JP4461667B2 - 電子カム方式ロータリカッタ制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリカッタの制御方法に関し、特に、電子カム方式ロータリカッタ制御法及び装置における逆転防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子カム方式ロータリカッタ制御方法としては、例えば、特開平2000−198094号に提示の電子カム方式ロータリカッタ制御方法および電子カム曲線生成方法がある。これは、連続的に流されるウェブ状の紙、鉄板等を静止させずに連続的に設定長に切断するロータリカッタの、非切断区間と切断区間で構成する1サイクル内の特定部分の動きが規定される装置をサーボモータを利用して、次サイクルに亙る予測を含む電子カム曲線を生成して制御するものであって、この場合の電子カム曲線は、図5に示すように速度パターンと位置パターンで表され、図5(a)に示す1サイクルの速度パターンでは、t0〜t3までの非切断区間が2次関数となり、切断長がカッタの周長より長い長尺の場合は2次曲線で真中が減少するカーブとなる。また、図5(b)に示す位置パターンでは3次関数で作成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術においては、切断長が長い超長尺の切断を行う場合に、速度パターンにおける非切断区間の2次曲線の減少度が大きくなり、図5に示すように速度パターンがカッタ逆転区間のようにマイナスとなる区間が発生して、カッタが逆転するという問題があった。そこで、本発明は、速度パターンがマイナスにならないように速度パターンを形成して、超長尺の切断長の場合もカッタが逆転しない電子カム方式ロータリカッタ制御方法及び装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の電子カム方式ロータリカッタ制御方法の発明は、メジャリングロールが生成する走行量パルスから1サイクルの位相指令を発生するのこぎり波発生回路と、前記位相指令から時間の2次関数の速度パターンを発生する速度パターン発生器と、前記位相指令から時間の3次関数の位置パターンを生成する位置パターン発生器と、前記位置パターンとモータ位置に基づいて速度指令を生成し前記速度パターンを加算して新たな速度指令を生成する位置制御器と、前記新たな速度指令とモータ速度に基づいてモータを駆動するサーボドライバと、を備えた電子カム方式ロータリカッタ制御方法において、カッタの刃先周長よりも長い長尺切断時は、刃先周長と同じ値を切断長に設定し、前記切断長に繰り返し任意値を加えて新たな切断長とし、速度パターンを時間関数で表した下に凸な2次関数の最小値をもとめ、前記最小値の符号がマイナスになったら、前記任意値を2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がマイナスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がプラスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長に加算し、再度前記最小値を演算し、以後前記最小値の符号がプラスかマイナスかに応じて前記任意値をさらに2分の1して前記切断長にそれぞれ加減算し、再度前記最小値を演算する動作を設定可能な回数だけ繰り返し、最小値がほぼ0になる限界切断長L0と時刻t2をもとめ、切断区間開始時刻t3までの時間tdをもとめ、t21=t2およびt22=t3―tdとしてt21からt22間は停止区間とし、t22から再度2次曲線で加速することを特徴とする。
請求項2記載の電子カム方式ロータリカッタ制御装置の発明は、メジャリングロールが生成する走行量パルスから1サイクルの位相指令を発生するのこぎり波発生回路と、前記位相指令から時間の2次関数の速度パターンを発生する速度パターン発生器と、前記位相指令から時間の3次関数の位置パターンを生成する位置パターン発生器と、前記位置パターンとモータ位置に基づいて速度指令を生成し前記速度パターンを加算して新たな速度指令を生成する位置制御器と、前記新たな速度指令とモータ速度に基づいてモータを駆動するサーボドライバと、を備えた電子カム方式ロータリカッタ制御装置において、カッタの刃先周長よりも長い長尺切断時は、刃先周長と同じ値を切断長に設定し、前記切断長に繰り返し任意値を加えて新たな切断長とし、速度パターンを時間関数で表した下に凸な2次関数の最小値をもとめ、前記最小値の符号がマイナスになったら、前記任意値を2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がマイナスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がプラスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長に加算し、再度前記最小値を演算し、以後前記最小値の符号がプラスかマイナスかに応じて前記任意値をさらに2分の1して前記切断長にそれぞれ加減算し、再度前記最小値を演算する動作を設定可能な回数だけ繰り返し、最小値がほぼ0になる限界切断長L0と時刻t2をもとめ、切断区間開始時刻t3までの時間tdをもとめ、t21=t2およびt22=t3―tdとしてt21からt22間は停止区間とし、t22から再度2次曲線で加速することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る電子カム方式ロータリカッタ制御方法のアルゴリズムを示す図である。
図2は図1に示すアルゴリズムにおける2次関数の最小値が0時の速度パターンと位置パターンを示す図である。
図3は図2に示すパターンで切断長が超尺時の場合の各パターンを示す図である。
ここで、本発明の動作原理としては、電子カム方式ロータリカッタ制御における速度パターンの2次関数部(非切断部)の曲線式は、次式で表される。
【数1】
この場合、切断長が長尺時に、その切断長の値を大きくしていけば、(5)式で示す2次関数の最小値f(t)minは、だんだん0に近付き、ついにはマイナスの値となる。
図1に示すアルゴリズムは、切断長を変化させf(t)min≒0、となる切断長L0を探索するアルゴリズムであり、図2のパターン作成処理である。
【0006】
つぎに図1 のアルゴリズムを用いてカッタの逆転防止方法の処理について説明する。
先ず、カッタの刃先周長Lx、を切断長に設定し、その切断長Lx にΔL( 任意値、例えば、1000mm)を加え(S100)、(5)式に示す2次関数の最小値f(t)minの符号を判断する(S101)。
S101の判断で、符号がプラスであれば、切断長に更にΔLを加え、符号がマイナスになるまでこれを繰り返す(S102)。
符号がマイナスになれば、回数n=1をセットして(S103)、切断長をΔL/2、短くして(S104)、再度、2次関数の最小値f(t)min、の符号を判断する(S105)。
S105の判断で、符号がプラスなら回数に1を加算して(S106)、更に、ΔL/2 2 を加える(S107)。
S105の判断で、符号がマイナスなら回数に1を加算して(S108)、ΔL/2 2 を引く(S109)。この処理をn回繰り返し、符号が反転する度にΔL/2 n を加え、又は引くことで、L0を探索する。
回数nが限度回数x(少なくともx=15回以上に設定)に達したかを判断して(S110)、達していなければS105に戻り、達したら終了する。
このようにして、f(t)min≒0となるL0と、その時の時刻t2を求める。同時にt2から切断区間開始時刻t3までの時間tdを求めて置く。これが図2(a)に示す速度パターンと、図2(b)に示す位置パターンに相当する。 これによって、L0より長い切断長(以下、超長尺と呼ぶ)が設定された場合の速度パターンと位置パターンを図3 に示す。
超長尺の場合は、
t21=t2
t22=t3−td
となり、t21とt22の間はカッタの停止区間となり、t22から2次曲線で加速するようにすることで、超長尺の切断時にも、カッタが逆転しない制御が可能になる。
【0007】
超長尺切断の具体的な回路としては、図4のような電子カム式ロータリカッタの制御ブロック図を示すことができる。
図4のデジタルコントローラ1にメジャーリングロール12から切断試料の走行量パルスを取込み、のこぎり波発生回路24により1サイクルを設定して、1サイクル分の図3に示したような超長尺の切断長が設定された、位置パターン発生器27、速度パターン発生器26へ入力し、時々刻々の位置指令Yref29と、速度指令を得る。
位置指令については、サーボモータ3のPG4からのパルスカウント値によりFB制御が行われ、速度パターン26は微分回路22を介した試料走行速度によるフィードフォワード制御が行われて、カッタ停止区間t21〜t22はカッタ11を停止させて、カッタの逆転を防止する超長尺の切断制御が行われる。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にれば、超長尺の切断長の場合にL0を求めて速度パターンがマイナスに転ずる時点を予測し、その区間はカッタを停止するように制御することで、カッタの逆転を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子カム方式ロータリカッタ制御方法の処理のアルゴリズムである。
【図2】図1に示す2次関数の最小値が0の時の速度パターン及び位置パターンを示す図である。
【図3】図2に示すパターンで切断長が超長尺の場合の各パターンを示す図である。
【図4】図1に示す電子カム方式ロータリカッタの実例を示すブロック図である。
【図5】従来の電子カム方式ロータリカッタ制御方法の速度パターン及び位置パターンを示す図である。
【符号の説明】
L0 限界切断長
t21〜t22 カッタ停止区間
td t21(t2)より切断開始時刻t3までの時間
1 コントローラ
2 サーボドライバ
3 モータ
4 PG
11 ロータリカッタ
12 メジャリングロール
20 カウンタ
21 D/A変換器
22 微分回路
23 乗算器
24 のこぎり波発生回路
26 速度パターン発生器
27 位置パターン発生器
29 位置指令
30 位置 ループゲイン
Claims (2)
- メジャリングロールが生成する走行量パルスから1サイクルの位相指令を発生するのこぎり波発生回路と、前記位相指令から時間の2次関数の速度パターンを発生する速度パターン発生器と、前記位相指令から時間の3次関数の位置パターンを生成する位置パターン発生器と、前記位置パターンとモータ位置に基づいて速度指令を生成し前記速度パターンを加算して新たな速度指令を生成する位置制御器と、前記新たな速度指令とモータ速度に基づいてモータを駆動するサーボドライバと、を備えた電子カム方式ロータリカッタ制御方法において、
カッタの刃先周長よりも長い長尺切断時は、刃先周長と同じ値を切断長に設定し、前記切断長に繰り返し任意値を加えて新たな切断長とし、速度パターンを時間関数で表した下に凸な2次関数の最小値をもとめ、前記最小値の符号がマイナスになったら、前記任意値を2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がマイナスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がプラスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長に加算し、再度前記最小値を演算し、以後前記最小値の符号がプラスかマイナスかに応じて前記任意値をさらに2分の1して前記切断長にそれぞれ加減算し、再度前記最小値を演算する動作を設定可能な回数だけ繰り返し、最小値がほぼ0になる限界切断長L0と時刻t2をもとめ、切断区間開始時刻t3までの時間tdをもとめ、t21=t2およびt22=t3―tdとしてt21からt22間は停止区間とし、t22から再度2次曲線で加速することを特徴とする電子カム方式ロータリカッタ制御方法。 - メジャリングロールが生成する走行量パルスから1サイクルの位相指令を発生するのこぎり波発生回路と、前記位相指令から時間の2次関数の速度パターンを発生する速度パターン発生器と、前記位相指令から時間の3次関数の位置パターンを生成する位置パターン発生器と、前記位置パターンとモータ位置に基づいて速度指令を生成し前記速度パターンを加算して新たな速度指令を生成する位置制御器と、前記新たな速度指令とモータ速度に基づいてモータを駆動するサーボドライバと、を備えた電子カム方式ロータリカッタ制御装置において、
カッタの刃先周長よりも長い長尺切断時は、刃先周長と同じ値を切断長に設定し、前記切断長に繰り返し任意値を加えて新たな切断長とし、速度パターンを時間関数で表した下に凸な2次関数の最小値をもとめ、前記最小値の符号がマイナスになったら、前記任意値を2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がマイナスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長から減算し、再度前記最小値を演算し、その符号がプラスであれば前記任意値をさらに2分の1して前記切断長に加算し、再度前記最小値を演算し、以後前記最小値の符号がプラスかマイナスかに応じて前記任意値をさらに2分の1して前記切断長にそれぞれ加減算し、再度前記最小値を演算する動作を設定可能な回数だけ繰り返し、最小値がほぼ0になる限界切断長L0と時刻t2をもとめ、切断区間開始時刻t3までの時間tdをもとめ、t21=t2およびt22=t3―tdとしてt21からt22間は停止区間とし、t22から再度2次曲線で加速することを特徴とする電子カム方式ロータリカッタ制御装置。
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