JP2003211953A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003211953A JP2002014032A JP2002014032A JP2003211953A JP 2003211953 A JP2003211953 A JP 2003211953A JP 2002014032 A JP2002014032 A JP 2002014032A JP 2002014032 A JP2002014032 A JP 2002014032A JP 2003211953 A JP2003211953 A JP 2003211953A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1圧縮機と第2圧縮機を選択的にまたは同
時に駆動可能なハイブリッド圧縮機あるいはそれと同等
のハイブリッド圧縮機の使用を前提とし、この圧縮機の
駆動を適切に制御することで、車両用空調装置の性能向
上をはかる。 【解決手段】 車両の原動機のみにより駆動される第1
圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
機と、該圧縮機が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧
縮機の駆動について、原動機のみの駆動、電動モータの
みの駆動、原動機と電動モータによる同時駆動、停止の
いずれかから選択する圧縮機駆動制御手段とを備えた車
両用空調装置において、消費動力または冷凍能力、ある
いは車両の熱負荷に応じて、前記第1圧縮機部と第2圧
縮機部の両方を同時に、あるいはいずれかを単独に運転
することを特徴とする車両用空調装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の原動機(エ
ンジン)と、それとは別の電動モータとにより駆動力を
得ることのできるハイブリッド型の圧縮機を備えた車両
用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、車両用空調装置における圧縮機
(コンプレッサ)は、車両エンジンによってベルト駆動
され、それによって冷媒を圧縮し空調を行うようにして
いる。あるいは、専用の電動モータによってコンプレッ
サを駆動し、空調を行う場合もある。このような単一の
駆動源を設ける場合に対し、車両エンジン、電動モータ
の両方によってコンプレッサを駆動可能としたハイブリ
ッドコンプレッサも知られており、この場合、通常、エ
ンジンが稼働している時はエンジンにてコンプレッサを
駆動し、エンジンが停止している時は電動モータにてコ
ンプレッサを駆動する方式が考えられている。
【0003】上記のような従来の技術では、コンプレッ
サの駆動方法をエンジンの稼働/非稼働により、ベルト
駆動または電動モータ駆動のいずれかに切り換えてい
る。エンジンにより圧縮機を駆動する場合、圧縮機の回
転数はエンジンの回転数に依存することとなり、空調負
荷が大きいときは空調能力が不足する状況が考えられ
る。また、電動モータにより圧縮機を駆動する場合、圧
縮機の回転数は車両の電力源の容量が不足したときに制
限を受けることとなり、空調負荷が大きいときは空調能
力が不足する状況が考えられる。いずれの問題も、コン
プレッサの駆動方法がどちらかの駆動源の選択によって
のみ決定されることに起因して生じるものである。
【0004】このような従来のハイブリッド圧縮機に対
し、未だ出願未公開の段階にあるが、先に本出願人によ
り、車両のエンジンのみにより駆動される第1圧縮機
(第1圧縮室)と、電動モータのみにより駆動される第
2圧縮機(第2圧縮室)とが一体に組み付けられ、第1
圧縮機と第2圧縮機を選択的にまたは同時に駆動可能と
したハイブリッド圧縮機が提案されている(特願200
1−280630)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
のような従来のハイブリッド圧縮機駆動制御方法におけ
る問題点に着目し、上記本出願人が先に提案した第1圧
縮機と第2圧縮機を選択的にまたは同時に駆動可能なハ
イブリッド圧縮機あるいはそれと同等のハイブリッド圧
縮機の使用を前提とし、この圧縮機の駆動を適切に制御
することで、車両用空調装置の性能向上をはかることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る車両用空調装置は、車両の原動機のみ
により駆動される第1圧縮機部と電動モータのみにより
駆動される第2圧縮機部とが一体に組み付けられている
ハイブリッド型の圧縮機を備えた車両用空調装置におい
て、前記圧縮機を原動機のみにより駆動する場合、電動
モータのみにより駆動する場合の消費動力または冷凍能
力を推定し、該消費動力または冷凍能力に応じて、前記
第1圧縮機部駆動または第2圧縮機部駆動、第1圧縮機
部と第2圧縮機部の両方を同時に駆動する手段を有する
ことを特徴とするものからなる(第1態様に係る車両用
空調装置)。
【0007】このような車両用空調装置においては、圧
縮機に対し各駆動源を用いた場合の消費動力または冷凍
能力が推定され、該消費動力または冷凍能力に応じて駆
動形態が選択される(単独駆動、同時駆動)ので、その
ときの状態に応じて最適な駆動形態とされることが可能
となる。
【0008】また、本発明に係る車両用空調装置は、車
両の原動機のみにより駆動される第1圧縮機部と電動モ
ータのみにより駆動される第2圧縮機部とが一体に組み
付けられているハイブリッド型の圧縮機を備えた車両用
空調装置において、前記圧縮機を原動機のみにより駆動
する場合、電動モータのみにより駆動する場合の消費動
力を推定することのできる消費動力推定手段を有し、最
小の消費動力となる駆動手段を選択する手段を有するこ
とを特徴とするものからなる(第2態様に係る車両用空
調装置)。
【0009】このような車両用空調装置においては、各
駆動源を用いた場合の圧縮機の消費動力が推定され、消
費動力が最小となる駆動手段が選択されるので、空調装
置に使用される動力が最小化されて、車両全体の省動力
化が適切に達成されることになる。
【0010】そして、この車両全体の省動力化を、第1
圧縮機と第2圧縮機を選択的にまたは同時に駆動可能な
ハイブリッド圧縮機を使用することの基本的な目的とし
つつ、より具体的には、そのときの車両の熱負荷に応じ
て、最適な駆動方式を選択する制御を行うことができ
る。
【0011】すなわち、本発明に係る車両用空調装置
は、車両の原動機のみにより駆動される第1圧縮機部と
電動モータのみにより駆動される第2圧縮機部とが一体
に組み付けられているハイブリッド型の圧縮機と、該圧
縮機が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧縮機の駆動
について、原動機のみの駆動、電動モータのみの駆動、
原動機と電動モータによる同時駆動、停止のいずれかか
ら選択する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱負荷を推定
する熱負荷推定手段とを備えた車両用空調装置におい
て、熱負荷推定手段により推定される車両の熱負荷に応
じて、前記第1圧縮機部と第2圧縮機部の両方を同時に
運転することを特徴とするものからなる(第3態様に係
る車両用空調装置)。
【0012】また、本発明に係る車両用空調装置は、車
両の原動機のみにより駆動される第1圧縮機部と電動モ
ータのみにより駆動される第2圧縮機部とが一体に組み
付けられているハイブリッド型の圧縮機と、該圧縮機が
組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧縮機の駆動につい
て、原動機のみの駆動、電動モータのみの駆動、原動機
と電動モータによる同時駆動、停止のいずれかから選択
する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱負荷を推定する熱
負荷推定手段とを備えた車両用空調装置において、熱負
荷推定手段により推定される車両の熱負荷に応じて、前
記第1圧縮機部のみの運転から第1圧縮機部と第2圧縮
機部の同時運転に、あるいは、該同時運転から第1圧縮
機部のみの運転に切り替えることを特徴とするものから
なる(第4態様に係る車両用空調装置)。
【0013】また、本発明に係る車両用空調装置は、車
両の原動機のみにより駆動される第1圧縮機部と電動モ
ータのみにより駆動される第2圧縮機部とが一体に組み
付けられているハイブリッド型の圧縮機と、該圧縮機が
組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧縮機の駆動につい
て、原動機のみの駆動、電動モータのみの駆動、原動機
と電動モータによる同時駆動、停止のいずれかから選択
する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱負荷を推定する熱
負荷推定手段とを備えた車両用空調装置において、熱負
荷推定手段により推定される車両の熱負荷に応じて、前
記第2圧縮機部のみの運転から第1圧縮機部と第2圧縮
機部の同時運転に、あるいは、該同時運転から第2圧縮
機部のみの運転に切り替えることを特徴とするものから
なる(第5態様に係る車両用空調装置)。
【0014】さらに、本発明に係る車両用空調装置は、
車両の原動機のみにより駆動される第1圧縮機部と電動
モータのみにより駆動される第2圧縮機部とが一体に組
み付けられているハイブリッド型の圧縮機と、該圧縮機
が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧縮機の駆動につ
いて、原動機のみの駆動、電動モータのみの駆動、原動
機と電動モータによる同時駆動、停止のいずれかから選
択する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱負荷を推定する
熱負荷推定手段とを備えた車両用空調装置において、熱
負荷推定手段により推定される車両の熱負荷に応じて、
前記第1圧縮機部のみの運転から第2圧縮機部のみの運
転に、あるいは、第2圧縮機部のみの運転から第1圧縮
機部のみの運転に切り替えることを特徴とするものから
なる(第6態様に係る車両用空調装置)。
【0015】これら第3態様ないし第6態様を組み合わ
せた態様とすることもできる。
【0016】上記第3態様ないし第6態様に係る車両用
空調装置においては、室外熱交換器である凝縮器を通過
する空気の温度またはそれに相関のある物理量を検知す
る凝縮器入口空気温度検知手段、室外熱交換器である凝
縮器を通過する空気の風速またはそれに相関のある物理
量を検知する凝縮器入口空気風速検知手段、室内熱交換
器である蒸発器を通過する空気の温度またはそれに相関
のある物理量を検知する蒸発器入口空気温度検知手段、
室内熱交換器である蒸発器を通過する空気の湿度または
それに相関のある物理量を検知する蒸発器入口空気湿度
検知手段、室内熱交換器である蒸発器を通過する空気の
風速またはそれに相関のある物理量を検知する蒸発器入
口空気風速検知手段の少なくとも一つを有し、それらか
らの検知信号に基づいて車両の熱負荷を推定することが
できる。
【0017】また、外気温度またはそれに相関のある物
理量を検知する外気温度検知手段、車室内空気温度また
はそれに相関のある物理量を検知する車室内空気温度検
知手段、外気導入状態か内気循環状態かを認識する内外
気状態認識手段、車両の走行速度またはそれに相関のあ
る物理量を検知する車速検知手段、送風機風量またはそ
れに相関のある物理量を検知する送風機風量認識手段、
室内熱交換器である蒸発器を通過する空気の湿度または
それに相関のある物理量を検知する蒸発器入口空気湿度
検知手段の少なくとも一つを有し、それらからの検知信
号に基づいて車両の熱負荷を推定することもできる。
【0018】さらに、車両の走行速度またはそれに相関
のある物理量を検知する車速検知手段、日射量またはそ
れに相関のある物理量を検知する日射量検知手段、外気
温度またはそれに相関のある物理量を検知する外気温度
検知手段の少なくとも一つを有し、それらからの検知信
号に基づいて車両の熱負荷を推定することもできる。
【0019】また、本発明に係る車両用空調装置におい
ては、冷凍サイクルにおける冷媒高圧圧力またはそれに
相関のある物理量を検知する冷媒高圧圧力検知手段を有
し、その検知信号に基づいて冷凍サイクルの熱負荷を推
定することができる。
【0020】さらに、車室内空気温度またはそれに相関
のある物理量を検知する車室内空気温度検知手段および
車室内空気温度目標値を推定し、車室内空気温度目標値
と車室内空気温度検出値との差を演算する車室内空気温
度目標値−検出値差演算手段を有し、該演算手段による
演算値に基づいて車両の熱負荷を推定することもでき
る。
【0021】上記のような本発明に係る車両用空調装置
においては、2つの圧縮機部(2つの圧縮室)を同時運
転することで、交互運転よりも大きな冷却能力を発生さ
せ、空調能力不足を回避することができる。また、その
ときの熱負荷に応じて、いずれか一方の駆動源から同時
運転に切り替えたり、同時運転から選択的にいずれか一
方の駆動源による運転に切り替えたりすることにより、
能力不足、電力不足、能力過多、電力過多、動力過多等
が生じた場合、さらには、車両の高低速の切り替え時や
加速時、内外気切り替え等の条件変更が生じた場合に
も、そのときの条件に応じて最適な運転方法を任意に選
択することが可能になり、より最適な空調制御状態とす
ることが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明
の第1実施態様に係る車両用空調装置のシステム構成
図、図5はその制御例を示すブロック図、図2は本発明
の第2実施態様に係る車両用空調装置のシステム構成
図、図6はその制御例を示すブロック図、図3は本発明
の第3実施態様に係る車両用空調装置のシステム構成
図、図7、8はその制御例を示すブロック図、図4は本
発明の第4実施態様に係る車両用空調装置のシステム構
成図、図9はその制御例を示すブロック図、図10、1
1は日射あり/なしの条件における運転条件切替の例を
示す駆動方式切替特性図を、それぞれ示している。
【0023】図1に示すような空調装置において、図5
に示すような制御ブロック図に従い、各入力変数をメイ
ンコントローラに入力し、消費動力または冷凍能力LB
を推定演算することで、圧縮機(コンプレッサ)の駆動
制御を行う。
【0024】図1は、本発明の第1実施態様に係る空調
システム構成図である。冷凍サイクル1には、車両の原
動機のみにより駆動される第1圧縮機部と電動モータの
みにより駆動される第2圧縮機部とが一体に組み付けら
れているハイブリッド型の圧縮機4が設けられている。
冷凍サイクル1において、車両の原動機としてのエンジ
ン2の駆動力を伝達する電磁クラッチ3と、電動モータ
5との2つの駆動源を持つハイブリッド圧縮機4により
圧縮された高温高圧の冷媒が、室外熱交換器としての凝
縮器6により外気と熱交換して冷却され、凝縮し液化す
る。受液器7により気液が分離され、液冷媒が膨張弁8
によって減圧される。減圧された低圧の冷媒は、室内熱
交換器としての蒸発器9に流入して、送風機12により
送風された空気と熱交換する。蒸発器9において蒸発し
気化した冷媒は再びハイブリッド圧縮機4に吸入され圧
縮される。
【0025】車室内空調を行う空気が通過する通風ダク
ト13には、送風機12、蒸発器9、エアミックスダン
パ10、ヒータコア11が備えられている。蒸発器9を
通過した空気は、エアミックスダンパ10の開度により
決められる比率でヒータコア11を通過し、加熱され
る。通風ダクト13の下流側には、DEF、VENT、
FOOT等の各吹き出し口41、42、43が設けられ
ており、図示を省略した各ダンパにより所定の吹き出し
口が選択され、調和された空気が車室内に送出される。
【0026】空調制御のための各種センサとして、蒸発
器9通過後の空気温度を検知するための蒸発器出口空気
温度センサ14が備えられ、検知された信号は空調制御
を行う空調制御装置15へ入力される。さらに空調制御
装置15には、蒸発器出口空気温度Toff、外気空気
温度Tout、車室内温度Tr、内外気切替ダンパ19
の位置信号INT、原動機回転数Ne、送風機電圧BL
V、蒸発器入口空気温度Teva等の信号群16がそれ
ぞれ入力される。また出力信号として、電動モータ回転
数制御信号17、クラッチ制御信号18がそれぞれ出力
される。
【0027】ハイブリッド圧縮機4(第2圧縮機部〔第
2圧縮室〕)を電動モータ5で駆動させる際は、クラッ
チ制御信号18により、クラッチ3をオフしたうえで、
電動モータ回転数制御信号17をデューティ信号として
与えることにより電動モータ5の回転数を制御する。逆
にエンジン2により圧縮機4(第1圧縮機部〔第1圧縮
室〕)を駆動させる場合は、電動モータ回転数制御信号
17の出力を停止し、クラッチ3をオンする。
【0028】また、ハイブリッド圧縮機4をエンジン2
で駆動および電動モータ5で駆動する同時運転時は、ク
ラッチ制御信号18によりクラッチ3をオン、電動モー
タ回転数制御信号17をデューティ信号として与えるこ
とにより電動モータ5の回転数を制御する。
【0029】蒸発器9通過後の空気温度の制御を、電動
モータ5による圧縮機駆動時はモータ回転数により行
い、エンジン2による圧縮機駆動時はクラッチのオン/
オフ制御により行う。
【0030】制御は、図5に示すように、蒸発器出口空
気温度Toff、外気空気温度Tout、車室内温度T
r、内外気切替ダンパ19の位置信号INT、原動機回
転数Ne、送風機電圧BLV、蒸発器入口空気温度Te
vaの信号群に基づき、消費動力または冷凍能力LBが
次式によって推定演算される。 LB=f(INT,Tout,Ne,Tr,BLV,H
eva,Toff)
【0031】このLBに基づいて、コンプレッサ駆動制
御手段により、第1圧縮機と第2圧縮機の同時運転、あ
るいは、第1または第2圧縮機の運転に制御され、その
ときの状態に応じて、最適な駆動形態とされる。
【0032】図2は、本発明の第2実施態様に係る空調
システム構成図である。図2に示すような空調装置にお
いて、図6のような制御ブロック図に従い、各入力変数
をメインコントローラに入力し、車両の熱負荷値を演算
することで、圧縮機(コンプレッサ)の駆動制御を行
う。
【0033】空調制御のための各種センサとして、蒸発
器9通過後の空気温度を検知するための蒸発器出口空気
温度センサ14が備えられ、検知された信号は空調制御
を行う空調制御装置15へ入力される。さらに空調制御
装置15には、凝縮器入口空気温度Tcon、凝縮器入
口空気風速Vcon、蒸発器入口空気温度Teva、蒸
発器入口空気湿度Heva、蒸発器入口空気風速Vev
a等の信号群16がそれぞれ入力される。また出力信号
として、電動モータ回転数制御信号17、クラッチ制御
信号18がそれぞれ出力される。
【0034】制御は、図6に示すように、凝縮器入口空
気温度Tcon、凝縮器入口空気風速Vcon、蒸発器
入口空気温度Teva、蒸発器入口空気湿度Heva、
蒸発器入口空気風速Veva等の信号群に基づき、車両
における空調負荷LAが次式によって推定演算される。 LA=f(Tcon,Vcon,Teva,Heva,
Veva)
【0035】LAと所定値dとの関係により、コンプレ
ッサ駆動制御手段により、第1圧縮機と第2圧縮機の同
時運転、あるいは、第1または第2圧縮機の運転に制御
する。LA≧dの時、同時運転とし、LA<dの時、第
1または第2圧縮機の運転とする。これによって、負荷
の大きい時には同時運転として空調能力不足を回避し、
負荷の小さい時には第1または第2圧縮機の運転とし
て、他の機器や他の運転状態に影響を及ぼすことなく、
小さな消費動力で所望の空調能力を発生させることがで
きるようになる。
【0036】図3は、本発明の第3実施態様に係る空調
システム構成図である。図3に示すような空調装置にお
いて、図7、図8のような制御ブロック図に従い、各入
力変数をメインコントローラに入力し、車両の熱負荷値
を演算することで、コンプレッサ駆動制御を行う。
【0037】図3において、前記図2との違いは、空調
制御装置15への入力信号が異なる点のみである。空調
制御のための各種センサとして、蒸発器9通過後の空気
温度Teを検知するための蒸発器出口空気温度センサ1
4が備えられ、検知された信号は空調制御を行う空調制
御装置15へ入力される。さらに空調制御装置15に
は、外気温度Tout、日射量Rsun、車室内空気温
度Tr、車速SP、冷媒高圧圧力Pd等の信号群16が
それぞれ入力される。出力信号とハイブリッド圧縮機4
の制御方法は、第1、第2実施態様と同様である。
【0038】制御は、図7に示すように、たとえば、外
気温度Tout、車速SP、日射量Rsunの信号に基
づき、車両における空調負荷LAが次式によって推定演
算される。 LA=f(Tout,SP,Rsun)
【0039】LAと所定値dとの関係により、コンプレ
ッサ駆動制御手段により、第1圧縮機と第2圧縮機の同
時運転、あるいは、第1または第2圧縮機の運転に制御
する。LA≧dの時、同時運転とし、LA<dの時、第
1または第2圧縮機の運転とする。これによって、負荷
の大きい時には同時運転として空調能力不足を回避し、
負荷の小さい時には第1または第2圧縮機の運転とし
て、他の機器や他の運転状態に影響を及ぼすことなく、
小さな消費動力で所望の空調能力を発生させることがで
きるようになる。
【0040】また図8に示すように、冷媒高圧圧力Pd
の信号に基づき、車両における空調負荷LAが次式によ
って推定演算される。 LA=f(Pd)
【0041】LAと所定値dとの関係により、コンプレ
ッサ駆動制御手段により、第1圧縮機と第2圧縮機の同
時運転、あるいは、第1または第2圧縮機の運転に制御
する。LA≧dの時、同時運転とし、LA<dの時、第
1または第2圧縮機の運転とする。これによって、負荷
の大きい時には同時運転として空調能力不足を回避し、
負荷の小さい時には第1または第2圧縮機の運転とし
て、他の機器や他の運転状態に影響を及ぼすことなく、
小さな消費動力で所望の空調能力を発生させることがで
きるようになる。
【0042】図4は、本発明の第4実施態様に係る空調
システム構成図である。図4に示すような空調装置にお
いて、図9のような制御ブロック図に従い、各入力変数
をメインコントローラに入力し、車両の熱負荷値を演算
することで、コンプレッサ駆動制御を行う。
【0043】図4において、前記図2との違いは、空調
制御装置15への入力信号が異なる点と、内外気切換ダ
ンパ19が追加された点の2つである。空調制御のため
の各種センサとして、蒸発器9通過後の空気温度Teを
検知するための蒸発器出口空気温度センサ14が備えら
れ、検知された信号は空調制御を行う空調制御装置15
へ入力される。さらに空調制御装置15には、外気温度
Tout、車室内空気温度Tr、内外気切替ダンパ位置
INT、車速SP、送風機電圧BLV、蒸発器入口空気
温度Heva等の信号群16がそれぞれ入力される。出
力信号とハイブリッド圧縮機4の制御方法は、第1、第
2実施態様と同様である。
【0044】制御は、図9に示すように、内外気切替ダ
ンパ位置INT、外気温度Tout、車速SP、車室内
空気温度Tr、送風機電圧BLV、蒸発器入口空気温度
Heva等の信号群に基づき、車両における空調負荷L
Aが次式によって推定演算される。 LA=f(INT,Tout,SP,Tr,BLV,H
eva)
【0045】LAと所定値dとの関係により、コンプレ
ッサ駆動制御手段により、第1圧縮機と第2圧縮機の同
時運転、あるいは、第1または第2圧縮機の運転に制御
する。LA≧dの時、同時運転とし、LA<dの時、第
1または第2圧縮機の運転とする。これによって、負荷
の大きい時には同時運転として空調能力不足を回避し、
負荷の小さい時には第1または第2圧縮機の運転とし
て、他の機器や他の運転状態に影響を及ぼすことなく、
小さな消費動力で所望の空調能力を発生させることがで
きるようになる。
【0046】さらに本発明においては、日射のあり/な
しの条件を制御に加えることが可能である。たとえば、
図10、11に、日射のあり/なしの条件とそのときの
車速とに応じて、コンプレッサ駆動を適切に切り替える
場合の切替特性の例を示す。このように日射のあり/な
しの条件と車速とを関連させて切替制御すれば、さらに
最適な空調制御が可能となる。
【0047】上記のように、本発明に係る車両用空調装
置においては、そのときの条件に応じたハイブリッド圧
縮機の駆動方式の各種切替条件を採用できる。図12に
切替条件の一例を示す。図12における「ベルト駆動」
はエンジン駆動を意味し、A/Cは車両の空調装置を意
味している。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用空調装置によれば、従来技術では空調負荷が大きいと
きに不足していたと考えられる空調能力を、ハイブリッ
ド圧縮機の駆動方式を適切に切り替えることにより、そ
のときの条件に応じて不足しないように十分に大きな能
力を発揮させることができ、さらに、その他の各種車両
の熱負荷に関する条件に応じて、原動機、電動モータの
いずれかの単独運転と、両駆動源による同時運転とに最
適に切り替えることができるようになり、いかなる条件
時にも、最適な空調制御を行うことが可能となる。その
結果、快適な空調と、省動力との両方を達成することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図2】本発明の第2実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図3】本発明の第3実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図4】本発明の第4実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図5】第1実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図6】第2実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図7】第3実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図8】第3実施態様の別の制御例を示すブロック図で
ある。
【図9】第4実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図10】日射なしの条件における運転条件切替の例を
示す駆動方式切替特性図である。
【図11】日射ありの条件における運転条件切替の例を
示す駆動方式切替特性図である。
【図12】切替条件の一例を示す運転条件の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル 2 エンジン 3 電磁クラッチ 4 ハイブリッド圧縮機 5 電動モータ 6 室外熱交換器としての凝縮器 7 受液器 8 膨張弁 9 室内熱交換器としての蒸発器 10 エアミックスダンパ 11 ヒータコア 12 送風機 13 通風ダクト 14 蒸発器出口空気温度センサ 15 空調制御装置 16 信号群 17 電動モータ回転数制御信号 18 クラッチ制御信号 19 内外気切換ダンパ 41、42、43 吹き出し口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月6日(2002.3.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明
の第1実施態様に係る車両用空調装置のシステム構成
図、図5はその制御例を示すブロック図、図2は本発明
の第2実施態様に係る車両用空調装置のシステム構成
図、図6はその制御例を示すブロック図、図3は本発明
の第3実施態様に係る車両用空調装置のシステム構成
図、図7、8はその制御例を示すブロック図、図4は本
発明の第4実施態様に係る車両用空調装置のシステム構
成図、図9はその制御例を示すブロック図を、それぞれ
示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図2】本発明の第2実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図3】本発明の第3実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図4】本発明の第4実施態様に係る車両用空調装置の
システム構成図である。
【図5】第1実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図6】第2実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図7】第3実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【図8】第3実施態様の別の制御例を示すブロック図で
ある。
【図9】第4実施態様の制御例を示すブロック図であ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 謙一 群馬県伊勢崎市寿町20番地 サンデン株式 会社内 (72)発明者 今井 智規 群馬県伊勢崎市寿町20番地 サンデン株式 会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の原動機のみにより駆動される第1
    圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
    部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
    機を備えた車両用空調装置において、前記圧縮機を原動
    機のみにより駆動する場合、電動モータのみにより駆動
    する場合の消費動力または冷凍能力を推定し、該消費動
    力または冷凍能力に応じて、前記第1圧縮機部駆動また
    は第2圧縮機部駆動、第1圧縮機部と第2圧縮機部の両
    方を同時に駆動する手段を有することを特徴とする車両
    用空調装置。
  2. 【請求項2】 車両の原動機のみにより駆動される第1
    圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
    部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
    機を備えた車両用空調装置において、前記圧縮機を原動
    機のみにより駆動する場合、電動モータのみにより駆動
    する場合の消費動力を推定することのできる消費動力推
    定手段を有し、最小の消費動力となる駆動手段を選択す
    る手段を有することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 車両の原動機のみにより駆動される第1
    圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
    部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
    機と、該圧縮機が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧
    縮機の駆動について、原動機のみの駆動、電動モータの
    みの駆動、原動機と電動モータによる同時駆動、停止の
    いずれかから選択する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱
    負荷を推定する熱負荷推定手段とを備えた車両用空調装
    置において、熱負荷推定手段により推定される車両の熱
    負荷に応じて、前記第1圧縮機部と第2圧縮機部の両方
    を同時に運転することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 車両の原動機のみにより駆動される第1
    圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
    部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
    機と、該圧縮機が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧
    縮機の駆動について、原動機のみの駆動、電動モータの
    みの駆動、原動機と電動モータによる同時駆動、停止の
    いずれかから選択する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱
    負荷を推定する熱負荷推定手段とを備えた車両用空調装
    置において、熱負荷推定手段により推定される車両の熱
    負荷に応じて、前記第1圧縮機部のみの運転から第1圧
    縮機部と第2圧縮機部の同時運転に、あるいは、該同時
    運転から第1圧縮機部のみの運転に切り替えることを特
    徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 車両の原動機のみにより駆動される第1
    圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
    部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
    機と、該圧縮機が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧
    縮機の駆動について、原動機のみの駆動、電動モータの
    みの駆動、原動機と電動モータによる同時駆動、停止の
    いずれかから選択する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱
    負荷を推定する熱負荷推定手段とを備えた車両用空調装
    置において、熱負荷推定手段により推定される車両の熱
    負荷に応じて、前記第2圧縮機部のみの運転から第1圧
    縮機部と第2圧縮機部の同時運転に、あるいは、該同時
    運転から第2圧縮機部のみの運転に切り替えることを特
    徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 車両の原動機のみにより駆動される第1
    圧縮機部と電動モータのみにより駆動される第2圧縮機
    部とが一体に組み付けられているハイブリッド型の圧縮
    機と、該圧縮機が組み込まれた冷凍サイクルと、前記圧
    縮機の駆動について、原動機のみの駆動、電動モータの
    みの駆動、原動機と電動モータによる同時駆動、停止の
    いずれかから選択する圧縮機駆動制御手段と、車両の熱
    負荷を推定する熱負荷推定手段とを備えた車両用空調装
    置において、熱負荷推定手段により推定される車両の熱
    負荷に応じて、前記第1圧縮機部のみの運転から第2圧
    縮機部のみの運転に、あるいは、第2圧縮機部のみの運
    転から第1圧縮機部のみの運転に切り替えることを特徴
    とする車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 室外熱交換器である凝縮器を通過する空
    気の温度またはそれに相関のある物理量を検知する凝縮
    器入口空気温度検知手段、室外熱交換器である凝縮器を
    通過する空気の風速またはそれに相関のある物理量を検
    知する凝縮器入口空気風速検知手段、室内熱交換器であ
    る蒸発器を通過する空気の温度またはそれに相関のある
    物理量を検知する蒸発器入口空気温度検知手段、室内熱
    交換器である蒸発器を通過する空気の湿度またはそれに
    相関のある物理量を検知する蒸発器入口空気湿度検知手
    段、室内熱交換器である蒸発器を通過する空気の風速ま
    たはそれに相関のある物理量を検知する蒸発器入口空気
    風速検知手段の少なくとも一つを有し、それらからの検
    知信号に基づいて車両の熱負荷を推定する、請求項3な
    いし6のいずれかに記載の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 外気温度またはそれに相関のある物理量
    を検知する外気温度検知手段、車室内空気温度またはそ
    れに相関のある物理量を検知する車室内空気温度検知手
    段、外気導入状態か内気循環状態かを認識する内外気状
    態認識手段、車両の走行速度またはそれに相関のある物
    理量を検知する車速検知手段、送風機風量またはそれに
    相関のある物理量を検知する送風機風量認識手段、室内
    熱交換器である蒸発器を通過する空気の湿度またはそれ
    に相関のある物理量を検知する蒸発器入口空気湿度検知
    手段の少なくとも一つを有し、それらからの検知信号に
    基づいて車両の熱負荷を推定する、請求項3ないし6の
    いずれかに記載の車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 車両の走行速度またはそれに相関のある
    物理量を検知する車速検知手段、日射量またはそれに相
    関のある物理量を検知する日射量検知手段、外気温度ま
    たはそれに相関のある物理量を検知する外気温度検知手
    段の少なくとも一つを有し、それらからの検知信号に基
    づいて車両の熱負荷を推定する、請求項3ないし6のい
    ずれかに記載の車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 冷凍サイクルにおける冷媒高圧圧力ま
    たはそれに相関のある物理量を検知する冷媒高圧圧力検
    知手段を有し、その検知信号に基づいて冷凍サイクルの
    熱負荷を推定する、請求項3ないし9のいずれかに記載
    の車両用空調装置。
  11. 【請求項11】 車室内空気温度またはそれに相関のあ
    る物理量を検知する車室内空気温度検知手段および車室
    内空気温度目標値を推定し、車室内空気温度目標値と車
    室内空気温度検出値との差を演算する車室内空気温度目
    標値−検出値差演算手段を有し、該演算手段による演算
    値に基づいて車両の熱負荷を推定する、請求項3ないし
    10のいずれかに記載の車両用空調装置。
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