JP4457520B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内槽内に温風を送風して洗濯物を乾燥させる行程を有し、洗濯から乾燥までを一貫して実施できる洗濯乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗濯乾燥機は図4に示すように構成されていた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図4に示すように、筐体1は、内部に複数のサスペンション2によって弾性的に吊り下げた外槽3を内包し、脱水時の振動をサスペンション2によって吸収する構成としている。外槽3の内部には、回転中心軸を略鉛直方向に有し、洗濯物または乾燥対象物(以下、衣類という)を収容する内槽4を中空で2重構造とした洗濯軸5a、脱水軸5bを中心に回転可能に配設している。内槽4の内底部には、衣類を撹拌する回転翼6を回転自在に配設している。
【0004】
内槽4の内部周壁には小孔(図示せず)を多数設けるとともに、上方には流体バランサ7を設けている。回転翼6は、その形状を外周を傾斜面とした鍋型にすることにより、乾燥行程において衣類を回転翼6の回転による遠心力で傾斜面に沿って上方へと舞い上がり易くしている。
【0005】
駆動手段であるモータ8は、外槽3の底部に取り付けられ、洗濯または脱水時に回転力の伝達を洗濯軸5aまたは脱水軸5bに切り換えるクラッチ9と洗濯軸5aまたは脱水軸5bを介して、内槽4または回転翼6に連結している。
【0006】
熱交換機10は、循環する湿った温風を除湿するもので、一端を循環路切り換え兼排水弁11、伸縮自在の下部蛇腹状ホース12を介して外槽3の下部に接続し、他端を送風手段13の一端に接続している。送風手段13の他端は加熱手段であるヒータ14を有する第1の送風経路15に接続し、第2の送風経路である伸縮自在の乾燥用上部蛇腹状ホース16を介して、内槽4へ連通し、温風が循環する経路を構成している。
【0007】
外槽3には、上面を気密的に覆う外槽カバー17を設けており、この外槽カバー17に乾燥用上部蛇腹状ホース16からの送風経路の出口18を設けている。さらに外槽カバー17には中蓋19を開閉自在に設け、衣類を出し入れできるようにしている。
【0008】
筐体カバー20は筐体1の上部を覆うもので、開閉蓋21を開閉自在に有し、制御装置(制御手段)22を設けるとともに、内槽4に給水する給水弁23を設けている。この給水弁23は、給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24を経て外槽カバー17に水密的に結合され、給水経路の出口25が開口している。熱交換用送風手段26は、筐体1内部に設けられ、外槽3、熱交換器10などを送風により冷却する。
【0009】
制御装置22は、モータ8、クラッチ9、循環路切り換え兼排水弁11、送風手段13、ヒータ14、給水弁25、熱交換用送風手段26などの動作を制御し、洗濯、脱水、乾燥の各行程を制御する。
【0010】
上記構成において動作を説明する。洗濯行程において、開閉蓋21と中蓋19を開け、内槽4に衣類と洗剤が投入され、運転が開始されると、制御装置22は、給水弁23を開いて所定の水位まで給水した後、モータ8を駆動する。モータ8の動力は、伝達機構部のクラッチ9、洗濯軸5aを介して回転翼6に伝達される。回転翼6の回転により衣類が撹拌され、衣類同士、および衣類と内槽4の内壁や回転翼6との接触により衣類に機械力が作用し、その機械力と洗剤の洗浄力により洗濯が行われる。
【0011】
脱水行程では、洗濯終了後、循環路切り換え兼排水弁11の排水側を開いて内槽4内の水を排出した後、伝達機構部のクラッチ9を脱水側に切り換える。モータ8の動力は、脱水軸5bを介して内槽4に伝達される。内槽4の回転による遠心力が衣類に与えられ、水分が衣類から分離されることにより、脱水が行われる。
【0012】
乾燥行程では、まず、クラッチ9を洗濯側に切り換えて、モータ8の動力を回転翼6に伝達する。回転翼6を急速に正逆回転させることにより、脱水の遠心力で内槽4の内壁に張り付いた衣類を引き剥がす。次に、回転翼6を正逆回転させ衣類を撹拌させながら、送風手段13とヒータ14により温風を送風経路の出口18に送る。送風経路の出口18より内槽4内に吹き込まれた温風は、衣類から水分を蒸発させた後、内槽4から外槽3の内側へ出て、下部蛇腹状ホース12を通過し、熱交換器10へ至る。
【0013】
衣類の水分を奪って湿気を含んだ温風が、外槽3の内壁や熱交換器10内を通過しているとき、筐体1の側面に設置した熱交換用送風手段26による外部空気の流入で、外槽3や熱交換器10の外壁が冷却される。その冷却により、内部では水分の結露が発生し、湿った温風は除湿され、送風手段13に戻る。この循環する経路で温風を循環させることにより、内槽内の衣類を乾燥させることができるものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、洗濯時の給水弁25の開放により給水が行われ、その後給水が終わっても、給水弁25と給水経路の出口25間の給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24等内に残水している。この残水が、脱水時、脱水終了後もしくは乾燥時、乾燥終了後に、内槽内の衣類の上に落下してしまい、せっかく脱水もしくは乾燥した衣類を再び濡らしてしまうといった問題があった。
【0015】
また、洗濯〜乾燥行程において、かりに、脱水時の振動により給水経路内の残水が脱水中に振動により落下し、脱水され、脱水終了後は無くなったとしても、乾燥行程において、内槽4内に乾燥の蒸気が発生し、その蒸気が給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24内に侵入する。その結露水が集成し、大きな水滴となり、乾燥終了後、衣類を取り出す際などに落下し、乾燥した衣類を再び濡らしてしまうといった問題があった。
【0016】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、脱水終了後および乾燥終了後に給水経路の出口から水滴が落下し、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのを防止することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この従来の課題を解決するために、本発明の洗濯乾燥機は、給水経路の先端部に給水吐出部を接続し、給水吐出部の底部には、給水経路の出口に対応して水溜め部を設け、送風手段からの送風の一部を給水吐出部内に分岐通風したものである。
【0018】
これにより、脱水終了後および乾燥終了後に給水経路の出口から落下する水滴を受け止めることができ、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができる。また、給水吐出部の底部の水溜め部に溜まった水を吹き飛ばし、あるいは蒸発させることにより、水溜め部の水溜め許容量を増やすことができるため、給水経路から新たに落下する水滴を、一定量保持することができるとともに、給水吐出部の内部を乾燥させることが可能なため、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができ、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのをさらに防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に支持し洗濯物を収容する内槽と、底部に回転自在に配した回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に給水する給水経路と、前記内槽内に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段と、前記送風手段による送風を内槽内に導く送風経路と、前記駆動手段、前記給水経路、前記送風手段および前記加熱手段を制御し、洗濯、乾燥等所定の運転を実行する制御手段とを備え、前記給水経路の先端部に給水吐出部を接続し、前記給水吐出部の底部には、前記給水経路の出口に対応して水溜め部を設け、前記送風手段からの送風の一部を前記給水吐出部内に分岐通風したものであり、これにより、脱水終了後および乾燥終了後に給水経路の出口から落下する水滴を受け止めることができ、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができるため、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのを防止することができる。
【0020】
また、給水吐出部の底部の水溜め部に溜まった水を吹き飛ばし、あるいは蒸発させることにより、水溜め部の水溜め許容量を増やすことができるため、給水経路から新たに落下する水滴を、一定量保持することができるとともに、給水吐出部の内部を乾燥させることが可能なため、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができ、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのをさらに防止することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、給水吐出部の内部に水溜め部の近傍に給水部を並設し、前記給水部の底部には給水穴を設けたものであり、給水時には、水溜め部から溢れた水が、並設した給水部に移動し、給水部の底部に設けた給水穴から内槽内に水を注水することができるため、給水穴を調整することにより、水の放出方向、放出形状も簡単に設定することができるとともに、脱水終了後および乾燥終了後に給水経路の出口から落下する水滴を受け止めることができ、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができるため、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのを防止することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載の発明において、給水吐出部には、送風手段からの送風の一部を給水吐出部内に分岐通風するガイド部を一体に設けたものであり、給水吐出部は単一部品により構成できるため、安価に製造することができる。
【0023】
請求項に記載の発明は、上記請求項記載の発明において、ガイド部は、送風経路の出口の一部を覆うものであり、簡単な構造で、送風手段からの送風の一部を給水吐出部内に分岐通風することができるため、安価に製造することができる。
【0024】
請求項に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、制御手段は、所定の動作を制御し、少なくとも最終脱水時に送風手段を制御し、送風するものであり、特に最終脱水時に給水吐出部の底部の水溜め部に溜まった水を吹き飛ばすことにより、水溜め部の水溜め許容量を増やすことができるため、給水経路から新たに落下する水滴を、一定量保持することができ、水滴が脱水した衣類に落下するのを防止することができ、脱水した衣類が再び濡れてしまうのを防止することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における洗濯乾燥機の縦断面図、図2は、同要部拡大断面図である。
【0027】
図1において、外槽3は、筐体1内に弾性的に吊支し、その内部に回転中心軸を略鉛直方向に有する内槽4を回転自在に支持している。外槽3には、上面を気密的に覆う外槽カバー17を設けており、この外槽カバー17に送風経路の出口18を設けている。
【0028】
筐体カバー20は筐体1の上部を覆うもので、開閉蓋21を開閉自在に有し、制御装置(制御手段)22を設けるとともに、内槽4に給水する給水弁23を設けている。この給水弁23は、給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24を経て外槽カバー17に水密的に結合され、外槽カバー17には給水経路の出口25が開口している。この給水経路の出口25部分には、給水吐出部30が、外槽カバー17の下方より取り付けられている。
【0029】
図2(a)に給水吐出部30近傍の拡大断面図を示す。図2(a)において、給水吐出部30が、外槽カバー17の下方から、ねじ31により取り付けられている。給水経路の出口25の対応下方には、リブ32により、水溜め部33が設けられている。この水溜め部33の隣には、リブ32を介して、給水部34を設けている。給水部34の底部には、給水穴35を複数個設けている。
【0030】
上記構成において動作を説明する。洗濯行程では、循環路切り換え兼排水弁11の排水側を閉じた状態で、内槽4に洗濯物と洗剤を投入し、運転を開始すると、制御装置22は、給水弁23を開いて給水を行う。
【0031】
ここで、給水時の水の流れを説明すると、給水弁23から流れ出た水は、給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24を経て、外槽カバー17に設けられた給水経路の出口25に至る。その後、給水吐出部30の底部の水溜め部33に落下し、そこから溢れた水が、リブ32を乗り越え、給水部34に至り、複数個の給水穴35より、内槽4内に放出される。この際、複数個の給水穴35の数、形状、方向等を所定に設定することにより、水の放出方向も比較的簡単に設定することができ、かつ、水の放出形状の見栄えも良くするように調整することができる。たとえば、水の放出方向としては、内槽4の内壁近傍方向を設定し、かつ、シャワー状に広がるように設定することにより、すすぎ時に、内槽4を回転させながら、給水し、シャワーすすぎを実行することができる。
【0032】
その後、所定の水位まで給水した後、モ−タ8を駆動する。モータ8の動力は、伝達機構部のクラッチ9、洗濯軸5aを介して回転翼6に伝達される。回転翼6の回転により衣類が撹拌され、衣類同士、および衣類と内槽4の内壁や回転翼6との接触により衣類に機械力が作用し、その機械力と洗剤の洗浄力により洗濯が行われる。
【0033】
脱水行程では、洗濯終了後、循環路切り換え兼排水弁11の排水側を開いて内槽4内の水を排出した後、伝達機構部のクラッチ9を脱水側に切り換える。モータ8の動力は、脱水軸5bを介して内槽4に伝達される。内槽4の回転による遠心力が衣類に与えられ、水分が衣類から分離されることにより、脱水が行われる。
【0034】
このとき、給水吐出部30の底部の水溜め部33には、脱水前には給水時の水36がリブ32の先端近傍まで溜まっているが、脱水中は外槽の振動により、水36はリブ32を乗り越え、給水部34に至り、底部の給水穴35を通って、内槽4内に落下し、内槽4の脱水回転により外槽3へ放出され、水36の水面はリブ32の先端面より低くなり、水溜め許容量を増やすことができる。したがって、給水用上部蛇腹状ホース24内に残った残水37が、水滴となって、脱水中、脱水後または衣類取り出し時に、水滴となって、水溜め部33に落下しても、水溜め部33に蓄積されるだけで、内槽4内には落下しない。
【0035】
乾燥行程では、まず、クラッチ9を洗濯側に切り換えて、モータ8の動力を回転翼6に伝達する。回転翼6を急速に正逆回転させることにより、脱水の遠心力で内槽4の内壁に張り付いた衣類を引き剥がす。次に、回転翼6を正逆回転させ衣類を撹拌させながら、送風手段13とヒータ14により温風を送風経路の出口18に送る。送風経路の出口18より内槽4に吹き込まれた温風は、衣類から水分を蒸発させた後、内槽4から外槽3の内側へ出て、下部蛇腹状ホース12を通過し、熱交換器10へ至る。
【0036】
衣類の水分を奪って湿気を含んだ熱風が、外槽3の内壁や熱交換器10内を通過しているとき、筐体1の側面に設置した熱交換用送風手段26による外部空気の流入で、外槽3や熱交換器10の外壁が冷却される。その内部では水分の結露が発生し、湿った熱風は除湿され、送風手段13に戻る。この循環する経路で温風を循環させることにより、内槽4内の衣類を乾燥させることができる。
【0037】
このとき、内槽4内に乾燥の蒸気が発生し、その蒸気が給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24内に侵入する。その蒸気は給水用上部蛇腹状ホース24内部で結露し、結露水が生成される。その結露水が集成し、大きな水滴となり、水溜め部33に落下するが、そこに蓄積されるだけで、内槽4内には落下しない。このとき、水溜め部33内の水36は、内槽4内の温風の温度により、乾燥され蒸発し、水36の水面はリブ32の先端面より低くなり、水溜め許容量を増やすことができるため、上記水滴が水溜め部33内に落下しても、リブ32を乗り越えて、給水部34に至ることはない。
【0038】
以上のように、本実施例1によれば、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができ、脱水終了後もしくは乾燥終了後に、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうといった問題を防止することができる。
【0039】
なお、本実施例は、水溜め部33と給水部34をリブ32にて分けたが、図2(b)のように水溜め部38を給水部39より所定高さ低くして、凹形状としても、同等の効果が得られることはいうまでもない。
【0040】
(実施例2)
図3は、本発明の第2の実施例における洗濯乾燥機の要部拡大断面図である。
【0041】
図3(a)において、給水経路である給水用上部蛇腹状ホース24は、外槽カバー17に水密的に結合され、外槽カバー17には給水経路の出口25が開口している。この給水経路の出口25部分には、給水吐出部40が、外槽カバー17の下方から、ねじ41により取り付けられている。給水経路の出口25の対応下方には、リブ42により、水溜め部43が設けられている。この水溜め部43の隣には、リブ42を介して、給水部44を設けている。給水部44の底部には、給水穴45を複数個設けている。また、給水吐出部40の側壁には、上方を開口したガイド部46を設け、そのガイド部46の先端は、外槽カバー17に設けた乾燥用上部蛇腹状ホース16からの送風経路の出口18の一部を覆っている。実施例1と異なるところは、ガイド部46を設けた点である。
【0042】
上記構成において、実施例1と異なる動作を説明する。
【0043】
乾燥行程において、内槽4内に乾燥の蒸気が発生し、その蒸気が、矢印aのように給水穴45を通り、給水吐出部40の内部および給水用上部蛇腹状ホース24内に侵入する。その蒸気は、給水吐出部40の内部および給水用上部蛇腹状ホース24内部で結露し、結露水が生成される。その結露水が集成し、水滴となり、給水吐出部40の内面および給水用上部蛇腹状ホース24内面に付着する。本実施例では、乾燥用上部蛇腹状ホース16からの送風経路の出口18の一部を覆っているガイド部46を設けているので、送風経路の出口18からの乾燥用の温風の一部が、矢印bのように、ガイド部46に沿って、給水吐出部40の内部に分岐通風される。この分岐通風された温風により、給水吐出部40の内面に付着した結露水は乾燥され、蒸発する。したがって、給水吐出部40の内面に付着した結露水が集成し、大きな水滴となり、給水穴45を通って、内槽4内に落下するといったことはない。
【0044】
また、給水用上部蛇腹状ホース24内部の給水時の残水や、乾燥時の結露水47が、乾燥中に水溜め部43に落下し、その水溜め部43に水48が溜まったとしても、分岐通風された温風(矢印b)により、水48は乾燥されたり、吹き飛ばされたりして、その量を減少させることができる。したがって、水溜め部43の水溜め許容量を増やすことができるため、結露水の集成による水滴が水溜め部33内に落下しても、リブ32を乗り越えて、給水部34に至ることはない。
【0045】
さらに、本実施例の構成において、洗濯行程の少なくとも最終脱水行程時に、送風手段13を作動し、送風経路の出口18から送風することにより、その送風の一部が給水吐出部40の内部に分岐通風されるため、水48は吹き飛ばされ、その量を減少させることができるため、水46の水面はリブ42の先端面より低くなり、水溜め許容量を増やすことができる。したがって、脱水終了時に、衣類を取り出す際、外槽3の揺れにより、給水用上部蛇腹状ホース24内部の水滴が水溜め部43に落下し、水48の水面が上昇したとしても、リブ42を乗り越えて、給水部34に至ることはない。なお、この送風手段13の作動は、脱水終了際に所定時間実行することにより、最小の時間を設定でき、脱水終了時の水48の量を最少にできるため、最小の消費電力で最大の効果を得ることができるものである。 なお、本実施例では、送風手段のみ動作させたが、同時に、ヒータ14も動作させ、送風を温風にすることにより、水48を乾燥できるといった作用も加わるため、さらなる効果が得られることはいうまでもない。
【0046】
以上のように、本実施例2によれば、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができ、脱水終了後もしくは乾燥終了後に、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうといった問題を防止することができる。
【0047】
また、給水吐出部40には、送風手段13からの送風の一部を給水吐出部40内に分岐通風するガイド部46を一体に設けた構成としているため、給水吐出部40は単一部品により構成できるため、安価に製造することができる。
【0048】
さらに、ガイド部46により送風経路の出口18の一部を覆った構成としているため、簡単な構造で、送風手段か13らの送風の一部を給水吐出部40内部に分岐通風することができるため、給水吐出部40を安価に製造することができる。
【0049】
なお、本実施例では、送風手段のみ動作させたが、同時に、ヒータ14も動作させ、送風を温風にすることにより、水48を乾燥できるといった作用も加わるため、さらなる効果が得られることはいうまでもない。
【0050】
また、本実施例は、水溜め部43と給水部44をリブ42にて分けたが、図3(b)のように水溜め部50を給水部51より所定高さ低くして、凹形状としても、同等の効果が得られることはいうまでもない。
【0051】
さらに、本実施例では、ガイド部46を給水吐出部40と一体に設けたが、別部品を用いて、送風経路の途中から分岐させても、同等の効果が得られることはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1記載の発明によれば、筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に支持し洗濯物を収容する内槽と、底部に回転自在に配した回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に給水する給水経路と、前記内槽内に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段と、前記送風手段による送風を内槽内に導く送風経路と、前記駆動手段、前記給水経路、前記送風手段および前記加熱手段を制御し、洗濯、乾燥等所定の運転を実行する制御手段とを備え、前記給水経路の先端部に給水吐出部を接続し、前記給水吐出部の底部には、前記給水経路の出口に対応して水溜め部を設け、前記送風手段からの送風の一部を前記給水吐出部内に分岐通風したから、脱水終了後および乾燥終了後に給水経路の出口から落下する水滴を受け止めることができ、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができるため、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのを防止することができる。
【0053】
また、給水吐出部の底部の水溜め部に溜まった水を吹き飛ばし、あるいは蒸発させることにより、水溜め部の水溜め許容量を増やすことができるため、給水経路から新たに落下する水滴を、一定量保持することができるとともに、給水吐出部の内部を乾燥させることが可能なため、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができ、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのをさらに防止することができる。
【0054】
また、請求項2に記載の発明によれば、給水吐出部の内部に水溜め部の近傍に給水部を並設し、前記給水部の底部には給水穴を設けたから、給水時には、水溜め部から溢れた水が、並設した給水部に移動し、給水部の底部に設けた給水穴から内槽内に水を注水することができるため、給水穴を調整することにより、水の放出方向、放出形状も簡単に設定することができるとともに、脱水終了後および乾燥終了後に給水経路の出口から落下する水滴を受け止めることができ、水滴が脱水もしくは乾燥した衣類に落下するのを防止することができるため、脱水もしくは乾燥した衣類が再び濡れてしまうのを防止することができる。
【0055】
また、請求項3に記載の発明によれば、給水吐出部には、送風手段からの送風の一部を給水吐出部内に分岐通風するガイド部を一体に設けたから、給水吐出部は単一部品により構成できるため、安価に製造することができる。
【0056】
また、請求項に記載の発明によれば、ガイド部は、送風経路の出口の一部を覆ったから、簡単な構造で、送風手段からの送風の一部を給水吐出部内に分岐通風することができるため、安価に製造することができる。
【0057】
また、請求項に記載の発明によれば、制御手段は、所定の動作を制御し、少なくとも最終脱水時に送風手段を制御し、送風したから、特に最終脱水時に給水吐出部の底部の水溜め部に溜まった水を吹き飛ばすことにより、水溜め部の水溜め許容量を増やすことができるため、給水経路から新たに落下する水滴を、一定量保持することができ、水滴が脱水した衣類に落下するのを防止することができ、脱水した衣類が再び濡れてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】 (a)同洗濯乾燥機の給水吐出部の拡大断面図
(b)同洗濯乾燥機の他の実施例の給水吐出部の拡大断面図
【図3】 (a)第2の実施例における洗濯乾燥機の給水吐出部の拡大断面図
(b)同洗濯乾燥機の他の実施例の給水吐出部の拡大断面図
【図4】 従来の洗濯乾燥機の縦断面図
【符号の説明】
1 筐体
3 外槽
4 内槽
6 回転翼
8 モータ(駆動手段)
13 送風手段
14 ヒータ(加熱手段)
16 乾燥用上部蛇腹状ホース(送風経路)
22 制御装置(制御手段)
24 給水用上部蛇腹状ホース(給水経路)
30 給水吐出部
33 水溜め部

Claims (5)

  1. 筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に支持し洗濯物を収容する内槽と、底部に回転自在に配した回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、前記内槽内に給水する給水経路と、前記内槽内に送風する送風手段と、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段と、前記送風手段による送風を内槽内に導く送風経路と、前記駆動手段、前記給水経路、前記送風手段および前記加熱手段を制御し、洗濯、乾燥等所定の運転を実行する制御手段とを備え、前記給水経路の先端部に給水吐出部を接続し、前記給水吐出部の底部には、前記給水経路の出口に対応して水溜め部を設け、前記送風手段からの送風の一部を前記給水吐出部内に分岐通風した洗濯乾燥機。
  2. 給水吐出部の内部に水溜め部の近傍に給水部を並設し、前記給水部の底部には給水穴を設けた請求項1記載の洗濯乾燥機。
  3. 給水吐出部には、送風手段からの送風の一部を給水吐出部内に分岐通風するガイド部を一体に設けた請求項1または2に記載の洗濯乾燥機。
  4. ガイド部は、送風経路の出口の一部を覆う請求項3記載の洗濯乾燥機。
  5. 制御手段は、所定の動作を制御し、少なくとも最終脱水時に送風手段を制御し、送風する請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
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