JP2650979B2 - レーザ加工機用数値制御装置 - Google Patents

レーザ加工機用数値制御装置

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JP2650979B2 JP63221026A JP22102688A JP2650979B2 JP 2650979 B2 JP2650979 B2 JP 2650979B2 JP 63221026 A JP63221026 A JP 63221026A JP 22102688 A JP22102688 A JP 22102688A JP 2650979 B2 JP2650979 B2 JP 2650979B2
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能彦 丹治
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はレーザ加工機用数値制御装置に関するもので
ある。
従来の技術 従来の汎用数値制御装置を利用したレーザ加工機の一
例を第4図に示す。汎用数値制御装置11は入力された加
工プログラムに従い、レーザ発振器12に出力指令を行う
とともにサーボモータ13を駆動し、加工用テーブル14を
移動させる。レーザ発振器12より発生したレーザ光15は
反射ミラー16および集光レンズ17を介して被加工物18に
照射され、加工が行なわれる。なお、19はテーブル14の
位置検出器である。
また、上記構成においては、レーザ発振器12からのレ
ーザ出力は、テーブル14の実際の移動に合わせて調整す
ることができず、たとえば加工プログラムからの指令速
度に基づいて制御されていた。
発明が解決しようとする課題 ところで、レーザ出力を指令速度で制御すると、テー
ブル14の移動がどうしても遅れるため、テーブル14の減
速時に切り残しが生じるという欠点がある。また、逆に
テーブル14の実際の移動速度でレーザ出力を制御する
と、テーブル14の加速時における熱的遅れにより、切断
箇所の切り残し(ガウジング)が生じてしまう。
そこで、本発明は上記課題を解消し得るレーザ加工機
用数値制御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本発明のレーザ加工機用数
値制御装置は、レーザ発振器と、被加工物を載置支持す
る加工用テーブルと、この加工用テーブルを移動させる
サーボモータとからなるレーザ加工機の数値制御装置で
あって、数値制御コードを位置データおよびレーザ制御
データに区分けして出力する位置およびレーザ指令部
と、上記位置データに基づきサーボモータの速度制御を
行なう速度指令部と、上記レーザ制御データに基づきレ
ーザ発振器の出力を制御するレーザ制御部と、加工用テ
ーブルの位置を検出する位置検出器とを備え、上記速度
指令部から出力される加工用テーブルの速度指令が加速
および定常走行である場合には、上記速度指令部に与え
る指令速度をレーザ制御部に入力するとともにこの指令
速度に基づきレーザ出力を制御するようになし、かつ上
記速度指令部から出力される加工用テーブルの速度指令
が減速である場合には、上記位置検出器で得られた加工
用テーブルの実際の移動速度をレーザ制御部に入力する
とともにこの移動速度に基づきレーザ出力を制御するよ
うに構成したものである。
作用 上記構成によると、加工用テーブルの加速時および走
行時には指令速度を基準としてレーザ出力を制御すると
ともに、減速時には加工用テーブルの移動速度を基準と
してレーザ主力の制御を行なっているため、ガウジング
および切り残しなどが生じない。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
まず、ここで本発明の原理について説明する。
第3図に数値制御装置からの指令速度と実際の加工用
テーブルの速度の時間的関係およびレーザ出力の時間的
関係のグラフとして、図(a)に、この指令速度(太い
実線)と実際の加工用テーブルの移動速度(点線)との
関係と、図(b)に、指令速度でレーザ加工を制御した
場合のレーザ出力のグラフ(実線)と、実際の加工用テ
ーブルの移動速度でレーザ加工を制御した場合のレーザ
出力のグラフ(点線)を示す。
一般に、テーブルの速度は指令に対し次式の様な遅れ
を生じる。
ただし、δ:テーブル遅れ量(mm) F:テーブル速度 Kp:位置ループゲイン Ts:スムージング時定数 これに対し、本発明においては、テーブルの移動の加
速時は数値制御装置からの指令速度でレーザ出力を制御
し、これによって加速の始めの熱的遅れによるガウジン
グをなくすることができる。なお、テーブル速度で切り
替えを行った場合は貫通せずガウジングを生じる。ま
た、逆に減速時は(1)式および第3図で明らかなよう
に、指令速度とテーブル速度とは時間的な遅れがあり、
指令速度でレーザ出力を制御すると、(1)式のδだけ
切り残しを生じてしまう。したがって、減速時はテーブ
ル速度でレーザ出力の切り替えを行えば切り残しを生じ
ない。レーザ加工においては、被加工物の熱伝導等に考
慮する必要がある。すなわち、実際の加工用テーブルの
移動速度でレーザ加工を制御すると、被加工物の熱伝導
により、加工開始時の加工箇所が十分加熱させる前にレ
ーザ加工が進んでしまうので、ガウジングが発生する。
従って、レーザ加工における加工用テーブルの加速状
態・定常状態では、加工用テーブルの移動速度でレーザ
加工を制御するとガウジングが発生するという問題があ
るので、指令速度に基づいてレーザ加工を行う必要があ
り、すなわち、加工用テーブルには慣性力が働くので、
指令速度から若干遅れて移動して行くことにより、加工
開始時の加工箇所が十分加熱されてからテーブルが移動
するので、その次の加工箇所も熱が伝わり、ガウジング
を発生することなく加工を行うことができる。
一方、レーザ加工における加工用テーブルの減速時
は、加工用テーブルには慣性力が働くので、指令速度か
ら若干遅れて移動して行くので、指令速度でレーザ加工
を制御すると、移動速度に到達する前にレーザ加工が終
了してしまい、切り残しが発生してしまう。
従って、レーザ加工における加工用テーブルの減速時
には、実際の加工用テーブルの移動速度でレーザ加工を
制御すると、切り残しは発生せず、良好なレーザ加工を
行える。このように本発明では常に良好な切断を行うこ
とができる。
次に、第1図に基づき詳しく説明する。
第1図はレーザ発振器と、被加工物を載置支持する加
工用テーブルと、このテーブルを移動させるサーボモー
タとを有するレーザ加工機の数値制御装置のブロック図
を示す。
すなわち、第1図に示すように、数値制御装置は、 ・加工指示をコーディングした数値制御コードを解析部
(図示せず)で解析し、前記解析部から位置およびレー
ザ指令部1に制御指令データを出力する。
・この位置およびレーザ指令部1は、解析部から出力さ
れた制御指令データに基づき、加工用テーブルを移動さ
せるための位置データと、加工に則したレーザ出力を指
示するレーザ制御データに変換し、位置データを速度指
令部3に出力し、レーザ制御データをレーザ制御部5に
出力する。
・速度指令部3は前記位置およびレーザ指令部1から出
力された位置データに基づき、加工用テーブルの位置を
移動させるための速度データに変換し、この速度データ
に基づいてサーボモータ2への駆動制御信号を出力して
速度制御を行う。
・サーボモータ2により移動させられる加工用テーブル
には、その位置を検出する位置検出器6を設けており、
この位置検出データをレーザ制御部5に出力している。
・レーザ制御部5は前記位置およびレーザ指令部1から
出力されたレーザ制御データに基づき、レーザ発振器4
へ、レーザの出力・周波数・デューティを制御する制御
信号を出力する。
次に、動作を第2図に基づき説明する。
解析部より数値制御コードに基づく移動指令があった
場合、位置およびレーザ指令部1はテーブルの動作が加
速、定常、減速のどの状態にあるかをレーザ制御部5と
速度指令部3に知らせる。レーザ制御部5は加速、定
常、減速の各状態に応じて位置データを、位置およびレ
ーザ指令部1よりの指令位置かもしくは位置検出器6よ
りのテーブル1の実際位置のどちらかに振り分ける。す
なわち、減速中であれば、位置検出器6からのデータに
より、インポジションゾーンに入っているかどうかを検
出し、インポジションゾーンに入った場合、レーザの出
力を停止状態またはアイドル状態にする。インポジショ
ンゾーンから外れている場合はレーザ出力を設定状態に
保ち、また減速中でなければレーザ出力は設定状態で出
力することは云うまでもない。なお、設定状態のレーザ
出力において、加減時定数で決まる勾配の係数を乗じて
出力することは、薄板加工においては効果がある。な
お、上述したインポジションとは、加工形状の所定の1
点(例えば、三角形を加工する場の頂点等)について、
その1点を囲む任意の範囲を設定した場合の、この任意
の範囲をインポジションと呼び、レーザ加工の位置がイ
ンポジションの範囲に入ることを『インポジション
内』、レーザ加工の位置がインポジションの範囲以外の
ことを『インポジション外』と呼ぶ。このインポジショ
ンは、レーザ加工における加工形状の精度を上げるため
に設けているもので、このインポジション内でレーザ出
力を停止を停止しない(レーザ加工の速度(テーブルの
移動速度とレーザ出力)が連続している)場合には、慣
性力のためテーブルの移動が所望の位置から若干移動側
に膨らんでしまうという不具合が生じる。
したがって、インポジション内の場合には、レーザ出
力を停止する必要があるため、本発明では上述した制御
を行っている。
発明の効果 以上のように、本発明の構成によれば、加工用テーブ
ル加速時および走行時には指令速度を基準としてレーザ
出力を制御するとともに、減速時には加工用テーブルの
移動速度を基準としてレーザ出力の制御を行なうように
したので、ガウジングまたは切り残しなどが生じず、し
たがって加工面が美しくなり最適なレーザ加工を行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるレーザ加工機用数値
制御装置の構成を示すブロック図、第2図は同装置の動
作を説明するフロー図、3図(a)および(b)は各速
度と時間との関係およびレーザ出力と時間との関係を示
すグラフ、第4図はレーザ加工機およびその数値制御装
置の概略構成を示す図である。 1……位置およびレーザ指令部、2……サーボモータ、
3……速度指令部、4……レーザ発振器、5……レーザ
制御部、6……位置検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浮田 克一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小林 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ発振器と、被加工物を載置支持する
    加工用テーブルと、この加工用テーブルを移動させるサ
    ーボモータとからなるレーザ加工機の数値制御装置であ
    って、数値制御コードを位置データおよびレーザ制御デ
    ータに区分けして出力する位置およびレーザ指令部と、
    上記位置データに基づきサーボモータの速度制御を行な
    う速度指令部と、上記レーザ制御データに基づきレーザ
    発振器の出力を制御するレーザ制御部と、加工用テーブ
    ルの位置を検出する位置検出器とを備え、上記速度指令
    部から出力される加工用テーブルの速度指令が加速およ
    び定常走行である場合には、上記速度指令部に与える指
    令速度をレーザ制御部に入力するとともにこの指令速度
    に基づきレーザ出力を制御するようになし、かつ上記速
    度指令部から出力される加工用テーブルの速度指令が減
    速である場合には、上記位置検出器で得られた加工用テ
    ーブルの実際の移動速度をレーザ制御部に入力するとと
    もにこの移動速度に基づきレーザ出力を制御するように
    構成したレーザ加工機用数値制御装置。
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