しかしながら、特許文献1に記載されたACS判定処理、特許文献2に記載された原稿判別処理は何れも原稿台に原稿を置き、原稿全体の画像データを読み取ってACS判定や原稿種別の判定を行うことを想定した処理である。例えば、原稿自動送り装置によって原稿をライン単位で読み取って処理を行う場合を考えると、原稿の有効画像領域は、原稿の後端を検知したときに確定され、一度原稿全体を読み込み有効画像領域が確定した後にならないとACS処理や原稿種別の判別を開始することができないという問題がある。
図31は原稿自動送り装置によって原稿をライン単位で読み取る場合の処理を説明する説明図である。原稿が自動原稿送り装置を備えたラインスキャナにより読み込まれる場合、スキャンの副走査方向に対して、後端から特定の画素幅y分の領域CDEFを有効画像領域とするためには、後端の位置及び特定画素幅yが必要である。yは出力画像サイズや倍率などから計算されるため、原稿を読み込む以前に確定することができる。しかし、領域CDEFはラインスキャナの原稿端検知センサにより原稿の後端が検知されるまで確定できない。すなわち、少なくとも後端が確定するまでに読み込んだデータをメモリなどに格納しておき、確定した後にメモリから画像データを再度読み出して有効画像領域のみに対してACS処理を行う必要があるという問題点を有している。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分を算出し、算出した差分に基づいて領域の属性を判別し、判別結果に応じた処理を行う構成とすることにより、プレスキャンや画像データをメモリに蓄積することなく認識処理を開始することができる画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、画像読取装置、コンピュータプログラム、該コンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理方法は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記画像に施す画像処理方法において、判別対象の画像を複数の画素からなるライン毎に順次読み込み、読み込んだラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて画素の属性を判別して、属性の判別がなされた画素を計数し、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎に記憶し、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定し、原稿読取開始位置のラインから設定した領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定した領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数との差分を算出し、算出した差分に基づいて前記領域の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施すことを特徴とする。
本発明にあっては、画像データの入力開始時に画像の副走査方向サイズが不明であっても、プレスキャンや画像データをメモリに蓄積することなく認識処理の開始が可能となる。また、画像サイズが確定した後(画像データ入力完了時)に設定した画像領域に相当する判別結果の再集計を行う際、1ライン毎に該当ラインのみの集計結果を保存する場合に比べて再集計処理に係る処理量が軽減される。
本発明に係る画像処理方法は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記画像に施す画像処理方法において、判別対象の画像を複数の画素からなるライン毎に順次読み込み、読み込んだラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて画素の属性を判別して、属性の判別がなされた画素を主走査方向に分割されたカラム毎に計数し、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎及びカラム毎に記憶し、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定し、原稿読取開始位置のラインから設定した領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定した領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数との差分を、設定した領域に含まれるカラム毎に算出し、算出したカラム毎の差分の総和に基づいて前記領域の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施すことを特徴とする。
本発明にあっては、主走査方向についても分割して判別結果を求めるため、画像データを一旦ハードディスク等に格納した後、格納されている画像データを用いて、有効画像領域を変更して再度処理を行う場合(例えば、枠消し処理を行う場合)、新たに設定された有効画像領域に対する認識処理を行うことができる。
本発明に係る画像処理方法は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記画像に施す画像処理方法において、判別対象の画像を複数の画素からなるライン毎に順次読み込み、読み込んだラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて画素の属性を判別して、属性の判別がなされた画素を主走査方向に予め設定された複数の有効画像領域毎に計数し、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎に記憶し、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定し、原稿読取開始位置のラインから設定した領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定した領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と差分を算出し、算出した差分の総和に基づいて前記領域の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施すことを特徴とする。
本発明にあっては、必要となるカラムの数に対して有効画像領域の数が少ない場合、計数結果の保存に必要となるメモリ量を削減することができる。
本発明に係る画像処理装置は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記画像に施す画像処理装置において、判別対象の画像を複数の画素からなるライン毎に順次読み込む手段と、読み込んだラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて画素の属性を判別する手段と、前記属性の判別がなされた画素を計数する手段と、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎に記憶する手段と、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定する手段と、原稿読取開始位置のラインから設定した領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定した領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数との差分を算出する手段と、算出した差分に基づいて前記領域の特徴を判別する手段と、該手段による判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施す手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、画像データの入力開始時に画像の副走査方向サイズが不明であっても、プレスキャンや画像データをメモリに蓄積することなく認識処理の開始が可能となる。また、画像サイズが確定した後(画像データ入力完了時)に設定した画像領域に相当する判別結果の再集計を行う際、1ライン毎に該当ラインのみの集計結果を保存する場合に比べて再集計処理に係る処理量が軽減される。
本発明に係る画像処理装置は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記画像に施す画像処理装置において、判別対象の画像を複数の画素からなるライン毎に順次読み込む手段と、読み込んだラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて画素の属性を判別する手段と、前記属性の判別がなされた画素を主走査方向に分割されたカラム毎に計数する手段と、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎及びカラム毎に記憶する手段と、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定する手段と、原稿読取開始位置のラインから設定した領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定した領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数との差分を、設定した領域に含まれるカラム毎に算出する手段と、算出したカラム毎の差分の総和に基づいて前記設定した領域の特徴を判別する手段と、該手段による判別結果に応じた処理を前記設定した領域内の画像に対して施す手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、主走査方向についても分割して判別結果を求めるため、画像データを一旦ハードディスク等に格納した後、格納されている画像データを用いて、有効画像領域を変更して再度処理を行う場合(例えば、枠消し処理を行う場合)、新たに設定された有効画像領域に対する認識処理を行うことができる。
本発明に係る画像処理装置は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を前記画像に施す画像処理装置において、判別対象の画像を複数の画素からなるライン毎に順次読み込む手段と、読み込んだラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて画素の属性を判別する手段と、前記属性の判別がなされた画素を主走査方向に予め設定された複数の有効画像領域毎に計数する手段と、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎に記憶する手段と、前記画像の全領域のうち処理対象とする設定する手段と、原稿読取開始位置のラインから設定した領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定した領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と差分を算出する手段と、算出した差分の総和に基づいて前記設定した領域の特徴を判別する手段と、該手段による判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施す手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、必要となるカラムの数に対して有効画像領域の数が少ない場合、計数結果の保存に必要となるメモリ量を削減することができる。
本発明に係る画像処理装置は、複数の有効画像領域に対する特徴を夫々判別する手段と、前記複数の有効画像領域に対して判別された判別結果を夫々記憶する手段と、記憶された判別結果のうち何れの判別結果を用いるかを判定する手段と、判定された判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施す手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、有効画像領域に対する判別結果を求めておき、判別結果のみを保存しておくことで、ライン単位で判別された画素数を保存する場合に比べてデータ量を少なくすることができる。
本発明に係る画像処理装置は、前記画素の属性は、画素の有彩、無彩であることを特徴とする。
本発明にあっては、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分をとることにより、判別対象の画像が有彩色の画像であるか否かが判別される。
本発明に係る画像処理装置は、前記有彩と判別された画素数の差分と所定値との大小を比較する手段を備え、前記有彩と判別された画素数の差分が前記所定値より大きい場合、前記画像が有彩色の画像であると判別し、前記差分が前記所定値より小さい場合、前記画像が無彩色の画像であると判別するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、有効画像領域が確定する前から判別処理を開始し、有効画像領域が確定した後で再集計することにより画像の有彩無彩判定処理の効率性が向上する。
本発明に係る画像処理装置は、前記画素の属性は、画素が文字領域、網点領域を含む複数の領域の何れに属するかを示す領域分離結果であることを特徴とする。
本発明にあっては、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分をとることにより、判別対象の画像が、文字・網点画像であるか、又は下地・印画紙画像であるかが判別される。
本発明に係る画像処理装置は、前記画素が属する領域毎の画素数の差分と領域毎に設けられた所定値との大小を比較する手段を備え、前記領域毎の画素数の差分が前記領域毎に設けられた所定値との比較に基づいて原稿種別の判別を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、有効画像領域が確定する前から判別処理を開始し、有効画像領域が確定した後で再集計することにより原稿種別判定処理の効率性が向上する。
本発明に係る画像処理装置は、前記画素の属性は、画素が下地領域であるか否かの判定結果であることを特徴とする。
本発明にあっては、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分をとることにより、判別対象の画像の下地色が判別される。
本発明に係る画像処理装置は、前記画素が属する階級値のカウント数の差分と所定値との大小を比較する手段を備え、比較結果に基づいて下地を判別するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、有効画像領域が確定する前から判別処理を開始し、有効画像領域が確定した後で再集計することにより下地判定処理の効率性が向上する。
本発明に係る画像形成装置は、前述した発明の何れか1つに記載の画像処理装置と、該画像処理装置によって画像処理が施された画像をシート上に形成する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、プリンタ装置、デジタル複合機の一機能として利用可能である。
本発明に係る画像読取装置は、原稿から画像を読み取る手段と、読み取った画像の属性を判別し、判別結果に応じた処理を行う前述した発明の何れか1つに記載の画像処理装置とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、スキャナ装置、デジタル複合機の一機能として利用可能である。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別させ、判別結果に応じた処理を前記画像に施させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、複数の画素からなるラインから該ラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出させるステップと、コンピュータに、算出させた特徴量に基づいて画素の属性を判別させ、属性の判別がなされた画素を計数させるステップと、コンピュータに、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎に記憶させるステップと、コンピュータに、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定させるステップと、コンピュータに、原稿読取開始位置のラインから設定させた領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定させた領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数との差分を算出させるステップと、コンピュータに、算出させた差分に基づいて前記領域の属性を判別させ、判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施させるステップとを有することを特徴とする。
本発明にあっては、前述の画像処理装置がコンピュータにより実現される。
本発明に係る記録媒体は、原稿画像を読み取って得られる画像の属性を判別させ、判別結果に応じた処理を前記画像に施させるコンピュータプログラムが記録されているコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体において、コンピュータに、複数の画素からなるラインから該ラインを構成する画素の特徴を表す特徴量を算出させるステップと、コンピュータに、算出させた特徴量に基づいて画素の属性を判別させ、属性の判別がなされた画素を計数させるステップと、コンピュータに、原稿読取開始位置のラインから各ラインまでの属性の判別がなされた画素の総数を前記ライン毎に記憶させるステップと、コンピュータに、前記画像の全領域のうち処理対象とする領域を設定させるステップと、コンピュータに、原稿読取開始位置のラインから設定させた領域の直前のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数と原稿読取開始位置のラインから設定させた領域後端のラインまでの属性の判別がなされた画素の総数との差分を算出させるステップと、コンピュータに、算出させた差分に基づいて前記領域の属性を判別させ、判別結果に応じた処理を前記領域内の画像に対して施させるステップとを有するコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする。
本発明にあっては、記録媒体から読出された画像処理プログラムによって、前述の画像処理装置がコンピュータにより実現される。
本発明による場合は、画像データの入力開始時に画像の副走査方向サイズが不明であっても、プレスキャンや画像データをメモリに蓄積することなく認識処理を開始することができる。また、画像サイズが確定した後(画像データ入力完了時)に設定した画像領域に相当する判別結果の再集計を行う際、1ライン毎に該当ラインのみの集計結果を保存する場合に比べて再集計処理に係る処理量を軽減することができる。
本発明による場合は、主走査方向についても分割して判別結果を求めるため、画像データを一旦ハードディスク等に格納した後、格納されている画像データを用いて、有効画像領域を変更して再度処理を行う場合(例えば、枠消し処理を行う場合)、新たに設定された有効画像領域に対する認識処理を行うことができる。
本発明による場合は、必要となるカラムの数に対して有効画像領域の数が少ない場合、計数結果の保存に必要となるメモリ量を削減することができる。
本発明による場合は、有効画像領域に対する判別結果を求めておき、判別結果のみを保存しておくことで、ライン単位で判別された画素数を保存する場合に比べてデータ量を少なくすることができる。
本発明による場合は、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分をとることにより、判別対象の画像が有彩色の画像であるか否かを判別することができる。
本発明による場合は、有効画像領域が確定する前から判別処理を開始し、有効画像領域が確定した後で再集計することにより原稿種別判定処理の効率性を向上させることができる。
本発明による場合は、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分をとることにより、判別対象の画像が、文字・網点画像であるか、又は下地・印画紙画像であるかを判別することができる。
本発明による場合は、設定した領域の直前のライン及び後端のラインの夫々から算出した特徴量の差分をとることにより、判別対象の画像の下地色を判別することができる。
本発明による場合は、プリンタ装置、デジタル複合機の一機能として利用することができる。
本発明による場合は、スキャナ装置、デジタル複合機の一機能として利用することができる。
本発明による場合は、前述の画像処理装置をコンピュータにより実現することができる。
本発明による場合は、記録媒体から読出された画像処理プログラムによって、前述の画像処理装置をコンピュータにより実現することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明に係る画像処理装置を備える画像処理システムの内部構成を説明するブロック図である。実施の形態1に係る画像処理システムは、操作パネル1、画像入力装置3、画像処理装置5A、画像出力装置7を備える。
操作パネル1は、液晶表示装置、各種スイッチ等からなり、ユーザに報知すべき情報の表示、ユーザによる各種選択操作等を受付ける。
画像入力装置3は、原稿の画像を光学的に読み取る読取手段であり、読取用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を備えて
いる。
図2は画像入力装置3の構成を示す模式図である。画像入力装置3は、上部筐体510で構成される原稿搬送部、下部筐体560で構成されるスキャナ部などを備える。上部筐体510には、原稿トレイ511に載置された原稿の検知を行う原稿セットセンサ514、原稿を1枚ずつ搬送するための呼込みローラ512、原稿上の画像を読み取るために原稿を搬送する搬送ローラ513a、513b、原稿の排出を行う原稿排出ローラ50、排出される原稿を検知する原稿排出センサ567などが設けられている。搬送ローラ(整合ローラ)513bは、駆動軸に電磁クラッチ(図示せず)を備えており、駆動モータ(図示せず)からの駆動力の伝達を制御できるようになっており、原稿のない状態では停止している。そして、原稿の先端が給送タイミングセンサ515に接触し、このセンサから所定の信号が伝達されたときに、原稿を下流側に搬送する方向に回動するように設定されている。搬送ローラ513bは、停止した状態で、上流側より搬送された原稿の先端が、搬送ローラ513bのニップ部に付き当たり、原稿に所定の撓みを形成した後に、下流側に原稿を搬送するように回動する。この際に、搬送ローラ513bのニップ部により、原稿の先端が搬送方向に直角となるように整合される。
下部筐体560には、載置台561の下面に沿って平行に往復移動する走査ユニット562、563、結像レンズ564、及び光電変換素子であるCCDラインセンサ565、排出トレイ566などが設けてある。走査ユニット562は、原稿トレイ511から搬送される原稿、あるいは、載置台561に載置された原稿に光を照射するための光源562a(例えば、ハロゲンランプなど)、原稿で反射された光を所定の光路に導くためのミラー562bなどを備えている。また、走査ユニット563は、原稿で反射された光を所定の光路に導くためのミラー563a、563bなどを備えている。
結像レンズ564は、走査ユニット563から導かれた反射光をCCDラインセンサ565上の所定の位置に結像させる。CCDラインセンサ565は、結像された光像を光電変換して電気信号を出力する。すなわち、原稿(例えば、原稿の表面)から読み取ったカラー画像に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したデータ(RGB信号)を画像処理装置5Aへ出力する。このとき、画像入力装置3は副走査方向に1ラインずつ読み取ったデータを画像処理装置5Aへ出力する。また、図3に示すように給送タイミングセンサ515から出力される信号、すなわち、原稿の読取開始信号及び読取終了信号を画像処理装置5Aに通知する。
画像処理装置5Aは、画像入力装置3から出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換した後、適宜の画像処理を行い、得られた画像データを画像出力装置7へ出力する。なお、画像処理装置5Aの内部構成、動作等については後に詳述することとする。
画像出力装置7は、画像処理装置5Aが出力する画像信号に基づいて用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行う手段である。そのため、画像出力装置7は、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
次に、画像処理装置5Aの内部構成について説明する。AD変換部51は、画像入力装置3から入力されたRGBのアナログ信号をデジタル信号に変換する。シェーディング補正部52は、AD変換部51から出力されたデジタル形式のRGB信号に対して、画像入力装置3の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施す。シェーディング補正されたRGB信号は、ACS判定処理部53へ出力される。
ACS判定処理部53では原稿画像を構成する画素の一部を用いて、原稿画像がカラー画像であるか、又は白黒画像であるかを選択する処理を行う。ACS判定処理部53での処理内容については後に詳述することとする。ACS判定処理部53での判定結果は、後段の入力階調補正部55、領域分離処理部56、色補正部57、黒生成下色除去部58、空間フィルタ処理部59、階調再現処理部62へ出力される。
入力階調補正部55は、下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を行う。領域分離処理部56は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離する処理を行う。領域分離処理部56は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を後段の黒生成下色除去部58、空間フィルタ処理部59、及び階調再現処理部62へ出力すると共に、入力されたRGB信号をそのまま後段の色補正部57へ出力する。
色補正部57は、色再現の忠実化再現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。色補正されたRGB信号は、後段の黒生成下色除去部58へ出力される。黒生成下色除去部58は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いた新たなCMY信号を生成する処理を行う。この処理によってCMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR率(UCR : Under Color Removal)をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式で表される。
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’
空間フィルタ処理部59は、黒生成下色除去部58より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒子状劣化を防ぐように処理を行う。
例えば、領域分離処理部56にて文字に分離された領域は、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部59による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部62においては、高周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化又は多値化処理が選択される。また、領域分離処理部56にて網点領域に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部59において、入力網点成分を除去するためのローパスフィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部60において、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部62で最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理を施す。また、領域分離処理部56にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化又は多値化処理が行われる。また、変倍処理部61は、領域再現処理を行う前に必要に応じて変倍処理を行う。
前述した各処理が施された画像データは、一旦記憶手段(不図示)に記憶され、所定のタイミングで読出されて画像出力装置7へ出力される。
以下では、ACS判定処理部53の構成について説明する。図4はACS判定処理部53の内部構成を示すブロック図である。ACS判定処理部53は、CPU531、メモリ532、カラー画素判定部533、カラー画素カウント部534、カラー原稿判定部535を備える。
CPU531は、画像入力装置3から通知される原稿の読取開始位置や読取終了位置の情報から原稿サイズを認識する。また、操作パネル1等から入力される、原稿に対して画像処理を行うための拡大率や処理対象位置などの情報を取得、解析し、有効画像領域情報として認識する。
図5は有効画像領域を説明する説明図である。有効画像領域は、例えば、変倍処理の指定がなされた場合、設定された変倍率に応じて、対象となる画像の領域が設定されることにより行われる。あるいは、倍率が等倍と設定されている場合でも、原稿サイズよりも小さいサイズの用紙に出力する場合は、予め定められている、出力される画像領域が有効画像領域として設定される。例えば、A3サイズの原稿をA4サイズの用紙に出力する場合、A3サイズの原稿の右半分の領域(デフォルトで定められている領域)が有効画像領域として設定される。
カラー画素判定部533は、画素単位(又はブロック、例えば8×8画素よりなるブロック)でカラー画素(又はブロック)であるか否かを判定する。結果をカラー画素フラグとしてカラー画素カウント部534へ出力する。カラー画素か、モノクロ(白黒)画素かの判定は、例えば、max(R,G,B)−min(R,G,B)の値と閾値THcolor_p(例えば、画像データの階調値(8ビットの画像データの場合、256)の5%〜10%程度)とを比較して行う。max(R,G,B)−min(R,G,B)が閾値THcolor_p以上のとき、カラー(有彩)であると判定し、上記閾値より小さいときモノクロであると判定する。
カラー画素カウント部534はカラー画素判定部533から入力されるカラー画素フラグがカラーであることを示していればカウント数を1インクリメント(増加)し、カラーでないことを示していればカウント数はそのままとする。1ラインのカウントを行うごとにメモリ532へ現在までのカラー画素カウント数を出力する。このとき、カウンタの初期化は原稿読取開始位置で行い、ライン単位ごとには行わない。カラー画素のカウント数は、常に原稿読込開始位置からの総和とする。
メモリ532では、ライン単位でカラー画素カウント数を順次メモリに格納していく。また、カラー原稿判定部535より要求されたラインのカウント数をカラー原稿判定部535に出力する。
カラー原稿判定部535では、CPU531から有効画像領域情報を受け取り、この情報に基づき、有効画像領域の1つ前のラインにおけるカラー画素カウント数N1と有効画像領域の後端ラインにおけるカラー画素カウント数N2(図5参照)をメモリ532に要求する。メモリ532から入力された2つのカウント数の差分を計算して、有効画像領域におけるカラー画素カウント数を求め、閾値比較を行うことで原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判定し、判定結果を出力する。閾値THcolor_dとしては、例えば、入力原稿に対して1センチ角程度の大きさの画素数を用いる。閾値THcolor_dの値は、画像入力装置の解像度により異なるので、解像度に応じて設定する。そして、閾値THcolor_d以上ならば、カラー原稿であると判定し、閾値THcolor_dより小さければ白黒原稿であると判定する。
図6及び図7はACS判定処理部53が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。CPU531は、まず、カラー画素フラグ、メモリに記憶されているカウント数などの初期化を行う(ステップS11)。そして、画像入力装置3から通知される原稿の読取開始位置及び読取終了位置の情報から原稿サイズを認識し、操作パネル1等から入力される、原稿に対して画像処理を行うための拡大率や処理対象位置などの情報を取得、解析し、有効画像領域情報として認識する(ステップS12)。
次いで、カラー画素判定部533は、1つのラインを構成する画素単位でカラー画素であるか否かを判定する(ステップS13)。カラー画素であると判定した場合(S13:YES)、カラー画素カウント部534は、カウンタを1だけインクリメントする(ステップS14)。また、カラー画素でないと判定した場合(S13:NO)、カウンタの値をそのまま保持する。
次いで、CPU531は、1ラインおけるカラー画素判定処理が終了したか否かを判断し(ステップS15)、終了していないと判断した場合(S15:NO)、処理をステップS13へ戻す。
1ラインのカラー画素判定処理が終了したと判断した場合(S15:YES)、カラー画素カウント部534は、カラー画素数(処理を行ったラインまでのカラー画素数)をメモリ532に出力する(ステップS16)。次いで、CPU531は有効画像領域の後端ラインであるか否かを判断し(ステップS17)、後端ラインでないと判断した場合(S17:NO)、次のラインの処理を行って(ステップS18)、処理をステップS13へ戻す。
現在のラインが有効画像領域の後端ラインであると判断した場合(S17:YES)、カラー原稿判定部535は、有効画像領域の1つ前のラインにおけるカラー画素カウント数N1と有効画像領域の後端ラインにおけるカラー画素カウント数N2との差分を算出し(ステップS19)、差分(N2−N1)が閾値THcolor_d以上であるか否かを判断する(ステップS20)。差分(N2−N1)が閾値THcolor_d以上であると判断した場合(S20:YES)、原稿画像がカラー画像であると判定し(ステップS21)、差分(N2−N1)が閾値THcolor_dより小さいと判断した場合(S20:NO)、原稿画像がモノクロ(白黒)画像であると判定する(ステップS22)。
なお、本実施の形態では、ライン単位のカウント数からカラー原稿か白黒原稿かを判定する処理をカラー原稿判定部535で行う構成としたが、CPU531で行う構成としてもよい。図8はACS判定処理部53の変形例を示すブロック図である。
このように、本実施の形態では、メモリ532に格納されるデータはライン単位のカラー画素累積カウント数であるので、画像データを格納するよりも小さなメモリサイズで実現可能である。また、原稿のスキャンと並行してカラー画素判定、カラー画素カウント、メモリへの格納を行うため、スキャン完了後に必要な処理としては2つの値をメモリから取り出してカラー原稿か判定するのみであるため、原稿中のどの位置に有効画像領域が存在している場合でもほとんど時間のロスなく高速にACS処理を行うことが可能である。
実施の形態2.
主走査方向に予め設定されたカラム(列)ごとに判定結果を順次加算しておく構成としてもよい。このような構成では、再処理時の設定によって有効画像領域が変更された場合であっても、設定に応じた属性判別を行うことができる。
装置構成については実施の形態1と同様であり、原稿は、画像入力装置3により副走査方向に1ラインずつ読み取られ、ACS判定処理部53のカラー画素判定部533に入力される。また、画像入力装置3には給送タイミングセンサ515が搭載されており、原稿の読取開始位置と読取終了位置とがCPU531に通知される。
CPU531は画像入力装置3から通知される原稿の読取開始位置や読取終了位置の情報から原稿サイズを認識する。また、操作パネル1や図に示していないホストコンピュータから入力される、原稿に対して画像処理を行うための拡大率や処理対象位置などの情報を取得、解析し、有効画像領域情報としてカラー原稿判定部535へ通知する。
有効画像領域については、例えば、変倍処理の指定がなされた場合、設定された変倍率に応じて対象となる画像の領域が設定される。または、倍率が等倍と設定されている場合でも、原稿サイズより小さいサイズの用紙に出力する場合は、予め定められている、出力される画像領域が有効画像領域として設定される。図9及び図10は有効画像領域の設定例を示す模式図である。例えば、A3サイズの原稿をA4サイズの用紙に出力する場合、A3サイズの原稿の右半分の領域(デフォルトで定められている領域)を有効画像領域として設定する(図9)。また、枠消しなどの機能によって枠以外の領域と指定される領域を有効画像領域として設定する(図10)。すなわち、図10では、有効画像領域以外が枠として示されている。
カラー画素判定部533は、入力された画像データを画素単位でカラー画素かどうかを判定する。カラー画素判定部533の判定結果をカラー画素フラグとしてカラー画素カウント部534へ出力する。カラー画素か、モノクロ(白黒)画素かの判定は、例えば、max(R,G,B)−min(R,G,B)の値と閾値THcolor_p(例えば、画像データの階調値(8ビットの画像データの場合、256)の5%〜10%程度)とを比較して行う。max(R,G,B)−min(R,G,B)が閾値THcolor_p以上のとき、カラー(有彩)であると判定し、上記閾値より小さいときモノクロ(無彩)であると判定する。
カラー画素カウント部534は、予め設定される画像データの各カラム(列)のそれぞれに対してカラー画素をカウントする。図11はカラムの分割例を示す模式図である。図11の例では入力画像が主走査方向に5つのカラム10A〜10Eに分割されている様子を示しており、この5つのカラム10A〜10Eのそれぞれについてカラー画素をカウントする。すなわち、カラー画素判定部533から入力されるカラー画像フラグがカラーであることを示していればカウント数を1インクリメントし、カラーでないことを示していればカウント数はそのままとする。1ラインのカウントを行うごとにメモリ532へ現在までのカラー画素カウント数を出力する。このとき、カウンタの初期化は原稿読取開始位置で行い、ライン単位毎には行わない。カラー画素のカウント数は、常に原稿読込開始ラインからの総和とする。
なお、カラムに分割する方法については、スキャン時に選択されるモードや再処理時に選択可能なモード(例えば、枠消しモード)によって決められる。図12〜図14は有効画像領域の設定例を示す模式図である。例えば、枠消しモードなどにおいて、液晶ディスプレイなどの表示装置に図12〜図14のパターンを表示して、有効画像領域11〜13の選択を可能とする場合、カラムを5つに分割しておく。または、分割するカラムのパターン(例えば、所定のブロック(例えば、7×7画素よりなるブロック)毎に分割する)を予め定めておいてもよい。どのように分割するかは、事前に種々の画像サンプルを用いて、再処理を行う際に適切に処理を行うことができるパターンを定めておけばよい。
メモリ532には、各カラム毎のカラー画素カウント数がライン単位で順次格納される。図15の模式図は、メモリ532へのカラー画素カウント数の格納例を示している。メモリ532は、カラー画素判定部533より要求されたラインのカウント数をカラー原稿判定部535に出力する。
カラー原稿判定部535では、CPU531から有効画像領域情報を受け取り、この情報に基づき、対応するカラムの有効画像領域の1つ前のラインにおけるカラー画素カウント数N1と有効画像領域の後端ラインにおけるカラー画素カウント数N2とをメモリ532に要求する。メモリ532から入力された2つのカウント数の差分を計算して、有効画像領域におけるカラー画素カウント数を求め、閾値比較を行うことで原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判定し、判定結果を出力する。閾値THcolor_dとしては、例えば、入力原稿に対して1センチ角程度の大きさの画素数を用いる。閾値THcolor_dの値は、画像入力装置3の解像度により異なるので、解像度に応じて設定する。例えば、解像度が1200dpiの場合、THcolor_d=240000程度の値に設定する。そして、閾値THcolor_d以上ならば、カラー原稿であると判定し、閾値THcolor_dより小さければ白黒原稿であると判定する。
有効画像領域11〜13の集計については、図15のようにカラム毎にライン単位のカウント数が格納されている場合、以下の式のように集計する。
有効画像領域11におけるカラー画素カウント数=N(A,n)+N(B,n)+N(C,n)+N(D,n)+N(E,n)
有効画像領域12におけるカラー画素カウント数=N(B,b)−N(B,a−1)+N(B,d)−N(B,c−1)+N(C,b)−N(C,a−1)+N(C,d)−N(C,c−1)+N(D,b)−N(D,a−1)+N(D,d)−N(D,c−1)
有効画像領域13におけるカラー画素カウント数=N(B,b)−N(B,a−1)+N(B,d)−N(B,c−1)+N(D,b)−N(D,a−1)+N(D,d)−N(D,c−1)
上記式において、a〜d,nは図13及び図14に示したライン、A〜Eは図15に示したカラムを表しており、Nはあるラインまでのラインの各カラムにおける画素のカウント数を表している。
上記の例では、原稿全体についてカラー画素数を集計しているが、有効画像領域12や有効画像領域13の場合、更に分割された有効画像領域毎にカウント数を集計するようにしてもよい。例えば、有効画像領域12を分割した2つの有効画像領域12A,12Bについては、下記のようになる。
有効画像領域12Aにおけるカラー画素カウント数=N(B,b)−N(B,a−1)+N(C,b)−N(C,a−1)+N(D,b)−N(D,a−1)
有効画像領域12Bにおけるカラー画素カウント数=N(B,d)−N(B,c−1)+N(C,d)−N(C,c−1)+N(D,d)−N(D,c−1)
以下、カラム毎の判定結果を用いて実行する処理の内容について説明する。図16は原稿読取時の処理手順を説明するフローチャートである。原稿のスキャンが開始され、処理対象の画像データが入力された場合、ACS判定処理部53は上述した方法を用いてカラム毎にライン単位で判定結果を求める(ステップS101)。そして、原稿読取時の設定により印刷処理が要求されているか否かを判断する(ステップS102)。
印刷処理が要求されていると判断した場合(S102:YES)、設定された有効画像領域毎にカラー画素カウント数を集計し、有効画像領域に対する判別結果を求める(ステップS103)。そして、属性判別に基づいた画像処理を行い(ステップS104)、印刷処理を実行する(ステップS105)。
また、ステップS102において、印刷処理が要求されていないと判断した場合(S102:NO)、原稿読取時の設定によりファイリング処理が要求されているか否かを判断する(ステップS106)。
ファイリング処理が要求されていると判断した場合(S106:YES)、画像データ及び判別結果を図に示していないHDDなどに格納する(ステップS107,S108)。また、ステップS106でファイリング処理が要求されていないと判断した場合(S106:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
図17は再印刷時の処理手順を説明するフローチャートである。まず、再印刷時の設定に応じて有効画像領域に対する判別結果を求め(ステップS111)、属性判別に基づいた画像処理を行う(ステップS112)。次いで、画像処理された画像に基づいて印刷処理を実行する(ステップS113)。
なお、本実施の形態では、ライン単位のカウント数からカラー原稿か白黒原稿かを判定する処理をカラー原稿判定部535で行う構成としたが、CPU531で行う構成としてもよい。この場合のACS判定処理部53の構成は図8に示したものと同様である。
実施の形態3.
ライン単位のカウント数の生成方法及び集計方法として、以下で説明する方法を用いることも可能である。
カラー画素カウント部534は、予め設定される画像データの各有効画像領域のそれぞれに対して、カラー画素判定部533から入力されるカラー画素フラグがカラーであることを示していればカウント数を1インクリメントし、カラーでないことを示していればカウント数はそのままとする。1ラインのカウントを行うごとにメモリ532へ現在までのカラー画素カウント数を出力する。このとき、カウンタの初期化は原稿読取開始位置で行い、ライン単位毎には行わない。カラー画素のカウント数は、常に原稿読込開始ラインからの総和とする。
なお、有効画像領域については、スキャン時に選択されるモードや再処理時に選択可能なモードによって決められる。仮に図12〜図14に示したような有効画像領域11〜13までのモードが選択可能であるとした場合、図18に示すように3つの有効画像領域に対するライン単位のカウント数を並行して生成し、メモリ532に格納する。
メモリ532には、カラー画素カウント数がライン単位で順次格納される。また、カラー画素判定部533より要求されたラインのカウント数をカラー原稿判定部535に出力する。
カラー原稿判定部535では、CPU531から有効画像領域情報を受け取り、この情報に基づき、対応する有効画像領域の1つ前のラインにおけるカラー画素カウント数と有効画像領域の後端ラインにおけるカラー画素カウント数とをメモリ532に要求する。メモリ532から入力された2つのカウント数の差分を計算して、有効画像領域におけるカラー画素カウント数を求め、閾値比較を行うことで原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判定し、判定結果を出力する。閾値THcolor_dとしては、例えば、入力原稿に対して1センチ角程度の大きさの画素数を用いる。閾値THcolor_dの値は、画像入力装置の解像度により異なるので、解像度に応じて設定する。そして、閾値THcolor_d以上ならば、カラー原稿であると判定し、閾値THcolor_dより小さければ白黒原稿であると判定する。
有効画像領域11〜13の集計については、例えば、図18のようにライン単位のカウント数が格納されている場合、以下の式のように集計する。
有効画像領域11におけるカラー画素カウント数=N(Reg1,n)
有効画像領域12におけるカラー画素カウント数=N(Reg2,b)−N(Reg2,a−1)+N(Reg2,d)−N(Reg2,c−1)
有効画像領域13におけるカラー画素カウント数=N(Reg3,b)−N(Reg3,a−1)+N(Reg3,d)−N(Reg3,c−1)
なお、本実施の形態では、ライン単位のカウント数からカラー原稿か白黒原稿かを判定する処理をカラー原稿判定部535で行う構成としたが、CPU531で行う構成としてもよい。この場合のACS判定処理部53の構成は図8に示したものと同様である。
また、上記では、カラー原稿か白黒原稿であるかの判定を行う例を示しているが、後述する原稿種別判定処理、下地判定処理に適用してもよく、あるいは、上記処理を適宜組み合わせて処理に適用するようにしてもよい。
実施の形態4.
図19は本実施の形態に係る画像処理装置を備える画像処理システムの内部構成を説明するブロック図である。実施の形態4に係る画像処理システムは、操作パネル1、画像入力装置3、画像処理装置5B、画像出力装置7を備える。画像処理装置5B以外の構成については実施の形態1と全く同様であり、それらの説明については省略することとする。
画像処理装置5Bは、実施の形態1で説明した画像処理装置5AのACS判定処理部53に代えて原稿種別判定部54を備える。図20は原稿種別判定部54の内部構成を示すブロック図である。原稿種別判定部54は、CPU541、メモリ542、特徴量算出部543、判別結果集計部544、原稿判定部545を備える。
特徴量算出部543は、入力された画像データを画素単位(またはブロック単位)で繁雑度や反転回数などの原稿の属性を判定するための特徴量を算出し、閾値処理等により画素の判別を行い、判別結果を判別結果集計部544に出力する。特徴量算出部543で生成される判別結果は1つでもよいし、複数としてもよい。例えば、7×7マスクに対する繁雑度が閾値以上であれば文字候補画素とし、そうでなければ文字候補画素ではないという判別結果を出力するとともに、7×7マスクに対する反転回数が閾値以下であれば下地候補画素とし、そうでなければ下地候補画素ではないという判別結果を出力してもよい。
判別結果集計部544は特徴量算出部543から入力される判別結果毎にカウント数を1インクリメントする。このとき、判別結果の値そのものをカウント数として加算してもよいし、判別結果をデータ圧縮した値(例えば、量子化値や対数変換値)をカウント数として加算してもよい。1ラインのカウントを行うごとにメモリ部へ現在までの判別結果カウント数を出力する。この時、カウンタの初期化は原稿開始位置で行い、ライン単位毎には行わない。常に原稿読込開始位置からの総和とする。
メモリ542は、ライン単位で判別結果カウント数を順次メモリに格納する。また、原稿判定部545より要求されたラインのカウント数を原稿判定部545に出力する。原稿判定部545では、CPU541から有効画像領域情報を受け取り、この情報に基づき、有効画像領域の一つ前のラインにおける判別結果カウント数と有効画像領域の後端ラインにおける判別結果カウント数をメモリ542に要求する。メモリ542から入力された2つのカウント数の差分を計算して、有効画像領域における判別結果カウント数を求め、閾値比較を行うことで原稿がどのような原稿であるかを判定し、判定結果を出力する。
原稿種別の判定には、特開2002−232708号公報に記載されている判定方法を用いることができる。図21は特徴量算出部543及び判別結果集計部544の詳細を示すブロック図である。
特徴量算出部543は、最小濃度値算出部5431、最大濃度値算出部5432、最大濃度差算出部5433、総和濃度繁雑度算出部5434、判定領域設定部5435、最大濃度差閾値設定部5435a、総和濃度繁雑度閾値設定部5435b、文字・網点判定部5436、文字・網点判定閾値設定部5436a、下地・印画紙判定部5437、下地・印画紙判定閾値設定部5437aを備える。
最小濃度値算出部5431は不図示の信号変換部によって変換されるCMY信号を基に、注目画素を含むn×m(例えば、5×15画素)のブロックにおける濃度最小値を算出し、最大濃度値算出部5432は入力されるCMY信号を基に、注目画素を含むn×m(例えば、5×15画素)のブロックにおける濃度最大値を算出する。最大濃度差算出部5433は、最小濃度値算出部5431及び最大濃度値算出部5432で算出された最小濃度値及び最大濃度値を用いて最大濃度差を算出する。
総和濃度繁雑度算出部5434は、上記n×m(例えば、5×15画素)のブロックにおいて、主走査方向、副走査方向の隣接する画素の濃度差の絶対値の総和をそれぞれ求め、主走査方向、副走査方向の総和の和を算出する。判定領域設定部5435は、最大濃度差算出部5433で算出される最大濃度差、最大濃度差閾値設定部5435aにて設定される最大濃度差についての閾値、総和濃度繁雑度算出部5434で算出される総和濃度繁雑度、及び総和濃度繁雑度閾値設定部5435bにて設定される総和濃度繁雑度についての閾値に基づき、下地・印画紙(写真)領域、文字・網点領域に分離する。
文字・網点判定部5436は、判定領域設定部5435において文字・網点領域に分離された領域内の画素が文字であるか、又は網点であるかの判定を行う。判定には文字・網点判定閾値設定部5436aにて設定される閾値が用いられる。結果は、判別結果集計部544へ出力される。判別結果集計部544の文字画素集計部5441は文字と判定された画素を集計し、網点画素集計部5442は網点と判定された画素を集計する。
下地・印画紙判定部5437は、判定領域設定部5435において下地・印画紙領域に分離された領域内の画素が下地であるか、又は印画紙(印画紙写真)であるかの判定を行う。判定には下地・印画紙判定閾値設定部5437aにて設定される閾値が用いられる。結果は、判別結果集計部544へ出力される。下地画素計数部5322は下地と判定された画素を集計し、印画紙画素計数部5323は印画紙と判定された画素を集計する。
図22は原稿種別判定部54が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。CPU541は、まず、メモリに記憶されているカウント数などの初期化を行う(ステップS31)。そして、画像入力装置3から通知される原稿の読取開始位置及び読取終了位置の情報から原稿サイズを認識し、操作パネル1等から入力される、原稿に対して画像処理を行うための拡大率や処理対象位置などの情報を取得、解析し、有効画像領域情報として認識する(ステップS32)。
次いで、特徴量算出部543は、1つのラインを構成する画素単位で特徴量を算出し(ステップS33)、画素の属性を判別する(ステップS34)。そして、判別結果に応じてカウンタの値を1つだけインクリメントし(ステップS35)、1ラインの処理が終了したか否かを判断する(ステップS36)。1ラインの処理が終了していないと判断した場合(S36:NO)、処理をステップS33へ戻す。
1ラインの処理が終了したと判断した場合(S36:YES)、判別結果(処理を行ったラインまでの判別結果)をメモリ542に出力する(ステップS37)。次いで、CPU541は有効画像領域の後端ラインであるか否かを判断し(ステップS38)、後端ラインでないと判断した場合(S38:NO)、次のラインの処理を行って(ステップS39)、処理をステップS33へ戻す。
現在のラインが有効画像領域の後端ラインであると判断した場合(S38:YES)、有効画像領域の1つ前のラインの判別結果と有効画像領域の後端ラインにおける判別結果の差分(文字と判定された画素数、網点と判定された画素数、下地と判定された画素数、印画紙と判定された画素数の差分)を算出し(ステップS40)、算出した差分に基づいて原稿種別の判別を行う(ステップS41)。例えば、上記各領域毎の画素数について有効画像領域の全画素数に対する比率を求め、文字領域、網点領域、印画紙写真領域、下地領域に対して定められている閾値と比較して有効画像領域の原稿種別の判定を行う。例えば、文字と判定された画素数、網点と判定された画素数の比率が何れもそれぞれの閾値以上のとき、文字印刷写真原稿であると判定する。
上記閾値は、次のように設定することができる。例えば、文字、網点、印画紙写真の順に検出精度が高いとすると、文字と判定された画素の比率が有効画像領域の全画素数の30%の場合には文字原稿、網点と判定された画素の比率が有効画像領域の全画素数の20%の場合には網点原稿(印刷写真原稿)、印画紙写真と判定された画素の比率が有効画像領域の全画素数の10%の場合には印画紙写真原稿であると判定する。
なお、本実施の形態では、原稿種別の判定を原稿判定部545で行う構成としたが、CPU541で行う構成としてもよい。図23は原稿種別判定部54の変形例を示すブロック図である。
実施の形態5.
本実施の形態では、下地判定処理への適用例について説明する。図24は図1に示した画像処理装置5Aにおける入力階調補正部55の内部構成を示すブロック図である。入力階調補正部55は、CPU551、メモリ552、ヒストグラム処理部553、階級値集計部554、下地判定部555を備える。
CPU551は、画像入力装置3から通知される原稿の読取開始位置や読取終了位置の情報から原稿サイズを認識する。また、操作パネル1等から入力される、原稿に対して画像処理を行うための拡大率や処理対象位置などの情報を取得、解析し、有効画像領域情報として認識する。
ヒストグラム処理部553は、入力された画像データを画素単位(またはブロック単位)で濃度値を閾値判定処理することでヒストグラムのどの階級値に含まれるかを判定し、階級値を階級値集計部554へ出力する。このとき、予め下地であると判断される階級値を定めておき、該当する階級値のみを階級値集計部554へ出力する。すなわち、下地候補の画素を抽出する。
階級値集計部554は、ヒストグラム処理部553から入力される、下地候補の画素の階級値をカウント処理し、入力された階級値に相当するカウント数を1インクリメントする。1ラインのカウントを行うごとにメモリ552へ現在までの各級に対するカウント数を出力する。この時、カウンタの初期化は原稿開始位置で行い、ライン単位毎には行わない。常に原稿読込開始位置からの総和とする。
メモリ552では、ライン単位でヒストグラムの各階級に対するカウント数を順次メモリ552に格納する。また、下地判定部555より要求されたラインのカウント数を下地判定部555に出力する。
下地判定部555では、CPU551から有効画像領域情報を受け取り、この情報に基づき、有効画像領域の一つ前のラインにおけるヒストグラムの各階級値に対するカウント数と有効画像領域の後端ラインにおけるヒストグラムの各階級値に対するカウント数をメモリ552に要求する。メモリ552から入力された2組のカウント数の差分をそれぞれの階級値に対して計算して、有効画像領域におけるヒストグラムの各階級値に対するカウント数を求め、色成分毎に閾値との比較を行うことで原稿の下地を判定し、判定結果を出力する。下地であると判断される階級値、カウント数の比較を行う閾値は、様々な画像サンプルを用いて、適切に下地が抽出できるように定めておく。
上記では、下地であると判断される階級値についてのみカウントを行っているが、全ての階級値についてカウントを行い、下地であると判断される階級値についてのみカウント値の差分を求め、下地の判定を行うようにしてもよい。
図25は入力階調補正部55が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。CPU551は、まず、メモリに記憶されているカウント数などの初期化を行う(ステップS51)。そして、画像入力装置3から通知される原稿の読取開始位置及び読取終了位置の情報から原稿サイズを認識し、操作パネル1等から入力される、原稿に対して画像処理を行うための拡大率や処理対象位置などの情報を取得、解析し、有効画像領域情報として認識する(ステップS52)。
次いで、ヒストグラム処理部553は、1つのラインを構成する画素単位で処理を行い、色成分毎に画素を階級値に分類し(ステップS53)、階級値に相当するカウント数を1だけインクリメントする(ステップS54)。
CPU551は、1ラインの処理が終了したか否かを判断し(ステップS55)、1ラインの処理が終了していないと判断した場合(S55:NO)、処理をステップS53へ戻す。
1ラインの処理が終了したと判断した場合(S55:YES)、階級値のカウント数(処理を行ったラインまでの階級値のカウント数)を色成分毎にメモリ552に出力する(ステップS56)。次いで、CPU541は有効画像領域の後端ラインであるか否かを判断し(ステップS57)、後端ラインでないと判断した場合(S57:NO)、次のラインの処理を行って(ステップS58)、処理をステップS53へ戻す。
現在のラインが有効画像領域の後端ラインであると判断した場合(S57:YES)、有効画像領域の1つ前のラインの階級値のカウント数と有効画像領域の後端ラインにおける階級値のカウント数の差分を色成分毎に算出する(ステップS59)。そして、カウント数が閾値以上となる色成分で、最も大きい階級値(RGB信号の場合)の値を下地であると判定する(ステップS60)。そして、下地の判別結果を基に、下地除去処理を行う。
下地の判別方法として、例えば、特開2000−354167号公報に記載されている以下の方法を用いても良い。すなわち、まず、入力画像データより、G信号を補色反転した信号であるM信号を抽出し、例えば256段階の濃度を16分割してヒストグラムを作成する。下地と判断される濃度値の最大値(第1の閾値)以下の濃度区分(階級値)についてカウントを行い、カウント値の差分を求め、差分が閾値以上の濃度区分を下地として抽出する。そして、抽出された濃度区分値に対応する補正量テーブルを選択し、下地除去処理を行う。なお、G信号ではなく、輝度信号(255−Y、ここでYはYj=0.30Rj+0.59Gi+0.11Bj(Rj,Gj,Bj:各画素の色成分))を用いて行ってもよい。
なお、本実施の形態では、下地の判定を下地判定部555で行う構成としたが、CPU551で行う構成としてもよい。図26は入力階調補正部55の変形例を示すブロック図である。
以上では、オートカラーセレクト処理、原稿種別の判別処理、下地判定処理を個別に行う例を説明したが、これらの処理を適宜組み合わせて行うようにしても良い。例えば、オートカラーセレクト処理と原稿種別の判別処理を並列して行い、カラー、モノクロ原稿の判別結果と原稿種別の判別結果を組み合わせて出力するようにしても良い。さらに、オートカラーセレクト処理、原稿種別の判別処理を行った後、下地判定処理を行うようにしても良い。この時、原稿種別の判定結果に基づいて、例えば、文字原稿が含まれる場合(文字原稿、文字印刷写真原稿、文字印画紙写真原稿など)は、下地判定処理を行い、文字原稿が含まれない場合(印刷写真原稿、印画紙写真原稿など)、下地判定処理を行わないようにしても良い。文字原稿が含まれる場合、通常、下地が存在するが、文字が含まれない写真原稿などでは、下地がほとんど含まれないためである。
また、オートカラーセレクト処理、原稿種別の判別処理、下地判定処理の処理順序は入れ替わってもよいし、一部またはすべてをCPUで処理を行うようにしても良い。
実施の形態6.
本実施の形態では、画像読取装置への適用例について説明する。図27は本実施の形態に係る画像読取装置の内部構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像読取装置9は画像読取部91及び画像処理部92を備える。画像読取部91は、原稿の画像を光学的に読み取るために走査ユニット、結像レンズ、CCDラインセンサ、給送タイミングセンサなどを備える。
画像処理部92は、AD変換部921、シェーディング補正部922、原稿種別判定部923、入力階調補正部924を備える。AD変換部921は、画像読取部91にて読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。シェーディング補正部922は、画像読取部91の照明系・結像系・撮像系で生じる各種歪みを取り除くためのシェーディング補正を行うものである。
原稿種別判定部923では、シェーディング補正部922にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、濃度信号などカラー画像処理装置に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換すると共に、入力された原稿画像が、文字原稿、印刷写真写原稿、印画紙写真であるか、あるいはそれらを組み合わせた文字/印刷写真原稿であるかなど原稿種別の判別を行なうものである。
入力階調補正部924は、カラーバランスを整えると同時に、下地の検出および下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を施すものである。
画像処理部92にて画像処理が施されたRGB信号および原稿種別判別信号は、コンピュータやプリンタに入力され原稿種別に応じた処理がなされる。
なお、上記では原稿種別判定部923を備える例を示しているが、原稿種別判定部の代わりに実施の形態1で説明したようなACS判定処理部を備えるようにしても良い。又は、ACS判定処理を原稿種別判定部923に組み込み、さらに、入力階調補正部924で下地判定を行い、その結果も合わせて出力するようにしても良い。さらに、画像読取装置は領域分離処理部を備える構成であっても良い。
実施の形態7.
実施の形態1及び2では、各処理をハードウェアにより実現する構成としたが、ソフトウェアの処理により本発明を実現する構成としてもよい。
図28は本発明のコンピュータプログラムがインストールされた画像処理装置の内部構成を説明するブロック図である。図中100は、本実施の形態に係る画像処理装置であり、具体的にはパーソナルコンピュータ、ワークステーション等である。画像処理装置100はCPU101を備えており、CPU101にはROM103、RAM104、ハードディスク105、外部記憶部106、入力部107、表示部108、通信ポート109等のハードウェアがバス102を介して接続されている。CPU101は、ROM103に予め格納された制御プログラムに従って前述のハードウェア各部を制御する。
RAM104は前述の制御プログラム、又は本発明に係るコンピュータプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)の実行中に生成される各種データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。ハードディスク105は、磁気記録媒体を有する記憶手段であり、本発明のコンピュータプログラムのプログラムコード等が記憶される。外部記憶部106は、本発明のコンピュータプログラムのプログラムコードを記録した記録媒体Mからプログラムコードを読取るための読取装置を備えている。記録媒体Mとしては、FD(Flexible Disk)、CD−ROM等を用いることができる。外部記憶部106によって読取られたプログラムコードはハードディスク105に格納される。CPU101はハードディスク105に格納された本発明に係るプログラムコードをRAM104上にロードして実行することにより、装置全体を、実施の形態1乃至5で説明したような画像処理を実現する装置として機能させる。
入力部107は、外部から画像データを取得するためのインタフェースとして機能する。入力部107には、例えば、カラースキャナ装置などが接続される。表示部108は、処理対象の画像データ、画像処理中の画像データ、画像処理後の画像データ等を表示するためのインタフェースとして機能する。表示部108に液晶ディスプレイ装置などの外部表示装置を接続して画像データを表示する構成であってもよく、表示部108自身が表示装置を備え、画像データを表示する構成であってもよい。通信ポート109は、外部にプリンタ150を接続するためのインタフェースである。画像処理された画像データをプリンタ150にて印刷する場合、画像処理装置100は、前記画像データを基にプリンタ150にてデコード可能なプリントデータを生成し、生成したプリントデータをプリンタ150へ送信する。
なお、本実施の形態では、各種演算をCPU101が実行する構成としたが、画像処理に係る演算を行う専用のチップを別途設け、CPU101からの指示により演算を行う構成としてもよい。
また、本発明に係るコンピュータプログラムコードを記録する記録媒体Mとしては、前述したFD及びCD−ROMの他に、MO、MD、DVD等の光ディスク、ハードディスク等の磁気記録媒体、ICカード、メモリカード、光カード等のカード型記録媒体、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリの利用も可能である。また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークから本発明に係るコンピュータプログラムコードをダウンロードするようにしてもよい。
また、本発明のコンピュータプログラムは、単体のアプリケーションプログラム、ユーティリティプログラムとして提供される形態であってもよく、他のアプリケーションプログラム、ユーティリティプログラムに組み込み、そのプログラムの一部の機能として提供する形態であってもよい。例えば、その一形態としてプリンタドライバに組み込んで提供する形態が考えられる。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。