JP4465910B2 - 車両用冷却ファンの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のラジエータおよび冷凍サイクルの凝縮器を冷却する冷却ファンを制御する車両用冷却ファンの制御装置に関するものであり、特に冷凍サイクル稼働中における冷却ファン作動開始時の送風量の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に冷凍サイクルでは、フロストを防止するとともに、冷凍能力を制御するために、蒸発器の風下側にサーミスタ等の温度センサを設け、この温度センサの検出温度に基づいて、圧縮機に動力を伝達する電磁クラッチと、凝縮器に冷却風を送風する冷却ファンとを制御している。
【0003】
このとき、冷却ファンは、凝縮器および車両走行用の液冷式内燃機関の冷却液を冷却するラジエータの両者に送風をしているため、この冷却ファンの具体的な制御は、図7に示すように、冷凍サイクルが停止しているときにはステップ100による冷却ファンの制御を実行し、検出されたエンジン水温Twに応じたブロア電圧Vc1を出力する制御をして、ラジエータを冷却させることで液冷式内燃機関のオーバーヒート防止を図っている。
【0004】
なお、このブロア電圧Vc1特性は、パルス幅変調制御(PWM制御とも称す。)により求めたものであって、設定された水温T1〜T4に応じたブロア電圧Vc1をそれぞれV0〜V3に対応させたものである。ここでは、V0=0V、V3=12Vである。従って、検出された水温Twが高いとき(Tw≧T1〜T4)は、冷却ファンに出力するブロア電圧Vc1を設定された水温T1〜T4に対応したV0〜V3のいずれかの制御量を選択し出力するものである。
【0005】
そして、次に冷凍サイクルが稼働しているときにはステップ110による冷却ファンの制御を実行する。すなわち、上記ブロア電圧Vc1と、冷凍サイクルの高圧側(凝縮器側)に設けた圧力スイッチにより検出された凝縮圧力PHに応じたブロア電圧Vc2とのいずれか高い方のブロア電圧を出力する制御をして、ラジエータおよび凝縮器を冷却させることで、液冷式内燃機関のオーバーヒート防止および蒸発器のフロスト防止するとともに、所定の冷凍能力となるように制御を行なっている。
【0006】
また、Tw<T1〜T4、かつPH1<PH<PH2であって電磁クラッチがONのときには、冷却ファンを最小風量(例えばV1)で運転し、Tw<T1〜T4、かつ電磁クラッチがOFFのときには、冷却ファンを停止状態(例えば、V0)とする。つまり、上記の冷却ファンの制御では、比較的熱負荷が低い条件でエアコンスイッチが投入された場合、冷凍能力が余剰状態となるため、冷却ファンはON(最小風量、V1)状態とOFF(V0)状態とを周期で繰り返すことになる。
【0007】
従って、春、秋などの外気温度が低い中間期などで、かつ車速が低いときなどのアイドリング運転時においては、一般的に必要とする冷凍能力が小さいために、上述したように冷凍能力が余剰状態となるため、冷凍サイクルは電磁クラッチがON−OFF制御されるとともに、冷却ファンの制御がON(最小風量、V1)状態とOFF(V0)状態とを周期で繰り返すことになる。つまり、これらの条件のときには、エンジン水温Twが低いため、冷却ファンの制御が主に凝縮圧力PHによって可変されるが、外気温度が低いために冷却ファンの制御が最小風量か停止かのいずれかを繰り返している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記条件下のときにおいて、図8に示すように、電磁クラッチがOFFからONに作動するときに、凝縮圧力PHが瞬発的に上昇することがしばしばある。このときの冷却ファンの制御は、上述したように凝縮圧力PHに基づいてブロア電圧Vc2が求まるため大風量のブロア電圧の出力が必要となる。そして、ブロア電圧Vc2が高められた結果、冷却ファンの作動音が大きいと言う問題を生じていた。
【0009】
そこで、発明者等はこの凝縮圧力PHが瞬発的に上昇する原因について試験調査していたところ、以下の点を発見した。すなわち、冷却ファンが作動しているときには、凝縮器およびラジエータに向けて冷却風が送風されているため、エンジンルーム内のうち凝縮器およびラジエータより冷却風流れ下流側の部位は、エンジンルーム外より気圧(静圧)が上昇している。
【0010】
このため、車速が低下した状態(アイドリング運転状態)で冷却ファンが停止すると、一度、凝縮器およびラジエータを通過して加熱された空気が、エンジンルーム内外の気圧差により、凝縮器およびラジエータ側(車両前方側)に逆流してしまうので、この逆流した温風により凝縮器の雰囲気温度が上昇してしまうとともに、次回、電磁クラッチがON状態となり冷却ファンが作動した時に、温風が凝縮器およびラジエータを通過することとなる。従って、凝縮器内の圧力(凝縮圧力PH)が瞬発的に上昇するために、冷却ファンのブロア電圧Vc2が上昇してしまうことを見出した。この結果、電磁クラッチがON−OFF制御されるとともに、冷却ファンの制御が大風量状態とOFF(V0)状態とを周期で繰り返すことになることで、冷却ファンの作動音が大きいと言う問題を生じていた。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みてなされたもので、冷凍サイクルの稼働中であって、圧縮機の作動直後の所定時間は冷却ファンの送風量を抑えることで、冷却ファンの作動音の低減を可能とした車両用冷却ファンの制御装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、以下の請求項に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両走行用の液冷式内燃機関(2)の冷却液を冷却するラジエータ(3)、および冷媒を圧縮する圧縮機(6)を有する冷凍サイクルの凝縮器(4)に向けて冷却風を送風する冷却ファン(5)と、冷凍サイクルの高圧側圧力を検出する圧力検出手段(14)と、圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に応じて冷却ファン(5)の作動を制御する制御手段(10)とを備えた車両用冷却ファンの制御装置であって、車両速度を検出する車速検出手段(12)を有し、制御手段(10)は、圧縮機(6)を作動させたとき、車速検出手段(12)により検出された車両速度が所定速度未満の場合には、圧縮機(6)の作動後の、所定時間の間、送風量を抑えるように制御し、制御手段(10)は、ブロア電圧により冷却ファン(5)を制御し、所定時間の間、圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に基づいて求めた所定ブロア電圧値(Vo)より低いブロア電圧値を冷却ファン(5)に出力し、所定時間は、所定ブロア電圧値(Vo)が高いときの方が低いときよりも短くなるように可変することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、圧縮機(6)の作動後の、所定時間の間、送風量を抑えるように制御することにより、例えば車両の低車速状態で冷却ファン(5)が停止したとき凝縮器(4)側に逆流した温風により凝縮器(4)の雰囲気温度が上昇し、電磁クラッチ(7)および冷却ファン(5)がONに作動するときに凝縮圧力PHが瞬発的に上昇することがあっても、所定時間の間、凝縮圧力PHに応じた制御量とはせずに小風量の制御量を出力することで、従来の制御と比較して冷却ファン(5)の作動音を低減させた状態で作動できる。
そして、圧縮機(6)の作動後の、所定時間の間、所定ブロア電圧値(Vo)より低いブロア電圧値を冷却ファン(5)に出力するようにしている。
また、所定ブロア電圧値(Vo)が高いときには所定時間を短く、逆に所定ブロア電圧値(Vo)が低いときには所定時間を長くすることにより、温風の逆流によって発生する一時的な凝縮圧力を無視するように制御することができる。これにより、所定ブロア電圧値(Vo)が高ければ送風量が多いため逆流によって温度上昇している空気を短時間で送り出すことができ、逆に所定ブロア電圧値(Vo)が低ければ送風量が少ない外気相当の低い空気を吸い込むために時間がかかり、瞬発的に上昇する凝縮圧力が発生する時間も異なることを考慮した制御を行うことが出来る。
【0014】
請求項2に記載の発明では、車両走行用の液冷式内燃機関(2)の冷却液を冷却するラジエータ(3)、および冷媒を圧縮する圧縮機(6)を有する冷凍サイクルの凝縮器(4)に向けて冷却風を送風する冷却ファン(5)と、冷凍サイクルの高圧側圧力を検出する圧力検出手段(14)と、圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に応じて冷却ファン(5)の作動を制御する制御手段(10)とを備えた車両用冷却ファンの制御装置であって、
車両速度を検出する車速検出手段(12)を有し、
制御手段(10)は、圧縮機(6)を作動させたとき、車速検出手段(12)により検出された車両速度が所定速度未満の場合には、圧縮機(6)の作動後の、所定時間の間、送風量を抑えるように制御し、
制御手段(10)は、ブロア電圧により冷却ファン(5)を制御し、所定時間の間、圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に基づいて求めた所定ブロア電圧値(Vo)より低いブロア電圧値を冷却ファン(5)に出力し、
制御手段(10)は、前回の圧縮機(6)作動の停止直前のブロア電圧を記憶する記憶手段を有し、所定ブロア電圧値(Vo)が記憶手段で記憶された停止直前のブロア電圧を出力することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、今回、前回の圧縮機(6)作動の停止直前のブロア電圧を出力することにより、一般的に電磁クラッチ(7)がON−OFF状態のときの例えば熱負荷、外気温度などは短時間で変化することが少ないため、前回の停止直前のブロア電圧を出力することで、通常制御で得られた冷却ファン(5)の作動音が変化することもなく次の作動に織り込められることで快適性を損なうことがない。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用冷却ファンの制御装置の一実施形態を図1ないし図6に基づいて説明する。まず、図1に示すように、本実施形態に係る冷却ファンの制御装置を用いた車両エンジンルーム1の模式図であり、車両走行用の水冷式エンジン(液冷式内燃機関)2の空気流れ上流側(車両前方側)には、冷却水(冷却液)を冷却するラジエータ3、および冷凍サイクル(車両用空調装置)の凝縮器4が配設されている。
【0024】
また、5は凝縮器4およびラジエータ3に空気(冷却風)を送風する電動式の冷却ファンであり、凝縮器4およびラジエータ3への送風量は、冷却ファン5に印加する電圧(ブロア電圧)を制御することにより制御される。6は冷媒を圧縮する圧縮機であり、この圧縮機6は、断続可能に駆動力を伝達する電磁クラッチ7を介して水冷式エンジン2から駆動力を得て作動する。8は凝縮器4から流出する冷媒を減圧する減圧器(図示せず)を介して、減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器である。なお、9は蒸発器8を収容した空調ユニットであって、この空調ユニット9は車室内に配設されている。
【0025】
そして、電磁クラッチ7および冷却ファン5は、電子制御装置(以下、ECU称す。)10によって出力される制御量によって制御されている。このECU10は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)に、図3に示す制御プログラムが記憶され、以下に述べる入力信号を入力し、電磁クラッチ7および冷却ファン5に制御量を出力する。
【0026】
図2に示すように、ECU10には、冷却水の温度を検出する水温センサ11の検出水温Tw、車両の速度を検出する車速検出手段である車速センサ12の検出速度Va、車両用空調装置のA/Cスイッチ13から信号、冷凍サイクルの高圧側圧力(凝縮器4内の圧力)を検出する圧力検出手段である圧力センサ14の検出圧力PH、蒸発器8にて冷却された空気の温度を検出する温度センサ15の検出温度Teおよび車両周辺の外気温度Tamを検出する外気温度検出手段である外気温センサ16が入力されている。
【0027】
次に、本発明の特徴的作動を図3に示す制御プログラムのフローチャートに基づいて説明する。先ず、ステップ200において、A/Cスイッチ13の状態(ON/OFF)によって車両用空調装置(冷凍サイクル)が作動状態であるか否かを判定する。車両用空調装置が停止状態であるとき(A/Cスイッチ13がOFFのとき)は、ステップ210において冷却ファン5の制御を実行する。ここでは、図4(a)に示すように、水温センサ11によって検出された検出水温Twに基づいて冷却ファン5に出力する制御量を求めるものである。制御量はブロア電圧Vc1であって、予めECU10に設けられているROM(図示せず)内に記憶された水温Twとブロア電圧Vc1との関係を表わす制御マップからブロア電圧Vcを求め、その制御量を冷却ファン5に出力し、ラジエータ3を冷却させて水冷式エンジン2のオーバーヒート防止を図っている。
【0028】
次に、車両用空調装置が作動状態であるとき(A/Cスイッチ13がONのとき)は、ステップ220にて、電磁クラッチ7の運転要求の有無を判定する。具体的には上記温度センサ15の検出温度が4℃以上のときはONが要求され、検出温度が3℃以下のときにはOFFが要求される圧縮機6への制御信号(ON/OFF)であって、この圧縮機6への制御信号がONのときにはステップ230に移行し、制御信号がOFFのときにはステップ300に移行する。
【0029】
前者のステップ230では、外気温度Tamが所定温度Tam1未満であるか否かを判定する外気温度判定手段であって、外気温センサ16によって検出された外気温度Tamが所定温度Tam1未満であるときにはステップ240に移行し、所定温度Tam1以上であるときにはステップ300に移行する。なお、所定温度Tam1は、後述するブロア電圧Voに基づいて求められた所定の外気温度であって、冷房期間のうちでシーズンか中間期かを判定するもので、概して冷房時の熱負荷の大小を判定している。
【0030】
次に、ステップ240では、車両の速度(検出速度Va)が所定速度Va1未満であるか否かを判定する車速判定手段であって、車速センサ12で検出されたの検出速度Vaが所定速度Va1未満であるときにはステップ250に移行し、検出速度Vaが所定速度V1以上であるときにはステップ300に移行する。なお、所定速度Va1は10km/h以下の所定速度であり、本実施形態では約0km/hである。つまり、ここではアイドリング状態か走行状態かを判定するものである。
【0031】
そして、ステップ250おいて、電磁クラッチ7にON信号を出力し、圧縮機6に電磁クラッチ7が磁着することで水冷式エンジン2の駆動源と圧縮機6とが接続され圧縮機6が駆動されるものである。
【0032】
次に、ステップ260にてタイマのカウントが開始され、ステップ270において、カウント開始してからの経過時間TMが所定時間TM1に達したか否かを判定する経過時間判定手段である。なお、この所定時間TM1は、冷却ファン5が作動し温風の逆流が起き瞬発的に凝縮圧力PHが上昇することがあっても、冷却ファン5の作動による冷却によって、上昇した凝縮圧力PHを下降させるための最適時間を設定したものであって、本実施形態では、約10秒を設定している。
【0033】
従って、経過時間TMが所定時間TM1である10秒未満であれば、ステップ280に移行する。このステップ280は冷却ファン制御手段であって、冷却ファン5に対して圧縮機6の作動後の10秒間の間、後述する状況に応じて冷却ファン5の送風量を抑制するものである。本実施形態では、まず、予め設定された所定ブロア電圧Vo(例えば6V)または、図4(b)に示す検出された凝縮圧力PHから求めたブロア電圧Vc2のいずれか低い方の制御量Vc3を求めるものである。
【0034】
そして、求めた制御量Vc3と、図4(a)に示す検出水温Twから求めたブロア電圧Vc1とを比較し、いずれかブロア電圧が高い方の制御量Vcを求めて冷却ファン5に出力し冷却ファン5を作動させるものである。なお、ブロア電圧Vc2は、予めECU10に設けられている記憶手段であるROM(図示せず)内に記憶された凝縮圧力PHとブロア電圧Vc2との関係を表わす制御マップからブロア電圧Vc2を求めるものである。これにより、所定時間の間、求められた制御量Vcによって冷却ファン5が作動するものである。従って、検出水温Twが低いときには、所定ブロア電圧Vo(例えば6V)以下の小風量に相当する制御量が冷却ファン5に出力され冷却ファン5が作動される。
【0035】
そして、所定時間TM1が経過すると、ステップ290においてカウンタがリセットされ、ステップ300に移行する。ここでは、冷却ファン5の通常制御を実行するものであって、検出水温Twに基づいて求められたブロア電圧Vc1と凝縮圧力PHに基づいて求められたブロア電圧Vc2とを比較し、いずれかブロア電圧が高い方の制御量Vcを求めて冷却ファン5に出力し冷却ファン5を作動させるものである。
【0036】
また、ステップ240の車速判定手段において、検出速度Vaが所定速度V1以上であるときに、つまり、車両が走行しているときには、外気がラジエータ3および凝縮器4に吸込まれるように冷却ファン5が作動するため温風の逆流が生じないため、ステップ300の通常制御で良い。
【0037】
さらに、ステップ230の外気温度判定手段で所定温度Tam1以上であるときに、つまり、外気温度Tamが高くて冷房時の熱負荷が大きいときには、凝縮圧力PHに基づいたブロア電圧Vc2が比較的高めとなることで凝縮器4の冷凍能力およびラジエータ3の冷却能力を最適制御されるものである。
【0038】
また、図4(a)に示す検出水温Twとブロア電圧Vc1との関係を表わす制御マップおよび図4(b)に示す凝縮圧力PHとブロア電圧Vc2との関係を表わす制御マップの特性は、ともにパルス幅変調制御(PWM制御とも称す。)により求めたものである。
【0039】
以上の一実施形態によれば、冷凍サイクルの稼働中において、電磁クラッチ7がONして圧縮機6の作動後、所定時間TM1の間(例えば10秒)、予め設定された所定ブロア電圧値Vo(例えば6V)以下の制御量Vcを冷却ファン5に出力することにより、逆流した温風により凝縮器4の雰囲気温度が上昇し、電磁クラッチ7および冷却ファン5がONに作動するときに凝縮圧力PHが瞬発的に上昇することがあっても、所定時間TM1の間、凝縮圧力PHに応じた通常の制御量とはせずに小風量の制御量を出力することで、電磁クラッチ7がON−OFF制御して圧縮機6が断続運転しても従来の制御と比較して冷却ファン5の作動音は小さい状態で作動できる。
【0040】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、ステップ280の冷却ファン制御手段において、冷却ファン5に出力される制御量Vcを予め設定された所定ブロア電圧値Vo(例えば6V)を用いて説明したが、これに限らず、検出された外気温度Tamに応じてブロア電圧Voを予め設定してROM内に記憶させておいても良い。
【0041】
図5に示すように、凝縮器4の冷凍能力は、外気温度Tamおよび冷却ファン5に出力されるブロア電圧Voによって左右される。そこで、冷凍能力不足を発生させないように外気温度Tamに応じた最小の所定ブロア電圧値Voを出力するように、例えば、外気温度Tamが20℃のときにブロア電圧Voが4V、外気温度Tamが35℃のときにブロア電圧Voが12Vを表わすように予め設定しておくことにより、圧縮機6の作動後、所定時間の間の冷凍能力不足を生じない。
【0042】
また、この時の所定時間TM1を例えば10秒と設定したが、これに限らず、所定ブロア電圧値Voに応じて所定時間TM1を可変させても良い。図6に示すように、ブロア電圧Voが低い4Vのときに15秒と長くし、ブロア電圧Voが高い12Vのときに5秒と短くしても良い。これにより、逆流によって温度上昇している空気を送り込むためには冷却ファン5に出力される所定ブロア電圧値Voの大小によって異なる。つまり所定ブロア電圧値Voが高ければ送風量が多いため逆流によって温度上昇している空気を短時間で送り出すことができ、逆に所定ブロア電圧値Voが低ければ送風量が少ない外気相当の低い空気を吸い込むために時間がかかる。
【0043】
従って、瞬発的に上昇する凝縮圧力PHが発生する時間も異なるため、温風の逆流によって発生する一時的な凝縮圧力PHを無視することができる。
【0044】
また、以上の実施形態では、所定ブロア電圧値Voを、例えば6Vか外気温度TAMに応じた制御量を予め設定された制御量を用いていたが、圧縮機6が今回作動する一つ前、つまり前回の停止直前のブロア電圧Voを記憶する記憶手段を有するとともに、圧縮機6の作動後、所定時間の間、記憶された先回のブロア電圧Voを所定ブロア電圧値Voとして用いても良い。
【0045】
これにより、一般的に電磁クラッチ7がON−OFF状態のときの、例えば熱負荷、外気温度などは短時間で変化することが少ないため、一つ前の停止直前のブロア電圧Voを制御量として出力することで、通常制御で得られた冷却ファン5の作動音が変化することもなく次の作動に織り込められることで快適性を損なうことがない。
【0046】
なお、上述の実施形態では、冷凍サイクルとして車両用空調装置を対象としたが、車両用冷凍装置を対象としても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用冷却ファンの制御装置の搭載状態を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における電子制御装置10の制御系を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態における電子制御装置10の制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における(a)は水温Twとブロア電圧Vc1との関係を示す特性図、(b)は凝縮圧力PHとブロア電圧Vc2との関係を示す特性図である。
【図5】他の実施形態における外気温度Tamとブロア電圧Voとの関係を示す特性図である。
【図6】他の実施形態におけるブロア電圧Voと所定時間TM1との関係を示す特性図である。
【図7】従来における冷却ファン制御の制御処理を示すフローチャートである。
【図8】従来における温風の逆流による凝縮圧力の過渡期の挙動を示す特性図である。
【符号の説明】
2…水冷式エンジン(液冷式内燃機関)
3…ラジエータ
4…凝縮器
5…冷却ファン
6…圧縮機
7…電磁クラッチ
10…電子制御装置(制御手段)
12…車速センサ(車速検出手段)
14…圧力センサ(圧力検出手段)
16…外気温センサ(外気温度検出手段)
H…所定温度
Vo…所定ブロア電圧値

Claims (2)

  1. 車両走行用の液冷式内燃機関(2)の冷却液を冷却するラジエータ(3)、および冷媒を圧縮する圧縮機(6)を有する冷凍サイクルの凝縮器(4)に向けて冷却風を送風する冷却ファン(5)と、前記冷凍サイクルの高圧側圧力を検出する圧力検出手段(14)と、前記圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に応じて前記冷却ファン(5)の作動を制御する制御手段(10)とを備えた車両用冷却ファンの制御装置であって、
    車両速度を検出する車速検出手段(12)を有し、
    前記制御手段(10)は、前記圧縮機(6)を作動させたとき、前記車速検出手段(12)により検出された車両速度が所定速度未満の場合には、前記圧縮機(6)の作動後の、所定時間の間、送風量を抑えるように制御し、
    前記制御手段(10)は、ブロア電圧により前記冷却ファン(5)を制御し、前記所定時間の間、前記圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に基づいて求めた所定ブロア電圧値(Vo)より低いブロア電圧値を前記冷却ファン(5)に出力し、
    前記所定時間は、前記所定ブロア電圧値(Vo)が高いときの方が低いときよりも短くなるように可変することを特徴とする車両用冷却ファンの制御装置。
  2. 車両走行用の液冷式内燃機関(2)の冷却液を冷却するラジエータ(3)、および冷媒を圧縮する圧縮機(6)を有する冷凍サイクルの凝縮器(4)に向けて冷却風を送風する冷却ファン(5)と、前記冷凍サイクルの高圧側圧力を検出する圧力検出手段(14)と、前記圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に応じて前記冷却ファン(5)の作動を制御する制御手段(10)とを備えた車両用冷却ファンの制御装置であって、
    車両速度を検出する車速検出手段(12)を有し、
    前記制御手段(10)は、前記圧縮機(6)を作動させたとき、前記車速検出手段(12)により検出された車両速度が所定速度未満の場合には、前記圧縮機(6)の作動後の、所定時間の間、送風量を抑えるように制御し、
    前記制御手段(10)は、ブロア電圧により前記冷却ファン(5)を制御し、前記所定時間の間、前記圧力検出手段(14)の検出圧力(PH)に基づいて求めた所定ブロア電圧値(Vo)より低いブロア電圧値を前記冷却ファン(5)に出力し、
    前記制御手段(10)は、前回の前記圧縮機(6)作動の停止直前のブロア電圧を記憶する記憶手段を有し、前記所定ブロア電圧値(Vo)が前記記憶手段で記憶された停止直前のブロア電圧を出力することを特徴とする車両用冷却ファンの制御装置。
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