JP3860144B2 - X線検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を曝射したときのX線の透過量から被検査物中の異物を検出するX線検査装置に関し、特に被検査物の内容物の欠品を正確に検出できるX線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線異物検出装置は、搬送ライン上を順次搬送されてくる各品種の被検査物(例えば、生肉、魚、加工食品、医薬など)にX線を曝射し、この曝射したX線の透過量から被検査物中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入しているか否かを検出する装置である。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては下記のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−228761号公報
【0004】
ところで、被検査物としてトレイや箱などの収容体に内容物が収容されている場合、この種のX線異物検出装置では、被検査物における異物混入の有無を判定する前処理の段階で収容体内での内容物の有無を検出して欠品(不良品)判別が行われる。
【0005】
この欠品判定処理では、収容体における内容物の収容位置を想定した座標軸位置に欠品検出用マスク領域を予め設定し、X線曝射時のX線透過データに基づいて画像展開した内容物と、欠品検出用マスク領域とを重ね合わせ、欠品検出用マスク領域内に内容物が存在すればその被検査物を正常と判断し、欠品検出用マスク領域内に内容物が存在しなければその被検査物を欠品(不良品)と判断している。
【0006】
しかしながら、上述した従来の欠品判定処理では、欠品検出用マスク領域内に完全に内容物が重ならなければ被検査物が欠品と判断しているため、収容体内で内容物が移動した場合、内容物が収容体に存在していても欠品と誤判断することがあった。
【0007】
そこで、上記問題に対処するため、本件出願人は、上記特許文献1に開示されるX異物検出装置を既に提案している。この特許文献1に開示されるX線異物検出装置では、被検査物として内容物が収容された収容体の先端位置を基準として欠品検出用マスク領域を設定し、この設定された欠品検出用マスク領域内に占める内容物の面積の割合によって欠品の有無を判断している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示されるX線異物検出装置によれば、収容体としての包装体やトレイがある程度剛性を有していれば、収容体の先端位置が変化しないので、収容体内の内容物の欠品を高精度に検出することができる。しかし、搬送方向に対して収容体の先端にバラツキがある場合には、検出される収容体の先端の位置によって欠品検出用マスク領域が全体的にずれてしまい、欠品の誤判断を招くおそれがあった。
【0009】
さらに具体例を示して説明すると、収容体として例えばフィルム状の包装体に複数の内容物が袋詰めされた被検査物の場合には、包装体内での搬送方向に対する内容物の移動量は極めて少ない。ところが、この種の被検査物の収容に用いられる収容体Sは、図7(a),(b)に示すように、シール部Saの折れ曲がり具合によってバラツキがある。
【0010】
このようなシール部Saの状態にバラツキのある被検査物Wを欠品検査対象とした場合、上記特許文献1に開示されるX線異物検出装置では、包装体Sのシール部Saの先端位置Pを基準として欠品検出用マスク領域を設定する。このため、図7(a)の状態では、包装体Sのシール部Saの先端位置P1を基準として欠品検出用マスク領域が設定される。これに対し、図7(b)の状態では、折れ曲がったシール部Saの先端位置P2を基準として欠品検出用マスク領域が設定される。したがって、上記特許文献1に開示されるX線異物検出装置を採用した場合には、図7(a),(b)に示すように、包装体Sのシール部Saのバラツキによる先端位置のずれ分t1だけ欠品検出用マスク領域が搬送方向に対して全体的にずれてしまい、欠品検出用マスク領域内に占める内容物Waの面積の割合が変化して誤った欠品検査を行うおそれがあった。
【0011】
また、例えば焼売や餃子を内容物Waとするレトルト食品の場合には、図8に示すように、被検査物Wとして複数の焼売や餃子が内容物としてトレイTの上に配置された状態でフィルム状の包装体Sに包装される。このような場合、包装体Sのシール部Saの先端位置が変化しなくても、包装体S内でトレイTが搬送方向に対して移動することがある。
【0012】
このため、上記特許文献1に開示されるX線異物検出装置を採用して欠品検査を行うと、包装体Sの先端位置を基準として欠品検出用マスク領域を設定するので、トレイTの移動量分だけ欠品検出用マスク領域が搬送方向に対して全体的にずれてしまい、上記同様、欠品検出用マスク領域内に占める内容物Waの面積の割合が変化して誤った欠品検査を行うおそれがあった。
【0013】
ところで、上記のように包装体S内のトレイT上に複数の内容物Waが配置された被検査物Wを欠品検査対象とした場合、図8に示す包装体S内のトレイTの先端位置P3を基準として欠品検出用マスク領域を設定することも考えられる。しかし、通常、この種のトレイTは薄く形成されているものが多く、X線曝射時のX線透過データからではトレイTの判別がつきにくく、X線による検出が困難であった。仮に、トレイTの先端位置P3を検出できて、トレイTの先端位置P3を基準として欠品検出用マスク領域を設定した場合でも、図8(a),(b)に示すように、包装体S内のトレイT上で内容物Waが搬送方向に対して移動すると、この内容物Waの移動量t2分だけ検品検出用マスク領域が全体的にずれてしまい、上記同様、欠品検出用マスク領域内に占める内容物Waの面積の割合が変化して誤った欠品検査を行うおそれがあった。
【0014】
そこで、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであって、搬送方向に対する位置ずれによる影響を少なくして安定した欠品検査を行うことができるX線検査装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
請求項1記載のX線検査装置は、内容物を収容体に収容して搬送される被検査物WにX線を曝射し、このX線の曝射に伴うX線透過量に基づいて前記被検査物の検査を行うX線検査装置1において、
前記被検査物の内容物に適合する欠品検出用マスク領域Mを設定し、前記被検査物へのX線の曝射時に得られる前記被検査物の内容物WaのX線透過画像に基づいて検出される前記収容体の搬送方向先頭に位置する内容物の略先端位置を基準位置RFとして、前記内容物のX線透過画像と前記欠品検出用マスク領域とを重ね合わせて前記内容物の欠品の有無を判別する信号処理手段14を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載のX線検査装置は、内容物を収容体に収容して搬送される被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴うX線透過量に基づいて前記被検査物の検査を行うX線検査装置1において、
前記被検査物の内容物に適合する欠品検出用マスク領域Mを設定するマスク領域設定手段15aと、
前記被検査物へのX線の曝射時に得られる前記被検査物の内容物WaのX線透過画像と、前記被検査物の内容物の配置に応じて予め設定された基準位置検出リミット値とを比較し、該基準位置検出リミット値を最初に越える前記内容物のX線透過画像の位置を前記収容体の搬送方向先頭に位置する内容物の略先端位置と判別し基準位置RFとして算出する基準位置算出手段19と、
前記基準位置算出手段が算出した基準位置を基準として、前記内容物のX線透過画像と前記欠品検出用マスク領域とを重ね合わせて前記内容物の欠品の有無を判別する判別手段20とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載のX線検査装置は、請求項2記載のX線検査装置において、
前記判別手段20は、前記欠品検出用マスク領域M内に含まれる前記内容物WaのX線透過画像の面積の割合と、予め設定された基準値との比較に基づいて前記内容物の欠品の有無を判別することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るX線検査装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明に係るX線検査装置の外観図、図2は本発明に係るX線検査装置の電気的構成を示すブロック図、図3(a)〜(c)は本発明に係るX線検査装置で検査される欠品検査対象とそのX線透過画像のレベルを示す図、図4は欠品検出用マスク領域の一例を示す図、図5は収容体に収容される被検査物の抽出画像の一例を示す図、図6(a)は収容体内に被検査物が正常に収容された状態を示す図、図6(b)は被検査物が欠品状態を示す図、図6(c)は面積比による判別処理を説明するための図である。なお、図3(c)は内容物のみを強調した濃淡レベルを概略的に示している。
【0020】
本例のX線検査装置1は、搬送ラインの一部に設けられ、所定間隔をおいて順次搬送されてくる被検査物の欠品検査(内容物の欠品の有無)や被検査物の異物混入検査(被検査物中の異物混入の有無)を行うものである。
【0021】
特に、本例のX線検査装置1は、被検査物として内容物が収容体に収容された場合の欠品検査を安定して行う場合に適している。
【0022】
欠品検査対象となる被検査物は、内容物が収容体に収容されたものであり、正常な状態で内容物が収容体内で半個分以上の移動が無いものとしている。具体的には、図3に示すような被検査物Wとして内容物Waが包装体Sにより包装されたもの、図8に示すような被検査物Wとして内容物WaがトレイT上に並べられて包装体Sにより包装されたものなどがある。
【0023】
なお、本例では、包装体Sのみ又はトレイTを内包する包装体Sを収容体と称している。また、本例では、被検査物Wとして8つの内容物Waが包装体Sに収容されたものを例にとって説明している。
【0024】
図1に示すX線検査装置1は、搬送部2と異物検出部3とが装置本体4内部に設けられ、表示器5が装置本体4の前面上部に設けられている。
【0025】
搬送部2は、内容物Waが収容体(包装体S、又は包装体SとトレイTの組み合わせ)に収容された同一品種の被検査物Wを、所定間隔をおいて順次搬送している。この搬送部2は、例えば装置本体4に対して水平に配置されたベルトコンベアで構成することができる。搬送部2は、図1に示す駆動モータ6の駆動により予め設定された所定の搬送速度で搬入口7から搬入された被検査物Wを搬出口8側(図1の搬送方向X)に向けて搬送させる。
【0026】
異物検出部3は、搬送される被検査物Wを搬送路途中において欠品の有無や異物混入の有無を検出するもので、搬送部2の上方に所定高さ離れて設けられるX線発生器9と、搬送部2内にX線発生器9と対向して設けられるX線検出器10を備えて構成される。
【0027】
X線発生器9は、金属製の箱体11内部に設けられる円筒状のX線管12を不図示の絶縁油により浸漬した構成であり、X線管12の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成している。X線管12は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向Xと直交する方向(図1のY方向)に設けられている。X線管12により生成されたX線は、下方のX線検出器10に向けて、長手方向に沿った不図示のスリットにより略三角形状のスクリーン状にして曝射するようになっている。
【0028】
X線検出器10は、収容体Sに収容された被検査物Wに対してX線が曝射されたときに、被検査物Wを透過してくるX線を検出し、この検出したX線の透過量に応じた電気信号を出力している。このX線検出器10は、搬送部2上を搬送される被検査物Wの搬送方向Xと直交するY方向に沿って設けられる。このX線検出器10には、ライン状に配列された複数のフォトダイオードと、フォトダイオード上に設けられたシンチレータとを備えたアレイ状のラインセンサが用いられる。
【0029】
図2に示すように、搬送部2の搬入口7側には、被検査物Wの通過を検出するための位置検出手段13が設けられている。この位置検出手段13は、例えば搬送部2としてのベルトコンベアの入口側に設けられる一対の投受光器からなるフォトセンサで構成される。この構成により、被検査物Wがフォトセンサの前を通過している間では位置検出手段13からオン信号が信号処理手段14にタイミング信号として入力される。
【0030】
このような構成によるX線検出器10では、搬送部2上を搬送される被検査物Wに対してX線発生器9からX線が曝射される。そして、この被検査物WへのX線の曝射に伴って被検査物Wを透過してくるX線をシンチレータで受けて光に変換する。このシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるフォトダイオードによって受光される。そして、各フォトダイオードは、受光した光を電気信号に変換して出力する。このX線検出器10は、受けたX線の強さに対応したレベルを有した電気信号を信号処理手段14に出力する。
【0031】
図2において、信号処理手段14は、CPUやメモリなどを備えて構成され、位置検出手段13が被検査物Wを検出したときのオン信号をタイミング信号とし、位置検出手段13がオン信号を出力している期間が被検査物W(包装体S)の長さと判断し、X線検出器10からの電気信号を取り込んで各種信号処理を行っている。
【0032】
図2に示すように、信号処理手段14は、設定入力手段15、記憶手段(データメモリ)16、画像処理手段17を備えている。
【0033】
設定入力手段15は、被検査物Wとして包装体Sに収容された内容物Waの欠品検査や異物混入検査に関する各種設定、表示に関する各種設定、各種指示を与えるためのユーザが操作する複数のキーやスイッチ等で構成される。
【0034】
図2に示すように、設定入力手段15はマスク領域設定手段15aを有している。このマスク領域設定手段15aは、被検査物Wとして包装体Sに収容された内容物Waの欠品検査を行う際に、収容体内の内容物Waの配置に応じて被検査物W毎に予め記憶された複数種類の欠品検出用マスク領域Mのうち、検査対象となる被検査物Wの内容物Waに適合する欠品検出用マスク領域Mを設定している。この欠品検出用マスク領域Mは、図4に示すように、最初の内容物Waの略先端位置を基準として、座標軸位置x,y及びマスク範囲xL,yLを各マスク領域毎に設定することにより選択設定される。図4及び図5に示すように、欠品検出用マスク領域Mは、基準位置RFを基準とし、各マスク領域の座標軸位置x,yが被検査物Wの対応する各内容物Waのほぼ中心に位置し、マスク範囲xL,yLが内容物Waの大きさに応じて設定される。
【0035】
さらに説明すると、上記設定項目の座標軸位置x,y及びマスク範囲xL,yLは、検査を行う前の初期設定時に実際に被検査物Wを搬送部2で搬送させて設定することができる。例えば収容体内に欠品なく収容した被検査物をサンプルとして複数用意し、搬送部2で搬送させながら上記設定項目を変化させて「OK」と判別されるか確認する。その際、座標軸位置x,yを収容体内で各所に移動させ、また、マスク範囲xL,yLを変化させて全てのサンプルで「OK」と判別されるか確認する。そして、上記設定項目に加え、面積比Bを可変させて全てのサンプルで「OK」となったときの値を最良の設定とする。なお、上記設定を行う際には、収容体に内容物を収容しない状態のサンプルについて全て「NG」と判別されるか確認しておく。
【0036】
また、設定入力手段15は、上記設定の他、搬送部2の搬送速度の設定、後述する基準位置RFを算出する際の基準となる基準位置検出リミット値の設定、後述する欠品の有無の判別に使用する面積比Bの設定、被検査物W中の異物の混入の有無を判別するための基準となる異物検出リミット値を設定している。
【0037】
なお、上記面積比Bや各検出リミット値は、内容物Waが包装体S内に占める面積の割合、包装体Sの種類、被検査物Wの品種、検出対象となる異物の種類などに応じて適宜設定可能とされている。
【0038】
記憶手段16には、各被検査物W毎のX線透過データが格納される。このX線透過データは、X線検出器10からの電気信号を不図示のA/D変換器によりA/D変換したデータを位置検出手段13の検出タイミングで取り込むことにより得られる。さらに説明すると、この記憶手段16には、1つの被検査物Wの検査を行う毎に、X線検出器10の1ライン(図1のY方向)あたり例えば640個のX線透過データが、少なくとも搬送される被検査物Wの搬送方向の長さ(前端から後端までの検出期間に相当)に対応した所定ライン数(480ライン)だけ格納される。
【0039】
画像処理手段17は、記憶手段16に格納された1つの被検査物WのX線透過データに基づいて各種画像処理を行っており、内容物画像抽出手段18、マスク基準位置算出手段19、判別手段20を備えている。また、画像処理手段17は、X線検出器10が出力したX線透過量を示す画像データを表示器5に表示出力している。その際、被検査物W内の異物部分の表示濃度を他の部分と異なるように濃く表示したり、異物部分以外と異なる色で表示している。これにより、包装体S内に内容物Waが収容された被検査物Wを平面で見た外形の状態と、この被検査物W内でのX線の透過具合を表示器5の表示画面上で確認することができ、異物の混入位置も把握できる。また、画像処理手段17は、「OK」,「NG」の良否判定結果や総検査数、良品数、NG総数などの検査結果を表示器5に表示出力している。
【0040】
内容物画像抽出手段18は、記憶手段16に格納されたX線透過データに基づくX線透過画像から図5に示すような包装体Sを除く被検査物Wの内容物Waのみの抽出画像Aを抽出している。この内容物Waのみの抽出画像Aを抽出する際には、予め設定入力手段15により収容体と内容物Waの各X線透過量の略中間レベル付近に検出リミット値を設定しておく。一般に、内容物Waの方が収容体よりもX線透過量が低いので、内容物画像抽出手段18は、記憶手段16のX線透過データに基づくX線透過画像において、検出リミット値より低い領域を内容物Waと判定し、内容物Waのみの抽出画像Aを抽出する。この内容物Waのみの抽出画像Aは、所定の濃淡レベルを有する画像として処理される。
【0041】
マスク基準位置算出手段19は、被検査物WへのX線の曝射時に得られる被検査物Wの内容物Waの抽出画像Aの濃淡レベルと、被検査物Wの内容物Waの配置に応じて予め設定された基準位置検出リミット値とを比較し、基準位置検出リミット値を最初に越える内容物Waの濃淡レベルの位置を収容体(包装体S又はトレイTを内包する包装体S)の先頭に位置する内容物Waの略先端位置と判別し、この略先端位置を基準位置RFとして算出している。
【0042】
さらに説明すると、このマスク基準位置算出手段19では、内容物画像抽出手段18によって抽出された被検査物Wの内容物Waのみの所定の濃淡レベルを有する抽出画像Aが入力されると、この抽出画像Aの各ライン(搬送方向と直交する方向)毎の画素の濃淡レベルと、予め設定入力手段15で設定された基準位置検出リミット値とを比較する。そして、ライン毎の画素の濃淡レベルが基準位置検出リミット値を越えた位置を最初の内容物Waの先頭位置と判断し、その位置を基準位置RFとして算出している。なお、上記基準位置検出リミット値は、被検査物Wの内容物Waに応じて設定入力手段15から予め設定されており、被検査物Wの内容物Waが検出できる値に設定される。例えば被検査物Wの内容物Waが球形状の場合には、内容物Waと搬送部2のベルト面との中間値に設定される。
【0043】
判別手段20は、欠品判別手段20a、異物判別手段20b、良否判別手段20cを有している。欠品判別手段20aは、マスク領域設定手段15aにより予め設定された欠品検出用マスク領域Mを読み出し、マスク基準位置算出手段19により内容物Waの先頭位置の検出に基づいて算出された基準位置RFを基準として、読み出した欠品検出用マスク領域Mと、内容物Waの抽出画像Aとを重ね合わせて欠品の有無を判別している。この欠品の有無の判別処理は、以下に説明する各画素の論理積演算によって行われる。この論理積演算は、画素単位で走査して行われ、重ね合わせの状態で欠品検出用マスク領域Mの範囲内に内容物Waの抽出画像Aが位置していれば、その画素を1つづつカウントしていく。設定される欠品検出用マスク領域Mは画素数nを有しており、欠品検出用マスク領域Mに含まれる内容物Waの抽出画像Aの画素数までカウント値CNTが増加していくことになる。
【0044】
図6(a)は包装体S内に内容物Waが正常に収容された状態を示す図である。図6(a)には、欠品検出用マスク領域Mと、内容物Waの抽出画像Aを重ね合わせた状態が示されている。この図6(a)の状態では、欠品検出用マスク領域Mに内容物Waの抽出画像Aの全てが含まれるので、カウント値CNTは欠品検出用マスク領域Mの画素数nに一致(厳密にはほぼ一致)する値となる。
【0045】
欠品判別手段20aは、上記カウント値CNTと、欠品検出用マスク領域Mの画素数n×面積比Bとを比較し、カウント値CNTの方が高ければ「OK」、カウント値CNTの方が低ければ「NG(欠品)」と判別する。図6(a)の例では、カウント値CNTが欠品検出用マスク領域Mの画素数nにほぼ一致するので、「OK」、すなわち包装体S内に内容物Waが存在していると判断する。このときの判別結果は、判別信号(OK信号、又はNG信号)として良否判別手段20cに出力される。
【0046】
図6(b)は内容物Waの欠品状態を示す図である。図6(b)のように、包装体S内において内容物Waが存在しない状態(欠品)のとき、欠品検出用マスク領域Mと、内容物Waの抽出画像Aを重ね合わせた状態では、欠品検出用マスク領域Mに内容物Waの抽出画像Aが含まれないので、カウント値CNTは0(厳密には限りなく0に近い値)となる。この場合、欠品判別手段20aは、上記カウント値CNTと、欠品検出用マスク領域Mの画素数n×面積比Bとを比較すると、カウント値CNTの方が低いので、「NG(欠品)」と判別する。このときの判別結果は、判別信号(NG信号)として良否判別手段20cに出力される。
【0047】
図6(c)は面積比による内容物Waの検出状態を示す図である。X線検出時に、被検査物Wは、包装体S内で内容物Waが僅かながらも移動したり、包装体S内で内容物Waを載せたトレイTが移動することがある。このため、本例では、欠品検出用マスク領域M内に占める内容物Waの抽出画像Aの面積の割合によって内容物Waの存在の有無を判別している。
【0048】
図6(c)の場合、欠品検出用マスク領域Mと、内容物Waの抽出画像Aを重ね合わせた状態では、内容物Waの抽出画像Aの一部(図示の例では略半部の50%)のみが欠品検出用マスク領域Mに重なり、欠品検出用マスク領域M全体には含まれない状態である。この場合、カウント値CNTは2/nとなる。ここで、設定入力手段15により面積比Bとして40%が設定されていれば、欠品判別手段20aは、カウント値CNTと、欠品検出用マスク領域Mの画素数n×面積比B(40%)とを比較し、カウント値CNTの方が高いので、判別結果は「OK」、すなわち、包装体S内に内容物Waが存在していると判断する。
【0049】
異物判別手段20bは、被検査物Wの内容物領域において、内容物領域内で濃淡レベルが他と違う部分を異物として判断している。さらに説明すると、異物判別手段20bは、記憶手段16に格納された被検査物WのX線透過データの濃淡レベルと、設定入力手段15により予め設定された異物検出リミット値とを比較し、X線透過データが異物検出リミット値を越えたときに、その被検査物Wに異物が混入していると判断している。このときの判別結果は、判別信号(OK信号、又はNG信号)として良否判別手段20cに出力される。なお、異物検出リミット値は、被検査物W毎に適宜設定入力手段15から設定可能となっている。
【0050】
良否判別手段20cは、欠品判別手段20aからの判別信号と異物判別手段20bからの判別信号に基づき、その被検査物Wが正常又は不良を示す選別信号を外部出力している。
【0051】
すなわち、この良否判別手段20cでは、欠品判別手段20a及び異物判別手段20bの両方から正常を示す判別信号(OK信号)が入力されると、その被検査物Wに欠品及び異物混入無しと判別し、正常を示す選別信号を外部出力する。これに対し、欠品判別手段20aから欠品を示す判別信号(NG信号)が入力されるか、異物判別手段20bから異物混入を示す判別信号(NG信号)が入力されると、被検査物Wに欠品又は異物混入有りと判別し、不良を示す選別信号を外部出力する。
【0052】
表示器5の表示画面には、判別手段20の判別結果に基づいて被検査物Wを平面視したX線透過画像、「OK」や「NG」の良否判定結果、総検査数、良品数、NG総数などの検査結果が設定入力手段15からの所定のキー操作に基づいて表示される。
【0053】
上記構成のX線検査装置1を用いて包装体Sに収容された被検査物Wの欠品検査を行う場合には、信号処理手段14において以下の処理が実行される。まず、検査対象となる被検査物Wの品種に応じて最適な欠品検出用マスク領域Mをマクス領域設定手段15aより予め入力しておく。
【0054】
搬送部2上を搬送される被検査物WにX線が曝射されると、このX線の曝射に伴うX線透過データが記憶手段16に格納される。そして、画像処理手段17は、記憶手段16に格納されたX線透過データから全体の濃淡画像(被検査物Wと搬送部2のベルト面を含む全体画像)を作成する。
【0055】
次に、内容物抽出手段18は、作成されたX線透過画像の全体の濃淡画像から包装体Sを除く被検査物Wの内容物Waのみの抽出画像Aを抽出する。
【0056】
次に、マスク基準位置算出手段19は、抽出された被検査物Wの内容物Waのみの抽出画像Aの各ライン(図1の搬送方向Xと直交するY方向)毎の画素の濃淡レベルと、予め設定入力手段15で設定された基準位置検出リミット値とを比較する。そして、ライン毎の画素の濃淡レベルが基準位置検出リミット値を越えた位置を最初の内容物Waの略先端位置と判断し、この略先端位置を基準位置RFとして算出する。
【0057】
その後、欠品判別手段20aは、マスク領域設定手段15aから予め設定された欠品検出用マスク領域Mを読み出し、マスク基準位置算出手段19により算出された先頭の内容物Waの略先端位置である基準位置RFを基準として、欠品検出用マスク領域Mと、内容物Waの抽出画像Aとを重ね合わせ、前述した判別処理により欠品の有無を判別する。
【0058】
ところで、本例のX線検査装置1では、上述した被検査物Wの欠品検査とともに、被検査物WにX線を曝射したときのX線透過量から被検査物W中の異物混入の有無の検査も行われる。
【0059】
被検査物W中の異物混入の有無を検査する場合には、記憶手段16に記憶されたX線透過データと、設定入力手段15により予め設定された異物検出リミット値とを比較する。そして、X線透過データが異物検出リミット値を越えたときに、その被検査物Wに異物が混入していると判断する。
【0060】
このように、本例のX線検査装置では、搬送されて来る被検査物の収容体内の先頭に位置する内容物の略先端位置を検出し、この検出した略先端位置を基準位置として、欠品検出用マスク領域と、被検査物の内容物の抽出画像とを重ね合わせて被検査物の内容物の欠品検査を行うので、収容体内での内容物の移動や内容物を載せたトレイなどの移動による位置のバラツキに影響されることなく、安定した欠品検査を行うことができる。
【0061】
具体的には、図3(c)に示すように、包装体S内の最初の内容物Waの略先端位置を基準位置RFとして、欠品検出用マスク領域Mと内容物Waの抽出画像を重ね合わせて欠品検査を行うので、図3(a),(b)に示す如く包装体Sのシール部Saに折れ曲がりなどによるバラツキがあっても、このバラツキに影響されることなく、正確な欠品検査を行うことができる。
【0062】
また、包装体S内の最初の内容物Waが欠落している場合には、その次の内容物Waの略先端位置が基準位置RFとして、欠品検出用マスク領域Mと内容物Waの抽出画像を重ね合わせるため、欠品検出用マスク領域Mが全体的に搬送方向にずれることになるが、欠品と判別されるマスク領域が存在するので、誤って欠品無しと判別するのを防止できる。
【0063】
さらに、実際には収容体内に内容物が存在していても、収容体内で内容物や内容物を載せたトレイが移動してずれた状態のままX線検出される場合がある。しかし、本例のX線検査装置では、欠品検査時に、欠品検出用マスク領域内に含まれる内容物のX線透過画像の割合と、予め設定された基準値(欠品検出用マスク領域の画素数×面積比)との比較に基づいて内容物の欠品の有無を判別するので、誤って「NG(欠品)」と判別するのを防止でき、欠品判別の信頼性を向上させることができる。しかも、欠品検出用マスク領域内に内容物全体が含まれない場合でも、欠品検出用マスク領域内に重なる内容物の面積の割合が予め設定された面積比以上であれば、内容物が存在するものとして検出することができる。
【0064】
さらに、被検査物の内容物の欠品検査に加え、被検査物中の異物混入検査も同時に行うので、異なる検査項目を1つの装置で行え、設備費を抑えることができる。
【0065】
ところで、上述した実施の形態では、1つの内容物Waに対して1つのマスク領域が割り当てられた欠品検出用マスク領域Mを用いる構成としたが、1つの内容物Waに対して複数のマスク領域を割り当てた欠品検出用マスク領域を用いることも可能である。この場合、内容物Waの欠品検査に加え、内容物Waの一部欠けなどの欠損を検出することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るX線検査装置によれば、被検査物の収容体内の搬送方向先頭に位置する内容物の略先端位置を検出し、この検出した略先端位置を基準位置として、欠品検出用マスク領域と、被検査物の内容物の抽出画像とを重ね合わせて被検査物の内容物の欠品検査を行うので、収容体内での内容物の移動や内容物を載せたトレイの移動による位置のバラツキに影響されず、安定した欠品検査を行うことができる。
【0067】
また、収容体内で内容物や内容物を載せたトレイが移動してずれた状態のままX線検出された場合であっても、欠品検出用マスク領域内に含まれる内容物のX線透過画像の面積の割合と、予め設定された基準値との比較に基づいて内容物の欠品の有無を判別するので、誤判別を防止して欠品判別の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線検査装置の外観図である。
【図2】本発明に係るX線検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)〜(c)本発明に係るX線検査装置で検査される欠品検査対象とそのX線透過画像のレベルを示す図である。
【図4】欠品検出用マスク領域の一例を示す図である。
【図5】収容体に収容される被検査物の抽出画像の一例を示す図である。
【図6】(a)収容体内に被検査物が正常に収容された状態を示す図である。
(b)被検査物が欠品状態を示す図である。
(c)面積比による判別処理を説明するための図本発明に係るX線検査装置の外観図である。
【図7】収容体に収容された被検査物の一例を示す図であって、特許文献1のX線異物検出装置を採用した場合の課題を説明するための図である。
【図8】収容体に収容された被検査物の他の例を示す図であって、特許文献1のX線異物検出装置を採用した場合の課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1…X線検査装置、14…信号処理手段、15a…マスク領域設定手段、19…マスク基準位置算出手段、20…判別手段、W…被検査物、Wa…内容物、S…収容体、Sa…シール部、RF…基準位置。

Claims (3)

  1. 内容物を収容体に収容して搬送される被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴うX線透過量に基づいて前記被検査物の検査を行うX線検査装置(1)において、
    前記被検査物の内容物に適合する欠品検出用マスク領域(M)を設定し、前記被検査物へのX線の曝射時に得られる前記被検査物の内容物(Wa)のX線透過画像に基づいて検出される前記収容体の搬送方向先頭に位置する内容物の略先端位置を基準位置(RF)として、前記内容物のX線透過画像と前記欠品検出用マスク領域とを重ね合わせて前記内容物の欠品の有無を判別する信号処理手段(14)を備えたことを特徴とするX線検査装置。
  2. 内容物を収容体に収容して搬送される被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴うX線透過量に基づいて前記被検査物の検査を行うX線検査装置(1)において、
    前記被検査物の内容物に適合する欠品検出用マスク領域(M)を設定するマスク領域設定手段(15a)と、
    前記被検査物へのX線の曝射時に得られる前記被検査物の内容物(Wa)のX線透過画像と、前記被検査物の内容物の配置に応じて予め設定された基準位置検出リミット値とを比較し、該基準位置検出リミット値を最初に越える前記内容物のX線透過画像の位置を前記収容体の搬送方向先頭に位置する内容物の略先端位置と判別し基準位置(RF)として算出する基準位置算出手段(19)と、
    前記基準位置算出手段が算出した基準位置を基準として、前記内容物のX線透過画像と前記欠品検出用マスク領域とを重ね合わせて前記内容物の欠品の有無を判別する判別手段(20)とを備えたことを特徴とするX線検査装置。
  3. 前記判別手段(20)は、前記欠品検出用マスク領域(M)内に含まれる前記内容物(Wa)のX線透過画像の面積の割合と、予め設定された基準値との比較に基づいて前記内容物の欠品の有無を判別することを特徴とする請求項2記載のX線検査装置。
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