JP4449206B2 - 階層変調放送受信装置及び階層変調放送受信方法 - Google Patents

階層変調放送受信装置及び階層変調放送受信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複数の変調方式により階層的伝送される情報を受信する階層変調放送受信装置及び階層変調放送受信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特に、10GHz帯やそれ以上の高い周波数を使用するデジタルテレビジョン放送では、一般には平面波の真空中の電波伝搬理論が十分適用できるが、電波伝搬路の長さからすればほんのわずかといえる大気中の降雨によって、電波の減衰や散乱による干渉など、さまざまな通信品質の劣化が起こる。
【0003】
降雨減衰は、電波が雨滴による吸収および散乱によって本来晴天時に受信できる電力より減衰する現象である。通常、降雨減衰は晴天時に受信される受信強度と降雨時の受信強度の差をデシベル[dB]単位で示す。雨滴は落下時の大気との相互作用で、球体ではなく、例えばおそなえもちのような形状で落下してくることが知られている。その結果、直線偏波時には水平偏波の電波と垂直偏波の電波とで受ける降雨減衰量が異なる。
【0004】
降雨散乱は、送信アンテナビームが雨滴をよぎるとき、雨滴により電波の一部があらゆる方向に散乱する現象で、同一の周波数帯を使用する他の通信システムにとっては干渉波となる。特に、デジタルテレビジョン放送の場合、回線品質をあるレベル以上に保つ必要があり、地上送信局が降雨のときにも受信部の電力を一定に保つために、降雨減衰を補償するように送信電力を上げる送信電力制御を行うようにしている。この送信電力制御は、回線品質と変調方式で求められる必要C/N(Carrier to Noise ratio:搬送波電力対雑音電力比)にこの降雨減衰量を加えたC/Nが晴天時のC/Nとなるように送信電力を増加させるものである。その場合には、送信電力の増加によって降雨散乱の強度も強くなり他の通信システムへの干渉が増加する可能性があった。
【0005】
このように降雨減衰により、放送信号のC/Nが悪化するため、良好な受信状態が得られない場合がある。特に、受信に必要なC/Nは、変調方式によって異なるものである。従って、送信に必要な周波数帯域あたりのビットレートと、その変調方式においてエラーフリーの状態での受信に必要なC/Nはいわゆるトレードオフの関係にあるため、デジタルテレビジョン放送局側では、たくさんの情報を送りたい一方で、降雨減衰に強い低いC/Nで受信可能な変調方式で送りたいという相反する要求がある。
【0006】
そこで、デジタルテレビジョン放送局側では、通常放送と降雨減衰に対して強度を持つ変調方式の降雨対応放送の複数の変調方式による放送を同時に送信する階層変調放送を行うようにしている。これにより、受信装置側では、周波数帯域幅あたりのビットレートは高いが、高いC/Nを必要とする通常放送の高階層放送受信状態と、周波数帯域幅あたりのビットレートは低いが低いC/Nで受信可能な降雨対応放送の低階層放送受信状態とを、受信状態に応じて切り換えるようにしている。
【0007】
図13は、このような天候の変化とC/Nの値による遷移を示す図である。図13において、C/Nの値a[dB]は、高階層放送受信状態と低階層放送受信状態との間で遷移するためのスレッシュホールドを示す。
【0008】
まず、短時間に、遷移点131でC/Nの値がa[dB]を下回ったとき高階層放送受信状態から低階層放送受信状態に遷移し、遷移点132でC/Nの値がa[dB]を上回ったとき低階層放送受信状態から高階層放送受信状態に遷移し、遷移点133でC/Nの値がa[dB]を下回ったとき高階層放送受信状態から低階層放送受信状態に遷移する。
【0009】
次に、短時間に、遷移点134でC/Nの値がa[dB]を上回ったとき低階層放送受信状態から高階層放送受信状態に遷移し、遷移点135でC/Nの値がa[dB]を下回ったとき高階層放送受信状態から低階層放送受信状態に遷移し、遷移点136でC/Nの値がa[dB]を上回ったとき低階層放送受信状態から高階層放送受信状態に遷移し、遷移点137でC/Nの値がa[dB]を下回ったとき高階層放送受信状態から低階層放送受信状態に遷移し、遷移点138でC/Nの値がa[dB]を上回ったとき低階層放送受信状態から高階層放送受信状態に遷移する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の階層変調放送においては、受信装置側で通常放送の高階層放送受信状態と、降雨対応放送の低階層放送受信状態との切り換えを自動で行う際に、状態遷移する自動切り換えのパラメータとしてC/Nを用いる方法があるが、この場合に自動切り換えのC/Nのスレッシュホールドは予め定められた1点のみであった。また、一方で、天候の変化は一様でないために、短時間に何度もこのスレッシュホールドより下降または上昇するため、受信装置側で通常放送の高階層放送受信状態と、降雨対応放送の低階層放送受信状態とが短時間に頻繁に切り換わり、ユーザーの安定した視聴を妨げることがあるという不都合があった。
【0011】
また、天候の変化が受信装置の出荷時には予想できないために、自動切り換えのC/Nのスレッシュホールドを固定にすると、予想外のC/Nの変化により、やはり受信装置側で通常放送の高階層放送受信状態と、降雨対応放送の低階層放送受信状態とが短時間に頻繁に切り換わり、ユーザーの安定した視聴を妨げることがあるという不都合があった。
【0012】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、複数の変調方式により階層的伝送される情報を安定した状況で受信することができる階層変調放送受信装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の階層変調放送受信装置は、複数の変調方式による情報を時分割多重することにより、少なくとも第1の階層伝送と第2の階層伝送を含むように複数に階層的伝送される情報を受信する階層変調放送受信装置において、階層的伝送された階層変調情報を受信する受信手段と、受信手段により受信した階層変調情報を各階層に応じてそれぞれ復調する復調手段と、復調手段にて復調された階層変調情報を再生する再生手段と、復調手段による復調情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて、第1の階層伝送を受信する状態から第2の階層伝送を受信する状態に遷移させる第1の遷移を行うか、第2の階層伝送を受信する状態から第1の階層伝送を受信する状態に遷移させる第2の遷移を行うかを決定する階層変調遷移決定手段と、を備え、階層変調遷移決定手段は、第1の遷移と第2の遷移の所定時間内の遷移回数に応じて、所定の条件を変更し、第1の階層伝送は第2の階層伝送に比して伝送レートが高く、復調情報はC/N(搬送波電力対雑音電力比)であり、第1の階層伝送による階層変調情報受信状態(高階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第1の期間以上にわたって第1の値を下回ったとき第1の遷移を行い、第2の階層伝送による階層変調情報受信状態(低階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第2の期間以上にわたって第1の値と同じかあるいはより大きな第2の値を上回ったとき第2の遷移を行うものであり、所定時間内に所定回数以上第1の遷移と第2の遷移が起こったとき、第1の期間および第2の期間をさらに長い値に更新して更新された第1の期間および第2の期間の値を記憶手段に記憶し、その後の遷移時に第1の期間および第2の期間の値に替えて更新された第1の期間および第2の期間の値を用いることを特徴とする。
【0014】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
受信手段でデジタルテレビジョン放送が受信され、伝搬損により減衰した信号を適正レベルまで増幅する。復調手段は増幅された受信信号を復調およびデコードして映像信号および音声信号を出力する。再生手段は復調手段から出力される映像信号および音声信号をそれぞれ映像表示および音声出力して再生する。
【0015】
復調手段において、復調部は受信信号を復調してトランスポートストリームを出力する。演算器部は復調部により検出された復調情報に応じて低階層/高階層切換信号を階層変調遷移点生成手段により生成する。不揮発性メモリは低階層/高階層切換信号の生成のためのパラメータを記憶する。切換手段はトランスポートストリームを低階層/高階層切換信号により低階層または高階層のエレメンタリーストリームに分離、デコードして映像信号および音声信号を出力する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態の階層変調放送受信装置は、受信装置側で通常放送の高階層放送受信状態と、降雨対応放送の低階層放送受信状態との間を、C/Nの値により自動的に遷移するとき、遷移点のC/Nの値で高階層放送受信状態から低階層放送受信状態に遷移するときと、低階層放送受信状態から高階層放送受信状態に遷移するときとでC/Nの値にヒステリシス(Hysteresis)を持たせるようにし、また、遷移に時間的制約を設けることにより、短時間の頻繁な遷移を抑制し、ユーザの安定した視聴を妨げないようにするものである。
【0017】
図1は、本実施の形態の階層変調放送受信装置が適用されるデジタルテレビジョン放送受信機の構成を示すブロック図である。
デジタルテレビジョン放送受信機1は、デジタルテレビジョン放送受信用のアンテナ2と、アンテナ2で受信された伝搬損により減衰した信号を適正レベルまで増幅するLNB(Low Noise Block down converter:低雑音増幅器)3と、LNB3により増幅されたIF(Intermediate Frequency:中間周波)信号を復調およびデコードして映像信号S5および音声信号S6を出力するセットトップボックス4と、セットトップボックス4から出力される映像信号S5および音声信号S6を再生するモニター12およびスピーカ13とを有して構成される。
【0018】
セットトップボックス4は、IF信号を復調してトランスポートストリームS1を出力する復調部5と、復調部5により検出されたC/N情報S2に応じて低階層/高階層切換信号S3を階層変調遷移点生成部10により生成する演算器部7と、低階層/高階層切換信号S3の生成のためのパラメータ11を記憶する不揮発性メモリ8と、トランスポートストリームS1を低階層/高階層切換信号S3により低階層または高階層のエレメンタリーストリームS4に分離するDEMUX(De−Multiplexing equipment:多重分離装置)(分離機部)6と、エレメンタリーストリームS4をデコードして映像信号S5および音声信号S6を出力するデコーダ部9とを有して構成される。
【0019】
上述したデジタルテレビジョン放送受信機1において、デジタルテレビジョン放送受信用のアンテナ2でデジタルテレビジョン放送が受信される。LNB3は伝搬損により減衰した信号を適正レベルまで増幅する。セットトップボックス4はLNB3により増幅されたIF信号を復調およびデコードして映像信号S5および音声信号S6を出力する。モニター12およびスピーカ13はセットトップボックス4から出力される映像信号S5および音声信号S6をそれぞれ映像表示および音声出力して再生する。
【0020】
セットトップボックス4において、復調部5はIF信号を復調してトランスポートストリームS1を出力する。演算器部7は復調部5により検出されたC/N情報S2に応じて低階層/高階層切換信号S3を階層変調遷移点生成部10により生成する。不揮発性メモリ8は低階層/高階層切換信号S3の生成のためのパラメータ11を記憶する。DEMUX(分離機部)6はトランスポートストリームS1を低階層/高階層切換信号S3により低階層または高階層のエレメンタリーストリームS4に分離する。デコーダ部9はエレメンタリーストリームS4をデコードして映像信号S5および音声信号S6を出力する。
【0021】
図2は、復調部の構成を示す図である。
図2において、復調部5は、IF信号の受信周波数を選択するチューナ21と、選択された受信周波数のIF信号をTC8PSK(Trellis Coded Modulation 8 Phase Shift Keying)方式により復調する高階層(TC8PSK)復調部22と、選択された受信周波数のIF信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)またはBPSK(Binery Phase Shift Keying)方式により復調する低階層(QPSK、BPSK)復調部23と、復調された信号をビタビ復号器で復号し、デインターリーバ(De−interleaver)を介して、さらに誤り訂正復号のためにRS(リードソロモン)復号する復号部(ビタビ、デインターリーブ、RS)24と、復号されたパケットのうち契約チャンネルのパケットのみスクランブルを解除するデスクランブラ25とを有して構成される。
【0022】
上述した復調部5において、チューナ21はIF信号の受信周波数を選択し、高階層(TC8PSK)復調部22は選択された受信周波数のIF信号をTC8PSK方式により復調する。低階層(QPSK、BPSK)復調部23は選択された受信周波数のIF信号をQPSKまたはBPSK方式により復調する。復号部(ビタビ、デインターリーブ、RS)24は復調された信号をビタビ復号器で復号し、デインターリーバを介して、さらに誤り訂正復号のためにRS(リードソロモン)復号する。デスクランブラ25は復号されたパケットのうち契約チャンネルのパケットのみスクランブルを解除する。
【0023】
ここで、TC8PSK方式は、誤り訂正符号化と変調とを同時に行い、短い信号間のユークリッド距離を実質的に長くする符号化変調方式であり、例えば2/3畳み込み符号と8PSKを組み合わせ、8PSKにおける隣接シンボルの信号間距離の低下を補償することにより電力効率などの伝送特性をQPSK方式よりも改善したものである。
【0024】
図3は、デコーダ部の構成を示す図である。
図3において、デコーダ部9は、DEMUX(分離機部)6により分離された高階層エレメンタリーストリームS11のデコード処理を行う高階層デコーダ部31と、DEMUX(分離機部)6により分離された低階層エレメンタリーストリームS12のデコード処理を行う低階層デコーダ部32とを有して構成される。
【0025】
高階層デコーダ部31は、高階層エレメンタリーストリームS11の映像部分を伸張処理するMPEG(Moving Picture Experts Group)映像デコーダ33と、伸張処理された映像データをNTSC方式に変換して高階層映像信号S13を出力するNTSC(National Television System Committee)変換部34と、高階層エレメンタリーストリームS11の音声部分を伸張処理するMPEG音声デコーダ35と、伸張処理されたデジタル音声データをアナログに変換して高階層音声信号S14を出力するD/Aコンバータ36とを有して構成される。
【0026】
低階層デコーダ部32は、低階層エレメンタリーストリームS12の映像部分を伸張処理するMPEG映像デコーダ37と、伸張処理された映像データをNTSC方式に変換して低階層映像信号S15を出力するNTSC変換部38と、低階層エレメンタリーストリームS12の音声部分を伸張処理するMPEG音声デコーダ39と、伸張処理されたデジタル音声データをアナログに変換して低階層音声信号S16を出力するD/Aコンバータ40とを有して構成される。
【0027】
上述した高階層デコーダ部31において、MPEG映像デコーダ33は高階層エレメンタリーストリームS11の映像部分を伸張処理する。NTSC変換部34は伸張処理された映像データをNTSC方式に変換して高階層映像信号S13を出力する。MPEG音声デコーダ35は高階層エレメンタリーストリームS11の音声部分を伸張処理する。D/Aコンバータ36は伸張処理されたデジタル音声データをアナログに変換して高階層音声信号S14を出力する。
【0028】
上述した低階層デコーダ部32において、MPEG映像デコーダ37は低階層エレメンタリーストリームS12の映像部分を伸張処理する。NTSC変換部38は伸張処理された映像データをNTSC方式に変換して低階層映像信号S15を出力する。MPEG音声デコーダ39は低階層エレメンタリーストリームS12の音声部分を伸張処理する。D/Aコンバータ40は伸張処理されたデジタル音声データをアナログに変換して低階層音声信号S16を出力する。
【0029】
図4は、DEMUX(分離機部)の構成による動作を示す図である。
図4において、図1に示した復調部5から出力される高階層および低階層のトランスポートストリームS17は、例えば、L(低階層)、L(低階層)、H(高階層)・・・のように、各階層の情報が時分割多重されている。
【0030】
DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの低階層・高階層切換信号S3により内部の切換器の接点を高階層側または低階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を高階層エレメンタリーストリームS11または低階層エレメンタリーストリームS12に分離して出力する。
【0031】
DEMUX(分離機部)6から出力される高階層エレメンタリーストリームS11は、高階層側においてH(高階層)、H(高階層)・・・のように、高階層の情報のみが分離される。また低階層エレメンタリーストリームS12は、低階層側においてL(低階層)、L(低階層)・・・のように、低階層の情報のみが分離される。
【0032】
このように構成されたデジタルテレビジョン放送受信機の特有の階層変調遷移の動作を以下に説明する。
図5は遷移するC/Nの値にヒステリシスを持たせた場合を示す図である。図6は遷移するC/Nの値にヒステリシスを持たせた場合の動作を示すフローチャートである。
【0033】
デジタルテレビジョン放送受信機1は、セットトップボックス4の演算器部7により、復調部5から供給されるC/N情報S2を常時監視する。図6において、ステップS1で、高階層放送受信時であるか否かを判断する。具体的には、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2に応じて階層変調遷移点生成部10により生成された高階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給しているか否かを判断する。
【0034】
ステップS1で高階層放送受信状態であると判断された場合にはステップS2へ進み、高階層放送受信状態でなく低階層放送受信状態と判断された場合にはステップS4へ進む。高階層放送受信時には、ステップS2で、C/Nの値がa[dB]を下回ったか否かを判断する。具体的には、図5において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時点を検知する。
【0035】
ステップS2でC/Nの値がa[dB]を下回ったときは、ステップS3で高階層放送受信状態から低階層放送受信状態へ遷移する。具体的には、図5において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った遷移点51で、53で示すように高階層放送受信状態から低階層放送受信状態へ遷移する。このとき、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2により階層変調遷移点生成部10により生成された低階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給する。DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの低階層切換信号S3により内部の切換器の接点を低階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を低階層エレメンタリーストリームS12に分離して出力する。
【0036】
低階層放送受信状態では、ステップS4で、C/Nの値がa+b[dB]を上回ったか否かを判断する。具体的には、図5において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った時点を検知する。
【0037】
ステップS4でC/Nの値がa+b[dB]を上回ったときは、ステップS5で低階層放送受信状態から高階層放送受信状態へ遷移する。具体的には、図5において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った遷移点52で、54で示すように低階層放送受信状態から高階層放送受信状態へ遷移する。このとき、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2により階層変調遷移点生成部10により生成された高階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給する。DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの高階層切換信号S3により内部の切換器の接点を高階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を高階層エレメンタリーストリームS11に分離して出力する。
【0038】
そして、ステップS2へ戻って、ステップS2〜ステップS5までの判断および処理を繰り返す。
【0039】
図7は、高階層/低階層の受信の変化点にC/Nの値のヒステリシスを設ける場合を示す。
これにより、図7において示すように、短時間に頻繁にC/Nの値が上下した場合にも、高階層放送受信状態71から低階層放送受信状態73への遷移72のスレッシュホールドのa[dB]と低階層放送受信状態74から高階層放送受信状態71への遷移75のスレッシュホールドのa+b[dB]とにヒステリシスを持たせたので、a[dB]とa+b[dB]との間の区間が不感帯となるため、低階層放送受信状態74ではa[dB]を上回ってもさらにa+b[dB]を上回らなければ、頻繁な低階層放送受信状態73、74と高階層放送受信状態71との間の遷移72、75が起こらないようにすることができる。
【0040】
また、上述において、演算器部7は、一定時間m[s]の間の遷移回数p[回]をカウントして、このカウント回数が予め定められた一定の回数を上回ったとき、低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]のうちのb[dB]の値を大きくして、不揮発性メモリ8のパラメータ11として記憶し、その後は新たに不揮発性メモリ8のパラメータ11として記憶されたb[dB]の値を用いて上述した遷移を判定するようにする。
【0041】
これにより、デジタルテレビジョン放送受信機の出荷時に想定していなかったような大きなC/Nの変化があった場合や、他の場所と比較してC/Nの値の変化が比較的大きい設置場所に設置されたときにおいても、短時間に頻繁な低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移を抑制するようにすることができる。
【0042】
図8は遷移に時間的な制約を持たせた場合を示す図である。図9は遷移に時間的な制約を持たせた場合の動作を示すフローチャートである。
デジタルテレビジョン放送受信機1は、セットトップボックス4の演算器部7により、復調部5から供給されるC/N情報S2を常時監視する。図9において、ステップS11で、高階層放送受信時であるか否かを判断する。具体的には、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2に応じて階層変調遷移点生成部10により生成された高階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給しているか否かを判断する。
【0043】
ステップS11で高階層放送受信状態であると判断された場合にはステップS12へ進み、高階層放送受信状態でなく低階層放送受信状態と判断された場合にはステップS14へ進む。高階層放送受信時には、ステップS12で、C/Nの値がa[dB]を下回った時間がs[s]続いたか否かを判断する。具体的には、図8において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間がs[s]続いたことを検知する。
【0044】
ステップS12でC/Nの値がa[dB]を下回った時間がs[s]続いたときは、ステップS13で高階層放送受信状態から低階層放送受信状態へ遷移する。具体的には、図8において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間がs[s]続いた遷移点81で、83で右向きの矢印で示すように高階層放送受信状態から低階層放送受信状態へ遷移する。このとき、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2により階層変調遷移点生成部10により生成された低階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給する。DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの低階層切換信号S3により内部の切換器の接点を低階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を低階層エレメンタリーストリームS12に分離して出力する。
【0045】
低階層放送受信状態では、ステップS14で、C/Nの値がa[dB]を上回った時間がt[s]続いたか否かを判断する。具体的には、図8において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を上回った時間がt[s]続いたことを検知する。
【0046】
ステップS14でC/Nの値がa[dB]を上回った時間がt[s]続いたときは、ステップS15で低階層放送受信状態から高階層放送受信状態へ遷移する。具体的には、図8において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を上回った時間がt[s](>s[s])続いた遷移点82で、83で左向きの矢印で示すように低階層放送受信状態から高階層放送受信状態へ遷移する。このとき、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2により階層変調遷移点生成部10により生成された高階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給する。DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの高階層切換信号S3により内部の切換器の接点を高階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を高階層エレメンタリーストリームS11に分離して出力する。
【0047】
そして、ステップS12へ戻って、ステップS12〜ステップS15までの判断および処理を繰り返す。
【0048】
これにより、短時間に頻繁にC/Nの値が上下した場合にも、高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間s[s]と低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を上回った時間t[s](>s[s])のように時間的制約を持たせたので、a[dB]において時間s[s]と時間t[s](>s[s])との間の時間が不感帯となるため、低階層放送受信状態ではa[dB]を上回った時間がs[s]続いてもさらにa[dB]を上回った時間がt[s](>s[s])続かなければ、頻繁な低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移が起こらないようにすることができる。
【0049】
また、上述において、演算器部7は、一定時間m[s]の間の遷移回数p[回]をカウントして、このカウント回数が予め定められた一定の回数を上回ったとき、低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移を示すスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間s[s]とスレッシュホールドのa[dB]を上回った時間t[s]の時間的制約の値をそれぞれ大きくして、不揮発性メモリ8のパラメータ11として記憶し、その後は新たに不揮発性メモリ8のパラメータ11として記憶された時間s[s]および時間t[s]の時間的制約の値を用いて上述した遷移を判定するようにする。
【0050】
これにより、デジタルテレビジョン放送受信機の出荷時に想定していなかったような緩やかに上下するC/Nの変化があった場合や、他の場所と比較してC/Nの値の変化が比較的緩やかに上下する設置場所に設置されたときにおいても、短時間に頻繁な低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移を抑制するようにすることができる。
【0051】
図10は遷移するC/Nの値にヒステリシスと時間的な制約を持たせた場合の組み合わせを示す図である。図11は遷移するC/Nの値にヒステリシスと時間的な制約を持たせた場合の組み合わせの動作を示すフローチャートである。
【0052】
デジタルテレビジョン放送受信機1は、セットトップボックス4の演算器部7により、復調部5から供給されるC/N情報S2を常時監視する。図11において、ステップS21で、高階層放送受信時であるか否かを判断する。具体的には、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2に応じて階層変調遷移点生成部10により生成された高階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給しているか否かを判断する。
【0053】
ステップS21で高階層放送受信状態であると判断された場合にはステップS22へ進み、高階層放送受信状態でなく低階層放送受信状態と判断された場合にはステップS25へ進む。高階層放送受信時には、ステップS22で、C/Nの値がa[dB]を下回ったか否かを判断する。具体的には、図10において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時点を検知する。
【0054】
ステップS22でC/Nの値がa[dB]を下回ったときは、ステップS23で、C/Nの値がa[dB]を下回った時間がs[s]続いたか否かを判断する。具体的には、図10において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間がs[s]続いたことを検知する。
【0055】
ステップS23でC/Nの値がa[dB]を下回った時間がs[s]続いたときは、ステップS24で高階層放送受信状態から低階層放送受信状態へ遷移する。具体的には、図10において、演算器部7は、C/Nの値が高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間がs[s]続いた遷移点101で、103で示すように高階層放送受信状態から低階層放送受信状態へ遷移する。このとき、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2により階層変調遷移点生成部10により生成された低階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給する。DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの低階層切換信号S3により内部の切換器の接点を低階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を低階層エレメンタリーストリームS12に分離して出力する。
【0056】
低階層放送受信状態では、ステップS25で、C/Nの値がa+b[dB]を上回ったか否かを判断する。具体的には、図10において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った時点を検知する。
【0057】
ステップS25でC/Nの値がa+b[dB]を上回ったときは、ステップS26で、C/Nの値がa+b[dB]を上回った時間がt[s]続いたか否かを判断する。具体的には、図10において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った時間がt[s]続いたことを検知する。
【0058】
ステップS26でC/Nの値がa+b[dB]を上回った時間がt[s]続いたときは、ステップS27で低階層放送受信状態から高階層放送受信状態へ遷移する。具体的には、図10において、演算器部7は、C/Nの値が低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った時間がt[s](>s[s])続いた遷移点102で、104で示すように低階層放送受信状態から高階層放送受信状態へ遷移する。このとき、演算器部7は、復調部5から供給されるC/N情報S2により階層変調遷移点生成部10により生成された高階層切換信号S3をDEMUX(分離機部)6に供給する。DEMUX(分離機部)6は、演算器部7からの高階層切換信号S3により内部の切換器の接点を高階層側に切り換えて、入力される時分割多重化された高階層および低階層のトランスポートストリームS17を高階層エレメンタリーストリームS11に分離して出力する。
【0059】
そして、ステップS22へ戻って、ステップS22〜ステップS27までの判断および処理を繰り返す。
【0060】
これにより、短時間に頻繁にC/Nの値が上下した場合にも、高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]と低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]とにヒステリシスを持たせたので、a[dB]とa+b[dB]との間の区間が不感帯となるため、低階層放送受信状態ではa[dB]を上回ってもさらにa+b[dB]を上回らなければならないと共に、高階層放送受信状態から低階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間s[s]と低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った時間t[s](>s[s])のように時間的制約を持たせたので、a[dB]とa+b[dB]において時間s[s]と時間t[s](>s[s])との間の時間が不感帯となるため、低階層放送受信状態ではa[dB]を上回った時間がs[s]続いてもさらにa+b[dB]を上回った時間がt[s](>s[s])続かなければ、頻繁な低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移が起こらないようにすることができ、より柔軟に頻繁な遷移を抑制する制御を行うことができる。
【0061】
また、上述において、演算器部7は、一定時間m[s]の間の遷移回数p[回]をカウントして、このカウント回数が予め定められた一定の回数を上回ったとき、低階層放送受信状態から高階層放送受信状態への遷移のスレッシュホールドのa+b[dB]のうちのb[dB]の値を大きくすると共に、低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移を示すスレッシュホールドのa[dB]を下回った時間s[s]とスレッシュホールドのa+b[dB]を上回った時間t[s]の時間的制約の値をそれぞれ大きくして、不揮発性メモリ8のパラメータ11として記憶し、その後は新たに不揮発性メモリ8のパラメータ11として記憶されたb[dB]のスレッシュホールドの値および時間s[s]および時間t[s]の時間的制約の値を用いて上述した遷移を判定するようにする。
【0062】
これにより、デジタルテレビジョン放送受信機の出荷時に想定していなかったような大きなC/Nの変化があった場合や、他の場所と比較してC/Nの値の変化が比較的大きい設置場所に設置されたときにおいても、また緩やかに上下するC/Nの変化があった場合や、他の場所と比較してC/Nの値の変化が比較的緩やかに上下する設置場所に設置されたときにおいても、短時間に頻繁な低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移をより柔軟に抑制するようにすることができる。
【0063】
図12は、遷移するC/Nの値にヒステリシスと時間的な制約を持たせた場合の組み合わせの状態遷移を示す図である。
図12において、例えば、遷移するC/Nにヒステリシスを設ける方法は、目的の遷移点を超えたときに即座に遷移するため、高階層放送受信状態121から低階層放送受信状態123へ遷移するときの遷移点a[dB]を122で示すように高階層放送受信状態121の受信限界近くまで下げ、高階層放送受信状態121から低階層放送受信状態123への遷移の時間的制約s[s]を122で示すように小さくすることにより、可能な限り高階層放送受信状態121を続けつつ、受信限界を下回ったときに生じるデコーダ部9によるデコードエラーを最小限にすることができる。
【0064】
一方、低階層放送受信状態123から高階層放送受信状態121に移行するときは、低階層放送受信状態123から高階層放送受信状態121への遷移の時間的制約t[s]を124で示すように比較的長めに設けることにより、高階層放送受信状態121から低階層放送受信状態123への122で示す遷移点a[dB]と低階層放送受信状態123から高階層放送受信状態121への124で示す遷移点a+b[dB]との間のC/Nの値のヒステリシスと合わせて、十分に高階層放送が受信できるC/Nを確保した上で高階層放送受信状態121への遷移を実行することができる。
【0065】
上述した実施の形態では、低階層放送受信状態と高階層放送受信状態の2階層放送受信状態の間の遷移について述べたが、これに限らず、低階層放送受信状態をさらに複数の階層に分けて、3階層以上の複数の階層に適用するようにしても良い。また、変調情報としてC/Nを用いたが、他の変調情報を用いても良い。
【0066】
【発明の効果】
この発明の階層変調放送受信装置は、第1の遷移と第2の遷移の所定時間内の遷移回数に応じて、所定の条件を変更することにより、出荷時に想定していなかったような大きなC/Nの変化があった場合や、他の場所と比較してC/Nの値の変化が比較的大きい設置場所に設置されたときにおいても、また緩やかに上下するC/Nの変化があった場合や、他の場所と比較してC/Nの値の変化が比較的緩やかに上下する設置場所に設置されたときにおいても、短時間に頻繁な低階層放送受信状態と高階層放送受信状態との間の遷移をより柔軟に抑制することができるという効果を奏する。
【0067】
また、この発明の階層変調放送受信装置は、設定されたC/Nの値を下回ったり上回ったりしたら直ちに遷移することが可能となり、高階層変調情報受信状態から低階層変調情報受信状態への遷移点となるC/Nの第1の値を比較的小さくして高階層変調情報受信状態の限界ぎりぎりに設定することにより、可能な限り高階層放送を視聴しつつ、再生手段のデコーダ部におけるデコードエラーが起きることによるユーザーの視聴できない時間を最低限に抑えることができるという効果を奏する。
【0068】
また、この発明の階層変調放送受信装置は、ある時間の間にある回数以上の遷移が起こった場合に、高階層放送受信状態と低階層放送受信状態の遷移点のC/Nのヒステリシスを大きくし、そのヒステリシスを不揮発性メモリに記憶することにより、設計時に想定していた以上の天候の変化や設置状況によるC/Nの上下動の変化に対応することができるという効果を奏する。
【0069】
また、この発明の階層変調放送受信装置は、高階層放送受信状態と低階層放送受信状態の切換を自動で行う際に、遷移させるタイミングを各階層への遷移時にそれぞれ変化させて、一定時間s[s]以上連続して遷移点を下回ったときに高階層変調情報受信状態から低階層変調情報受信状態へ遷移し、逆にs[s]より長い一定時間t[s]以上連続して遷移点を上回ったときに低階層変調情報受信状態から高階層変調情報受信状態へ遷移することにより、一様でない天候の変化によるC/Nの変化に対して、ユーザーの視聴を妨げる短時間の頻繁な遷移を防ぐことができ、ごく短時間の間のC/Nの大きな上下動に対して有効となるという効果を奏する。
【0070】
また、この発明の階層変調放送受信装置は、ある時間の間にある回数以上の遷移が起こった場合に、高階層放送受信状態と低階層放送受信状態の遷移点の第1の期間および第2の期間を長くし、その更新された第1の期間および第2の期間の値を不揮発性メモリに記憶することにより、天候の変化や設置状況によって設計時に想定したよりも単位時間あたりのC/Nの変化がより小さい場合に対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の階層変調放送受信装置が適用されるデジタルテレビジョン放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】復調部の構成を示す図である。
【図3】デコーダ部の構成を示す図である。
【図4】DEMUX(分離機部)の構成による動作を示す図である。
【図5】遷移するC/Nの値にヒステリシスを持たせた場合を示す図である。
【図6】遷移するC/Nの値にヒステリシスを持たせた場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】高階層/低階層の受信の変化点にC/Nの値のヒステリシスを設ける場合を示す図である。
【図8】遷移に時間的な制約を持たせた場合を示す図である。
【図9】遷移に時間的な制約を持たせた場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】遷移するC/Nの値にヒステリシスと時間的な制約を持たせた場合の組み合わせを示す図である。
【図11】遷移するC/Nの値にヒステリシスと時間的な制約を持たせた場合の組み合わせの動作を示すフローチャートである。
【図12】遷移するC/Nの値にヒステリシスと時間的な制約を持たせた場合の組み合わせの状態遷移を示す図である。
【図13】天候の変化とC/Nの値による遷移を示す図である。
【符号の説明】
1……デジタルテレビジョン放送受信機、2……アンテナ、3……LNB、4……セットトップボックス、5……復調部、6……DEMUX(分離機部)、7……演算器部、8……不揮発メモリ、9……デコーダ部、10……階層変調遷移点生成部、11……パラメータ、12……モニター、13……スピーカ、21……チューナ、22……高階層(TC8PSK)復調部、23……低階層(QPSK、BPSK)復調部、24……復号部(ビタビ、デインターリーブ、RS)、25……デスクランブラ、31……高階層デコーダ部、32……低階層デコーダ部、33……MPEG映像デコーダ、34……NTSC変換部、35……MPEG音声デコーダ、36……D/Aコンバータ、37……MPEG映像デコーダ、38……NTSC変換部、39……MPEG音声デコーダ、40……D/Aコンバータ、51……遷移点、52……遷移点、71……高階層受信状態、73、74……低階層受信状態、81……遷移点、82……遷移点、101……遷移点、102……遷移点、121……高階層放送視聴状態、123……低階層放送視聴状態

Claims (6)

  1. 複数の変調方式による情報を時分割多重することにより、少なくとも第1の階層伝送と第2の階層伝送を含むように複数に階層的伝送される情報を受信する階層変調放送受信装置において、
    前記階層的伝送された階層変調情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信した前記階層変調情報を各階層に応じてそれぞれ復調する復調手段と、
    前記復調手段にて復調された前記階層変調情報を再生する再生手段と、
    前記復調手段による復調情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第1の階層伝送を受信する状態から前記第2の階層伝送を受信する状態に遷移させる第1の遷移を行うか、前記第2の階層伝送を受信する状態から前記第1の階層伝送を受信する状態に遷移させる第2の遷移を行うかを決定する階層変調遷移決定手段と
    変更された前記所定の条件を記憶する記憶手段と
    を備え、
    前記階層変調遷移決定手段は、
    前記第1の遷移と前記第2の遷移の所定時間内の遷移回数に応じて、前記所定の条件を変更し、
    前記所定の条件が変更された後では、変更された前記所定の条件に基づいて決定を行い、
    前記第1の階層伝送は前記第2の階層伝送に比して伝送レートが高く、
    前記復調情報はC/N(搬送波電力対雑音電力比)であり、
    前記第1の階層伝送による階層変調情報受信状態においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第1の値を下回ったとき前記第1の遷移を行い、
    前記第2の階層伝送による階層変調情報受信状態(低階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が前記第1の値より大きな第2の値を上回ったとき前記第2の遷移を行うものであり、
    所定時間内に所定回数以上前記第1の遷移と前記第2の遷移が起こったとき、前記第2の値をさらに大きな値に更新して前記更新された第2の値を前記記憶手段に記憶し、その後の遷移時に前記第2の値に替えて前記更新された第2の値を用いる
    ことを特徴とする階層変調放送受信装置。
  2. 複数の変調方式による情報を時分割多重することにより、少なくとも第1の階層伝送と第2の階層伝送を含むように複数に階層的伝送される情報を受信する階層変調放送受信装置において、
    前記階層的伝送された階層変調情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信した前記階層変調情報を各階層に応じてそれぞれ復調する復調手段と、
    前記復調手段にて復調された前記階層変調情報を再生する再生手段と、
    前記復調手段による復調情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第1の階層伝送を受信する状態から前記第2の階層伝送を受信する状態に遷移させる第1の遷移を行うか、前記第2の階層伝送を受信する状態から前記第1の階層伝送を受信する状態に遷移させる第2の遷移を行うかを決定する階層変調遷移決定手段と、を備え、
    前記階層変調遷移決定手段は、
    前記第1の遷移と前記第2の遷移の所定時間内の遷移回数に応じて、前記所定の条件を変更し、
    前記第1の階層伝送は前記第2の階層伝送に比して伝送レートが高く、
    前記復調情報はC/N(搬送波電力対雑音電力比)であり、
    前記第1の階層伝送による階層変調情報受信状態(高階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第1の期間以上にわたって第1の値を下回ったとき前記第1の遷移を行い、
    前記第2の階層伝送による階層変調情報受信状態(低階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第2の期間以上にわたって前記第1の値と同じかあるいはより大きな第2の値を上回ったとき前記第2の遷移を行うものであり、
    所定時間内に所定回数以上前記第1の遷移と前記第2の遷移が起こったとき、前記第1の期間および前記第2の期間をさらに長い値に更新して前記更新された第1の期間および第2の期間の値を記憶手段に記憶し、その後の遷移時に前記第1の期間および第2の期間の値に替えて前記更新された第1の期間および第2の期間の値を用いる
    ことを特徴とする階層変調放送受信装置。
  3. 請求項記載の階層変調放送受信装置において、
    前記第2の期間は、前記第1の期間より長いことを特徴とする階層変調放送受信装置。
  4. 請求項記載の階層変調放送受信装置において、
    所定時間内に所定回数以上前記第1の遷移と前記第2の遷移が起こったとき、前記第1の期間および前記第2の期間をさらに長い値に更新して前記更新された第1の期間および第2の期間の値を記憶手段に記憶し、その後の遷移時に前記第1の期間および第2の期間の値に替えて前記更新された第1の期間および第2の期間の値を用いることを特徴とする階層変調放送受信装置。
  5. 複数の変調方式による情報を時分割多重することにより、少なくとも第1の階層伝送と第2の階層伝送を含むように複数に階層的伝送される情報を受信する階層変調放送受信方法において、
    前記階層的伝送された階層変調情報を受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにより受信した前記階層変調情報を各階層に応じてそれぞれ復調する復調ステップと、
    前記復調ステップにて復調された前記階層変調情報を再生する再生ステップと、
    前記復調ステップによる復調情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第1の階層伝送を受信する状態から前記第2の階層伝送を受信する状態に遷移させる第1の遷移を行うか、前記第2の階層伝送を受信する状態から前記第1の階層伝送を受信する状態に遷移させる第2の遷移を行うかを決定する階層変調遷移決定ステップと、
    変更された前記所定の条件を記憶する記憶ステップと
    を有し、
    前記階層変調遷移決定ステップは、
    前記第1の遷移と前記第2の遷移の所定時間内の遷移回数に応じて、前記所定の条件を変更し、
    前記所定の条件が変更された後では、変更された前記所定の条件に基づいて決定を行い、
    前記第1の階層伝送は前記第2の階層伝送に比して伝送レートが高く、
    前記復調情報はC/N(搬送波電力対雑音電力比)であり、
    前記第1の階層伝送による階層変調情報受信状態においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第1の値を下回ったとき前記第1の遷移を行い、
    前記第2の階層伝送による階層変調情報受信状態(低階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が前記第1の値より大きな第2の値を上回ったとき前記第2の遷移を行うものであり、
    所定時間内に所定回数以上前記第1の遷移と前記第2の遷移が起こったとき、前記第2の値をさらに大きな値に更新して前記更新された第2の値を前記記憶手段に記憶し、その後の遷移時に前記第2の値に替えて前記更新された第2の値を用いる
    ことを特徴とする階層変調放送受信方法。
  6. 複数の変調方式による情報を時分割多重することにより、少なくとも第1の階層伝送と第2の階層伝送を含むように複数に階層的伝送される情報を受信する階層変調放送受信方法において、
    前記階層的伝送された階層変調情報を受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにより受信した前記階層変調情報を各階層に応じてそれぞれ復調する復調ステップと、
    前記復調ステップにて復調された前記階層変調情報を再生する再生ステップと、
    前記復調ステップによる復調情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記第1の階層伝送を受信する状態から前記第2の階層伝送を受信する状態に遷移させる第1の遷移を行うか、前記第2の階層伝送を受信する状態から前記第1の階層伝送を受信する状態に遷移させる第2の遷移を行うかを決定する階層変調遷移決定ステップと、を有し、
    前記階層変調遷移決定ステップは、
    前記第1の遷移と前記第2の遷移の所定時間内の遷移回数に応じて、前記所定の条件を変更し、
    前記第1の階層伝送は前記第2の階層伝送に比して伝送レートが高く、
    前記復調情報はC/N(搬送波電力対雑音電力比)であり、
    前記第1の階層伝送による階層変調情報受信状態(高階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第1の期間以上にわたって第1の値を下回ったとき前記第1の遷移を行い、
    前記第2の階層伝送による階層変調情報受信状態(低階層変調情報受信状態)においてはC/N(搬送波電力対雑音電力比)が第2の期間以上にわたって前記第1の値と同じかあるいはより大きな第2の値を上回ったとき前記第2の遷移を行うものであり、
    所定時間内に所定回数以上前記第1の遷移と前記第2の遷移が起こったとき、前記第1の期間および前記第2の期間をさらに長い値に更新して前記更新された第1の期間および第2の期間の値を記憶ステップに記憶し、その後の遷移時に前記第1の期間および第2の期間の値に替えて前記更新された第1の期間および第2の期間の値を用いる
    ことを特徴とする階層変調放送受信方法。
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