JP4448913B2 - 皮膚貼付用粘着性被覆材 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚貼付用粘着性被覆材に関する。より詳しくは、特定のフィルムの一方の面に特定の編布を積層してなる積層支持体と、このフィルムの編布が積層された面とは反対側の面に形成された粘着剤層とからなる皮膚貼付用粘着性被覆材に関する。本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、特に、皮膚に対する外部からの摩擦緩衝並びに褥瘡の予防及び治療に適している。
外科的手術や各種疾患のために、ベッドに寝たきりになったり、車椅子等で長時間静止した状態を強いられたりすると、特に骨の突出した部位において圧力が局所的に集中することになる。このとき、生体組織内部に、圧縮応力、剪断応力、引張応力等が加わり、褥瘡が発生しやすくなる。
特許文献1には、感圧性接着剤で一方の表面を被覆された、型押し(エンボス加工)された弾性フィルムからなる皮膚の摩擦水泡の予防及び治療のための薄いフィルム状の粘着包帯が開示されている。この粘着包帯は、フィルム表面のエンボス加工によりフィルム表面の有効接触面積を50%以下に減少させて、表面の摩擦係数を低下させたものである。
ところが、本発明者の検討によれば、この粘着包帯を褥瘡予防・治療用として使用すると、人体から荷重が掛かるため、エンボス加工された部分がフィルムの弾性により容易に変形して、有効接触面積が増加し、結局、摩擦力が増大してしまうことが分かった。この結果、粘着包帯が貼付部位から剥がれてしまう、粘着包帯が皺になり、却って、ここから褥瘡が発生してしまうという問題が生じる。
また、特許文献2には、不織布の片面に粘着剤層を形成してなり、不織布表面層の静摩擦係数が特定の範囲にある医療用粘着テープが開示されている。この医療用粘着テープは、患部の保護や手術部位の被覆・縫合・固定のための手術用ドレッシングテープや閉鎖用粘着ドレッシングテープとして、外科用補助材料としての外科用粘着テープとして、また、特殊処理を施したパッド部を有する救急絆創膏等として用いうると記載されている。
この医療用粘着テープにおいては、所望の静摩擦係数を得るために、基材である不織布の平滑化処理が必要であり、平滑化は、不織布をエンボス加工するか、不織布に無機充填剤や顔料を塗布することによって行われる。ところが、エンボス加工により、不織布の伸縮性や弾性が低下し、皮膚に貼付したときに皮膚に追従し難くなり、貼付時に違和感を与える。また、不織布に塗布された無機充填剤や顔料は、使用中に徐々に脱落するため、摩擦係数が徐々に増大してくる問題がある。この結果、やはり特許文献1の粘着包帯と同様に、テープが貼付部位から剥がれてしまう、テープが皺になり、却って、ここから褥瘡が発生してしまうという問題が生じる。
このように、従来の粘着包帯や医療用粘着テープには、貼付部位から剥がれ易い、皺になりやすく却って褥瘡を発生させる原因となる等の問題があった。
特開平3−178664号公報 特開平11−9623号公報
従って、本発明の目的は、貼付部位から剥がれ難く、皺になり難く、特に褥瘡予防・治療用として好適な皮膚貼付用粘着性被覆材を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、褥瘡発生の要因として、生体表面にかかる摩擦力に注目し、この摩擦力を低減することが褥瘡の悪化を防止し、また、褥瘡の発生を予防することに繋がることに想到し、この着想に基いて更に研究を進め、特定の伸び率を有するフィラメントから形成された編布及び特定の伸び率を有するフィルムからなる積層支持体のフィルム面上に粘着剤層を形成すればよいことを見出し、この知見に基づいて、更に研究を進めて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、フィルムの一方の面に編布を積層してなる積層支持体と、このフィルムの編布が積層された面とは反対側の面に形成された粘着剤層とからなる粘着性被覆材であって、フィルムが150〜1,500%の伸び率を有し、編布が伸び率1〜200%のモノフィラメントから形成されたものであって、フィルム表面の編布被覆率が5〜80%であることを特徴とする皮膚貼付用粘着性被覆材が提供される
た、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、編布を形成するフィラメントの平均直径が15〜200μmであることが好ましい。
更に、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、編布が20〜600%の伸び率を有し、編布の目付が10〜100g/mであり、フィルム表面の編布被覆率が10〜40%であることが好ましい。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、フィルムの厚さが5〜40μmであることが好ましい。
また、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、粘着剤が熱可塑性エラストマーを含有してなるものであることが好ましい。
更に、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、粘着剤が液状成分及び/又は親水性物質を含有するものであることが好ましい。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、好適には、伸び率が20〜600%であり、20%伸長時引張応力が2.0〜15.0N/19mmであり、編布側の表面が3.0N/40cm 以下の動摩擦力を有する
また、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、好適には、2.5%以上の可視光透過率を有する。
更に、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、褥瘡が発生した部位に貼付して褥瘡の悪化を防止し、また、褥瘡発生の恐れがある部位に予め貼付して褥瘡の発生を防止するための褥瘡予防・治療用粘着性被覆材として好適である。本発明において、「褥瘡予防・治療」は、「褥瘡の予防及び/又は治療」を意味する。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、滑り性に優れた外表面を有するので、皮膚に対する外部からの衝撃や被覆材と接触する物との摩擦の緩和に優れ、貼付部位から剥がれ難く、皺になり難いので、皮膚貼付用粘着性被覆材として好適である。本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、特に、褥瘡予防・治療用として好適であるが、更に、皮膚貼付用粘着性被覆材を構成するフィルム、編布及び粘着剤を適切に選定することにより、貼付部位を外部から観察することができるので、褥瘡予防・治療を有効に進めることができる。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材(以下、単に「粘着性被覆材」ということがある。)は、フィルムの一方の面に編布を積層してなる積層支持体と、このフィルムの編布が積層された面とは反対側の面に形成された粘着剤層とからなる。
即ち、本願発明の皮膚貼付用粘着性被覆材においては、フィルムの一方の側に編布が、他方の側に粘着剤層が積層されている。
換言すると、これら三者が、粘着剤層−フィルム−編布の順に積層されていることが必要である。
本発明において、積層支持体を構成するフィルムは、150〜1,500%の伸び率を有することが必要である。伸び率が上記下限未満であると、このフィルムを用いて得られる皮膚貼付用粘着性被覆材において、フィルムが皮膚の伸展に追従し難くなり貼付中に違和感が生じ、また外部や皮膚からのせん断応力に対する緩衝性も低下する。また、伸び率が前記上限より大きいと、使用中にフィルムに皺やよれが発生し易くなり、滑り性が低下する。
フィルムの伸び率は、好ましくは、160〜500%である。
フィルムを構成する材料は、上記伸び率を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・メタクリル酸重合体(EMAA)等のオレフィン系共重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;フッ素樹脂;ポリ塩化ビニル;シリコーン;等を挙げることができる。これらの中でも、ポリウレタン、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体及びポリアミドが好ましい。
これらの材料は、一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を適宜混合して使用してもよい。
フィルムの厚さは、5〜40μmが好ましく、10〜30μmが更に好ましい。フィルムが薄すぎると、粘着性被覆材の強度が十分でなく、使用時に繰り返し摩擦によって破れる可能性がある。他方、フィルムが厚すぎると、嵩高になり皮膚に貼付したときに違和感があり、特に曲面部位への追従性が悪くなる恐れがある。
本発明において使用する積層支持体は、フィルムに編布を積層して構成される。ここで、編布とは、連続された編目で構成された布をいう。本発明で使用する編布は、モノフィラメントで構成したものである。
フィラメントとして、特にモノフィラメントを使用することにより、平滑な表面が得られ易く、これと接触するシーツ等がフィラメント表面に食い込み難くなるので、これで構成した編布は、良好な滑り性を有する。また、モノフィラメントを使用すると、繊維による光の乱反射を抑えることができるので、透視性がより向上する。
なお、モノフィラメントとは、単独で使用できる1本のフィラメント(連続した長い繊維)をいい、マルチフィラメントとは、2本以上のフィラメントを束にしたフィラメントをいう。
本発明で使用するフィラメントは、1〜200%の伸び率を有することが必要である。伸び率は、好ましくは、1〜40%である。伸び率が1%より小さいと、フィラメントで編布を構成したときに編布全体が硬くなり、この編布を使用して得られる粘着性被覆材を皮膚に貼付した時に違和感が生じるので好ましくない。一方、伸び率が200%より大きいと、編布と接触する布団やクッションのシーツやカバー、下着等の身体装着物(以下、これらを総称して単に「シーツ等」ということがある。)が編布を構成する個々のフィラメントの表面に食い込み易くなり、その結果、シーツ等との接触面積が増加するので滑り性が低下する。
フィラメントは、その平均直径が15〜200μmであることが好ましく、45〜150μmであることが更に好ましい。平均直径が小さすぎると、編布製造工程の管理も煩雑であり、粘着性被覆材の使用中にシーツ等との摩擦により編布を構成するフィラメントが切れ易くなる恐れがある。また、平均直径が大きすぎると、積層支持体を構成する編布とフィルムとの間に段差が生じ、例えば不規則な表面を有する繊維製品がこの編布表面に接触すると、この段差に繊維製品が引っ掛かり易くなるため滑り性が低下する恐れがある。更に、このような段差により、表面にざらつきが生じ、その表面に皮膚が触れた時に肌触りが悪くなる恐れがあるので好ましくない。
なお、上記フィラメントの伸び率及び平均直径は、マルチフィラメントについては、これを構成する個々のフィラメントについての数値ではなく、マルチフィラメントとしての数値である。
フィラメントの材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;アクリル;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、銅アンモニアレーヨン、リヨセル、酢酸セルロース(アセテート、トリアセテート等)等のセルロース繊維;等を挙げることができる。
これらの中で、特に、ポリエステル及びポリオレフィンが好ましい。
これらの材料は、一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用する編布は、その縦方向伸び率が20〜600%であることが好ましく、40〜600%であることが更に好ましい。また、横方向伸び率が20〜600%であることが好ましく、40〜600%であることが更に好ましい。ここで、縦方向とは、編布の製造方向に平行な方向をいい、通常は、編布のウェール方向が該当する。一方、横方向とは、縦方向に直交する方向をいい、通常は、編布のコース方向が該当する。
編布の伸び率が小さすぎると、皮膚の伸展に追従し難くなり貼付中に違和感が生じ、また、外部からの剪断応力に対する緩衝性も低下する恐れがある。逆に、伸び率が大きすぎると、編布の支持力が低下し、編布の表面とこれと接触するシーツ等との界面で滑りが起こる前に、編布編目の構造変形が起こり易くなるため、滑り性が悪くなる可能性がある。
また、この編布は、縦方向及び横方向の伸び率の比(両者の伸び率が異なる場合は、小さい方の伸び率を分母とする。)が、1.0〜15.0であることが好ましく、1.0〜8.0であることが更に好ましい。縦方向及び横方向のいずれかの伸び率が大きすぎると、編布表面に皺が発生しやすくなり、滑り性が低下する恐れがある。
本発明においては、編布を使用することが必須である。編布のループが構造変形することにより、編布の伸び率を上記範囲とすることが可能となる。織布や不織布のような編布以外の布帛では上記伸び率の実現は難しい。
本発明において、編布の編組織としては、公知のものを採用できる。その具体例として、緯編としては、平編、ゴム編、パール編、スムース編等が挙げられ、経編としては、デンビー編、コード編、アトラス編、鎖編、ミラニーズ編等が挙げられる。特に、良好な伸長性を達成するためには、緯編組織を採用することが好ましい。
編布の目付は、10〜100g/mであることが好ましく、15〜30g/mであることが更に好ましい。目付が小さすぎると、シーツ等との繰り返しの摩擦に耐えうる十分な強度が得られない恐れがある。逆に、目付が大きすぎると、嵩高になり皮膚に貼付したとき違和感があり、特に曲面部位への追従性が悪くなる恐れがある。
本発明においては、編布とフィルムとからなる積層支持体を使用することが必要である。編布によりフィルムが支持されるため、粘着性被覆材を皮膚に貼付する際に取り扱いやすく、貼付中にはフィルムに変形や皺が発生し難くなる。
編布とフィルムとの積層には、従来公知の方法、例えば、熱融着や接着剤による結合を利用することができ、加圧条件、温度条件等を制御することによって、編布とフィルムとの結合力を調節することができる。
フィルム表面の編布被覆率は、5〜80%であることが必要であり、10〜40%であることが好ましい。ここで、編布被覆率とは、積層支持体を編布側真上から見た時に、積層支持体を構成するフィルム面積に対する、編布を構成しているフィラメントによって被覆されているフィルム面積の百分比をいう。編布被覆率が小さすぎると、編布の強度が落ち、繰り返しの摩擦によりフィラメントが切れる可能性があり、更に、シーツ等との接触面積が少なくなり過ぎ、編布の下のフィルムがシーツ等との接触面になるため、反って滑り性が低下する恐れがある。他方、編布被覆率が大きすぎると、シーツ等との接触面積が多くなり過ぎ、滑り性が低下する恐れがある。
更に、編布被覆率を上記範囲内とすることにより、フィルム表面の照りを抑え、粘着性被覆材を皮膚に貼付した場合に、これを目立ち難くすることができるという利点が得られる。
本発明の粘着性被覆材は、上記積層支持体を構成するフィルムの編布が積層された面とは反対側の面に、粘着剤層が形成されたものである。
粘着剤は、特に限定されないが、その例として、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を挙げることができる。
アクリル系粘着剤としては、例えば、炭素数4〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独又は共重合体、及び上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能性単量体との共重合体である粘着性樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を示すことができる。また、官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、マレイン酸モノアルキルエステル、アルキルモノ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノアルキルなどを挙げることができる。
ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム等の共役ジエン重合体や芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体等の各種ブロック共重合体に、粘着付与剤を配合した粘着剤組成物を挙げることができる。
ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、水添スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)、スチレン−エチレン/ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、オレフィン結晶−エチレン/ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC)等を挙げることができる。
粘着付与剤としては、ロジン樹脂、ポリテルペン樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノール系樹脂等が挙げられる。
ビニルエーテル系粘着剤としては、例えば、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等を挙げることができる。
シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を挙げることができる。
これらの粘着剤は、一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
これらの粘着剤のうち、ゴム系粘着剤及びアクリル系粘着剤が好ましい。
また、粘着剤が熱可塑性エラストマーを含有してなることが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、上述のSIS、SBS、SEPS、SEBS、SEEPS、HSBR、SEBC、CEBC等の各種ブロック共重合体のほか、ウレタン系(共)重合体及びアクリル系(共)重合体を挙げることができる。
上記粘着剤に液状成分を添加すると、皮膚に対しての追従性が向上し、また、外部からの刺激や力に対して緩衝作用を持たせることができる。
粘着剤に添加する液状成分としては、粘着剤層を構成する各成分と相溶し得る、常温で液体状態にあるものが好ましい。その具体例としては、液状ゴム、多価アルコール、合成油、植物油、動物油等を挙げることができる。
液状ゴムとしては、例えば、液状イソプレンゴム(LIR)、液状スチレン−イソプレンゴム(LSIR)、液状エチレン/プロピレンゴム(LEPR)、液状スチレン−エチレン/プロピレンゴム(LSEPR)、液状ポリイソブチレン、液状ポリブテン等を挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等を挙げることができる。
合成油としては、例えば、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、カプリン酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル等の高級脂肪酸エステル;流動パラフィン、流動イソパラフィン;グリセリントリ−2−エチルヘキサノエート等の脂肪酸トリグリセライド;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノシリコン等のシリコーンオイル;等を挙げることができる。
植物油としては、例えば、オリーブ油、オリーブスクワラン、マカデミアナッツ油、ホホバ油、スクワラン、アーモンド油、落花生油、ひまし油、やし油、パーム油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、硬化やし油、硬化パーム油、アボガド、杏仁油、グレープシード油等を挙げることができる。
動物油としては、例えば、ラノリン、タートル油、ミツロウ、スクワレン、プリスタン等を揚げることができる。
これらの液状成分は、一種類を単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。
これらの液状成分のうち、液状ゴムが好ましく、中でも、液状イソプレンゴム(LIR)、液状スチレン−イソプレンゴム(LSIR)、液状エチレン−プロピレンゴム(LEPR)及び液状スチレン−エチレン−プロピレンゴム(LSEPR)が好ましい。
特に、粘着剤が熱可塑性ブロック共重合体エラストマーからなる場合は、液状ゴムを液状成分として採用することが好ましい。これにより、粘着剤層に凝集性が付与されて型崩れし難くなり、皮膚に対する良好な柔軟性を示すようになる。
液状成分の配合量は、粘着剤の全量に対して、4〜80重量%の範囲である。配合量がこの範囲内であると、粘着剤層の型崩れやコールドフローを引き起こすことなく粘着剤に添加することができ、貼付時には良好な柔軟性を示す。
粘着剤層の厚さは、通常、15〜5,000μm、好ましくは100〜3,000μmであり、更に好ましくは、250〜1,000μmである。粘着剤層の厚さをこの範囲内とすることにより、皮膚に対する十分な粘着力が得られ、皮膚に貼付したとき違和感を覚えることがない。また、粘着剤層の厚さをこの範囲内とすることにより、粘着層に皺や凹凸等の変形が発生し難くなり、粘着性被覆材の滑り性が低下することがない。
粘着剤に、親水性物質を加え、所謂ハイドロコロイド粘着剤とすると、汗や創傷からの滲出液が吸収される。これにより、粘着性被覆材を皮膚に長時間貼付した場合に、蒸れによるカブレや掻痒感を軽減することができる。ここで、親水性物質とは、水を吸着又は吸収する性質を有する物質をいう。
親水性物質は、特に限定されないが、好ましいものとしては、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(CMC−Na)、グアーガム、ゼラチン、カラヤガム、アルギン酸、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、デンプン・アクリル酸グラフト重合体等が挙げられる。
本発明において、粘着剤には、更に、皮膚の治療又は損傷の予防、美容等を目的とする薬効成分を添加することができる。例えば、セラミド等の保湿効果のある物質には、摩擦や角質剥離によって損傷を受けた皮膚を健常皮膚に近づける効果があるが、その効果が、本発明の粘着性被覆材の緩衝作用と相俟って効果的に発揮される。また、血流促進効果の高いγ−オリザノール等を添加すると、体圧によって生じる血管の閉塞を緩和し、更に効果的な褥瘡予防が期待できる。
更に、本発明において、粘着剤に、酸化防止剤、凝集力補強剤、粘着付与剤等を添加することができる。
フィルムと編布との積層体支持体に、粘着剤層を形成することにより、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材を得ることができる。積層支持体に粘着剤層を設ける方法も従来公知の方法を使用できる。例えば、剥離紙に粘着剤を塗工し、乾燥して粘着剤層を形成し、次いでその粘着剤層に積層支持体を貼り合わせ、それを加圧ローラーにより圧着して粘着剤層を積層支持体に転写することにより、粘着性被覆材を得ることができる。
粘着性被覆材の製品形態としては、シート状、テープ状のものが使用でき、サイズや形状は、貼付部位に合わせて適宜選定すればよい。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、縦方向(粘着性被覆材を構成する編布の縦方向と同じ方向をいう。)の伸び率は20〜600%であることが好ましく、40〜600%であることが更に好ましい。また、横方向(粘着性被覆材を構成する編布の横方向と同じ方向をいう。)の伸び率は20〜600%であることが好ましく、40〜600%であることが更に好ましい。これらの伸び率が上記下限以上であると、皮膚の伸展によく追従し、貼付中に違和感が生じることがなく、また、外部や皮膚からの剪断応力に対する緩衝性が良好に保たれる。更に、伸び率が上記上限以下であると、粘着性被覆材が貼付位置からずれることがなく、粘着性被覆材に変形が生じることがなく、元の形状に容易に復元するので、滑り性が良好に保たれる。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、縦方向及び横方向の伸び率の比(両者の伸び率が異なる場合は、小さい方の伸び率を分母とする。)が、1.0〜15.0であることが好ましく、1.0〜8.0であることが更に好ましい。縦方向及び横方向のいずれかの伸び率が大きすぎると、編布表面又は粘着剤層に皺が発生しやすくなり、滑り性が低下したり、貼付中に違和感を与えたりする恐れがある。
本発明の粘着性被覆材は、その20%伸長時の引張応力が、縦方向に2.0〜15.0N/19mm、横方向に2.0〜15.0N/19mmであることが好ましく、縦方向に2.0〜11.0N/19mm、横方向に2.0〜11.0N/19mmであることが更に好ましい。20%伸長時の引張応力が上記範囲内にあることにより、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、皮膚の伸展によく追従し、皮膚への貼付中に違和感や物理的刺激を与えることがない。
上記のような特性を有する本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、その編布側の表面が、3.0N/40cm以下、好ましくは2.5N/40cm以下の動摩擦力を有することができ、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材は、その編布側の表面の良好な滑り性により、粘着性被覆材の摩擦による皮膚刺激を緩和する。
更に、本発明の粘着性被覆材において、透明なフィルムと透明な粘着剤層とを採用することができる。このとき、光透過性に優れた粘着性被覆材を得ることができる。これにより、粘着性被覆材を貼付したときに肌と同じような外観を示すため、装着時の美観が向上し、且つ、褥瘡予防や傷の治療のために皮膚の状況を観察できる。
本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材において、フィルムとして、ポリウレタン、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体又はポリアミドを使用し、粘着剤としてアクリル系粘着剤又はスチレン系ブロック共重合体(SIS、SBS、SEPS、SEBS、SEEPS、HSBR、SEBC等)を使用して、これらを組合せることにより、編布、積層支持体及び粘着性被覆材の可視光透過率を、それぞれ、20.0%以上、5.0%以上及び2.5%以上とすることができる。
これにより、粘着性被覆材を皮膚に貼付したときの美観が向上すると共に、皮膚に貼付したままで皮膚の状態を容易に観察することができる。従って、皮膚の状態を観察するために貼付した被覆材を剥離する必要がないので、褥瘡等の治癒を促進することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、特に言及のない限り、%及び部は、重量基準である。
フィルム、編布及び粘着性被覆材の各特性は、以下の方法により測定した。
[糸伸び率]
JIS L1013(1999)に準じて行う。まず、編目を構成するフィラメントを緩く張った状態で、引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAG−I)のつかみに、つかみ間隔50mmで取り付ける。その後、糸が伸長せず、まっすぐになる程度の荷重をかけた時の伸びを緩みE(mm)として読み、引張速度100mm/minで引張り、切断時の伸びE(mm)を測定し、次式により糸伸び率を算出する。
S={(E−E)/(L+E)}×100
S:糸伸び率(%)、E:緩み(mm)、E:切断時の伸び(mm)、L:つかみ間隔(=50mm)
[編布伸び率]
JIS L1018(1999)に準じて行う。まず、幅25mm×長さ100mmの試料を緩く張った状態で、引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAG−I)のつかみに、つかみ間隔50mmで取り付ける。その後、編布が伸長せず、まっすぐになる程度の荷重をかけ、引張速度100mm/minで引張り、切断時の伸びE(mm)を測定し、次式により伸び率を算出する。伸び率は、縦方向及び横方向のそれぞれについて測定する。
S=(E/L)×100
S:編布伸び率(%)、E:切断時の伸び(mm)、L:つかみ間隔(=50mm)
[編布被覆率]
積層支持体の編布側を真上から見た状態を、ビデオマイクロスコープ(KEYENCE社製)で50倍に拡大し撮影する。その時に観察された画像の編目がフィルムを被覆している面積を測定し、その百分比を算出する。
[フィルム伸び率]
幅25mm×長さ100mmの試料を、引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAG−I)のつかみに、つかみ間隔50mmで取り付ける。その後、引張速度100mm/minで引張り、切断時の伸びE(mm)を測定し、次式により伸び率を算出する。
S=(E/L)×100
S:フィルム伸び率(%)、E:切断時の伸び(mm)、L:つかみ間隔(=50mm)
[粘着性被覆材の伸び率]
幅19mm×長さ約100mmの試料を作成し、50mm間隔の印をつける。この試料を引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAG−I)のつかみに、印間がつかみ間隔内に入るように取り付け、引張速度200mm/minで引っ張り、破断時の伸びを次式により算出する。伸びは、縦方向及び横方向のそれぞれについて測定する。
伸び率(%)={(E−L)/L}×100
S:伸び率(%)、E:破断時の印間の長さ(mm)、L:印間間隔(=50mm)
[粘着性被覆材の20%伸長時の引張応力]
幅19mm×長さ約100mmの試料を作成し、50mm間隔の印をつける。この試料を引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAG−I)のつかみに、印間がつかみ間隔内に入るように取り付け、引張速度300mm/minで引っ張り、試料を20%引っ張った時の引張応力(N/19mm)を測定する。引張応力は、縦方向及び横方向のそれぞれについて測定する。
[粘着性被覆材の動摩擦力]
JIS K7125(1999)に準じて行う。滑り片には、接触面として綿金巾を使用し、その滑り片の全質量を100g、接触面積40cmとした正方形のものを使用する。滑らせる速度を300mm/minとして動摩擦力(N/40cm)を測定する。動摩擦力は、縦方向及び横方向のそれぞれについて測定する。
[可視光透過率]
厚さ0.13〜0.17mmの透明なガラス板上に25mm×25mmの試験片を載置した測定サンプルを作成する。紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV−1650PC)を使用し、このサンプルの波長550nmにおける光の透過率を測定して、この値を可視光透過率とする。測定は、編布、積層支持体及び粘着性被覆材のそれぞれの試験片について行う。
[粘着性被覆材の皮膚貼付評価(1):貼付感]
粘着性被覆材を幅25mm×長さ50mmにカットし、被験者の下腹部に貼付し、貼付してから24時間後までに被験者が感じる刺激及び違和感の程度によって3段階の基準(○:刺激や違和感がほとんどない、△:刺激や違和感が多少ある、×:刺激や違和感が強い)で評価する。
[粘着性被覆材の皮膚貼付評価(2):貼付後の状況]
貼付24時間経過後の、粘着性被覆材の状況を観察して、粘着性被覆材の変形や皺、剥がれ及び浮きの発生の程度によって、3段階の基準(○:発生がほとんどない、△:多少発生する、×:顕著に発生する)で評価する。
[実施例1]
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)15部、液状成分としての液状イソプレン(LIR)30部及び液状スチレン−イソプレン共重合体ゴム(LSIR)60部及び親水性物質としてのカルボキシセルロースナトリウム(CMC−Na)50部を、加圧ニーダーに入れ、均一になるまで混合し、粘着剤A1を調整した。この粘着剤A1を加圧ローラーで厚さ600μmに圧延し、剥離紙上に粘着剤A1層を作成した。
一方、平均直径52.5μm、伸び率12%のポリエステルモノフィラメントからなる目付19.8g/mのスムース編の編布(縦方向伸び率60%、横方向伸び率300%)を、厚さ17.5μm、伸び率400%のポリウレタンフィルムに、編布被覆率が21.1%になるようにポリウレタン接着剤により貼付して、フィルム/編布積層支持体S1を得た。
粘着剤A1層に前記積層支持体S1のフィルム側を貼り合わせて、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材C1を得た(表1)。
この粘着性被覆材C1について、伸び率、引張応力等各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
[実施例2]
アクリル酸ブチル70部、アクリル酸2−エチルヘキシル25部、アクリル酸3部及びメタクリル酸メチル2部を共重合して得たランダム共重合体に、溶剤として酢酸エチルを加え、固形分濃度50%の溶液からなる粘着剤A2を得た。この粘着剤A2を剥離紙上に厚さ50μmになるよう塗工し、その後乾燥して、剥離紙上に粘着剤A2層を作成した。
一方、平均直径63.7μm、伸び率21%のポリアミドモノフィラメントからなる目付30.0g/mのスムース編の編布(縦方向伸び率70%、横方向伸び率250%)を、厚さ20.0μm、伸び率250%のポリウレタンフィルムに、編布被覆率が33.1%になるようにポリウレタン接着剤により貼付して、フィルム/編布積層支持体S2を得た。
粘着剤A2層に前記積層支持体S2のフィルム側を貼り合わせて、本発明の皮膚貼付用粘着性被覆材C2を得た(表1)。
この粘着性被覆材C2について、伸び率、引張応力等各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例1
実施例2において、編布を、平均直径43.2μm、伸び率19%のポリアミドマルチフィラメントからなる目付15.0g/mのスムース編の編布(縦方向伸び率44%、横方向伸び率80%)に変え、フィルムに対する編布被覆率を19.3%に変えるほかは、実施例2と同様にして、粘着性被覆材C3を得た(表1)。この粘着性被覆材C3について、伸び率、引張応力等各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
[比較例
実施例1において、粘着剤層の支持体を、編布を使用せず、フィルム単独からなる構成としたほかは、実施例1と同様にして、粘着性被覆材C4を得た(表1)。この粘着性被覆材C4について、伸び率、引張応力等各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
[比較例
実施例2において、編布を、平均直径78.9μm、伸び率32%のポリアミドマルチフィラメントからなる目付42.3g/mの平織物(縦方向伸び率32%、横方向伸び率32%)に変え、フィルムに対する編布(織布)被覆率を63.1%に変え、更にフィルムを厚さ20.0μm、伸び率110%のポリエステルフィルムに変えるほかは、実施例2と同様にして、粘着性被覆材C5を得た(表1)。この粘着性被覆材C5について、伸び率、引張応力等各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
[比較例
実施例2において、編布を、目付34.0g/mのポリエステルスパンレース不織布(縦方向伸び率31%、横方向伸び率38%)に変え、フィルムに対する不織布被覆率32.3%に変えるほかは、実施例2と同様にして、粘着性被覆材C5を得た(表1)。この粘着性被覆材C5について、伸び率、引張応力等各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0004448913
表1の注
*1:アクリル粘着剤の単量体組成(部)
BA:アクリル酸ブチル
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
AA:アクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
*2:フィラメントの材料
PET:ポリエステル
PAM:ポリアミド
*3:フィラメントの形態
モノ:モノフィラメント
マルチ:マルチフィラメント
*4:フィルムの材料
PU:ポリウレタン
PET:ポリエステル
Figure 0004448913
表2の結果から、以下のことが分かる。
編布を使用しないでフィルムのみを粘着性被覆材の支持体とした比較例では、貼付中の違和感等は少なかったものの、フィルムに変形や皺が、粘着性被覆材の縁部に剥がれや浮きが発生した。これは編布を使用しないことによりフィルムの伸びが大きくなって動摩擦力が大きくなり、滑り性が低下したためと考えられる。
伸び率が小さいフィルムと伸び率が小さい織布とを用いて積層支持体を構成した比較例では、比較例に比して、動摩擦力は小さかったものの、貼付中に刺激や違和感が甚だしかった。これは、フィルムの伸び及び織布の伸びが小さいことに起因して粘着性被覆材の伸びが小さく、皮膚の動きに追随せず、外部の刺激がそのまま貼付部位に伝わったためと考えられる。
編布に代えて不織布を用いて積層支持体を構成した比較例では、貼付中に刺激や違和感を覚えた。これは、不織布表面の毛羽立ち等により粘着性被覆材の動摩擦力が大きくなり、外部からの刺激が不織布表面であまり緩衝されることなく、貼付部位に伝わったためと考えられる。
これに対して、本発明の粘着性被覆材は、皮膚貼付中の感触もよく、違和感を覚えることがなかった。これは、編布の構造に起因して、粘着性被覆材が大きい伸び率を示し、皮膚の動きに十分に追随し、また、動摩擦力が小さいことに示されるように、粘着性被覆材と接触することによる刺激も少ないことによると考えられる。
また、本発明の粘着性被覆材は、フィルム、粘着剤及び編布を適切に選定することにより、可視光透過率が高くなることが分かる。
また、実施例2と比較例1との比較から、編布としてモノフィラメントからなるものを使用すると、マルチフィラメントを用いた場合に比べて動摩擦力が低く、可視光透過率も高いことが分かる。

Claims (9)

  1. フィルムの一方の面に編布を積層してなる積層支持体と、このフィルムの編布が積層された面とは反対側の面に形成された粘着剤層とからなる粘着性被覆材であって、フィルムが150〜1,500%の伸び率を有し、編布が伸び率1〜200%のモノフィラメントから形成されたものであって、フィルム表面の編布被覆率が5〜80%であることを特徴とする皮膚貼付用粘着性被覆材。
  2. 編布を形成するモノフィラメントの平均直径が15〜200μmである請求項1記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  3. 編布が20〜600%の伸び率を有し、編布の目付が10〜100g/mであり、フィルム表面の編布被覆率が10〜40%である請求項1又は2に記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  4. フィルムの厚さが5〜40μmである請求項1〜のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  5. 粘着剤が熱可塑性エラストマーを含有してなるものである1〜のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  6. 粘着剤が液状成分及び/又は親水性物質を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  7. 伸び率が20〜600%であり、20%伸長時引張応力が2.0〜15.0N/19mmであり、編布側の表面が3.0N/40cm以下の動摩擦力を有する請求項1〜のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  8. 2.5%以上の可視光透過率を有する請求項1〜のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
  9. 褥瘡予防・治療用である請求項1〜のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着性被覆材。
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