ)を低減することができる。また、ハニカム配列に並べられた開口部2の端に沿うように設けられた突起1aにより金属基板1と絶縁層3との接触面積が増大するため密着性が向上し、金属基板1からの絶縁層3の剥離を低減することができる。これらの結果、温度上昇時における回路装置の信頼性低下を抑制することができる。
(2)発熱源となるLSIチップ20と同じ側に突起1aが選択的に設けたことによって、絶縁層3の膨張をより効果的に抑制できるので、より顕著な密着性改善効果を得ることができる。また、突起1aがハニカム配列に並べられた開口部2の端に沿うように設けられたので、突起1aが回路装置内で均一に配置され、回路装置内で均一に密着性改善効果が得られる。さらに、ハニカム配列によって複数の開口部2を同一ピッチで正方格子配列に並べるよりも高密度で配置することができたので、突起1aによる接触部分を多く設けることができ、密着性改善効果が増強される。これらの結果、温度上昇時における回路装置の信頼性低下をより効果的に抑制することができるようになる。
(3)LSIチップ20が接続された配線パターン層4と金属基板1との間隔(距離)が金属基板1の突起1a部分で相対的に短くなり、突起1aがLSIチップ20から発生した熱の金属基板1への放熱経路となるので、金属基板1に突起がない場合に比べて、回路装置50(回路基板10)の放熱特性が向上する。この結果、温度上昇時における回路装
置の信頼性を向上させることができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係る金属基板を備えた回路基板を有する回路装置を示した断面図である。第1実施形態と異なる箇所は、金属基板1の開口部2の端に設けられた突起1aを、LSIチップ20を搭載する側だけでなく、開口部2の両側に突起1aを形成していることである。それ以外については、第1実施形態と同様である。
(4)金属基板1の開口部2の両側に突起1aが設けたことによって、金属基板1の下面側においても金属基板1の開口部2の端に設けられた突起1aが、アンカー効果により回路装置50A(回路基板10)の温度上昇時において膨張する絶縁層5を押さえつけ、金属基板1と絶縁層5との熱膨張率の差に起因する配線パターン層6のパターンずれ(または上下の配線パターン層4,6を接続する導体層8の変形:具体的には金属基板1の開口部2内の導体層8の位置と配線パターン層6との接続部との位置ずれ)を低減することができる。また、ハニカム配列に並べられた開口部2の端に沿うように設けられた突起1aによって、金属基板1と絶縁層5との接触面積が増大するため密着性が向上し、金属基板1から絶縁層5が剥離するのを低減することができる。これらの結果、回路基板10の両面側において熱膨張による位置ずれや膜剥がれを制御することができるので、温度上昇時における回路装置50A(回路基板10)の信頼性低下をさらに抑制することができる。
第2実施形態の変形例として、図8に、図7に示した金属基板の両面突起に関する別の例を示す。
図9は本発明の第3実施形態に係る回路装置の金属基板に設けられた開口部の位置を示す平面図である。図10は図9中のX−X’線に相当する位置における回路装置の概略断面図である。第1実施形態と異なる箇所は、金属基板1を貫通する開口部2(直径R:約300μm)がハニカム配列で高密度(開口部間のピッチSがS=2Rとなるような配置)に形成されていることと、これら複数の開口部に導体層8が設けられた開口部2aと導体層8が設けられていない開口部(ダミー開口部)2bが含まれていることである。それ以外については、先の第1実施形態と同様である。
口部2aと導体層8が設けられていない開口部(ダミー開口部)2bが選択的に形成される。なお、第3実施形態では、導体層8が設けられた開口部2aに比べて導体層8が設けられていない開口部(ダミー開口部)2bを多く配置し、さらに導体層8が設けられた開口部2aの周囲を取り囲むように、導体層8が設けられていない開口部(ダミー開口部)2bを配置するようにレイアウトしている。
(5)金属基板1の開口部を、導体層8が設けられていない開口部2bを含めたハニカム配列としたことにより、導体層8が設けられた開口部2aのみでハニカム配列を構成するよりも設計レイアウトが容易になるので、回路装置の低コスト化を実現できる。
(6)金属基板1の開口部を、導体層8が設けられていない開口部2bを含めたハニカム配列としたことにより、導体層8が設けられた開口部2aのみでハニカム配列を構成するよりも金属基板1内により高密度で開口部を設けることが可能となるので、上記(2)の効果をさらに増強することができる。
(7)ハニカム配列で形成された開口部を有する金属基板1に対して所望の箇所にスルーホール7を設けて導体層8を形成することにより、金属基板1に開口部を形成するレイアウト設計が共通化され、複数の異なる機種の回路装置に対して上記金属基板1を採用することができるため、それぞれの回路装置の低コスト化を実現することが可能となる。
(8)導体層8が設けられていない開口部2bを、平面的に見て、導体層8が設けられた開口部2aを取り囲むように配置したので、開口部2a近傍の絶縁層3の膨張をその周囲に配置された開口部2bの突起によりさらに押さえつけられるので、開口部2aにおける配線パターン層4のパターンずれをさらに低減することができる。
したが、本発明はこれに限らず、複数の開口部2を正方格子配列に並べて設けてもよい。また、複数の開口部2を設計上問題のない範囲でランダムに設けてもよい。
1a 開口部の突起
1b 開口部のへたり
2 開口部
3,5 絶縁層
4,6 配線パターン層
7 スルーホール
8 導体層
10 回路基板
20 LSIチップ
21 半田ボール
50 回路装置
Claims (4)
- 複数の開口部を有する金属基板と、
前記金属基板の一方の面に第1の絶縁層を介して設けられた第1の配線層と、
前記金属基板の他方の面に第2の絶縁層を介して設けられた第2の配線層と、
前記開口部の少なくとも一部においてその開口部を介して前記金属基板を貫通し、前記第1の配線層と第2の配線層とを接続する導体層と、
前記金属基板の前記一方の面において前記第1の配線層に接続された回路素子と、
を備え、
前記金属基板の前記一方の面の表面には前記開口部の端に沿うように突起が選択的に設けられている回路装置。 - 前記開口部は前記導体層が設けられていない開口部を含み、
前記金属基板の前記一方の面の表面には、前記導体層が設けられていない開口部の端に沿うように突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路装置。 - 前記導体層が設けられていない開口部は、平面的に見て、前記導体層が設けられた開口部を取り囲むように配置されている請求項2に記載の回路装置。
- 前記開口部は前記金属基板に対してハニカム配列に並べられて設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路装置。
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