JP4460139B2 - X線異物検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物に対し、X線を曝射したときのX線の透過量から被検査物中の異物を検出するX線異物検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線異物検出装置は、搬送ライン上を順次搬送されてくる例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物にX線を曝射し、この曝射したX線の透過量から被検査物中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入しているか否かを検出する装置である。
【0003】
この種のX線異物検出装置では、X線曝射時の被検査物の内部状態を示す画像表示や良否判定表示などが装置本体の前面に設けられた表示器の表示画面上に表示されるようになっている。
【0004】
図7はこの種の従来のX線異物検出装置の表示器の表示画面の一例を示している。図7に示す構成では、装置本体51の前面に対して2つの表示器52,53が並設され、各表示器52,53の表示画面の表示エリア52a,53aは装置本体51の寸法に応じて予め決められた大きさに固定されている。そして、一方の表示器52の表示エリア52aにはX線曝射時の被検査物の内部状態を示す画像A2が表示され、他方の表示器53の表示エリア53a上には被検査物の良否判定表示B2の他、総検査数、良品数、NG総数の検査結果表示C2が行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のX線異物検出装置は、搬送ラインの一部に設けられ、搬送ライン上に被検査物を順次搬送させて被検査物中の異物混入の有無を検査しているが、ユーザーのニーズや搬送ラインの都合などによってその日の搬送ライン上に搬送される被検査物の長さが異なる場合がある。また、被検査物として例えば包装や密封された製品を搬送する場合には、ほぼ一様な長さの被検査物が検査対象となるが、例えばバラ肉などの原料を被検査物として搬送ライン上を搬送する場合には、その長さもまちまちとなり、常に一様な長さの被検査物が搬送ライン上を搬送されるとは限らなかった。
【0006】
そして、図7に示す構成のX線異物検出装置を採用した場合には、X線曝射時の被検査物の内部状態を示す画像A2と、被検査物の良否判定表示B2や検査結果表示C2とが装置本体51の前面に並設された2つの表示器52,53に別々に表示され、各表示器52,53の表示エリア52a,53aの大きさが固定なので、特に、X線曝射時の被検査物の内部状態を示す画像A2に関しては、被検査物が長い場合でも短い場合でも同じように表示され、表示エリア52aからはみ出すような長い被検査物を全体にわたって一度に表示することができなかった。
【0007】
このため、従来は、図7に示すような表示器52,53とは別に設けられる画面切替キー54を操作し、表示器52の表示画面52aに表示される被検査物の画像A2を被検査物の動きに合わせてスクロール表示し、被検査物の全長にわたってスクロールする画面を目視しながら被検査物中の異物の混入の有無を確認しなければ対応できなかった。
【0008】
このように、従来のX線異物検査装置では、X線曝射時の被検査物の内部状態を示す画像A2を行う場合、被検査物の長さが表示器52の表示エリアよりも長いと、被検査物全体を一度に表示することができず、被検査物中に混入される異物の有無を一目で確認することができなかった。
【0009】
そこで、図7に示す構成において、十分な表示エリアを確保した2つの表示器を並設し、X線曝射時の被検査物の内部状態を示す画像表示と、被検査物の良否判定表示や検査結果表示を行うことも考えられるが、その場合、装置本体に占める表示器の設置スペースが大きくなり、装置本体の小型化の妨げになるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被検査物の長さに応じた最適な表示エリアでX線曝射時の内部状態を示す被検査物の全体画像を表示でき、被検査物中に混入される異物の有無を一目で確認することが可能なX線異物検出装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るX線異物検出装置は、被検査物2にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量から前記被検査物中の異物の有無を検査し、この検査結果を表示器6の表示エリア内に表示するX線異物検出装置1において、
前記被検査物の長さを決定し、前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像を前記表示器の表示エリア内に表示するように前記被検査物の長さに応じて前記表示エリア内での該全体画像の大きさを可変制御する表示制御手段15を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1のX線異物検出装置において、
前記表示制御手段15は、前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像の表示とともに、該被検査物の全体画像の大きさに応じて前記被検査物の良否判定表示の大きさを可変して前記表示器の表示エリア内に区分けして1画面表示することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1のX線異物検出装置において、
前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像を前記表示器6の表示エリア内に固定表示するモードと、前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像を前記表示器の表示エリア内に前記被検査物の動きに合わせてスクロール表示するモードとを選択的に切り替える手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかのX線異物検出装置において、
前記被検査物2を搬送させる搬送部3を備え、該搬送部による前記被検査物の搬送過程で前記被検査物中の異物の有無を検査することを特徴とする。
【0015】
本発明のX線異物検出装置では、被検査物2の長さに応じて表示器5における表示エリアの被検査物2の搬送方向の幅を可変制御し、被検査物2の長さに最適な表示エリアでX線曝射時の内部状態を示す被検査物2の全体画像を一度に表示している。これにより、順次搬送されてくる被検査物2を一つ一つ表示器6の表示画面を目視して被検査物2の良否を判断する場合、被検査物2中に混入される異物の有無を一目で確認でき、異物の混入位置も容易に確認することが可能となる。また、被検査物2が不良品と判別され、例えば不良品を示す「NG」が表示器6に表示された場合でも、表示画面の目視により被検査物2全体を一目で確認でき、異物の混入位置も容易に確認することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるX線異物検出装置の全体構成を示すブロック図、図2は同X線異物検出装置の外観を示す斜視図である。
【0017】
図1および図2に示すように、X線異物検出装置1は、搬送ラインの一部に設けられ、所定間隔をおいて順次搬送されてくる被検査物2中(表面も含む)に混入される異物の有無を検出するものである。このX線異物検出装置1は、搬送部3と異物検出部4とが装置本体1a内部に設けられ、設定入力部5と表示器6からなる操作パネル7が装置本体1aの前面上部に設けられている。
【0018】
図2に示すように、搬送部3は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物2を搬送するもので、例えば装置本体1aに対して水平に配置されたベルトコンベアで構成される。搬送部3は、駆動モータ6の駆動により予め設定された所定の搬送速度で図1の矢印方向に搬入口3aから搬入された被検査物2を搬出口3bへ搬出している。
【0019】
図1および図2に示すように、異物検出部4は、搬送される被検査物2を搬送路途中において異物を検出するもので、ベルトコンベア3の上方に所定高さ離れて設けられるX線発生器8と、ベルトコンベア3内にX線発生器8と対向して設けられるX線検出器9を備えて構成される。
【0020】
設定入力部5は、被検査物2の異物検査に関する各種設定や指示を与えるための複数のキーによって構成される。図1の例では、設定入力部5として、スタートキー5a、ストップキー5b、画面切替キー5cのみを示している。スタートキー5aは装置運転の開始を指示するときに操作され、ストップキー5bは装置運転の停止を指示するときに操作される。また、画面切替キー5cは、表示器6に表示される画像を固定表示するモードと、表示器6に表示される画像を被検査物2の動きに合わせてスクロール表示するモードのいずれかに選択的に画面を切り替えるときに操作される。
【0021】
X線発生器8は、金属製の箱体11内部に設けられる円筒状のX線管12を不図示の絶縁油により浸漬した構成であり、X線管12の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成している。X線管12は、その長手方向が被検査物2の搬送方向(図1の矢印方向)と直交するように設けられている。X線管12により生成されたX線は、下方のX線検出器9に向けて、長手方向に沿った不図示のスリットを介して、略円錐状のX線を略三角形状のスクリーン状にして曝射するようになっている。
【0022】
X線検出器9は、被検査物2に対してX線が曝射されたときに、被検査物2を透過してくるX線を検出し、この検出したX線の透過量に応じた電気信号を出力している。
【0023】
図示はしないが、X線検出器9には、例えばベルトコンベア3上を搬送される被検査物2の搬送方向(図1の矢印方向)と直交する方向にライン状に配列された複数のフォトダイオードと、フォトダイオード上に設けられたシンチレータとを備えたアレイ状のラインセンサが用いられる。このような構成によるX線検出器9では、被検査物2に対してX線発生器8からX線が曝射されたときに、被検査物2を透過してくるX線をシンチレータで受けて光に変換する。さらにシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるフォトダイオードによって受光される。そして、各フォトダイオードは、受光した光を電気信号に変換して出力する。このX線検出器9による電気信号は、図1に示す制御手段13に入力される。
【0024】
制御手段13には、ユーザーによって操作される設定入力部5からの信号が入力しており、例えば設定入力部5のスタートキー5aが操作されると装置の運転を開始し、ストップキー5bが操作されると装置の運転を停止するように各部(駆動モータ6、X線発生器8など)を制御している。また、制御手段13は、設定入力部5の画面切替キー5cが操作されたときに、表示器6に表示されるX線曝射時の被検査物2の全体画像A1を固定表示する固定表示モードと、前記画像A1を被検査物2の動きに合わせてスクロール表示するスクロール表示モードのいずれかに選択的に画面を切り替える画面切替指令を表示制御手段15に出力している。
【0025】
また、制御手段13には、被検査物2の通過を検出するための位置検出手段14からの信号が入力される。位置検出手段14は、例えばベルトコンベア3の搬入口3a側に設けられる一対の投受光器からなるフォトセンサで構成される。この構成により、被検査物2がフォトセンサの前を通過していない状態では、投光器から出射された光がそのまま受光器に受光される。これに対し、被検査物2がフォトセンサの前を通過している間は、投光器から出射された光が被検査物2によって遮られ、受光器が検出する受光量が減少する。そして、フォトセンサからは受光器が検出する受光量に応じた電気信号が制御手段13に入力される。例えば被検査物2がフォトセンサの前を通過していない状態では位置検出手段14からオフ信号が制御手段13に入力され、被検査物2がフォトセンサの前を通過している間では位置検出手段14からオン信号が制御手段13に入力される。
【0026】
さらに、制御手段13には、ベルトコンベア3の搬送速度を検出するための駆動モータ6に装備された不図示のエンコーダからの信号が入力している。制御手段13では、位置検出手段14が被検査物2の先端を検出してから後端を検出するまでの時間(位置検出手段14からの信号がオフからオンに切り換わって再度オフするまでの時間に相当)と、ベルトコンベア3の搬送速度から被検査物2の製品サイズ(長さ)を演算している。
【0027】
また、制御手段13は、位置検出手段14が被検査物2の先端を検出してから後端を検出するまでにX線検出器9から入力される電気信号を被検査物2のデータとして表示制御手段15に出力している。そして、制御手段13では、被検査物2を透過したX線の透過量に応じた電気信号に基づいて被検査物2中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入されているか否かの判別を行い、さらにこの判別結果から被検査物2の良否を判断し、被検査物2が良品又は不良品であるかを示す選別信号等を外部出力している。このときの被検査物2の検査結果は表示制御手段15にも入力される。
【0028】
表示制御手段15には、制御手段13から被検査物2の検査データや検査結果データ、表示データなどが入力される。表示制御手段15では、表示器6の表示エリア6aに対し、X線曝射時の被検査物2の全体画像A1と、良否判定判定表示B1や検査結果表示C1を一画面上で表示するべく、制御手段13からの各種データに基づいて表示器6の表示を制御している。また、表示制御手段15は、制御手段13から画面切替指令が入力されたときに、現在の表示が固定表示モードであればスクロール表示モードに切り替え、現在の表示がスクロール表示モードであれば固定表示モードに切り替えて表示器6の表示を制御している。
【0029】
上記のように構成されるX線異物検出装置1では、被検査物2がベルトコンベア3の搬入口3aより搬入されると、その搬送過程において被検査物2にX線発生器8からX線が曝射される。このX線の曝射に伴って被検査物2を透過してくるX線はX線検出器9によって検出される。そして、制御手段13は、X線検出器9によって検出されたX線の透過量に応じた電気信号に基づいて被検査物2中に異物が混入している否かを判別し、この判別結果から良品又は不良品を示す選別信号などを外部出力する。そして、上記検査を終えた被検査物2は、制御手段13から出力される選別信号に応じて良品と不良品とに選別される。
【0030】
ここで、上記被検査物2の検査にあたって、被検査物2の検査に関する表示(例えばX線曝射時の被検査物2の画像A1、「OK」,「NG」の良否判定表示B1、総検査数、良品数、NG総数の検査結果表示C1など)は、後述する表示処理を介して一つの表示器6の表示エリア6a内に区分けして同時に表示される。
【0031】
図3は上記X線異物検出装置1の表示制御手段15の内部構成を示すブロック図、図4は被検査物2が基準長さより短いときの表示状態の一例を示す図、図5は被検査物2が基準長さより長いときの表示状態の一例を示す図である。
【0032】
図3において、表示制御手段15は、表示制御部15a、表示アドレス生成部15b、画像処理部15c、情報表示データ記憶部(VRAM1)15d、画像データ記憶部(VRAM2)15e、情報表示データバッファ15f、画像データバッファ15gを備えて構成される。
【0033】
表示制御部15aは、X線検出器9の検出によって得られる被検査物2の画像データ以外の情報表示データ(例えば「OK」,「NG」の良否判定表示データ、総検査数、良品数、NG総数の検査結果データなど)を作成している。また、表示制御部15aは、被検査物2の長さに応じて変化した表示器6の表示エリア6a内の情報(例えば「OK」,「NG」の良否判定など)を表示エリア6aの別の場所に移動させ、この表示情報位置の移動に伴う表示情報サイズの変更を行っている。
【0034】
表示アドレス生成部15bは、情報表示データ記憶部15dの読み出しアドレスと画像データ記憶部15eの読み出しアドレスを被検査物2の長さに応じて生成している。また、表示アドレス生成部15bは、生成したアドレスに対応して情報表示データバッファ15fと画像データバッファ15gを切り替えている。
【0035】
画像処理部15cは、X線検出器9から制御手段13を介して入力される被検査物2の画像データを処理し、この処理された画像データを画像データ記憶部15eに書き込んでいる。
【0036】
情報表示データ記憶部15dは、表示アドレス生成部15bで生成されたアドレスに表示制御部15aからの表示情報(被検査物2の画像データ以外の情報表示データ:例えば良否判定情報)を記憶している。画像データ記憶部15eは、表示アドレス生成部15bで生成されたアドレスに画像処理部15cで処理された画像データを記憶している。
【0037】
情報表示データバッファ15fと画像データバッファ15gは、表示アドレス生成部15bによって生成されたアドレスに対応して切り替えが行われ、この切り替えによりいずれかのデータが表示器6に出力され、被検査物2の画像A1、良否判定表示B1および検査結果表示C1が表示器6の表示画面上の同一表示エリア6aの所定箇所に表示される。
【0038】
次に、上記X線異物検出装置1による被検査物2の検査結果を表示器6に表示する際の表示処理に関し、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】
まず、検査対象となる被検査物2の製品サイズを決定する(ST1)。本例では、X線異物検出装置2の機長(被検査物2の搬送方向のベルトコンベア3の長さ)を越えず、それよりも短いものを被検査物2の製品サイズとしている。そして、位置検出手段14が被検査物2の先端を検出してから後端を検出するまでの時間と、ベルトコンベア3の搬送速度から被検査物2の製品サイズ(長さ)を演算している。このような製品サイズの演算によれば、一様な長さの被検査物2に限定されず、異なる長さの被検査物2(例えばバラ肉などの原料や長さの異なる製品など)がベルトコンベア3上を搬送される場合の検査にも対応することができる。
【0040】
なお、一様な長さの被検査物2をベルトコンベア3上に搬送して検査を行う場合には、予め各品種毎の製品サイズを不図示の記憶手段に記憶させておき、設定入力部5から品種の入力があったときに、不図示の記憶手段から該当する品種の製品サイズを読み出すようにしてもよい。
【0041】
次に、製品長さが基準長さより長いか短いか判別する(ST2)。被検査物2が製品長さが基準長さより長いと判別されると、表示アドレス生成部15bに表示制御部15aより画像データ記憶部15eの表示エリアサイズデータを設定する(ST3)。この場合、画像データ記憶部15eのアドレスエリアを広く設定する。
【0042】
そして、画像データ記憶部15eの表示エリアサイズデータが設定されると、表示制御部15aは被検査物2の画像データ以外の情報表示データ(例えば「OK」,「NG」の良否判定結果)の表示エリアサイズを縮小し、表示位置を表示エリア6aの上部に移動する(ST4)。続いて、表示制御部15aは、情報表示データ記憶部15d上に画像データ記憶部15eの表示エリアサイズを長く設定する(ST5)。その後、運転を開始し(ST6)、被検査物2にX線を曝射して被検査物2中の異物の有無の検査を行う。
【0043】
したがって、被検査物2の製品長さが基準長さより長い場合には、上記表示処理を行うことにより、図4に示すように、X線曝射時の内部状態を示す被検査物2の全体画像A1が表示器6の表示エリア6a内の下方に一度に表示され、被検査物2の良否判定表示B1と検査結果表示C1が同一表示エリア6a内の上部に並んで表示される。
【0044】
これに対し、被検査物2の製品長さが基準長さより短いと判別されると、表示アドレス生成部15bに表示制御部15aより画像データ記憶部15eの表示エリアサイズデータを設定する(ST7)。この場合、画像データ記憶部15eのアドレスエリアを狭く設定する。
【0045】
そして、画像データ記憶部15eの表示エリアサイズデータが設定されると、表示制御部15aは被検査物2の画像データ以外の情報表示データ(例えば「OK」,「NG」の良否判定結果)の表示エリアサイズを拡大し、表示位置を表示エリア6aの上部に移動する(ST8)。続いて、表示制御部15aは、情報表示データ記憶部15d上に画像データ記憶部15eの表示エリアサイズを短く設定する(ST9)。その後、運転を開始し(ST6)、被検査物2の異物混入の検査を行う。
【0046】
したがって、被検査物2の製品長さが基準長さより短い場合には、上記表示処理を行うことにより、図5に示すように、X線曝射時の内部状態を示す被検査物2の全体画像A1が表示器6の表示エリア6a内の左方に一度に表示され、被検査物2の良否判定表示B1と検査結果表示C1が同一表示エリア6a内の右方に並んで表示される。
【0047】
なお、上記表示処理において、表示器6の表示エリア6a内に表示される被検査物2の全体画像A1は、通常固定表示モードに設定されているが、設定入力部5の画面切替キー5cが操作されたときは、固定表示モードからスクロール表示モードに変更され、被検査物2の全体画像A1が被検査物2の動きに合わせてスクロール表示される。
【0048】
このように、本例のX線異物検出装置1によれば、被検査物2の長さに応じて表示器5における表示エリア6aの被検査物2の搬送方向に対応する幅が可変制御されるので、被検査物2の長さに最適な表示エリアでX線曝射時の内部状態を示す被検査物2の全体画像を一度に表示することができる。その結果、ベルトコンベア3上を搬送されてくる被検査物2を一つ一つ表示器6の表示画面を目視して被検査物2の良否を判断する場合、被検査物2中に混入される異物の有無を一目で確認でき、異物の混入位置も容易に確認することができる。また、X線異物検出装置1から不良品を示す選別信号が外部出力され、表示器6に不良品を示す「NG」の表示がなされた場合でも、表示器6の表示画面を目視することにより被検査物2の全体を一目で確認でき、異物の混入位置を容易に確認することができる。
【0049】
また、X線曝射時の内部状態を示す被検査物2の全体画像A1と、被検査物2の良否判定などの検査結果を示す表示B1,C1とを一つの表示器6の限られた表示エリア6a内に区分けして効率的に表示することができる。これにより、一つの表示器6の限られた表示エリア6a内に異なる内容の表示を同時に行うことができ、図7に示すような従来の2つの表示器を用いた構成と比較して、装置本体に占める設置スペースも少なくなり、装置の小型化を図ることができる。
【0050】
さらに、設定入力部5の画面切替キー5cを操作すれば、X線曝射時の内部状態を示す被検査物2の全体画像A1を用途に応じて固定表示又は被検査物2の動きに合わせたスクロール表示に選択的に切り替えることができる。例えば前述した表示処理により表示器6の表示エリア6aを拡大した後、画面切替キー5cを操作して表示器6の表示画面をスクロール表示した場合には、被検査物2の全体画像A1が表示エリア6a内に止まる時間が長くなるので、被検査物2の異物混入の有無の見落としが減少し、より正確な検査を行うことが可能となる。
【0051】
ところで、上述した実施の形態では、被検査物2の長さが基準長さに対して長い場合と短い場合の2種類の被検査物2に対して表示器6の表示エリア6aを2段階で切り替える場合を例にとって説明したが、被検査物2の長さに応じて表示器6の表示エリア6aを複数段階で切り替える構成とすることもできる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、被検査物の長さに応じて表示器の表示エリア内での全体画像の大きさが可変制御されるので、被検査物の大きさに最適な表示エリアでX線曝射時の内部状態を示す被検査物の全体画像を一度に表示することができる。その結果、順次搬送される被検査物を一つ一つ表示器の表示画面を目視して被検査物の良否を判断する場合、被検査物中に混入される異物の有無を一目で確認でき、異物の混入位置も容易に確認することができる。また、被検査物が不良品と判定され、表示器に不良品を示す「NG」と表示された場合でも、表示画面を目視して被検査物全体を一目で確認でき、異物の混入位置も容易に確認することができる。
【0053】
また、X線曝射時の被検査物の内部状態を示す全体画像と、被検査物の良否判定などの検査結果を示す表示とを一つの表示器の限られた表示エリア内に区分けして効率的に表示することができる。これにより、一つの表示器の限られた表示エリア内に異なる内容の表示を同時に行うことができ、従来の2つの表示器を用いた構成と比較して、装置本体に占める設置スペースも少なくなり、装置の小型化を図ることができる。
【0054】
さらに、X線曝射時の内部状態を示す被検査物の全体画像を用途に応じて固定表示又は被検査物の動きに合わせたスクロール表示に選択的に切り替えることができる。例えば表示器の表示エリアを拡大して表示画面をスクロール表示に切り替えれば、被検査物の全体画像が表示エリア内に止まる時間が長くなるので、被検査物の異物混入の有無の見落としが減少し、より正確な検査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線異物検出装置の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明によるX線異物検出装置の外観を示す斜視図
【図3】本発明によるX線異物検出装置の表示制御手段の内部構成を示すブロック図
【図4】本発明によるX線異物検出装置において被検査物が基準長さより短いときの表示状態の一例を示す図
【図5】本発明によるX線異物検出装置において被検査物が基準長さより長いときの表示状態の一例を示す図
【図6】本発明によるX線異物検出装置において被検査物の検査結果を表示器に表示する際の処理に関するフローチャート
【図7】従来のX線異物検出装置の表示器の表示画面の一例を示す図
【符号の説明】
1…X線異物検出装置、2…被検査物、5…設定入力部、5c…画面切替キー、6…表示器、6a…表示エリア、15…表示制御手段。
Claims (4)
- 被検査物(2)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量から前記被検査物中の異物の有無を検査し、この検査結果を表示器(6)の表示エリア内に表示するX線異物検出装置(1)において、
前記被検査物の長さを決定し、前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像を前記表示器の表示エリア内に表示するように前記被検査物の長さに応じて前記表示エリア内での該全体画像の大きさを可変制御する表示制御手段(15)を備えたことを特徴とするX線異物検出装置。 - 前記表示制御手段(15)は、前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像の表示とともに、該被検査物の全体画像の大きさに応じて前記被検査物の良否判定表示の大きさを可変して前記表示器の表示エリア内に区分けして1画面表示することを特徴とする請求項1記載のX線異物検出装置。
- 前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像を前記表示器(6)の表示エリア内に固定表示するモードと、前記X線曝射時の内部状態を示す前記被検査物の全体画像を前記表示器の表示エリア内に前記被検査物の動きに合わせてスクロール表示するモードとを選択的に切り替える手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のX線異物検出装置。
- 前記被検査物(2)を搬送させる搬送部(3)を備え、該搬送部による前記被検査物の搬送過程で前記被検査物中の異物の有無を検査することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のX線異物検出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2000325780A JP4460139B2 (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | X線異物検出装置 |
Publications (2)
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