JP4457997B2 - 容器入りオムレツ様食品 - Google Patents
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Description
液全卵65質量部、植物油脂5質量部、澱粉4質量部、食塩0.5質量部及び清水25.5質量部(合計100質量部)を、ミキサーで泡立てないように混合して卵シート形成用組成物を調製した。この組成物をフライパン上においた直径22cmのリングの中に50g流し入れて、125℃で4分間焼成し、直径22cm、厚さ2mm、45gの円形の卵シートを製造した。得られた卵シートの破断応力は135gであった。なお、製品において、具材と分離した卵シートの破断応力を同様に測定したところ、製造直後の卵シートと同じ破断応力を示した。
液全卵82質量部、澱粉3質量部、キサンタンガム0.2質量部及び菜種油14.8質量部(合計100質量部)を、ミキサーで泡立てないように混合して薄膜状凝固卵加工品形成用組成物を調製した。次に、水槽に95℃の清水を流速2m/分程度で流動させながら、この水槽中に薄膜状凝固卵加工品形成用組成物を、1kg/分の速さで滴下し、約3分間経過させて凝固させ、金網にとり、水切りすることにより手作り感に富んだ薄膜状含水凝固卵加工品を得た。得られた薄膜状含水凝固卵の大きさは、1〜5cm2程度であり、この範囲で比較的大きなサイズのものはクルクルとまるまっていた。また、厚さは、0.3mm〜1cm程度であった。
卵黄液20質量部、ラムダカラギーナン0.3質量部及び清水79.7質量部(合計100質量部)を混合し、得られた混合物をナイロン製の耐熱性パウチに1kgずつ充填密封し、沸騰水中に10分間浸潰して加工卵液を調製した。次に、得られた加工卵液30.0質量部、牛乳20質量部、清水49.2質量部及び食塩0.8質量部(合計100質量部)を混合し、得られた混合組成物を蒸気式二重釜に投入し、撹搾しながら90℃に達するまで加熱した。これにより、流動牲のある半熟様卵加工品を製造した。
(2-1)で製造した凝固卵加工品30質量部と、(2-2)で製した半熟様卵加工品70質量部とを混合して具材を調製した。得られた具材の粘度は、品温60℃でKO式ボストウイック粘度計による粘度の測定値として、10cmであった。なお、製品において、卵シートと分離した具材の粘度を同様に測定したところ、製造直後の具材と同じ粘度を示した。
ボート底型の凹部を有する成型トレー容器(容積150ml、開口部の長径15cm、開口部の短径7cm、深さ2cm、材質ポリプロピレン、厚さ0.4mm)を用意した。この成型トレーに円形の卵の皮(45g、20℃、直径22cm)を載せ、この中心部に具材(75g、20℃)を載せた。そして、卵シートの縁部を持ち上げて、中心に集めて具が見えないように包み、成形トレー容器の凹部に収容された状態のオムレツ様食品を得た。次に、このオムレツ様食品を収容した成型トレーを、ナイロン製の耐熱性パウチ(NY25μm厚/PE15μm厚/LLDPE50μm厚、13cm×24cm)に入れ、真空包装機((株)古川製作所、FVH−C)を用い、真空度55mmHgの条件で減圧包装した。このとき、オムレツ様食品の表面積のほぼ全面が、オムレツ用の成形トレー容器のボート底型の凹部の内壁と密着部材とに接触していた。また、包装後に成型トレー容器の凹部に内方に押し込まれた耐熱性パウチの凹部の体積は30mlであった。従って、成形トレー容器の凹部の容積は150mlであるので、成形トレー容器に対して80%の容積となるように減圧包装されたことになる。
ボート底型の凹部を有する成型トレー容器(容積150m1、開口部の長径15cm、開口部の短径7cm、深さ2cm、材質ポリプロピレン、厚さ0.4mm)に、実施例1と同様にオムレツ様食品を収納した。その際、品温60℃の卵シートと品温が85℃の具材を用いた。そして、収納時のオムレツ様食品の中心品温が80℃の状態で、成型トレー容器のフランジ部に蓋材(PET12μm厚/PP50μm厚)を熱溶着してシールした。次に、これを4℃の冷却水でオムレツ様食品の中心品温が20℃になるまで冷却したところ、ヘッドスペースがなくなり、蓋材がオムレツ様食品に接触状態となり減圧包装された。このとき、オムレツ様食品の表面積のほぼ全面が、オムレツ用トレー容器のボート底型の凹部の内壁と密着部材とに接触していた。また、包装後に成型トレー容器の凹部に内方に押し込まれた蓋材の凹部の体積は28mlであった。即ち、成型トレー容器の凹部の容積は150mlであるので、成型トレー容器に対して、81%の容積になるように減圧包装されたことになる。
実施例1で製した減圧包装状態のオムレツ様食品を、耐熱パウチごと急速凍結した。このオムレツ様食品を−20℃で1週間保存した後、パウチから取り出し、電子レンジで加熱解凍して品温60℃とした。得られたオムレツ様食品は、卵シートの重なり部分の縁は、ほとんど認識できず、滑らかな外観を有していた。また、このオムレツ様食品を60℃に加温し、卵シートの重なり部分を下面にして皿に置いたところ、卵シートの重なり部分が結着しており、重なり部分から流動性のある半熟様卵は流れ出なかった。更に、このオムレツ様食品をナイフでカットしたところ、流動性のある半熟卵が薄い卵の皮に包まれた状態となっており、この流動性のある半熟卵が流れ出し、熟練したコックが作る手作り半熟オムレツと見分けのつかないものであった。なお、製品の卵シートの破断応力は135g、具材の粘度は、品温60℃におけるKO式ボストウィック粘度計による測定値として10cmであった。
実施例1(1)において調製した卵シート形成用組成物125gを、フライパン上においた直径22cmのリングに流し入れて卵シートを製した。この卵シートは、直径22cm、厚さ5mm、110gであった。次に、実施例1(3)において、ボート底型の凹部を有する成型トレー容器に、この円形の卵シート(110g、20℃)を載せ、この中心部に具材(10g、20℃)を載せた他は、実施例1(3)と同じ配合と製法で容器入りオムレツ様食品を製造した。得られたオムレツ様食品は、卵シートの重なり部分の縁部が目立ち、不自然な外観であり、剥がれ易いものであった。
実施例1(1)において、卵シート形成用組成物の配合を、液全卵90質量部、植物油脂5質量部、澱粉4質量部、食塩0.5質量部及び清水0.5質量部(合計100質量部)としたこと以外は、実施例1(1)と同じ配合と製法で卵シートを製した。得られた卵シートは、直径22cm、厚さ2mm、45gの円形の卵シートであり、その破断応力は300gであった。
実施例1において、成形トレー容器を用いずに耐熱パウチで減圧包装した。即ち、具材を卵シートの縁部を持ち上げて、中心に集めて具が見えないように包んだものをナイロン製の耐熱性パウチ(NY25μm厚/PE15μm厚/LLDPE50μm厚、13cm×24cm)に入れ、真空包装機((株)古川製作所、FVH−C)を用い、真空度55mmHgの条件で減圧包装した。その結果、オムレツ様食品が潰れ、卵シートから流動性のある具が流れ出てしまった。
実施例1において、成形トレー容器に、具材を卵シートの縁部を持ち上げて、中心に集めて具が見えないように包んだオムレツ様食品を収納する際に、卵シートの重なり部分を成形トレー容器の凹部側に配した他は、実施例1と同じ配合と製法で容器入りオムレツ様食品を製造した。
実施例1(3)と同様に、成形トレー容器に、具材を卵シートの縁部を持ち上げて、中心に集めて具が見えないように包んだオムレツ様食品を収納した。このオムレツ様食品をトレー開口部と同じ大きさとした板状のプラスチックで、流動性のある具が飛び出さない程度にゆっくりと押して、押した状態で5分間保持した。得られたオムレツ様食品は、卵シートの重なり部分の緑部が目立ち不自然な外観であった。また、このオムレツ様食品を60℃に加温し、卵シートの重なり部分を下面にして皿に置いたところ、卵シートの重なり部分が全く結着しておらず、重なり部分から流動性のある半熟様卵が流れ出た。
凹部内方へ耐熱パウチの押し込まれた容積の影響を調べるために、成形トレー容器の凹部の深さを変えることにより、凹部内方へ耐熱パウチの押し込まれた容積を変えた5種類のトレー容器を用意した(表1参照)。実施例1(3)において、この5種類のトレーを用いた他は、実施例1と同じ配合と製法で5種類のオムレツ様食品の製造試験を行った。これによりボート底型の凹部に収容されたオムレツ様食品の卵シートの重なり部分を押圧することができた。その結果、表1から分かるように、耐熱パウチが成形トレー凹部内方に押し込まれている部分の容積は、ボート底型の凹部の容積の好ましくは5〜30%、より好ましくは10〜30%であることがわかる。
2 オムレツ用トレー容器の凹部
3 流動性を有する具材
4 卵シート
5 卵シートの重なり部分
10 オムレツ用トレー容器
Claims (8)
- オムレツ用具材とそれを包んでいる卵シートとを含むオムレツ様食品が収容されたオムレツ用トレー容器と、該オムレツ用トレー容器を密封包装している密封部材とを含む、容器入りオムレツ様食品であって、該オムレツ用具材が流動性を示すものであり、該卵シートが1〜4mmの厚さと50〜250gの破断応力を有するものであり、該オムレツ様食品のオムレツ用トレー容器に接触していない部分の少なくとも一部が該密封部材で押圧されるように減圧包装されており、オムレツ用具材を卵シートで包むことにより生じた卵シートの重なり部分が結着していることを特徴とする容器入りオムレツ様食品。
- 該オムレツ様食品のオムレツ用トレー容器に接触していない部分が、オムレツ用具材を包むことにより生じた卵シートの重なり部分である請求項1記載の容器入りオムレツ様食品。
- 該オムレツ用トレー容器が、オムレツ様食品を収容するためのボート底型の凹部を有する請求項1又は2記載の容器入りオムレツ様食品。
- 該オムレツ用具材の品温60℃における粘度が、KO式ボストウィック粘度計による測定値として3〜30cmである請求項1〜3のいずれかに記載の容器入りオムレツ様食品。
- オムレツ用具材を卵シートで包んでいるオムレツ様食品が収容されたオムレツ用トレー容器を、密封部材で密封包装することを含む、容器入りオムレツ様食品の製造方法であって、該卵シートとして1〜4mmの厚さと50〜250gの破断応力を有するものを使用し、該オムレツ様食品のオムレツ用トレー容器に接触していない部分の少なくとも一部を、該密封部材で押圧するように減圧包装し、それによりオムレツ用具材を卵シートで包むことにより生じた卵シートの重なり部分を結着することを特徴とする容器入りオムレツ様食品の製造方法。
- 該密封部材が可撓性樹脂材料を含む袋であり、オムレツ様食品が収容されたオムレツ用トレー容器を該袋に入れた後に、減圧下で密封することにより減圧包装する請求項5記載の製造方法。
- 該密封部材がヒートシール性樹脂材料を含むシート材であり、オムレツ様食品が収容されたオムレツ用トレー容器の開口部の周縁に該シート材を、減圧下でヒートシールすることにより減圧包装する請求項5記載の製造方法。
- 該密封部材がヒートシール性樹脂材料を含むシート材であり、加熱されたオムレツ様食品が収容されたオムレツ用トレー容器の開口部の周縁に該シート材をヒートシールし、加熱されたオムレツ様食品の品温が低下することにより減圧包装する請求項5記載の容器入りオムレツ様食品の製造方法。
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