JP4451600B2 - ビペリデンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビペリデンの製造方法に関する。
ビペリデンは、よく知られている重要な抗コリン作用薬であり、パーキンソン病の治療に使用される(Ullmanns Enzyklopadie der technischen Chemie, 4th edition, volume 21, Verlag Chemie, 1982, p.627)。ビペリデンは、1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル(エキソ,R))-1-フェニル-3-ピペリジノ-プロパノール(1,S)と1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル(エキソ,S))-1-フェニル-3-ピペリジノプロパノール(1,R)のラセミ化合物(Ia)からなり、アミノアルコールである1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の可能な4種類の鏡像異性体対(Ia〜Id)の1つである。
独国特許第1005067号及び米国特許第2789110号には、1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)をフェニルマグネシウムハロゲン化物と反応させることによる上記アミノアルコール(I)の調製が開示されている。米国特許第2789110号には、さらに、マンニッヒ反応において1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III)、パラホルムアルデヒド及びピペリジン塩酸塩から出発する、上記プロパノン(II)の調製、並びに、ディールス-アルダーシクロ付加においてシクロペンタジエン及びメチルビニルケトンから出発する上記エタノン(III)の調製が開示されている。
独国特許第1005067号及び米国特許第2789110号のどちらにも、上記方法で得られるアミノアルコール(I)が異性体混合物であるか又は純粋な異性体であるかについては全く開示されていない。
上記プロパノールを調製するための前駆物質である1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)は、エキソ異性体又はエンド異性体として2種類の異性体形態(II-エキソ, II-エンド)で存在することができ、当該エキソ形のみが上記したフェニルマグネシウムハロゲン化物との反応においてビペリデンを生成することができる。
(II-エキソ)の構造式と(II-エンド)の構造式は、各々のケースにおいて簡単にするために、それぞれ、エキソ異性体とエンド異性体の2種類の可能な鏡像異性体の一方のみを表している。しかしながら、本明細書の以下の記載において、(II-エキソ)又は(II-エンド)という名称は、エキソ形又はエンド形の鏡像異性体の対に関する。
プロパノン(II)を合成するための出発物質である1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III)も、エキソ異性体とエンド異性体の両方の異性体(III-エキソ, III-エンド)として存在し得、同様に、エキソ異性体を用いた反応のみがその後のステップでビペリデンを生じる。
(III-エキソ)の構造式と(III-エンド)の構造式は、各々のケースにおいて簡単にするために、それぞれ、エキソ異性体とエンド異性体の2種類の可能な鏡像異性体の一方のみを表している。しかしながら、本明細書の以下の記載において、(III-エキソ)又は(III-エンド)という名称は、エキソ形又はエンド形の鏡像異性体対に関する。
上記刊行物で用いられている前駆物質(III)及び中間体(II)の立体配置に関する情報については推定することは可能ではない。
1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III)がシクロ付加により1:4のエキソ/エンド比で得られることは知られている(例えば, R. Breslow, U. Maitra, Tetrahedron Letters, 1984, 25, 1239)。冒頭に記載した従来技術は、上記エタノン(III)の立体化学に関しては一切言及していないので、上記アミノアルコール(I)を調製するのにエタノン(III)は、必然的に、上記した異性体比で用いられていたものと仮定するしかない。
エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)の調製は、1965年に、J.G. Dinwiddie 及び S.P. McManus によって記述された(J. Org. Chem., 1965, 30, 766)。この調製方法では、エンド含有量の方が多い1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III)のエキソ/エンド混合物をナトリウムメタノラートの存在下にメタノール中で加熱し、約70%のエキソ含有量を有する混合物に異性化する。これから分別蒸留により、また適切な場合には蒸留物を再蒸留することにより、エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)を最大95%までの純度で得ることができる。
本出願人が行った実験では、マンニッヒ反応の出発物質として、実質的に純粋なエキソエタノン(III-エキソ)、即ち、95%以上のエキソ含有量を有するエタノン(III)を用いた場合でも、最大エキソ/エンド比が4.0:1であるプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物がいつも得られることが示された。これでは、プロパノン(II)とフェニルマグネシウム化合物の反応から純粋なビペリデン(Ia)を得ることに関しては不十分である。純粋なビペリデンとは、医薬としての適用に一般に必要とされる少なくとも99.0%の純度を有するビペリデン(Ia)を意味する。
本発明の目的は、ビペリデンを以前より高い収率で生成するビペリデンの製造方法を提供することである。ビペリデンは、構造式(Ia)で表される物質を意味する。特に、プロパノン(II)生成における選択性をエキソ異性体の方に改善することが意図されている。
本発明者らは、上記目的が、少なくとも4.5:1のエキソ/エンド比を有する1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物をフェニルマグネシウム化合物と反応させることによるビペリデンの製造方法であって、当該1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物の製造が、以下の:
(a) エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)を、有機溶媒又は有機溶媒と水の混合物中で、ホルムアルデヒド源及びピペリジンの酸付加塩と反応させるか又は酸の存在下にホルムアルデヒド源及びピペリジンと反応させるステップ;
(b) 得られた反応混合物を水溶液に変換し、その水溶液を、7以下のpHで、水に対して限られた混和性しか有さないか又は水と非混和性である有機溶媒で抽出するステップ;
(c) 1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を含んでいる(b)で得られたラフィネートを、少なくとも7.5のpHで、水に対して限られた混和性しか有さないか又は水と非混和性である有機溶媒で抽出するステップ;
(d) 得られた有機抽出物を取り出し、その有機抽出物を水性酸で抽出することにより精製し、次いで、溶媒を除去し、それにより、少なくとも4.5:1のエキソ/エンド比を有する1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を得るステップ;
を含むことを特徴とする前記方法によって達成されることを見いだした。
本明細書の以下の記載において、エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)は、少なくとも96%のエキソ含量を有するエタノン(III)を意味する。
上記エキソエタノン(III-エキソ)及びエンドエタノン(III-エンド)に対して既に記載したように、また、上記エキソプロパノン(II-エキソ)及びエンドプロパノン(II-エンド)に対して既に記載したように、本発明の方法で用いる上記エキソ異性体及びエンド異性体は鏡像異性体の対からなる。それ自身ラセミ化合物であるビペリデン(Ia)を得るためには、上記出発物質の鏡像異性体ラセミ混合物及び上記中間体の鏡像異性体ラセミ混合物を用いる。しかしながら、本発明の方法は、純粋な鏡像異性体又は鏡像異性体の非ラセミ混合物にも適用可能である。
マンニッヒ反応による、エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)と、ホルムアルデヒド源及びピペリジン酸付加塩との反応又は酸の存在下におけるホルムアルデヒド源及びピペリジンとの反応は、通常、マンニッヒ反応に適する溶媒中で行う。好適な溶媒は、特に、C1〜C4-アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、s-ブタノール又はイソブタノール、及び、それらと水の混合物である。イソプロパノールを用いるのが好ましい。
好適な酸は、特に、マンニッヒアミノメチル化に適する鉱酸又は有機酸である。
塩酸若しくは塩化水素又は一般式RSO3Hで表される有機スルホン酸を用いるのが好ましい。この場合、Rは、1価の有機ラジカル、好ましくは、C1〜C4-アルキル、フェニル、又は、C1〜C4-アルキルで置換されているフェニルであり、特に好ましくは、メチルである。上記反応は、ピペリジンの酸付加塩を用いても行うことができるし、又は、酸の存在下にピペリジンを用いても行うことができるが、その場合は、ピペリジンの酸付加塩がその場で形成される。
上記の場合、ピペリジンと適切な酸は、好ましくは、等モル量で用いる。単離されたピペリジン酸付加塩を用いる場合で、当該単離されたピペリジン酸付加塩の市販品を購入できない場合は、それは、ピペリジンと適切な酸を、1:0.9から1:2までの範囲、好ましくは、1:0.9から1:1.5までの範囲、特に、1:0.9から1:1.2までの範囲、特に好ましくはほぼ等モル量で反応させ、次いで単離することにより調製することができる。
上記マンニッヒ反応では、単離されたピペリジン酸付加塩を用いるのが好ましい。特に好ましくは、ピペリジン塩酸塩又はメタンスルホン酸ピペリジニウムを用いる。
エキソエタノン(III-エキソ)と上記ホルムアルデヒド源は1:1から1:2までの範囲のモル比で用いるのが好ましく、ホルムアルデヒド源は、特に、10mol%〜100mol%の過剰量、特に好ましくは、10mol%〜30mol%の過剰量、例えば、20mol%の過剰量で用いる。ホルムアルデヒド源として、ガス状のホルムアルデヒド、ホルマリン、トリオキサン又はパラホルムアルデヒドは適切である。パラホルムアルデヒドを用いるのが好ましい。
エキソエタノン(III-エキソ)とピペリジン又はピペリジン酸付加塩は、好ましくは、1:0.9から1:2までの範囲、特に、1:0.95から1:1.5までの範囲、特に好ましくは、1:1から1:1.3までの範囲のモル比で用いる。
酸として塩酸又は塩化水素を用いる場合、エキソエタノン(III-エキソ)とピペリジン又はその酸付加塩は、1:0.9から1:1.5までの範囲のモル比、好ましくは、1:0.9から1:1.2までの範囲のモル比、特に好ましくは、ほぼ等モル量で反応させる。特定の実施形態においては、エキソエタノン(III-エキソ)成分、ピペリジン又はその酸付加塩成分及びホルムアルデヒド源成分のモル比は、1:1〜1.01:1.2である。
スルホン酸を用いる場合は、エキソエタノン(III-エキソ)とピペリジン又はその酸付加塩は、通常、1:1から1:2までの範囲のモル比で用いる。ピペリジン又はその酸付加塩は過剰量で用いるのが好ましく、好ましくは10mol%〜100mol%の過剰量、特に好ましくは10mol%〜30mol%の過剰量、例えば、20mol%の過剰量で用いる。このような場合、ピペリジン又はその酸付加塩とホルムアルデヒド源は、適切には、1:0.9から1:1.2までの範囲のモル比、好ましくはほぼ等モル量で用いる。特定の実施形態においては、エキソエタノン(III-エキソ)成分、ピペリジン又はその酸付加塩成分及びホルムアルデヒド源成分のモル比は、1:1.2:1.2である。
上記マンニッヒ反応の反応温度は、通常、0℃から上記反応混合物の沸点までの範囲である。加熱還流するのが好ましい。当該反応は、通常、2時間〜24時間、好ましくは、5時間〜12時間、特に好ましくは、5時間〜8時間の時間を要する。
ステップ(a)で得た反応混合物の変換は、通常、まず最初に当該反応混合物から有機溶媒を除去して行うが、その際、有機溶媒の除去は、通常、蒸留、好ましくは減圧下での蒸留により行う。次いで残留物を必要な場合には、即ち、固体状又は油状の残留物が得られる場合は、水の中に取り込む。水性の混合物が得られる場合、適切な場合には、これを水で稀釈することができる。このようにして得られた水性混合物を、水相のpHが7.0を超えないpH値で、水に対して限られた混和性しか有さないか又は水と非混和性である有機溶媒を用いて1回以上抽出して非塩基性有機成分−通常、未反応出発物質−を除去する。水に対して限られた混和性しか有さないか又は水と非混和性である好適な有機溶媒としては、C5〜C8-脂肪族化合物、例えば、n-ペンタン若しくはn-ヘキサン、C5〜C6-脂環式化合物、例えば、シクロヘキサン、芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン、及び脂肪族C4〜C8-エーテル、例えば、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル若しくはジイソプロピルエーテル、又はそれらの混合物を挙げることができる。上記抽出には、脂肪族C4〜C8-エーテル、特に、ジイソプロピルエーテルを用いるのが好ましい。
上記のための手順は、好ましくは、先ず第一に、通常まだ酸性である水性混合物を水非混和性溶媒で抽出する手順である。当該水性混合物を、好ましくは、2回以上、特に、2〜5回、特定的には、3回抽出する。
得られたラフィネートのpHを、次いで、塩基を用いて7以下に維持しながら上昇させ、その後抽出することができる。この手順が好ましい。この目的のために、当該水溶液を、好ましくは、水相の抽出に好適な上記溶媒の1種以上、好ましくはジイソプロピルエーテルと、塩基又は塩基性水溶液との混合物で、1回以上処理する。通常用いる塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ金属炭酸塩である。水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム又はそれらの水溶液を用いるのが好ましく、特に、水酸化ナトリウム又は水酸化ナトリウム溶液を用いるのが好ましい。用いる塩基の総量は、用いるエキソエタノン(III-エキソ)の量に対して5mol%〜15mol%の範囲、好ましくは、8mol%〜10mol%の範囲である。上記処理の間、水相のpHはpH7を超えてはならない。
得られた水溶液を、次いで、本発明の方法のステップ(c)において、1つ以上の段階で、上記塩基の1つ又は塩基性水溶液、好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化ナトリウム溶液を用いて、少なくとも7.5のpH、好ましくは、7.5〜9の範囲のpH、特に、8〜8.5の範囲のpH、特に好ましくは、8.1〜8.3のpHに調節する。水相の段階的な塩基性化において、当該塩基又は塩基性水溶液を添加するごとに、そのあと、当該水溶液を、適切には水相の抽出に適する上記有機溶媒の1つ、好ましくは、ジイソプロピルエーテルで抽出する。塩基又は塩基性水溶液を一段階で添加する場合、これも同様にその添加のあとに行うが、この場合、適切な場合は2回以上、例えば、3〜5回、上記有機溶媒で抽出する。
1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を含む有機抽出物は通常合わせられ、そしてステップ(d)において酸による抽出により精製される。この目的のために、ステップ(c)で得た有機抽出物を、通常、水性の酸、特に、水性の希酸で処理する。適切な場合には、前記酸での処理後、水で洗浄することができる。酸としては、一般に、鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸又はリン酸を用いる。塩酸を用いるのが好ましい。用いる酸の量は、通常、上記マンニッヒ反応に用いるエキソエタノン(III-エキソ)の量の、0.02〜0.10プロトン当量、好ましくは、0.03〜0.05プロトン当量である。プロトン当量(proton equivalent)は、酸分子中のプロトンの数を意味する。上記水性酸の濃度は、通常、0.5M〜10Mの範囲、特に、2Mから7Mの範囲である。
次いで、得られた有機抽出物から溶媒を除去するが、これは、好ましくは、減圧下で行う。
溶媒を蒸発により除去した後に残る残留物は、少なくとも95重量%がプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物からなるが、この残留物は、プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を、少なくとも4.5:1、特に、少なくとも6:1のエキソ/エンド比で含み、上記マンニッヒ反応の出発物質としてメタンスルホン酸ピペリジニウムを用いる場合には、少なくとも10:1、特に、少なくとも15:1、例えば、22:1のエキソ/エンド比で含む。
本発明の後処理の後に得られるプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物は、蒸留による通常の後処理の後に得られるプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物と比較して、エキソ/エンドプロパノン(II)の総収率は少なくとも同様に高い値でありながら、エキソプロパノン(II-エキソ)を極めて高い割合で含有する。
本発明に従って製造された1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物は、グリニャール反応において、適切な溶媒中で、フェニルマグネシウム化合物、好ましくは、ジフェニルマグネシウムと反応させるか、又は、特に好ましくは、一般式:
[式中、R'は、C1〜C4-アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル若しくはn-ブチル、C4〜C6-シクロアルキル、例えば、シクロヘキシル、C4〜C6-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル、例えば、2-シクロヘキシルエチル、フェニル-C1〜C4-アルキル、例えば、ベンジル、2-フェニルエチル若しくは3-フェニルプロピル、置換されているフェニル-C1〜C4-アルキル、例えば、3,4-(メチレンジオキシ)ベンジル、ヘテロアリール、例えば、8-キノリル、ヘテロアリール-C1〜C4-アルキル、例えば、フルフリル、2-チエニルメチル若しくは2-(2-チエニル)エチル、又はベンズヒドリルである]
で表されるフェニルマグネシウム化合物と反応させる。上記式のフェニルマグネシウム化合物を、以下の記載において、フェニルマグネシウムアルコキシドと称する。
好適な溶媒は、芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン、4個〜6個の炭素原子を有する非環状若しくは環状エーテル、それらの混合物、又は、それらと脂肪族若しくは脂環式炭化水素(例えば、n-ヘキサン又はシクロヘキサン)の混合物である。好適な非環状エーテルの例はジエチルエーテル及びt-ブチルメチルエーテルであり、好適な環状エーテルの例はテトラヒドロフラン及びジオキサンである。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン又はそれらの混合物を用いるのが好ましい。前記溶媒は、グリニャール反応にとって通常そうであるように、一般に無水物のものを用いる。
上記フェニルマグネシウムアルコキシドは、一般に知られている方法、例えば、ジフェニルマグネシウムを一般式R'OH(式中、R'は上記で定義されている通りである)のアルコールと反応させることにより調製する。この目的のためには、ジフェニルマグネシウムと上記アルコールは、1:0.9から1:1.5までの範囲のモル比、好ましくは1:1から1:1.2までの範囲のモル比、特に好ましくは、ほぼ等モル量で反応させる。ジフェニルマグネシウムは一般に以下に記載しているようにその場で生成させるが、これを、通常、グリニャール反応に適する上記溶媒の1つに導入し、上記アルコールを、通常、0℃〜80℃の温度、好ましくは、0℃〜50℃の温度、特に好ましくは、0℃〜40℃の温度で、5分間〜約1時間の時間をかけて少量ずつ添加する。前記アルコールの添加が完了した後、得られた混合物を、反応が完結するまで、同じ温度範囲で、15分間〜2時間、好ましくは、15分間〜1時間、放置することができるか、又は、好ましくは、撹拌することができる。
本発明の方法で用いるジフェニルマグネシウムは、それ自体公知の方法で製造する。例えば、適当な溶媒中のフェニルマグネシウムハロゲン化物(例えば、フェニルマグネシウムクロリド)にジオキサンを添加して、シュレンクの平衡をシフトさせることによりジフェニルマグネシウムおよび対応するマグネシウムハロゲン化物-ジオキサン錯体を生成させることができる。前記マグネシウムハロゲン化物-ジオキサン錯体は一般に沈澱するが、好ましくは当該溶液から除去しない。好適な溶媒は、通常、好ましくは4個〜6個の炭素原子を有する非環状又は環状のエーテル、又は、それらと脂肪族、脂環式若しくは芳香族炭化水素との混合物である。好適な非環状エーテルの例はジエチルエーテル及びt-ブチルメチルエーテルであり、好適な環状エーテルはテトラヒドロフランである。好適な脂肪族及び脂環式炭化水素としては、特に、n-ヘキサン及びシクロヘキサンなどを挙げることができ、好適な芳香族炭化水素の例は、ベンゼン、トルエン及びキシレンである。
ジオキサンは、通常、上記フェニルマグネシウムハロゲン化物に対して等モル量以上の量で用いる。フェニルマグネシウム化合物としてジフェニルマグネシウムを用いる場合は、ジオキサンは好ましくは過剰量、例えば、50mol%〜500mol%の過剰量、特に、100mol%〜300mol%の過剰量、特に100mol%〜200mol%の過剰量で用いる。最初にジフェニルマグネシウムをフェニルマグネシウムアルコキシドに変換する場合は、好ましくは、ジオキサンと上記フェニルマグネシウムハロゲン化物を、1:1から1.5:1までの範囲のモル比、特に、1:1から1.2:1までの範囲のモル比、特に好ましくは、ほぼ等モル比で用いる。
ジオキサンは、通常、-20℃〜60℃の範囲の温度、好ましくは、-10℃〜40℃の範囲の温度で、上記フェニルマグネシウムハロゲン化物の溶液に添加する。
ジオキサンの添加後に得られた混合物は、通常、ジオキサンの添加に関して上記した温度範囲で、15分間〜2時間、好ましくは、20分間〜1時間放置し、そのあと本発明の方法で用いる。
ジフェニルマグネシウムの調製、フェニルマグネシウムアルコキシドを得るための反応、及び、フェニルマグネシウム化合物とプロパノン(II)とのグリニャール反応は、いずれも、適切には、不活性ガス雰囲気下で行う。好適な不活性ガスの例は、窒素、希ガス(例えば、アルゴン)及びそれらの混合物である。
上記プロパノン(II)と上記フェニルマグネシウム化合物のグリニャール反応においては、通常、フェニルマグネシウム化合物とプロパノール(II)は、0.8:1から3:1までの範囲のモル比、好ましくは、0.8:1から2:1までの範囲のモル比、特に、0.8:1から1.5:1までの範囲のモル比で用いる。ジフェニルマグネシウム又は上記フェニルマグネシウムアルコキシドを用いる場合は、フェニルマグネシウム化合物とプロパノン(II)は、特に好ましくは、1:1から1.3:1までの範囲のモル比で用いる。
通常、プロパノン(II)は、-20℃から上記反応混合物の沸点までの範囲の温度、好ましくは、-10℃〜90℃の範囲の温度、特に好ましくは、0℃〜70℃の範囲の温度で、グリニャール反応に適する上記有機溶媒の1つに溶解させた溶液の形態にあるフェニルマグネシウム化合物に添加する。さらに、上記フェニルマグネシウム化合物は、通常、0.1mol/L〜10mol/Lの範囲の濃度、好ましくは、0.1mol/L〜3mol/Lの範囲の濃度、特に好ましくは、0.2mol/L〜2mol/Lの範囲の濃度で用いる。
プロパノン(II)は一度に添加することもできるが、好ましくは、数分間〜数時間、例えば、5分間〜5時間の時間をかけて添加することもできる。プロパノン(II)は、グリニャール反応に好適な上記不活性溶媒の1つに溶解させた溶液の形態で添加するか、又は、好ましくは、純粋な形態で添加する。溶液として添加する場合は、プロパノン(II)の濃度は、通常、0.1mol/L〜20mol/L、好ましくは、1mol/L〜15mol/Lである。当該反応を完結させるためには、反応混合物は、通常、-20℃から当該反応混合物の沸点までの範囲の温度、好ましくは、-10℃〜90℃の範囲の温度、特に好ましくは、10℃〜80℃の範囲の温度で、15分間〜5時間、特に、30分間〜2時間の間放置するが、その際、好ましくは、撹拌して混合状態を改善する。後処理は、グリニャール反応に対して通常行われるように、水性抽出により、例えば、反応混合物を水、塩化アンモニウム水溶液又は酸性水溶液でクエンチし、その際、酸性溶液でクエンチする場合は得られた混合物のpHをその後アルカリ性とし、クエンチした混合物を、適切な場合には有機相を除去した後、生成物を溶解させるのに好適な水非混和性溶媒で抽出し、得られた抽出物から溶媒を除去するか又は得られた抽出物と有機相を一緒にしてから溶媒を除去することにより行う。好適な溶媒の例は、芳香族化合物、例えば、ベンゼン若しくはトルエン、上記非環状エーテル、エステル、例えば、酢酸エチル、又は、塩素含有脂肪族化合物、例えば、ジクロロメタン若しくはトリクロロメタンなどである。
プロパノン(II)とジフェニルマグネシウムの反応又はプロパノン(II)とフェニルマグネシウムアルコキシドの反応から得られた粗生成物は、本質的に、1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の鏡像異性体(Ia)〜(Id)の4種類のジアステレオマー対からなっており、鏡像異性体(Ia)(ビペリデン)の対が大部分の量を占めている。ガスクロマトグラフィーによって測定した、ビペリデン(Ia)対残りの3種類の鏡像異性体(Ib)〜(Id)の対の比は、通常、少なくとも1.5:1であり、好ましくは、1.7:1から2.4:1までの範囲である。例えば、エキソエタノン(III-エキソ)とメタンスルホン酸ピペリジニウムを反応させて得られたプロパノン(II)をジフェニルマグネシウム又はフェニルマグネシウムベンジルアルコラートと反応させる場合、鏡像異性体(Ia)の対が特に高い割合で得られる。
得られたジアステレオマー混合物を、加熱しながら、好ましくは、40℃〜80℃の温度、特に、50℃〜70℃の温度で加熱しながら、水混和性の極性有機溶媒と水との混合物中に溶解させることにより、前記ジアステレオマー混合物からビペリデン(Ia)を単離する。好適な溶媒は、C1〜C3-アルカノール、即ち、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及びイソプロパノールである。好ましくは、水性イソプロパノール、特に好ましくは、70%〜95%イソプロパノール、特に90%イソプロパノールを用いる。イソプロパノールの含有量に関してここに与えられているパーセントのデータ及び以下に与えられているパーセントのデータは、上記水含有溶媒の総容積に対するイソプロパノールの容積に基づいている。この溶液に、HClを、例えば、有機溶媒(好ましくは、上記C1〜C3-アルカノールの1種、好ましくは、イソプロパノール)中の塩化水素の溶液の形態で添加するか、又は、塩酸の形態で添加する。HClは、上記アミノアルコール(I)に対して少なくとも等モル量で使用し、好ましくは、5mol%〜50mol%の過剰量、特に好ましくは、5mol%〜20mol%の過剰量で用いる。HClの添加は、好ましくは、高温下、例えば、40℃〜80℃、特に、50℃〜70℃で行う。HClの添加が完了した後、反応を完結させるためには、反応混合物を、50℃から当該反応混合物の沸点までの範囲の温度で、0.5時間〜3時間、好ましくは撹拌しながら、放置する。好ましい実施形態においては、反応混合物を、上記時間の最初の2/3は55℃〜65℃の温度で撹拌し、次いで、上記時間の1/3は還流温度で撹拌する。次いで、反応混合物を0℃〜30℃の範囲の温度に冷却し、適切な場合には、この温度範囲で、数時間以内、例えば、10時間以内、好ましくは、5時間以内の時間撹拌し、その後、生成された塩酸塩を当該溶液から慣習的な方法で除去する。
得られた塩酸塩をさらに精製するには、通常、水と、4個〜8個の炭素原子を有し且つ水に対して限られた混和性しか有さないか又は水に対して混和性を有さない充分な量の1種以上の極性ジアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、特に、ジイソプロピルエーテル)の中に前記塩酸塩を湿潤状態又は乾燥状態で入れ、得られた混合物に適切な塩基を添加する。有機溶媒の好適な量は、例えば、乾燥状態の塩酸塩1グラム当たり4mL〜10mLの溶媒である。水と有機溶媒は、好ましくは、容積で1:2から1:5までの範囲の比で用いる。
適切な塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及びアルカリ金属炭酸塩であり、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム又はそれらの水溶液を用いるのが特に好ましく、特に、水酸化ナトリウム又は水酸化ナトリウム水溶液を用いる。しかしながら、水溶性有機塩基、例えば、脂肪族置換基を有し、2個〜8個の炭素原子を有するアミンなどを用いるのも可能である。前記塩基は、当該塩酸塩に基づいて、少なくとも等モル量で用いるか、好ましくは、過剰量で、特に、5mol%〜15mol%の過剰量で用いる。
塩基との上記反応は、好ましくは、高温下で行う。この目的のために、前記塩基を添加する前、添加中、又は、好ましくは添加後に、当該混合物を、25℃から反応混合物の沸点までの範囲の温度、好ましくは、30℃〜70℃の範囲の温度、またジアルキルエーテルとしてジイソプロピルエーテルを用いる場合は、好ましくは、40℃〜65℃の範囲の温度、特に、55℃〜60℃の範囲の温度に加熱する。これにより、一般に、明瞭な2つの相が生成し、これを、高温条件下で分離させ、ジアルキルエーテルとしてジイソプロピルエーテルを用いる場合は上記温度範囲の温度で分離させる。得られた有機相を水で高温条件下に洗浄し、ジアルキルエーテルとしてジイソプロピルエーテルを用いる場合は上記温度範囲の温度で洗浄し、次いで、好ましくは大気圧下で、生成物対溶媒の重量/容積比が1:2から1:6までの範囲、好ましくは、1:3から1:4.5までの範囲内になるまで溶媒を除去することにより濃縮する。上記混合物を室温以下であるが好ましくは-10℃以上の温度まで冷却すると、純粋なビペリデン(Ia)が結晶化するが、これを、固体を単離するための慣習的な方法、例えば、固体の濾過又は母液のデカンテーションなどによって単離する。
エキソ含有量が高いプロパノン(II)を本発明に従って用いることにより、特に、上記に記載した後処理と組み合わせた場合に、ビペリデン(Ia)の収率を著しく高めることが可能であった。
次いで、ビペリデン(Ia)は、慣習的な方法により薬理学的に許容される酸を用いて、その酸付加塩に変換することができる。適切な酸の例は、ハロゲン化水素酸、特に、塩化水素又は塩酸、及び、有機モノカルボン酸若しくはジカルボン酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、アジピン酸又は安息香酸、さらに、リン酸、硫酸、及び、Fortschritte der Arzneimittelforschung, volume 10, pages 224 et seq., Birkhauser Verlag, Basle, Stuttgart, 1966 に記載されている酸である。ビペリデン(Ia)は、通常、塩酸塩として販売されている。
上記1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を調製するのに用いる上記エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)は、シクロペンタジエンとメチルビニルケトンのディールス-アルダーシクロ付加反応により得る。(III-エキソ)を高含有量で含む生成物を生じる、(III)を調製するための特に有利な方法は、独国特許出願第10124452.5号に記載されている。前記特許出願の開示内容は参照により本明細書に組み入れる。
シクロペンタジエンとメチルビニルケトンの上記シクロ付加は、基本的には、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン若しくはキシレンなどの、そのような反応に慣習的に使用される溶媒中で行うこともできるし、又は、溶媒を用いないで行うこともできる。溶媒を用いないで行うのが好ましい。シクロペンタジエンとメチルビニルケトンは、通常、3.0:1から0.5:1までの範囲のモル比で用いる。それらは、好ましくは、等モル量で反応させるか、又は、シクロペンタジエンを過剰量、好ましくは、50mol%〜150mol%の過剰量で用いて反応させる。
上記反応は、通常、0℃〜60℃の範囲の温度、好ましくは、10℃〜40℃の範囲の温度で行う。
低沸点成分は、通常、未反応前駆物質であるが、これは、通常シクロ付加のあと、減圧下、好ましくは、1mbar〜150mbarの圧力下における蒸留により除去する。残留する混合物は、約20%のエキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノンと約80%のエンド-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノンからなるが、この混合物をアルカリ金属C1〜C4-アルコラートと反応させる。前記アルカリ金属アルコラートの量は、通常、当該混合物の総重量を基準にして、0.1重量%〜5重量%、好ましくは、0.2重量%〜2重量%である。ナトリウムメタノラートを用いるのが好ましい。上記エタノン(III)を異性化するのに必要とされる温度は、通常、50℃〜110℃の範囲の温度、好ましくは、60℃〜100℃の範囲の温度である。この目的のために、上記混合物は、しばしば、減圧下、好ましくは、1mbar〜100mbarの圧力下、特に、5mbar〜50mbarの圧力下に、還流温度に加熱する。これらの条件を、通常、10分間〜5時間、特に、20分間〜3時間、特定的には、0.5時間〜2時間適用し、次いで、得られた混合物の分別蒸留を開始し、好ましくは、(III)のエキソ異性体を留出させる。平衡状態からエキソ異性体を除去することによりエンドエタノンのエキソ形への異性化が促進されると想定される。上記分別蒸留は、通常、減圧下、好ましくは、1mbar〜100mbarの圧力下、特に、1mbar〜50mbarの圧力下、特定的には、1mbar〜20mbarの圧力下、カラムを通して行う。蒸留温度(留出物温度)は、好ましくは、50℃〜100℃、特定的には、50℃〜80℃に調節する。このようにして、エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]-ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)が、少なくとも96%の純度で得られる。得られた留出物を再度蒸留することにより、最大100%の純度を有するエキソエタノン(III-エキソ)が得られる。
以下に示す実施例は、本発明を例証するためのものであり、制限的なものであると理解されるべきではない。
1. 出発物質の調製
1.1 エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)
198.3gのシクロペンタジエンを210.3gのメチルビニルケトンに速やかに添加した。シクロペンタジエンの添加が完了した後、得られた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、未反応の前駆物質を、58℃の温度で、20mbarの圧力下、蒸留により除去した。蒸発後に残った残留物は、主に、1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III)のエキソ形とエンド形の1:4の比の混合物からなっていたが、この残留物を、10mbar〜20mbarの圧力下で、1時間、5gのナトリウムメタノラートと一緒に加熱還流した。次いで、反応混合物を、75℃の温度で、20mbarの圧力下に、カラムを通して蒸留した。これにより、薄く黄色みを帯びた油状物の形態で、298.3g(理論値の73%)のエキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)が得られた。
1.2 1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)
1.2.1 ピペリジン塩酸塩を用いた1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)の調製
510.7gのエキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)、460.6gのピペリジン塩酸塩及び135.0gのパラホルムアルデヒドを、950mLのイソプロパノール中で還流温度に7時間維持した。回転蒸発器(圧力:80mbar; 浴:60℃)中で溶媒を除去し、残留物を1000mLの水の中に取り込んで。未反応のエタノン(III)を除去するために、前記で得られた溶液を各回300mLのジイソプロピルエーテルを用いて3回洗浄した。精製するために、洗浄した水溶液を30mLの5M水酸化ナトリウム溶液及び200mLのジイソプロピルエーテルと混合し、15分間撹拌し、有機相を分離した。さらに精製するために、水相を20mLの5M水酸化ナトリウム溶液及び200mLのジイソプロピルエーテルと混合して再度15分間撹拌し、有機相を分離した。再度精製するために、水相を20mLの5M水酸化ナトリウム溶液及び200mLのジイソプロピルエーテルと新たに混合して15分間撹拌し、有機相を分離した。残留している精製された水相を、105mLの50%濃度の水酸化ナトリウム溶液でpH7.8に調節し、ジイソプロピルエーテルで抽出した。前記抽出は、600mLのジイソプロピルエーテルを添加し、15分間撹拌し、有機相を分離することにより行った(第一回目のアルカリ性抽出物)。得られた水相を、さらなる60mLの5M水酸化ナトリウム溶液でpH8.2に調節し、次いで、ジイソプロピルエーテルで再抽出した。今回は、前記抽出は、300mLのジイソプロピルエーテルを添加し、15分間撹拌し、有機相を分離することにより行った(第二回目のアルカリ性抽出物)。第一回目のアルカリ性抽出物と第二回目のアルカリ性抽出物を一緒にして、165mLの水及び35mLの5M塩酸と混合した。得られた混合物を15分間撹拌し、水相を分離し、有機相を200mLの水で洗浄し、回転蒸発器(圧力:10mbarまで下げた; 浴:50℃)で蒸発させた。蒸発後に得られた残留物は、淡褐色の油状物の形態にある473.5gの6.4:1のエキソ/エンド比(GC)を有するプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物からなっていた。前記量は、理論値の54.1%である。
1.2.2 メタンスルホン酸ピペリジニウムを用いた1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)の調製
700mLのイソプロパノール中の340.8gのピペリジンを撹拌し水で冷却しながら、それに、392.1gの無水メタンスルホン酸を1時間かけて滴下して加えた。前記無水メタンスルホン酸の滴下中に温度が75℃まで上昇した。滴下漏斗を50mLのイソプロパノールで洗浄し、得られた混合物を、次いで、25℃まで冷却し、その温度で30分間撹拌した。沈澱した生成物を吸引濾過し、各回200mLのジイソプロピルエーテルを用いて2回洗浄し、減圧下に50℃で乾燥させた。688.9gのメタンスルホン酸ピペリジニウムを無色の結晶物として得た。前記量は理論値の95%である。
476.7gのエキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)、761.5gのメタンスルホン酸ピペリジニウム及び126.0gのパラホルムアルデヒドを、950mLのイソプロパノール中で還流温度に7時間維持した。回転蒸発器(圧力:80mbar; 浴:60℃)で溶媒を除去し、残留物を1000mLの水の中に取り込んだ。未反応のエタノン(III)を除去するために、前記で得られた溶液を各回300mLのジイソプロピルエーテルを用いて3回洗浄した。精製するために、洗浄した溶液を30mLの5M水酸化ナトリウム溶液及び200mLのジイソプロピルエーテルと混合し、15分間撹拌し、有機相を分離した。さらに精製するために、水相を20mLの5M水酸化ナトリウム溶液及び200mLのジイソプロピルエーテルと混合して再度15分間撹拌し、有機相を分離した。再度精製するために、水相を20mLの5M水酸化ナトリウム溶液及び200mLのジイソプロピルエーテルと新たに混合して15分間撹拌し、有機相を分離した。残留している精製された水相を、90mLの50%濃度の水酸化ナトリウム溶液でpH7.8に調節し、ジイソプロピルエーテルで抽出した。前記抽出は、600mLのジイソプロピルエーテルを添加し、15分間撹拌し、有機相を分離することにより行った(第一回目のアルカリ性抽出物)。得られた水相を、さらなる70mLの5M水酸化ナトリウム溶液でpH8.2に調節し、次いで、ジイソプロピルエーテルで再抽出した。今回は、前記抽出は、300mLのジイソプロピルエーテルを添加し、15分間撹拌し、有機相を分離することにより行った(第二回目のアルカリ性抽出物)。第一回目のアルカリ性抽出物と第二回目のアルカリ性抽出物を一緒にして、165mLの水及び35mLの5M塩酸と混合した。得られた混合物を15分間撹拌し、水相を分離し、有機相を200mLの水で洗浄し、回転蒸発器(圧力:10mbarまで下げた; 浴:50℃)で溶媒を除去した。蒸発後に得られた残留物は、淡褐色の油状物の形態にある440.9gの22:1のエキソ/エンド比(GC)を有するプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物からなっていた。前記量は、理論値の54.0%である。
2. ビペリデン(Ia)の製造
2.1 ジフェニルマグネシウムを用いたビペリデンの製造
2.1.1 ジフェニルマグネシウム及び1.2.1に記載した反応から得られた1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を用いたビペリデンの製造
800mLのジオキサンを、テトラヒドロフラン中のフェニルマグネシウムクロリドの25%濃度の2000gの溶液に、撹拌し僅かに冷却しながら1時間かけて添加した。前記添加中に、温度が28℃まで上昇し、沈澱物が形成された(塩化マグネシウム-ジオキサン錯体)。ジオキサンの添加が完了した後、実施例1.2.1に準じて得た387.4gのプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を冷却することなく1時間かけて添加した。前記添加中に、温度が58℃まで上昇した。滴下漏斗を30mLのジオキサンで洗浄し、得られた混合物を、次いで、還流温度まで加熱し、その温度に1時間維持した。20℃まで冷却した後、800gの氷と600mLの水を撹拌しながら、それに、前記で得られた混合物を添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、その間に、温度が40℃まで上昇した。有機相を分離し、水相を、各回500mLのジイソプロピルエーテルを用いて2回抽出した。有機相を一緒にして各回500mLの水を用いて2回洗浄し、回転蒸発器(圧力:10mbarまで下げた; 浴:70℃)で溶媒を除去した。蒸発後の残留物−22.3:7.2:2.8:1の比(GC)にある1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の鏡像異性体(Ia)〜(Id)の対から本質的になる532gの混合物(蒸発後の残留物中のプロパノン(II)の残留含有量:5.7%)−を、4450mLの90%濃度のイソプロパノールに60℃で溶解させ、得られた溶液に、前記温度で、330mLの5M塩酸を添加した。前記酸の添加後、60℃で1時間撹拌し、次いで、還流温度で30分間撹拌した。室温まで冷却した後、析出した結晶を取り出し、各回250mLのイソプロパノールを用いて2回洗浄した。このようにして得た湿潤塩酸塩(320g;乾燥塩酸塩204gに相当する)を1175mLのジイソプロピルエーテルと350mLの水の中に導入し、次いで、撹拌しながら、130mLの5M水酸化ナトリウム溶液を添加した。得られた混合物を55℃に加熱し、次いで、同じ温度で水相を分離し、得られたジイソプロピルエーテル溶液を各回200mLの水を用いて2回洗浄した。洗浄されたジイソプロピルエーテル溶液を大気圧下で蒸留することにより、当該溶液から530mLの溶媒を除去した。
蒸留後の残留物を冷却した。氷浴中で1時間撹拌した後、析出した結晶を取り出し、50mLのジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に50℃で乾燥させた。139.0gのビペリデン(Ia)が、融点112℃〜114℃(Ullmanns Enzyklopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 21, Verlag Chemie, 1982, page 627: 112℃〜114℃)の無色の結晶物として得られた。前記得られた量は理論値の26.9%である。
2.1.2 ジフェニルマグネシウム及び1.2.2に記載した反応から得られた1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を用いたビペリデンの製造
400mLのジオキサンを、テトラヒドロフラン中のフェニルマグネシウムクロリドの25%濃度の1000gの溶液に、撹拌し僅かに冷却しながら1時間かけて添加した。前記添加中に、温度が27℃まで上昇し、沈澱物が形成された(塩化マグネシウム-ジオキサン錯体)。ジオキサンの添加が完了した後、実施例1.2.2に準じて得た193.8gのプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を冷却することなく1時間かけて添加した。前記添加中に、温度が50℃まで上昇した。滴下漏斗を30mLのジオキサンで洗浄し、得られた混合物を、次いで、還流温度まで加熱し、その温度に1時間維持した。15℃まで冷却した後、400gの氷と300mLの水を撹拌しながら、それに、前記で得られた混合物を添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、その間に、温度が38℃まで上昇した。有機相を分離し、水相を、各回250mLのジイソプロピルエーテルを用いて2回抽出した。有機相を一緒にして各回250mLの水を用いて2回洗浄し、回転蒸発器(圧力:10mbarまで下げた; 浴:70℃)で溶媒を除去した。蒸発後の残留物−41.4:14.2:2.3の比(GC)にある1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の鏡像異性体(Ia)〜(Id)の対から本質的になる254gの混合物(蒸発後の残留物中のプロパノン(II)の残留含有量:7.2%)−を、2225mLの90%濃度のイソプロパノールに60℃で溶解させ、得られた溶液に、前記温度で、170mLの5M塩酸を添加した。前記酸の添加後、60℃で1時間撹拌し、次いで、還流温度で30分間撹拌した。室温まで冷却した後、析出した結晶を取り出し、各回100mLのイソプロパノールを用いて2回洗浄した。このようにして得た湿潤塩酸塩(175g;乾燥塩酸塩102.4gに相当する)を600mLのジイソプロピルエーテルと200mLの水の中に導入し、次いで、撹拌しながら、70mLの5M水酸化ナトリウム溶液を添加した。得られた混合物を55℃に加熱し、次いで、同じ温度で水相を分離し、得られたジイソプロピルエーテル溶液を各回100mLの水を用いて2回洗浄した。洗浄されたジイソプロピルエーテル溶液を大気圧下で蒸留することにより、当該溶液から300mLの溶媒を除去した。蒸
留後の残留物を冷却した。氷浴中で1時間撹拌した後、析出した結晶を取り出し、30mLのジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に50℃で乾燥させた。70.6gのビペリデン(Ia)が、融点112℃〜114℃(Ullmanns Enzyklopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 21, Verlag Chemie, 1982, page 627: 112℃〜114℃)の無色の結晶物として得られた。前記得られた量は理論値の27.4%である。
2.2 フェニルマグネシウムベンジルアルコラートを用いたビペリデンの製造
2.2.1 フェニルマグネシウムベンジルアルコラート及び1.2.1に記載した反応から得られた1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を用いたビペリデンの製造
322gのジオキサンを、テトラヒドロフラン中のフェニルマグネシウムクロリドの25%濃度の2000gの溶液に、撹拌し僅かに冷却しながら30分間かけて添加した。前記添加中に、温度が27℃まで上昇し、沈澱物が形成された(塩化マグネシウム-ジオキサン錯体)。ジオキサンの添加が完了した後、30℃を超えない温度に冷却しながら197.5gのベンジルアルコールを30分間かけて滴下して加えた。次いで、実施例1.2.1に準じて得た387.4gのプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を冷却することなく1時間かけて添加した。前記添加中に、温度が55℃まで上昇した。得られた混合物を、次いで、還流温度まで加熱し、その温度に1時間維持した。20℃まで冷却した後、800gの氷と600mLの水を撹拌しながら、それに、前記で得られた混合物を添加した。15分間撹拌した後、有機相を分離し、水相を、各回500mLのジイソプロピルエーテルを用いて2回抽出した。有機相を一緒にして各回500mLの水を用いて2回洗浄し、回転蒸発器(圧力:10mbarまで下げた; 浴:70℃)で溶媒を除去した。蒸発後の残留物−18.3:6.0:3.2:1の比(GC)にある1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の鏡像異性体(Ia)〜(Id)の対から本質的になる690gの混合物(蒸発の残留物中のプロパノン(II)の残留含有量:1.1%)−を、4450mLの90%濃度のイソプロパノールに60℃で溶解させ、得られた溶液に、前記温度で、310mLの5M塩酸を添加した。前記酸の添加後、60℃で1時間撹拌し、次いで、還流温度で30分間撹拌した。室温まで冷却した後、析出した結晶を取り出し、各回250mLのイソプロパノールを用いて2回洗浄した。このようにして得た湿潤塩酸塩(398g;乾燥塩酸塩238.8gに相当する)を1350mLのジイソプロピルエーテルと400mLの水の中に導入し、150mLの5M水酸化ナトリウム溶液を添加した。得られた混合物を55℃に加熱し、次いで、同じ温度で水相を分離し、得られたジイソプロピルエーテル溶液を各回200mLの水を用いて2回洗浄した。洗浄されたジイソプロピルエーテル溶液を大気圧下で蒸留することにより、当該溶液から600mLの溶媒を除去した。蒸
留後の残留物を冷却した。氷浴中で1時間撹拌した後、析出した結晶を取り出し、50mLのジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に50℃で乾燥させた。161.4gのビペリデン(Ia)が、融点112℃〜114℃(Ullmanns Enzyklopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 21, Verlag Chemie, 1982, page 627: 112℃〜114℃)の無色の結晶物として得られた。前記得られた量は理論値の31.2%である。
2.2.2 フェニルマグネシウムベンジルアルコラート及び1.2.2に記載した反応から得られた1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を用いたビペリデンの製造
322gのジオキサンを、テトラヒドロフラン中のフェニルマグネシウムクロリドの25%濃度の2000gの溶液に、撹拌し僅かに冷却しながら30分間かけて添加した。前記添加中に、温度が27℃まで上昇し、沈澱物が形成された(塩化マグネシウム-ジオキサン錯体)。ジオキサンの添加が完了した後、30℃を超えない温度に冷却しながら197.5gのベンジルアルコールを30分間かけて滴下して加えた。次いで、実施例1.2.2に準じて得た387.4gのプロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を冷却することなく1時間かけて添加した。前記添加中に、温度が55℃まで上昇した。得られた混合物を、次いで、還流温度まで加熱し、その温度に1時間維持した。20℃まで冷却した後、800gの氷と600mLの水を撹拌しながら、それに、前記で得られた混合物を添加した。15分間撹拌した後、有機相を分離し、水相を、各回500mLのジイソプロピルエーテルを用いて2回抽出した。有機相を一緒にして各回500mLの水を用いて2回洗浄し、回転蒸発器(圧力:10mbarまで下げた; 浴:70℃)で溶媒を除去した。蒸発後の残留物−47.0:15.1:3.6:1の比(GC)にある1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の鏡像異性体(Ia)〜(Id)の対から本質的になる682.8gの混合物(蒸発の残留物中のプロパノン(II)の残留含有量:0.8%)−を、4450mLの90%濃度のイソプロパノールに60℃で溶解させ、得られた溶液に、前記温度で、310mLの5M塩酸を添加した。前記酸の添加後、60℃で1時間撹拌し、次いで、還流温度で30分間撹拌した。室温まで冷却した後、析出した結晶を取り出し、各回250mLのイソプロパノールを用いて2回洗浄した。このようにして得た湿潤塩酸塩(400g;乾燥塩酸塩216.6gに相当する)を1350mLのジイソプロピルエーテルと400mLの水の中に導入し、150mLの5M水酸化ナトリウム溶液を添加した。得られた混合物を55℃に加熱し、次いで、同じ温度で水相を分離し、得られたジイソプロピルエーテル溶液を各回200mLの水を用いて2回洗浄した。洗浄されたジイソプロピルエーテル溶液を大気圧下で蒸留することにより、当該溶液から600mLの溶媒を除去し
た。蒸留後の残留物を冷却した。氷浴中で1時間撹拌した後、析出した結晶を取り出し、50mLのジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に50℃で乾燥させた。161.4gのビペリデン(Ia)が、融点112℃〜114℃(Ullmanns Enzyklopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 21, Verlag Chemie, 1982, page 627: 112℃〜114℃)の無色の結晶物として得られた。前記得られた量は理論値の29.1%である。
3. ビペリデン塩酸塩の調製
93.4gのビペリデン(Ia)を、1000mLのイソプロパノール中に、還流温度まで加熱することにより溶解させた。得られた溶液を熱いまま濾過し、フィルターを100mLのイソプロパノールで洗浄した。濾液を一緒にし、それに、65mLの5M塩酸を75℃で添加した。得られた混合物を、次いで、15分間加熱還流した。室温まで冷却した後、1時間撹拌し、沈澱した固体を吸引濾過により濾過して分離し、各回50mLのイソプロパノールで2回洗浄し、減圧下に70℃で乾燥させた。103.2gのビペリデン塩酸塩が、融点278℃〜280℃(Ullmanns Enzyklopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 21, Verlag Chemie, 1982, page 627: 278℃〜280℃)の無色の結晶物の形態で得られた。前記得られた量は、理論値の98.9%である。

Claims (17)

  1. 少なくとも4.5:1のエキソ/エンド比にある1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物をフェニルマグネシウム化合物と反応させることによるビペリデンの製造方法であって、当該1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物の製造が、以下の:
    (a) エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)を、有機溶媒又は有機溶媒と水の混合物中で、ホルムアルデヒド源及びピペリジンの酸付加塩と反応させるか又は酸の存在下にホルムアルデヒド源及びピペリジンと反応させるステップ;
    (b) 得られた反応混合物を水溶液に変換し、その水溶液を、7以下のpHで有機溶媒で抽出するステップ;
    (c) 1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物を含んでいる(b)で得られた水性ラフィネートを、少なくとも7.5のpHで有機溶媒で抽出するステップ;
    (d) 得られた有機抽出物を取り出し、その有機抽出物を酸で抽出することにより精製し、次いで、溶媒を除去し、それにより、少なくとも4.5:1のエキソ/エンド比にある1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)を得るステップ;
    を含むことを特徴とする前記方法。
  2. ステップ(a)における酸として、一般式RSO3H(式中、Rは、C1〜C4-アルキル、フェニル、又は、C1〜C4-アルキル置換フェニルである)の有機スルホン酸を用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. メタンスルホン酸を用いることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. ステップ(a)におけるピペリジンの酸付加塩としてメタンスルホン酸ピペリジニウムを用いることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. ステップ(a)において、ピペリジン塩酸塩を用いるか、又は、塩酸又は塩化水素の存在下にピペリジンを用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(a)において、エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)とピペリジン又はその酸付加塩のモル比が1:0.9から1:2までである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. ステップ(a)において、エキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)に対して、ホルムアルデヒド源を10mol%〜100mol%の過剰量で用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ステップ(b)において、有機溶媒を除去した後、ステップ(a)から得た反応混合物を水溶液に変換し、最初に有機溶媒で抽出するが、その際得られる水性ラフィネートのpHを塩基又は塩基性水溶液を添加することにより7を超えない値に調節し、また用いる塩基の総量をステップ(a)で用いたエキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)の量の5mol%〜15mol%とし、次いで有機溶媒で再度抽出することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 抽出に使用される有機溶媒が、C5〜C8-脂肪族化合物、C5〜C6-脂環式化合物、芳香族化合物、脂肪族C4〜C8-エーテル及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1又は8に記載の方法。
  10. ステップ(c)において、pHを8.0から8.5までの範囲の値に調節することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. ステップ(d)において、酸による抽出に対して鉱酸を用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記酸を、ステップ(a)で用いたエキソ-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)エタノン(III-エキソ)の量に基づいて0.02〜0.1のプロトン当量の量で用いることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. ステップ(a)において、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒドを用いることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. フェニルマグネシウム化合物として、ジフェニルマグネシウムを用いるか又は一般式:
    [式中、R'は、C1〜C4-アルキル、C4〜C6-シクロアルキル、C4〜C6-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル、フェニル-C1〜C4-アルキル、置換フェニル-C1〜C4-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1〜C4-アルキル又はベンズヒドリルである]
    で表されるフェニルマグネシウム化合物を用いることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-3-ピペリジノ-1-プロパノン(II)のエキソ/エンド混合物とフェニルマグネシウム化合物を反応させることにより生成された1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-ピペリジノ-1-プロパノール(I)の異性体混合物からの、1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル(エキソ,R))-1-フェニル-3-ピペリジノ-プロパノール(1,S)と1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル(エキソ,S))-1-フェニル-3-ピペリジノプロパノール(1,R)のラセミ化合物であるビペリデン(Ia)の単離が、以下の:
    - C 1 〜C 3 -アルカノールである極性有機溶媒と水との混合物中で、前記異性体混合物をHClと反応させ、それによって生成された塩酸塩を単離するステップ;
    - 4個〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の極性ジアルキルエーテルと水との混合物中で、前記塩酸塩を塩基と反応させるステップ;
    - 形成された2つの相を分離するステップ;
    - 得られた有機相からエーテルを蒸発させるステップ;及び、
    - 冷却することによりビペリデン(Ia)を結晶化させるステップ;
    を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記形成された2つの相を分離するステップが、25℃から反応混合物の沸点までの範囲の温度で実施されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記得られた有機相からエーテルを蒸発させるステップが、生成物対溶媒の重量/容積比で1:2から1:6までの範囲になるまで実施されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
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