JP4461506B2 - 給油口密封装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の燃料タンクに導かれるフィラーチューブの給油口等に用いられるもので、挿入された給油ガンのノズル部との隙間を密封するシールパッキンを備えた給油口密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガソリンや軽油等の燃料を供給した燃料タンクや燃料タンクにつながれたフィラーチューブ15の燃料蒸気(エバポガス)が漏洩することを防止する給油口密封装置としては、例えば図8に示すような給油口密封装置101がある。図8(a)は従来技術の給油口密封装置を示す概略構成図であり、図8(b)はタンク側から見た図であり、図8(c)は大気側から見た図である。また、図8(a)は図8(c)のA―A断面を示している。
【0003】
図1における給油口密封装置1は、フィラーチューブ115の開口部に装着されており、給油ガンのノズル部(以下、給油ガンと記載する)116が挿入される貫通孔103を有する円筒状部材である給油口ボディ102を備えており、この給油口ボディ102外周のタンク側Tにフィラーチューブ115が接続されている。
【0004】
給油口密封装置101は、給油口ボディ102と、給油ガン116が挿入されたときに給油ガン116との隙間を密封するゴム状弾性体製のシールパッキン106と、シールパッキン106を給油口ボディ102に固定させるプレート107と、給油ガン116が挿入されていないときに貫通孔103を塞ぐシャッター108と、を備えている。
【0005】
図9は、給油口ボディ102を示す図である。図9(a)は給油口ボディの断面図、図9(b)はタンク側から見た図、図9(c)は図9(a)に示すC―C線の断面図である。
【0006】
図9に示す給油口ボディ102は、円筒形状で、大気側Aからタンク側Tに貫通する貫通孔103を有する。貫通孔103には、シールパッキン106及びプレート107が装着されるようになっている。
【0007】
給油口ボディ102の大気側A端部には、断面コ字状のカバー110が取付けられている(図8参照)。カバー110の内径側には、断面突起形状のフィラーキャップ用のメネジ110aが備えられており(図12参照)、メネジ110aに挿入される給油ガン116の引掛け部116aが引っ掛かるようになっている。
【0008】
給油口ボディ102の外周面には、フィラーチューブ115及びカバー110との間にゴム状弾性体製のOリング111,112を介在させるための2つのOリング溝102a,102bが設けられている。これによって、フィラーチューブ115やカバー110と給油口ボディ102外周との間には、Oリング111,112が介在し、外部に漏れのないようになっている。
【0009】
給油口ボディ102の貫通孔103は、給油ガン16が挿入されるもので、カバー110が装着された大気側Aが大径であり、タンク側Tに向かって径が小さくなるように、第1段差部104及び第2段差部105が設けられた段付き孔である。
【0010】
第1段差部104は、カバー110に覆われた大気側Aからテーパ面で縮径された部分で、プレート107が嵌合される。第2段差部105は、第1段差部104のタンク側Tでさらに1段縮径され、プレート107に固定されたシールパッキン106が密接する。
【0011】
第1段差部104には、プレート107に設けられた爪107aが引っ掛かる引掛け穴104aを備えている。引掛け穴104aは、図9(c)に示すように、水平方向に貫通孔103へ貫通させて給油口ボディ102の外周側を塞いで容易に製造され、貫通孔103に対して4つ設けられている。
【0012】
また、給油口ボディ102のタンク側Tの端面には、貫通孔3の開口部回りにシャッターパッキン109と、貫通孔3の開口部の上方にシャッター108を支持するための支持部113と、を備えている。
【0013】
一方、給油ガン116が挿入されたときに給油ガン116との隙間を密封するシールパッキン106は、貫通孔103の第2段差部105内周に位置決め配置されて密着する固定部106aと、この固定部106aの内径端から縮径しながらタンク側Tに向かって延びる断面楔状のリップ部106bと、を備える。またシールパッキン106は、返りを防止するため厚肉かつ剛性が高く設けられている。
【0014】
固定部106aは、内径側に環状溝106dが設けられており、プレート107の環状突起107cに係合し、プレートに107に対してシールパッキン106が固定される。
【0015】
プレート107を図10に示す。図10(a)はプレート10を断面図であり、図10(b)はタンク側Tから見た図であり、図10(c)は大気側Aから見た図である。
【0016】
図10に示すように、プレート107は、給油口ボディ102の貫通孔103の引掛け穴104aに引っ掛かる爪107aを外周に備えたリング状部材である。
【0017】
プレート107の中心孔の内周には差し込まれる給油ガン116を案内する大気側Aからタンク側Tへ縮径するテーパ状のガイド面107bが設けられている。プレート107のタンク側T端部には、シールパッキン106の固定部106aに設けられた環状溝106dと係合する外径方向に突出する環状突起107cが設けられている。
【0018】
プレート107の爪107aは外径方向に突出し、タンク側Tの面が中心方向をタンク側Tに突出した傾斜面となっており、タンク側Tへの押し込みが簡単に行える。また、爪107aが設けられた部分は薄い板状で設けられており、貫通孔103に挿入された際には外径方向に弾性反発する。
【0019】
次にプレート107の給油口ボディ102に対する装着について説明する。始めに貫通孔103内へシールパッキン106が固定されたプレート107をタンク側Tに押し込んで行く。そして、押し込まれた爪107aが引掛け穴104aに引っ掛かると、シールパッキン106の固定部106aは、プレート107によってタンク側T方向に押圧されてある程度圧縮された状態で第2段差部105のタンク側T壁面に密接する。
【0020】
一方、シャッター108は、給油口ボディ102のタンク側T側面の支持部113に支持された回動軸113aに回動自在に軸支されて、給油口ボディ102のタンク側T側面の貫通孔103開口部まわりに設けられたシャッターパッキン109に密接可能となっている。 このシャッター108は、回動軸113aに巻き付けられたコイルばね114によって大気側Aに付勢されており、給油ガン116が挿入されていない場合には、ばね114の付勢力だけがシャッター108に働き、シャッター108がシャッターパッキン109に押し付けられて密接している。
【0021】
給油ガン116が挿入された場合には、給油ガン116先端はシャッター108に当接し、給油ガン116の押し込み力がシャッター108を付勢するばね114の力を上回ると、シャッター108は回動して給油ガン116がさらに奥まで挿入され(図8に2点鎖線で示す)、給油ガン116外周をシールパッキン106のリップ部106bでくわえ込んで密接して給油が可能となる。
【0022】
以上説明したように、給油口密封装置101は、給油ガン116が挿入、非挿入のどちらの場合であっても、密封状態を保ち、タンク側Tのエバポガスが大気中に放出されることを防止している。
【0023】
ところで、この給油口密封装置101では、給油ガン116には圧力感知用穴や給油ガン116外周に生じた傷、カエリ等があり、差し込みや取り出しの作業によりシールパッキン106に摺動した給油ガン116によって、シールパッキン106のリップ部106bを傷つけてしまうことがあり、傷ついて消耗したシールパッキン6を交換する場合がある。
【0024】
この場合、従来の給油口密封装置101では、貫通孔103内の第1段差部104に嵌合したプレート107が大気側Aから着脱可能に設けられており、このプレート107の着脱に従って、同時にプレート107に固定されたシールパッキン106も着脱することができる。
【0025】
具体的にシールパッキン106の交換を説明する。まず、プレート107の爪107aを内径側に寄せて引掛け穴104aから取り外す。すると、大気側Aからプレート107及び消耗したシールパッキン106を取り出すことができる。そして、新しいシールパッキン106が固定されたプレート107を押し込み、プレート107の爪107aを引掛け穴104aに嵌め込んでプレート107及び新しいシールパッキン106を装着する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の給油口密封装置の場合には、次のような問題があった。
【0027】
一般的に給油ガンは、図11に示すように多種形状をしている。図11(a)は給油ガン116が根元まで同じ外径寸法で、スプリングのような引掛け部116aが設けられた形状である。図11(b)は根元の外径寸法が太くなった形状である。図11(c)は途中で折り曲げられた形状である。図11(d)は引掛け部116aが太い形状である。
【0028】
給油ガンは、図12に示すように、給油時に給油口入口のカバー110のメネジ110aに給油ガン116の引掛け部116aを引掛けて固定されるため、給油ガンの形状によっては給油ガンの挿入角度が軸方向から大きく傾いてしまうことがある。たとえば、図11(a)に示すような形状であるとφAが小さいほど、又図11(c)に示すような形状であると図示した距離Bが小さいほど、給油ガンの挿入角度が軸方向から大きく傾いて偏心量も増加する。そして、最悪の場合シール性を確保することが困難となる。
【0029】
また、給油ガンの外径寸法には規格があるが、0.8mm程度の大きな公差が生じており、シール性を確保するため給油ガン外径の最小径寸法に合わせてシールパッキンの締め代を設定すると共に、給油ガン挿入性を確保するため給油ガン外径の最大径寸法に合わせてガイド可能に設定する必要がある。しかし、給油ガン外径の最大径寸法に合わせてガイド可能に設定することは外径が通常径や小径の給油ガンを挿入した際の偏心量が増加する。
【0030】
この挿入角度の軸方向からの大きな傾きや偏心量に対応するためには、シールパッキンのリップ部の給油ガンに対する締め代を大きく取ることや、給油口入口の径を小さくすることが考えられる。しかし、締め代を大きくすることは給油ガンの挿入荷重の増加が懸念され、また給油口入口の径を小さくすることは給油口のキャップなどの寸法見直しが必要となってしまう。
【0031】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、挿入された給油ガンに対して安定した密封性を維持する信頼性に優れた給油口密封装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
大気側からタンク側に貫通し、タンク側に向かって径が小さくなるように第1段差部及び第2段差部が設けられた段付き孔であり、給油ガンのノズル部が挿入される貫通孔を有し、タンク側をフィラーチューブに接続された給油口ボディと、
該給油口ボディの貫通孔内に配置され、前記給油ガンのノズル部が挿入されたときに前記給油ガンのノズル部との隙間を密封するシールパッキンと、
該シールパッキンを給油口ボディに固定させると共に、挿入される前記給油ガンのノズル部を案内するガイド面を有するプレートと、
前記給油ガンのノズル部が挿入されていないときに貫通孔を塞ぐシャッターと、
を備えた給油口密封装置において、
前記シールパッキンに固定され、前記給油ガンのノズル部を案内すると共に、前記給油ガンのノズル部の挿入角度の傾きに応じて移動可能なホルダーをさらに備えており、
前記シールパッキンは、
前記ホルダーが固定される固定部と、該固定部の内径端から縮径しながらタンク側に向かって延びるリップ部と、前記固定部から外径方向に拡がる伸縮自在な膜部と、該膜部の外周の外周端部と、を有し、
前記外周端部が前記プレートと前記貫通孔の第1段差部とに挟まれて固定されることによって前記給油口ボディに固定されると共に、前記固定部、前記リップ部、及び前記膜部を前記給油口ボディに対して移動可能とする隙間が前記貫通孔の前記第2段差部との間に設けられており、
前記ホルダーは、
前記固定部の内径に設けられた環状溝に係合する環状突起と、
前記シールパッキンの返りを防止するタンク側端部の凸部と、
を有していることを特徴とする。
【0033】
したがって、膜部が外周端部とリップ部の根元との間を密封すると共にリップ部を支持するので、膜部が伸縮してリップ部が移動可能となり、膜部に支持されたリップ部は給油ガンに追従して移動でき、安定した密封性を維持することができる。
【0035】
これにより、シールパッキンは一定の形状に維持され、リップ部と給油ガンのノズル部との間に隙間はできない。
【0038】
大気側からタンク側に貫通し、給油ガンのノズル部が挿入される貫通孔を有し、タンク側をフィラーチューブに接続された給油口ボディと、
該給油口ボディの貫通孔内に配置され、前記給油ガンのノズル部が挿入されたときに前記給油ガンのノズル部との隙間を密封するシールパッキンと、
該シールパッキンを給油口ボディに固定させると共に、挿入される前記給油ガンのノズル部を案内するガイド孔を有するプレートと、
前記給油ガンのノズル部が挿入されていないときに貫通孔を塞ぐシャッターと、
を備えた給油口密封装置において、
前記シールパッキンは、
前記プレートに圧縮されて固定された円筒形状の固定部と、
該固定部の内径端から縮径しながらタンク側に向かって延びるリップ部と、
前記固定部の内周面に形成された環状溝と、
を有しており、
前記プレートは、
前記シールパッキンの環状溝に係合して前記シールパッキンを一定の形状に維持する環状突起と、
前記シールパッキンの大気側への返りを防止するタンク側端部の凸部と、
を有しており、
前記ガイド孔は、大気側からタンク側に向かって縮径するテーパ状のガイド面で構成された第1の孔部と、該ガイド面からさらに軸に平行にタンク側に延びるガイド面で構成された第2の孔部と、を有しており、
前記第1の孔部の中心は、前記リップ部の中心と一致して設けられており、
前記第2の孔部の中心は、前記給油ガンのノズル部の挿入角度の傾きに合わせて前記リップ部の中心に対して下方に偏心させて設けられたことを特徴とする。
【0039】
したがって、給油時の挿入角度が傾いた給油ガンのノズル部に対してリップ部が密接して、安定した密封性を維持することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、従来技術と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態の特徴部分について詳しく説明する。
【0041】
(第1の実施の形態)
図1(a)は第1の実施の形態に係る給油口密封装置を示す概略構成図であり、図1(b)は給油口密封装置をタンク側Tから見た図であり、図1(c)は給油口密封装置を大気側Aから見た図である。また、図1(a)は図1(c)のA―A断面を示している。
【0042】
図1における給油口密封装置1は、ガソリンや軽油等の燃料を供給した燃料タンクや燃料タンクにつながれたフィラーチューブ15の燃料蒸気(エバポガス)が漏洩することを防止するもので、フィラーチューブ15の開口部に装着されるものである。
【0043】
給油口密封装置1は、フィラーチューブ15の開口部に装着されており、給油ガン16が挿入される貫通孔3を有する円筒状部材である給油口ボディ2を備えており、この給油口ボディ2外周のタンク側Tにフィラーチューブ15が接続されている。
【0044】
給油口密封装置1は、給油口ボディ2と、給油ガンのノズル部(以下、給油ガンと記載する)16が挿入されたときに給油ガン16との隙間を密封するゴム状弾性体製のシールパッキン6と、シールパッキン6を給油口ボディ2に固定させるプレート7と、給油ガン16が挿入されていないときに貫通孔3を塞ぐシャッター8と、を備えている。
【0045】
給油口ボディ2は、従来技術で説明したものと同形状の円筒形状で、大気側Aからタンク側Tに貫通する貫通孔3を有する。貫通孔3には、シールパッキン6及びプレート7が装着されるようになっている。
【0046】
給油口ボディ2の大気側A端部には、断面コ字状のカバー10が取付けられている。このカバー10の内径側には、断面突起形状のフィラーキャップ用のメネジ10aが備えられており、メネジ10aに挿入される給油ガン16の引掛け部16aが引っ掛かるようになっている。
【0047】
給油口ボディ2の外周面には、フィラーチューブ15及びカバー10と当接する部分にゴム状弾性体製のOリング11,12を介在させるための2つのOリング溝2a,2bが設けられている。これによって、フィラーチューブ15やカバー10と給油口ボディ2外周との間には、Oリング11,12が介在し、外部に漏れのないようになっている。
【0048】
給油口ボディ2の貫通孔3は、給油ガン16が挿入されるもので、カバー10が装着された大気側Aが大径であり、タンク側Tに向かって径が小さくなるように第1段差部4及び第2段差部5が設けられた段付き孔である。
【0049】
第1段差部4は、カバー10が装着された大気側Aからテーパ面で縮径されたタンク側Tに設けられ、シールパッキン6とプレート7が嵌合される。第2段差部5は、第1段差部4のタンク側Tでさらに縮径されて設けられ、シールパッキン6との間にはシールパッキン6を移動可能とする隙間が設けられている。
【0050】
第1段差部4には、プレート7に設けられた爪7aが引っ掛かる引掛け穴4aを貫通孔3に対して4つ備えている。上方2つの引掛け穴4aには逃げ穴4bが設けられている。
【0051】
また、給油口ボディ2のタンク側Tの端面には、貫通孔3の開口部回りにゴム状弾性体製のシャッターパッキン9と、シャッターパッキン9を固定するための固定部材19と、貫通孔3の開口部の上方でシャッター9を支持するための支持部13と、を備えている。
【0052】
一方、給油ガン16が挿入されたときに給油ガン16との隙間を密封するシールパッキン6は、ホルダー20が固定された固定部6aと、この固定部6aの内径端から縮径しながらタンク側Tに向かって延びる断面楔状のリップ部6bと、リップ部6bの根元である固定部6aから外径方向に拡がる薄膜ワッシャ形状の伸縮自在な膜部6cと、膜部の外周の外周端部と、を備える。
【0053】
固定部6aは、内径に環状溝6dが設けてあり、この環状溝6dにホルダー20の外径に形成された環状突起20aが係合し、ホルダー20がシールパッキン6に固定される。
【0054】
ホルダー20は、シールパッキン6の大気側Aに配置されてシールパッキン6を一定の形状に維持させると共に、挿入される給油ガン16をガイドし、またタンク側T端部の凸部20cでシールパッキン6の返りを防止する。
【0055】
このホルダー20には、シールパッキン6の内径に設けられた環状溝6dに係合する環状突起20aと、大気側A端部で外径方向に延びるフランジ部20bと、タンク側T端部の凸部20cと、が備えられている。
【0056】
一方、リップ部6bは、挿入される給油ガン16の外周をくわえ込んで密接する。膜部6cは、外周端部と固定部6aとの間に設けられている。外周端部は、第1段差部4とプレート7とに挟まれて固定されており、外周端部は圧縮されて挟まれ、密封性を有する。
【0057】
シールパッキン6の膜部6cを圧縮するプレート7は、給油口ボディ2の貫通孔3の引掛け穴4aに引っ掛かる爪7aを外周に備えたリング状部材である。プレート7中心のガイド孔の内周には差し込まれる給油ガン16を案内する大気側Aからタンク側Tへ縮径するテーパ状のガイド面7bが設けられている。プレート7のタンク側Tは、シールパッキン6に固定されたホルダー20が当接するようになっている。
【0058】
プレート7の爪7aは外径方向に突出し、爪7aのタンク側Tの面が中心方向をタンク側Tに突出させた傾斜面となっており、タンク側Tに押し込みやすく、また、爪7aが設けられた部分は板状で外径方向に弾性反発する。
【0059】
プレート7の給油口ボディ2への装着について説明する。始めに貫通孔3内へシールパッキン6が固定されたプレート7をタンク側Tに押し込んでいく。そして、押し込まれた爪7aが引掛け穴4aに引っ掛かると、シールパッキン6の膜部6cは、外周端部をプレート7の押圧部7cによって押圧されてある程度圧縮された状態で第1段差部4のタンク側T壁面に密接する。
【0060】
一方、シャッター8は、給油口ボディ2のタンク側T側面の支持部13に支持された回動軸13aに回動自在に軸支されて、給油口ボディ2のタンク側T側面の貫通孔2開口部まわりに設けられたシャッターパッキン9に密接可能となっている。
【0061】
このシャッター8は、回動軸13aに巻き付けられたコイルばね14によって大気側Aに付勢されており、給油ガン16が挿入されていない場合には、ばね14の付勢力だけがシャッター8に働き、シャッター8がシャッターパッキン9に押し付けられて密接している。
【0062】
給油ガン16が挿入された場合には、プレート7のガイド面7bやホルダー20にガイドされて給油ガン16先端はシャッター8に当接し、給油ガン16の押し込み力がシャッター8を付勢するばね14の力を上回ると、シャッター8はタンク側Tへ回動して給油ガン16がさらに奥まで挿入され(図1に2点鎖線で示す)、給油ガン16外周をリップ部6bでくわえ込んで密接し、給油が可能となる。
【0063】
このように、給油口密封装置1は、給油ガン16が挿入、非挿入のどちらの場合であっても、密封状態を保ち、タンク側Tのエバポガスが大気中に放出されることを防止している。 ところで、この給油口密封装置1では、給油ガン16には圧力感知用穴や給油ガン16外周に生じた傷、カエリ等があり、差し込みや取り出しの作業によりシールパッキン6に摺動した給油ガン16によって、リップ部6bを傷つけてしまうことがあり、消耗したシールパッキン6を交換する場合がある。
【0064】
本実施の形態の給油口密封装置1では、貫通孔3内の第1段差部4に嵌合したプレート7が大気側Aから着脱可能に設けられており、このプレート7の着脱によって、プレート7の押圧部7cで膜部6cを押圧固定されていたシールパッキン6も着脱することができるようになる。
【0065】
具体的にシールパッキン6の交換を説明する。始めに爪7aを内径側に寄せて引掛け穴4aから取り外し、プレート7を取り出す。本実施の形態では、逃げ穴4bが上方2つの引掛け穴4aに対して設けられているので、逃げ穴4bにφ2〜3程度の棒状の治具を挿入して中心方向へ倒し、容易に爪7aに荷重をかけて爪7aを内径側に寄せ、簡単に爪7aを引掛け穴4aから取り外すことができる。
【0066】
これにより、大気側Aから消耗したシールパッキン6を取り出すことができる。そして、新しいシールパッキン6を押し込み、シールパッキン6の外周端部を第1段差部4のタンク側T壁面とプレート7とで挟み、爪7aを引掛け穴4aに嵌め込んで装着する。
【0067】
次に、図3を用いて給油ガン16が挿入された給油時における本実施の形態の特徴的な動作について説明する。
【0068】
給油時には、給油ガン16の引掛け部16aをカバー10のメネジ10aに引掛けて給油ガン16を固定して給油を行う。
【0069】
しかし、挿入される給油ガン16は、図11を用いて従来技術で説明したように多種のものがあり、メネジ10aに引掛け部16aを引掛けた際に、挿入された給油ガン16によっては給油ガン16の挿入角度が軸方向から大きく傾いてしまうことがある。
【0070】
このような場合には、図3に示すように、給油ガン16をガイドするホルダー20が給油ガン16の挿入角度の傾きに応じて動かされ、さらにホルダー20の動作によってホルダー20が固定されたシールパッキン6も移動するので、それによってシールパッキン6の膜部6cが伸縮し、給油ガン16とリップ部6bの間に隙間ができることを防止している。
【0071】
そして、シールパッキン6の固定部6aとリップ部6bがホルダー20と伴に給油ガン16の傾きに応じて移動するため、リップ部6bは給油ガン16に対して、挿入角度や偏心量に影響を受けずに密接することができる。
【0072】
これにより、給油ガン16の挿入角度の傾きによらずに密封性を高めるためにリップ部6bの締め代を大きく設ける必要がなく、挿入荷重の低減が図れると共に、給油口入口の径を小さくする必要がなく、従来用いていたキャップなどの部品をそのまま使用することができる。
【0073】
この給油ガン16の挿入角度が傾いたとき、シールパッキン6はホルダー20によって一定の形状に保たれているので、リップ部6bが給油ガン16と密接しなくなるといった不具合も防いでいる。
【0075】
以上に述べたように、本実施の形態では、給油ガン16の傾きに応じて膜部6cが伸縮することによって、シールパッキン6が給油ガンに追従し、安定した密封性を維持する。これによって、多種の給油ガンが使用される場合であっても、シールパッキン6は安定した密封性を維持することができる。
【0076】
(参考例)図4、図5には、参考例が示されている。本参考例では、給油口ボディ2の第2段差部5のタンク側T壁面と取り出し可能なプレート7との間にシールパッキン6と伴に挟み込まれると共に周方向で複数に分割されたホルダー21を設けた構成であり、ホルダー21の径方向の移動によりシールパッキン6を給油ガン16外径寸法に追従させるものである。
【0077】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略し、ここでは特徴的な部分だけを説明する。
【0078】
図4は、本参考例の給油口密封装置を示す図である。図4(a)は給油口密封装置を示す概略構成図であり、図4(b)はタンク側Tから見た図であり、図4(c)は大気側Aから見た図である。また、図4(a)は図4(c)のA―A断面を示している。
【0079】
図4において、シールパッキン6は、ホルダー21と伴に給油口ボディ2の第2段差部5のタンク側T壁面とプレート7との間に挟み込まれ、プレート7によってシールパッキン6がタンク側Tへ押し付けられて第2段差部5のタンク側T壁面に密接する構成となっている。
【0080】
シールパッキン6は、圧縮されて固定される円筒形状の固定部6aと、この固定部6aのタンク側T内径端から縮径しながらさらにタンク側Tに向かって延びる断面楔状のリップ部6bと、固定部6aの内周面に形成された環状溝6dと、固定部6aの外周面の軸方向両端部に2つ形成された環状支持部6eと、を備える。
【0081】
ホルダー21は、リップ部6bよりも大気側Aのシールパッキン6内周に配置され、シールパッキン6を一定の形状に維持させると共に、挿入される給油ガン16をガイドするものである。
【0082】
ホルダー21には、シールパッキン6内周に設けられた環状溝6dに係合する環状突起21aと、大気側A端部で外径方向に延びるフランジ部21bと、シールパッキン6の大気側Aへの返りを防止するタンク側T端部の凸部21cと、が備えられている。
【0083】
またホルダー21は、切断部22により周方向で2つに分割されている。切断部22を隙間が無いように当接させて分割されたホルダー21を繋いだ場合の内径寸法Gは、最小径の細い給油ガン外径寸法に合わせて設定されている。
【0084】
そして、ホルダー21は径方向に移動可能に設けられている。給油ガン16を挿入していないときには、固定部6aによって内径方向に付勢されることによって、分割されたホルダー21は、切断部22が当接した最小径の給油ガンに合わせた径に保持される。
【0085】
即ち、給油ガン16が挿入されることによってホルダー21は外径方向に移動でき、かつ最小径の給油ガンに合わせた径に保持された状態に戻ろうとして内径方向に向かう復元力を有する。このため、挿入された給油ガン16が取り出されると、ホルダー21は最小径の給油ガンに合わせた径に復元される。
【0086】
一方、プレート7は、シールパッキン6とホルダー21をタンク側Tへ押し付けており、第1の実施の形態と同様に、爪7aとガイド面7bとを備えている。プレート7のタンク側Tはホルダー21が径方向に移動し易いように平面になっている。
【0087】
プレート7の着脱は、第1の実施の形態と同様にして行われる。本参考例においても第1段差部4に逃げ穴4bが設けられており、逃げ穴4bに治具を差し込むことにより爪7aの係合解除を簡単に行えるようにしてプレート7の取り外しを容易にしている。
【0088】
次に、図5を用いて給油ガン16が挿入された給油時における本参考例の特徴的な動作について説明する。
【0089】
給油ガン16の外径寸法には規格があるが、最大径寸法と最小径寸法とでは公差が0.8mm程度生じている。外径寸法が大径の給油ガン16が挿入された場合には、図5(a)に示すように、ホルダー21が挿入される給油ガン16に押し広げられるように、給油ガン16の外径に合わせて外径方向に移動して給油ガン16をガイドする。
【0090】
このとき、ホルダー21の外径方向への移動によって、切断部22が広がり、分割されたホルダー21間に隙間が形成される。
【0091】
そして、このようにホルダー21が給油ガン16の外径に合わせて外径方向へ移動するので、ホルダー21は給油ガン16の径に合わせたガイドができ、給油ガン16の偏心を防止し、安定した密封性を維持する。
【0092】
固定部6aは、軸方向両端部を環状支持部6eによって外径方向に対して支持されているので、軸方向中央部だけがホルダー21の移動により外径方向に変形する。これにより、ホルダー21の移動によって環状支持部6eは、第2段差部5に密接する。
【0093】
また、ホルダー21のフランジ部21bが第2段差部5に当接し、ホルダー21が必要以上に外径方向に移動することを防止する。これにより、大きな力がかかっても給油ガン16の傾きや偏心量が大きくなることがなく、密封性の悪化が防止される。
【0094】
一方、外径寸法が最小径の給油ガン16が挿入された場合には、図5(b)に示すように、分割されたホルダー21の切断部22に隙間のない最小の内径と等しいので、ホルダー21は外径方向には移動せず、給油ガン16が挿入されていないときと同じ状態で、リップ部6bが給油ガン16外周をくわえ込んで密接する。
【0095】
このように、給油ガン16の外径によらず密封性を高めるためにシールパッキン6のリップ部6bの締め代を大きく設ける必要がないので、締め代を小さくして挿入荷重を低減できる。
【0096】
以上に述べたように、本参考例では、給油ガン16の外径寸法に応じてホルダー21を
外径方向に移動することができる。これによって、ホルダー21は給油ガン16の外径に合わせて給油ガン16をガイドするため、給油ガン16外径に追従させて安定した密封性を維持することができる。
【0097】
なお、本参考例でホルダー21は、2つに分割された形状であったが、外れ易くなるがさらに多数に分割した構成であってもよい。
【0098】
(第2の実施の形態)図6、図7には、第2の実施の形態が示されている。本実施の形態では、ホルダーを備えておらず、シールパッキン6を固定したプレート7のガイド孔をシールパッキン6のリップ部6bの中心に対して下方向へ偏心させたものである。
【0099】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略し、ここでは特徴的な部分だけを説明する。
【0100】
図6は、本実施の形態の給油口密封装置を示す図である。図6(a)は給油口密封装置を示す概略構成図であり、図6(b)はタンク側Tから見た図であり、図6(c)は大気側Aから見た図である。また、図6(a)は図6(c)のA―A断面を示している。
【0101】
図6において、シールパッキン6は、プレート7固定されており、プレート7の嵌合によってタンク側Tへ押し付けられて第2段差部5のタンク側T壁面に密接する構成となっている。
【0102】
シールパッキン6は、圧縮されて固定される円筒形状の固定部6aと、この固定部6aのタンク側T内径端から縮径しながらさらにタンク側Tに向かって延びる断面楔状のリップ部6bと、固定部6aの内周面に形成された環状溝6dと、を備える。
【0103】
プレート7は、環状突起7dで環状溝6dに係合し、シールパッキン6を一定の形状に維持させると共に、シールパッキン6をタンク側Tへ押し付けている。
【0104】
プレート7には、爪7aと、ガイド面7bと、シールパッキン6の内径に設けられた環状溝6dに係合する環状突起7dと、シールパッキン6の大気側Aへの返りを防止するタンク側T端部の凸部7eと、が備えられている。
【0105】
またプレート7は、ガイド孔をリップ部6bの中心よりも図中下方に偏心量Xだけ偏心させて設けている。このため、プレート7の内周面は下側が上側よりも軸方向に幅広くなっている。またこのガイド孔は、給油ガンの外径寸法最大径に合わせて設けられている。
【0106】
プレート7の着脱は、第1の実施の形態と同様にして行われる。本実施の形態においても第1段差部4に逃げ穴4bが設けられており、逃げ穴4bに治具を差し込むことにより爪7aの係合解除を簡単に行えるようにしてプレート7の取り外しを容易にしている。
【0107】
次に、図7を用いて給油ガン16が挿入された給油時における本実施の形態の特徴的な動作について説明する。
【0108】
給油時には、給油ガン16の引掛け部16aをカバー10のメネジ10aに引掛けて給油ガン16を固定して給油を行う。この固定の際、一般に給油ガン16は挿入されるガン先端よりも後端側が重たいために、シールパッキン6又はプレート7に当接する部分を支点としてガン後端側が下がり、引掛け部16aはメネジ10aの図中下側部分に引っ掛かる。
【0109】
本実施の形態は、上記のように給油ガン16の引掛け部16aがメネジ10a下側に引っ掛かることに対応しており、給油時のガン後端側が下がった給油ガン16に対してプレート7のガイド孔位置が合わせてあるため、密封性の悪化が防止される。
【0110】
具体的には、図7に示すように、リップ部6bの中心よりも下方に偏心量Xだけ偏心させてプレート7のガイド孔が設けられているため、上記のように給油時にガン後端側が下がった給油ガン16が引掛けられるとき、給油ガン16はシールパッキン6のリップ部6bにくわえ込まれた部分を支点としてガン後端側が下がり、この状態の給油ガン16がプレート7のガイド孔によってガイドされる。
【0111】
このため、支点となる給油ガン16のリップ部6bにくわえ込まれた部分はリップ部6bの中心とほぼ同心となり、リップ部6bは引っ掛かった給油ガン16に対して図中下側部分に最小締め代Yを有して密接する。
【0112】
さらに、従来のような引掛けられた給油ガン16の傾きによらずに密封性を高めるためにリップ部6bの締め代を大きく設ける必要がないので、締め代を小さくして挿入荷重を低減できる。
【0113】
以上に述べたように、本実施の形態では、給油時のガン後端側が下がり挿入角度が傾いた給油ガン16に合わせてプレート7のガイド孔を下方に偏心させて設けている。これによって、給油時の挿入角度が傾いた給油ガン16に対してリップ部6bが密接するため、安定した密封性を維持することができる。
【0114】
なお、給油時の給油ガン16が傾く方向に合わせてプレート7のガイド孔を偏心させる構成であれば、ガイド孔の下方向への偏心に限られず本発明を適用できる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、シールパッキンは、貫通孔壁面に固定される外周端部と、外周端部とリップ部の根元との間に設けられた伸縮自在な膜部と、を有したことで、膜部が外周端部とリップ部の根元との間を密封すると共にリップ部を支持するので、膜部が伸縮してリップ部が移動可能となり、膜部に支持されたリップ部は給油ガンに追従して移動でき、安定した密封性を維持することができる。
【0116】
また、リップ部よりも大気側でシールパッキン内径に配置され、シールパッキンを一定の形状に維持させるホルダーを備えることで、シールパッキンは一定の形状に維持され、リップ部と給油ガンのノズル部との間に隙間はできない。
【0117】
リップ部よりも大気側でシールパッキン内径に周方向に分割されて配置され、シールパッキンを一定の形状に維持させる、径方向に移動可能なホルダーを備えたことで、給油ガンのノズル部外径に合わせてホルダーが径方向に移動するので、ホルダーによって給油ガンの偏心が防止でき、安定した密封性を維持することができる。
【0118】
ガイド孔は、給油ガンの挿入角度の傾きに合わせてリップ部の中心に対して偏心させて設けられたことで、給油時の挿入角度が傾いた給油ガンのノズル部に対してリップ部が密接して、安定した密封性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る給油口密封装置を示す図である。
【図2】プレートの取り外しを説明する示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る給油口密封装置の給油時の状態を示す図である。
【図4】参考例に係る給油口密封装置を示す図である。
【図5】参考例に係る給油口密封装置の給油時の状態を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る給油口密封装置を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る給油口密封装置の給油時の状態を示す図である。
【図8】従来技術の給油口密封装置を示す図である。
【図9】従来技術の給油口ボディを示す図である。
【図10】従来技術のプレートを示す図である。
【図11】給油ガンを示す図である。
【図12】給油口密封装置の給油時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 給油口密封装置
2 給油口ボディ
2a,2b Oリング溝
3 貫通孔
4 第1段差部
4a 引掛け穴
4b 逃げ穴
5 第2段差部
6 シールパッキン
6a 固定部
6b リップ部
6c 膜部
6d 環状溝
6e 環状支持部
7 プレート
7a 爪
7b ガイド面
7c 押圧部
7d 環状突起
7e 凸部
8 シャッター
9 シャッターパッキン
10 カバー
10a メネジ
11,12 Oリング
13 支持部
13a 回動軸
14 コイルばね
15 フィラーチューブ
16 給油ガン
19 固定部材
20,21 ホルダー
20a,21a 環状突起
20b,21b フランジ部
20c,21c 凸部
Claims (2)
- 大気側からタンク側に貫通し、タンク側に向かって径が小さくなるように第1段差部及び第2段差部が設けられた段付き孔であり、給油ガンのノズル部が挿入される貫通孔を有し、タンク側をフィラーチューブに接続された給油口ボディと、
該給油口ボディの貫通孔内に配置され、前記給油ガンのノズル部が挿入されたときに前記給油ガンのノズル部との隙間を密封するシールパッキンと、
該シールパッキンを給油口ボディに固定させると共に、挿入される前記給油ガンのノズル部を案内するガイド面を有するプレートと、
前記給油ガンのノズル部が挿入されていないときに貫通孔を塞ぐシャッターと、
を備えた給油口密封装置において、
前記シールパッキンに固定され、前記給油ガンのノズル部を案内すると共に、前記給油ガンのノズル部の挿入角度の傾きに応じて移動可能なホルダーをさらに備えており、
前記シールパッキンは、
前記ホルダーが固定される固定部と、該固定部の内径端から縮径しながらタンク側に向かって延びるリップ部と、前記固定部から外径方向に拡がる伸縮自在な膜部と、該膜部の外周の外周端部と、を有し、
前記外周端部が前記プレートと前記貫通孔の第1段差部とに挟まれて固定されることによって前記給油口ボディに固定されると共に、前記固定部、前記リップ部、及び前記膜部を前記給油口ボディに対して移動可能とする隙間が前記貫通孔の前記第2段差部との間に設けられており、
前記ホルダーは、
前記固定部の内径に設けられた環状溝に係合する環状突起と、
前記シールパッキンの返りを防止するタンク側端部の凸部と、
を有していることを特徴とする給油口密封装置。 - 大気側からタンク側に貫通し、給油ガンのノズル部が挿入される貫通孔を有し、タンク側をフィラーチューブに接続された給油口ボディと、
該給油口ボディの貫通孔内に配置され、前記給油ガンのノズル部が挿入されたときに前記給油ガンのノズル部との隙間を密封するシールパッキンと、
該シールパッキンを給油口ボディに固定させると共に、挿入される前記給油ガンのノズル部を案内するガイド孔を有するプレートと、
前記給油ガンのノズル部が挿入されていないときに貫通孔を塞ぐシャッターと、
を備えた給油口密封装置において、
前記シールパッキンは、
前記プレートに圧縮されて固定された円筒形状の固定部と、
該固定部の内径端から縮径しながらタンク側に向かって延びるリップ部と、
前記固定部の内周面に形成された環状溝と、
を有しており、
前記プレートは、
前記シールパッキンの環状溝に係合して前記シールパッキンを一定の形状に維持する環状突起と、
前記シールパッキンの大気側への返りを防止するタンク側端部の凸部と、
を有しており、
前記ガイド孔は、大気側からタンク側に向かって縮径するテーパ状のガイド面で構成された第1の孔部と、該ガイド面からさらに軸に平行にタンク側に延びるガイド面で構成された第2の孔部と、を有しており、
前記第1の孔部の中心は、前記リップ部の中心と一致して設けられており、
前記第2の孔部の中心は、前記給油ガンのノズル部の挿入角度の傾きに合わせて前記リップ部の中心に対して下方に偏心させて設けられたことを特徴とする給油口密封装置。
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