本発明は、車両前方の道路状況に応じて変速機や制動装置などを制御する車両の走行制御装置に関するものである。
ナビゲーションシステムから得られる道路情報に基づいて車両の速度を制御する技術が従来から知られている。例えば、ナビゲーションシステムから得られる道路情報を考慮し、車両がカーブしている道路に差し掛かったとき、コーナーリング中の運転者のブレーキの解放や、アクセルペダルの踏み込みにより変速機の変速段をシフトダウンし、車両を減速させるようにしている。
このような技術としては、例えば、下記特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1に記載された車両制御装置は、ナビゲーション装置から読み込んだ車両の現在位置と前方のカーブに基づき、最適な変速段を選択すると共にシフトアップを制限し、現在の速度が減速可能速度を超えると判断し、アクセルペダルのオフが検出されたら、変速段をシフトダウンしてエンジンブレーキにより減速するものである。
ところで、変速機のダウンシフト制御やブレーキ装置の作動制御など車両の減速制御は、走行する路面の摩擦抵抗を考慮する必要がある。即ち、車両が、雨で濡れた路面や凍結した路面、雪が積もった路面などを走行する場合、車両の急激な加速度変化によりスリップを招く虞がある。そのため、このような路面摩擦係数の低い路面を走行する場合には、急ブレーキを避けることはもちろんであるが、変速段を低速段や高速段ではなく、中速段に維持すると共に、低速段や高速段から中速段への変更なしに走行することが望ましい。
ところが、上述した従来の車両制御装置にあっては、車両の現在位置と前方カーブに基づいて最適な変速段を選択し、現在の速度が減速可能速度を超えると判断し、アクセルペダルのオフが検出されたらダウンシフト制御を実行しており、車両が走行する路面の摩擦抵抗が考慮されていない。そのため、走行する路面の状況によっては、ダウンシフト制御が実行されたとき、車両の必要以上の加速度変化が生じてスリップする可能性があり、十分な安全性が考慮されていない。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、車両が走行する道路の路面状況を考慮して減速制御を実行すると共に、運転者に違和感のない減速制御を行うことで、運転者の意思に応じた走行性を確保してドライバビリティの向上を図った車両の走行制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両の走行制御装置は、道路情報に基づいて車両前方の道路状況を検出する道路状況検出手段と、該道路状況検出手段が検出した道路状況に基づいて減速制御を行う減速制御手段と、路面摩擦係数を推定あるいは検出する路面摩擦係数推定検出手段と、アクセル操作のオフ状態を検出するアクセル検出手段と、ブレーキ操作のオン状態を検出するブレーキ検出手段と、前記路面摩擦係数推定検出手段が推定あるいは検出した路面摩擦係数が所定値以下であるときには前記アクセル検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行せずに前記ブレーキ検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行する一方、前記路面摩擦係数が所定値よりも大きいときには前記アクセル検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行する減速制御実行手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置では、前記減速制御手段は、変速機におけるダウンシフト制御、エンジン出力の低減制御、発電機の作動制御、ブレーキ装置の制動制御の少なくともいずれか一つであることを特徴としている。
本発明の車両の走行制御装置では、前記減速制御手段は、変速機におけるダウンシフト制御であり、変速後にアップシフトを規制することを特徴としている。
本発明の車両の走行制御装置では、ブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を設け、前記減速制御実行手段は、該ブレーキ操作量検出手段が検出したブレーキ操作量が大きいほど、減速制御量を大きく設定することを特徴としている。
本発明の車両の走行制御装置では、ブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を設け、ブレーキ装置の減速度が、前記ブレーキ操作量検出手段が検出したブレーキ操作量に相当する減速度から前記減速制御手段による減速度を減算した値となるように該ブレーキ装置を制御することを特徴としている。
また、本発明の車両の走行制御装置は、車両の減速制御を行う減速制御手段と、走行する道路の路面摩擦係数を検出する路面摩擦係数検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル検出手段と、ブレーキ操作量を検出するブレーキ検出手段と、前記路面摩擦係数検出手段が検出した路面摩擦係数が所定値以下であるときには前記アクセル検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行せずに前記ブレーキ検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行する一方、前記路面摩擦係数が所定値よりも大きいときには前記アクセル検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行する減速制御実行手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置では、前記路面摩擦係数検出手段は、車輪速センサが検出した車輪速度に基づいて算出することを特徴としている。
本発明の車両の走行制御装置では、ブレーキ装置の減速度が、前記ブレーキ検出手段が検出したブレーキ操作量に相当する減速度から前記減速制御手段による減速度を減算した値となるように該ブレーキ装置を制御することを特徴としている。
更に、本発明の車両の走行制御装置は、車両の減速制御を行う減速制御手段と、走行する道路が路面摩擦係数の低い低μ路かこの低μ路より路面摩擦係数の高い高μ路かを判定する判定手段と、アクセル開度を検出するアクセル検出手段と、ブレーキ操作量を検出するブレーキ検出手段と、前記判定手段が低μ路と判定したときには前記アクセル検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行せずに前記ブレーキ検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行する一方、高μ路と判定したときには前記アクセル検出手段の検出結果に基づいて前記減速制御を実行する減速制御実行手段とを具えたことを特徴とするものである。
本発明の車両の走行制御装置によれば、路面摩擦係数が低いときにはブレーキ操作のオン状態により減速制御を実行する一方、路面摩擦係数が高いときにはアクセル操作のオフ状態により減速制御を実行するようにしたので、車両が走行する道路の路面状況を考慮して減速制御を実行することで、運転者の意思に応じた走行性を確保することができ、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
また、本発明の車両の走行制御装置によれば、路面摩擦係数が低いときにはブレーキ操作量に基づいて減速制御を実行する一方、路面摩擦係数が高いときにはアクセル開度に基づいて減速制御を実行するようにしたので、車両が走行する道路の路面状況を考慮して減速制御を実行することで、運転者の意思に応じた走行性を確保することができ、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
以下に、本発明にかかる車両の走行制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る車両の走行制御装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の車両の走行制御装置によるダウンシフト制御のフローチャートである。
本実施例の車両の走行制御装置において、図1に示すように、内燃機関としてのエンジン11には、トルクコンバータ12を有する自動変速機13が連結されており、エンジン11の駆動力は、このトルクコンバータ12を介して自動変速機13に入力され、図示しないデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して駆動輪に伝達される。また、自動変速機13は、油圧制御装置14により車両の運転状態に応じて変速比を自動的に制御可能となっている。
車両にはエンジン11や自動変速機13などを制御する電子制御ユニット(ECU)15が設けられており、このECU15はエンジン11及び自動変速機13(油圧制御装置14)の総合的な制御を行う。
即ち、車両にはアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセルポジションセンサ(アクセル検出手段)21が設けられており、検出したアクセル開度はECU15に出力される。エンジン11の吸気管22には電子スロットルバルブ23が設けられており、この電子スロットルバルブ23はスロットルアクチュエータ24により開閉可能となっている。ECU15はこのスロットルアクチュエータ24により電子スロットルバルブ23を駆動し、スロットル開度がアクセル開度に応じたものとなるように制御する。また、吸気管22には電子スロットルバルブ23をバイパスするバイパス通路25が設けられており、このバイパス通路25にはエンジン11のアイドル回転数を制御するために電子スロットルバルブ23の全閉時の吸気量を制御するアイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)26が設けられている。そして、電子スロットルバルブ23の全閉状態(アイドル状態)及びスロットル開度を検出するアイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27が設けられており、検出したアイドル信号及びスロットル開度はECU15に出力される。
また、吸気管22にて、電子スロットルバルブ23の上流側には吸入空気量を検出するエアフローセンサ28が設けられており、検出した吸入空気量はECU15に出力される。更に、エンジン11には、エンジン回転数(エンジン回転速度)を検出するエンジン回転数センサ29が設けられると共に、車両の走行速度を検出する車速センサ30が設けられており、検出したエンジン回転数や車速はECU15に出力される。また、車両には、運転者が操作するシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサ31が設けられると共に、自動変速機13には、現在の変速段を検出する変速段センサ32が設けられており、検出したシフトポジションや変速段はECU15に出力される。
従って、ECU15は、エンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度などのエンジン11の運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタや点火プラグなどを制御することができる。また、ECU15は、変速マップを有しており、スロットル開度、車速などに基づいて自動変速機13の変速段を決定し、この決定された変速段を成立させるように油圧制御装置14を制御することができる。また、変速時の変速比の変化に伴ってエンジン回転数を適切に変化させるため、必要に応じてエンジン11の出力制御を行うことができる。
車両にはブレーキ装置16が搭載され、油圧制御装置17により制御可能となっている。従って、運転者がブレーキペダル18を踏み込むと、その操作量に応じてマスタシリンダ19で発生した圧力が油圧制御装置17に伝達され、ブレーキ装置16でブレーキ操作量に応じた制動力を発生させることができる。また、この油圧制御装置17はECU15により制御可能となっており、車両の運転状態に応じて油圧制御装置17を制御し、ブレーキ操作量を加味してブレーキ装置16で発生する制動力を増減することができる。なお、ブレーキペダル18には、ブレーキペダル18の操作量を検出するブレーキ操作量センサ(ブレーキ検出手段)33が設けられており、検出したブレーキ操作量はECU15に出力される。
本実施例では、道路情報に基づいて現在車両が走行する道路状況を検出し、この道路状況に応じた減速制御が可能となっている。この場合、ECU15は、前方の道路状況がカーブや交差点であったり、走行する道路が下り坂であるなど減速が必要な領域であると判断したときには、このカーブや下り坂を通過するための適正速度を設定し、自動変速機(減速制御手段)13をシフトダウンしてエンジンブレーキの作用により車両を減速させるようにしている。
そのため、車両には、道路情報を得るためのナビゲーションシステム(道路状況検出手段)41が搭載されており、このナビゲーションシステム41はナビゲーションECU42を有し、ECU15と情報の交換が可能となっている。このナビゲーションECU42には、操作部43、表示部44、スピーカ45が接続されている。乗員は、この操作部43を用いて各種の指示データを入力することができ、表示部44に現在地周辺の地図データや現在位置、目的位置、経路などの情報を表示することができると共に、スピーカ45を用いて案内音声を聞くことができる。
位置検出部46は、GPS受信機やジャイロスコープなどから構成され、車両の絶対位置(緯度経度)を検出してナビゲーションECU42に出力する。地図データベース47は、CD−RWやDVDなどの記録媒体で構成され、各種の地図データが記憶されており、ナビゲーションECU42は必要な地図データを検索して表示部44に表示することができる。
このナビゲーションシステム41を用いて、現在地から目的地までナビゲーション走行する場合、乗員は、この操作部43を用いて目的地(住所、電話番号、施設名など)を入力する。すると、ナビゲーションECU42は、この指示データに基づいて地図データベース47を読み出し、現在地から目的地までの最適経路を検索する。そして、得られた経路は、現在地周辺の地図データ及び現在地マークと一緒に、表示部44に表示される。運転者は、表示部44に表示された地図データを見ながら、また、スピーカ45からの案内音声を聞きながら、目的地までナビゲーション走行することができる。
また、前方の道路の勾配情報は、スロットルポジションセンサ27が検出したスロットル開度と、車速センサ30(あるいは加速度センサ)が検出した現在の車速(加速度)に基づいて検出する。即ち、ECU15は、現在のスロットル開度から求められる計算上のエンジン出力(加速度)と、現在の車速から求められる実際のエンジン出力(加速度)とを比較し、両者の偏差量から道路が平坦路なのか、下り坂または上り坂なのかを判断している。
従って、本実施例では、このナビゲーションシステム41やスロットルポジションセンサ27、車速センサ30を用いて車両が走行する道路状況、つまり、直線道路が継続するのか、前方にカーブがあるのか、走行中の道路が下り坂なのかなどを検出する。そして、ECU15は、前方の道路がカーブであったり、現在の道路が下り坂などで、減速が必要であると判定したときには、運転者の減速意思を確認してからダウンシフト制御を実行し、車両を減速させる。
ところで、このダウンシフト制御を実行したとき、車両には減速度が発生するため、走行する路面の状況(濡れた路面、凍結路面、積雪路面など)によってはスリップを招く虞があり、運転者の減速意思を十分に確認する必要がある。そこで、本実施例では、ダウンシフト制御を実行する場合、運転者の減速意思を確認、つまり、その実行条件を道路の路面状況に応じて変更するようにしている。
即ち、車両には、走行する道路の路面摩擦係数μを検出する路面検出センサ(路面摩擦係数推定検出手段)34が設けられている。路面検出センサ34は、例えば、車輪速度センサであり、車速センサ30が検出した車体速度から車輪速度センサが検出した車輪速度を減算し、この減算値を車体速度で除算することでスリップ率を算出し、このスリップ率から路面摩擦係数μを求めるようにすれば良い。この車輪速度センサは、アンチロックブレーキシステムの構成部材として車両に搭載されており、これを用いればよい。なお、路面検出センサ34は、この車輪速度センサに限らず、ナビゲーションシステム41を用いて天気情報を得て濡れた路面や積雪路面などを判定しても良い。また、ワイパーの作動状態から降雨を検出したり、ステレオカメラが撮影した路面の白線表示の有無から積雪を検出し、路面状況に置き換えるようにしても良い。
そして、前方の道路にカーブあったり、勾配道路であってダウンシフト制御により車両を減速する必要がある場合、現在走行する道路が乾燥して路面摩擦係数の高い高μ路であったときは、アクセルOFF状態が確認されたことを実行条件としてダウンシフト制御を実行する。一方、ダウンシフト制御により車両を減速する必要がある場合、現在走行する道路が濡れていたり積雪があったりして路面摩擦係数の低い低μ路であったときは、ブレーキON状態が確認されたことを実行条件としてダウンシフト制御を実行する。
一般に、運転者が減速する場合、まず、アクセルペダルから足を離して踏み込みをやめ、次に、ブレーキペダルを踏んで減速する。そのため、アクセルOFF状態を確認してダウンシフト制御を実行することで、運転者の減速意思を早期に確認して直ちに車両を減速することができる。ところが、運転者がアクセルペダルから足を離すという行為は、減速意思だけでなく、車速を調整するという意思も少なからず含んでいる。そのため、アクセルOFF状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始した場合、運転者に減速意思がないときであっても車両を減速してしまう。車両が低μ路を走行中にこのような不要なダウンシフト制御が実行された場合、運転者は自分の意思にそぐわない車両の減速に戸惑い、スリップ状態に陥ってしまう可能性がある。
そこで、ECU(減速制御実行手段)15は、スリップしにくい高μ路では、アクセルOFF状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始し、運転者の減速意思を早期に確認して直ちに車両を減速することで、ドライバビリティを向上させる。一方、スリップしやすい低μ路では、ブレーキON状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始し、運転者の減速意思を確実に確認してから車両を減速することで、走行安全性を向上させる。
以下、本実施例の車両の走行制御装置によるダウンシフト制御を図2のフローチャートに基づいて説明する。
車両のダウンシフト制御において、図2に示すように、ステップS11にて、ECU15は、ダウンシフト制御の実行フラグF=0であるかどうかを判定し、F=0、つまり、ダウンシフト制御が実行されていないと判定したらステップS12に移行する。ステップS12では、ナビゲーションシステム41を用いて車両が走行する前方の道路状況を検出し、前方にカーブがあってコーナーRが所定値以下かどうかを判定する。ここで、前方カーブのコーナーRが所定値以下、つまり、急カーブがあれば、ステップS13に移行する。一方、ステップS12で、前方にカーブがなかったり、コーナーRが所定値以下でなければステップS14に移行し、ECU15は道路勾配が所定値A以上かどうかを判定する。このステップS14にて、道路勾配が所定値A以上、つまり、急な下り坂であれば、ステップS13に移行し、そうでなければ、何もせずにこのルーチンを抜ける。
ステップS12で急カーブがあると判定されたり、ステップS14で急な下り坂があると判定されたら、ステップS13に移行し、ここで、路面検出センサ34の検出結果に基づいて現在走行している道路が低μ路であるかどうかを判定する。そして、このステップS13にて、道路がスリップしにくい高μ路であれば、ステップS15に移行し、アクセルOFF状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始し、道路がスリップしやすい低μ路であれば、ステップS16に移行し、ブレーキON状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始する。
即ち、ステップS15では、アクセルペダルがOFFされたことでダウンシフト実行条件が成立したと判定し、ステップS17に移行する。このアクセルペダルのOFF状態は、アイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27からのアイドル信号で判定することができる。つまり、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないアイドル状態では、アイドルON信号が出力されており、ECU15はこのアイドルON信号を受けてアクセルペダルのOFF状態を認識する。一方、ステップS16では、ブレーキペダル18がONされたことでダウンシフト実行条件が成立したと判定し、ステップS17に移行する。このブレーキペダル18のON状態は、ブレーキ操作量センサ34がブレーキ操作量を出力することで、ブレーキペダル18のON状態を認識する。なお、ステップS15でアクセルOFF状態が検出されず、また、ステップS16でブレーキON状態が検出されなければ、ダウンシフト制御を実行せずにこのルーチンを抜ける。
そして、ステップS15にて、アクセルペダルがOFFされたことでダウンシフト実行条件が成立したと判定されると、また、ステップS16にて、ブレーキペダル18がONされたことでダウンシフト実行条件が成立したと判定されると、ステップS17で自動変速機13のダウンシフト制御が実行されると共に、シフトアップが禁止される。即ち、車両が減速必要領域に入って運転者の減速意思が確認されると、自動変速機13の変速段を、例えば、4速から3速へシフトダウンするように油圧制御装置14を制御する。
従って、車両は、カーブの手前や下り坂で運転者の意思通りに減速されることとなり、スムースで安全な走行を行うことができる。即ち、高μ路では、路面の摩擦抵抗が大きくてスリップしにくいため、アクセルOFF状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始し、運転者の減速意思を早期に確認して直ちに車両を減速することでドライバビリティが向上する。一方、低μ路では、路面の摩擦抵抗が小さくてスリップしやすいため、ブレーキON状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始し、運転者の減速意思を確実に確認してから車両を減速することで走行安全性が向上する。
そして、ステップS17でダウンシフト制御が実行されると、その後、ステップS18にて、ダウンシフト制御の実行フラグFを1と書き換えてこのルーチンを抜ける。
このようにダウンシフト実行条件が成立してダウンシフト制御が実行されると、ダウンシフト制御の実行フラグFが1となるため、ステップS11での判定結果によりステップS19に移行し、このステップS19以降の処理でダウンシフト制御の解除を行う。即ち、ステップS19では、カーブを走行するためのダウンシフト制御(ステップS12でYes)が実行されているかどうかを判定する。ここで、カーブを走行するためのダウンシフト制御が実行されていれば、ステップS20で、カーブを脱出したかどうかを判定する。ここで、カーブを脱出ししていなければこの制御を継続するために何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、このステップS20で、すでにカーブを脱出していればステップS22に移行する。
一方、ステップS19にて、カーブを走行するためのダウンシフト制御が実行されていなければ、下り坂を走行するためのダウンシフト制御(ステップS14でYes)が実行されているとし、ステップS21で、道路勾配が所定値B以下かどうかを判定する。ここで、道路勾配が所定値B以下でなければこの制御を継続するために何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、このステップS21で、道路勾配が所定値B以下であれば、すでに下り坂走行は終了したものであり、ステップS20で、カーブが脱出したことを確認してからステップS22に移行する。
この場合、ステップS14で用いた所定値Aと、ステップS21で用いた所定値Bとは、別の値とし、所定値A<所定値Bとしてヒステリシスを適用することで、ハンチングを防止することが望ましい。また、ステップS21で、道路勾配が所定値B以下であったとき、ステップS20でカーブが脱出したことを確認するのは、カーブを走行中の変速を防止するためである。
ステップS22では、ダウンシフト制御を終了すると共に、シフトアップを許可する。そして、ステップS23で、ダウンシフト制御の実行フラグFを0と書き換えてこのルーチンを抜ける。
このように実施例1の車両の走行制御装置にあっては、道路情報に基づいて現在車両が走行する前方の道路状況を検出し、この道路状況により減速が必要であると判定された場合、車両が路面摩擦係数の高い高μ路を走行中は、アクセルペダルのオフ状態を実行条件としてダウンシフト制御を実行する一方、車両が路面摩擦係数の低い低μ路を走行中は、ブレーキペダル18のオン状態を実行条件としてダウンシフト制御を実行するようにしている。
従って、スリップしにくい高μ路では、アクセルOFF状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始することで、運転者の減速意思を早期に確認して直ちに車両を減速することができ、ドライバビリティを向上することができる。一方、スリップしやすい低μ路では、ブレーキON状態を実行条件としてダウンシフト制御を開始することで、運転者の減速意思を確実に確認してから車両を減速することができ、走行安全性を向上することができる。その結果、車両が走行する道路の路面状況を考慮して減速制御を実行することで、運転者の意思に応じた走行性を確保することができ、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
なお、上述した実施例1では、高μ路でのダウンシフト実行条件の成立をアクセルペダルのOFF状態とし、アイドルスイッチ付スロットルポジションセンサ27からのアイドルOFF信号としたが、これに限るものではない。例えば、アクセルポジションセンサ21からのアクセル開度、スロットル開度などとしても良い。また、低μ路でのダウンシフト実行条件の成立をブレーキペダルのON状態とし、ブレーキ操作量センサ34からの操作量信号としたが、これに限るものではない。例えば、ブレーキペダル18に設けたブレーキスイッチのON信号としても良い。
また、実施例1では、減速制御手段として、変速機のダウンシフト制御により減速度を確保するようにしたが、この方法に限らず、スロットル開度の変化やエンジンのトルクダウン制御により減速度を確保するようにしても良い。また、減速制御手段としてブレーキによる制動制御のみにより減速度を確保するようにしても良い。このような場合、図2のフローチャートにおけるステップS17にて、ダウンシフト制御の実行により得られる減速度を、エンジン制御やブレーキ制御により確保できるように制御すればよい。
図3は、本発明の実施例2に係る車両の走行制御装置によるダウンシフト制御のフローチャート、図4は、本発明の実施例2に係る車両の走行制御装置によるダウンシフト制御のタイムチャートである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例の車両の走行制御装置の概略構成は、前述した実施例1とほぼ同様であるため、説明は省略する。本実施例の車両の走行制御装置では、低μ路でブレーキペダル18の踏み込みにより制動操作が実行されたとき、必要な制動力を、ブレーキ装置17の作動による制動力と、自動変速機13のダウンシフト制御による制動力とで受け持つようにしたものである。即ち、ECU15は、ブレーキ装置16の減速度が、ブレーキペダル18の操作量に相当する減速度から、自動変速機(減速手段)13のダウンシフト制御よる減速度を減算した値となるように、ブレーキ油圧制御装置17を制御(ブレーキ制御手段)するようにしている。以下、本実施例のダウンシフト制御について説明する。
本実施例の車両の走行制御装置において、図3に示すように、ステップS101にて、ECU15は、路面検出センサ34の検出結果に基づいて現在走行している道路が低μ路であるかどうかを判定する。そして、このステップS101にて、道路がスリップしにくい高μ路であれば、ステップS111に移行してブレーキ制御量を0として通常の変速制御並びにブレーキ制御を可能とする。一方、ステップS101にて、道路がスリップしやすい低μ路であれば、ステップS102に移行し、制動制御実行フラグF=0であるかどうかを判定し、F=0、つまり、制動制御が実行されていないと判定したらステップS103に移行する。
ステップS103では、運転者によりブレーキペダル18の踏込操作が行われているかどうかを判定し、ブレーキ操作が行われていればステップS104に移行する。ステップS104では、ブレーキ力が所定値を超えているかどうかを判定し、ブレーキ力が所定値を超えていれば、ステップS105に移行する。なお、ステップS103でブレーキ操作が行われていなかったり、ステップS104でブレーキ力が所定値を超えていなければ、ステップS112で制動制御実行フラグFを1としてこのルーチンを抜ける。
なお、ステップS103におけるブレーキ操作が行われているかどうかの判定は、ブレーキ操作量センサ34がブレーキ操作量を出力しているかどうかで判定する。また、ステップS104におけるブレーキ力が所定値を超えているかどうかの判定は、ブレーキ操作量センサ34が検出したブレーキ操作量が予め設定された所定値Fb1を超えているかどうかで判定する。この所定値Fb1は、ダウンシフト制御実行後の変速段で発生するエンジンブレーキ力より高い制動力で、且つ、ブレーキペダル18の踏力を弱めたときにブレーキ力の低減が感じられて違和感の生じないレベルとすることが望ましい。
そして、ステップS104にて、ブレーキ力が所定値を超えたことで制動制御実行条件が成立したと判定されると、ステップS105で自動変速機13のダウンシフト制御が実行されると共に、シフトアップが禁止される。即ち、自動変速機13の変速段を、例えば、4速から3速へシフトダウンするように油圧制御装置14を制御する。なお、このシフトアップが禁止の仕方は、ロジック上で禁止しても良いし、シフトアップの変速点を高速側に移行してシフトアップしにくい制御を実施しても良い。また、シフトアップの禁止は変速終了後に実施しても良い。そして、ステップS106で制動制御実行フラグFを1と書き換える。
このダウンシフト制御を実行するとき、自動変速機13では、ECU15が油圧制御装置17にダウンシフト指令を出力しても、応答遅れ(油圧や機械、電気的な遅れ)があるため、クラッチトルクが発生するまでにタイムラグがある。そこで、ステップS107では、自動変速機13にて、変速歯車機構の係合が開始されたかどうかを判定し、係合が開始されていないときには、ステップS108で、ブレーキ制御量の下限値Fb2を設定する。このブレーキ制御量の下限値Fb2は、ダウンシフト制御実行後の変速段で発生するエンジンブレーキ力よりやや高い制動力、または、これから係合させようとするクラッチの係合トルク相当とすることが望ましい。ブレーキ力は、この下限値とブレーキ踏力との大きいほうを採用する。そのため、ダウンシフト制御が開始された後で係合が開始される前に、運転者がブレーキペダル18を戻したとしても、適度な制動力が継続されることとなり、違和感を感じることはない。
そして、ダウンシフト制御が開始されてからクラッチが係合するまでの間、ブレーキ力の下限値が設定されてリターンされると、ステップS101で低μ路が確認された後、ステップS102の判定では、制動制御実行フラグF=1であるためにステップS107に移行する。ここでまだ係合が開始されていなければ、前述の処理を繰り返し行い、係合が開始されたら、ステップS109に移行し、ブレーキ制御量を設定する。
ECU15は、ブレーキ踏力相当分の制動力からクラッチトルク相当分の制動力を減算した値を、ブレーキ制御量(ブレーキ力)として油圧制御装置17に出力する。即ち、自動変速機13にて、変速歯車機構の係合が開始されると、クラッチトルク(エンジンブレーキ力)が増加するため、発生増加したクラッチトルクの相当分をブレーキ踏力相当分から差し引いてブレーキ力を設定する。そのため、運転者がブレーキペダル18を踏み込んで減速すると、当初はブレーキ装置16による制動力だけで減速するが、クラッチが係合するとクラッチトルクが発生し、ブレーキ踏力に応じた制動力がブレーキ装置16と自動変速機13により確保される。従って、運転者がアクセルペダル18を踏み込んでからダウンシフト制御が実行されて減速が終了するまで、ブレーキ踏力と同様な適正な制動力が作用することとなり、運転者に違和感を与えず、また、低μ路であっても適度なエンジンブレーキが作用するため、安全に車両を減速することができる。
そして、ステップS109にて、ブレーキ制御量が設定されると、ステップS110にて、制動制御実行フラグFを0と書き換える。そして、ステップS101にて、車両が低μ路を抜けたと判定されたら、ステップS111にて、ブレーキ制御量を0としてシフトアップを許可し、制動制御を終了する。
ここで、上述した制動制御における各種操作量の変化を図4のタイムチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、車両が低μ路を走行中に減速したいとき、運転者がアクセルペダルを戻して(アクセル開度=0、アイドル状態)、時間t1でブレーキペダル18を踏み込むと、ブレーキ踏力(ブレーキ操作量)が増加し、同時にブレーキ装置16によるブレーキ力が作用し、それに応じて車両に同様の制動力(車両加速度)が発生する。そして、時間t2にて、ブレーキ力が所定値Fb1を超えると、自動変速機13にダウンシフト指令が出力される。
ところが、ここで応答遅れが発生するため、時間t5で自動変速機13における変速歯車機構の係合が開始されてクラッチトルクが発生する。従って、この時間t5を基点として、ブレーキ踏力が実際の車両の制動力(車両加速度)となるように、クラッチトルクが増加した相当分の制動力をブレーキ装置15のブレーキ力から低下させる。その後、時間t6からt7にかけてブレーキ踏力が減少すると、それに応じてブレーキ力も減少し、時間t7でブレーキ踏力が0になるとブレーキ力も0となり、制動力はクラッチトルク相当分だけとなる。その後、時間t8にて、イナーシャトルク(図4斜線部分)が0となって変速後のエンジンブレーキが作用することとなる。従って、運転者がアクセルペダル18を踏み込んでから減速が終了するまで、ブレーキ踏力と同様な適正な制動力がブレーキ力とクラッチトルクにより確保されることとなり、運転者に違和感を与えることはなく、また、低μ路であっても適度なエンジンブレーキを作用させて安全に車両を減速させることができる。
また、図4に点線で示すように、時間t2でダウンシフト指令が出力されても、変速開始前、つまり、係合が開始されてクラッチトルクが発生する前に、時間t3で運転者がブレーキペダル18を戻した場合を考える。時間t3でブレーキ踏力が減少して時間t4で0になるとき、ブレーキ力として下限値Fb2が設定される。そのため、このときの制動力は、ダウンシフト制御実行後の変速段で発生するエンジンブレーキ力よりやや高い制動力、あるいは、これから係合させようとするクラッチトルクに設定されることとなり、適度な制動力が継続されて運転者に違和感を与えることはない。
このように実施例2の車両の走行制御装置にあっては、車両が走行する道路が低μ路であるとき、運転者によるブレーキペダル18の踏み込みで制動意思が確認されたら、必要な制動力を、ブレーキ装置17の作動による制動力と、自動変速機13のダウンシフト制御による制動力とで受け持つようにしたものである。具体的には、ブレーキ装置16の制動力を、ブレーキペダル18の操作量に相当する制動力から、自動変速機13のダウンシフト制御よる制動力を減算した値となるように、ブレーキ油圧制御装置17を制御するようにしている。
従って、運転者がアクセルペダル18を踏み込んでから減速が終了するまで、ブレーキ踏力と同様な適正な制動力がブレーキ力とクラッチトルクにより確保されることとなり、運転者に違和感を与えることはなく、また、低μ路であっても適度なエンジンブレーキを作用させて安全に車両を確実に減速させることができる。
なお、上述した実施例2にて、減速手段として、自動変速機13のダウンシフト制御とブレーキ装置16による制動制御を用いて協調制御するようにしたが、いずれか一方をエンジン11の駆動力制御に置き換えて実行するようにしても良い。この場合、図3のフローチャートにおけるステップS105にて、ダウンシフト制御の実行により得られる減速度を、エンジン制御により確保できるように制御し、S109にて、クラッチトルク相当分の減速度を、エンジン制御により確保できるように制御すればよい。
また、上述した実施例1では、低μ路でブレーキON状態を検出してダウンシフト制御を実行するようにしたが、ここで、実施例2で説明したように、ブレーキ操作量を検出し、自動変速機13とブレーキ装置16の制動力を制御する制動制御を実行するようにしても良い。
また、上述した各実施例にて、ダウンシフト制御または制動制御を実行するとき、自動変速機13の変速段を、4速から3速へシフトダウンするように油圧制御装置14を制御したが、この方法に限定されるものではない。車速や道路状況に応じて3速から2速へのシフトダウンや4速から2速へのシフトダウンでも良い。但し、ダウンシフトの頻度を考慮すると、運転者のブレーキ操作ごとに1段ずつシフトダウンすることが望ましい。2段以上シフトダウンすると制動力が大きくなりすぎることがあり、1段ずつシフトダウンすると、高速走行で所望の高速段規制を可能とすることができる。
図5は、本発明の実施例3に係る車両の走行制御装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例の車両の走行制御装置は、減速制御手段として発電機(モータジェネレータ)の発電制御を適用し、所定の減速度を確保するようにしている。即ち、図5に示すように、本実施例の車両はハイブリッド車両であって、エンジン11及びモータジェネレータ51を駆動源あるいは原動機として搭載している。そして、このエンジン11と、モータジェネレータ51と、トルクコンバータ12と、自動変速機13とが車両の前後方向に沿って直列的に順次駆動連結されており、モータジェネレータ51は、機械エネルギと電気エネルギとの間で相互に変換を行う機能、つまり、電動機としての機能と発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。そのため、このモータジェネレータ51はインバータ52を介してバッテリ53に接続されており、ECU15により、バッテリ53から電気エネルギが供給されて所定のトルクで回転駆動する回転駆動状態と、回生制動(モータジェネレータ51自体の電気的な制動トルク)によりジェネレータとして機能してバッテリ53に電気エネルギを充電する充電状態と、モータジェネレータ51が自由回転することを許容する無負荷状態とに切り換え可能となっている。
そして、ECU15は、車両の減速走行時あるいは制動走行時に回生制動モードが選択されると、この回生制御では、モータジェネレータ51が充電状態とされる。そのため、車両の運動エネルギでモータジェネレータ51が回転駆動され、その発電電力によりバッテリ53が充電されると共に、車両にエンジンブレーキのような回生制動トルクが作用する。このとき、ECU15は、モータジェネレータ51の発電電力を制御することで、それに応じた回生制動力を調節することができる。例えば、減速走行時には、車両に必要な目標制動トルクが設定され、この目標制動トルクからそのときの変速段によるエンジンブレーキトルクを差し引いた値を回生制動トルクとして算出し、この回生制動トルクが得られるようにモータジェネレータ51の発電電力が調節される。
従って、本実施例では、前方の道路状況により減速が必要であると判定された場合、車両が高μ路を走行中は、アクセルペダルのオフ状態を実行条件として減速制御を実行し、車両が低μ路を走行中は、ブレーキペダル18のオン状態を実行条件として減速制御を実行する。そして、この減速制御は、ECU15により、モータジェネレータ51の発電電力を制御することで得られる回生制動力を調節することで行う。即ち、実施例1で説明した図2のフローチャートにおけるステップS17にて、ダウンシフト制御の実行により得られる減速度と同等の制動力が確保できるように、モータジェネレータ51の発電電力を制御する。また、実施例2で説明した図3のフローチャートにおけるステップS105にて、ダウンシフト制御の実行により得られる減速度と同等の制動力が確保できるようにモータジェネレータ51の発電電力を制御し、ステップS109にて、ブレーキ踏力相当分からモータジェネレータ51の作動により得られる制動力を減算した値をブレーキ制御量とする。
このように実施例3の車両の走行制御装置にあっては、減速制御手段としてモータジェネレータ51の発電制御を適用し、車両に減速が必要であると判断されたときには、モータジェネレータ51の発電電力を制御することで、所定の制動力を確保するようにしている。従って、減速時に滑らかな制動力を付与することができ、運転者が感じる減速ショックを軽減し、ドライバビリティを向上することができる。
更に、本発明の車両の走行制御装置は、路面状況により減速制御の実行条件を変更し、また、そのときに必要な制動力をブレーキ装置と別の減速手段により受け持つようにしたものであり、減速制御手段(減速手段)として、変速機におけるダウンシフト制御、エンジン出力の低減制御、発電機の作動制御、ブレーキによる制動制御の少なくともいずれか一つとすればよく、複数を組み合わせて使用しても良い。そして、変速機は、自動変速機、無段変速機、自動変速モード付の手動変速機、ハイブリッド車両の駆動装置などを適用することができる。
以上のように、本発明に係る車両の走行制御装置は、路面状況により減速制御の実行条件を変更し、また、そのときに必要な制動力をブレーキ装置と別の減速手段により受け持つようにしたものであり、自動変速機、エンジン出力制御装置、ブレーキ装置、発電機作動制御装置などの減速手段を搭載した車両の走行制御装置に有用である。
本発明の実施例1に係る車両の走行制御装置を表す概略構成図である。
本実施例の車両の走行制御装置によるダウンシフト制御のフローチャートである。
本発明の実施例2に係る車両の走行制御装置によるダウンシフト制御のフローチャートである。
本発明の実施例2に係る車両の走行制御装置によるダウンシフト制御のタイムチャートである。
本発明の実施例3に係る車両の走行制御装置を表す概略構成図である。
符号の説明
11 エンジン
13 自動変速機(減速制御手段、減速手段)
14 A/T油圧制御装置
15 電子制御ユニット、ECU(減速制御実行手段)
16 ブレーキ装置(減速制御手段)
17 ブレーキ油圧制御装置
21 アクセルポジションセンサ(アクセル検出手段)
30 車速センサ
33 ブレーキ操作量センサ(ブレーキ検出手段、ブレーキ操作量検出手段)
34 路面検出センサ(路面摩擦係数推定検出手段)
41 ナビゲーションシステム
51 モータジェネレータ(発電機、減速制御手段)