JP4449250B2 - 車両用変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用変速機の制御装置に係り、特に、内燃機関の爆発振動などの外乱に起因する回転速度センサのノイズで変速制御が損なわれることを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧により伝動ベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、プーリの溝幅を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機や、油圧アクチュエータによってクラッチやブレーキの作動状態が切り換えられることにより変速比(変速段)を切り換える有段の変速機など、種々の車両用変速機が知られている。そして、このような車両用変速機の制御装置は、入力回転速度や出力回転速度(車速に対応)を検出して、変速制御や油圧アクチュエータの油圧制御など種々の制御が行われるようになっている。特開平10−9381号公報に記載の装置はその一例で、トロイダル型の無段変速機を備えており、エンジン回転速度センサおよびタービン回転速度センサによって入力回転速度を検出することにより、何れか一方がフェールしても変速制御などを適切に行うことができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の制御装置は、内燃機関の爆発振動などの外乱に起因する回転速度センサのノイズについて何ら考慮されていないため、そのノイズによって変速制御や油圧制御などが損なわれる可能性があった。
【0004】
図1は未だ公知ではないが、エンジン14に連結されたサンギヤ18sと、モータジェネレータ16に連結されたキャリア18cと、クラッチC2を介して変速機12に連結されるリングギヤ18rと、を有する遊星歯車装置18を備えており、それ等のサンギヤ18s、キャリア18c、リングギヤ18rが相対回転可能な状態で、エンジン14およびモータジェネレータ16を共に作動させてサンギヤ18sおよびキャリア18cにトルクを加え、リングギヤ18rからクラッチC2を介して変速機12へ出力して走行するハイブリッド駆動制御装置10の構成図で、エンジン14がトルクコンバータ等の流体継手を介することなくサンギヤ18sに直接連結されているため、エンジン14の爆発振動の影響が大きい。具体的には、坂路発進などでブレーキペダルおよびアクセルペダルを両踏みした場合、モータジェネレータ16の反力トルクによりエンジン14の爆発振動でケース20が振動し、ケース20に配設された入力回転速度センサ86が振動して、実際の入力回転速度が略0であるにも拘らず100〜200rpm程度のノイズが入ることがある。また、クラッチC1、C2を共に開放するとともにブレーキB1を係合した停車状態で、エンジン14によりモータジェネレータ16を回転駆動するとともに、モータジェネレータ16を回生制御してバッテリ42を充電する場合も、同様にモータジェネレータ16の反力トルク(回生制動トルク)によりエンジン14の爆発振動でケース20が振動してノイズが入ることがある。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、内燃機関の爆発振動などの外乱に起因する回転速度センサのノイズで変速制御や油圧制御等の制御が損なわれることを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、車両走行用の駆動源として内燃機関を備えており、その内燃機関のハウジングと一体的に設けられたケースに配設された入力回転速度センサによって変速機への入力回転速度を検出する車両用変速機の制御装置において、(a) 前記内燃機関の爆発振動で前記ケースが振動し、そのケースの振動が前記入力回転速度センサの検出に影響を与える外乱となる運転状態を備えており、(b) 前記入力回転速度を推定する入力回転速度推定手段と、(c) その入力回転速度推定手段によって推定され或いは前記入力回転速度センサによって検出された入力回転速度が所定値以下で、前記変速機の出力回転速度が所定値以下で、且つ前記内燃機関のトルクが所定値以上の場合に、前記入力回転速度センサの検出に影響を与える外乱有りと判断する外乱判定手段と、(d) その外乱判定手段によって外乱有りの判断が為された場合には、前記入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度を採用する入力回転切換手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
発明は、第1発明の車両用変速機の制御装置において、(a) 前記内燃機関に連結された第1回転要素と、回転機に連結された第2回転要素と、前記変速機に連結された第3回転要素と、を有する歯車式の合成分配装置を備えており、(b) その第1回転要素、第2回転要素、および第3回転要素が相対回転可能な状態で、前記内燃機関および前記回転機を共に作動させて第1回転要素および第2回転要素にトルクを加え、第3回転要素から前記変速機へ出力して走行する車両用変速機の制御装置であって、(c) 前記入力回転速度推定手段は、前記入力回転速度センサのフェール時のバックアップのために、前記内燃機関の回転速度および前記回転機の回転速度から前記入力回転速度を算出するものであることを特徴とする。
【0009】
発明は、第1発明または第2発明の車両用変速機の制御装置において、前記入力回転切換手段は、前記入力回転速度センサによって検出される入力回転速度と、前記入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度とを切り換える際に、その入力回転速度を滑らかに変化させるなまし手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
このような車両用変速機の制御装置においては、外乱判定手段によって入力回転速度センサの検出に影響を与える外乱有りの判断が為された場合には、入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度が入力回転切換手段によって採用されるため、外乱の影響が小さくなり、高い精度で変速制御や油圧制御などの制御を行うことができる。一般に、回転速度を直接検出する場合に比較して、推定する場合の方が外乱の影響を受け難いのである。
【0011】
特に、車両走行用の駆動源として内燃機関を備えているとともに、その内燃機関のハウジングと一体的に設けられたケースに入力回転速度センサが配設されており、内燃機関の爆発振動でケースが振動して前記入力回転速度センサの検出に影響を与える外乱となる運転状態を備えている場合に、前記外乱判定手段は、前記入力回転速度が所定値以下で、前記変速機の出力回転速度が所定値以下で、且つ前記内燃機関のトルクが所定値以上の場合に、前記外乱有りと判断するため、内燃機関の爆発振動によるノイズ発生時には入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度が採用されることになり、その爆発振動に起因する制御精度の悪化が抑制される。すなわち、入力回転速度が所定値以下で、出力回転速度が所定値以下の略停車状態で、内燃機関のトルクが所定値以上の場合は、反力トルクにより内燃機関の爆発振動でケースが振動し易く、そのケースに配設された入力回転速度センサも振動するため、実際の入力回転速度が略0であるにも拘らず例えば100〜200rpm程度のノイズ(検出誤差)を生じることがあるのである。
【0012】
なお、車両走行時、すなわち入力回転速度が比較的大きい場合にも、内燃機関の爆発振動の影響で同程度のノイズが入る可能性があるが、母数が大きいため殆ど影響ない一方、入力回転速度推定手段は入力回転速度センサに比較して演算等による誤差が発生する可能性があり、基本的には入力回転速度センサによって直接検出した入力回転速度を用いることが望ましいのである。
【0013】
発明は、内燃機関および回転機を共に作動させて合成分配装置の第1回転要素および第2回転要素にトルクを加え、第3回転要素から変速機へ出力して走行する車両用変速機の制御装置に関するもので、前記入力回転速度推定手段は、入力回転速度センサのフェール時のバックアップのために、内燃機関の回転速度および回転機の回転速度から前記入力回転速度を算出するようになっており、内燃機関の爆発振動で入力回転速度センサの検出精度が損なわれる一定の条件下でフェール時のバックアップ用に求めた入力回転速度を利用するため、新たに別個に入力回転速度を求める場合に比較して装置が全体として簡単に構成される。
【0014】
発明では、入力回転速度センサによって検出される入力回転速度と、入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度とを切り換える際に、その入力回転速度を滑らかに変化させるなまし手段を備えているため、入力回転速度の急な変化で変速制御や油圧制御等の制御が損なわれる恐れがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、油圧により伝動ベルトを挟圧して動力を伝達するとともに、プーリの溝幅を変更して変速比を変化させるベルト式無段変速機や、油圧アクチュエータによってクラッチやブレーキの作動状態が切り換えられることにより変速比(変速段)を切り換える有段の変速機など、予め定められた変速条件や運転者の切換操作などに応じて変速比を電気的に変更する有段、無段の種々の車両用変速機の制御装置に適用され得る。
【0016】
入力回転速度センサは、入力回転速度を高い精度で検出するために例えば入力軸や入力側可変プーリ等の入力側部材の回転を直接検出するように設けられ、入力回転速度推定手段は、入力回転速度に対して一定の関係を有する部材の回転速度を検出して間接的に入力回転速度を求めたり、各部の作動状態から推定したりするように構成される。
【0017】
入力回転速度センサとしては、例えばベルト式無段変速機の入力側可変プーリなどの入力側部材に取り付けられたマグネットロータの磁気変化を、ホール素子等の磁気式センサで検出するものが好適に用いられるが、光センサなどを利用した他の回転速度センサを採用することもできる。
【0018】
入力回転速度センサの検出に影響する外乱は、内燃機関の爆発振動で、特にトルクコンバータ等の流体継手を介することなく連結されている場合に影響が大きい。
【0020】
入力回転速度推定手段は、外乱の有無に拘らず入力回転速度を常に推定するようになっていても良いが、外乱判定手段により外乱有りと判定された時だけ入力回転速度を推定するものでも良い。
【0021】
発明で入力回転速度を算出する際の元データとなる内燃機関の回転速度および回転機の回転速度は、例えば内燃機関の爆発振動によるノイズが相殺される場合などセンサの検出値をそのまま用いることもできるが、ノイズ等を除去するなまし処理などを行って計算に用いることもできる。
【0022】
発明の合成分配装置としては、ダブルピニオン型或いはシングルピニオン型の遊星歯車装置が好適に用いられるが、傘歯車式の差動歯車装置を用いることも可能である。その合成分配装置に対する内燃機関および回転機の接続形態は種々の態様が可能であるが、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を用いた場合の《好適な形態A》は、(a) サンギヤに内燃機関が連結されるとともにキャリアに回転機が連結される一方、(b) その遊星歯車装置のリングギヤをケースに連結する第1ブレーキB1と、(c) 前記キャリアを変速機に連結する第1クラッチC1と、(d) 前記リングギヤを前記変速機に連結する第2クラッチC2と、を有して構成され、(e) 第1クラッチC1および第1ブレーキB1が開放されるとともに第2クラッチC2が係合されたETC走行モードでの走行時に適用される。この《好適な形態A》では、クラッチC1、C2、ブレーキB1の係合、開放状態により、ETC走行モード以外にも種々の走行モードが可能である。
【0023】
なお、第発明では、上記第1クラッチC1および第2クラッチC2を共に開放するとともに第1ブレーキB1を係合した停車状態で、内燃機関により回転機(発電機)を回転駆動するとともに、その回転機を回生制御してバッテリを充電する場合にも適用され得る。その場合は、入力回転速度推定手段は入力回転速度=0とすれば良い。
【0024】
回転機は、電気エネルギーで回転駆動される電動機としてだけ機能するものでも、回転駆動されることによって発電するとともに制動トルクを発生する発電機としてだけ機能するものでも、或いは電動モータおよび発電機の両方の機能を有するモータジェネレータであっても良い。
【0025】
発明の入力回転速度推定手段は、入力回転速度センサのフェール時のバックアップのために入力回転速度を算出するものであるが、複数の走行モードを有する場合には、例えば以下の(a) 〜(f) のように走行モードなどの運転状態によって場合分けして定めることが望ましい。
【0026】
(a) 第2回転要素が変速機に連結されている場合は、その第2回転要素に連結されている回転機の回転速度をバックアップ入力回転速度NINFLとする。
前記《好適な形態A》の場合について具体的に説明すると、以下の何れかの走行モード、或いは切換過渡制御中の時には回転機の回転速度をバックアップ入力回転速度NINFLとするのである。
(i) 第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放するとともに第1クラッチC1を係合し、回転機(電動機)のみを動力源として前進または後進するモータ走行モード、およびそのモータ走行モードへの切換過渡制御中(但し、クラッチC1、C2、および第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第1クラッチC1を係合してモータ走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)。
(ii)第1ブレーキB1を開放するとともに、第1クラッチC1および第2クラッチC2を係合し、少なくとも内燃機関を動力源として前進する直結走行モード、およびその直結走行モードへ移行する切換過渡制御中(但し、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が開放で第2クラッチC2が係合のETC走行モードから第1クラッチC1を係合して直結走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)。
(iii) 第2クラッチC2を開放するとともに第1クラッチC1を係合して内燃機関を作動させた状態で、第1ブレーキB1をスリップ係合させて後進させるフリクション走行モード(リバースフリクション)、およびそのフリクション走行モードへ移行する切換過渡制御中。
【0027】
(b) 前記第3回転要素が変速機に連結されている場合は、内燃機関の回転速度および回転機の回転速度から求められる第3回転要素の回転速度をバックアップ入力回転速度NINFLとする。
前記《好適な形態A》の場合について具体的に説明すると、以下の何れかの走行モード、或いは切換過渡制御中の時には第3回転要素の回転速度をバックアップ入力回転速度NINFLとするのである。
(i) 第1クラッチC1および第1ブレーキB1を開放するとともに、第2クラッチC2を係合し、内燃機関および回転機を共に作動させて前進走行するETC走行モード、およびそのETC走行モードへ移行する切換過渡制御中(但し、第1クラッチC1が係合で第2クラッチC2および第1ブレーキB1が開放のモータ走行モードから第1クラッチC1を開放するとともに第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する際の切換過渡制御中、およびクラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)。
(ii)第1クラッチC1および第1ブレーキB1が開放で第2クラッチC2が係合のETC走行モードから第1クラッチC1を係合させて直結走行モードへ移行する切換過渡制御中。
【0028】
(c) 前記合成分配装置から変速機が切り離されている場合は、目標入力回転速度NINTをバックアップ入力回転速度NINFLとする。目標入力回転速度NINTは、例えば無段変速機の制御で、実際の入力回転速度が目標入力回転速度NINTと略一致するように変速機の変速比を制御する場合などに用いられるものである。
前記《好適な形態A》の場合について具体的に説明すると、以下の何れかの走行モード、或いは切換過渡制御中の時には目標入力回転速度NINTをバックアップ入力回転速度NINFLとするのである。
(i) クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態、およびそのニュートラル状態へ移行する切換過渡制御中(但し、クラッチC1およびC2が開放で第1ブレーキB1が係合の充電状態から第1ブレーキB1を開放してニュートラル状態へ移行する際の切換過渡制御中を除く)。
(ii)クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第1クラッチC1を係合してモータ走行モードへ移行する切換過渡制御中。
(iii) クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する切換過渡制御中。
【0029】
(d) 車両停止時にはバックアップ入力回転速度NINFL=0とする。
前記《好適な形態A》の場合について具体的に説明すると、以下の何れかの走行モード、或いは切換過渡制御中の時にはバックアップ入力回転速度NINFL=0とするのである。
(i) 第1クラッチC1および第2クラッチC2を開放するとともに、第1ブレーキB1を係合させ、内燃機関により回転機(発電機)を回転駆動するとともに、回転機を回生制御してバッテリを充電する充電モード、およびその充電モードへ移行する切換過渡制御中。
(ii)クラッチC1およびC2が開放で第1ブレーキB1が係合の充電状態から第1ブレーキB1を開放してニュートラル状態へ移行する切換過渡制御中。
【0030】
(e) 前記第2回転要素が変速機に連結されている状態から、その第2回転要素が変速機から切り離されるとともに第3回転要素が変速機に連結される切換過渡制御中は、変速機の出力回転速度(車速に対応)および変速比から算出される入力回転速度をバックアップ入力回転速度NINFLとする。
前記《好適な形態A》の場合について具体的に説明すると、第2クラッチC2および第1ブレーキB1が開放で第1クラッチC1が係合のモータ走行モードから、第1クラッチC1を開放するとともに第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する切換過渡制御中は、変速機の出力回転速度および変速比からバックアップ入力回転速度NINFLを算出するのである。
【0031】
(f) 上記(a) 〜(e) の何れにも該当しない場合は、前回定められたバックアップ入力回転速度NINFLを維持する。
【0032】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド駆動制御装置10を説明する概略構成図で、図2は変速機12を含む骨子図であり、このハイブリッド駆動制御装置10は、燃料の燃焼で動力を発生するエンジン14、電動モータおよび発電機として用いられるモータジェネレータ16、およびダブルピニオン型の遊星歯車装置18を備えて構成されており、車両に横置きに搭載されて使用される。遊星歯車装置18のサンギヤ18sには、トルクコンバータ等の流体継手を介することなくエンジン14が連結され、キャリア18cにはモータジェネレータ16が連結され、リングギヤ18rは第1ブレーキB1を介してケース20に連結されるようになっている。また、キャリア18cは第1クラッチC1を介して変速機12の入力軸22に連結され、リングギヤ18rは第2クラッチC2を介して入力軸22に連結されるようになっている。上記エンジン14は内燃機関で、モータジェネレータ16は回転機で、遊星歯車装置18は歯車式の合成分配装置であり、サンギヤ18sは第1回転要素、キャリア18cは第2回転要素、リングギヤ18rは第3回転要素である。
【0033】
上記クラッチC1、C2および第1ブレーキB1は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路24から供給される作動油によって摩擦係合させられるようになっている。図3は、油圧制御回路24の要部を示す図で、電動ポンプを含む電動式油圧発生装置26で発生させられた元圧PCが、マニュアルバルブ28を介してシフトレバー30(図1参照)のシフトポジションに応じて各クラッチC1、C2、ブレーキB1へ供給されるようになっている。シフトレバー30は、運転者によって操作されるシフト操作部材で、本実施例では「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の5つのシフトポジションに選択操作されるようになっており、マニュアルバルブ28はケーブルやリンク等を介してシフトレバー30に連結され、そのシフトレバー30の操作に従って機械的に切り換えられるようになっている。
【0034】
「B」ポジションは、前進走行時に変速機12のダウンシフトなどにより比較的大きな動力源ブレーキが発生させられるシフトポジションで、「D」ポジションは前進走行するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート28aからクラッチC1およびC2へ元圧PCが供給される。第1クラッチC1へは、シャトル弁31を介して元圧PCが供給されるようになっている。「N」ポジションは動力源からの動力伝達を遮断するシフトポジションで、「R」ポジションは後進走行するシフトポジションで、「P」ポジションは動力源からの動力伝達を遮断するとともに図示しないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転を阻止するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート28bから第1ブレーキB1へ元圧PCが供給される。出力ポート28bから出力された元圧PCは戻しポート28cへも入力され、上記「R」ポジションでは、その戻しポート28cから出力ポート28dを経てシャトル弁31から第1クラッチC1へ元圧PCが供給されるようになっている。
【0035】
クラッチC1、C2、およびブレーキB1には、それぞれコントロール弁32、34、36が設けられ、それ等の油圧PC1、PC2、PB1が制御されるようになっている。クラッチC1の油圧PC1についてはON−OFF弁38によって調圧され、クラッチC2およびブレーキB1についてはリニアソレノイド弁40によって調圧されるようになっている。
【0036】
そして、上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1の作動状態に応じて、図4に示す各走行モードが成立させられる。すなわち、「B」ポジションまたは「D」ポジションでは、「ETC走行モード」、「直結走行モード」、「モータ走行モード(前進)」の何れかが成立させられ、「ETC走行モード」では、第2クラッチC2を係合するとともに第1クラッチC1および第1ブレーキB1を開放した状態、言い換えればサンギヤ18s、キャリア18c、およびリングギヤ18rが相対回転可能な状態で、エンジン14およびモータジェネレータ16を共に作動させてサンギヤ18sおよびキャリア18cにトルクを加え、リングギヤ18rを回転させて車両を前進走行させる。「直結走行モード」では、クラッチC1、C2を係合するとともに第1ブレーキB1を開放した状態で、エンジン14を作動させて車両を前進走行させる。また、「モータ走行モード(前進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレータ16を作動させて車両を前進走行させる。「モータ走行モード(前進)」ではまた、アクセルOFF時などにモータジェネレータ16を回生制御することにより、車両の運動エネルギーで発電してバッテリ42(図1参照)を充電するとともに車両に制動力を発生させることができる。
【0037】
図5は、上記前進モードにおける遊星歯車装置18の作動状態を示す共線図で、「S」はサンギヤ18s、「R」はリングギヤ18r、「C」はキャリア18cを表しているとともに、それ等の間隔はギヤ比ρ(=サンギヤ18sの歯数/リングギヤ18rの歯数)によって定まる。具体的には、「S」と「C」の間隔を1とすると、「R」と「C」の間隔がρになり、本実施例ではρが0.6程度である。また、(a) のETC走行モードにおけるトルク比は、エンジントルクTe:CVT入力軸トルクTin:モータトルクTm=ρ:1:1−ρであり、モータトルクTmはエンジントルクTeより小さくて済むとともに、定常状態ではそれ等のモータトルクTmおよびエンジントルクTeを加算したトルクがCVT入力軸トルクTinになる。CVTは無段変速機の意味であり、本実施例では変速機12としてベルト式無段変速機が設けられている。
【0038】
図4に戻って、「N」ポジションまたは「P」ポジションでは、「ニュートラル」または「充電・Eng始動モード」の何れかが成立させられ、「ニュートラル」ではクラッチC1、C2および第1ブレーキB1の何れも開放する。「充電・Eng始動モード」では、クラッチC1、C2を開放するとともに第1ブレーキB1を係合し、モータジェネレータ16を逆回転させてエンジン14を始動したり、エンジン14により遊星歯車装置18を介してモータジェネレータ16を回転駆動するとともにモータジェネレータ16を回生制御して発電し、バッテリ42(図1参照)を充電したりする。
【0039】
「R」ポジションでは、「モータ走行モード(後進)」または「フリクション走行モード」が成立させられ、「モータ走行モード(後進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレータ16を逆方向へ回転駆動してキャリア18c更には入力軸22を逆回転させることにより車両を後進走行させる。「フリクション走行モード」は、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2を開放した状態でエンジン14を作動させ、サンギヤ18sを正方向へ回転させるとともに、そのサンギヤ18sの回転に伴ってリングギヤ18rが正方向へ回転させられている状態で、第1ブレーキB1をスリップ係合させてそのリングギヤ18rの回転を制限することにより、キャリア18cに逆方向の回転力を作用させて後進走行を行うものであり、同時にモータジェネレータ16を逆方向へ回転駆動(力行制御)するようにしても良い。
【0040】
前記変速機12はベルト式無段変速機(CVT)で、その出力軸44からカウンタ歯車46を経て差動装置48のリングギヤ50に動力が伝達され、その差動装置48により左右の駆動輪(前輪)52に動力が分配される。変速機12は、一対の可変プーリ12a、12bおよびそれ等に巻き掛けられた伝動ベルトを備えており、プライマリ側(入力側)の可変プーリ12aの油圧シリンダによってV溝幅が変更されることにより変速比γ(=入力回転速度Nin/出力回転速度Nout )が連続的に変化させられるとともに、セカンダリ側(出力側)の可変プーリ12bの油圧シリンダによってベルト挟圧力(張力)が調整されるようになっている。前記油圧制御回路24は、変速機12の変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えており、共通の電動式油圧発生装置26から作動油が供給される。
【0041】
本実施例のハイブリッド駆動制御装置10は、図1に示すHVECU60によって走行モードが切り換えられるようになっている。HVECU60は、CPU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行することにより、電子スロットルECU62、エンジンECU64、M/GECU66、T/MECU68、前記油圧制御回路24のON−OFF弁38、リニアソレノイド弁40、エンジン14のスタータ70などを制御する。電子スロットルECU62はエンジン14の電子スロットル弁72を開閉制御するもので、エンジンECU64はエンジン14の燃料噴射量や可変バルブタイミング機構、点火時期などによりエンジン出力を制御するもので、M/GECU66はインバータ74を介してモータジェネレータ16の力行トルクや回生制動トルク等を制御するもので、T/MECU68は変速機12の変速比γやベルト張力などを制御するものである。前記油圧制御回路24は、変速機12の変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えている。スタータ70は電動モータで、モータ軸に設けられたピニオンをエンジン14のフライホイール等に設けられたリングギヤに噛み合わせてエンジン14をクランキングするものである。
【0042】
上記HVECU60には、アクセル操作量センサ76からアクセル操作部材としてのアクセルペダル78の操作量θacを表す信号が供給されるとともに、シフトポジションセンサ80からシフトレバー30の操作ポジション(シフトポジション)を表す信号が供給される。また、エンジン回転速度センサ82、モータ回転速度センサ84から、それぞれエンジン回転速度(回転数)Ne、モータ回転速度(回転数)Nmを表す信号がそれぞれ供給される。この他、バッテリ42の蓄電量SOCなど、運転状態を表す種々の信号が供給されるようになっている。上記アクセル操作量θacは運転者の出力要求量を表している。
【0043】
前記T/MECU68には入力回転速度センサ86、出力回転速度センサ88から入力回転速度(入力軸22の回転速度)Nin、出力回転速度(出力軸44の回転速度)Nout を表す信号がそれぞれ供給されるようになっている。入力回転速度センサ86、出力回転速度センサ88は、何れもホール素子等を備えた磁気式センサで、入力側可変プーリ12aや出力軸44などに取り付けられたマグネットロータの磁気変化を検出するようになっており、その磁気変化の時間間隔から回転速度Nin、Nout が求められる。また、これ等の回転速度センサ86、88はケース20に配設されているとともに、そのケース20はエンジン14のハウジングに一体的に連結されており、エンジン14の爆発振動に起因してノイズが入る場合がある。
【0044】
また、本実施例では図6に示すように、上記ハイブリッド駆動制御装置10の他に第2の駆動源としてリヤ側モータジェネレータ90を備えており、インバータ92を介して前記バッテリ42に電気的に接続され、力行制御および回生制御されるようになっている。モータジェネレータ90は差動装置94を介して左右の後輪96に機械的に連結され、力行制御されることにより後輪96を回転駆動するとともに、回生制御により後輪96に回生制動力を作用させる。このリヤ側モータジェネレータ90も前記HVECU60によって制御されるようになっており、例えば車両発進時や低μ路走行時など所定の条件下で前輪52に加えて後輪96を回転駆動するようになっている。
【0045】
ここで、前記T/MECU68は、HVECU60と同様にCPU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行するもので、HVECU60からアクセル操作量θacなどの各種の情報を読み出すとともに、前記入力回転速度センサ86、出力回転速度センサ88によって検出される入力回転速度Nin、出力回転速度Nout などを用いて、変速機12の変速制御や挟圧力制御に関する信号処理を行い、指令信号をHVECU60に出力することにより、その指令信号に従って油圧制御回路24が制御され、或いはT/MECU68により直接油圧制御回路24が制御されることにより、変速機12の変速制御や挟圧力制御が行われる。すなわち、このT/MECU68を主体として変速機12の制御装置が構成されているのである。
【0046】
上記変速制御は、例えば図7に示すように運転者の出力要求量を表すアクセル操作量θacおよび車速V(出力回転速度Nout に対応)をパラメータとして予め定められたマップから目標入力回転速度NINTを算出し、実際の入力回転速度NINが目標入力回転速度NINTと一致するように、入力側可変プーリ12aの油圧シリンダの油圧をフィードバック制御する。入力回転速度NINは、図9の入力回転切換手段100によって設定されるもので、通常は前記入力回転速度センサ86によって検出された入力回転速度Ninであるが、その入力回転速度センサ86のフェール時など予め定められた一定の条件下でバックアップ入力回転速度NINFLが用いられる。図7のγmax は最大変速比で、γmin は最小変速比である。
【0047】
また、変速機12の挟圧力制御は、一対の可変プーリ12a、12bに巻き掛けられた伝動ベルトが滑りを生じないように出力側可変プーリ12bの油圧シリンダの油圧を制御するもので、例えば図8に示すように伝達トルクに対応するアクセル操作量θacおよび変速比γをパラメータとして予め定められたマップから必要油圧(ベルト挟圧力に相当)を算出し、その必要油圧に応じて出力側可変プーリ12bの油圧シリンダの油圧制御を行う。
【0048】
T/MECU68はまた、図9に示すように前記入力回転切換手段100、NINFL算出手段102、フェール判定手段104、外乱判定手段106の各機能を備えており、図10〜図12に示すフローチャートに従って信号処理を行うことにより、前記入力回転速度NINとして入力回転速度センサ86によって検出された入力回転速度Ninを用いるか、NINFL算出手段102によって算出或いは設定されたバックアップ入力回転速度NINFLを用いるかを切り換えるようになっている。入力回転切換手段は100はなまし手段108を備えており、入力回転速度Ninとバックアップ入力回転速度NINFLとを滑らかに切り換えるようになっている。
【0049】
図10および図11のフローチャートは所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるようになっており、ステップS1はNINFL算出手段102によって実行され、ステップS2はフェール判定手段104によって実行され、ステップS4〜S14は外乱判定手段106によって実行され、ステップS15〜S24は入力回転切換手段100によって実行される。また、ステップS16、S17、S21〜S23は、入力回転切換手段100のなまし手段108によって実行される。
【0050】
図10のステップS1は、入力回転速度センサ86のフェール時のバックアップのために、その時の走行モード等の運転状態に応じてバックアップ入力回転速度NINFLを算出する。具体的には、図12のフローチャートに従って実行され、《条件1》〜《条件5》を満足するか否かによってそれぞれ異なるバックアップ入力回転速度NINFLが設定される。ステップR1では、《条件1》を満足するか否か、すなわち第1クラッチC1が係合状態で遊星歯車装置18のキャリア18cが入力軸22に連結されている場合で、具体的には以下の(i) 〜(iv)の何れかを満足するか否かを判断し、何れかを満足する場合にはステップR2でモータ回転速度センサ84によって検出されたモータ回転速度Nmをバックアップ入力回転速度NINFLとする。モータ回転速度Nmは、ノイズを除去するためのなまし処理を行ったものが用いられる。なお、以下の説明の走行モードA、AR、B、E、F、H、P0、P1、および切換過渡制御POCST=3、5、9、11の内容は、図13に示す通りである。
【0051】
《条件1》
(i) 走行モードA且つPOCST≠9
すなわち、第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放するとともに第1クラッチC1を係合し、モータジェネレータ16のみを動力源として前進または後進するモータ走行モードであってエンジン停止中、およびそのモータ走行モードへの切換過渡制御中(但し、クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第1クラッチC1を係合してモータ走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)の時。
(ii)走行モードAR且つPOCST≠9
すなわち、第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放するとともに第1クラッチC1を係合し、モータジェネレータ16のみを動力源として前進または後進するモータ走行モードであってエンジン作動中、およびそのモータ走行モードへの切換過渡制御中(但し、クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第1クラッチC1を係合してモータ走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)の時。
(iii) 走行モードE且つPOCST≠3
すなわち、第1ブレーキB1を開放するとともに、第1クラッチC1および第2クラッチC2を係合し、少なくともエンジン14を動力源として前進する直結走行モード、およびその直結走行モードへ移行する切換過渡制御中(但し、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が開放で第2クラッチC2が係合のETC走行モードから第1クラッチC1を係合して直結走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)の時。
(iv)走行モードB
すなわち、第2クラッチC2を開放するとともに第1クラッチC1を係合してエンジン14を作動させた状態で、第1ブレーキB1をスリップ係合させて後進させるフリクション走行モード(リバースフリクション)、およびそのフリクション走行モードへ移行する切換過渡制御中の時。
【0052】
ステップR1の判断がNO(否定)の場合に実行するステップR3では、《条件2》を満足するか否か、すなわち第2クラッチC2が係合状態で遊星歯車装置18のリングギヤ18rが入力軸22に連結されている場合で、具体的には以下の(i) 、(ii)の何れかを満足するか否かを判断し、何れかを満足する場合にはステップR4でリングギヤ18rの回転速度NRINGをバックアップ入力回転速度NINFLとする。リングギヤ回転速度NRINGは、エンジン回転速度センサ82によって検出されるエンジン回転速度Ne、モータ回転速度センサ84によって検出されるモータ回転速度Nm、および遊星歯車装置18のギヤ比ρから算出され、エンジン回転速度Neおよびモータ回転速度Nmはエンジン14の爆発振動によるノイズなどが除去されるようになまし処理を行ったものが用いられる。
【0053】
《条件2》
(i) 走行モードH且つPOCST≠5且つPOCST≠11
すなわち、第1クラッチC1および第1ブレーキB1を開放するとともに、第2クラッチC2を係合し、エンジン14およびモータジェネレータ16を共に作動させて前進走行するETC走行モード、およびそのETC走行モードへ移行する切換過渡制御中(但し、第1クラッチC1が係合で第2クラッチC2および第1ブレーキB1が開放のモータ走行モードから第1クラッチC1を開放するとともに第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する際の切換過渡制御中、およびクラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する際の切換過渡制御中を除く)の時。
(ii)走行モードE且つPOCST=3
すなわち、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が開放で第2クラッチC2が係合のETC走行モードから第1クラッチC1を係合させて直結走行モードへ移行する切換過渡制御中の時。
【0054】
ステップR3の判断がNOの場合に実行するステップR5では、《条件3》を満足するか否か、すなわちクラッチC1およびC2が共に開放状態で遊星歯車装置18が変速機12から切り離されている場合で、具体的には以下の(i) 〜(iii) の何れかを満足するか否かを判断し、何れかを満足する場合にはステップR6で前記目標入力回転速度NINTをバックアップ入力回転速度NINFLとする。
【0055】
《条件3》
(i) 走行モード(P0またはP1)且つPOCST≠11
すなわち、クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態、およびそのニュートラル状態へ移行する切換過渡制御中(但し、クラッチC1およびC2が開放で第1ブレーキB1が係合の充電状態から第1ブレーキB1を開放してニュートラル状態へ移行する際の切換過渡制御中を除く)の時。
(ii)走行モード(AまたはAR)且つPOCST=9
すなわち、クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第1クラッチC1を係合してモータ走行モードへ移行する切換過渡制御中の時。
(iii) 走行モードH且つPOCST=11
すなわち、クラッチC1、C2、第1ブレーキB1が総て開放のニュートラル状態から第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する切換過渡制御中の時。
【0056】
ステップR5の判断がNOの場合に実行するステップR7では、《条件4》を満足するか否か、すなわち車両停止時で、具体的には以下の(i) 、(ii)の何れかを満足するか否かを判断し、何れかを満足する場合にはステップR8でバックアップ入力回転速度NINFL=0とする。
【0057】
《条件4》
(i) モードF
すなわち、第1クラッチC1および第2クラッチC2を開放するとともに、第1ブレーキB1を係合させ、エンジン14によりモータジェネレータ16を回転駆動するとともに、モータジェネレータ16を回生制御してバッテリ42を充電する充電モード、およびその充電モードへ移行する切換過渡制御中の時。
(ii)走行モード(P0またはP1)且つPOCST=11
すなわち、クラッチC1およびC2が開放で第1ブレーキB1が係合の充電状態から第1ブレーキB1を開放してニュートラル状態へ移行する切換過渡制御中の時。
【0058】
ステップR7の判断がNOの場合に実行するステップR9では、《条件5》を満足するか否か、すなわち第1クラッチC1が係合状態で遊星歯車装置18のキャリア18cが入力軸22に連結されている状態から、第1クラッチC1が開放されてキャリア18cが変速機12から切り離されるとともに第2クラッチC2が係合してリングギヤ18rが入力軸22に連結される切換過渡制御中の場合で、具体的には以下の(i) を満足するか否かを判断し、満足する場合にはステップR10で変速機12の出力回転速度Nout と変速比γとを掛け算して求めた入力回転速度をバックアップ入力回転速度NINFLとする。変速比γは、例えば《条件5》の制御開始時点の入力回転速度NIN/出力回転速度Nout から求めることができる。
【0059】
《条件5》
(i) 走行モードH且つPOCST=5
すなわち、第2クラッチC2および第1ブレーキB1が開放で第1クラッチC1が係合のモータ走行モードから、第1クラッチC1を開放するとともに第2クラッチC2を係合してETC走行モードへ移行する切換過渡制御中の時。
【0060】
ステップR9の判断がNOの場合、すなわち上記《条件1》〜《条件5》を何れも満足しない場合は、ステップR11を実行し、前回のサイクル時に求められたバックアップ入力回転速度NINFLを維持する。
【0061】
図10に戻って、ステップS2では、入力回転速度センサ86がフェールか否かを判断する。これは、例えば入力回転速度センサ86によって検出された入力回転速度Ninが上記バックアップ入力回転速度NINFLから所定値α(例えば数十rpm〜100rpm程度)を引き算した値以下の状態が所定時間以上継続したか否か、或いは出力回転速度Nout と変速比γとを掛け算して求めた入力回転速度に対して所定値α以上相違する状態が所定時間以上継続したか否か、などによって判断できる。そして、入力回転速度センサ86がフェールと判断された場合は、ステップS3で入力回転速度NINとしてバックアップ入力回転速度NINFLを設定し、その入力回転速度NIN=NINFLを用いて前記変速制御などが行われる一方、入力回転速度センサ86がフェールでない場合は、ステップS4以下を実行し、エンジン14の爆発振動に起因して入力回転速度センサ86に入るノイズにより前記変速制御などが損なわれる一定の条件下でバックアップ入力回転速度NINFLを入力回転速度NINとし、そうでない場合は入力回転速度センサ86の検出値である入力回転速度Ninをそのまま入力回転速度NINとする。
【0062】
ステップS4では、入力回転速度Ninが予め定められた所定値Nin1以下か否かを判断し、Nin>Nin1の場合はステップS5を実行するが、Nin≦Nin1の場合はステップS6で出力回転速度Nout が予め定められた所定値Nout 1以下か否かを判断する。そして、Nout >Nout 1の場合はステップS7を実行するが、Nout ≦Nout 1の場合はステップS8以下を実行する。上記ステップS4、S6は、エンジン14の爆発振動に伴うケース20の振動で、そのケース20に配設された入力回転速度センサ86が振動してノイズが入った場合に、そのノイズにより前記変速制御などの制御が損なわれる略停車状態か否かを判断するためのもので、本実施例では爆発振動に伴うノイズが100〜200rpm程度であることから、上記所定値Nin1、Nout 1は例えば300rpm程度の値が設定される。
【0063】
ステップS5、S7は、所定のヒステリシスを付与して外乱判定フラグF1のハンチングを防止するためのもので、ステップS5では入力回転速度Ninが前記所定値Nin1より少し大きい所定値Nin2よりも大きいか否かを判断し、Nin>Nin2であればエンジン14の爆発振動に起因するノイズで変速制御等が損なわれる可能性が低いため、ステップS14で外乱判定フラグF1をOFFにする。ステップS7では出力回転速度Nout が前記所定値Nout 1より少し大きい所定値Nout 2よりも大きいか否かを判断し、Nout >Nout 2であればエンジン14の爆発振動に起因するノイズで変速制御等が損なわれる可能性が低いため、同じくステップS14を実行して外乱判定フラグF1をOFFにする。外乱判定フラグF1=OFFは外乱無しを意味し、ステップS5、S7の判断がNOの場合は、前回のサイクル時の外乱判定フラグF1の内容を維持する。
【0064】
Nin≦Nin1で且つNout ≦Nout 1の場合に実行するステップS8では、走行モードHか否か、すなわちETC走行モードか否かを判断し、NO(否定)の場合はステップS9で走行モードFか否か、すなわち「P」ポジションでの充電状態か否かを判断する。何れも、停車状態或いは略停車状態でエンジン14が作動状態を維持できる走行モードで、走行モードHの場合はステップS10以下を実行するが、走行モードFの場合は、エンジン14が負荷状態でモータジェネレータ16の回生制動制御による反力トルクでハウジング、更にはケース20が振動して前記入力回転速度センサ86にノイズが入る可能性が高いため、直ちにステップS13を実行して外乱判定フラグF1をONにする。外乱判定フラグF1=ONは外乱有りを意味する。なお、走行モードがHでもFでもない場合は、エンジン14の爆発振動に起因して入力回転速度センサ86の検出精度が損なわれる可能性が無いか低いため、前記ステップS14を実行して外乱判定フラグF1をOFFにする。
【0065】
ステップS10ではPOCST=5か否か、すなわちモータ走行モードからETC走行モードへ移行する切換過渡制御中か否かを判断し、POCST=5の場合は前回のサイクル時の外乱判定フラグF1の内容、通常はF1=OFFを維持する。POCST≠5であれば、ステップS11を実行し、アクセル操作量θacが予め定められた所定値θac1以上か否か、すなわちエンジン14が高負荷状態で、比較的大きな爆発振動が生じ、変速制御などに影響するようなノイズが生じるか否かを判断する。言い換えれば、坂路発進などでブレーキペダルおよびアクセルペダル78が両踏みされ、車速Vが略0の状態でモータジェネレータ16の反力トルクによりエンジン14の爆発振動でケース20が振動し、入力回転速度センサ86が振動して実際の入力回転速度が略0であるにも拘らず100〜200rpm程度のノイズが入るような運転状態か否かを判断するのである。そして、θac≧θac1であればステップS13で外乱判定フラグF1をONにするが、θac<θac1の場合にはステップS12でエンジントルクTeが予め定められた所定値Te1以上か否かを判断し、Te≧Te1の場合も外乱判定フラグF1をONにする。これは、アクセル操作量θacが小さい場合でも電子スロットル弁72が開制御されると、爆発振動によるノイズが同様に問題になるためで、所定値Te1は上記アクセル操作量θacの所定値θac1に対応して定められている。エンジントルクTeは、例えば吸入空気量およびエンジン回転速度NEをパラメータとするマップや演算式などから求められる。
【0066】
続いて、図11のステップS15を実行し、前回のサイクル時の外乱判定フラグF1の内容を保持している前回フラグF2の内容が今回の外乱判定フラグF1と一致するか否かを判断する。そして、F2=F1であれば直ちにステップS17を実行するが、F2≠F1の場合、すなわち今回のサイクルで外乱判定フラグF1の内容が変化した場合は、ステップS16でカウンタCoをリセットして新たに計数を開始させた後、ステップS17を実行する。すなわち、このカウンタCoは、外乱判定フラグF1の内容が変化した後の経過時間をカウントするもので、ステップS17ではカウンタCoの内容が予め定められた所定値Co1よりも大きいか否かを判断し、Co<Co1の間はステップS21以下を実行することにより、入力回転速度NINをNINFLとNinとの間で滑らか(連続的に)に変化させる。
【0067】
ステップS21では外乱判定フラグF1がONか否かを判断し、ONの場合、すなわち外乱有りの場合は、ステップS22を実行し、カウンタCoの所定値Co1に相当する時間で、入力回転速度NINが入力回転速度センサ86の検出値である入力回転速度Ninからバックアップ入力回転速度NINFLへ滑らかに変化するようになまし処理を行う。また、外乱判定フラグF1がOFFの場合、すなわち外乱無しの場合は、ステップS23を実行し、カウンタCoの所定値Co1に相当する時間で、入力回転速度NINがバックアップ入力回転速度NINFLから入力回転速度センサ86の検出値である入力回転速度Ninへ滑らかに変化するようになまし処理を行う。
【0068】
一方、カウンタCoの内容が所定値Co1よりも大きい場合は、ステップS18で外乱判定フラグF1がONか否かを判断し、ONの場合、すなわち外乱有りの場合は、ステップS19でバックアップ入力回転速度NINFLを入力回転速度NINとする。また、外乱判定フラグF1がOFFの場合、すなわち外乱無しの場合は、ステップS20で入力回転速度センサ86の検出値である入力回転速度Ninを入力回転速度NINとする。なお、ステップS20では、入力回転速度センサ86がフェールした後ステップS2でフェール判定が為されるまでの間に、間違った入力回転速度Ninにより誤った制御が行われることを防止するため、入力回転速度センサ86による検出値である入力回転速度Ninと、バックアップ入力回転速度NINFLから前記所定値α(例えば数十rpm〜100rpm程度)を引き算した値とを比較し、大きい方の値を選択して入力回転速度NINとするようにしても良い。
【0069】
このように本実施例では、外乱判定手段106によりステップS4〜S14で入力回転速度センサ86の検出に影響を与える外乱の有無を判断し、外乱判定フラグF1がON(外乱有り)とされた場合には、ステップS19でバックアップ入力回転速度NINFLが入力回転速度NINとされ、その入力回転速度NIN=NINFLを用いて変速制御などが行われるため、外乱の影響が小さくなり、高い精度で変速制御や挟圧力制御などが行われるようになる。
【0070】
また、本実施例では、車両走行用の駆動源としてエンジン14を備えているとともに、そのエンジン14のハウジングと一体的に設けられたケース20に入力回転速度センサ86が配設されており、外乱判定手段106は、入力回転速度Ninが所定値Nin1以下で、出力回転速度Nout が所定値Nout 1以下で、且つエンジントルクTeが所定値Te1以上の場合に、外乱有り(F1=ON)と判断するため、エンジン14の爆発振動によるノイズ発生時にはNINFL算出手段102によって設定されたたバックアップ入力回転速度NINFLが用いられることになり、その爆発振動に起因する制御精度の悪化が抑制される。すなわち、入力回転速度Ninが所定値Nin1以下で、出力回転速度Nout が所定値Nout 1以下の略停車状態で、エンジントルクTeが所定値Te1以上の場合は、モータジェネレータ16の反力トルクによりエンジン14の爆発振動でケース20が振動し易く、そのケース20に配設された入力回転速度センサ86も振動するため、実際の入力回転速度が略0であるにも拘らず100〜200rpm程度のノイズが入ることがあるのである。
【0071】
なお、車両走行時、すなわち入力回転速度Ninが比較的大きい場合にも、エンジン14の爆発振動の影響で同程度のノイズが入る可能性があるが、母数が大きいため殆ど影響ない一方、NINFL算出手段102は入力回転速度センサ86に比較して演算等による誤差が発生する可能性があり、基本的には入力回転速度センサ86によって直接検出した入力回転速度Ninを用いることが望ましいのである。
【0072】
また、本実施例ではエンジン14およびモータジェネレータ16を共に作動させて遊星歯車装置18のサンギヤ18sおよびキャリア18cにトルクを加え、リングギヤ18rから変速機12へ出力して走行するETC走行モード(走行モードH)時に、入力回転速度センサ86のフェール時のバックアップのために、条件によりエンジン回転速度Neおよびモータ回転速度Nmからバックアップ入力回転速度NINFLを算出するか、出力回転速度Nout と変速比γとを掛け算してバックアップ入力回転速度NINFLを算出するようになっており、エンジン14の爆発振動で入力回転速度センサ86の検出精度が損なわれる一定の条件下で、入力回転速度センサ86の検出値である入力回転速度Ninの代わりにフェール時のバックアップ用の入力回転速度NINFLを利用するようになっているため、入力回転速度センサ86のノイズに起因して変速制御などが損なわれることがないとともに、新たに別個に入力回転速度を求める場合に比較して装置が全体として簡単に構成される。
【0073】
また、「P」ポジションでの充電状態(走行モードF)では、エンジン14の爆発振動で入力回転速度センサ86の検出精度が損なわれるが、入力回転速度センサ86のフェール時のバックアップのためにNINFL算出手段102によって設定されたバックアップ入力回転速度NINFL(=0)が、フェール時以外でも入力回転速度センサ86による検出値である入力回転速度Ninの代わりに用いられるようになっているため、入力回転速度センサ86のノイズに起因して変速制御などが損なわれることがないとともに、新たに別個に入力回転速度を求める場合に比較して装置が全体として簡単に構成される。
【0074】
また、本実施例では入力回転速度NINを入力回転速度センサ86の検出値である入力回転速度Ninとバックアップ入力回転速度NINFLとの間で切り換える際に、入力回転速度NINを滑らかに変化させるなまし手段108を備えているため、入力回転速度NINの急な変化で変速制御や油圧制御等の制御が損なわれる恐れがない。
【0075】
また、本実施例のNINFL算出手段102は、走行モードなどの運転状態によって《条件1》〜《条件5》に場合分けしてバックアップ回転速度NINFLを算出、或いは設定するようになっているため、入力回転速度センサ86のフェール時にも、バックアップ回転速度NINFLを用いて高い精度で変速制御や挟圧力制御などを行うことができるとともに、種々の走行モードで走行することが可能である。
【0076】
本実施例では、NINFL算出手段102のうち外乱判定フラグF1がONとなる運転状態の時にバックアップ入力回転速度NINFLを算出する部分、具体的には走行モードH且つPOCST≠5の時にバックアップ入力回転速度NINFLを算出するステップR4、R6、および走行モードFの時にバックアップ入力回転速度NINFLを算出するステップR8を実行する部分は、入力回転速度推定手段として機能している。
【0077】
なお、入力回転速度センサ86によって検出される入力回転速度Ninにノイズが入るということは、出力回転速度センサ88によって検出される出力回転速度Nout にもノイズが入る可能性が高いため、外乱判定成立時(F1=ON時)には、車輪速センサから演算した出力回転速度をバックアップとして用いることもできる。
【0078】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用変速機の制御装置を備えているハイブリッド駆動制御装置を説明する概略構成図である。
【図2】図1のハイブリッド駆動制御装置の動力伝達系を示す骨子図である。
【図3】図1の油圧制御回路の一部を示す回路図である。
【図4】図1のハイブリッド駆動制御装置において成立させられる幾つかの走行モードと、クラッチおよびブレーキの作動状態との関係を説明する図である。
【図5】図4のETC走行モード、直結走行モード、およびモータ走行モード(前進)における遊星歯車装置の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図6】後輪駆動用のリヤ側モータジェネレータを含む駆動装置全体を示す概略図である。
【図7】図1のT/MECUによって行われる変速機の変速制御で、目標入力回転速度NINTを算出するマップの一例を説明する図である。
【図8】図1のT/MECUによって行われる変速機の挟圧力制御で、必要油圧を算出するマップの一例を説明する図である。
【図9】変速制御や挟圧力制御などに用いられる入力回転速度NINを切り換えるために、図1のT/MECUに備えられている各種の機能を説明するブロック線図である。
【図10】図10の各手段によって実行される信号処理の内容を具体的に説明するフローチャートである。
【図11】図10の続きを説明するフローチャートである。
【図12】図10のステップS1でバックアップ入力回転速度NINFLを求める具体的内容を説明するフローチャートである。
【図13】図10〜図12のフローチャートの説明で用いられている走行モードA、AR、B、E、F、H、P0、P1、および切換過渡制御POCST=3、5、9、11の内容を説明する図である。
【符号の説明】
12:変速機 14:エンジン(内燃機関) 16:モータジェネレータ(回転機) 18:遊星歯車装置(合成分配装置) 18s:サンギヤ(第1回転要素) 18c:キャリア(第2回転要素) 18r:リングギヤ(第3回転要素) 20:ケース 68:T/MECU 86:入力回転速度センサ 100:入力回転切換手段 102:NINFL算出手段(入力回転速度推定手段) 106:外乱判定手段 108:なまし手段
Nin:入力回転速度(入力回転速度センサの検出値)
NINFL:バックアップ入力回転速度
Nout :出力回転速度
Te:エンジントルク(内燃機関のトルク)
Ne:エンジン回転速度(内燃機関の回転速度)
Nm:モータ回転速度(回転機の回転速度)

Claims (3)

  1. 車両走行用の駆動源として内燃機関を備えており、該内燃機関のハウジングと一体的に設けられたケースに配設された入力回転速度センサによって変速機への入力回転速度を検出する車両用変速機の制御装置において、
    前記内燃機関の爆発振動で前記ケースが振動し、該ケースの振動が前記入力回転速度センサの検出に影響を与える外乱となる運転状態を備えており、
    前記入力回転速度を推定する入力回転速度推定手段と、
    該入力回転速度推定手段によって推定され或いは前記入力回転速度センサによって検出された入力回転速度が所定値以下で、前記変速機の出力回転速度が所定値以下で、且つ前記内燃機関のトルクが所定値以上の場合に、前記入力回転速度センサの検出に影響を与える外乱有りと判断する外乱判定手段と、
    外乱判定手段によって外乱有りの判断が為された場合には、前記入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度を採用する入力回転切換手段と、
    を有することを特徴とする車両用変速機の制御装置。
  2. 前記内燃機関に連結された第1回転要素と、回転機に連結された第2回転要素と、前記変速機に連結された第3回転要素と、を有する歯車式の合成分配装置を備えており、該第1回転要素、第2回転要素、および第3回転要素が相対回転可能な状態で、前記内燃機関および前記回転機を共に作動させて該第1回転要素および該第2回転要素にトルクを加え、該第3回転要素から前記変速機へ出力して走行する車両用変速機の制御装置であって、
    前記入力回転速度推定手段は、前記入力回転速度センサのフェール時のバックアップのために、前記内燃機関の回転速度および前記回転機の回転速度から前記入力回転速度を算出するものである
    ことを特徴とする請求項に記載の車両用変速機の制御装置。
  3. 前記入力回転切換手段は、前記入力回転速度センサによって検出される入力回転速度と、前記入力回転速度推定手段によって得られる入力回転速度とを切り換える際に、該入力回転速度を滑らかに変化させるなまし手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用変速機の制御装置。
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