JP4455828B2 - 自己昇降マストを備えたクレーン - Google Patents

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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
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    • B66C23/00Cranes comprising essentially a beam, boom, or triangular structure acting as a cantilever and mounted for translatory of swinging movements in vertical or horizontal planes or a combination of such movements, e.g. jib-cranes, derricks, tower cranes
    • B66C23/62Constructional features or details
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクレーンのような建設機械に関し、より詳しくは、自己昇降マスト(self-raising mast)、該マストを昇降させる油圧回路およびマスト昇降作動を制御するマイクロプロセッサをベースとするコントローラ等の幾つかのユニークで新規性ある特徴を有するクレーンに関する。また、本発明は、マストを自己昇降させる方法およびクレーンを組立てる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレーンまたは掘削機等の建設機械は、しばしば、或る現場から他の現場へと移動させなくてはならない。クレーンまたは掘削機を移動させることは、機械が大型化しかつ重くなるにつれて手に負えない仕事となる。例えば、車軸荷重に関する公道での制限は遵守しなければならないし、頭上障害物により、現場までの長くて不便な経路が必要になる。
クレーン等の大型建設機械の可搬性を改善する1つの方法として、建設機械を分解して、より小さく取扱いが容易な構成部品にすることがある。分解された構成部品を、新しい現場に輸送して、ここで再び組立てる。
【0003】
クレーンを別々の構成部品に分解する一般的な作業では、アシストクレーンを使用することがある。アシストクレーンは、構成部品をそれぞれの輸送トレーラ上に載せるのに使用される。新しい現場に到着すると、他のアシストクレーンを使用して構成部品を降ろし、再びクレーンに組立てる。大型クレーンの構成部品の重量は80,000ポンド(約36トン)程に達するものもあるので、要求されるアシストクレーンの容量は、非常に高い輸送費用がかかることを意味する。
このため、設計者は、クレーンの組立および分解を行なう自己ハンドリングシステムの開発を試みている。これまでに開発された大部分の自己ハンドリングシステムは、幾つかの構成部品に分解すればよい小型クレーンに関するものである。
【0004】
しかしながら、大型クレーンの自己ハンドリングシステムの開発は、一部が成功しているに過ぎない。この理由の1つは、大型クレーンを多数の構成部品に分解する必要があため、時間を要する分解および再組立作業が必要となるためである。例えば、大容量クレーンは、一般に、ブーム角度を制御するための複雑で扱いずらい綱具システムを使用している。平衡装置、マストおよびワイヤロープ綱具等のブーム綱具システムの構成部品は、重くかつ輸送のための分解が困難である。従来技術の自己組立クレーンの成功が限定されている他の理由は、これらのクレーンが、一般に、これらの組立および分解のみに使用される付加クレーン構成部品を頼りにしていることによる。例えば、或る自己組立クレーンは、ブームバット(boom butt)に付加ワイヤロープガイドおよびロープ車を必要とするため、荷重ホイストラインをブームバットに使用して、組立工程中に種々のクレーン構成部品を持上げることができる。
【0005】
典型的な大容量クローラクレーンの従来技術による組立および分解方法の一例が、「クローラクレーンの自己分解方法(Process For Self-Disassembling A Crawler Crane)」という名称の米国特許第5,484,069号明細書(以下、「‘069号特許」と呼ぶ)に開示されている。より詳しくは、この米国特許は、バックヒッチにより支持されたマストを備えた形式のクローラクレーンに関するものである。
「油圧ブームホイストシリンダクレーン(Hydraulic Boom Hoist Cylinder Crane)」という名称の米国特許第6,62,405号明細書(以下、「‘405号特許」と呼ぶ)には、異なる形式のクローラクレーンの従来技術による組立および分解方法の他の例が開示されている。この米国特許は、油圧シリンダを用いてブーム角度を制御する形式のクレーンに関するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
‘069号特許および’0405号特許は、構成部品を持上げかつ位置決めしてクレーンとして組立てるのに、ブームバットの使用を必要とする。この結果、自己組立作業を遂行するには、ブームバットに付加ロープ車を設けなくてはならない。従って、自己組立作業中のブームバットの使用をなくすか少なくとも低減させるクレーンおよび自己組立方法を提供することが望まれている。
上記に加え、幾つかの形式のクレーンは移動マストすなわち駆動マスト(live mast)を使用している。移動マストすなわち駆動マストを備えたクレーンは、1つ以上のブームペンダントにより直接ブームに連結されている。ブーム角度は、マストとクレーンの上方構造体との間に連結されたブームホイスト綱具装置により制御される。ブーム角度が変化されるとき、マストおよびブームは一緒に移動する。現場間で輸送するには、マストは、一般に、ブームから分離してクレーンの頂部に水平に保管しておかなくてはならない。また、これらの形式のクレーンのマストは、しばしば非常に長くかつ重いため、組立作業中に取扱うことが困難である。
従って、自己昇降マストを備えたクレーンを提供することが望まれている。また、安全で、効率的かつ容易に実施できるマスト自己昇降作業の制御システムおよび方法を提供することも望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
好ましい態様では、本発明のクレーンは、下方構造体上に回転可能に取付けられた上方構造体と、該上方構造体上に枢着されたブームと、上方構造体に枢着されかつブームにペンダント態様で連結されたマストと、該マストに連結された、ブームの角度を制御するためのブームホイスト綱具装置とを有している。本発明のクレーンは更に、マストがブームに連結されていないときにマストの位置を制御するための自己昇降マスト組立体を有している。自己昇降マスト組立体は、マスト昇降ヨークと、油圧マスト昇降シリンダと、油圧システムとを有している。
【0008】
マスト昇降ヨークは、上方構造体に枢着されかつ好ましくはマストの回転軸線と整合している回転軸線を備えている。マスト昇降ヨークは、マストがマスト作動範囲内にないときにはマストと係合しかつ該マストを支持するように、マストがマスト作動範囲内にあるときにはマストから離脱し、マストがマスト作動範囲内にあるときはマストがブームホイスト綱具装置により支持されるように構成されている。
【0009】
油圧マスト昇降シリンダは、上方構造体とマスト昇降ヨークとの間に枢着されている。油圧マスト昇降シリンダは伸長および収縮して、マスト昇降ヨークを回転させることができる。油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮は、油圧システムが制御する。
【0010】
マストを自己昇降させる本発明の好ましい方法は、最初に、マストが上方構造体の後方部分上で後方に延びている保管位置にあるときに、マストとマスト昇降ヨークとを係合させる段階と、次に、マストを保管位置から前方リーニング位置へと上方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを伸長してマスト昇降ヨークを第一方向に回転させる段階とを有している。マストが前方リーニング位置にあるときは、マストはブームホイスト綱具装置により支持される。一方、マストからマスト昇降ヨークを離脱させるべく、マスト昇降シリンダが収縮され、マスト昇降ヨークを第二方向に回転させる。次に、ブームホイスト綱具装置を伸長させて、マストを、上方構造体の前方の、前方に延びた完全前方位置へと下降させる。ここで、マストはマスト昇降ヨークと係合される。次に、マストを完全前方位置へと下方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを伸長させてマスト昇降ヨークを第一方向に回転させる。マストは、次にブームに連結される。
【0011】
本発明による自己昇降マスト組立体および方法は、組立て過程で別のクレーンを必要とすることなく、マストを上昇および下降させることができ、上記多くの問題を解決できる。より詳しくは、本発明の自己昇降マスト組立体および方法は、マストを、上方構造体の後方部分上の保管位置から上昇させかつ保管位置に下降させることができる。本発明の組立体および方法はまた、上方構造体の前方の完全前方位置から上昇させかつ該完全前方位置に下降させることができる。また、本発明の組立体および方法は、クレーンの自己組立および分解過程で、マストを使用してクレーン構成部品を持上げかつ組付けることを可能にする。
【0012】
上記および他の長所および本発明自体は、以下により完全に説明しかつ特許請求の範囲に記載するように、その構造および作動の細部が明らかになるであろう。また、本発明の幾つかの特徴は、他の形式のクレーン、機械または施設に使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明はあらゆる形式のクレーンまたは建設機械に用いることができるが、本発明の好ましい実施形態を、図1のクローラクレーン10に関連して説明する。クローラクレーン10は回転ベッド14を備えた上方構造体12を有し、回転ベッド14は、旋回ベアリング18を介して下方構造体16に対し回転可能に連結されている。下方構造体16は、車両本体20と、カウンタウェイト22と、2つの独立駆動型クローラ24とを有している。
【0014】
上方構造体12は、該構造体12に枢着されたブーム26を有している。ブーム26は、ブームトップ28と、テーパ状のブームバット30とを有している。ブーム26には、該ブーム26の全長を増大させるための1つ以上のブームインサート32を、ブームトップ28とブームバット30との間に連結することもできる。上方構造体12には、マスト34が枢着されている。ブーム26は、1つ以上のブームペンダント36を介してマスト34に連結されている。
【0015】
ブーム26の角度は、上方構造体12とマスト34との間に連結されたブームホイスト綱具装置38により制御される。図17に最も良く示すように、ブームホイスト綱具装置38は、マスト34の上端部のロープ車組立体42および上方構造体12の後端部のロープ車組立体44の回りを通る(周回する)ブームホイストロープ40を有している。一般に、ブームホイストロープ40の一端は上方構造体12に固定され、一方、他端はブームホイストドラム46に固定されかつ該ドラム46の回りに巻回されている。
【0016】
マスト34は、ブームペンダント36およびブームホイスト綱具装置38の力を最適化するため、ブームホイスト綱具装置38とブームペンダント36との間の連結を、ブーム26の軸線から離れた位置で支持する。また、この構成は、ブームホイスト綱具装置38が、ブーム26の軸線に対して垂直な成分をもつ力を伝達することを可能にする。この力は、ブームペンダント36によりブーム26の端部に伝達される。ブーム26の重量はマスト34およびブームホイスト綱具装置38の重量に比べて極めて大きいので、ブームホイストロープ40およびブームペンダント36は、ブーム26がクレーン10の通常の作動範囲内にある限り、常に張力が付与された状態にある。逆に、マスト34は、ブーム26がクレーン10の通常の作動範囲内にある限り、常に圧縮された状態にある。ブーム26が安全作動角度を超えることを防止するため、ブームのバックストップ48が設けられている(図1参照)。
【0017】
ブームホイストドラム46を一方向(例えば、時計回り方向)に回転させるとブームホイストロープ40が引込められ、これにより、ブームホイスト綱具装置38の長さが短縮されかつマスト34の上端部が上方構造体12の後方に引き寄せられる。これにより、ブーム26の端部が上昇される(すなわち、ブーム角度が増大する)。同様に、ブームホイストドラム46を逆方向(例えば反時計回り方向)に回転させると、ブームホイストロープ40が繰出され、これによりブームホイスト綱具装置38の長さが増大して、マスト34の上端部は、ブーム26の重量により上方構造体12の後方から離れる方向に引寄せられる。この作用により、ブーム26の端部が下降される(すなわち、ブーム角度が減少する)。
【0018】
上方構造体12はまた、荷重を持上げるための1本以上の荷重ホイストライン50を有している。各荷重ホイストライン50は、上方構造体12の回転ベッド14上に支持された荷重ホイストラインドラム52の回りに通される(周回)される。荷重ホイストラインドラム52は、荷重ホイストライン50を繰出すか、巻取る方向に回転される。荷重ホイストライン50は、ブームトップ28の上端部に配置された複数のブームトップロープ車54の回りに周回される。ブーム26はまた、荷重ホイストライン50がブーム26の格子構造と干渉することを防止するための、ブーム26の上面に取付けられた1つ以上のワイヤロープガイドを有している。各荷重ホイストライン50には、一般に、フックブロック(図示せず)が取り付けられる。
【0019】
図17に最も良く示すように、上方構造体12は更に、ディーゼルエンジン等の動力源と、カウンタウェイト組立体22(図1参照)とを有している。動力源58は、クローラ24の移動、回転ベッド14の回転、荷重ホイストラインドラム52の回転、およびブームホイストドラム46の回転を含むクレーン10の種々の機械的および油圧的作動のための動力を供給する。クレーン10の種々の機能の作動は、オペレータのキャブ60から制御される。
【0020】
図示の好ましい実施形態では、マスト34は、互いに間隔をおいた矩形脚62を備えた鋼フレームを備えている。マスト34は、荷重ホイストライン50の作動またはブームのバックストップ48と干渉すべきではない。また、マスト34は、クレーン10が輸送のために分解されたときは、図2に示すように、上方構造体12上でほぼ水平な保管位置を占めるまで下降できるように構成されていなければならない。これにより、分解されたクレーン10の全高を最小にできるため、現場から現場へと輸送する間に公道の高さ制限を破ることはない。後述のように、マスト34は、通常、輸送時にクレーン10から分解されることはない。マスト34はまた、上方構造体12の前方のほぼ水平な完全前方位置へと下降できるように構成されなくてはならない。後述のように、マスト34は、地面からマスト34の上端部にアクセスできるように完全前方位置へと下降されることが望まれる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によるクレーン10はまた、クレーン10の組立および分解時にマスト34の上昇および下降を行なうための1対の自己昇降マスト組立体64を有している。図2〜図6に最も良く示すように、各自己昇降マスト組立体64は、上方構造体12の両側でマスト支持フレーム68により枢着されたマスト昇降ヨーク66を有している。マスト34の各脚62の下端部も、マスト支持フレーム68により同様に支持されている。これらの構成部品は、マスト34およびマスト昇降ヨーク66が、上方構成部品12を中心に同じ回転軸線を有するように配置されているのが好ましい。しかしながら、必ずしも、マスト昇降ヨーク66の回転軸線とマスト34の回転軸線とを一致させる必要はないことに留意すべきである。図17に最も良く示すように、好ましい実施形態の各マスト支持フレーム68は、マスト34の脚62の両側に配置された1対の垂直壁72を有している。マスト昇降ヨーク66は、マスト支持フレーム68の内面に沿って(すなわち、マスト34の脚62の内側に)配置される(図3)。マスト34の各脚62は、各マスト支持フレーム68の垂直壁72を通って延びている。マスト昇降ヨーク66は、支持ピン74により同様に支持されている。
【0022】
図6に最も良く示すように、各マスト昇降ヨーク66は前方アーム76および後方アーム78を有している。前方アーム76および後方アーム78の各々は、その上面に係合スロット80、82を有している。詳細に後述するように、係合スロット82、84は、マスト34の各脚62の内面上のリフティングピン84と係合するように構成されている。好ましい実施形態では、前方アームの係合スロット80および後方アーム76の係合スロット82は、回転軸線を中心に角度160°だけ離れており、この角度は支持ピン74の上方の弧に沿って測定したものである。換言すれば、後方アーム76が水平(すなわち、地面に平行)でかつクレーン10の後方(すなわち、回転軸線70から後方)を向くようにマスト昇降ヨーク66が配向された場合には、前方アーム76はクレーン10の前方(すなわち、回転軸線70から前方)を向きかつ水平から上方に20°の角度で配置されることになる。
【0023】
各自己昇降マスト組立体64は更に、回転軸線70を中心に枢動できるように支持ピン74に枢着されたレバーアーム86を有している。このレバーアーム86は、マスト昇降ヨーク66と一体の構成部品として回転軸線70を中心に回転できるように、マスト昇降ヨーク66に溶接その他の方法で固定されている。換言すれば、レバーアーム86とマスト昇降ヨーク66とは一緒に回動する。図示の好ましい実施形態では、レバーアーム86はマスト昇降ヨーク66の副構成部品である。
【0024】
各自己昇降マスト組立体64は更に、レバーアーム86の一端に連結された油圧マスト昇降シリンダ88を有している。より詳しくは、マスト昇降シリンダ88の上端部(すなわち、ピストンロッド)はレバーアーム86の一端に連結され、下端部(すなわち、ボア)は上方構造体12に連結されている。図6に最も良く示すように、マスト昇降シリンダ88は、これを伸縮させることにより、レバーアーム86、そして、マスト昇降ヨーク66が、回転軸線70を中心に回転(すなわち枢動)される。より詳細に後述するように、マスト昇降シリンダ88およびレバーアーム86は、マスト昇降シリンダ88を伸縮させることによりマスト昇降ヨーク66を約115°の角度に亘って回転させることができるように構成するのが好ましい。例えば、マスト昇降シリンダ88が完全に収縮されると、後方アーム76が水平(すなわち、地面に対して平行)にかつクレーン10の後方に向かって配置される。マスト昇降シリンダ88が完全に伸長されると、後方アーム76がクレーン10の前方に向かって、水平から上方に65°の角度で配置される。マスト昇降シリンダ88の伸長および収縮は、油圧回路により制御される(後述)。
クローラクレーン10を自己組立する好ましい方法は、図7〜図16および上記説明から最も良く理解されよう。
【0025】
図7を参照すると、分解されたクローラクレーン10は、輸送トレーラ(図示せず)に載せられて現場に運ばれる。ブームトップ28、ボトムインサート32およびカウンタウェイト22等の付加構成部品は、クレーン10としてこれらを組立てる前に、別々の輸送トレーラ(図示せず)に載せられる。図示した好ましい実施形態では、クローラ24は、現場間で輸送する間は組立てられた状態に維持されるが、これらの構成部品は、自己組立過程で別々に運んで、クレーン10として組立てることができる。クローラ24を車両本体20に組付ける方法および装置は、「クレーンの下方構造体に対する上方構造体の整合システム(Crane Upper Works To Lower Works Alignment System)」という名称の米国特許第5,427,256号明細書に開示されている。クローラ24を車両本体20に組付ける他の方法が、「クローラへの車両本体の連結(Carbody To Crawler Connection)」という名称の米国特許第5,823,279号明細書に開示されている。
【0026】
図5および図7に最も良く示すように、部分的に分解されたクレーン10の或る現場から他の現場への輸送中に、マスト34は上方構造体12に連結された状態に維持される。前述のように、マスト34は大型で重い構成部品であるため、クレーン10に組付けられた状態に維持するのが有利である。これにより、マスト34と上方構造体12との間からブームホイスト綱具装置38を分解する必要を無くすこともできる。それにもかかわらず、輸送のためには、マスト34を上方構造体12の頂部上の折畳まれた水平位置に位置決めする必要がある。マスト34をこの位置に配向することにより、部分的に分解されたクレーン10の全高および全長を短縮でき、これにより、殆どの頭上障害物を回避できかつ必要とされる輸送車両の長さを小さくできる。また、マスト34を上方構造体12の後方部分上に保管することによって、マストの重量を、輸送車両(図示せず)の前車軸と後車軸との間で一層均一に分散させることができる。これは、車軸荷重に関する公道制限を遵守しなければならないときに重要なことである。
【0027】
マストを自己昇降させる好ましい方法は、図6〜図16および自己昇降マスト組立体64についての上記説明を参照することにより最も良く理解される。図6および図7に最も良く示すように、マスト34が上方構造体12の後方部分上に保管されると、マスト34の各脚62の内面上のリフトピン84が、マスト昇降ヨーク66の後方アーム76の後方係合スロット82内に配置される。これにより、輸送中に移動または振動を受ける可能性があるマスト34が、マスト昇降ヨーク66に衝突することが防止される。
【0028】
図6に最も良く示すように、マスト昇降ヨーク66の後方アーム76はほぼ水平に配向される。これは、マスト昇降ヨーク66の保管位置と呼ばれている。より詳しくは、後方アーム76の後方係合スロット82の中心は、マスト34の回転軸線70とほぼ同じ高さ(または僅かに下方)にある。マスト自己昇降手順についてのこの説明の目的から、マスト昇降ヨーク66およびマスト34の方向は、回転軸線70から後方に延びる水平線から測定した角度で説明される。従って、保管位置にあるとき、マスト昇降ヨーク66は、0°に配向されていると定義する。保管位置にあるとき、同様に、マスト34は0°に配向されていると定義される。マスト昇降ヨーク66が保管位置(すなわち、0°)にあるとき、マスト昇降シリンダ88は完全に収縮される。図11の概略図には、マスト34と、マスト昇降ヨーク66と、マスト昇降シリンダ88との相対位置が示されている。
【0029】
マスト昇降ヨーク66の回転軸線がマスト34の回転軸線と一致しない場合には、これらの構成部品の相対角度が異なってしまうことはもちろんである。例えば、マスト昇降ヨーク66がの軸線がマスト34の回転軸線よりも下にあるときは、後方アーム76は、マストが水平であるときに水平から上方に或る角度をなして配向される。
【0030】
マスト自己昇降手順を開始するには、マスト昇降シリンダ88を伸ばしてレバーアーム86の端部に力を加え、マスト昇降ヨーク66を時計回り方向(図6で見て)に回転させる。マスト昇降ヨーク66の後方アーム76が上方に揺動されると、後方係合スロット82がマスト34のリフティングピン84と係合する。図8に最も良く示すように、マスト昇降シリンダ88を更に伸ばしてマスト昇降ヨーク66を連続的に回転させ、マスト34を、保管位置から上方に枢動させて上方構造体12から離れさせる。マスト34が上方に枢動されるにつれて、これと同時にブームホイスト綱具装置38が伸ばされて、マスト34の上端部が上方構造体12の後端部から離れる方向に自由に移動できるようにしなければならない。前述のように、ブームホイスト綱具装置38は、ブームホイストドラム46を回転させてブームホイストロープ40を繰出すことにより伸長される。詳細に後述するように、マスト34の制御を維持するため、ブームホイスト綱具装置38には僅かな張力が維持される。また、例えばブームホイストドラム46のブームホイストロープ40の適正なスプーリングを維持するためにも、ブームホイスト綱具装置38に張力が維持される。図8は、マスト34およびマスト昇降ヨーク66の両方が約45°の角度にあるところを示していることに留意されたい。
【0031】
図9に示すように、マスト昇降シリンダ88は、マスト34が垂直位置を通過してマスト角約115°に到達するまで伸ばし続けられる。115°のマスト角における、マスト34の重量および重心位置は、マスト34を、前方リーニング(傾斜)方向に維持するのに充分である。換言すれば、ブームホイスト綱具装置38は、マスト34が115°のマスト角に到達したならばマスト34を安全に支持できる。この角度は、ブームホイスト綱具装置38のみを使用している間のマスト34の安全作動範囲の上限部分であると考えられるが、マスト34は、マスト昇降ヨーク66と組合せてブームホイスト綱具装置38を使用することにより、この範囲より高い位置で使用できることに留意すべきである。換言すれば、後述のように、マスト昇降ヨーク66と一緒にブームホイスト綱具装置38を使用することにより、マスト34を90〜115°の間の角度で作動させることができる。この位置でのマスト34と、マスト昇降ヨーク66と、マスト昇降シリンダ88との相対位置は、図12の概略図にも示されている。
【0032】
もちろん、マスト34が垂直位置に近付くと不安定になり、風荷重またはクレーン機械からの振動によって予期しない移動をすることがあることに留意すべきである。かくして、マスト34が垂直位置に近付くときに、ブームホイスト綱具装置38に張力が維持されることは非常に重要である。換言すれば、マスト昇降ヨーク66がマスト34を一方向に押す力を付与しているとき(すなわち、マスト4をクレーン10の前方に向けて押しているとき)は、ブームホイスト綱具装置38は、同時に、マスト34を逆方向に移動させる力(すなわち、マスト34をクレーン10の後方に向けて引っ張る力)を加えなくてはならない。これら逆方向の2つの力がマスト34を安定化させる。
【0033】
同様に、マスト34が垂直位置を通過して移動(すなわち枢動)するときは、マスト昇降ヨーク66による前方への押圧力がマスト34に維持される。この前方への押圧力により、マスト34は、ブームホイスト綱具装置38の重量またはマスト34に作用することがあるあらゆる風荷重により後方に傾斜されないように維持される。前述のように、マスト34が115°のマスト角に到達したときは、マスト34の重量および重心位置は、マストを前方リーニング方向に維持するのに充分なものとなり、もはやマスト昇降ヨーク66がマスト34に押圧力を加える必要がなくなる。
【0034】
マスト角115°を超えると、ブームホイスト綱具装置38を連続的に伸長させることにより、マスト34はクレーン10の前方に向かって下降される。このとき、マスト昇降シリンダ88は収縮されて、マスト昇降ヨーク66を保管位置(すなわち0°位置)に向けて回転させる。マスト昇降ヨーク66が保管位置に向けて(すなわち、図9で見て反時計回り方向に)回転されるにつれて、後方係合スロット82がマスト34の脚62のリフティングピン84から離脱しかつこれから離れるように移動する。換言すれば、マスト34がひとたび115°を超えて移動すると、マスト34は、もはやマスト昇降ヨーク66により支持されなくなる。
【0035】
図10に示すように、マスト34は、約160°(すなわち、クレーン10の前方から測定して、水平から上方に約20°)のマスト角に到達するまで、ブームホイスト綱具装置38を伸長させることにより更に下降される。この角度を超えると、ブームホイスト綱具装置38はもはやマスト34を安全に支持することはできない。これは、ブームホイスト綱具装置38によりマスト34に付与される力の方向がマスト34に対してほぼ平行になり、従って、マスト34に対して垂直な充分な力を加えることができず、回転軸線70を中心にのマスト34の連続回転を維持できないことによる。また、これらの角度でブームホイスト綱具装置38によりマスト34に加えられる力は、マスト34に座屈を引起すことがある。
【0036】
ブームホイスト綱具装置38のみを使用する場合には、160°がマスト34の安全作動範囲の下端であると考えられるが、マスト昇降ヨーク66を単独で使用するか、ブームホイスト綱具装置38と組合せて使用することにより、この範囲より下でマスト34を使用できることに留意すべきである。換言すれば、マスト昇降ヨーク66を使用することにより、マスト34は160〜180°の間の角度でも作動できる。
【0037】
マスト34がマスト角160°に到達すると、マスト昇降シリンダ88が収縮されて、マスト昇降ヨーク66を保管位置(すなわち0°位置)へと回転させる。前述のように、好ましい実施形態のマスト昇降ヨーク66が保管位置にあるとき(図6参照)、マスト昇降ヨーク66の前方アーム76は、水平から上方に約20°の角度位置に配置される。この位置では、マスト34が160°(すなわち、水平から上方に20°)のマスト角にあるときに、前方アーム76の前方係合スロット80がマスト34の脚62のリフトピン84と係合する。換言すれば、マスト昇降ヨーク66は、ブームホイスト綱具装置38が単独でマスト34を支持できる範囲の下端にマスト34が到達したときに、該マスト34を支持するように位置決めされる。この位置におけるマスト34と、マスト昇降ヨーク66と、マスト昇降シリンダ88との相対位置が、図13の概略図に示されている。この角度は、マスト昇降ヨーク66の回転中心がマスト34の回転中心と一致しない場合には異なることはもちろんである。
【0038】
マスト34を更に下降(すなわち、160°のマスト角を超えて下降)させるには、マスト昇降シリンダ88を伸長させて、マスト昇降ヨーク66を図10で見て時計回り方向に回転させ、これにより前方アーム76を下降させる。ブームホイスト綱具装置38はマスト34とほぼ平行になるので、マスト34の重量は、マスト昇降ヨーク66により完全に支持される。しかしながら、マスト昇降ヨーク66によりマスト34を下降させることができるようにするため、ブームホイスト綱具装置38は依然として伸長された状態になくてはならない。
【0039】
クレーン10の好ましい自己組立方法では、マスト34は、マスト昇降シリンダ88を伸長させることにより、約177°のマスト角まで下降される(図14の概略図を参照)。この角度では、マスト34の端部が地面に対して充分に低くなり、マスト34の端部のロープ車組立体42を通して荷重ホイストライン50を装着(rigging)することができる。荷重ホイストライン50が装着されたならば、次に、マスト昇降シリンダ88を収縮させることにより、マスト34を、160°(すなわち、水平から上方に20°以上の角度)のマスト角まで起立させる(図10参照)。ひとたびマスト34が160°以上のマスト角に起立されたならば、ブームホイスト綱具装置38のみを用いてマスト34の角度を制御できる。
【0040】
荷重ホイストライン50がマスト34に装着されたならば、マスト34を使用して、他のクレーン構成部品を持上げてクレーン10に位置決めすることができる。例えば、クローラ24が予めクレーン10に組付けられていない場合には、クローラ24を持上げ、位置決めしかつクレーンに組付けることができる。同様に、このときにカウンタウェイト22をクレーン10に組付けることができる。図15および図16に連続的に示すように、マスト34は、ブームバット30、ブームインサート32およびブームトップ28を、クレーン10の上方構造体12に組付けるのにも使用できる。
【0041】
マスト34を用いて他のクレーン構成部品を組付ける間は、マスト昇降シリンダ88は完全伸長状態にしておき、マスト昇降ヨーク66を角度115°に位置決めしておくのが好ましい。この角度に配向されると、マスト昇降ヨーク66はマスト34のバックストップとして機能し、マスト34が不意に垂直位置を通って後方に回転しかつ上方構造体12の後部上に倒れ込むことを防止する。これは、クローラ24のような構成部品をクレーン10の近くに組付ける場合に特徴に重要である。なぜならば、マスト34を垂直位置(すなわち、90°のマスト角)の非常に近くに位置決めしなければならないからである。前述のように、マスト34は、垂直位置の近くにあるときは非常に不安定である。また、マスト34が115〜90°の間にあるときは、マスト34は、ブームホイスト綱具装置38と関連させてマスト昇降ヨーク66を用いることにより制御されなくてはならない。
【0042】
ブーム26および他のクレーン構成部品がクレーン10に組付けられたならば、綱具の最終装着を行なうため、マスト34は、クレーン10の前方に向かってブーム26の頂部上に下降される。マスト角が160°より大きい(すなわち、水平から上方に20°より小さい)場合には、マスト昇降シリンダ88およびマスト昇降ヨーク66を使用して、前述と同じ手順によりマスト34を下降させる。マスト34をブーム26の頂部上に載置した状態で、荷重ホイストライン50がブームトップ28の端部のロープ車54の回りに通され、かつ同様にブームペンダント36がブームトップに連結される。
【0043】
ブーム26の最後の綱具装着が完了したならば、マスト昇降シリンダ88およびマスト昇降ヨーク66を使用して、マスト34をマスト角160°より上方(すなわち、水平から20°より大きい角度)に上昇させる。このマスト角より大きい角度では、マスト34は、ブームホイスト綱具装置38により上昇および制御され、これによりブーム26が地面から持上げられかつクレーン10が作動モード(図1に示す状態)に置かれる。このとき、マスト昇降シリンダ88が収縮されて、マスト昇降ヨーク66を保管位置に戻す。これにより、クレーンの通常の作動中にマスト昇降ヨーク66がマスト34の運動と干渉することが防止される。
クレーン10の自己分解は、上記方法を逆の順序で行なうことにより達成される。
【0044】
マスト34は90〜180°の間(ブームホイスト綱具装置38のみを使用する場合は115〜160°の間)の作動範囲をもつものとして説明したが、この範囲は、クレーンの自己組立および自己分解中にマスト34を用いるとき(例えば、マスト34を用いてクレーン構成部品を持上げかつクレーン10に組付けるとき)にのみ適用されるものであることに留意すべきである。図1から理解されようが、マスト34は、ブーム26に連結されるときには異なる運動範囲を有している。これは、ブーム26が、マスト34の端部に大きい力(この力は、ブームホイスト綱具装置38によりマスト34に加えられる力とは逆方向である)を加えることによる。かくして、マスト34は、ブーム26が通常のブーム作動範囲内にある限り安定している。
【0045】
同様に、上記種々の角度は、クレーン10の構造および構成部品に基いて定められることに留意すべきである。かくして、異なる構造または異なる構成部品を有するクレーンは異なる構造をもつマスト昇降シリンダまたは異なるストローク長をもつマストシリンダを必要とする。このような変更または修正は、クレーンまたは関連機械の技術分野の当業者がなし得るものである。
【0046】
上記方法および該方法の特定作動はクレーンオペレータにより手動制御しおよび調整することができるが、これらの幾つかの作動は、クレーン10のマイクロプロセッサをベースとするコントローラ(すなわちコンピュータ)(図示せず)により遂行しまたは補助するのが好ましい。より詳しくは、マストの自己昇降手順の遂行中に、マスト昇降シリンダ88およびブームホイスト綱具装置38の両方を制御することは非常に困難である。例えば、前述のように、保管位置からマスト34を上昇させるときには、オペレータは、マスト昇降シリンダ88を伸長させかつマスト昇降ヨーク66を回転させる第一制御を操作しなければならない。オペレータは、ブームホイスト綱具装置38を伸長させる第二制御を同時に操作しなければならない。ブームホイスト綱具装置38を伸長させるのが、マスト昇降ヨーク66の回転(およびマスト34の移動)に比べて早過ぎると、ブームホイストロープ40に大きい弛みが形成されてしまう。このためロープ40がクレーンの他の構成部品と絡み合うかロープ車組立体42、44内で絡み合って、ブームホイストロープ40がブームホイストドラム46から外れてしまうことがある。一方、ブームホイスト綱具装置38の伸長がマスト昇降ヨーク66の回転に比べて遅過ぎると、ブームホイスト綱具装置38およびマスト昇降ヨーク66によりマスト34に加えられる荷重に応答してマスト34が押し潰されてしまうことがある。また、前述のように、マスト34が垂直位置の近くにあるか、完全前方位置(非常に不安定な位置)にあるときは、ブームホイスト綱具装置38およびマスト昇降シリンダ88の正確な制御が特に重要である。
【0047】
上記に加え、オペレータは、マスト昇降手順の或る段階の遂行を忘れてしまうことがある。例えば、オペレータは、マスト34を作動範囲の下端部を通して(すなわち、160°のマスト角の下に)下降させる前に、マスト昇降ヨーク66を保管位置に配置することを忘れることがある。また、オペレータは、クレーン組立体のマスト34を使用する間に、マスト昇降ヨーク66をマストのバックストップ位置(すなわち115°の位置)に配置することを忘れることもある。かくして、マスト自己昇降手順中に遂行される少なくとも幾つかの作業を、マイクロプロセッサをベースとするコントローラすなわちコンピュータにより遂行されまたは補助されるようにするのが好ましい。
【0048】
図18に概略的に示すように、自己昇降マスト組立体64のマスト昇降シリンダ88は、閉ループ油圧システムを使用している。しかしながら、この閉ループシステムは、荷重ホイストポンプ90(すなわち、荷重ホイストドラムを回転させるのに使用される油圧ポンプ)に油圧的に連結されており、該ポンプ90は閉ループに油圧を供給する。マイクロプロセッサをベースとするコントローラは、荷重ホイストポンプ90、ブームホイストポンプ92、各マスト昇降シリンダ88に取付けられた荷重ピン94、制御弁96および圧力変換器98に接続されている。コントローラは、荷重ピン94、圧力変換器98、マスト角インジケータ100およびオペレータの制御ハンドル102の各々からの電気信号を受けることができる。荷重ピン94からの電気伸長は、各マスト昇降シリンダ88に作用するマスト荷重に比例する。圧力変換器98からの電気信号は荷重ホイストポンプ90により発生された油圧に比例する。マスト角インジケータ100および制御ハンドル102からの電気信号は、それぞれ、マスト角およびハンドル位置に比例する。コントローラは、荷重ホイストポンプ90の流量出力および制御弁102の位置を制御する電気信号をソースとしている。コントローラ内に存在するソフトウェアは、ブームホイストポンプ92、荷重ホイストポンプ90および制御弁96を介してマスト昇降作動を半自己化するルーチンを実行する。マストの昇降は、オペレータの制御ハンドル102から指令される。上昇または下降シーケンス中、ブームホイストロープ40およびマスト昇降シリンダ88は、マスト34が落下することを同時に(または交互に)抑制しおよび/またはマスト34を所定位置に持上げなくてはならない。
【0049】
マスト34の好ましい自己昇降方法では、クレーンオペレータは、コンピュータを使用してクレーン10をセットアップモードに配置し、次にクレーンオペレータは、オペレータ制御ハンドル102を押すことによりマスト自己昇降手順を開始させる。これに応答して、コンピュータはブームホイストロープ40を同時的に繰出してマスト昇降シリンダ88を伸長し、マスト34を上昇させる。
【0050】
好ましい方法では、コンピュータはブームホイスト綱具装置38に僅かな張力を維持し、この僅かな張力が自己上昇手順中のマスト34の制御の維持を補助する。2つの荷重ピン94、マスト角インジケータ100および圧力変換器98からの電気信号を用いることにより、荷重ホイストポンプ90およびブームホイストポンプ92からの流量は、昇降作動中に制御されて、ブームホイストロープ40とマスト昇降シリンダ88との間の適正な抑制/持上げ荷重組合せを維持する。
【0051】
マスト角インジケータ100およびオペレータ制御ハンドル102からの電気信号は、マスト34が完全前方位置(すなわち、160°のマスト角を超えた位置)に向かって下降されるときまたは垂直位置に向かって後方に上昇されるときにマスト34を受入れるための適正配向時に、マスト昇降シリンダ88、従ってマスト昇降ヨーク66を位置決めするのに使用される。換言すれば、クレーン10が「セットアップ」モードにあるときは、コンピュータがマスト34の角度をモニタリングしかつブームホイスト綱具装置38および自己昇降マスト組立体64を調整して、マスト自己昇降手順中に、常時、マスト34の制御を安全に維持する。
また、圧力センサおよび速度センサ等の付加センサを使用して、付加モニタリング機構を形成するためのブームホイストロープ張力および速度をモニタリングし、安全マスト34の自己昇降/作動手順を確保することもできる。
【0052】
本発明の装置および方法は種々の実施形態の形態で実施でき、これらの極く一部を例示しかつ上述したに過ぎないことに留意すべきである。本発明は、本発明の精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の形態で具現できる。ここに説明した実施形態は、あらゆる点において単なる例示であって制限的なものではなく、従って本発明の範囲は上記説明によってではなく特許請求の範囲の記載よって定められるものであることを理解すべきである。特許請求の範囲の記載における意味および均等物の範囲は、本発明の範囲内に包含されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の教示に従って作られた自己昇降マストを備えたクレーン全体を示す右側側面図である。
【図2】マストが保管位置にある、部分的に組立てられたクレーンを示す左側側面図である。
【図3】図2の3−3線に沿うクレーンの部分断面図であり、自己昇降マスト組立体の位置を示すものである。
【図4】図3の細部Aの拡大図であり、自己昇降マスト組立体の主要構成部品を示すものである。
【図5】図3の5−5線に沿うクレーンの部分断面図であり、自己昇降マスト組立体の位置を示すものである。
【図6】図5の細部Bの拡大図であり、自己昇降マスト組立体の主要構成部品を示すものである。
【図7】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにあるクレーンを示す右側側面図である。
【図8】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにあるクレーンを示す右側側面図である。
【図9】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにあるクレーンを示す右側側面図である。
【図10】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにあるクレーンを示す右側側面図である。
【図11】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにある自己昇降マスト組立体を示す概略図である。
【図12】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにある自己昇降マスト組立体を示す概略図である。
【図13】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにある自己昇降マスト組立体を示す概略図である。
【図14】自己昇降マスト作業の連続段階の1つにある自己昇降マスト組立体を示す概略図である。
【図15】ブーム組立体の連続段階の1つにあるクレーンを示す右側側面図である。
【図16】ブーム組立体の連続段階の1つにあるクレーンを示す右側側面図である。
【図17】自己昇降マスト手順中に上昇されたマストを示すクレーンの上方構造体を示す斜視図である。
【図18】自己昇降マスト組立体を制御する油圧回路を示す概略図である。
【符号の説明】
10 クローラクレーン
12 上方構造体
26 ブーム
34 マスト
38 ブームホイスト綱具装置
64 自己昇降マスト組立体
66 マスト昇降ヨーク
76 マスト昇降ヨークの前方アーム
78 マスト昇降ヨークの後方アーム
86 レバーアーム
88 マスト昇降シリンダ

Claims (32)

  1. 下方構造体上に回転可能に取付けられた上方構造体および該上方構造体上に枢着されたブームを有し、該ブームは、ブームホイスト綱具装置と、上方構造体に枢着されたマストとにより支持され、マストがブームに連結されていないときにマストの位置を制御するための自己昇降マスト組立体を更に有するクレーンにおいて、前記自己昇降マスト組立体が、
    a)上方構造体に枢着されかつ回転軸線を備えたマスト昇降ヨークを有し、該マスト昇降ヨークは、前記マストが前記ブームホイスト網具装置により支持できないときに、前記マストと係合し、かつマストを支持し、さらに前記マストが前記ブームホイスト網具装置により支持できるときに、前記マストから係合が外れるように構成され、
    b)上方構造体とマスト昇降ヨークとの間に枢着された油圧マスト昇降シリンダを有し、該油圧マスト昇降シリンダは伸長および収縮して、前記回転軸線を中心にマスト昇降ヨークを回転させることができ、
    c)油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮を制御するための油圧システムを更に有する、
    ことを特徴とするクレーン。
  2. 前記マスト昇降ヨークは前方アームおよび後方アームを有し、後方アームは、マストが上方構造体の後方部分を向いたほぼ水平の保管位置と、ほぼ垂直な位置との間にあるときにマストと係合して該マストを支持するように構成され、前方アームは、マストがクレーンの前方部分を向いた水平位置の近くにあるときにマストと係合して該マストを支持するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のクレーン。
  3. 前記前方アームおよび後方アームの各々が、マストのリフト部材と係合するように構成された係合部材を有し、後方アームの係合部材は、マストが保管位置とほぼ垂直な位置との間にあるときに前記リフト部材と係合し、前方アームの係合部材は、マストがクレーンの後方部分を向いた水平位置の近くにあるときに前記リフト部材と係合する、
    ことを特徴とする請求項2記載のクレーン。
  4. 前記自己昇降マスト組立体は1対の自己昇降マスト組立体からなり、各自己昇降マストはマストの脚と係合するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項2記載のクレーン。
  5. 前記マストは約180°の角度に亘って枢動できることを特徴とする請求項2記載のクレーン。
  6. 前記マスト昇降ヨークは、マスト昇降シリンダに枢着されたレバーアームを更に有する、
    ことを特徴とする請求項2記載のクレーン。
  7. 前記油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮とブームホイスト綱具装置の伸長および収縮とを整合させるためのマイクロプロセッサをベースとするコントローラを更に有する、
    ことを特徴とする請求項1記載のクレーン。
  8. 前記マイクロプロセッサをベースとするコントローラは、ブームホイスト綱具装置に作用する力とマストに作用する力との適正なバランスを維持する、
    ことを特徴とする請求項7記載のクレーン。
  9. 下方構造体上に回転可能に取付けられた上方構造体および該上方構造体上に枢着されたブームを有し、該ブームは、ブームホイスト綱具装置と、上方構造体に枢着されたマストとにより支持され、ブームホイスト綱具装置は、マストの後方部分とマストの上端部との間で連結されており、マストの上端部とブームとの間に連結されたブームペンダントを有し、マストがブームに連結されておらずかつブームホイスト綱具装置により支持されないときにマストを昇降させる自己昇降マスト組立体を更に有するクレーンにおいて、前記自己昇降マスト組立体が、
    a)上方構造体に枢着されかつ回転軸線を備えたマスト昇降ヨークを有し、該マスト昇降ヨークは、マストが上方構造体の後方部分を向いたほぼ水平の保管位置と、ほぼ垂直な位置との間にあるときにマストと係合して該マストを支持するように構成された後方アームを備え、該後方アームは、マストがブームホイスト綱具装置により支持されるとマストから離脱し、
    b)上方構造体とマスト昇降ヨークとの間に枢着された油圧マスト昇降シリンダを有し、該油圧マスト昇降シリンダは伸長および収縮して、前記回転軸線を中心にマスト昇降ヨークを回転させることができ、
    c)油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮を制御するための油圧システムを更に有する、
    ことを特徴とするクレーン。
  10. 前記マスト昇降ヨークは前方アームを更に有し、該前方アームは、マストがクレーンの前方部分を向いた水平位置の近くにあるときにマストと係合して該マストを支持するように構成され、前方アームは、マストがブームホイスト綱具装置により支持されるとマストから離脱される、
    ことを特徴とする請求項9記載のクレーン。
  11. 前記前方アームおよび後方アームの各々が、マストのリフトピンと係合するように構成された係合スロットを有し、後方アームの係合スロットは、マストが保管位置とほぼ垂直な位置との間にあるときに前記リフトピンと係合し、前方アームの係合スロットは、マストがクレーンの後方部分を向いた水平位置の近くにあるときに前記リフトピンと係合する、
    ことを特徴とする請求項10記載のクレーン。
  12. 前記自己昇降マスト組立体は1対の自己昇降マスト組立体からなり、各自己昇降マストはマストの脚と係合するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項11記載のクレーン。
  13. 前記マスト昇降ヨークは、マスト昇降シリンダに枢着されたレバーアームを更に有する、
    ことを特徴とする請求項11記載のクレーン。
  14. 前記マスト昇降ヨークは保管位置とマストのバックストップ位置との間で枢動でき、前記後方アームは、マスト昇降ヨークが保管位置にあるときにほぼ水平になりかつマスト昇降ヨークがバックストップ位置にあるときにほぼ垂直になり、マスト昇降ヨークは、油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮により、保管位置とマストのバックストップ位置との間で枢動する、
    ことを特徴とする請求項11記載のクレーン。
  15. 前記マスト昇降ヨークがマストのバックストップ位置にあるとき、後方アームは、マストが上方構造体の後方部分上に落下することを防止する、
    ことを特徴とする請求項14記載のクレーン。
  16. 前記マスト昇降ヨークがマストのバックストップ位置にあるとき、前方アームは、マストがクレーンの前方部分を向いた水平位置の近くにあるときにマストが落下することを防止する、
    ことを特徴とする請求項14記載のクレーン。
  17. 前記マストは、ブームに連結さていないときは約180°の角度に亘って枢動できる、
    ことを特徴とする請求項11記載のクレーン。
  18. 前記マストは、ブームに連結されておらずかつマストの角度が保管位置から測定して約0〜115°の間にあるときに、マスト昇降ヨークの後方アームにより支持され、マストの角度が約115〜160°の間にあるときに、ブームホイスト網具装置により支持され、かつマストの角度が約160〜180°の間にあるときに、マスト昇降ヨークの前方アームにより支持される、
    ことを特徴とする請求項17記載のクレーン。
  19. 前記後方アームの係合スロットおよび前方アームの係合スロットは約160°の角度で分離され、この角度は前記マスト昇降ヨークの回転軸線を中心に測定される、
    ことを特徴とする請求項11記載のクレーン。
  20. 前記油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮とブームホイスト綱具装置の伸長および収縮とを整合させるためのマイクロプロセッサをベースとするコントローラを更に有する、
    ことを特徴とする請求項9記載のクレーン。
  21. 前記マイクロプロセッサをベースとするコントローラは、マストがブームに連結されていないときに、ブームホイスト綱具装置に作用する力とマストに作用する力との適正なバランスを維持する、
    ことを特徴とする請求項20記載のクレーン。
  22. 下方構造体上に回転可能に取付けられた上方構造体および該上方構造体上に枢着されたブームを有し、該ブームは、ブームホイスト綱具装置と、上方構造体に枢着されたマストとにより支持され、ブームホイスト綱具装置は、マストの後方部分とマストの上端部との間で連結されており、マストの上端部とブームとの間に連結されたブームペンダントを有し、マストがブームに連結されておらずかつブームホイスト綱具装置により支持されないときにマストを昇降させる自己昇降マスト組立体を更に有するクレーンにおいて、前記自己昇降マスト組立体が、
    a)上方構造体に枢着されかつ上方構造体へのマストの枢着点に一致する回転軸線を備えたマスト昇降ヨークを有し、該マスト昇降ヨークは後方アームおよび前方アームを有し、後方アームは、マストが上方構造体の後方部分を向いたほぼ水平の保管位置と、ほぼ垂直な位置との間にあるときにマストと係合して該マストを支持するように構成され、前方アームは、マストがクレーンの前方部分を向いた水平位置の近くにあるときにマストと係合して該マストを支持するように構成され、前記後方アームおよび前方アームは、マストがブームホイスト綱具装置により支持されるとマストから離脱でき、
    b)上方構造体とマスト昇降ヨークとの間に枢着された油圧マスト昇降シリンダを有し、該油圧マスト昇降シリンダは伸長および収縮して、マスト昇降ヨークを回転させることができ、マストは、該マストが後方アームまたは前方アームと係合したときにマスト昇降ヨークの回転により上昇または下降され、
    c)油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮を制御するための油圧システムと、
    d)前記油圧システムを制御するための、マイクロプロセッサをベースとするコントローラとを更に有し、油圧システムの制御はブームホイスト綱具装置の伸縮と整合される、
    ことを特徴とするクレーン。
  23. 前記前方アームおよび後方アームの各々が、マストのリフトピンと係合するように構成された係合スロットを有し、後方アームの係合スロットは、マストが保管位置とほぼ垂直な位置との間にあるときに前記リフトピンと係合し、前方アームの係合スロットは、マストがクレーンの後方部分を向いた水平位置の近くにあるときに前記リフトピンと係合する、
    ことを特徴とする請求項22記載のクレーン。
  24. 前記マスト昇降ヨークは、マスト昇降シリンダに枢着されたレバーアームを更に有することを特徴とする請求項22記載のクレーン。
  25. 前記マスト昇降ヨークは保管位置とマストのバックストップ位置との間で枢動でき、前記後方アームは、マスト昇降ヨークが保管位置にあるときにほぼ水平になりかつマスト昇降ヨークがバックストップ位置にあるときにほぼ垂直になり、マスト昇降ヨークは、油圧マスト昇降シリンダの伸長および収縮により、保管位置とマストのバックストップ位置との間で枢動する、
    ことを特徴とする請求項22記載のクレーン。
  26. 前記マスト昇降ヨークがマストのバックストップ位置にあるときに、後方アームは、マストが上方構造体の後方部分上に落下することを防止し、マスト昇降ヨークがマストのバックストップ位置にあるときに、前方アームは、マストがクレーンの前方部分を向いた水平位置の近くにあるときにマストが落下することを防止する、
    ことを特徴とする請求項25記載のクレーン。
  27. 前記マスト昇降シリンダの荷重ピンにはマイクロプロセッサをベースとするコントローラが接続され、荷重ピンは、マストが前記後方アームまたは前方アームと係合するときにマストによりマスト昇降シリンダに加えられる荷重に比例する電気信号を前記マイクロプロセッサをベースとするコントローラに供給する、
    ことを特徴とする請求項22記載のクレーン。
  28. 前記油圧システムは閉ループ油圧システムからなり、該閉ループ油圧システムは、制御弁を介して荷重ホイストポンプに油圧的に連結され、前記制御弁は、マイクロプロセッサをベースとするコントローラから受けた電気信号に応答して閉ループ油圧システムの油圧を調整する、
    ことを特徴とする請求項22記載のクレーン。
  29. 下方構造体上に回転可能に取付けられた上方構造体と、該上方構造体に枢着されたブームとを有し、前記ブームは、ブームホイスト綱具装置および上方構造体に枢着されたマストにより支持され、該マストがブームに連結されておらずかつブームホイスト綱具装置により支持されていないときにマストの位置を制御する自己昇降マスト組立体を更に有し、該自己昇降マスト組立体は、上方構造体に枢着されかつ回転軸線をもつマスト昇降ヨークと、上方構造体とマスト昇降ヨークとの間に枢着された油圧マスト昇降シリンダと、該マスト昇降シリンダを制御する油圧システムとを備えているクレーンのマストを自己昇降させる方法において、下記連続段階すなわち、
    a)マストが上方構造体の後方部分上で後方に延びている保管位置にあるときに、マストとマスト昇降ヨークとを係合させる段階と、
    b)マストを保管位置から前方リーニング位置へと上方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを伸長してマスト昇降ヨークを第一方向に回転させる段階と、 c)マストが前方リーニング位置にあるときにブームホイスト綱具装置によりマストを支持する段階と、
    d)マストがブームホイスト綱具装置により支持されるときに、マストからマスト昇降ヨークを離脱させるべく、マスト昇降シリンダを収縮させてマスト昇降ヨークを第二方向に回転させる段階と、
    e)ブームホイスト綱具装置を伸長して、マストを前方に延びた完全前方位置へと下降させる段階と、
    f)マストが完全前方位置の近くにあるときにマストとマスト昇降ヨークとを係合させる段階と、
    g)マストを完全前方位置へと下方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを伸長させてマスト昇降ヨークを第一方向に回転させる段階と、
    h)マストをブームに連結する段階とを有する、
    ことを特徴とする方法。
  30. 前記マストがブームに連結されていないときに、マストを用いてクレーン構成部品を持上げかつクレーンに組付ける、
    ことを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. 下方構造体上に回転可能に取付けられた上方構造体と、該上方構造体に枢着されたブームとを有し、前記ブームは、ブームホイスト綱具装置および上方構造体に枢着されたマストにより支持され、該マストがブームに連結されておらずかつブームホイスト綱具装置により支持されていないときにマストの位置を制御する自己昇降マスト組立体を更に有し、該自己昇降マスト組立体は、上方構造体に枢着された後方アームおよび前方アームを備えかつ前記マストの回転軸線と整合した回転軸線をもつマスト昇降ヨークと、上方構造体とマスト昇降ヨークとの間に枢着された油圧マスト昇降シリンダと、該マスト昇降シリンダを制御する油圧システムとを備えているクレーンのマストを自己昇降させる方法において、下記連続段階すなわち、
    a)マストが上方構造体の後方部分上で後方に延びている保管位置にあるときに、マストとマスト昇降ヨークの後方アームとを係合させる段階を有し、後方アームはマストのリフトピンと係合する係合スロットを備え、
    b)マストを保管位置から前方リーニング位置へと上方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを伸長してマスト昇降ヨークを第一方向に回転させる段階と、 c)マストが前方リーニング位置にある間に、マストからマスト昇降ヨークの後方アームを離脱させるべく、マスト昇降シリンダを収縮させてマスト昇降ヨークを第二方向に回転させる段階と、
    d)マストが前方リーニング位置にある間にブームホイスト綱具装置によりマストを支持する段階と、
    e)ブームホイスト綱具装置を伸長して、マストを完全前方位置へと下降させる段階と、
    f)マストが完全前方位置の近くにあるときにマストとマスト昇降ヨークの前方アームとを係合させる段階とを有し、前記前方アームは、マストのリフトピンと係合する係合スロットを備え、
    g)マストを上方構造体の前方の完全前方位置へと下方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを伸長させてマスト昇降ヨークを第一方向に回転させる段階と、
    h)マストをブームに連結する段階と、
    i)マストを上方構造体の前方の完全前方位置から上方に枢動させるべく、マスト昇降シリンダを収縮させてマスト昇降ヨークを第二方向に回転させる段階と、
    j)ブームホイスト綱具装置を収縮させて、マストを上昇させかつブームをクレーン作動範囲内に持上げる段階とを更に有する、
    ことを特徴とする方法。
  32. 前記マストがブームに連結されていないときに、マストを使用してクレーン構成部品を持上げかつクレーンに組付ける、
    ことを特徴とする請求項31記載の方法。
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