JP4450128B2 - 手洗い装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は特に衛生性を重視する食品工場や病院用施設で用いられる手洗装置、特に水、水石けん、消毒液の異なった流体を吐出するための三つの吐出部を備え、使用者の手を検出する人体検出手段の検出信号に基づいて、制御部が上記各流体を吐出もしくは停止させる手洗い装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種として、例えば特開平6−212670号公報に開示される洗浄装置がある。この洗浄装置は、手指の洗浄のために用いられる水、水石けん、消毒液をそれぞれ吐出する吐出部と、各吐出部付近にそれぞれ備えられ、各吐出部へ接近する手指をそれぞれ検出する人体検出手段と、手指が接近する吐出部の順序を点滅によって示す誘導ランプと、誘導ランプによって一つの吐出部が示されている状態を検出し、吐出部に対応する人体検出手段による手指の検出動作を検出して、吐出部から、各流体を吐出させる制御を行う制御回路とを含む洗浄装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、手洗い作業の動作時間は定められてはいるが、その動作時間中でも人体感知手段の感知状態によって次工程に移行してしまう。すなわち手洗い作業が使用者に委ねられてしまうため、作業の時間不足が起こりやすく、十分な洗浄が行われない可能性がある。また、各作業を動作時間以上に継続することができず、前作業を継続して行ないたい場合には手動スイッチにて各作業を行なわなくてはならないため、使用者が必要とする時間に亘り各作業を行なうことができず、スイッチに触れることによって細菌などによる汚染の可能性がある。さらに、各流体の吐出する位置にある程度の広がりがあるため、それを受ける手洗器のボール部はその分サイズが大きくなるので、製造コストが高くなり、施工も困難となる。加えて、人体検出手段も複数必要であり、その分製造コストが高くなる。
【0004】
本発明は上述の不都合を解決し、一つの人体検出手段の検出信号により複数の吐水部からの流体吐出を制御し、しかも管理者の定める作業時間の通りに手洗い動作を完了することのできる手洗い装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
水石けんの吐出装置と、吐水装置と、消毒液の吐出装置を備え、人体感知手段の感知信号に基づいて上記各装置を予め定めた順序で予め定めた時間をもって作動または停止せしめる制御部を備えた手洗い装置において、前記制御部は、予め定めた動作時間内においては前記人体感知手段の感知の有無に関わらず各装置の動作を継続し、動作時間を経過した後の前記人体感知手段の感知の有無によって次工程への移行を判断することを特徴としている。
【0006】
このように構成することで、設定した動作時間中は感知状態の有無に関わらず各装置が動作し続けるので、使用者に現在行なわれている作業を知らしめることができ、手洗いを完遂することができる。また、手指の汚染が激しいときには設定した動作時間を延長して作業が行え、洗浄度の高い手洗いを行なうことができる。
【0007】
また、消毒液を吐出する工程中に、前記人体感知手段の感知毎に消毒液を吐出する時間帯が設定されていることにより、一回の消毒液の吐出量で足りなかった場合にも、何回も吐出することができ、十分に消毒液を手に擦り込むことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面に基き本発明を説明すると、図1は本発明手洗装置を上方から見た斜視図、図2は同下方から見た斜視図、図3は同正面図、図4は同模式図、図5は同作動状況を示すタイムチャート図である。
【0009】
まず図1乃至図5に示す第1実施例について説明すると、図中、1は本発明手洗い装置であって、壁面2に取付けられた手洗い器3後方に、人体検出手段4、水石けん吐出部5、吐水部6、消毒液吐出部7を備えたケーシングユニット8を設けている。
【0010】
ケーシングユニット8は側面逆L字形状を呈し、上方庇部9が手洗い器3のボール部10に臨んで壁面2に取付けられており、この上方庇部9下面は前方に向かって湾曲しその上方中央部にシャワーノズル形状の吐水部6が斜め前方方向に向けて、正面から見て吐水部6の左側に細筒状の水石けん吐出部5が斜め前方中央方向に向けて、正面から見て吐水部6の右側に噴霧ノズル形状の消毒液吐出部5が斜め前方中央方向に向けてそれぞれ設けられている。
【0011】
そして水石けん吐出部5、吐水部6、消毒液吐出部7の各中心軸a、b、cは図3に示すように手洗い器3より僅かに上方のポイントAで交叉している。
【0012】
又、上方庇部9下面中央部の吐水部6下方には人体検出手段4としての光電センサーが取り付けられており、その検出領域Bは交叉点ポイントAを内包している。
【0013】
水石けん吐出部5及び消毒液吐出部7の上流側にはそれぞれポンプ部11、12を介して水石けん収納タンク13、消毒液収納タンク14が手洗い器3下方のキャビネット15内に設置されており、吐水部6は電磁弁16を介して給水源17に接続され、人体検出手段4、ポンプ部11、12及び電磁弁16は制御部18に電気的に接続されている。
【0014】
尚、19は手洗い動作の際に手の動作空間を広くするために手洗い器3の吐水部6下方のボール部10に設けた凹部、20は手洗い装置1の側方に設置したペーパータオルホルダーである。
【0015】
而して手洗装置1の作動を図5に基いて説明すると、手を手洗い器3より僅かに上方のポイントA付近に差し出すと、光電センサー4からの手の検出信号に基いて制御部18が極僅かなオンディレイ時間(例えば0.3秒)後に、手を万遍なく濡らし予洗させるために電磁弁17をT1時間(約1秒)開いて吐水させる。
【0016】
そして、電磁弁17が閉じ、手を万遍なく濡らすためのT2時間(約1秒)経過後に、制御部18がポンプ部11をT3時間(約2秒)駆動させ、水石けん収納タンク13内の水石けんを水石けん吐出部5より吐出させ、掌に水石けんを受け止める。
【0017】
次いでポンプ部11の駆動が停止してから再び吐水するのであるが、光電センサー4の検出の有無に関わらず最低T4時間(約30秒)は止水し続け、このT4時間の間に手など、特に指の間や指先を水石けんでよく洗う。
【0018】
さらに、手指の汚染が激しいときには、光電センサー4が手を検出しない状態であればT5時間(約1分)まで止水し続ける。
【0019】
T4時間経過時に光電センサー4が検出しているか、T5時間中に光電センサーが検出したか、もしくはT5時間経過後、再び電磁弁17を最低T6時間(約20秒以上)開くが、T6時間中は光電センサー4の検出の有無に関わらず吐水し続け、光電センサー4が手を検出している間はT7時間(約1分)まで開き続ける。
【0020】
最低T6時間吐水し続けるのは、衛生性を確保するために水石けんを確実に洗い流すために最低必要であるからである。
【0021】
また、T7時間を規定しているのは、水石けんを洗い流しているのに更に水を出しつづけるのは無駄であるからである。
【0022】
予洗、水石けん吐出、水石けんの洗い流しの一連の作業は光電センサー4の検出領域内で行えるが、水石けんを洗い流す際のT6時間以上でT7時間の間では、短いオフディレイ時間(約1秒)以内の間検出領域から外れてもこれを無視し、吐水し続ける。
【0023】
そして、水石けんを洗い流したあと、ペーパータオルで濡れた水を拭き取るのであるが、その際ペーパータオルホルダー20に手を移動するため手の検出が消えるが、この動作をT6時間以上でT7時間の間でオフディレイ時間以上人体の検出が無くなったことで判別し、吐水を停止する。
【0024】
吐水を停止してから再び手を検出すると、今度はアルコールなどの消毒液を噴霧するのであるが、水滴が手についたままでは、アルコールの消毒効果が減少してしまうので、ペーパータオルでよく手を拭く時間を確保してから消毒液を噴霧している。
【0025】
即ち、吐水を停止してからT8時間(約20秒)以内に再び手を検出することがあっても、まだ充分に手に付着した水滴を除去しきれていないと想定し消毒液噴霧は行わない。
【0026】
さらに、T8時間だけでも手に付着した水滴を除去しきれなかったときには、光電センサー4が検出しない状態であればT9時間(約30秒)までT11(消毒液吐出可能時間)には移行しない。
【0027】
T8時間経過後に手を検出すると制御部18はポンプ部12をT10時間(約2秒)駆動して消毒液収納タンク14内の消毒液を消毒液吐出部7から吐出噴霧させる。
【0028】
この消毒液を手につけ、手指をよくこすり消毒するのであるが、手指全体に消毒液をすり込まなくてはならないため、一回の消毒液吐出では足りない場合を考え、T11時間(約20秒)内であれば、手を引っ込めてオフディレイ時間経過後再び手を差し出して手を検出させれば、何回でもT10時間消毒液を吐出することができる。
【0029】
T11時間経過後に手の検出が無くなり、T12時間(約1秒)経過すると、元の状態に復帰し、新たに手を検出すると予洗動作が再び開始する。
【0030】
このように、予洗、水石けん吐出、水石けん洗い流し、消毒液噴霧の際、各々の作業を延長して行なうことができ、作業時間不足のために再度繰り返し作業を行なう必要が無く、しかも一つの人体検出手段で人体を検出できる。
【0031】
尚、手洗い器とは別体のケーシングユニットに人体検出手段、各吐出部を設けているが、この様にすることで専用の手洗い器以外に、既存の手洗い器に後付けすることが可能になる。
【0032】
本発明は上述の実施例に限定される事無く種々の変形が可能であり、人体検出手段として、超音波センサーやマイクロ波センサーなどを用いても良い。
【0033】
また、消毒液として強酸性水を用いたり、クレゾール希釈液などを用いても良い。
【0034】
更に、手洗い器とケーシングユニットを一体に設けて床置きタイプにしても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、水石けんの吐出装置と、吐水装置と、消毒液の吐出装置を備え、人体感知手段の感知信号に基づいて上記各装置を予め定めた順序で予め定めた時間をもって作動または停止せしめる制御部を備えた手洗い装置において、前記制御部は、予め定めた動作時間内においては前記人体感知手段の感知の有無に関わらず各装置の動作を継続し、動作時間を経過した後の前記人体感知手段の感知の有無によって次工程への移行を判断することを特徴としているので、使用者に現在行なわれている作業を知らしめることができ、手洗いを完遂することができる。また、手指の汚染が激しいときには設定した動作時間を延長して作業が行え、洗浄度の高い手洗いを行なうことができる。
【0036】
また、消毒液を吐出する工程中に、前記人体感知手段の感知毎に消毒液を吐出する時間帯が設定されていることにより、一回の消毒液の吐出量で足りなかった場合にも、何回も吐出することができ、十分に消毒液を手に擦り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明手洗装置を上方から見た斜視図である。
【図2】同下方から見た斜視図である。
【図3】同正面図である。
【図4】同模式図である。
【図5】同作動状況を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1:手洗い装置
2:壁面
3:手洗い器
4:人体検出手段
5:水石けん吐出部
6:吐水部
7:消毒液吐出部
8:ケーシングユニット
9:上方庇部
10:ボール部
11:ポンプ部
12:ポンプ部
13:水石けん収納タンク
14:消毒液収納タンク
15:キャビネット
16:電磁弁
17:給水源
18:制御部
19:凹部
20:ペーパータオルホルダー
a:水石けん吐出部の中心軸
b:吐水部の中心軸
c:消毒液吐出部の中心軸
A:ポイント
B:検出領域
Claims (2)
- 水石けんの吐出装置と、吐水装置と、消毒液の吐出装置を備え、人体感知手段の感知信号に基づいて上記各装置を予め定めた順序で予め定めた時間をもって作動または停止せしめる制御部を備えた手洗い装置において、前記制御部は、予め定めた動作時間内においては前記人体感知手段の感知の有無に関わらず各装置の動作を継続し、動作時間を経過した後の前記人体感知手段の感知の有無によって次工程への移行を判断することを特徴とする手洗い装置。
- 前記請求項1記載の手洗い装置において、前記制御部には、消毒液を吐出する工程中に、前記人体感知手段の感知毎に消毒液を吐出する時間帯が設定されていることを特徴とする手洗い装置。
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