JP4453175B2 - 受信装置、及び、受信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばBSデジタル放送等に用いられる受信装置、及び、受信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル通信衛星放送(CSデジタル放送)、デジタル衛星放送(BS)、デジタル地上波放送等のデジタル放送が新たな放送メディアとして提案されている。
【0003】
このようなデジタル放送では、天候悪化などの原因によりC/N(搬送波電力/雑音電力)比が下がった場合、いわゆるブロックノイズが発生し、そのため画像や音声信号の復号ができず、画像や音声信号の出力が悪化するといった問題が生じる。
【0004】
特に、2000年に日本において放送開始予定のBSデジタル放送では、変調符号化方式としてTC8PSK(Trellis Coded 8 Phase Shift Keying)といった伝送効率の高いデジタル変調方式を採用している。そのため、例えば、変調符号化方式としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を採用したCSデジタル放送等よりも、C/Nの悪化の影響をより早く受けることとなってしまう。
【0005】
そこで、BSデジタル放送では、天候悪化等の原因によるC/Nの悪化の対応策として、同一の情報内容を、伝送量が高い高階層伝送データと、伝送量が低い低階層伝送データとの2通りの変調符号化方式に階層化して伝送する階層変調方式が採用されている。BSデジタル放送の場合、TC8PSKで変調及び符号化された伝送データを高階層伝送データとし、それ以外(BPSK(r=1/2),QPSK(r=1/2,2/3,3/4,5/6,7/8)の変調及び符号化された伝送データを低階層伝送データとして、階層化している(なお、QPSKは、パンクチャード符号化方式が採用されており、rはその符号化率を示している。)。
【0006】
BSデジタル放送では、このような階層変調方式を採用することにより、同じ番組を提供していても、高階層伝送データでは、例えばHDTV画像を提供し、低階層画像では、例えばコマ落としをした動画像、画面サイズが小さくなり且つコマ落としをした動画像、静止画像、音声をミュートした静止画像等を提供している。このため、BSデジタル放送では、例えば、天候悪化等の原因により受信状態が悪くなり、HDTV画像を再生することができなくなったとしても、SDTVや静止画像等の最低限のサービスを視聴者に提供することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、BSデジタル放送の受信装置側では、このような高階層伝送データと低階層伝送データとを、C/N比に応じて切り換えることとなる。例えば、ある一定のしきい値を定め、C/N比がこのしきい値以上或いは以下であるかを判断し、高階層と低階層とを切り換えて情報を提供することとなる。
【0008】
しかしながら、例えば天候が不安定でC/N比の値が短時間で大幅に変動する場合、或いは、C/N比がしきい値近傍となっている場合には、高階層と低階層との階層の切換が頻繁に生じてしまう。このような場合、通常のテレビジョン放送と、例えば画像縮小がされたテレビジョン放送との切換が頻繁に生じてしまい、視聴者に例えば画面表示の切り換えによる不快感や煩わしさを与えてしまう。
【0009】
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、頻繁に生じる階層切換による視聴の煩わしさを回避し、視聴者が安定した状態で視聴を行うことができる受信装置、及び、受信方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる受信装置は、所定の搬送波信号に対してデジタル直交変調された伝送データであって、同一の情報内容を伝送効率の高い変調方式及び符号化方式の伝送データ(高階層伝送データ)と伝送効率の低い変調方式及び符号化方式の伝送データ(低階層伝送データ)とに階層化して伝送された伝送データを、受信する受信装置であって、受信信号の搬送波電力対ノイズ電力比(C/N比)を検出するC/N検出手段と、受信信号から伝送データを復調し、上記C/N比に応じて復調された伝送データから高階層伝送データと低階層伝送データとを選択的に切り換えて情報の復号をする復号手段とを備え、上記復号手段は、低階層伝送データを復号している際に上記C/N比が第1のしきい値より高い第2のしきい値以上となった期間が第1の期間連続したときに、復号する伝送データを高階層伝送データに切り換え、高階層伝送データを復号している際にC/N比が上記第1のしきい値以下となった期間が上記第1の期間より短い第2の期間連続したときには復号する伝送データを低階層伝送データに切り換える。
また、本発明にかかる受信装置は、所定の搬送波信号に対してデジタル直交変調された伝送データであって、同一の情報内容を伝送効率の高い変調方式及び符号化方式の伝送データ(高階層伝送データ)と伝送効率の低い変調方式及び符号化方式の伝送データ(低階層伝送データ)とに階層化して伝送された伝送データを、受信する受信方法において、受信信号の搬送波電力対ノイズ電力比(C/N比)を検出するC/N検出ステップと、受信信号から伝送データを復調し、上記C/N比に応じて復調された伝送データから高階層伝送データと低階層伝送データとを選択的に切り換えて情報の復号をする復号ステップとを有し、上記復号ステップでは、低階層伝送データを復号している際に上記C/N比が第1のしきい値より高い第2のしきい値以上となった期間が第1の期間連続したときに、復号する伝送データを高階層伝送データに切り換え、高階層伝送データを復号している際にC/N比が上記第1のしきい値以下となった期間が上記第1の期間より短い第2の期間連続したときには復号する伝送データを低階層伝送データに切り換える受信方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、本発明を適用したBSデジタル放送の受信装置について説明をする。
【0014】
図1に、本発明の実施の形態のBSデジタル放送の受信装置のブロック構成図を示す。
【0015】
BSデジタル放送の受信装置1は、図1に示すように、選局部11と、復調部12と、デスクランブラ13と、TSデコーダ14と、MPEGデコーダ15と、制御部16と、ノイズレベル対C/N比テーブル17とを備えて構成される。
【0016】
選局部11には、パラボラアンテナ2により受信されたRF信号が入力される。選局部11は、増幅、周波数変換、フィルタリング等を行い、IF信号を出力する。出力されたIF信号は、復調部12に供給される。
【0017】
復調部12は、IF信号に対して、デジタル直交復調、デパンクチャリング、ビタビ復号、デインタリーブ、逆エネルギー拡散、RS復号、TS選択処理等を行い、視聴者が受信を希望するサービスが含まれているトランスポートストリーム(TS)を出力する。このTSは、MPEG2システムズにより規定されている多重化信号である。また、このTSは、188バイトのTSパケット単位でデータがパケット化されている。復調部12から出力されたTSは、デスクランブラ13に供給される。
【0018】
デスクランブラ13は、所定の暗号キーを用いてスクランブルされているTSに対して、デスクランブル処理を行う。デスクランブル処理がされたTSは、TSデコーダ14に供給される。
【0019】
TSデコーダ14は、供給されてきたTSパケットのPID(Packet Identification)を参照して、必要なTSパケット(例えば視聴者が視聴を希望するプログラムのビデオ情報、オーディオ情報、データ情報が含まれたTSパケットや、そのプログラムの再生等に必要となるPSIやSIといった情報が記述された制御用のTSパケット)を抽出するフィルタリング処理を行う。ビデオ情報、オーディオ情報、データ情報が含まれているTSパケットは、ビデオ、オーディオ、データにそれぞれ分離され、ビデオエレメンタリストリーム、オーディオエレメンタリストリーム、データエレメンタリストリームとして、それぞれMPEGデコーダ15に供給される。また、制御用のTSパケットは、制御部16に供給される。
【0020】
MPEGデコーダ15は、圧縮符号化されているビデオエレメンタリストリーム、オーディオエレメンタリストリーム、データエレメンタリストリームに対する伸張処理を行い、ベースバンドのビデオ信号、オーディオ信号、データ信号を出力する。
【0021】
制御部16は、上記選局部11、復調部12、デスクランブラ13、TSデコーダ14、MPEGデコーダ15に対する制御を行う。さらに、制御部16は、復調部12により検出されたノイズレベルに基づきC/N比を算出し、算出したC/N比に基づき高階層受信と低階層受信との切り換え制御を行う。
【0022】
ノイズレベル対C/N比テーブル17は、復調部12により検出されたノイズレベルから、そのノイズレベルに対応したC/N比を算出するためのテーブルである。
【0023】
つぎに、上記復調部12の内部構成について図2を用いて説明をする。
【0024】
復調部12は、図2に示すように、ノイズレベル検出部21と、BPSK復調部22と、QPSK(r=1/2)復調部23と、QPSK(r=2/3)復調部24と、QPSK(r=3/4)復調部25と、QPSK(r=5/6)復調部26と、QPSK(r=7/8)復調部27と、TS8PSK復調部28と、マルチプレクサ29と、切り換えコントローラ30と、伝送路復号部31とを備えて構成される。
【0025】
ノイズレベル検出部21には、選局部11から出力されるIF信号が入力される。ノイズレベル検出部21は、入力されたIF信号から受信信号に含まれているノイズのレベルを検出する。検出されたノイズレベルの情報は、制御部16に供給される。ノイズレベルが検出された後のIF信号は、BPSK復調部22、QPSK(r=1/2)復調部23、QPSK(r=2/3)復調部24、QPSK(r=3/4)復調部25、QPSK(r=5/6)復調部26、QPSK(r=7/8)復調部27、TS8PSK復調部28に供給される。
【0026】
ここで、BSデジタル放送では、BPSK、QPSK、TC8PSKの変調方式が、動的に切り換えられて放送される。また、QPSKでは、その中でもパンクチャド符号の符号化率がさらに動的に切り換えられて放送される。具体的には、BSデジタル放送では、スーパーフレームと呼ばれるデータ構成単位で信号処理が行われることを規定し、さらに、そのスーパーフレームを8個のフレームで分割している。1フレームは、さらに48個のスロットで構成されている。BSデジタル放送では、このスロット単位で、変調符号化方式を変更することが可能とされている。この1スロットは、1TSパケットに相当するデータ長とされている。
【0027】
BPSK復調部22、QPSK(r=1/2)復調部23、QPSK(r=2/3)復調部24、QPSK(r=3/4)復調部25、QPSK(r=5/6)復調部26、QPSK(r=7/8)復調部27、TS8PSK復調部28は、それぞれ対応した変調符号化方式の伝送データに対するパンクチャリング処理、ビタビ復号処理等を行う。
【0028】
マルチプレクサ29は、切り換えコントローラ30による切り換え制御に従い、BPSK復調部22、QPSK(r=1/2)復調部23、QPSK(r=2/3)復調部24、QPSK(r=3/4)復調部25、QPSK(r=5/6)復調部26、QPSK(r=7/8)復調部27、TS8PSK復調部28の復調出力を動的に切り換えながら伝送データを、スロット単位で選択して、後段の伝送路復号部31に供給する。なお、変調符号化方式の切り換えタイミングは、いわゆるスーパーフレームの先頭に付加されている同期コードにより同期をとってスロットの先頭を選択検出するとともに、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)に記述されている情報を参照して、切り換え位置の制御が行われる。
【0029】
伝送路復号部31は、各変調符号化方式に応じて復調された伝送データに対して、デインタリーブ処理、逆エネルギー拡散処理、RS復号処理を行う。さらに、BSデジタル放送の場合には、1つの周波数チャネルで最大8本のTSを伝送可能とされているが、そのうち、視聴者等により選択された1つのTSを出力する。
【0030】
以上のように復調部12は、BSデジタル放送の復調処理、並びに、伝送路復号処理を行い、TSを再生するとともに、受信信号のノイズレベルを検出して制御部16に供給する。
【0031】
つぎに、TSデコーダ14の内部構成について図3を用いて説明をする。
【0032】
TSデコーダ14は、図3に示すように、パケットフィルタ部33と、プログラム選択部34とを備えて構成される。
【0033】
TSデコーダ14は、抽出するTSパケットのPIDが、制御部16から指定され、この指定されたPIDを参照して、必要なTSパケットを抽出する処理を行う。
【0034】
PIDは、TSパケット内に記述された13ビットの情報で、そのTSパケットに含まれている情報内容を識別するための情報である。PIDを参照することによって、例えば、そのTSパケットがビデオ情報が含まれているパケットか、オーディオ情報が含まれているパケットか、データ情報が含まれているパケットか、或いは、そのTSパケットがPSI(Program Specific Information)やSI(Serves Information)が含まれているパケットか、といったことを識別することができる。また、さらに、このPIDにより、そのTSパケットが、高階層伝送データが含まれているパケットか、或いは、低階層伝送データが含まれているパケットかも識別することができる。
【0035】
プログラム選択部34は、制御部16から指定されたPID情報に基づき、パケットフィルタ部33を制御して、指定されたPIDが記述されているTSパケットのみを抽出してMPEGデコーダ15に供給する。また、さらに、PSIやSIが含まれいてるTSパケットのうち、指定されたTSパケットを抽出して制御部16に供給する。
【0036】
また、TSデコーダ14は、高階層伝送データ/低階層伝送データに該当するPIDが、制御部16により指定される。TSデコーダ14は、高階層伝送データに該当するPIDが指定された場合には、高階層伝送データが含まれたTSパケットを抽出して、後段のMPEGデコーダ15に高階層伝送データが含まれたTSパケットのみを送出する。また、TSデコーダ14は、低階層伝送データに該当するPIDが指定された場合には、低階層伝送データが含まれたTSパケットを抽出して、後段のMPEGデコーダ15に低階層伝送データが含まれたTSパケットのみを送出する。このような処理を行うことにより、高階層伝送データ/低階層伝送データの切り換えを行うことができる。
【0037】
つぎに、制御部16により行われる高階層伝送データと低階層伝送データとの切り換え制御の制御内容について説明をする。
【0038】
制御部16は、復調部12により検出されたノイズレベルを読み出し、読み出したノイズレベルに基づきノイズレベル対C/N比テーブル17を参照し、C/N比を算出する。このノイズレベル対C/N比テーブル17には、予めノイズレベルとC/N比との対応関係をテーブル上に記述してある。そして、制御部16は、この算出したC/N比の値に基づき、高階層受信を行うか、低階層受信を行うかの切り換えを行う。
【0039】
ここで、制御部16は、高階層受信と低階層受信との切り換えを、算出したC/N比の切り換えレベルにヒステリシスを設け、さらに、状態を切り換える際に時間制限を行うことにより、高階層受信状態と低階層受信状態とが煩雑に切り替わり、視聴者に不快感を与えないように制御をしている。
【0040】
この制御部16では、具体的には、C/N比の切り換えレベルを以下のように設定をしている。
【0041】
(1) 高階層受信から低階層受信へのC/N比の切り換えレベルを、第1のレベルTh1に設定する。例えば、第1のレベルを9dBと設定したとすれば、高階層受信を行っている最中にC/N比が9dB以下となったときには、高階層受信から低階層受信へ切り換えられる。なお、この第1のレベルTh1は、できるだけ高階層伝送データによる高品質の情報を視聴者に提供できるように、可能な限り低い値に設定するとよい。例えば、ブロックノイズが発生し始めるC/N比程度に設定をする。
【0042】
(2) 低階層受信から高階層受信へのC/N比の切り換えレベルを、第2のレベルTh2に設定する。この第2のレベルTh2は、第1のレベルTh1よりも高い値とする(Th2>Th1)。例えば、第2のレベルを11dBと設定したとすれば、低階層受信を行っている最中にC/N比が11dB以上となったときには、低階層受信から高階層受信へ切り換えられる。通常、C/N比は、天候状態によって2、3dBは容易に変動する。そのため、第1のレベルTh1から、この変動範囲以上のマージンを設けて、第2のレベルTh2を設定することが望ましい。
【0043】
このように切り換えレベルにヒステリシスを持たせることにより、例えば、受信信号のC/N比が切り換えレベルの近傍の値となっている場合でも、煩雑な画面切り換え等が発生しない。
【0044】
また、さらに、この制御部16では、状態を切り換える際の時間制限を以下のように設定をしている。
【0045】
(3) 低階層受信状態から高階層受信状態への切換遷移は、C/N比が第2のレベルTh2を、第1の期間Tm1の間、連続して上まわったときに行う。例えば、第2のレベルTh2を11dBと設定し、第1の期間Tm1を10秒と設定したとすれば、低階層受信を行っている最中にC/N比が11dBを10秒以上の間上回っている状態となったときには、低階層受信から高階層受信へ切り換えられる。
【0046】
(4) 高階層受信状態から低階層受信状態への切換遷移は、C/N比が第1のレベルTh1を、第2の期間Tm2の間、連続して下回ったときに行う。ここで、第2の期間Tm2は、第1の期間Tm1より短い期間であるとする(Tm2≦Tm1)。例えば、第1のレベルTh1を9dBと設定し、第2の期間Tm2を0.5秒と設定したとすれば、低階層受信を行っている最中にC/N比が9dBを0.5秒以上の間下回っている状態となったときには、高階層受信から低階層受信へ切り換えられる。
【0047】
なお、高階層受信状態から低階層受信状態への遷移は、ブロックノイズによる影響が画面に現れる状態をできるだけ視聴者に見せないことを優先して、C/N比が悪化した場合には、即座に低階層受信状態に切り換えるように、時間制限を短く設定している。反対に、低階層受信状態から高階層受信状態への遷移は、例えば、大きな振幅でC/N比が変動する場合などになんども階層切換が生じなようにし、時間制限を長く設定している。
【0048】
つぎに、高階層受信状態と低階層受信状態との切り換えの状態制御を行うステートマシーンを図4に示して説明を行う。
【0049】
このステートマシーンには、状態S1〜状態4の4状態により制御が行われる。状態S1と状態S2は、高階層受信状態である。状態S1及び状態S2のときには、高階層伝送データを抽出するためのPIDが制御部16からTSデコーダ14に供給され、通常の画像サイズの画像データが視聴者に提供されることとなる。一方、状態S3と状態S4は、低階層受信状態である。状態S3及び状態S4のときには、低階層伝送データを抽出するためのPIDが制御部16からTSデコーダ14に供給され、例えば、番組内容は高階層受信データと同一であるが、コマ落としをした動画像、画面サイズが小さくなり且つコマ落としをした動画像、静止画像、或いは、音声をミュートした静止画像等が視聴者に提供されることとなる。
【0050】
まず、この受信装置1がリセットや電源投入、或いは、BSデジタル放送の受信開始命令等が与えられると、状態S1に遷移する。
【0051】
この状態S1では、C/N比が判断される。C/N比が第1のレベルTh1より大きい場合には、この状態S1で留まり、C/N比が第1のレベルTh1以下である場合には、状態S2に遷移する。ここで、状態S1から状態S2へ遷移するタイミングで、カウンタタイマーが起動される。
【0052】
状態S2では、C/N比とともにタイマーによりカウントされたタイマー値timeが判断される。タイマー値timeが第2の期間Tm2より小さく且つC/N比が第1のレベルTh1以下である場合には、この状態S2で留まる。また、タイマー値timeが第2の期間Tm2より小さく且つC/N比が第1のレベルTh1より大きい場合には、状態S1に遷移する。また、タイマー値timeが第2の期間Tm2以上の場合には、状態S3に遷移する。状態S2から状態S1、状態S2から状態S3へ遷移するタイミングで、タイマーがリセットされる。
【0053】
状態S3では、C/N比が判断される。C/N比が第2のレベルTh2より小さい場合には、この状態S3で留まり、C/N比が第2のレベルTh2以上である場合には、状態S4に遷移する。ここで、状態S3から状態S4へ遷移するタイミングで、タイマーが起動される。
【0054】
状態S4では、C/N比とともにタイマーによりカウントされたタイマー値timeが判断される。タイマー値timeが第1の期間Tm1より小さく且つC/N比が第2のレベルTh2以上である場合には、この状態S4で留まる。また、タイマー値timeが第1の期間Tm1より小さく且つC/N比が第2のレベルTh2より小さい場合には、状態S3に遷移する。また、タイマー値timeが第1の期間Tm1以上の場合には、状態S1に遷移する。状態S4から状態S3、状態S4から状態S1へ遷移するタイミングで、タイマーがリセットされる。
【0055】
以上のように本発明の実施の形態のBSデジタル放送の受信装置1では、高階層伝送データから低階層伝送データへの切り換え、並びに、低階層伝送データから高階層伝送データへの切り換えのタイミングを定めるC/N比のしきい値に、ヒステリシスを持たせるようにしている。さらに、この受信装置1では、たとえC/N比がしきい値を越えて切り換え条件を満たしたとしても、一定時間の間は階層切換を行わず、確実にC/N比がしきい値を越えたと判断されてから階層切り換えを行うようにしている。そのため、高階層伝送データと低階層伝送データとの切り換えが頻繁に生じことがなくなる。従って、視聴者に例えば画面表示の切り換えによる不快感や煩わしさを与えることがなくなり、視聴者が安定した状態で視聴を行うことができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態としてBSデジタル放送の受信装置について説明をしたが、本発明は、BSデジタル放送の受信装置に限られるものではなく、階層変調方式を採用した放送の受信装置であればどのようなものにでも適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明では、例えば伝送劣化への耐性或いは情報品質の差別化等を図るため、伝送効率の高い変調方式及び符号化方式の伝送データ(高階層伝送データ)と伝送効率の低い変調方式及び符号化方式の伝送データ(低階層伝送データ)とを、受信信号のC/N比に応じて選択的に切り換えて、情報内容の復号を行う。この際、高階層伝送データから低階層伝送データへの切り換え、並びに、低階層伝送データから高階層伝送データへの切り換えのタイミングを定めるC/N比のしきい値に、ヒステリシスを持たせるようにする。
【0058】
また、本発明では、低階層伝送データを復号している際にC/N比が第1のしきい値より高い第2のしきい値以上となった期間が第1の期間連続したときに、復号する伝送データを高階層伝送データに切り換え、高階層伝送データを復号している際にC/N比が上記第1のしきい値以下となった期間が第1の期間より短い第2の期間連続したときには復号する伝送データを低階層伝送データに切り換える。すなわち、一旦階層切換があったのちには、たとえC/N比がしきい値を越えて切り換え条件を満たしたとしても、一定時間の間は階層切換を行わず、確実にC/N比がしきい値を越えたと判断されてから階層切り換えを行うようにする。
【0059】
このことにより本発明によれば、低階層伝送データを復号している際に上記C/N比が第1のしきい値より高い第2のしきい値以上となった期間が第1の期間より長い第2の期間連続したときには復号する伝送データを高階層伝送データに切り換えることによって、低階層受信状態から高階層受信状態への遷移が、大きな振幅でC/N比が変動する場合などでも、階層切換が頻繁に生じるのを防止できる。
また、本発明によれば、高階層伝送データを復号している際にC/N比が第1のしきい値以下となった期間が第2の期間より短い第1の期間連続したときには復号する伝送データを低階層伝送データに切り換えることによって、ブロックノイズによる影響が画面に現れる状態をできるだけ視聴者に見せないことを優先して、C/N比が悪化した場合には即座に低階層受信状態に切り換えることができる。
したがって、本発明によれば、低階層受信状態から高階層受信状態への遷移が頻繁に生じるのを防止しつつ、C/N比が悪化した場合には即座に低階層受信状態に切り換えることができ、結果として、視聴者に例えば画面表示の切り換えによる不快感や煩わしさを与えることがなくなり、視聴者が安定した状態で視聴を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したBSデジタル放送の受信装置のブロック構成図である。
【図2】上記受信装置の復調部のブロック構成図である。
【図3】上記受信装置のTSデコーダのブロック構成図である。
【図4】高階層受信状態と低階層受信状態との切り換えの状態制御を行うステートマシーンを示す図である。
【符号の説明】
1 BSデジタル放送受信装置、2 パラボラアンテナ、11 選局部、12復調部、13 デスクランブラ、14 TSデコーダ、15 MPEGデコーダ、16 制御部、17 ノイズレベル対C/N比テーブル、21 ノイズレベル検出部
Claims (2)
- 所定の搬送波信号に対してデジタル直交変調された伝送データであって、同一の情報内容を伝送効率の高い変調方式及び符号化方式の伝送データ(高階層伝送データ)と伝送効率の低い変調方式及び符号化方式の伝送データ(低階層伝送データ)とに階層化して伝送された伝送データを、受信する受信装置において、
受信信号の搬送波電力対ノイズ電力比(C/N比)を検出するC/N検出手段と、
受信信号から伝送データを復調し、上記C/N比に応じて復調された伝送データから高階層伝送データと低階層伝送データとを選択的に切り換えて情報の復号をする復号手段とを備え、
上記復号手段は、低階層伝送データを復号している際に上記C/N比が第1のしきい値より高い第2のしきい値以上となった期間が第1の期間連続したときに、復号する伝送データを高階層伝送データに切り換え、高階層伝送データを復号している際にC/N比が上記第1のしきい値以下となった期間が上記第1の期間より短い第2の期間連続したときには復号する伝送データを低階層伝送データに切り換える受信装置。 - 所定の搬送波信号に対してデジタル直交変調された伝送データであって、同一の情報内容を伝送効率の高い変調方式及び符号化方式の伝送データ(高階層伝送データ)と伝送効率の低い変調方式及び符号化方式の伝送データ(低階層伝送データ)とに階層化して伝送された伝送データを、受信する受信方法において、
受信信号の搬送波電力対ノイズ電力比(C/N比)を検出するC/N検出ステップと、
受信信号から伝送データを復調し、上記C/N比に応じて復調された伝送データから高階層伝送データと低階層伝送データとを選択的に切り換えて情報の復号をする復号ステップとを有し、
上記復号ステップでは、低階層伝送データを復号している際に上記C/N比が第1のしきい値より高い第2のしきい値以上となった期間が第1の期間連続したときに、復号する伝送データを高階層伝送データに切り換え、高階層伝送データを復号している際にC/N比が上記第1のしきい値以下となった期間が上記第1の期間より短い第2の期間連続したときには復号する伝送データを低階層伝送データに切り換える受信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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