JP6107616B2 - 燃料給油装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料給油装置に関する。
車両に搭載される燃料給油装置として、樹脂製の筒状のネック部と、ネック部の先端部に装着され給油口を形成する金属製のリテーナと、ネック部の外周面に形成されたリング状の溝に配置され、ネック部とリテーナとの間をシールする環状のシール部材(O−リング)とを備える燃料給油装置が知られている(特許文献1を参照)。前述のシール部材が配置される溝(以下、「シール用溝」と呼ぶ)は、シール部材の位置ずれを防止するために、底部と側面(溝の深さ方向に沿った面)との間の角度が略直角となるように形成されている。このようなシール用溝は、例えば、射出成形によりネック部が成形されるのと同時に形成されていた。また、近年、フィラーパイプとネック部とを一体に成形できるブロー成形や押し出し成形が検討されている。
特開平8−40091号公報
しかしながら、上述したブロー成形や押し出し成形によりシール用溝を形成する場合では、成形後のネック部の収縮により溝の寸法精度が低下して、溝の底部と側面との間の角度が略直角にならないことがある。かかる角度が鈍角となるようにシール用溝が形成されると、シール部材の位置ずれが発生して、ネック部とリテーナとの間のシールが破られるおそれや、シール部材が大きく変形することによりシール部材の耐久性が低下するおそれがあった。また、ネック部の成形後において、切削によりシール用溝を形成する方法では、切削工程を必要とするため、燃料給油装置の製造コストが増大するという問題があった。その他、従来の燃料給油装置では、小型化や、信頼性の向上、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一実施形態によれば、燃料を吐出する燃料供給ノズルが挿入され、前記燃料供給ノズルから吐出される燃料を燃料タンクに供給する燃料給油装置が提供される。この燃料給油装置は;前記燃料給油装置の一方の端部に配置され、前記燃料タンクと接続するための接続部と;前記燃料給油装置の他方の端部に配置され、樹脂で形成された筒状のネック部であって;前記ネック部の開口端を形成する開口端面を有し、前記ネック部の中心軸と平行に前記開口端面から前記接続部側に向かう給油方向に沿って、前記開口端面から延びるネック端部と;前記ネック端部よりも前記給油方向における前記接続部側において前記ネック端部と接して配置され、前記給油方向と垂直な径方向の厚さが、前記給油方向に沿って前記接続部側に向かうにつれて増加する拡径部と;を有するネック部と;前記ネック部の外周面の少なくとも一部と前記開口端面と前記ネック部の内周面の少なくとも一部とを連続して囲むように、前記ネック部に装着されているリテーナと;前記リテーナの内壁と対向し、前記拡径部と接して配置されている支持部材であって、前記ネック部とは別部材として構成されている支持部材と;前記支持部材よりも前記給油方向における前記開口端面側において、前記支持部材と前記ネック端部と前記リテーナの内壁とに囲まれた領域に配置され、前記支持部材に接するシール部材と;を備え;前記ネック端部は、前記開口端面に接して前記ネック部の外周面または前記ネック部の内周面の一部を形成する第1の面を有し;前記拡径部は、前記外周面の一部または前記内周面の一部を形成するとともに前記第1の面と接する第2の面と、前記第2の面から径方向に突出した環状の突出部と、を有し;前記リテーナは、少なくとも、前記開口端面と前記第1の面と前記第2の面とを囲み;前記支持部材は、前記第1の面と前記第2の面と前記リテーナの内壁とに囲まれた領域に配置され、前記第2の面に接して環状の溝が形成された第3の面と、前記第3の面よりも前記給油方向における前記開口端面側に配置されている第4の面と、を有し;前記シール部材は、前記第1の面と前記第4の面と前記リテーナの内壁とに囲まれた領域に配置され、前記第1の面と前記第4の面とに接し、前記第1の面の少なくとも一部又は前記リテーナの内壁の少なくとも一部を、円周方向に沿って囲み;前記突出部は、前記溝に嵌まり込んでいる。
(1)本発明の一形態によれば、燃料を吐出する燃料供給ノズルが挿入され、前記燃料供給ノズルから吐出される燃料を燃料タンクに供給する燃料給油装置が提供される。この燃料供給装置は、前記燃料給油装置(10,200)の一方の端部に配置され、前記燃料タンク(FT)と接続するための接続部(25)と、前記燃料給油装置(10,200)の他方の端部に配置された筒状のネック部であって、前記ネック部の開口端を形成する開口端面を有し、前記ネック部の中心軸と平行に前記開口端面から前記接続部(25)に向かう給油方向に沿って、前記開口端面から延びるネック端部と、前記ネック端部よりも前記給油方向における前記接続部(25)側において前記ネック端部と接して配置され、前記給油方向と垂直な径方向の厚さが、前記給油方向に沿って前記接続部(25)側に向かうにつれて増加する拡径部と、を有するネック部と;前記ネック部の外周面の少なくとも一部と前記開口端面と前記ネック部の内周面の少なくとも一部とを連続して囲むように、前記ネック部に装着されているリテーナと;前記リテーナの内壁と対向し、前記拡径部と接して配置されている支持部材と;前記支持部材よりも前記給油方向における前記開口端面側において、前記支持部材と前記ネック端部と前記リテーナの内壁とに囲まれた領域に配置され、前記支持部材に接するシール部材と;を備える。この形態の燃料給油装置によれば、リテーナの内壁と対向し、拡径部とシール部材とに接する支持部材を備えているので、支持部材によりシール部材が給油方向に位置ずれすることを抑制できる。したがって、ネック部において、ネック端部と拡径部との間の角度を直角とならないように形成しても、シール部材の位置ずれを抑制できる。このため、ネック部を、ブロー成形や押し出し成形で形成でき、燃料給油装置の製造コストの増大を抑制できる。換言すると、ネック部をブロー成形や押し出し成形で形成することにより、成形後の収縮に起因してネック端部や拡径部が予定されている形状とならない場合であっても、第1実施形態の燃料給油装置によれば、シール部材の位置ずれを抑制できる。このため、燃料給油装置の製造コストの増大を抑制しつつ、シール部材の位置ずれを抑制できる。
(2)上記形態の燃料給油装置において、前記ネック端部は、前記開口端面に接して前記ネック部の外周面または前記ネック部の内周面の一部を形成する第1の面を有し、前記拡径部は、前記外周面の一部または前記内周面の一部を形成するとともに前記第1の面と接する第2の面を有し、前記リテーナは、少なくとも、前記開口端面と前記第1の面と前記第2の面とを囲み、前記支持部材は、前記第1の面と前記第2の面と前記リテーナの内壁とに囲まれた領域に配置され、前記第2の面に接する第3の面と、前記第3の面よりも前記給油方向における前記開口端面側に配置されている第4の面と、を有し、前記シール部材は、前記第1の面と前記第4の面と前記リテーナの内壁とに囲まれた領域に配置され、前記第1の面と前記第4の面とに接し、前記第1の面の少なくとも一部又は前記リテーナの内壁の少なくとも一部を、円周方向に沿って囲んでもよい。この形態の燃料給油装置によれば、第1の面と第2の面とリテーナの内壁とに囲まれた領域に、シール部材と接する第4の面と、拡径部の第2の面と接する第3の面とを有する支持部を配置しているので、かかる支持部により、シール部材の位置ずれを抑制できると共に、支持部材の位置ずれを抑制できる。
(3)上記形態の燃料給油装置において、前記リテーナにおいて、前記ネック部の内周面に対して前記径方向において対向する内周側囲み部は、前記燃料供給ノズルの挿入口を形成し、前記内周側囲み部には、燃料キャップが装着されてもよい。この形態の燃料給油装置によれば、燃料キャップが装着される燃料給油装置において、燃料給油装置の製造コストの増大を抑制しつつ、シール部材の位置ずれを抑制できる。
(4)上記形態の燃料給油装置において、前記リテーナにおいて、前記内周面に対して前記径方向において対向する内周側囲み部には、燃料経路を開閉するための弁機構が装着されていてもよい。この形態の燃料給油装置によれば、燃料キャップを必要とせずに弁機構により燃料経路を開閉する燃料給油装置において、燃料給油装置の製造コストの増大を抑制しつつ、シール部材の位置ずれを抑制できる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、燃料給油装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、本発明は、フィラーネックや、燃料給油装置またはフィラーネックを備える車両や、燃料給油装置の製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての燃料給油装置10の外観構成を示す斜視図である。 燃料給油装置10を分解して示す斜視図である。 燃料給油装置10を破断して示す斜視図である。 燃料給油装置10の開口端面側の端部の断面を示す説明図である。 第2実施形態の燃料給油装置における開口端面側の端部の断面を示す断面図である。 第3実施形態の燃料給油装置における開口端面側の端部の断面を示す断面図である。 第4実施形態の燃料給油装置における開口端面側の端部の断面を示す断面図である。 第5実施形態の燃料給油装置200を適用した開閉装置500の概略構成を示す断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての燃料給油装置10の外観構成を示す斜視図である。図1に示すように、燃料給油装置10は、筒状の外観形状を有し、開放されている一方の端部に燃料キャップFCが装着され、他方の端部に設けられている接続部25において燃料タンクFTに接続されている。燃料タンクFTは、例えば、車両に搭載される。燃料給油装置10を用いて給油を行う際、ユーザは、燃料キャップFCを燃料給油装置10から外し、図示しない給油ノズルを燃料給油装置10に挿入して給油を行う。図示しない給油ノズルから吐出される燃料は、燃料給油装置10内の燃料供給経路を通って燃料タンクFTに供給される。
図2は、燃料給油装置10を分解して示す斜視図である。図3は、燃料給油装置10を破断して示す斜視図である。図1および図2に示すように、燃料給油装置10は、前述の接続部25に加えて、パイプ部29と、ネック部20と、リテーナ30とを備えている。また、図2および図3に示すように、燃料給油装置10は、シール部材50と、シール支持部材60と、ノズルガイド部材40とを備えている。図3に示すように、燃料給油装置10には、燃料給油装置10の中心軸CXに沿った方向D1と略平行な方向に、給油ノズルFNが挿入される。また、給油ノズルFNから吐出された燃料は、燃料給油装置10内を方向D1と略平行な方向に流れる。方向D1は、中心軸CXと平行に後述するネック部20の端面S10(開口端面)から接続部25側に向かう方向である。以降では、方向D1における先端側を「接続部側」と呼び、方向D1における基端側を「開口端面側」と呼ぶ。図3に示すように、燃料給油装置10を構成する各要素は、いずれも略筒状または略環状の外観形状を有し、各構成要素の中心軸は、燃料給油装置10の中心軸CXとほぼ一致している。図1ないし図3に示すように、パイプ部29は、円筒形の外観形状を有し、一端においてネック部20と接続され、他端において接続部25と接続されている。パイプ部29の外径は、ネック部20の外径および接続部25の外径よりも小さい。パイプ部29の内孔には、給油ノズルFNから供給される燃料が通る。
A−2.ネック部20の構成:
図3に示すように、ネック部20は、筒状の外観形状を有する樹脂製部材であり、リテーナ装着部23とパイプ接続部24とが一体に形成された構造を有する。ネック部20は、例えば、樹脂のブロー成形またはチューブ押し出し成形により形成される。本実施形態では、ネック部20は、単一の樹脂層により構成されているが、これに代えて、複数の樹脂層によりネック部20を構成してもよい。
リテーナ装着部23と、パイプ接続部24とは、この順序で方向D1に沿って並んで配置されている。換言すると、リテーナ装着部23は、ネック部20における最も開口端面側に配置され、パイプ接続部24は、ネック部20における最も接続部側に配置されている。
図2および図3に示すように、リテーナ装着部23は、略円筒形の外観形状を有し、開口端面側においてリテーナ30が装着される。図3に示すように、リテーナ装着部23(およびリテーナ30)における中心軸CXに沿った貫通孔は、給油ノズルFNの挿入通路12Pとして用いられる。リテーナ装着部23は、ネック端部21と、拡径部22とを備えている。
図2に示すように、ネック端部21は、円筒形の外観形状を有し、リテーナ装着部23において最も開口端面側に配置されている。ネック端部21の厚さは、方向D1に沿ったいずれの位置においても等しい。ネック端部21の厚さは、リテーナ装着部23の他の部分の厚さに比べて小さい。
図4は、燃料給油装置10の開口端面側の端部の断面を示す説明図である。図4では、中心軸CXに沿った燃料給油装置10の開口端面側の断面(中心軸CXを中心として線対称に現れる2つの断面)のうち、一方の断面を表している。また、図4では、図示の便宜上、ネック部20の断面を示すハッチングを省略している。図4に示すように、ネック端部21の開口端面側の端面S10は、ネック部20の開口端面側の端面に相当し、ネック部20の開口端を形成する。ネック端部21の外周面(以下、「第1の面」と呼ぶ)S1は、端面S10と接しており、ネック部20の外周面の一部を形成する。ネック端部21の内周面は、リテーナ30(後述する内周保護部33)の内壁に接している。
図2ないし図4に示すように、拡径部22は、ネック端部21に対して接続部側に配置され、ネック端部21に接して配置されている。図4に示すように、拡径部22の径方向(方向D1と垂直な方向)の厚さは、後述する突出部221を除いた部分において、方向D1に沿って接続部側に向かうにつれて増加する。図1ないし図4に示すように、拡径部22の外周面(以下、「第2の面」と呼ぶ)S2は、ネック端部21の第1の面S1と接しており、後述する突出部221を除いた部分において、方向D1に沿って次第に外径方向に広がる斜面として形成されている。図4に示すように、第1の面S1と第2の面S2との間の角度は、90°よりも大きい。図4に示すように、拡径部22は、外径方向(中心軸CXから外周面に向かう方向)に突出した突出部221を備えている。突出部221は、第2の面S2の方向D1における略中央に配置されている。拡径部22の接続部側かつ外周側には、段部222が形成されている。段部222は、方向D1に沿った面と、径方向に沿った面とを有する。
図2および図3に示すように、パイプ接続部24は、円筒形の外観形状を有する。図3に示すように、パイプ接続部24の内壁には、ノズルガイド部材40が装着されている。
A−3.リテーナ30の構成:
リテーナ30は、金属製の環状部材であり、ネック部20(リテーナ装着部23)の開口端面側の端部において、ネック部20の外周面と端面S10とネック部20の内周面とに亘って装着されている。このようにリテーナ30がネック部20に装着されることにより、燃料キャップFCのガスケットGSと燃料給油装置10とのシール性を高めると共に、ネック部20の開口端面側(リテーナ装着部23)の機械的強度を向上させる。リテーナ30は、例えば、ステンレス等の金属材料の薄板をプレス成形することにより形成することができる。
図2ないし図4に示すように、リテーナ30は、外周保護部31と、連結部34と、シール部32と、内周保護部33とを備えている。図4に示すように、リテーナ30は、略U字形の断面形状を有し、ネック部20の端面S10と、第1の面S1と、第2の面S2とを囲むように配置されている。図2および図3に示すように、外周保護部31の外観形状は、円筒形である。図4に示すように、外周保護部31の接続部側の端部は、リテーナ装着部23の段部222に接している。外周保護部31は、リテーナ装着部23が燃料を吸収して膨潤しようとする際に、リテーナ装着部23とシール部材50とシール支持部材60とを、内径方向(外周面から中心軸CXに向かう方向)に押すことにより、リテーナ装着部23の変形を抑制する。
図3および図4に示すように、連結部34の外観形状は、方向D1とは反対方向に突出した環状の形状である。連結部34の外周側の端部は、外周保護部31の開口端面側の端部に接続されている。連結部34の内周側の端部は、シール部32の開口端面側の端部に接続されている。
図2ないし図4に示すように、シール部32の外観形状は、方向D1に沿って内周径が小さくなる鉢状の形状である。燃料キャップFCが燃料給油装置10に装着されると、シール部32の内周面に燃料キャップFCのガスケットGSが接する。これにより、挿入通路12Pは、外部に対してシールされる。シール部32の接続部側の端部は、内周保護部33の開口端面側の端部に接続されている。
図2および図3に示すように、内周保護部33の外観形状は、円筒形である。図4に示すように、内周保護部33のうち、後述するネジ部331を除いた部分の内壁は、リテーナ装着部23の内周面と接している。内周保護部33は、リテーナ装着部23が燃料を吸収して膨潤しようとする際に、リテーナ装着部23(ネック端部21および拡径部22)を、外径方向に押すことにより、リテーナ装着部23の変形を抑制する。内周保護部33は、内径側に突出したネジ部331を備えている。ネジ部331は、燃料キャップFCが燃料給油装置10に装着される際に、図1に示す燃料キャップFCのネジ部FCaと螺合する。
A−4.シール部材50の構成:
図2および図4に示すように、シール部材50は、断面形状が円形の環状の部材(いわゆるO−リング)である。第1実施形態において、シール部材50は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)により形成されている。なお、ニトリルブタジエンゴムに代えて、弾性変形可能な任意の材料によりシール部材50を形成してもよい。図4に示すように、シール部材50は、ネック端部21の第1の面S1と、リテーナ30の外周保護部31における内周面(内壁)と、シール支持部材60とに接して配置されている。換言すると、シール部材50は、第1の面S1と、リテーナ30(外周保護部31)の内壁と、シール支持部材60とで囲まれた領域に配置され、第1の面S1を円周方向に沿って囲むように配置されている。シール部材50は、リテーナ30とネック部20(リテーナ装着部23)の内周面との間から入り込んだ燃料が、リテーナ30とネック部20(段部222)の外周面との間から外部に漏れ出ることを抑制する。
A−5.シール支持部材60の構成:
図2に示すように、シール支持部材60は、環状の外観形状を有する。図4に示すように、シール支持部材60は、ネック端部21の第1の面S1と、拡径部22の第2の面S2と、リテーナ30(外周保護部31)の内壁とで囲まれた領域に配置されている。また、シール支持部材60は、シール部材50に対して接続部側に配置され、シール部材50と接している。シール支持部材60は、シール部材50を接続部側から支持し、シール部材50の方向D1への位置ずれを抑制している。このため、シール部材50が、方向D1にずれて、リテーナ30(外周保護部31)とネック部20(段部222)の外周面との間に嵌まり込むことが抑制される。シール支持部材60は、耐油性が高い部材(例えば、ポリアセタール(POM))により形成されている。
図4に示すように、シール支持部材60は、シール支持部材60の内周面の一部を形成する第3の面S3を備えている。第3の面S3は、拡径部22の第2の面S2と接触している。シール支持部材60において第3の面S3を有する部分は、方向D1に沿って接続部側に向かうにつれて径方向の厚さが小さくなっている。シール支持部材60には、第3の面S3の先端に接して、環状の溝61が形成されている。溝61には、拡径部22の突出部221が嵌まり込んでいる。このため、シール支持部材60の方向D1への位置ずれが抑制される。シール支持部材60の外周面は、リテーナ30(外周保護部31)の内壁と接している。シール支持部材60の開口端面側の端面(以下、「第4の面」と呼ぶ)S4は、第3の面S3よりも開口端面側に配置されている。本実施形態では、第4の面S4は、内径側の端において第1の面S1と接し、外径側の端において外周保護部31の内壁と接している。第4の面S4とリテーナ30(外周保護部31)との間の角度、および第4の面S4とネック部20(ネック端部21)との間の角度は、いずれも略直角となっている。シール支持部材60は、第4の面S4においてシール部材50と接している。
A−6.ノズルガイド部材40の構成:
ノズルガイド部材40は、給油ノズルFNを燃料給油装置10の奥に導くための筒状の部材であり、図3に示すように、ネック部20内部に係合して装着されている。図2および図3に示すように、ノズルガイド部材40は、ガイド本体42と、ガイド本体42の開口端面側の端部に形成されたフランジ43と、ガイド本体42の接続部側に形成されたガイド縮径部44とが、ポリアセタール(POM)などの樹脂材料を用いた射出成形により一体に形成されている。ガイド本体42は、2つの係合爪42aを備えている。これらの2つの係合爪42aは、ネック部20(パイプ接続部24)の内壁に形成された図示しない係合爪と係合する。フランジ43は、円周方向に沿って所定の間隔で並んだ3つの係合段部43aを備えている。各係合段部43aは、外径方向に突出しており、リテーナ装着部23の接続部側の内壁に形成されている図示しない段部に嵌っている。ガイド縮径部44の開口端面側の端部は、ガイド本体42の接続部側端部と接続されている。ガイド縮径部44の内径は、方向D1に沿って接続部側に向かうにつれて小さくなる。そして、ガイド縮径部44の先端の内径は、給油ノズルFNの外径よりも若干大きい程度に設定されている。図3に示すように、燃料給油装置10の中心軸CXに沿った貫通孔は、ガイド縮径部44によって、接続部側の燃料通路10Pと、挿入通路12Pとに区画されている。
上述の給油ノズルFNは、請求項における燃料供給用ノズルに相当する。また、シール支持部材60は請求項における支持部材に、内周保護部33は請求項における内周側囲み部に、方向D1は請求項における給油方向に、それぞれ相当する。
以上の構成を有する第1実施形態の燃料給油装置10によると、リテーナ30とネック部20(リテーナ装着部23)との間をシールするシール部材50に対して、方向D1における接続部側に配置され、かつ、シール部材50と接するシール支持部材60を備えているので、シール部材50の接続部側への位置ずれを抑制できる。したがって、ネック部20において、シール部材50に対して方向D1に対応する面(第2の面S2)を、第1の面S1に対して直角とならないように形成しても、シール部材50の位置ずれを抑制できる。このため、ネック部20を、ブロー成形やチューブ押し出し成形により形成でき、燃料給油装置10の製造コストの増大を抑制できる。換言すると、ネック部20をブロー成形や押し出し成形で形成することにより、成形後の収縮に起因してネック端部21や拡径部22が予定されている形状とならない場合であっても、シール部材50の位置ずれを抑制できる。このため、第1実施形態の燃料給油装置10によると、燃料給油装置10の製造コストの増大を抑制しつつ、シール部材50の位置ずれを抑制できる。
また、シール部材50に対して接続部側に配置されてシール部材50と接する面(第4の面S4)を、ネック部20とは異なる別部材(シール支持部材60)により形成するので、シール部材50と接する面(第4の面S4)とリテーナ30(外周保護部31)との間の角度、およびシール部材50と接する面(第4の面S4)とネック部20(ネック端部21)との間の角度を、容易に略直角とすることができる。このため、シール部材50の接続部側への位置ずれをより確実に、かつ、容易に抑制できる。
また、拡径部22とシール支持部材60とは、第2の面S2と第3の面S3とで接触しているので、シール支持部材60の位置ずれを抑制できる。加えて、拡径部22に突出部221を形成し、シール支持部材60の溝61に突出部221を嵌めているので、シール支持部材60の位置ずれをより抑制できる。
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態の燃料給油装置における、開口端面側の端部の断面を示す断面図である。第2実施形態の燃料給油装置は、シール支持部材60に代えて、シール支持部材60aを備えている点において、第1実施形態の燃料給油装置10と異なる。第2実施形態の燃料給油装置において、その他の構成は、第1実施形態の燃料給油装置10の構成と同じであるので、同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、第2実施形態のシール支持部材60aは、第4の面S4に代えて、面S4aと、面S4bと、面S4cとを備えている点において、第1実施形態のシール支持部材60と異なり、他の構成は、第1実施形態のシール支持部材60と同じである。面S4aは、径方向に沿った面であり、シール支持部材60aの外周面S5と接している。面S4bは、面S4aの内周側の端と接し、面S4aよりも内径方向に位置する面である。面S4bは、方向D1に沿って接続部側に向かうにつれて中心軸CXに近づくような斜面として形成されている。面S4cは、面S4bの内周側の端(換言すると、接続部側の端)と接し、面S4bよりも内周側に位置する面である。面S4cは、面S4aと同様に、径方向に沿った面である。なお、第2実施形態において、面S4bは、請求項における第4の面に相当する。
図5の例では、シール部材50は、面S4bにおいてシール支持部材60aと接している。換言すると、シール支持部材60aは、面S4bにおいてシール部材50を支持している。図5に示すように、面S4bは、開口端面側、かつ、内径側に向いた斜面であるので、面S4bは、シール部材50に対して、かかる方向(開口端面側、かつ、内径側に向かう方向)に応力を加える。
以上説明した第2実施形態の燃料給油装置は、第1実施形態の燃料給油装置10と同様の効果を有する。加えて、第2実施形態のシール支持部材60aにおいて、シール支持部材60と接する面S4bは、開口端面側、かつ、内径側に向いた斜面である。リテーナ30(外周保護部31)とネック部20(段部222)との間は、シール支持部材60aに対して、接続部側、かつ、外径側に位置する。したがって、面S4bによりシール部材50を支持することにより、シール部材50がリテーナ30(外周保護部31)とネック部20(段部222)との間に向かうように位置ずれすることを、効果的に抑制できる。
C.第3実施形態:
図6は、第3実施形態の燃料給油装置における、開口端面側の端部の断面を示す断面図である。第3実施形態の燃料給油装置は、ネック部20に代えてネック部20aを備えている点と、シール支持部材60に代えてシール支持部材60bを備えている点とにおいて、第1実施形態の燃料給油装置10と異なる。第3実施形態の燃料給油装置において、その他の構成は、第1実施形態の燃料給油装置10の構成と同じであるので、同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、第3実施形態のネック部20aは、ネック端部21に代えてネック端部21aを備えている点において、第1実施形態のネック部20と異なり、他の構成は、第1実施形態のネック部20と同じである。図6に示すように、第3実施形態のネック端部21aの外観形状は、開口端面側の端部が外径方向に略直角に屈曲した形状である。ネック端部21aは、中心軸CXに沿った円筒状の円筒部27と、円筒部27の開口端面側の端部と接し、外径方向に延びるフランジ部28とを備えている。円筒部27の外周面は、第1実施形態のネック端部21と同様に、シール部材50と接している。フランジ部28の接続部側の面は、シール部材50と接している。ネック端部21aは、例えば、第1実施形態のネック端部21に相当する部分の長さを、ネック端部21よりも長くなるように成形し、その後、ネック端部21に相当する部分を外径側に屈曲させて形成することができる。
第3実施形態のシール支持部材60bは、中心軸CXに沿った長さ(第4の面S4と第3の面S3との間の中心軸CXに沿った長さ)が短い点において、第1実施形態のシール支持部材60と異なり、他の構成は、第1実施形態のシール支持部材60と同じである。したがって、シール支持部材60bは、第1実施形態のシール支持部材60と同様に、第4の面S4において、シール部材50と接する。
以上の構成を有する第3実施形態の燃料給油装置は、第1実施形態の燃料給油装置10と同様の効果を有する。加えて、第3実施形態のネック部20aは、シール部材50の開口端面側の端部と接するフランジ部28を備えているので、シール部材50の方向D1の位置ずれに加えて、シール部材50の方向D1とは反対方向の位置ずれを抑制できる。
D.第4実施形態:
図7は、第4実施形態の燃料給油装置における、開口端面側の端部の断面を示す断面図である。第4実施形態の燃料給油装置は、ネック部20に代えてネック部20bを備えている点と、シール支持部材60に代えてシール支持部材60cを備えている点とにおいて、第1実施形態の燃料給油装置10と異なる。第4実施形態の燃料給油装置において、その他の構成は、第1実施形態の燃料給油装置10の構成と同じであるので、同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第4実施形態のネック部20bは、リテーナ装着部23に代えてリテーナ装着部23aを備えている点において、第1実施形態のネック部20と異なり、他の構成は、第1実施形態のネック部20と同じである。図7に示すように、第4実施形態のリテーナ装着部23aは、内周側の構成と外周側の構成とが入れ替わっている点において、第1実施形態のリテーナ装着部23と異なり、他の構成は、第1実施形態のリテーナ装着部23と同じである。但し、第4実施形態のリテーナ装着部23aにおいて、段部222は、第1実施形態のリテーナ装着部23と同様に、リテーナ装着部23aの外周面に形成されている。
図7に示すように、第4実施形態のネック端部21bは、外周面がリテーナ30の外周保護部31の内壁に接し、内周面(第1の面S1a)がシール部材50およびシール支持部材60cの外周面に接するように配置されている。第4実施形態において、シール部材50は、第1実施形態とは異なり、内周保護部33の内壁を円周方向に沿って囲んでいる。
図7に示すように、第4実施形態の拡径部22aは、内径側を向いた斜面である第2の面S2aを備えている。第2の面S2aは、第1の面S1aと接し、方向D1に沿って接続部側に向かうにつれて中心軸CXに近づく斜面である。第2の面S2aの方向D1における略中央には、突出部221aが配置されている。突出部221aは、内径方向に突出している。
図7に示すように、第4実施形態のシール支持部材60cは、拡径部22aの第2の面S2aと接する第3の面S3aと、シール部材50と接する第4の面S4dを備えている。第4の面S4dは、第1実施形態の拡径部22の第4の面S4と同様に、第3の面S3aよりも開口端面側に配置されている。第4の面S4dは、内径側の端においてリテーナ30(内周保護部33)の内壁と接し、外径側の端において第1の面S1aと接している。シール支持部材60cには、第3の面S3aの先端に接して、環状の溝61aが形成されている。溝61aには、拡径部22aの突出部221aが嵌り込んでいる。
以上説明した第4実施形態の燃料給油装置は、第1実施形態の燃料給油装置10と同様の効果を有する。上述した第1ないし第4実施形態から理解できるように、ネック部20,20a,20bの端面S10(開口端面)に接してネック部20,20a,20bの外周面または内周面の一部を形成する第1の面S1,S1aを有するネック端部21,21a,21bを、本発明の燃料給油装置に用いることができる。また、ネック部20,20a,20bの外周面または内周面の一部を形成するとともに、第1の面S1,S1aと接する第2の面S2,S2aを有し、ネック端部21,21a,21bよりも方向D1における接続部側においてネック端部21,21a,21bと接して配置され、方向D1と垂直な径方向の厚さが方向D1に沿って接続部側に向かうにつれて増加する拡径部22,22aを、本発明の燃料給油装置に用いることができる。
E.第5実施形態:
図8は、第5実施形態の燃料給油装置200を適用した開閉装置500の概略構成を示す断面図である。開閉装置500は、燃料キャップを用いることなく図示しない燃料タンクに燃料を供給するための機構を有する。また、開閉装置500は、後述する給油口132から図示しない燃料タンクまでの燃料通路11Pを開閉する。開閉装置500を用いて給油を行う際、ユーザは、給油ノズルFNの先端を開閉装置500に挿入することにより弁を押し開き、開弁により現れる給油口132から、燃料タンクへ燃料を供給することができる。なお、図8の例では、給油ノズルFNは未だ開閉装置500に挿入されておらず、給油口132は閉じられている。なお、以降では、開閉装置500の中心軸CLに沿って給油口132から燃料給油装置200に向かう方向(換言すると、給油口132から図示しない接続部に向かう方向)を「方向D2」と呼ぶ。また、方向D2における先端側を「接続部側」と呼び、方向D2における基端側を「開口端面側」と呼ぶ。
開閉装置500は、燃料給油装置200と、弁機構110と、カバー部材120とを備えている。燃料給油装置200は、ネック部210と、リテーナ230と、シール部材250と、シール支持部材260とを備えている。また、開閉装置500は、ネック部210よりも方向D2の接続部側において、図示しないパイプ部および接続部を備えている。図示しないパイプ部の一方の端は、ネック部210の接続部側の端に接続され、他方の端は、図示しない接続部に接続されている。開閉装置500が備える図示しないパイプ部および接続部は、上述した各実施形態のパイプ部29および接続部25と同様の機能を有する。
ネック部210は、円筒形の外観形状を有し、第1実施形態におけるネック部20と同様に、樹脂のブロー成形または押し出し成形により形成されている。
リテーナ230は、外周保護部31が方向D2に沿って接続部側に延設されている点と、外周保護部31の接続部側に係止孔231を備えている点とにおいて、第1ないし第4実施形態のリテーナ30と異なり、他の構成は、第1ないし第4実施形態のリテーナ30と同じである。係止孔231は、外周保護部31の接続部側の端部近傍において、円周方向に沿って複数設けられている。
シール部材250は、図2ないし図4に示す第1実施形態におけるシール部材50と同様な構成を有するので、詳細な説明を省略する。シール支持部材260は、図2ないし図4に示す第1実施形態におけるシール支持部材60と同様な構成を有するので、詳細な説明を省略する。
弁機構110は、通路形成部材111と、第1のフラップバルブ機構130と、第2のフラップバルブ機構150とを備えている。通路形成部材111は、燃料通路11Pを、給油口132側の給油口側通路11Paと、燃料タンク側のタンク側通路11Pbとに区分する。通路形成部材111は、接続部側の端面と開口端面側の端面とに開口が設けられている屈曲した筒状の外観形状を有する。通路形成部材111の外周面には、ネジ部112が形成されている。ネジ部112は、リテーナ230が有するネジ部(第1実施形態のネジ部112に相当する)と螺合する。
第1のフラップバルブ機構130は、通路形成部材111の開口端面側の端部に配置されており、給油ノズルFNの挿入又は引き抜きに応じて、給油口132の開閉を行う。具体的には、第1のフラップバルブ機構130は、給油ノズルFNが方向D2に沿って開閉装置500に挿入されると、方向D2に回動する。また、第1のフラップバルブ機構130は、挿入されている給油ノズルFNが引き抜かれる際に、方向D2とは反対方向に回動し、給油口132を塞ぐ。このようなこのような構成を有する第1のフラップバルブ機構130は、第2のフラップバルブ機構150が雨水、塵、砂などに晒されるのを防止するための遮蔽部材として機能する。
第2のフラップバルブ機構150は、通路形成部材111の接続部側に配置されており、第1のフラップバルブ機構130と同様に、給油ノズルFNが方向D2に沿って開閉装置500に挿入されると、方向D2に回動する。また、第1のフラップバルブ機構130は、挿入されている給油ノズルFNが引き抜かれる際に、方向D2とは反対方向に回動する。第2のフラップバルブ機構150は、調圧弁を備えており、かかる調圧弁により、燃料タンクの内圧を所定範囲となるように調整する。
カバー部材120は、燃料給油装置200よりも大きな内径および外径の略円筒形の外観形状を有する。カバー部材120の接続部側の端部には、内径方向に突出した係合部121が形成されている。開閉装置500では、係合部121が燃料給油装置200の係止孔231と係合することにより、カバー部材120が燃料給油装置200から外れてしまうことを抑制している。カバー部材120の開口端面側の端部には、開口が設けられており、前述の第1のフラップバルブ機構130は、かかる開口において露出している。
以上の構成を有する燃料給油装置200は、上述した第1実施形態の燃料給油装置10と同様な効果を有する。すなわち、ネック部210をブロー成形や押し出し成形で形成することにより、成形後の収縮に起因してネック端部21や拡径部22に相当する部分が予定されている形状とならない場合であっても、シール部材250の位置ずれを抑制できる。このため、第1実施形態の燃料給油装置200によると、燃料給油装置200の製造コストの増大を抑制しつつ、シール部材250の位置ずれを抑制できる。なお、第5実施形態の燃料給油装置200において、上述した第2ないし第4実施形態のネック部20,20a,20bの構成を適用してもよい。
F.変形例:
F1.変形例1:
各実施形態では、第2の面S2,S2aには、突出部221,221aが形成されていたが、突出部221,221aを省略してもよい。このような構成においても、シール支持部材60,60aの第3の面S3,S3aが、第2の面S2,S2aに接し、かつ、シール支持部材60,60aはリテーナ30に接するので、シール支持部材60,60aの位置ずれを抑制できる。
F2.変形例2:
第2実施形態のシール支持部材60aにおいて、面S4aおよび面S4cを省略して、面S4bを外周側および内周側に拡大して1つの斜面(方向D1に沿って次第に中心軸CXに近づく斜面)としてもよい。また、各実施形態において、シール支持部材60,60aと接する面(第4の面S4,S4b)を、接続部側に凸となる円弧状の断面形状を有する面としてもよい。このような構成によれば、シール部材50,50aの径方向の位置ずれを抑制できる。なお、上記構成において、円弧の曲率半径を、シール部材50,50aの断面の半径と略等しくすることにより、シール部材50,50aの径方向の位置ずれをより抑制できる。
F3.変形例3:
各実施例において、シール部材50,50aは、断面形状が円形であり、環状の外観形状を有していたが、本発明は、これに限定されるものではない。断面形状が例えば、三角形や四角形等の任意の形状である環状の部材を、シール部材50,50aに代えて用いてもよい。また、環状の一部が欠けた形状(C形)を外観形状として有する部材を、シール部材50,50aに代えて用いてもよい。また、円弧状の外観形状を有する部材を、シール部材50,50aに代えて用いてもよい。この構成では、かかる部材を円周方向に沿って複数配置してもよい。
なお、同様に、シール支持部材60,60a〜60cに代えて、環状の一部が欠けた形状(C形)や、円弧状の外観形状を有する部材を用いてもよい。また、円弧状の外観形状を有するシール支持部材を、円周方向に沿って複数配置してもよい。
F4.変形例4:
第5実施形態では、弁機構110は、2つのフラップバルブ機構130,150を備えていたが、1つのフラップバルブ機構のみを備える構成としてもよい。例えば、第5実施形態の開閉装置500において、カバー部材120と、通路形成部材111と、第1のフラップバルブ機構130とを省略してもよい。かかる構成においては、第2のフラップバルブ機構150を円周方向において支持する円筒状の部材を用意し、かかる部材の外周表面にネジ部を形成して、リテーナ230の開口部分に螺合させてもよい。
F5.変形例5:
各実施形態では、シール支持部材60,60a〜60cは、いずれもリテーナ30の内壁と接していたが、空隙を隔ててリテーナ30の内壁と向き合ってもよい。すなわち、一般には、リテーナの内壁と対向するシール支持部材を、本発明の燃料給油装置に用いてもよい。
F6.変形例6:
各実施形態では、燃料給油装置10,200は、燃料タンクFTに直接接続されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。燃料給油装置10,200を、1つまたは複数の継手や、1つまたは複数の他のパイプを介して燃料タンクFTに接続する構成を採用してもよい。この構成において、継手または他のパイプにおいて燃料タンクFTと接続する部分は、請求項における接続部に相当する。また、この構成において、燃料給油装置10,200と、燃料給油装置10,200から燃料タンクFTまでに介在する継手およびパイプとは、請求項における燃料給油装置に相当する。
また、本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料給油装置
10P…燃料通路
11P…燃料通路
11Pa…給油口側通路
11Pb…タンク側通路
12P…挿入通路
20,20a,20b…ネック部
21,21a,21b…ネック端部
22,22a…拡径部
23,23a…リテーナ装着部
24…パイプ接続部
25…接続部
27…円筒部
28…フランジ部
29…パイプ部
30…リテーナ
31…外周保護部
32…シール部
33…内周保護部
34…連結部
40…ノズルガイド部材
42…ガイド本体
42a…係合爪
43…フランジ
43a…係合段部
44…ガイド縮径部
50…シール部材
60,60a,60b,60c…シール支持部材
61,61a…溝
110…弁機構
111…通路形成部材
112…ネジ部
120…カバー部材
121…係合部
130…第1のフラップバルブ機構
132…給油口
150…第2のフラップバルブ機構
200…燃料給油装置
220…ネック部
221,221a…突出部
222…段部
230…リテーナ
231…係止孔
250…シール部材
260…シール支持部材
331…ネジ部
500…開閉装置
CL…中心軸
CX…中心軸
D1,D2…方向
FC…燃料キャップ
FCa…ネジ部
FN…給油ノズル
GS…ガスケット
S1…第1の面
S2…第2の面
S3…第3の面
S4…第4の面
S5…外周面
S10…端面
S1a…第1の面
S2a…第2の面
S3a…第3の面
S4a…面
S4b…面
S4c…面
S4d…第4の面

Claims (4)

  1. 燃料を吐出する燃料供給ノズル(FN)が挿入され、前記燃料供給ノズル(FN)から吐出される燃料を燃料タンク(FT)に供給する燃料給油装置(10,200)であって、
    前記燃料給油装置(10,200)の一方の端部に配置され、前記燃料タンク(FT)と接続するための接続部(25)と、
    前記燃料給油装置(10,200)の他方の端部に配置され、樹脂で形成された筒状のネック部(20,210)であって、
    前記ネック部(20,210)の開口端を形成する開口端面(S10)を有し、前記ネック部(20,210)の中心軸(CX,CL)と平行に前記開口端面(S10)から前記接続部(25)側に向かう給油方向(D1,D2)に沿って、前記開口端面(S10)から延びるネック端部(21)と、
    前記ネック端部(21)よりも前記給油方向(D1,D2)における前記接続部(25)側において前記ネック端部(21)と接して配置され、前記給油方向(D1,D2)と垂直な径方向の厚さが、前記給油方向(D1,D2)に沿って前記接続部(25)側に向かうにつれて増加する拡径部(22)と、
    を有するネック部(20,210)と、
    前記ネック部(20,210)の外周面の少なくとも一部と前記開口端面(S10)と前記ネック部(20,210)の内周面の少なくとも一部とを連続して囲むように、前記ネック部(20,210)に装着されているリテーナ(30)と、
    前記リテーナ(30)の内壁と対向し、前記拡径部(22)と接して配置されている支持部材(60)であって、前記ネック部(20,210)とは別部材として構成されている支持部材(60)と、
    前記支持部材(60)よりも前記給油方向(D1,D2)における前記開口端面(S10)側において、前記支持部材(60)と前記ネック端部(21)と前記リテーナ(30)の内壁とに囲まれた領域に配置され、前記支持部材(60)に接するシール部材(50)と、
    を備え
    前記ネック端部(21)は、前記開口端面(S10)に接して前記ネック部(20,210)の外周面または前記ネック部(20,210)の内周面の一部を形成する第1の面(S1)を有し、
    前記拡径部(22)は、前記外周面の一部または前記内周面の一部を形成するとともに前記第1の面(S1)と接する第2の面(S2)と、前記第2の面(S2)から径方向に突出した環状の突出部(221)と、を有し、
    前記リテーナ(30)は、少なくとも、前記開口端面(S10)と前記第1の面(S1)と前記第2の面(S2)とを囲み、
    前記支持部材(60)は、前記第1の面(S1)と前記第2の面(S2)と前記リテーナ(30)の内壁とに囲まれた領域に配置され、前記第2の面(S2)に接して環状の溝(61)が形成された第3の面(S3)と、前記第3の面(S3)よりも前記給油方向(D1,D2)における前記開口端面(S10)側に配置されている第4の面(S4)と、を有し、
    前記シール部材(50)は、前記第1の面(S1)と前記第4の面(S4)と前記リテーナ(30)の内壁とに囲まれた領域に配置され、前記第1の面(S1)と前記第4の面(S4)とに接し、前記第1の面(S1)の少なくとも一部又は前記リテーナ(30)の内壁の少なくとも一部を、円周方向に沿って囲み、
    前記突出部(221)は、前記溝(61)に嵌まり込んでいる、燃料給油装置(10,200)。
  2. 請求項1に記載の燃料給油装置(10,200)において、
    前記リテーナ(30)において、前記ネック部(20,210)の内周面に対して前記径方向において対向する内周側囲み部(33)は、前記燃料供給ノズル(FN)の挿入口を形成し、
    前記内周側囲み部(33)には、燃料キャップ(FC)が装着される、燃料給油装置(10)。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料給油装置(10,200)において、
    前記リテーナ(30)において、前記内周面に対して前記径方向において対向する内周側囲み部(33)には、燃料経路を開閉するための弁機構(110)が装着されている、燃料給油装置(200)。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃料給油装置(10,200)において、
    前記ネック部(20)は、前記リテーナ(30)が装着されるリテーナ装着部(23)であって、前記接続部(25)側且つ外周側に、前記給油方向(D1,D2)に沿った面と径方向に沿った面とを有する段部(222)が形成されたリテーナ装着部(23)を有し、
    前記リテーナ(30)において、前記接続部(25)側且つ外周側の端部は、前記段部(222)に接している、燃料給油装置(200)。
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