JP4466101B2 - 構造体のシミュレーションモデルの作成方法およびシミュレーション方法 - Google Patents
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有限要素モデルとして作成されるタイヤのシミュレーションモデルでは、ベルト部材やカーカス部材等の補強部材で形成される補強層のモデルは膜要素やシェル要素によって表し、補強層を取り巻くゴム部材のモデルはソリッド要素によって表す。そして、補強層のモデルの膜要素やシェル要素の節点は、これを取り巻くソリッド要素の節点と共有するように作成される。また、2つのゴム部材が互いに接合する接合面においても、互いの有限要素が節点を共有するように作成される。
また、下記特許文献2には、縦溝および横溝を有するタイヤのトレッドパターンの要素モデルとこれに接合するタイヤボディ部要素モデルとを別々に作成した後、2つのモデルを接合するタイヤ有限要素モデルの作成方法が開示されている。ここでは、作成したトレッドパターンの要素モデルをタイヤボディ部要素モデルに接合する際、節点の相対位置が変わらないように強制変位させるように定義して接合される(特許文献2中の[0008]、[0028])が、強制変位をどのように与えるかについては一切開示がない。
前記拘束条件により前記第2の部材モデルの挙動を拘束することにより、前記構造体のシミュレーションモデルを作成することを特徴とする構造体のシミュレーションモデルの作成方法を提供する。
さらに、前記2つの構成部材の配置を再現するように、前記第1の部材モデルに前記第2の部材モデルを配置したとき、前記第1の部材モデルからはみ出た前記第2の部材モデルの部分は削除されるのが好ましい。
前記第2の部材モデルが再現する構成部材は、所定の方向の弾性率がこの方向と直交するいずれの方向の弾性率に対しても100倍以上高い補強部材である。例えば、ゴム構成部材に対するスチール線材等が挙げられる。
また、前記所定の条件には、温度に関する初期条件あるいは境界条件が含まれ、前記シミュレーション演算において熱伝導解析が行なわれてもよい。
また、前記シミュレーション演算は、例えば、前記構造体が固体および流体の少なくとも1つと接触して固体あるいは液体の影響を受ける前記構造体の挙動を模擬して算出するものであってもよい。その際、前記構造体の、固体および流体の少なくとも1つと接触する接触面を再現した前記構造体のシミュレーションモデルの接触面には、例えば、接触圧力およびすべり速度の少なくともいずれか一方に依存する摩擦係数を付与して前記シミュレーション演算を行うとよい。
なお、本発明の構造体における構成部材は、1つの材料からなる1つの構成部材の他、材料の異なる複数の構成部材からなる集合体としての構成部材も含む。例えばタイヤの場合、カーカス部材およびベルト部材の補強部材を1つの補強構成部材として扱ってもよいし、カーカス部材およびベルト部材に用いるコーティングゴム部材を1つのコーティング構成部材として扱ってもよい。また、トレッドゴム部材、フィラーゴム部材およびライナーゴム部材等のゴム部材を1つのゴム構成部材として扱ってもよい。
この拘束条件により第3の部材モデルの挙動を拘束することにより、第1の部材モデルに第3の部材モデルが結合するので、第1の部材モデルおよび第3の部材モデルは結合部分において節点を共有することが不要となる。
このため、部材モデルが結合して一体化したシミュレーションモデルを効率よく容易に作成することができる。
ベース部材モデル11は本発明における第1の部材モデルに、補強層モデル12は本発明における第2の部材モデルに、トレッド部材モデル10は本発明における第3の部材モデルに対応する。
なお、回転体形状であるタイヤの有限要素モデルは、タイヤ断面を表した2次元モデルを用いて構成することもでき、この場合、上記6面体ソリッド要素や5面体ソリッド要素の替わりに長方形ソリッド要素や三角形ソリッド要素が用いられ、シェル要素や膜要素、あるいは厚さを有する板要素、曲げ変形を有する梁要素、トラス要素あるいは剛性のない線分要素等が用いられる。
図2は、タイヤのシミュレーションモデルを作成してシミュレーション演算を行なって性能予測を行なう演算装置20のブロック図である。
演算装置20は、条件設定部22、モデル作成部24、モデル結合部26、シミュレーション演算部28および性能予測部30がそれぞれサブルーチンとしてモジュール化されて構成されている。この他、上記各部分の処理を実質的に行なうCPU32および各部分で得られた処理結果を記憶するメモリ34を有する。
これらのモデルは有限要素モデルであるので、モデルの作成によって、各モデルの節点の位置座標、各有限要素を構成する番号化された節点の番号の組、各有限要素毎の材料定数等が少なくとも1つのファイルとなってメモリ34に記憶される。
算出された特性物理量は、予測結果の指標として図示されないディスプレイやプリンタに出力される。
まず、タイヤの、ベルト部材およびカーカス部材を有して構成される補強層の補強層モデル12が作成される(ステップS10)。同様に、ベース部材モデル11およびトレッド部材モデル10が同時に作成される(ステップS12,14)。
各モデルの節点の位置座標、各有限要素を構成する番号化された節点の番号の組、各有限要素毎の材料定数等が少なくとも1つのファイルとなってメモリ34に記憶される。材料定数は、線形特性の他に、非線形特性、例えば歪みに対して応力が非線形に変化する非線形特性、あるいは、この非線形特性を2つの線形特性で区分近似した非線形特性で表してもよい。
また、弾性ポテンシャルから定まる超弾性特性を有するように材料定数が付与されてもよい。また、材料定数は、温度、周波数、時間のうち、少なくとも1つをパラメータとした関数で表されてもよい。
補強層は、ゴムコート部材中に一方向に沿って埋設されたコードで形成され、このコードは一定の間隔で平行に配置されている。図4(a)中のコードは、複数の素線が撚り構造となったものである。このようなコードの断面積をA、幅Wに含まれるコードの本数をN、とすると、図4(b)に示すように、コードの空間的な集まりを層状の補強層として補強層モデル12が表わされる。補強層モデル12の厚さhは、h=A・N/Wとして表されてモデル化される。なお、補強層モデル12は、シェル要素や膜要素で表される場合、厚さhは実質的な形状には反映されないが、シミュレーション演算では厚さhを有するものとして演算される。補強層は、スチール線材等のように補強方向の弾性率が、この補強方向と直交するいずれの方向の弾性率に対しても100倍以上高い部材によって構成される。
この配置の結果に応じて、補強層モデルの有限要素の再構成が行なわれる(ステップS18)。
ベース部材モデルに補強層モデルを配置して、補強層モデルがベース部材モデルからはみ出た場合、このはみ出た部分は、何らベース部材モデルからの影響をうけないものとなるため、モデルから削除される。
さらに、ベース部材モデルの有限要素毎に、後述する各節点の重み係数Wが求められる(ステップS20)。例えば、図5(g)に示すように、補強層モデルの節点がベース部材モデル要素1に内包されている場合、ベース部材モデル要素1の節点1,2,5,4の重み係数W(102)_1,W(102)_2,W(102)_5,W(102)_4を求める。
したがって、ベース部材モデルの有限要素毎にこの有限要素内に内包される、あるいは辺上に位置する節点に対して、変換Tにより正方形上の対応点を求めることができる。
より具体的には、形状関数N1(r,s),N2(r,s),N3(r,s),N4(r,s)を用いて、X−Y座標空間における位置座標(x,y)を下記式(1)を用いて位置座標(r、s)と対応づけることができる。ここで、x1,y1,x2,y2,x5,y5,x4,y4は、それぞれ、ベース部材モデルの有限要素の節点1、2、5、4の位置座標である。
なお、図6の例ではパラメトリック空間上の基準形状を正方形状としたが、この形状に制限されない。三角形形状や長方形形状等であってもよい。
節点1,2,5,4の所定の物理量、例えばX方向の変位をu(1),u(2),u(5),u(4)とすると、節点102におけるX方向の変位u(102)は下記式(3)のように定める。同様に、節点101,202における変位u(101),u(202)は、下記式(4)、(5)のように定める。同様に、Y方向の変位v(102)についても同様の重み係数Wを用いて表す。
モデルの結合は種々の公知のシミュレーションに用いることができる。
例えば、シミュレーションモデル14の変形挙動を動的に算出する、すなわち動的解析を行なう場合、所定の時間ステップ毎に以下の計算を行なう陽解法を行なう。ある時間ステップにおいて、補強層モデル12の境界節点(拘束される点)に作用する力とこの境界節点の質量を、ベース部材モデル11の節点(拘束する節点)に、重み係数wiに応じた分配を行なって、これらの節点(ベース部材モデル11の拘束する節点)の質量および作用する力を修正する。この場合、補強層モデルの拘束される境界節点すべてに対して上記分配を行なった後、補強層モデル12の拘束される境界節点を除いた補強層モデル12の節点とベース部材モデル11の節点の加速度を計算する。この後、ベース部材モデル11の拘束する節点の加速度は、重み係数wiを用いて補強層モデル12の境界節点に振り分けられる。こうして、補強層モデル12における境界節点の加速度を求めることができる。求められた境界節点における加速度とこの境界節点における質量とを用いてこの境界節点に加わる力を求める。こうして、次の時間ステップにおいて作用する力を求める。勿論外力として次の時間ステップにおいて境界節点に力が付加された場合、この力も加算される。このような陽解法は、タイヤの挙動を動的に再現するシミュレーション演算に好適である。
例えば、上記拘束式から補強層モデル12の境界節点の自由度を消去したモデルのマトリクスを作成する。この方法は、タイヤの挙動を静的に再現するシミュレーション演算に好適であり、境界節点の自由度を消去してマトリクス全体における自由度を少なくするので解析に要する演算時間を短縮することができる。
また、別の方法として拘束式から節点の自由度を消去する方法に替えて、モデル全体のマトリクス中、拘束される補強層モデル12の境界節点と拘束するベース部材モデル11の節点との対角成分に同じ値のぺナルティ数を加算し、交差成分に同じ値のペナルティ数を減算することで、修正したモデルのマトリクスを作成する。
また、下記式(8)に示すように、マトリクス中のu2とu3に対応する対角成分k22,k33にペナルティ係数Kを加算し、マトリクス中のu2とu3の交差成分k23,k32から同じ値のペナルティ係数Kを減算する。ここで、ペナルティ係数Kは例えば、マトリクス中のu2とu3の対角成分k22,k33の大きい方に1010倍した、極めて大きな値である。
トレッド部材モデル10がベース部材モデル11と接合する接合面の節点は、互いに同じ位置に設けられているので、節点を共有するようにモデルを結合することができる。
このように作成されたシミュレーションモデルに対して、例えば、タイヤが使用されるときの使用条件を模擬した条件(負荷荷重、内圧、走行速度、路面の状態等の各種の条件)を用いて、シミュレーション演算が行なわれる。また、接地状態のタイヤの固有振動数を求めたり、タイヤの一部分で発熱したときの熱の伝導状態を解析する。
図3に示すステップS26によって補強層モデル12が結合されたベース部材モデル11に、ステップS14(図3参照)により作成されたトレッド部材モデル10が結合される(ステップS30)。
図9に示す例では、節点a1〜a6のうち節点a4,a5,a6が接合面の境界点として求められる。
次に、この重み係数Wを用いて、境界点の物理量を、この境界点を境界上に持つベース部材モデル11の有限要素の節点の物理量によって表す拘束条件が定められる(ステップS38)。例えば、図9中のトレッド部材モデル10の境界点a5の物理量は、ベース部材モデル11の節点2,3の物理量によって表される。
次に、この拘束条件を用いて、上述した方法と同様に、ベース部材モデル11の拘束する節点の質量および作用する力を修正し、また各モデルの合成されたマトリクスについて境界点の自由度を消去して修正し、あるいはマトリクスの成分にペナルティ数を加算、減算してマトリクスを修正することで、トレッド部材モデル10の結合が行なわれる(ステップS40)。
こうして、トレッド部材モデル10がベース部材モデル11に境界上で結合したシミュレーションモデルを作成することができる。
さらに、トレッド部材モデル10は有限要素からなるモデルであるが、本発明では、これに限定されない。例えば、トレッド部材を複数の要素点(離散点)で表し、この複数の要素点のそれぞれを中心としたときの所定の範囲(サポート)に含まれる複数の要素点の位置情報と、これらの要素点の中心からの距離に応じて重み係数が定まる重み関数とを用いて、所定の範囲(サポート)内の所定の物理量の分布を表す内挿関数を定めることによってトレッド部材モデルを作成してもよい。このようなモデルの作成方法は有限要素を形成するためのメッシュ分割がないことからメッシュフリー法と呼ばれている。このメッシュフリー法によるモデルは、有限要素のモデルの物理量を表す内挿関数が、有限要素を構成する節点の物理量によって表わされるのと異なり、上記サポート内に含まれる移動可能な要素点に応じて設定される。この点で大きく有限要素のモデルと異なる。このようなメッシュフリー法によるモデルについては、本願出願人による特願2003−179732号に詳細に記載されている。
さらには、トレッド部材モデル10は、メッシュフリー法により作成されたモデルと複数の有限要素で構成されるモデルとが組み合わさったモデルであってもよい。
11 ベース部材モデル
12 補強層モデル
14 シミュレーションモデル
20 演算装置
22 条件設定部
24 モデル作成部
26 モデル結合部
28 シミュレーション演算部
30 性能予測部
Claims (27)
- 2つの構成部材を少なくとも有し、このうち一方の構成部材の少なくとも一部分が他方の構成部材に埋設されている構造体のシミュレーションモデルの作成を、コンピュータを用いた演算装置が実行する方法であって、
前記構成部材について、複数の有限要素で構成される第1の部材モデルおよび第2の部材モデルを別々に作成するステップと、
前記2つの構成部材の配置を再現するように、前記第1の部材モデルに対して前記第2の部材モデルを配置したときに前記第2の部材モデルの有限要素の節点間を結ぶ境界線が前記第1の部材モデルの有限要素の境界を交差する交点を求め、この交点を前記第2の部材モデルにおける節点として追加して前記第2の部材モデルの有限要素を再構成するステップと、
前記第2の部材モデルの各節点を内包する前記第1の部材モデルの有限要素の形状を、パラメトリック空間上の所定の基準形状から形状関数を用いて形状変換したものとして定めることにより、前記第2の部材モデルの各節点の前記基準形状内における対応点の位置情報を求め、この位置情報および前記形状関数を用いて、有限要素が再構成された前記第2の部材モデルの各節点の挙動を、各節点を内包する前記第1の部材モデルの有限要素の節点の挙動によって規制する拘束条件を定めるステップと、を有し、
前記拘束条件により前記第2の部材モデルの挙動を拘束することにより、前記構造体のシミュレーションモデルを作成することを特徴とする構造体のシミュレーションモデルの作成方法。 - 前記第2の部材モデルの有限要素を再構成するステップは、さらに、前記第1の部材モデルの有限要素の節点間を結ぶ境界線が前記第2の部材モデルの有限要素の境界を交差する場合、その交点を求め、求めた交点を前記第2の部材モデルにおける節点として追加する請求項1に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第2の部材モデルが、シェル要素、膜要素、板要素、面要素、梁要素、トラス要素、および線分要素の中から選ばれた少なくとも一つのモデル要素でモデル化された請求項1または2に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記構造体のシミュレーションモデルは、前記第1の部材モデルに接合する第3の部材モデルを有し、この第3の部材モデルは、構成部材を複数の要素点で表し、この複数の要素点のそれぞれを中心としたときの所定の範囲に含まれる複数の要素点の位置情報と、これらの要素点の前記中心からの距離に応じて重み係数が定まる重み関数とを用いて、前記所定の範囲内の所定の物理量の分布を表す内挿関数を定めることによって、前記第3の部材モデルが作成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記構造体のシミュレーションモデルは、前記第1の部材モデルに接合する、複数の有限要素で構成される第3の部材モデルを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記構造体のシミュレーションモデルは、前記第1の部材モデルに接合する第3の部材モデルを有し、この第3の部材モデルは第1の部分モデルと第2の部分モデルによって構成され、
前記第1の部分モデルは複数の有限要素でモデルの作成が成され、
前記第2の部分モデルは構成部材を複数の要素点で表し、この複数の要素点のそれぞれを中心としたときの所定の範囲に含まれる複数の要素点の位置情報と、これらの要素点の前記中心からの距離に応じて重み係数が定まる重み関数とを用いて、前記所定の範囲内の所定の物理量の分布を表す内挿関数を定めることによってモデルの作成が成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。 - 前記第3の部材モデル中の、前記第1の部材モデルと接合する境界に位置する要素点あるいは節点は、前記第1の部材モデルの節点と共有して結合される請求項4〜6のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第3の部材モデルは、前記第1の部材モデルと接する面と、この面に位置する前記第3の部材モデルの要素点あるいは節点とが、前記第1の部材モデルが前記第3の部材モデルと接する面と、この面に位置する前記第1の部材モデルの節点とに対して相対変位が生じないように定めることで、前記第3の部材モデルが前記第1の部材モデルに結合される請求項4〜6のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記2つの構成部材の配置を再現するように、前記第1の部材モデルに前記第2の部材モデルを配置したとき、前記第1の部材モデルからはみ出た前記第2の部材モデルの部分は削除される請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第1の部材モデルおよび前記第2の部材モデルは、構成部材の断面をモデル化した2次元モデルであって、前記拘束条件を定めた後、これらの2次元モデルを所定の方向に引き伸ばすことによって、3次元モデルの構造体のシミュレーションモデルを作成する請求項1〜9のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第2の部材モデルが再現する構成部材は、所定の方向の弾性率がこの方向と直交するいずれの方向の弾性率に対しても100倍以上高い補強部材である請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第2の部材モデルに付与される材料特性は、非線形特性あるいはこの非線形特性を区間毎に線形特性で区分近似した非線形特性を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第2の部材モデルには、弾性ポテンシャルから定まる超弾性特性を有する材料定数が付与される請求項1〜12のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 温度、周波数および時間のうち少なくとも1つをパラメータとして用いた関数で表された材料定数が、前記第1の部材モデル、前記第2の部材モデルおよび前記第3の部材モデルの少なくとも1つに付与される請求項1〜13のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 2つの構成部材を少なくとも有し、このうち一方の構成部材が他方の構成部材に接合している構造体のシミュレーションモデルの作成を、コンピュータを用いた演算装置が実行する方法であって、
前記構成部材について、複数の有限要素で構成される第1の部材モデルおよび離散点を少なくとも表面に有するシミュレーション可能な離散化モデルの第3の部材モデルを別々に作成するステップと、
前記2つの構成部材の配置を再現するように、前記第1の部材モデルに前記第3の部材モデルを配置したときに、前記第1の部材モデルの有限要素の境界上に位置する前記第3の部材モデルの離散点を境界点として求めるステップと、
前記第3の部材モデルの前記境界点を境界上に持つ前記第1の部材モデルの有限要素の形状を、パラメトリック空間上の所定の基準形状から形状関数を用いて形状変換したものとして定めることにより、前記第3の部材モデルの前記境界点の、前記基準形状内における対応点の位置情報を求め、この位置情報および前記形状関数を用いて、前記第3の部材モデルの前記境界点における挙動を、この境界点を境界上に持つ前記第1の部材モデルの有限要素の節点の挙動によって規制する拘束条件を定めるステップと、を有し、
前記拘束条件により前記第3の部材モデルの挙動を拘束することにより、前記第1の部材モデルに前記第3の部材モデルを結合させた構造体のシミュレーションモデルを作成することを特徴とする構造体のシミュレーションモデルの作成方法。 - 前記第3の部材モデルの前記離散点は構成部材を表す複数の要素点とし、この複数の要素点のそれぞれを中心としたときの所定の範囲に含まれる複数の要素点の位置情報と、これらの要素点の前記中心からの距離に応じて重み係数が定まる重み関数とを用いて、前記所定の範囲内の所定の物理量の分布を表す内挿関数を定めることによって、前記第3の部材モデルの作成が成される請求項15に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記第3の部材モデルは、第1の部分モデルおよび第2の部分モデルを有し、
前記第1の部分モデルは、前記離散点を有限要素の節点とし、複数の有限要素で構成されたモデルとしてモデルの作成が成され、
前記第2の部分モデルは、前記離散点を構成部材を表す複数の要素点とし、この複数の要素点のそれぞれを中心としたときの所定の範囲に含まれる複数の要素点の位置情報と、これらの要素点の前記中心からの距離に応じて重み係数が定まる重み関数とを用いて、前記所定の範囲内の所定の物理量の分布を表す内挿関数を定めることによってモデルの作成が成される請求項15に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。 - 前記第3の部材モデルには、弾性ポテンシャルから定まる超弾性特性を有する材料定数が付与される請求項15〜17のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 温度、周波数および時間のうち少なくとも1つをパラメータとして用いた関数で表された材料定数が、前記第1の部材モデルおよび前記第3の部材モデルの少なくとも一方に付与される請求項15〜18のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記構造体の構成部材の少なくとも1つは、ゴム部材で構成されている請求項1〜19のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 前記構造体は、タイヤである請求項20に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法。
- 請求項1〜21のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーションモデルの作成方法でシミュレーションモデルを作成するステップと、
このシミュレーションモデルに所定の条件を付与してシミュレーション演算を行なうステップと、を有することを特徴とする構造体のシミュレーション方法。 - 前記所定の条件は、荷重を負荷する条件であり、前記シミュレーション演算は構造体の固有振動数を算出する固有値解析である請求項22に記載の構造体のシミュレーション方法。
- 前記所定の条件には、温度に関する初期条件あるいは境界条件が含まれ、前記シミュレーション演算において熱伝導解析が行なわれる請求項22または23に記載の構造体のシミュレーション方法。
- 前記シミュレーション演算は、前記構造体が固体および流体の少なくとも1つと接触して固体あるいは液体の影響を受ける前記構造体の挙動を模擬して算出する請求項22〜24のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーション方法。
- 前記構造体の、固体および流体の少なくとも1つと接触する接触面を再現した前記構造体のシミュレーションモデルの接触面には、接触圧力およびすべり速度の少なくともいずれか一方に依存する摩擦係数を付与して前記シミュレーション演算を行う請求項25に記載の構造体のシミュレーション方法。
- 前記所定の条件は、前記構造体が使用されるときの使用条件を模擬したものであり、前記シミュレーション演算によって得られた所定の物理量を用いて、前記構造体の性能予測を行なう請求項22〜26のいずれか1項に記載の構造体のシミュレーション方法。
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