JP4460578B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱装置に関し、特に電子写真方式あるいは静電記録方式の複写機、ファクシミリ及びプリンタ等の画像形成装置の定着装置に用いて有用な像加熱装置に関する。
この種の像加熱装置として、電磁誘導加熱(IH;induction heating)方式の像加熱装置が知られている。この像加熱装置は、像加熱体に誘導加熱装置により生成した磁界を作用させて渦電流を発生させ、この渦電流による前記像加熱体のジュール発熱により、転写紙及びOHP(Over Head Projector )シートなどの記録媒体上の未定着画像を加熱している。
このIH方式の像加熱装置は、前記像加熱体を加熱する発熱手段の熱源としてハロゲンランプを用いた像加熱装置と比較して、発熱効率が高く定着速度を速くすることができるという利点を有している。また、前記像加熱体として肉厚の薄いスリーブもしくはベルトなどを用いた像加熱装置は、像加熱体の熱容量が小さくこの像加熱体を短時間で発熱させることができ、立ち上がり応答性を著しく向上させることができる。
ところで、IH方式の像加熱装置では、通常、前記熱源への供給電力が像加熱体に当接又は近接配設された温度検出手段の検出温度に応じて所定の制御則から算出される値で制御されることにより、前記像加熱体が所定の定着温度(目標温度)に維持されている。
前記制御則としては、一般に、PI制御及びPD制御を含むPID(Proportional(比例)、Integral(積分)、Derivative(微分))制御が用いられている。このPID制御では、前記温度検出手段の検出温度と前記像加熱体の目標温度との偏差の増減の動向に基づいて電力制御手段の操作量を偏差に比例させるだけでなく、偏差の積分に比例する要素、偏差の微分に比例する要素を加味して制御している。
また、前記温度検出手段からの温度情報は、ある周期(サンプリング周期)でサンプリングされ、PID制御の制御則に取り込まれる。
なお、この種の像加熱装置では、定着画像の光沢度を上げたり、OHPシート上の定着画像の透過性を向上させたりする場合にその定着速度を通常時よりも減速させるようにしている。また、この種の像加熱装置では、未定着画像の加熱定着に多くの熱量を必要とする厚紙などを記録媒体として使用する場合にも、その定着速度を通常時よりも減速させるようにしている。
しかしながら、IH方式の像加熱装置では、熱源に供給する電力を前記PID制御により制御した場合、加熱定着される記録媒体の種類に応じて定着速度が変わると、その像加熱体の温度制御が不安定になるおそれがあった。
すなわち、IH方式の像加熱装置における像加熱体は、その熱源により所定の熱量が供給されることにより昇温するが、像加熱体の発熱効率が高いため定着速度が変わると前記熱源から受け取る熱量も変わってくる。例えば、前記熱源から前記像加熱体が受け取る熱量は、定着速度が1/2になると約2倍になる。このため、この種の像加熱装置においては、その熱源への投入電力が一定であっても、定着速度が遅くなると像加熱体の昇温速度が速くなる。
また、この種の像加熱装置においては、前記PID制御の演算結果である電力調整の実行から、その制御結果である前記像加熱体の温度変化を前記温度検出手段が検出するまでに、ある程度のタイムラグがある。
そこで、この種の像加熱装置では、前記タイムラグを考慮して、前記温度検出手段からの検出温度情報のサンプリングタイムを決定するようにしている。しかしながら、このような像加熱装置では、定着速度が変わると前記サンプリングタイムがずれて前記PID制御の制御結果を正確にフィードバックできなくなる。
このように、この種の像加熱装置においては、定着速度の変化によって像加熱体の昇温速度やサンプリングタイムが変わるため、その熱源への供給電力量のPID制御が最適に行われず、前記像加熱体の温度が目標温度に対し上下に振動してしまう欠点があった。
すなわち、熱源への供給電力量をPID制御する像加熱装置では、定着速度が遅い場合、供給電力変化に対する像加熱体の温度変化が大きく、PID制御の比例ゲインKの値が大きいと、PID制御によるスイッチング素子(IGBT;Insulated Gate Bipolar Transistor)の操作量の演算結果が振動しやすい。このように、定着速度が遅い場合には、像加熱体の温度がオーバーシュート等で目標温度になかなか収束しない。これとは逆に、定着速度が速い場合には、PID制御の比例ゲインKの値が小さいと、前記スイッチング素子の操作量が外乱による像加熱体の温度変化に追随できなくなる。
このため、この種の像加熱装置では、上述のような像加熱体の温度の振動により記録媒体の面内での定着画像の均一なグロス及びOHPシート上での画像の均一な透過性が得られないといった問題があった。また、この種の像加熱装置においては、その像加熱体の温度が目標温度を含む定着可能温度領域から外れると、ホットオフセット及びコールドオフセットといった定着不良が発生する問題があった。
そこで、前記PID制御によるスイッチング素子の操作量の決定方式を、前記像加熱体としての定着フィルムの回転速度に応じて変更するようにした像加熱装置が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
この特許文献1に開示された像加熱装置においては、その定着速度(前記定着フィルムの回転速度)が遅いほど、PID制御の比例ゲインKの値を小さくしている。例えば、この像加熱装置では、3つの定着速度に対応した比例ゲインKのテーブルを有し、駆動速度信号に応じて前記テーブルから現在の定着速度に対応する比例ゲインKを参照してPID制御の制御則により前記スイッチング素子のオン/オフ時間を算出している。そして、この像加熱装置では、前記スイッチング素子のオン/オフにより前記熱源としての励磁コイルへの電圧印加時間を調整して前記定着フィルムの温度制御を行っている。
特開2002−169410号公報
ところで、前記従来の像加熱装置においては、前記PID制御の演算の方法を像加熱体の回転速度に応じて変更しており、前記熱源に対してリニア制御のみで電源出力を出すようにしている。また、このリニア制御では、その制御範囲が例えば100W〜1000Wのように広い場合、通常、前記熱源への供給電力をPID制御する電源のスイッチング素子であるIGBTを2石以上使用している。これは、上述のような広範囲の電力制御を1石のIGBTを用いて行った場合、電源出力が不安定になり正確な制御ができなくなるためである。
つまり、この種の従来の像加熱装置では、その熱源への供給電力をPID制御する電源のスイッチング素子の制御範囲を、例えば100W〜500Wと500W〜1000Wとの2つのエリアに分け、2石のIGBTによりエリアごとに個別にリニア制御を行うようにしている。
このように、この種の従来の像加熱装置においては、その熱源への供給電力を複数個のIGBTを用いてPID制御しているため、コストが高くかつ効率も悪くなるという不具合があった。
このようなことから、この種の像加熱装置としては、低コストで高効率な構成を考えた場合、その電源として1石のIGBTを用いる構成であることが望ましい。しかし、このような構成の像加熱装置は、低電力時に高周波スイッチング損失が増加し、IHの出力として最低電力が400W程度までしか下がらないという欠点がある。
前述したように、IH方式の温度制御としては、PID制御方式が一般に用いられている。これは、検出温度と目標温度との偏差に応じて電力制御手段の操作量を制御するものであるが、操作量がある一定値より下がらない場合、PWM(Pulse Width Modulation ;パルス幅変調)制御と組み合わせて用いることになる。
PWM制御は、そのサンプリング周期内でパルス幅を変更し、ONDutyに相当する出力を擬似的に作成するものである。しかし、PWM制御では、実際には無段階にパルス幅を変更できるわけではなく、像加熱装置が搭載されている画像形成装置の制御周期に依存する。例えば、PWM制御においては、画像形成装置の制御周期が10msであった場合、サンプリング周期が100msであれば、10段階のパルス幅が得られることになる。
従って、PWM制御では、サンプリング周期を長く取ると多段階の細かい制御が行えるが、周期が長いため操作量が反映されるのに時間がかかる。また、PWM制御では、サンプリング周期が短いとすぐに操作量を反映できるが、操作量の粗い制御となる。さらに、PWM制御では、一般的に厚紙やOHPシートの定着を行う場合、通常の定着速度より低速で定着させることを行うが、定着速度が変わると温度制御が不安定になるという課題がある。
すなわち、PWM制御では、定着速度が変わると、前記像加熱体を加熱する発熱手段の単位時間あたりの熱供給量は同じであるのに、供給される熱の消費速度が変わるため、定着速度が低速になるほど制御に対する反応が過敏になる。
さらに、熱容量が小さいベルトを用いた像加熱装置においては、前述したように、像加熱体の加熱部位と前記温度検出手段の検出部位とが離れているため、定着速度が遅いほど加熱結果を検出するまでのタイムラグが大きい。このため、この像加熱装置では、前記タイムラグに適したサンプリング周期で制御しないと制御結果が正確にフィードバックされない。
このように、前記従来の像加熱装置では、サンプリング周期が適当でないと特に定着速度の低速時において温度制御が乱れ、目標温度に対して上下に振動する温度リップルが大きくなる。
また、前記従来の像加熱装置では、PWM制御のサンプリング周期を長く取ると細かい制御が得られるが、制御結果が出力に反映されるのに時間がかかってしまう。
本発明の目的は、定着速度が変化しても像加熱体の温度を目標温度に安定して保つことができ、低コスト化及び高効率化を図ることができる像加熱装置を提供することである。
本発明の像加熱装置は、記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、前記像加熱体を加熱する発熱手段と、前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御すると共に、前記基準電力は、電源電圧で変化する構成を採る。
本発明によれば、定着速度が変化しても像加熱体の温度を目標温度に安定して保つことができる。また、本発明によれば、電源に用いるIGBTが1石のみであるので、低コストで高効率に構成することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一の構成又は機能を有する構成要素及び相当部分には、同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施の形態に係る像加熱装置を定着装置として用いた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。この画像形成装置100は、タンデム方式の画像形成装置である。画像形成装置100においては、カラー画像の発色に寄与する4色のトナー像
が4つの像担持体上に個別に形成され中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写された後、この一次転写像が記録媒体に一括転写(二次転写)される。
なお、本一実施の形態に係る像加熱装置は、前記タンデム方式の画像形成装置のみに限定されず、あらゆる方式の画像形成装置に搭載可能であることはいうまでもない。
また、図1において、画像形成装置100の各構成要素に付した符号の末尾の記号Y,M,C,Kは、Yはイエロー画像、Mはマゼンタ画像、Cはシアン画像、Kはブラック画像のそれぞれの画像形成に関与する構成要素を示しており、同一符号の構成要素はそれぞれ共通した構成を有している。
画像形成装置100は、前記4つの像担持体としての感光体ドラム110Y,110M,110C,110K及び中間転写ベルト(中間転写体)170を有している。各感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kの周囲には、画像形成ステーションSY,SM,SC,SKが配設されている。画像形成ステーションSY,SM,SC,SKは、帯電器120Y,120M,120C,120K、露光装置130、現像器140Y,140M,140C,140K、転写器150Y,150M,150C,150K、及びクリーニング装置160Y,160M,160C,160Kで構成されている。
図1において、各感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kは、それぞれ矢印C方向に回転される。各感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kの表面は、帯電器120Y,120M,120C,120Kにより一様に所定の電位にそれぞれ帯電される。
帯電された各感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kの表面には、露光装置130により特定色の画像データに対応したレーザビームの走査線130Y,130M,130C,130Kが照射される。これにより、各感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kの表面に前記特定色ごとの静電潜像が形成される。
感光体ドラム110Y,110M,110C,110K上に形成された前記特定色ごとの静電潜像は、現像器140Y,140M,140C,140Kにより顕像化される。これにより、各感光体ドラム110Y,110M,110C,110K上に、カラー画像の発色に寄与する4色の未定着画像が形成される。
感光体ドラム110Y,110M,110C,110K上に顕像化された4色のトナー像は、転写器150Y,150M,150C,150Kにより、前記中間転写体としての無端状の中間転写ベルト170に一次転写される。これにより、感光体ドラム110Y,110M,110C,110K上に形成された4色のトナー像が順次重ね合わされて中間転写ベルト170上にフルカラー画像が形成される。
各感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kは、中間転写ベルト170にトナー像を転写した後、クリーニング手段160Y,160M,160C,160Kにより、それぞれの表面に残っている残留トナーが除去される。
ここで、露光装置130は、感光体ドラム110Y,110M,110C,110Kに対して所定の傾きをもって配置されている。また、中間転写ベルト170は、駆動ローラ171と従動ローラ172とに懸架されており、駆動ローラ171の回転により、図1において矢印A方向へ回動される。
一方、画像形成装置100の下部には、記録媒体としての印字用紙などの記録紙Pが収
納された給紙カセット180が設けられている。記録紙Pは、給紙ローラ181により給紙カセット180から1枚ずつ所定のシート経路に沿って矢印B方向に送り出される。
前記シート経路に送り出された記録紙Pは、従動ローラ172に懸架された中間転写ベルト170の外周面と中間転写ベルト170の外周面に接触する二次転写ローラ190とで形成される転写ニップ部を通過する。記録紙Pには、前記転写ニップ部を通過する際に、中間転写ベルト170上に形成されたフルカラー画像(未定着画像)が二次転写ローラ190により一括転写される。
次いで、記録紙Pは、図2に詳述する定着装置200の定着ローラ210及び発熱ローラ220に懸架された定着ベルト230の外周面と定着ベルト230の外周面に接触する加圧ローラ240とで形成される定着ニップ部Nを通過する。これにより、記録紙Pには、前記転写ニップ部で一括転写された未定着のフルカラー画像が加熱定着される。
なお、画像形成装置100には、その筐体の一部を成す開閉自在のドア101が設けられており、このドア101の開閉により、定着装置200の交換やメンテナンス及び前記用紙搬送路に詰まった記録紙Pのジャム処理などを行なうことができる。
次に、画像形成装置100に搭載されている定着装置について説明する。図2は、本発明の一実施の形態に係る像加熱装置を用いた定着装置200の構成を示す概略断面図である。
定着装置200は、その像加熱手段として、電磁誘導加熱(IH;induction heating)方式の像加熱装置を用いている。図2に示すように、定着装置200は、定着ローラ210、発熱体としての発熱ローラ220、及び像加熱体としての定着ベルト230などを備えている。また、定着装置200は、加圧ローラ240、発熱手段としての誘導加熱装置250、シート分離ガイド板としてのセパレータ260及びシート搬送経路形成部材としてのシートガイド板281,282,283,284などを備えている。
定着装置200は、誘導加熱装置250により生成した磁界の作用によって発熱ローラ220及び定着ベルト230を加熱する。定着装置200は、シートガイド板281,282,283,284に沿って搬送される記録紙P上の未定着画像を、加熱された定着ベルト230と加圧ローラ240との定着ニップ部Nで加熱定着する。
なお、本一実施の形態に係る像加熱装置を用いた定着装置200は、定着ベルト230を使用せず、定着ローラ210が発熱ローラ220を兼ねた構成とし、この定着ローラ210により記録紙P上の未定着画像を直接加熱定着するように構成したものであってもよい。
図2において、発熱ローラ220は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル又はこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなる回転体で構成されている。発熱ローラ220は、図示しない支持側板に固定されたベアリングにより、その両端が回転可能に支持されており、図示しない駆動手段によって回転駆動される。また、発熱ローラ220は、外径が20mm、肉厚が0.3mmの低熱容量で昇温の速い構成となっており、そのキュリー点が300℃以上となるように調整されている。
定着ローラ210は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金を、ソリッド状又は発泡状の耐熱性を有するシリコーンゴムからなる弾性部材で被覆して構成されている。定着ローラ210は、その外径が30mm程度あり発熱ローラ220の外径よりも大きく形成されている。前記弾性部材は、その肉厚を3〜8mm程度、硬度を15〜50°(As
ker硬度:JIS A の硬度では6〜25°)程度としている。
また、定着ローラ210には、加圧ローラ240が圧接している。この定着ローラ210と加圧ローラ240との圧接により、その圧接部に所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
定着ベルト230は、発熱ローラ220と定着ローラ210とに懸架された耐熱性ベルトで構成されている。定着ベルト230は、後述する誘導加熱装置250により発熱ローラ220が誘導加熱されることで、発熱ローラ220との接触部位で発熱ローラ220の熱が伝導され、その回転によってベルト全周に亘って加熱される。
このような構成の定着装置200は、発熱ローラ220の熱容量が定着ローラ210の熱容量よりも小さくなるので、発熱ローラ220が急速に加熱されるようになり、その加熱定着開始時におけるウォームアップ時間が短縮される。
定着ベルト230は、発熱層、弾性層及び離型層を備えた多層構造の耐熱性ベルトで構成されている。前記発熱層は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性を有する金属又はそれらを基材とする合金を基材としている。前記弾性層は、前記発熱層の表面を被覆するようにして設けられたシリコーンゴム又はフッ素ゴム等の弾性部材からなる。前記離型層は、PTFE(PolyTetra-Fluoro Ethylene )、PFY(Per Fluoro Alkoxy Fluoroplastics )、FEP(FluorinatedEtyienePropylenecopolymer )、シリコーンゴム又はフッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂あるいはゴムを単独もしくは混合して形成されている。
このような構成の定着ベルト230は、仮に、定着ベルト230と発熱ローラ220との間に何らかの原因で異物が混入してギャップが生じたとしても、その発熱層を誘導加熱装置250により誘導加熱して定着ベルト自体を発熱させることができる。このように、定着ベルト230は、それ自体を誘導加熱装置250により直接加熱でき、その発熱効率が良くなり、またレスポンスが速くなるので、温度ムラが少なく加熱定着手段としての信頼性が高くなる。
加圧ローラ240は、例えば、銅又はアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金の表面に、耐熱性及びトナー離型性の高い弾性部材を設けて構成されている。前記芯金としては、上記金属以外にSUSを使用しても良い。
加圧ローラ240は、前述したように、定着ベルト230を介して定着ローラ210に圧接することにより、記録紙Pを挟持搬送する定着ニップ部Nを形成している。図示の定着装置200においては、加圧ローラ240の硬度を定着ローラ210の硬度よりも硬くし、加圧ローラ240の周面が定着ベルト230を介して定着ローラ210の周面に食い込むようにして定着ニップ部Nを形成している。
このため、加圧ローラ240は、その外径は定着ローラ210と同じ30mm程度であるが、その肉圧が2〜5mm程度と定着ローラ210よりも薄く、その硬度も20〜60°(Asker硬度:JIS A の硬度では6〜25°)程度と定着ローラ210よりも硬く構成されている。
このような構成の定着装置200においては、記録紙Pが加圧ローラ240の周面の表面形状に沿うように定着ニップ部Nにより挟持搬送されるので、記録紙Pの加熱定着面が定着ベルト230の表面から離れやすくなるという効果がある。
なお、定着ニップ部Nの入口側近傍の定着ベルト230の内周面には、サーミスタなど
の熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段としての温度検出器270が当接配置されている。
誘導加熱装置250は、温度検出器270が検出した定着ベルト230の内周面の温度に基づいて、発熱ローラ220及び定着ベルト230の加熱温度、つまり前記未定着画像の画像定着温度が所定の温度に維持されるように制御される。
次に、誘導加熱装置250の構成について説明する。誘導加熱装置250は、図2に示すように、定着ベルト230を介して発熱ローラ220の外周面に対向するように配置されている。誘導加熱装置250には、発熱ローラ220を覆うように湾曲形成された難燃性の樹脂からなるコイルガイド部材としての支持フレーム251が設けられている。
支持フレーム251の中心部には、サーモスタット252が、その温度検出部分を支持フレーム251から発熱ローラ220及び定着ベルト230に向けて一部表出させるようにして配設されている。
サーモスタット252は、発熱ローラ220及び定着ベルト230の温度が異常高温度になったことを検出したときに、支持フレーム251の外周面に巻回された磁界発生手段としての励磁コイル253と図示しないインバータ回路との接続を強制遮断する。
励磁コイル253は、表面が絶縁された長い一本の励磁コイル線材を支持フレーム251に沿って発熱ローラ220の軸方向に交互に巻き付けて構成されている。この励磁コイル253の巻回部分の長さは、定着ベルト230と発熱ローラ220とが接する領域と略同じ長さになるように設定されている。
励磁コイル253は、図示しないインバータ回路に接続され、10kHz〜1MHz(好ましくは20kHz〜800kHz)の高周波交流電流が給電されることにより交番磁界を発生する。この交番磁界は、発熱ローラ220と定着ベルト230との接触領域及びその近傍部において発熱ローラ220及び定着ベルト230の発熱層に作用する。この交番磁界の作用により、発熱ローラ220及び定着ベルト230の発熱層の内部に前記交番磁界の変化を妨げる方向の渦電流が流れる。
この渦電流は、発熱ローラ220及び定着ベルト230の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として発熱ローラ220と定着ベルト230との接触領域及びその近傍部において発熱ローラ220及び定着ベルト230を電磁誘導加熱する。
一方、支持フレーム251には、励磁コイル253を囲むようにして、アーチコア254及びサイドコア255が設けられている。これらのアーチコア254及びサイドコア255は、励磁コイル253のインダクタンスを増大させ、励磁コイル253と発熱ローラ220との電磁結合を良好にする。
従って、この定着装置200においては、アーチコア254及びサイドコア255の作用により、同じコイル電流でも多くの電力を発熱ローラ220へ投入することが可能となり、そのウォームアップ時間を短縮することができる。
また、支持フレーム251には、誘導加熱装置250の内部のアーチコア254及びサーモスタット252を覆うように屋根型に形成された樹脂製のハウジング256が取り付けられている。このハウジング256には、複数の放熱孔が形成されており、支持フレーム251、励磁コイル253及びアーチコア254等から発生した熱が外部に放出されるようになっている。なお、ハウジング256は、例えばアルミなどの樹脂以外の素材で形
成されたものであってもよい。
また、支持フレーム251には、ハウジング256に形成された放熱孔を塞がないようにハウジング256の外面を覆うショートリング257が取り付けられている。ショートリング257は、アーチコア254の背面に位置している。ショートリング257は、アーチコア254の背面から外部に漏れ出るわずかな漏れ磁束を打ち消す方向に渦電流が発生することで、前記漏れ磁束の磁界を打ち消す方向に磁界が発生して前記漏れ磁束による不要な輻射を防止する。
次に、本一実施の形態に係る像加熱装置を用いた定着装置200の発熱量制御手段の構成及びその機能について説明する。図3は、定着装置200の発熱量制御手段の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、発熱量制御手段300は、供給電力演算部301、電力設定部302、温度検出部303、電圧値検出部304、電流値検出部305、電力値演算部306及びリミッタ制御部307などを有している。
画像形成装置100は、図示しないホスト(ユーザ使用のパーソナルコンピュータ等)より印字動作開始指令が送られると、前述した画像形成動作を開始する。これにより、定着装置200の誘導加熱装置250は、前記画像形成動作により記録紙P上に二次転写された未定着のフルカラー画像を加熱定着するために発熱ローラ220及び定着ベルト230を加熱する。
図3において、供給電力演算部301は、定着装置200の発熱ローラ220及び定着ベルト230を加熱する誘導加熱装置250に与えるべき電力量を演算する。
電力設定部302は、供給電力演算部301で算出された電力値データを、励磁コイル253を駆動するインバータ回路(不図示)へ出力する。
この電力設定部302に設定された値(レジスタ値)に応じて、前記インバータ回路へ出力する電力値が制御される。この電力値の制御により、誘導加熱装置250による発熱量、及び記録紙Pに未定着画像を定着するための発熱ローラ220及び定着ベルト230の温度が制御される。
誘導加熱装置250に与える供給電力の演算を行うために必要な情報には、定着装置200の画像定着温度と、前記インバータ回路に実際に供給されている電力値とがある。定着装置200の画像定着温度は、温度検出部303から得られる。また、前記インバータ回路に実際に供給されている電力値は、電力値演算部306から得られる。
温度検出部303は、定着ニップ部Nの入口側近傍の定着ベルト230の内面側に当接配置された温度検出器270からのアナログ出力をADコンバータによりディジタルデータに変換して供給電力演算部301に入力する。
電力値演算部306は、前記インバータ回路の入力電圧値を検出する電圧値検出部304と前記インバータ回路の入力電流値を検出する電流値検出部305からのそれぞれの出力を乗算することにより前記電力値を求める方法を採用している。
電圧値検出部304は、前記インバータ回路の入力電圧値をAD変換して供給電力演算部301にディジタルデータを渡す。電流値検出部305は、前記インバータ回路の入力電流値をAD変換して供給電力演算部301にディジタルデータを渡す。なお、電流値に
ついては励磁コイル253に流れる電流値を検出して制御に用いることも可能である。
供給電力演算部301では、定期的(ここでは、10msごと)に、温度検出部303からのデータ及び電力値演算部306からのデータを取得しながら電力設定部302に演算値(レジスタ値)を設定する。このように、供給電力演算部301が電力設定部302に演算値を設定することにより、記録紙Pに未定着画像を定着するための発熱ローラ220及び定着ベルト230の温度が制御される。
リミッタ制御部307は、電力設定部302に設定される電力を最終チェックする役割を果たしている。すなわち、リミッタ制御部307は、予め定められた規定のリミット値を越えた値が電力設定部302に設定されようとした時、又は電力値演算部306でのデータが、予め規定された規定値より大きな値であった場合に、電力設定部302に設定するデータをある規定値に書き換える制御を行う機能を有している。
より具体的には、リミッタ制御部307は、例えばリミット値がデータでAA(16進)HEXで、供給電力演算部301で演算された値がAAHEX以上であった場合に、電力設定部302に設定する値として目標電力の80%に対応する電力を強制的に設定する。また、リミッタ制御部307は、電力値演算部301からのデータが例えば1150W以上であった場合にも同様の処理を行う。
なお、実際には、前記電力を設定する際には上限値及び下限値でゲートされているので前述のようなリミット値にかかることは無いはずである。しかし、このようなリミット制御は、電流値や電圧値を取得するためのADコンバータのラインにノイズが発生してデータを誤検出した場合に備える意味からも必要であると思われる。
次に、前記未定着画像を記録紙Pに定着させるための定着装置200の発熱量制御手段300の制御動作の各状態と遷移条件について説明する。
図4は、本一実施の形態に係る像加熱装置を用いた定着装置200の発熱量制御手段300の制御状態遷移図である。ここでは、定着装置200の発熱量制御手段300の各状態における動作の概要を説明する。詳細については各状態の動作フローチャートを用いて説明することとする。
図4において、画像形成装置100が印字要求待ち等の待機状態にあるときは、通常、前記インバータ回路への通電は停止している(以下、これを「IH制御停止状態」と呼称する)。ただし、この画像形成装置100においては、ファーストプリント時間を短縮させたい場合に、定着装置200の発熱ローラ220及び定着ベルト230をある一定の温度、例えば100℃程度に予備加熱させておく場合がある。この場合には、発熱量制御手段300は、未定着画像を記録紙Pに加熱定着させるために印加する電力より小さい電力を前記インバータ回路に印加する。
画像形成装置100が印字開始指令を受信すると、定着装置200の発熱量制御手段300にはインバータ回路への通電開始指令が発行される(以下、これを「IH制御開始状態」と呼称する)。これにより、定着装置200の発熱ローラ220及び定着ベルト230を、未定着画像が記録紙P上に定着可能な温度まで昇温させる制御が開始されるのに先だって、まず、そのための準備処理が行われる(以下、これを「電力立上制御状態」という)。
この電力立上制御状態において、発熱量制御手段300は、前記インバータ回路への通電を行うための信号、例えばゼロクロス信号等が正常に入力されているかどうかのチェッ
ク及び前記インバータ回路への通電状態が正常に行われているかどうかのチェックなどを行う。
前記ゼロクロス信号は、定着装置200の発熱量制御手段300に定期的に割り込み信号として入力されており、この周期、ハイステート時間及びローステート時間を計測することにより信号が正常かどうかの判断を行っている。
ここで、発熱量制御手段300は、もし前記周期が異常である等のエラーがあれば、IH制御動作を停止する。また、発熱量制御手段300は、正常であれば、IH制御開始後一番初めに設定すべきデータ(下限値)を電力設定部302に設定する。この下限値は、電源電圧により異なった値であり、前記インバータ回路の保護の観点から設定可能な最小の値が予め定められたデータとして図示しないROMに格納されている。
発熱量制御手段300は、前記下限値の設定時から規定時間(ここでは、300ms)後に、電力設定部302に設定した値に対して実際にいくらの電力が印加されたかを電力値演算部306からのデータを参照して前記下限値に対応する電力が印加されたかどうかをチェックする。
例えば、発熱量制御手段300は、電源電圧100v時には、下限値データが70HEX(16進データ)、それに対応する電力が500Wであるとするならば、電力設定部302に70HEXを設定する。そして、300ms後の電力値演算部306のデータが500Wより極端に小さい場合(ここでは、200Wで規定)には、再度下限値を電力設定部302に設定し、規定時間後に電力値演算部306のデータをチェックする。発熱量制御手段300は、このリトライ動作が規定回数(ここでは、5回)以上繰り返されると、エラーとしてIH制御を停止する。
ここで、最初の電力印加が正常に行われると、次には第二番目の電力設定を行う必要がある。この第二番目に設定すべきデータは、第一番目に設定したデータに対し実際に電力がいくら印加されたかに応じて決定される。
例えば、第一番目に電力設定部302に70HEXを設定した時の理論値が500Wであるのに対し、実際の電力が450Wであった場合には、理論値より小さな値であったので第二番目には例えば80HEXを電力設定部302に設定する。また、逆に実際の電力が550Wであった場合には、理論値より大きな値であったので、第二番目には先の80HEXより小さい78HEXを電力設定部302に設定する。
同様な方法で電力設定部302に対する電力設定を繰り返し、目標電力に到達するまで継続する。また一方で、実際の電力と目標電力値との差分に応じて第二番目以降の設定すべきデータを決定する方法もある。前記目標電力値とは、ファーストプリント時間をできるだけ短縮させると同時に前記インバータ回路が破壊しないレベルでの最大の印加可能電力を規定したものである。
このようにして、複数回の電力設定を行った後、実際の電力が上記目標電力に到達すると、制御状態は電力を目標電力値近傍に保持するための状態(以下、これを「電力補正制御状態」という)に移行する。ここでは、電力設定部302への電力設定値を1レベルで加減算しながら目標電力を保持する制御を行っている。
具体的には、目標電力を909Wとするならば、電力設定部302に90HEXを設定した時の実際の電力が電力値演算部306からのデータで915Wであった場合、次回は1レベル減算した値である8FHEXを電力設定部302に設定する。
そして、この時の実際の電力が電力値演算部306からのデータで、もし909Wを下回る値であったならば、次回には8FHEXを1レベル加算した90HEXを電力設定部302に設定する。また、もし909Wより大きな値であった場合には、8FHEXから更に1レベル減算した8EHEXを電力設定部302に設定する。
この電力補正制御は、温度制御移行指示が発行されるまで継続される。なお、この電力補正制御中に設定された最大の設定値は、上限値として保持され、以降の温度制御等で利用される。
このような電力補正制御が実行されると、定着装置200の画像定着温度が上昇してくる。この定着装置200の画像定着温度が予め定められた規定温度(ここでは、未定着画像の定着設定温度より20℃低い値)に達すると、前記電力補正制御を停止する。そして、今度は画像形成装置100から定着装置200の発熱量制御手段300には画像定着温度を基準にした温度制御(温度制御状態)を実行するための温度制御移行指示が発行される。
この温度制御は、定着装置200の画像定着温度と未定着画像の定着設定温度との差分、その積分値、更には微分値を利用したいわゆるPID制御(詳細は後述)により行われる。このPID制御では、電力設定部302に設定すべきデータ値を供給電力演算部301で演算し、規定時間(ここでは、10ms)ごとに電力設定部302に演算値を設定している。
この温度制御においては、電力制御と異なり定着装置200の画像定着温度を基準とした制御が行われる。電力設定部302を例えば8Bitのレジスタとすれば、温度制御の演算結果の取りうる値の範囲は0〜255(8Bit上限)である。
しかし、この定着装置200の発熱量制御手段300では、前記温度制御による演算結果をそのまま設定しているのであれば、前述した下限値より小さな値又は上限値より大きな値が電力設定部302に設定されてしまい前記インバータ回路の破壊を招くおそれがある。
これを防ぐため温度制御時における電力設定は、上限値と下限値の間の値のみを電力設定部302に設定する。ここで、温度制御による演算結果が上限値より大きな場合には電力設定部302には上限値を設定し、温度制御による演算結果が下限値より小さな場合には電力設定部302には下限値を設定する。
ただし、この定着装置200の発熱量制御手段300では、下限値を設定し続けると、本来は下限値より小さな値を要求されているため、その温度制御が破綻する可能性がある。そこで、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、この対策として下限値と演算値の比率に応じたPWM制御を行っている。
具体的には、下限値を40HEXとした場合、演算値が20HEXであればDuty50%のPWM制御を行う。これら一連の温度制御状態は、印字停止要求等によるIH制御終了指示を受信するまで継続する。その後、定着装置200は、発熱量制御手段300がIH制御停止状態に移行し再びIH制御開始指示待ち状態となる。
ところで、発熱量制御手段300が前記IH制御を行うためには、既に記述した種々のデータを取得参照する必要がある。次に、前記IH制御を行うための各種データの取得方法について説明する。
前記IH制御に必要なデータとしては、以下のデータが挙げられる。
(1)電源周波数
(2)インバータ回路に入力される電流値、電圧値と、これらの乗算により求められる電力値
(3)目標電力値
(4)最小電力値
(5)リミット電力値
(6)下限値レジスタ値
(7)リミット値レジスタ値
(8)定着装置の温度(複数箇所)
なお、前記上限値については、電力補正制御実行時に求められるものであるので、後述する電力補正制御の動作説明の項にて説明する。
まず、(1)電源周波数の計測方法について説明する。画像形成装置100の電源が投入されると、ゼロクロス信号の入力が開始される。このゼロクロス信号は、発熱量制御手段300に図示しないCPU(中央演算処理装置)の割り込み信号として通知される。
CPUの割り込みは、通常、割り込み禁止/割り込み許可の指定が可能となっており、電源投入時には割り込み禁止となっている。そこで、この画像形成装置100においては、電源投入後、割り込み許可の指定を行うことで割り込みが許可され発熱量制御手段300にゼロクロス信号の入力が可能となる。
発熱量制御手段300は、ゼロクロス信号が入力された時点でタイマを起動し、次回のゼロクロス信号入力すなわち割り込み発生までの時間を計測する。発熱量制御手段300は、この計測された時間により電源周波数(50Hz/60Hz)を判定している。ゼロクロス周期は、50Hzの場合には20ms、60Hzの場合にはゼロクロス周期は16,7msである。そこで、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、割り込みの発生時間のディレイ、ばらつき等を考慮し18msを閾値としてそれ以上を50Hz、それ以下を60Hzと規定している。
次に、(2)インバータ回路に入力される電流値、電圧値と、これらの乗算により電力値演算部306で求められる電力値の取得方法について説明する。図5は、電力値演算部306で実施される電流値と電圧値の取得方法の説明図である。
図5に示すように、実際の電流値、電圧値の取得演算式は、電源電圧系、電源周波数により可変となっている。ここでいう電源電圧系とは、画像形成装置100が100v系電源に接続されているか200v系電源に接続されているかを低圧電源(図示せず)で検出し発熱量制御手段300に通知しているものである。
図5に示すように、インバータ回路に入力される実際の電流値IvalとAD変換されたディジタルデータADiとは、1次式の関係を有しその係数は実験的に求められている。また。インバータ回路に入力される実際の電圧値VvalとAD変換されたディジタルデータADvとは、同様に1次式の関係を有しその係数も実験的に求められている。
例えば、100v系、50Hz時のインバータ回路に入力される電圧値は、
Vval=0.7112×ADv−33.0290[volt]…式5−1
で求められる。
100v系、50Hz時のインバータ回路に入力される電流値は、
Ival=0.0533×ADi−1.5059[amp]…式5−2
で求められる。
100v系、60Hz時のインバータ回路に入力される電圧値は、
Vval=0.7148×ADv−33.1930[volt]…式5−3
で求められる。
100v系、60Hz時のインバータ回路に入力される電流値は、
Ival=0.0535×ADi−1.6145[amp]…式5−4
で求められる。
200v系、50Hz時のインバータ回路に入力される電圧値は、
Vval=1.4048×ADv−63.7730[volt]…式5−5
で求められる。
200v系、50Hz時のインバータ回路に入力される電流値は、
Ival=0.0269×ADi−0.8516[amp]…式5−6
で求められる。
200v系、60Hz時のインバータ回路に入力される電圧値は、
Vval=1.4048×ADv−63.7730[volt]…式5−7
で求められる。
200v系、60Hz時のインバータ回路に入力される電流値は、
Ival=0.0268×ADi−0.9182[amp]…式5−8
で求められる。
また、前記インバータ回路に供給される電力値は、上記の各式で求められた電流値と電圧値を電力値演算部306で乗算することで算出している。この定着装置200では、これらの演算を電力値演算部306で10msごとに繰り返すことで電圧の変動等にもリアルタイムで対応でき、より信頼性の高いIH制御を実現している。
次に、発熱量制御手段300で実施される(3)目標電力値の取得方法について説明する。この目標電力値は、画像形成装置100の性能項目の1つであるファーストプリント時間の短縮と前記インバータ回路の保護との観点から設定されるものである。
すなわち、この画像形成装置100では、目標電力値を大きくすればファーストプリント時間には有利になるが前記インバータ回路の破壊を招くおそれがある。逆に、目標電力値を小さくすればインバータ回路の保護の観点からは望ましいがファーストプリント時間が遅くなる懸念がある。そこで、この目標電力値は、前記両者のトレードオフにより実験的に定められている。図6は、発熱量制御手段300で実施される前記目標電力値の取得方法の説明図である。
図6(a)に示すように、画像形成装置100が100v系電源に接続されている場合には、
区間(1)(電源電圧が70.19vから95.21v)の目標電力値は、
16.39×電源電圧−651.1960[W]…式6−1
で求められる。
区間(2)(電源電圧が95.21v以上132.45v以下)の目標電力値は、
909[W]…式6−2
で一定である。
区間(3)(電源電圧が132.45vから137.19v)の目標電力値は、
−22.94×電源電圧+3947.1190[W]…式6−3
で求められる。
区間(4)(電源電圧が137.19v以上)の目標電力値は、
800[W]…式6−4
で一定である。この区間(4)においては後述する最小電力も同じ値となる。
また、図6(b)に示すように、画像形成装置100が200v系電源に接続されている場合には、
区間(5)(電源電圧が161.13vから198.97v)の目標電力値は、
9.83×電源電圧−1047.0476[W]…式6−5
で求められる。
区間(6)(電源電圧が198.97v以上264.89v以下)の目標電力値は、
909[W]…式6−6
で一定である。
区間(7)(電源電圧が264.89vから274.70v)の目標電力値は、
−9.84×電源電圧+3513.0034[W]…式6−7
で求められる。
区間(8)(電源電圧が274.70v以上)の目標電力値は、
810[W]…式6−8
で一定である。この区間(8)においては後述する最小電力も同じ値となる。
このように、この画像形成装置100においては、前記インバータ回路の保護の観点から、又はファーストプリント時間の確保の観点から、電圧ごとの最適な目標電力値を設定している。このように、この定着装置100の発熱量制御手段300においては、目標電力値の取得を10msごとに繰り返すことで電圧の変動等にもリアルタイムで対応でき、より信頼性の高いIH制御を実現している。
次に、発熱量制御手段300で実施される(4)最小電力値の取得方法について説明する。この最小電力は、前記インバータ回路の保護の観点から設定される。前述のように、前記インバータ回路に大電力を与えたりある値より小さな電力を与えたりすると前記インバータ回路が破壊する可能性がある。
図7は、この発熱量制御手段300で実施される最小電力値の取得方法の説明図である。図7(a)の100v系及び図7(b)の200v系に示すように、最小電力値は、電源電圧により可変となっている。前記発熱量制御手段300は、最小電力値を10msごとに取得することで電圧の変動等にもリアルタイムで対応でき、より信頼性の高いIH制御を実現している。
最小電力値は、小さければ小さいほど定着装置200の温度制御における制御性能、すなわち制御のダイナミックレンジが広がり制御性は良くなるが、一方で前記インバータ回路の破壊につながる。そこで、この最小電力値は、前記目標電力と同様に両者のトレード
オフにより実験的に定められている。
次に、発熱量制御手段300で実施される(5)リミット電力値の取得方法について説明する。このリミット電力値は、目標電力+250Wの電力値で規定されている。
定着装置200の画像定着温度は、通常、前記目標電力値で電力制御されるため、前記インバータ回路に供給される電力がリミット電力に達することは無いはずである。このリミット電力値は、発熱量制御手段300がノイズ等で誤動作を起こし、電流値や電圧値のAD変換データの値が不正規な値となった場合等の外乱的な動作保証のために設けている。
すなわち、前記発熱量制御手段300は、前記インバータ回路に供給される電力がリミット電力以上であると検出されれば、前記供給電力を目標電力より更に小さな値(例えば目標電力の80%の電力値)になるように電力設定値を制御する。これにより、前記インバータ回路の破壊及び前記インバータ回路の誤動作によるIH制御の不具合を防止することができる。
図8A及び図8Bは、100v系及び200v系における、目標電力値と、最小電力値と、リミット電力値との関係を示す関係図である。図8A,Bに示すように、リミット電力は、100v系、200v系共に目標電力+250[W]で設定している。また、図8A,Bにおいて、最小電力は、図7に示した最小電力値をグラフ上にプロットしている。
次に、発熱量制御手段300で実施される(6)下限値レジスタ値の取得方法について説明する。図9A及び図9Bは、100v系及び200v系における、下限値データの取得方法の説明図である。前記下限値データは、前記最小電力値に対応するレジスタ値のことである。この下限値データは、例えば、図7に示すように、電源電圧100v時には最小電力525Wである。
一方、電源電圧100v時の下限値データは、図9Aに示す式9−6により、77(10進)と算出される。実際のIH制御には図7に示した電力値(ワット表示)ではなく、このレジスタ値を使用している。
下限値データとその電力値(ワット数)は、一義的に決まるものではあるが、励磁コイル253や定着装置200のインダクタンスのばらつきや実使用による経時変化等により若干のばらつきが生じる場合がある。
そこで、この定着装置200では、発熱量制御手段300が下限値データをはじめとするIH制御の各フェーズでの電力設定後、前記インバータ回路に入力される電流値や電圧値から電力を常時フィードバックしている。これにより、この定着装置200は、前記ばらつき要因を解消し、より信頼性の高いIH制御を実現している。
下限値レジスタ値は、電源電圧により可変であり、電源電圧との2次関係式で求められる。また、この2次関係式の係数は、定着装置200や励磁コイル253のインダクタンスのばらつきを考慮し実験的に求められたものである。
具体的には、定着装置200と励磁コイル253との部品スペック上の最大値のものと最小値のもの、更には平均値近傍のものとでデータをとり求められたものである。この定着装置200においては、前記下限値レジスタ値の取得を、10msごとに繰り返すことで電圧の変動等にもリアルタイムで対応できるより信頼性の高いIH制御を実現している。
次に、発熱量制御手段300で実施される(7)リミット値レジスタ値の取得方法について説明する。このリミット値レジスタ値は、基本的には前記最小電力値に対して前記下限値データを求めた実験と同様の実験を行い、前記リミット電力値に対応したレジスタデータを求めたものである。
定着装置200は、通常、IH制御中の電力設定において、上限値でデータは制限されるので、電力設定値がリミット値に達することはないはずである。しかしながら、前述したように、励磁コイル253や定着装置200のインダクタンスのばらつきや実使用による経時変化等により、例えば電力補正制御中に求められる上限値がリミット値を超える場合がある。
つまり、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、前記電力補正制御中に目標電力に達するべく電力設定をインクリメントしていく。しかし、励磁コイル253や定着装置200のインダクタンスが経時変化等で部品スペックの値をはずれた場合には、いくら電力設定値を大きくしても目標電力に達成しない状態、すなわち電力が入りにくい状態になり電力設定値が永遠に増加していくことになる。
このような電力設定値の増加は、前記インバータ回路の保護の観点より好ましくないので最終のリミット値を設けておく必要がある。そこで、発熱量制御手段300は、電力設定値がリミット値以上になったら供給電力を目標電力より更に小さな値(例えば目標電力の80%の電力値)になるように電力設定値を制御する。これにより、前記インバータ回路の破壊や前記インバータ回路の誤動作によるIH制御の不具合を防止することができる。この定着装置200の発熱量制御手段300では、このリミット値レジスタ値の取得動作を10msごとに繰り返すことで、電圧の変動等にもリアルタイムで対応できるより信頼性の高いIH制御を実現している。
次に、前記温度検出部303で実施される(8)定着装置の温度の取得方法について説明する。この定着装置200においては、その温度を前記温度検出器270により2箇所で検出している。1つは定着装置200の中央部で、もうひとつは定着装置200の端部である。定着装置200の中央部の温度検出の目的は、記録紙P上の未定着画像を最適な画像定着温度で定着させ、画像品質の確保を行うためである。定着装置200の端部の温度検出の目的は、小サイズの用紙が連続で印刷された場合に定着装置200の非通紙部(端部)の異常な温度上昇を検出しクールダウンを行うためである。
これらの定着装置200の各部の温度を検出する温度検出器270の各検出温度は、それぞれ温度検出部303内のADコンバータを通してデータ取得を行い、供給電力演算部301にディジタルデータとして渡される。この温度検出部303による定着装置200の温度データの取得は、10msごとに行い温度制御演算や定着装置200のエラー検出に使用される。
次に、定着装置200の電力立上時のIH制御方法について説明する。図10は、定着装置200の電力立上制御状態における動作フローチャートである。
画像形成装置100は、外部のPC(パーソナルコンピュータ)等から印字要求を受信すると、その未定着画像を記録紙P上に定着させるために定着装置200の加熱制御いわゆるIH制御を開始する。
このIH制御では、まず発熱量制御手段300は、電力の立上制御を行う。このフェーズでは、前述したように、未定着画像の記録紙P上への定着が可能な温度になるまで、定
着装置200の発熱ローラ220及び定着ベルト230を昇温させるための準備処理が行われる。また、このフェーズでは、IH制御を行うための種々のデータ取得のための準備が実施される。
なお、前記インバータ回路への入力電圧、インバータ回路の入力電流、電源電圧の周波数、定着装置200の温度の各々のデータは、画像形成装置100の電源投入時から取得が行われている。
前記インバータ回路への入力電圧は、電圧値検出部304内のADコンバータを通してディジタルデータとして一旦ワークメモリ(不図示)に格納され電力値演算部306へ渡される。また、前記インバータ回路への入力電流は、電流値検出部305内のADコンバータを通してディジタルデータとしてワークメモリ(不図示)に格納され電力値演算部306へ渡される。そして、これらの電圧値と電流値を電力値演算部306で乗算することにより、前記インバータ回路に供給される電力値が算出される。
定着装置200の発熱量制御手段300は、これらのデータ取得及び演算動作が、10msごとに実施され、電源電圧の変動が起こってもそれにリアルタイムに対応できる構成となっている。また、ここで取得された電圧値は、後述する、最小電力値(ワット)、目標電力値(ワット)、下限値(レジスタ値)、リミット値(レジスタ値)を可変するための変動パラメータになるものである。
また、電源電圧の周波数については、電源ON時より定着装置200のメイン制御を行う発熱量制御手段300内のCPU(不図示)にゼロクロス信号が割り込み信号として入力されており、この割り込み信号の発生周期を計測することにより電源電圧の周波数を計測している。
また、定着装置200の温度については、サーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出器270からのアナログ出力が温度検出部303のADコンバータを通して供給電力演算部301にディジタルデータとして入力される。
定着装置200の発熱量制御手段300では、これらの動作が10msごとに繰り返し実行され、定着装置200の温度変化に対しリアルタイムに対応できる構成となっている。
図10において、発熱量制御手段300によりIH制御が開始されると、まずゼロクロス信号のチェックが行われる(ステップS1001)。なお、ここでのチェックは、ゼロクロス信号が入力されているかどうかを確認するものであり詳細な周期を確認するものではない。
ここで、電源周波数が50Hzであれば周期は約20msであり、また電源周波数が60Hzであれば周期は約16.7msであるので、ゼロクロス信号が正常であればこの間隔で発熱量制御手段300のCPUに対しゼロクロスの割り込みが発生する。
また、本例におけるエラー条件としては、1秒以上連続でゼロクロスの割り込みが発生しなかった場合と規定し、この状態になったときはエラーとして画像形成装置100の動作を停止する(ステップS1002)。
一方、ステップS1001において、ゼロクロス信号が正常であることが確認された場合には、発熱量制御手段300は、次に下限値の設定を行う(ステップS1003)。この下限値の値(レジスタ値)は、前記最小電力に対応した値となっている。
その後、IH制御信号がON(ステップS1004)され、発熱量制御手段300により定着装置200の加熱動作が開始される。IH制御信号ONの後、発熱量制御手段300は300msウエイト(待機)する(ステップS1005)。これは、電力を電力設定部302に設定し実際に前記インバータ回路に電力が印加されるまでの時間である。
このウエイト時間は、インバータ回路の構成により異なってくる。本例では、300msのウエイト時間を確保している。また、このウエイト時間300msは、電力を増加させる方向の時間である。逆に電力を下げる方向では、1500msのウエイト時間を設けている。この電力を下げる方向でのウエイト時間もインバータ回路の構成に依存するものである。
このIH制御信号のON後、300ms経過したら、発熱量制御手段300は前記インバータ回路に印加されている電力のチェックを行う(ステップS1006)。これは、前述したインバータ回路に入力される電流値と同電圧値を前記電力値演算部306で乗算することで求められた電力値でチェックを行う。
ここで、下限値を設定するとIHコイルや定着装置200のインダクタンスのばらつき、経年変化等があるが、前記インバータ回路に印加された電力としてほぼ最小電力の値が返ってくる。この最小電力の値は、電源電圧更にはインバータ回路に入力される電圧により異なるが、図7に示すように最小でも200v系の185v未満の場合で300Wである。
これを考慮し、発熱量制御手段300は前記インバータ回路の入力電圧に依存せずに電力が200W以下であれば、電力が小さいとしてエラー処理を行う。ただし、この時点で即サービスコールエラーとしてIH制御を停止するのではなく、電力設定と電力チェックのリトライ動作を行う。そして、発熱量制御手段300において規定回数以上のリトライ動作が実行されると、初めてサービスコールエラーとしてIH制御を停止し、画像形成装置100の全動作を停止する。
具体的には、発熱量制御手段300による電力チェックで電力が200W以下であれば、リトライ回数計数用のカウンタ(IH制御開始時には0でリセットされている)を+1とする(ステップS1007)。その後、発熱量制御手段300は、リトライカウンタが「5」より大きいかどうか、つまりリトライ回数が5回を超えたかどうかのチェックを行う(ステップS1008)。ここで、リトライ回数が5回を超えていなければ、ステップS1003に戻って発熱量制御手段300による電力設定動作を繰り返す。また、発熱量制御手段300は、リトライ回数が5回を超えていれば、サービスコールエラーとしてIH制御を停止し、画像形成装置100の全動作を停止する(ステップS1009)。
このようにして電力が正常に印加されているのが確認されると、発熱量制御手段300は、次に、温度制御移行要求があるかどうかをチェックする(ステップS1010)。これは、定着装置200の温度を検出している温度検出部303からの出力で判定している。前述したように、本例では定着装置200の中央部と端部の2箇所に温度検出部303であるサーミスタを設けているが、この定着装置200の温度制御に利用するのは中央部のサーミスタである。
この温度制御移行要求は、未定着画像を記録紙Pに定着するための設定温度(プロセス速度、記録媒体の種類、環境条件等で異なる)より20℃低い温度に到達した時に発熱量制御手段300による発行される(ステップS1011)。例えば、定着設定温度が170℃の場合には、定着装置200の温度が150℃に到達した時点で温度制御移行要求が
発行される。
ここで、IH制御開始後は、通常、定着装置200の温度は低い状態であるので、この時点で温度制御に移行することは少ない。しかし、待機時間の短い間欠印字等では、前回の印字で定着装置200が十分温まった状態で次の印字が開始されるため、電力チェック後即温度制御に移行する場合も多々ある。
この電力チェック後、温度制御移行要求がない場合には、供給電力演算部301は、次回に設定すべき電力値の演算を行う(ステップS1012)。これは、先に下限値を設定した300ms後に検出(演算)された電力値とその時のインバータ回路の入力電圧に応じた最小電力値との差分又は比率より予め定められた計算式(図示せず)に基づいて次回に設定すべき電力設定値を算出するものである。
この電力設定値とは、前記目標電力値に対応したものである。例えば、最小電力値が500Wである場合に下限値を設定して実際に返ってきた電力値が400Wであった場合には、理論値より実際値が小さいので次回の設定値を大きめに設定する。逆に、ここで600Wが返ってきた場合には、理論値より実際値が大きいので次回の設定値を小さめに設定する。
このようにして供給電力演算部301で演算された電力設定値を実際に設定し(ステップS1013)、300msウエイト(ステップS1014)後に、発熱量制御手段300は、目標電力に到達したかどうかのチェックを行う(ステップS1015)。この時点で目標電力に到達していなければ、発熱量制御手段300は、ステップS1010に戻って以降の処理を繰り返す。一方、目標電力に達していれば、発熱量制御手段300は、電力立上制御を終了し電力補正制御へ移行する。
次に、前記電力補正制御時のIH制御方法について説明する。図11は、定着装置200の電力補正制御状態における動作フローチャートである。
この電力補正制御時には、発熱量制御手段300は、図11に示すように、まず、前記電力立上制御から前記電力補正制御へ移行した直後の電力設定値を上限値とし所定のワークエリア(不図示)に格納しておく(ステップS1101)。この上限値は、後の温度制御演算を行う際の上限値として利用される。
また、前述したように、電力立上制御中に温度制御に移行した場合の上限値については、予め定められた規定値(本例では目標電力の80%程度に相当する電力設定値)を用いることとしている。
この電力補正制御の状態においては、電力設定値の可変量は、「+1」、「−1」のレベルで行う。つまり、この電力補正制御において、供給電力演算部301は、目標電力を超えると電力設定値を「−1」、目標電力を下回ると電力設定値を「+1」しながら電力補正制御を行う。また、供給電力演算部301は、前記電力立上制御から電力補正制御に移行直後は、目標電力を超えた状態であり電力設定値を「−1」する(ステップS1102)。
その後、供給電力演算部301は、電力値演算部306から渡される電力チェックを行い(ステップS1103)、電力値が目標電力以上であれば電力設定値を「−1」し(ステップS1104)、1500msウエイトする(ステップS1105)。また、供給電力演算部301は、電力値が目標電力値を下回っていれば、電力設定値を「+1」し(ステップS1106)、300msウエイトする(ステップS1107)。
また、供給電力演算部301は、この電力補正制御の途中で前記電力立上制御から電力補正制御へ移行した直後にワークエリアに格納した上限値と目標電力を参照しながら「+1」又は「−1」して得られた電力設定値の大小の比較を行う(ステップS1108)。
ここで、供給電力演算部301は、もしワークエリアに格納した上限値を電力補正制御中の電力設定値が超えた場合には、その値を新たな上限値として値を更新する(ステップS1109)。その後、供給電力演算部301は、温度制御移行要求のチェックを行い(ステップS1110)、要求が無ければ、ステップS1103に戻って処理を繰り返す。
なお、温度制御移行要求については、前記電力立上制御の説明と同じであるので、ここでの説明は省略する。この温度制御移行要求があれば温度制御に移行する。
次に、温度制御時のIH制御方法について詳細に説明する。図12は、定着装置200の温度制御状態における動作フローチャートである。
前記電力立上制御及び前記電力補正制御の場合に電力設定値を演算する基準値は、前記インバータ回路に入力される電流値及び電力値から電力値演算部306で算出される電力値である。これに対し、この温度制御の場合の電力設定値を演算する基準値は、定着装置200の中央部のサーミスタ(温度検出部303)の出力、すなわち定着装置200の中央部の温度である。
供給電力演算部301で実施される電力設定値を求めるための演算方式としては、未定着画像を記録紙Pに定着するための定着設定温度(プロセス速度、記録媒体の種類、環境条件等で異なる)と実際の定着装置200の中央部の温度との差分に応じて電力設定値を演算するPID演算を使用している(ステップS1201)。
また、図示していないが、供給電力演算部301は、この温度制御に移行した時点から定着装置200の端部のサーミスタのチェックを開始しており、定着装置200の中央部の温度と定着装置200の端部の温度との差が、ある規定値以上になればエラーとしてIH制御を停止する。
この規定温度は、本例においては、30℃で設定している。すなわち、定着装置200の中央部の温度が定着設定温度−20℃に到達(温度制御に移行)した時点以降で、定着装置200の端部の温度が定着装置200の中央部の温度より30℃以上低い場合にエラーとしている。
PID演算では、プロセス速度、記録媒体の種類、環境条件等に応じた未定着画像の定着設定温度(以下、単に「定着設定温度」と称す)と、定着装置200の中央部のサーミスタ出力(以下、単に「定着装置温度」と称す)との差分(以下、これを「偏差」と称す)に応じて電力設定値を算出する。また、PID演算では、前記差分の累積値(以降積分値と称す)、さらには前回の差分と今回の差分との差(以下、これを「微分値」と称す)に応じて電力設定値を算出する。また、本例では、前記偏差とその積分値にある一定の係数を乗算して電力設定値を算出するPID制御を採用している。PID制御の演算式は、以下の式12−1のとおりである。
電力設定値=Kp{E(n)+Kt×ΣE(n)}・・・式12−1
ただし、Kp=比例定数、Kt=積分定数、E(n)=偏差、である。
ここで、比例定数Kp及び積分定数Ktは、それを求めるための既知の方法の1つであ
る限界感度法(図示せず)を利用して算出している。後は制御系の特性(本例では、定着装置200、及び励磁コイル253のインダクタンスばらつき等)を考慮して、最初の設定温度到達時のオーバーシュートや定常制御時の温度リップルが許容範囲内になるよう値を微調整し最終的な係数を決定している。また、本例における温度制御のサンプリング周期は、10msであり、この周期で式12−1の制御則に従って電力設定値を算出している。
ここで、前記PID演算により演算された値をそのまま電力設定値として前記インバータ回路に印加した場合には、前述した上限値又はリミット値を越えたり、下限値を下回ったりした値を出力することになる。この場合には、前記インバータ回路の保護の観点から非常な不都合を生じ、最悪の場合インバータ回路の破壊に至る可能性がある。
そこで、この温度制御では、これを防ぐために、前記PID演算値と、この温度制御のフェーズではすでに算出されている又は予め定められている上限値と下限値とを常に比較しながら電力設定を行い前記インバータ回路の保護を図っている。
すなわち、この温度制御では、供給電力演算部301は、前記PID演算値と下限値との大小関係を比較する(ステップS1202)。ここで、PID演算値>下限値ならば、今度は前記PID演算値と上限値との大小関係を比較する(ステップS1203)。ここで、供給電力演算部301は、PID演算値<上限値ならば、前記PID演算値を電力設定値として設定する(ステップS1204)。
また、供給電力演算部301は、PID演算値が上限値を超えたならば、上限値を電力設定値として設定する(ステップS1205)。その後、温度制御終了要求のチェックに進む(ステップS1212)。
次に、ステップS1202で、PID演算値が下限値を下回った場合の温度制御について説明する。これは、図12のステップS1206からステップS1211までの処理である。前記PID演算値がそのまま電力設定値として設定できれば何ら問題は無いが、前述したように、前記インバータ回路保護のため電力設定値には制限がある。
前記PID演算値が上限値を超える状態になるのは、電力補正制御から温度制御に移行した直後の場合であり、定常の温度制御中にはこの状態にはなりにくい。しかし、逆にPID演算値が下限値を下回る場合は、定着装置200が温まってきて小電力で事足りるようになってくると頻繁に発生する。
このように、PID演算値が下限値を下回った場合には、電力設定値を下限値で設定し続けると必要とされる電力より多めの電力が供給され続けることになり、誤った情報で温度制御が行われ温度制御が破綻してしまう。
また、PID演算値が下限値を下回った場合には、電力設定値を0設定してもやはり必要とされる電力より少な目の電力が供給され続けることになり、誤った情報で温度制御が行われ、同様に温度制御が破綻してしまう。
そこで、この温度制御においては、これを防ぐために、PID演算値と下限値との比率に応じたPWM制御を行い、前記インバータ回路の保護と温度制御の両立を図っている。
この温度制御の具体的な方法について以下に説明する。
図12において、供給電力演算部301は、ステップS1202で、PID演算値が下
限値を下回った場合には、電力設定値は下限値を設定しておく(ステップS1206)。次に、供給電力演算部301は、PWM制御のON/OFFのDutyの算出演算を行う(ステップS1207)。
例えば、下限値を40(16進表示)HEXとした場合のPID演算値が20(16進)HEXであった場合には、そのON比率は50%である。従って、この場合には、ONDuty50%、OFFDuty50%のPWM制御を行えば、擬似的にPID演算値20HEXを電力設定したことになる。
もう1例挙げると、下限値を40(16進表示)HEXとした場合のPID演算値が10(16進)HEXであった場合には、そのON比率は25%である。従って、この場合には、ONDuty25%、OFFDuty75%のPWM制御を行えば、擬似的にPID演算値10HEXを電力設定したことになる。
このように、PID演算値が下限値を下回った場合には、上述のようにして演算されたPWM制御のON/OFFDutyに従って電力設定を行う。ここで、PWM制御のサンプリング周期は、プロセス速度等を変化させながら実験的に求めた値を使用しており、一例を示すと本例の定常速度(100mm/s)時においては40msとしている。
次いで、供給電力演算部301は、前記PWM制御のON/OFFDutyとPWM制御のサンプリング周期より算出されたPWM制御におけるON時間分ウエイトする(ステップS1208)。このON時間分ウエイト後、IH制御信号をOFFし(ステップS1209)、PWM制御におけるOFF時間分ウエイトする(ステップS1210)。
そして、供給電力演算部301は、OFF時間分ウエイト後、IH制御信号をONし(ステップS1211)、前記温度制御終了チェック(ステップS1212)に進む。ここで、供給電力演算部301は、温度制御終了要求があれば温度制御終了してIH制御を停止する。また、温度制御終了要求が無ければステップS1201に戻って温度制御を継続する。
なお、図4で説明したように、電力立上制御中、電力補正制御中、温度制御中において、前記インバータ回路に供給される電力がリミット電力以上であると検出された場合、又は電力設定値がリミット値以上の場合には、発熱量制御手段300は供給電力を目標電力より更に小さな値(例えば目標電力の80%の電力値)になるように電力設定値を制御し、前記インバータ回路の破壊やインバータ回路の誤動作によるIH制御不具合を防止する。
ところで、従来の像加熱装置を用いた定着装置においては、前述したように、その熱源への供給電力を2石以上のIGBTを用いてPID制御しているため、コストが高くかつ効率も悪くなるという不具合があった。
このようなことから、この種の像加熱装置を用いた定着装置としては、その電源として1石のIGBTを用いる構成であることが望ましい。しかし、このように1石のIGBTのみでリニア制御を行うようにした場合には、低電力時に高周波スイッチング損失が増加し、IHの出力として最低電力が400W程度までしか下がらないという欠点がある。
そこで、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、図13に示すように、PID制御の演算結果が、IH出力として得られる最低電力以上であればリニア制御を行い、最低電力以下の電力を求められた場合には、最低電力でPWM制御を行うようにしている。
つまり、この定着装置200の発熱量制御手段300では、温度制御の演算を定着ベルト230の回転数に応じて振らずに、1石のIGBTで温度制御ができる範囲か否かを判断して制御方式をリニア制御又はPWM制御のいずれかに切り替えるようにしている。
ここで、前記PWM制御で全範囲の制御を行うことは、理論上可能であるが、現実的には、例えば0〜1000Wの範囲を細かい時間でオン/オフすると、電源動揺やノイズなど色々な弊害が出る。また、制御電力が0Wから瞬間的に1000Wとかになった場合には、制御回路が破壊してしまうおそれがある。このようなことから、従来の制御装置では、2石以上のIGBTを使用し制御範囲を分けて電源電圧が大きく変化しないようにしている。
これに対し、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、上述のように、供給電力演算部301の演算結果、出力が例えば500W未満のように低い場合には、PWM制御により定着ベルト230の発熱量を制御している。また、出力が例えば500W以上のように高い場合には、リニア制御により定着ベルト230の発熱量を制御している。
この構成によれば、供給電力演算部301の演算方法を定着速度に応じて切り替える必要がなく、1つの演算方法で定着ベルト230の発熱量を制御することができる。従って、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、1石のみのスイッチング素子(IGBT)で定着ベルト230の熱源への供給電力をPID制御することができ、低コスト化及び高効率化を図ることができ、定着ベルト230の温度を目標温度に安定して保つことができるようになる。
ところで、定着装置200の電源電圧は、国や地域によって異なっている。図14は、定着装置200の電源電圧と最低電力との関係を示す説明図である。図14に示すように、定着装置200の最低電力は、電源電圧によって変動し、電源電圧が高いほど最低電力も上昇する。
つまり、電源電圧が低くなると、低い電力も出力できるので、例えば基準電力(1石のIGBTで出力できる最低電力)が400W位までリニア制御できるようになる。しかし、逆に、例えば電源電圧が120vあるいは130vのように高い環境では、最低電力が600Wを超えてしまうため、基準電力が高くなってしまうことがある。
このように、基準電力は、必ずしも前述した500Wのような一定した値ではなく、電源電圧により例えば400Wになったり500W以上になったりすることがある。
そこで、この定着装置200の発熱量制御手段300では、基準電力を電源電圧で変化させるようにしている。この構成によれば、使用環境が異なっても定着ベルト230の発熱量を支障なく制御することができる。
ここで、前記リニア制御と前記PWM制御との切り替えは、例えば、前記インバータ回路への出力の電流と電圧とをモニターして電力を演算し、この電力に応じたテーブルによって適正な制御を選択するようにしている。
また、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、画像形成装置100のプロセス速度に応じてPWM制御のサンプリング周期を変更するようにしている。ここで、前記プロセス速度が速い場合、操作量を早く反映させる必要があるため、短いサンプリング周期が適しており、前記プロセス速度が遅くなるにつれ、長いサンプリング周期が適
当となる。これは、定着ベルト230の加熱部位と温度検出器270の温度検出部位とが離れている場合に顕著である。
例えば、図15に示すように、プロセス速度が50mm/secと遅く、制御周期が50msecと短い場合には、操作量が反映された結果が温度検出器270に感知されるまでに時間がかかる。このため、この場合には、短いサンプリング周期で操作量を変化させると、操作量の反映結果を感知できないためどんどん操作量が大きくなって温度リップルが大きくなってしまう。
従って、このようにプロセス速度が50mm/secと遅い場合には、図16に示すように、制御周期200msecのようにある程度長いサンプリング周期が適当となる。
一方、図17に示すように、プロセス速度が200mm/secと速い場合には、制御周期50msecのようにある程度短いサンプリング周期が適当となる。つまり、この場合には、図18に示すように、制御周期200msecのように長いサンプリング周期で操作量を変化させると、操作量の反映結果を感知できないためどんどん操作量が大きくなって温度リップルが大きくなってしまう。
このように、この定着装置200には、操作量が加熱に反映されそれを温度検出器270で読み取り感知する時定数に応じた最適サンプリング周期が存在することになる。このため、この定着装置200においては、最適サンプリング周期をはずれると温度リップルが大きくなる。
図19は、前記プロセス速度と、前記サンプリング周期と、前記温度リップルとの関係を示す説明図である。
PID制御では、単にサンプリング時間だけで最適値を考えることができる。しかし、PWM制御では、サンプリング時間が長い場合、操作量のレベルを細かくとることが可能であるが、サンプリング時間が短い場合には、図20A〜Eに示すように、10分割、20分割、又は5分割で電源出力を制御した場合、画像形成装置100の制御周期との兼ね合いで数段階しか操作量のレベルをとることができない。
このため、このPWM制御では、より複雑な最適値が存在することとなる。本例では、前記最適値を最終的に実験で求めた。
また、IH制御では、誘導加熱装置250の磁束分布に応じて発熱ローラ220及び定着ベルト230が発熱する。このため、定着ベルト230は、発熱ローラ220の断面方向で見ると均一に加熱されるわけではなく、励磁コイル253の形状に応じて最高温度点ができる。
従って、この定着ベルト230の温度を検出する温度検出器270は、この最高温度点に取り付ければ温度制御した結果がすぐに反映されるため望ましい。
しかしながら、この温度検出器270は、励磁コイル253の形状の都合などから少しずれた場所に設置される場合が多い。特に、この定着装置200では、図21に示すように、像加熱体として定着ベルト230を使用しているので、最高温度部位Hから温度検出器270の温度検出部位までのセンシング距離L(本例では、25mm)が長くなっている。
従って、この定着装置200では、前記最高温度部位で加熱された定着ベルト230の
温度を、所定時間だけ遅れて温度検出器270によりセンシングすることになる。
このため、この定着装置200におけるサンプリング周期は、そのプロセス速度において、最高温度部位Hから温度検出器270の温度検出部位までのセンシング距離Lを移動する時間以下でなければならない。このサンプリング周期は、そのプロセス速度において、最高温度部位Hから温度検出器270の温度検出部位までのセンシング距離Lを移動する時間の1/2以下であれば望ましい。
ちなみに、この定着装置200においては、例えば、厚紙の定着時のようにプロセス速度が50mm/sと遅い場合には、センシングに要する時間が約500msとなり、最適制御周期が200msとなる。また、白黒画像(1分間で20枚印字)やカラー画像(1分間で16枚印字)の定着時のようにプロセス速度が200mm/sと速い場合には、センシングに要する時間が約125msとなり、最適制御周期が50msとなる。
なお、PWM制御においては、通常、サンプリング周期は一定でパルス幅だけ変更しているが、この場合には画像形成装置100の制御周期に応じた分割数の値しか取ることができない。
そこで、図22A〜Eに示すように、このPID制御の演算結果に応じてPWM制御のサンプリング周期を変更することにより、より細かい出力レベルを得ることが可能となる。
ここで、サンプリング周期が一定でPWM制御する際には、通常、基準点を固定して幅を変化させるが、出力は画像形成装置100の制御周期に応じてオンオフすることができるので、図23A〜Eに示すように、オン時間とオフ時間とを分散させて相当の出力を得ることも可能である。この方式は、オフ時間が長く続かないため、温度リップルが少なくなるという利点がある。
ところで、PWM制御では、通常、所定のサンプリング周期が終わるまでは、次の制御に移ることができない。そのため、画像形成装置100の制御周期ごと(本例では、10ms)にPID制御の計算を行っていても、例えば、図24に示すように、200msのPWM制御周期の場合、200ms過ぎないと次の出力に変更できない。これは、PWM制御だけの場合には問題はないが、環境温度変化や電源電圧変化等、何らかの理由でリニア制御に戻るケースにおいてはそれだけ反応が遅れることになる。
そこで、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、図25に示すように、PID制御の演算結果がPWM制御を行う最低電力以上になった時点で、すぐにリニア制御に戻るようにしている。
また、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、図26に示すように、通常は、PWM制御周期が終了した時点で次のリニア制御へ移行するようにしている。しかし、この制御では、PWM制御からリニア制御に移行するまでに時間を要することになる。
そこで、この定着装置200の発熱量制御手段300においては、図27に示すように、PID制御の演算結果が最低電力を上回った時点で、即リニア制御に移行するようにしてもよい。
本発明の像加熱装置の第1の態様は、記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、前記像加熱体を加熱する発熱手段と、前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御すると共に、前記基準電力は、電源電圧で変化する構成を採る。
前記電源電圧は、国や地域によって異なっている。電源電圧が低い環境では、低い電力を出力できるようになるので、前記基準電力を下げることが可能になり、例えば400W位までリニア制御できるようになる。逆に、電源電圧が高い環境では、低い電力を出力できなくなり、例えば500Wでもリニア制御が困難となる。この構成によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記基準電力が電源電圧で変化するので、使用環境が異なっても前記発熱手段の発熱量を支障なく制御することができる。ここで、前記リニア制御と前記PWM制御との切り替えは、例えば、前記出力の電流と電圧とをモニターして電力を演算し、この電力に応じたテーブルによって適正な制御を選択するようにする。
本発明の像加熱装置の第の態様は、記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、前記像加熱体を加熱する発熱手段と、前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、 前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御に切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御し、前記像加熱体の回転速度に応じて前記PWM制御のサンプリング周期を変更すると共に、前記像加熱体の最高温度部位から前記温度検出手段の温度検出部位までの距離を前記像加熱体が所定のプロセス速度で移動する時間より短いサンプリング周期で前記PWM制御を行う構成を採る。
この構成によれば、前記距離を前記像加熱体が所定のプロセス速度で移動する時間より短いサンプリング周期で前記PWM制御を行うので、前記発熱量制御手段の制御を確実に反映させることができるようになる。
本発明の像加熱装置の第の態様は、記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、前記像加熱体を加熱する発熱手段と、前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前
記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御に切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御し、前記像加熱体の回転速度に応じて前記PWM制御のサンプリング周期を変更すると共に、前記PWM制御のオン時間を制御周期内で分散させる構成を採る。
前記サンプリング周期が一定でPWM制御する際には、通常、基準点を固定して幅を変化させるが、出力は画像形成装置の制御周期に応じてオンオフすることができるので、オン時間とオフ時間とを分散させて相当の出力を得ることも可能である。この構成によれば、前記PWM制御のオン時間を制御周期内で分散させているので、オフ時間が長く続くことがなく温度リップルが少なくなる。
本発明の像加熱装置の第の態様は、記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、前記像加熱体を加熱する発熱手段と、前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御に切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御し、前記像加熱体の回転速度に応じて前記PWM制御のサンプリング周期を変更すると共に、前記リニア制御のPID制御周期が前記PWM制御の制御周期より小さく、かつ前記PWM制御の制御周期内で前記リニア制御に移行できる条件になった時点で、前記PWM制御の一周期終了を待たずに前記リニア制御に切り替える構成を採る。
前記PWM制御では、通常、所定のサンプリング周期が終わるまでは、次の制御に移ることができない。そのため、画像形成装置の制御周期ごとにPID制御の計算を行っていても、例えば、200msのPWM制御周期の場合、200ms過ぎないと次の出力に変更できない。これは、PWM制御だけの場合には問題はないが、環境温度変化や電源電圧変化等、何らかの理由でリニア制御に戻るケースにおいてはそれだけ反応が遅れることになる。この構成によれば、前記リニア制御に移行できる条件になった時点で、前記PWM制御の一周期終了を待たずに前記リニア制御に切り替えるので、サンプリング周期による制御の遅れを防止することができる。
本明細書は、2004年3月10日出願の特願2004−068032に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明は、複写機、ファクシミリ及びプリンタ等の画像形成装置の定着装置の定着速度が変化しても像加熱体の温度を目標温度に安定して保つことができ、また低コスト化及び高効率化を図ることを可能にすることである。
本発明の一実施の形態に係る像加熱装置を定着装置として用いた画像形成装置の構成を示す概略断面図 本実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略断面図 本実施の形態に係る定着装置の発熱量制御手段の構成を示すブロック図 本実施の形態に係る定着装置の制御状態遷移図 本実施の形態に係る定着装置のインバータ回路に入力される電流値と電圧値の取得方法の説明図 本実施の形態に係る画像形成装置が100v系電源に接続されている場合の目標電力値の取得方法の説明図、 本実施の形態に係る画像形成装置が200v系電源に接続されている場合の目標電力値の取得方法の説明図 本実施の形態に係る画像形成装置が100v系電源に接続されている場合の最小電力値の取得方法の説明図 本実施の形態に係る画像形成装置が200v系電源に接続されている場合の最小電力値の取得方法の説明図 本実施の形態に係る画像形成装置が100v系電源に接続されている場合の目標電力値と最小電力値とリミット電力値との関係を示す関係図 本実施の形態に係る画像形成装置が200v系電源に接続されている場合の目標電力値と最小電力値とリミット電力値との関係を示す関係図 本実施の形態に係る画像形成装置が100v系電源に接続されている場合の下限値データの取得方法の説明図 本実施の形態に係る画像形成装置が200v系電源に接続されている場合の下限値データの取得方法の説明図 本実施の形態に係る定着装置の電力立上制御状態における動作フローチャート 本実施の形態に係る定着装置の電力補正制御状態における動作フローチャート 本実施の形態に係る定着装置の温度制御状態における動作フローチャート 本実施の形態に係る定着装置の電力の変化及び定着ベルトのベルト温度の変化を示すグラフ 本実施の形態に係る定着装置の電源電圧と最低電力との関係を示す説明図 本実施の形態に係るプロセス速度が50mm/sec、制御周期が50msecの場合の前記定着ベルトのベルト温度の変化を示すグラフ 本実施の形態に係るプロセス速度が50mm/sec、制御周期が200msecの場合の前記定着ベルトのベルト温度の変化を示すグラフ 本実施の形態に係るプロセス速度が200mm/sec、制御周期が50msecの場合の前記定着ベルトのベルト温度の変化を示すグラフ 本実施の形態に係るプロセス速度が200mm/sec、制御周期が200msecの場合の前記定着ベルトのベルト温度の変化を示すグラフ 本実施の形態に係る前記プロセス速度とサンプリング周期と温度リップルとの関係を示す説明図 本実施の形態に係るPWM制御における10分割、20分割、5分割の場合の各%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係る定着装置における定着ベルトの最高温度部位Hから温度検出器の温度検出部位までのセンシング距離Lの説明図 本実施の形態に係るPWM制御におけるサンプリング周波数が10msの場合の100%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御におけるサンプリング周波数が20msの場合の50%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御におけるサンプリング周波数が30msの場合の33%及び66%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御におけるサンプリング周波数が40msの場合の25%,50%及び75%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御におけるサンプリング周波数が50msの場合の20%,40%,60%及び80%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御における10分割の場合の片寄せ制御と分散制御との10%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御における10分割の場合の片寄せ制御と分散制御との20%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御における10分割の場合の片寄せ制御と分散制御との30%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御における10分割の場合の片寄せ制御と分散制御との40%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御における10分割の場合の片寄せ制御と分散制御との50%の電源出力を示す模式図 本実施の形態に係るPWM制御の1周期が終わってから次の制御に移る方式における電力のグラフ 本実施の形態に係るPID制御の演算結果が最低電力を超えた場合にPWM制御の1周期内でも出力を増加させる方式における電力のグラフ 本実施の形態に係るPWM制御周期が終了した時点で次のリニア制御に移行する方式における電力のグラフ 本実施の形態に係るPID制御の演算結果が最低電力を上回った時点で即リニア制御に移行する方式における電力のグラフ

Claims (4)

  1. 記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、
    前記像加熱体を加熱する発熱手段と、
    前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、
    前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御すると共に、前記基準電力は、電源電圧で変化する像加熱装置。
  2. 記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、
    前記像加熱体を加熱する発熱手段と、
    前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、
    前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御に切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御し、
    前記像加熱体の回転速度に応じて前記PWM制御のサンプリング周期を変更すると共に、前記像加熱体の最高温度部位から前記温度検出手段の温度検出部位までの距離を前記像加熱体が所定のプロセス速度で移動する時間より短いサンプリング周期で前記PWM制御を行う像加熱装置。
  3. 記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、
    前記像加熱体を加熱する発熱手段と、
    前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、
    前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御に切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御し、
    前記像加熱体の回転速度に応じて前記PWM制御のサンプリング周期を変更すると共に、前記PWM制御のオン時間を制御周期内で分散させる像加熱装置。
  4. 記録媒体上の未定着画像を加熱する像加熱体と、
    前記像加熱体を加熱する発熱手段と、
    前記像加熱体の温度を検出する温度検出手段と、
    前記像加熱体の温度が前記記録媒体への前記未定着画像の加熱定着に適した画像定着温度に保たれるように前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記発熱手段へ電力を供給し発熱量を制御する発熱量制御手段と、を有し、
    前記発熱量制御手段は前記発熱手段へ供給する電力が所定の基準電力以上でリニア制御に前記所定の基準電力未満でPWM制御に切り替えて前記発熱手段の発熱量を制御し、
    前記像加熱体の回転速度に応じて前記PWM制御のサンプリング周期を変更すると共に、前記リニア制御のPID制御周期が前記PWM制御の制御周期より小さく、かつ前記PWM制御の制御周期内で前記リニア制御に移行できる条件になった時点で、前記PWM制御の一周期終了を待たずに前記リニア制御に切り替える像加熱装置。
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